JPH0836756A - 光学的情報再生装置 - Google Patents

光学的情報再生装置

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JPH0836756A
JPH0836756A JP6168166A JP16816694A JPH0836756A JP H0836756 A JPH0836756 A JP H0836756A JP 6168166 A JP6168166 A JP 6168166A JP 16816694 A JP16816694 A JP 16816694A JP H0836756 A JPH0836756 A JP H0836756A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】光ディスクからの再生信号中に現れる符号間干
渉の影響を効果的に軽減できる光学的情報再生装置を提
供する。 【構成】光ディスク1上に対物レンズ4を介して光ビー
ムを照射し、光ディスク1からの回折光を検出して得ら
れた再生信号Siを処理して光ディスク1に記録されて
いる情報を再生する光学的情報再生装置であって、再生
信号Siを入力とするタップ付き遅延回路と、その各タ
ップの出力信号を所定のタップ係数で重み付け加算する
回路とからなるトランスバーサルフィルタ7を信号処理
系に有し、再生用光ビームの波長をλ、対物レンズ4の
開口数をNA、光ディスク1と再生用光ビームとの相対
速度をvとしたとき、トランスバーサルフィルタ7にお
けるタップ付き遅延回路のタップ間隔τをτ=(0.3
7〜0.51)×λ/(v×NA)としたことを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、記録媒体上にマーク
列として記録された情報を光ビームの照射により再生す
る光学的情報再生装置に係り、特に再生信号を処理する
信号処理回路に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の光学的情報再生装置、例えば光
ディスクと呼ばれるディスク状の記録媒体を用いる光デ
ィスク装置では、光ディスク上に螺旋状または同心円状
のトラックに沿って情報をマーク列として記録し、再生
はレーザ光のような光ビームを照射してその反射回折光
を検出することにより光学的に行う。ユーザがレーザに
より光ディスクに情報信号を記録できる装置としては、
初期には文書ファイルシステム等が商品化され、より高
度の信頼性を必要とする計算機の周辺記憶装置としての
用途に向けた製品も実用化されてきた。さらに、記録し
た情報を消去し、再書き込みできる装置なども実用化さ
れるに至っている。また、同様の技術をカード状あるい
はテープ状の記録媒体に適用した光カードメモリ装置あ
るいは光テープメモリ装置の開発も進められている。ま
た、再生専用光ディスクについてもコンパクトディス
ク、CD−ROMあるいはレーザディスクなどが実用化
されてきている。
【0003】これらの光学的情報再生装置では、例えば
光スポット径が1.2ミクロン程度に絞り込まれたレー
ザビームにより、大きさが1ミクロン程度で、トラック
ピッチが1.6ミクロン程度の記録マーク列を追跡して
再生を行う。記録マークの形成方式としては、再生専用
形の光ディスクでは基板をスタンパで成型する際にピッ
トと呼ばれる局所的な凹凸を形成する。ユーザが記録す
るタイプでは、記録膜に局所的な破壊、変形、あるいは
相変化による光学的性質の変化などを生じさせる方法な
ど様々な方式が提案され、また実用化されている。
【0004】これらの光学的情報記録再生装置は、他の
記憶装置と同様に用途あるいは応用分野の拡大と共に大
容量化、小型化が要請され、そのために記録密度の向上
が進められたきた。
【0005】記録密度を向上させる方法としては、線記
録密度を上げる方法とトラック密度を上げる方法がある
が、これらをいずれも限界がある。すなわち、線記録密
度を向上するには、記録時の基本クロック(チャネルク
ロックという)の周期を短くすればよいが、再生信号の
符号間干渉による波形歪みが大きくなり、誤り率を許容
範囲に収めることが困難となる。トラック密度を向上す
るためにはトラックピッチを狭めればよいが、再生信号
に現れる隣接トラック間のクロストークの影響が増大す
るため、やはり誤り率を許容範囲に収めることが困難と
なる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の光学的情報記録再生装置では、線記録密度を向上する
ために記録時の基本クロック(チャネルクロックとい
う)の周期を短くすると再生信号の符号間干渉による波
形歪みが大きくなり、またトラック密度を向上するため
にトラックピッチを狭めると、再生信号に現れる隣接ト
ラック間のクロストークの影響が増大し、いがれも誤り
率を許容範囲に収めることが困難となるという問題があ
った。これは特に、光ディスクがチルト、すなわち光ビ
ームに対する相対的な傾きを持っている場合に顕著であ
り、符号間干渉およびクロストークともにその影響は多
大なものとなる。このため、線記録密度やトラック密度
の向上による高記録密度化には自ずと限界があった。
【0007】従って、本発明の目的は、再生信号中に現
れる符号間干渉の影響を効果的に軽減できる光学的情報
再生装置を提供することにある。本発明の他の目的は、
再生信号中に現れる符号間干渉やクロストークの影響を
効果的に軽減できる光学的情報再生装置を提供すること
にある。
【0008】本発明のもう一つの目的は、光ビームに対
して記録媒体が傾斜していても再生信号中に現れる符号
間干渉やクロストークの影響を効果的に軽減できる光学
的情報再生装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明は情報がマーク列として記録された記録媒体
上に対物レンズを介して光ビームを照射し、該記録媒体
からの回折光を検出して得られた再生信号を信号処理手
段により処理して前記情報を再生する光学的情報再生装
置において、前記信号処理手段にトランスバーサルフィ
ルタを用いて再生信号の波形等化を行うようにすると共
に、このトランスバーサルフィルタのタップ間隔やタッ
プ係数あるいは周波数特性を最適化することにより、符
号間干渉やクロストークの影響が軽減された再生信号を
得るようにしたものである。
【0010】すなわち、第1の発明は再生信号を入力と
する複数のタップを有する遅延手段と、この遅延手段の
各タップの出力信号を所定のタップ係数で重み付け加算
する手段とからなるトランスバーサルフィルタを有し、
光ビームの波長をλ、対物レンズの開口数をNA、記録
媒体と光ビームとの相対速度をvとしたとき、タップ間
隔つまり複数のタップの隣接するタップ間の遅延時間τ
を τ=(0.37〜0.51)×λ/(v×NA) としたことを特徴とする。
【0011】第2の発明は、同様のトランスバーサルフ
ィルタを有し、記録媒体上のマーク列の最短マーク長を
Lmin、記録媒体と光ビームとの相対速度をvとした
とき、タップ間隔τを τ=Lmin/v としたことを特徴とする。
【0012】第3の発明は、第1または第2の発明にお
いてトランスバーサルフィルタの遅延手段が有する複数
個のタップとして少なくとも第1乃至第5のタップを有
し、これら第1乃至第5のタップからの出力信号に乗じ
るタップ係数をそれぞれa・(−f2),a・(−f
1),a・{1+2×(f1+f2)},a・(−f
1),a・(−f2)としたとき(但し、aは0以外の
定数)、 0.01≦f1≦0.05 0.01≦f2≦0.04 としたことを特徴とする。
【0013】第4の発明は、再生信号を処理する信号処
理手段として、記録媒体が光ビームに対して傾いた状態
に対して最適化された波形等化特性を持つトランスバー
サルフィルタを有することを特徴とする。
【0014】第5の発明は、第4の発明を実現するため
に、第1または第2の発明においてトランスバーサルフ
ィルタの遅延手段が有する複数個のタップとして少なく
とも第1乃至第5のタップを有し、これら第1乃至第5
のタップからの出力信号に乗じるタップ係数をそれぞれ
a・(−f2),a・(−f1),a・{1+2×(f
1+f2)},a・(−f1),a・(−f2)とした
とき(但し、aは0以外の定数)、 0.03 ≦f1≦0.07 0.015≦f2≦0.04 としたことを特徴とする。
【0015】第6の発明は、第4の発明を実現するため
に、第1または第2の発明においてトランスバーサルフ
ィルタの遅延手段が有する複数個のタップとして少なく
とも第1乃至第5のタップを有し、これら第1乃至第5
のタップからの出力信号に乗じるタップ係数をそれぞれ
a・(−f2),a・(−f1),a・{1+2×(f
1+f2)},a・(−f1),a・(−f2)とした
とき(但し、aは0以外の定数)、 0.04≦f1≦0.11 0.01≦f2≦0.06 としたことを特徴とする。
【0016】第7の発明は、再生信号を処理する信号処
理手段として、再生信号の周波数νなる信号成分に対す
る増幅率をg(ν)、記録媒体上にマーク列として記録
された情報の変調信号の最高周波数をν0 としたとき、 g(ν0 ) =(1.12〜1.44)×g(0) g(0.5×ν0 )=(1.12〜1.46)×g(0) なる周波数特性のフィルタを用いたことを特徴とする。
【0017】
【作用】第1および第2の発明によると、トランスバー
サルフィルタのタップ間隔を前述のように選ぶことによ
り、再生信号中に含まれる符号間干渉の影響による波形
歪みが低減もしくはキャンセルされる。
【0018】第3の発明によると、第1または第2の発
明においてトランスバーサルフィルタのタップ係数を前
述のように選ぶことにより、ウインドウ占有率が実用上
要求されている略20%以内となるような良好な波形等
化特性が得られ、符号間干渉の影響がより効果的に低減
される。
【0019】第4の発明によると、記録媒体が光ビーム
に対して傾いた状態に対してトランスバーサルフィルタ
の波形等化特性が最適化されていることにより、記録媒
体が光ビームに対して傾斜している場合でも、符号間干
渉やクロストークの影響の軽減された再生信号が得られ
る。
【0020】第5および第6の発明によると、トランス
バーサルフィルタのタップ係数を前述のように選ぶこと
により、光ビームに対する記録媒体の傾斜として実用上
許容されている10mradの傾斜がある場合において
も、符号間干渉やクロストークの影響が効果的に軽減さ
れる。
【0021】第7の発明によると、第1乃至第6の発明
におけるトランスバーサルフィルタと同様の結果がトラ
ンスバーサルフィルタのようなタップ付きの遅延回路を
含まない簡単なアナログフィルタにより実現される。
【0022】このように本発明によると、再生信号の適
切な波形等化が可能となり、誤り率が大幅な低減され
る。この結果、従来と同じ光学系を用いてもより高い信
号品質が得られ、線記録密度やトラック密度の向上によ
る高記録密度化と情報記録の信頼性の向上を図ることが
できる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して説
明する。図1は、本発明の一実施例に係る光学的情報再
生装置の概略構成を示すブロック図である。同図におい
て、光ディスク1には所定の変調符号に変調された情報
がマーク列、例えばピット列として記録されている。
【0024】光ディスク1に記録された情報を再生する
際には、光ディスク1をモータ2により回転させなが
ら、光ヘッド3内の図示しない光源、例えば半導体レー
ザから出射された光ビームを光ヘッド3に設けられた対
物レンズ4により集束して光ディスク1に照射し、その
反射回折光を光ヘッド3内の光検出器(図示せず)によ
り検出する。この光検出器は一般に検出面を複数に分割
した分割光検出器であり、この光検出器から電気信号と
して得られた複数の検出信号は、アンプ5で増幅された
後、演算回路6に入力される。演算回路6では、入力さ
れた複数の検出信号にアナログ演算(加減算)を施すこ
とにより、光ディスク1に記録されている情報に対応し
た再生信号Siと、トラッキングサーボ信号Stおよび
フォーカスサーボ信号Sfを生成する。トラッキングサ
ーボ信号Stおよびフォーカスサーボ信号Sfは、対物
レンズ4を光ディスク1の半径方向(トラック幅方向)
および光軸方向に駆動するための図示しないアクチュエ
ータのドライバに制御信号として供給される。
【0025】演算回路6から出力される再生信号Si
は、トランスバーサルフィルタ7に入力される。トラン
スバーサルフィルタ7は、再生信号Siの符号間干渉の
補償などのために波形等化を行うものであり、その構成
については後述する。トランスバーサルフィルタ7の出
力信号Soは、PLL(位相同期回路)8とデータ識別
回路9に入力される。PLL8は、トランスバーサルフ
ィルタ7の出力信号Soから光ディスク1に情報を記録
するときの基本クロックであるチャネルクロックの成分
を抽出し、それをデータ識別回路9に供給する。
【0026】データ識別回路9では、チャネルクロック
に基づいてトランスバーサルフィルタ7の出力信号So
の“0”,“1”を判定して、光ディスク1に記録され
ている情報の変調信号のデータ識別を行う。すなわち、
チャネルクロックの立上がりまたは立ち下がりのタイミ
ングを基準とする所定の時間幅(ウインドウ幅という)
内で、トランスバーサルフィルタ7の出力信号Soと適
当なしきい値(Th)とを比較することにより、データ
識別を行う。このデータ識別回路9の出力信号は復号回
路10に入力され、変調符号が復号されることにより、
光ディスク1に変調信号として記録されている情報が復
元される。
【0027】上述した信号処理系の基本構成は公知であ
るが、本発明は特にトランスバーサルフィルタ7の構成
に特徴を有する。以下、トランスバーサルフィルタ7に
ついて説明する。
【0028】図2は、トランスバーサルフィルタ7の構
成を示す図である。このトランスバーサルフィルタ7
は、遅延回路20と重み付け加算のための乗算器30〜
34および加算器35により構成される。図1の演算回
路6からの再生信号Siは、まず遅延回路20に入力さ
れる。遅延回路20は複数段、この例では4段の単位遅
延素子21,22,23,24を縦続接続したものであ
り、複数個のタップT0,T1,T2,T3,T4を有
する。演算回路6から出力される再生信号Siがアナロ
グ信号である場合、遅延回路20は例えばCCDのよう
なアナログ信号用ディレイラインによって構成される。
単位遅延素子21と単位遅延素子24はτ2の遅延時間
を持ち、単位遅延素子22と単位遅延素子23はτ1の
遅延時間を持つ。単位遅延素子21,22,23,24
は、隣接するタップT0,T1,T2,T3,T4の相
互間に位置しているので、その遅延時間、つまり隣接す
るタップ間の遅延時間をタップ間隔という。なお、一般
的にはτ1=τ2=τに選ばれる。
【0029】各タップT0,T1,T2,T3,T4か
らの出力信号は、乗算器30,31,32,33,34
によりそれぞれa・(−f2),a・(−f1),a・
{1+2(f1+f2)},a・(−f1),a・(−
f2)なる係数(これをタップ係数という)が乗じられ
た後、加算器35により足し合わされて、波形等化され
た出力信号Soが得られる。但し、aは0以外の定数で
あり、正でも負でもよい。なお、中央のタップT3(主
タップという)からの出力信号に対して乗じるタップ係
数は、全タップT0,T1,T2,T3,T4からの出
力信号に対して乗じるタップ係数の合計が1となるよう
に、上記a・{1+2(f1+f2)}に選ばれる。こ
れはトランスバーサルフィルタ7の入力信号(再生信号
Si)が直流の場合に、出力信号Soも直流となってト
ランスバーサルフィルタ7が単なる増幅率aの直流増幅
器とみなせるようにするためである。
【0030】この場合、遅延回路20の中央のタップT
2(主タップ)からの出力信号に接続された乗算器32
を通過する信号を主成分と考えると、図2のトランスバ
ーサルフィルタ7は、タップT0,T1,T3,T4か
らの出力信号、つまり主タップT2からの出力信号の前
後±τ1,±(τ1+τ2)の信号に対して、主タップ
T2からの出力信号に対するタップ係数と異なるタップ
係数を乗じたものを主成分に対する補正量として加える
ことにより、再生信号Siの波形等化を行うものと考え
ることができる。
【0031】なお、このように主タップT2の前後のタ
ップT0,T1,T3,T4からの出力信号に対して対
称的な値のタップ係数を乗じる理由は、光ディスク1上
のマーク形状や光ヘッド3からの光ビームの形状に前後
方向(トラック方向)の対称性、つまり時間軸方向の対
称性があることによる。このような対称性がない場合に
は、それに対応してトランスバーサルフィルタ7におけ
るタップ係数の対称性も崩した方が良好な特性が期待で
きる場合がある。
【0032】図2に示すトランスバーサルフィルタ7は
5タップ構成であるが、回路を簡略にするために主タッ
プT2からの出力信号に対する遅延時間が±(τ1+τ
2)のタップT0,T4を持たない3タップ構成とした
り、遅延時間が±(τ1+τ2+τ3)のタップを追加
した7タップ構成、あるいはそれ以上のタップ数を有す
る構成にすることも可能である。タップ数を増やすこと
で、設計自由度が増えるため性能は向上するが、回路は
複雑になるので、両者の兼ね合いを考慮してトランスバ
ーサルフィルタ7のタップ数を決めることが必要であ
る。しかしながら後述するように、光ビームのメインロ
ーブの裾野と、1次のサイドローブまでの影響を考慮す
ることが5タップの使用に対応することを考慮すると、
5タップ構成が性能と回路規模の両方を勘案して最も有
効であり、6タップ以上にする場合の性能向上はこれと
の比較で言えばさほど高くはない。また、τ1とτ2は
必ずしも等しい必要はないが、等しくした場合、回路構
成が簡単になるという特徴がある。また、メインローブ
の裾野と、1次のサイドローブに対応する位置にタップ
間隔を合わせる際、τ1:τ2の比が通常ほぼ1である
ことから、τ1=τ2としても十分な性能が確保でき
る。
【0033】ここで、本発明はトランスバーサルフィル
タ7におけるタップ間隔τ(τ1,τ2等)やタップ係
数、さらにはトランスバーサルフィルタ7に代えて使用
されるアナログフィルタの周波数特性を最適化すること
により、再生信号Si中に現れる符号間干渉やクロスト
ークの影響を効果的に軽減して、トランスバーサルフィ
ルタ7やアナログフィルタの出力に得られる波形等化後
の再生信号の品質を向上させ、誤り率を低減するもので
ある。以下、その具体的な実施例について説明する。
【0034】(実施例1)本実施例では、トランスバー
サルフィルタ7におけるタップ間隔の最適化について述
べる。
【0035】図3は、本実施例における再生信号波形の
例を示す図であり、横軸に光ディスク1上の光ビーム位
置、縦軸に再生信号Siの振幅をとっている。Thは図
1のデータ識別回路9におけるしきい値である。図3に
おいては、光ディスク1上の種々のピットパターンに対
応する再生信号波形が示されており、これらの再生信号
波形は101〜105の5つのグループに分けられる。
例えば、グループ101に対応するピットパターンは2
01であり、グループ102に対応するピットパターン
は202である。再生信号Siの振幅は、ピットが存在
する位置では小さく、ピットが存在しない位置では大き
い。
【0036】本実施例において、光ヘッド3から出射さ
れる再生用の光ビームの波長(λ)は650nm、対物
レンズ4の開口数(NA)は0.6である。光ディスク
1は再生専用形であり、情報はマーク長記録方式で長さ
や間隔が定められたピット列として記録されている。記
録されている情報は、ピット間隔およびピット長の最小
値と最大値が規定されたRLL符号(ランレングスリミ
テッド符号)に変調されており、この例ではピット間
隔、ピット長ともに、チャネルビット長Twを単位とし
て4から18の整数値で表される。このようなRLL符
号は(4,18)RLLCと表現される。ここで、チャ
ネルビット長Twは図1のデータ識別回路9で用いるウ
インドウ幅に相当する長さであり、例えば0.12μm
である。なお、本明細書では、誤解のおそれのない場
合、光ディスク1上での物理的な長さと、時間を同じ記
号や単位で表すことがあるが、光ビームの走査速度(光
ビームに対する光ディスク1の相対速度)を変換係数と
して換算するものとする。
【0037】図3に示されるように、ピットパターン2
01,202のエッジ位置が同じでも、これに対応する
再生信号波形の立上がりエッジは異なっている。これは
ピットパターン201,202における前後のピットの
影響、すなわち符号間干渉によるものである。この符号
間干渉は、光ディスク1上に集束する光ビームが有限の
大きさの径を持ち、さらに後述するサイドローブを持つ
ことに起因している。すなわち、光ビームの強度分布に
おけるメインローブの裾野の位置やサイドローブの位置
で光ディスク1から検出される信号が符号間干渉の要因
と言える。このことは、光ビームにより光ディスク1上
を走査して再生を行う際に、光ビームの強度分布の中心
位置からメインローブの裾野位置やサイドローブまでの
距離に相当する時間だけ先行して検出される信号、ある
いは遅れて検出される信号が符号間干渉の量と強く相関
をもつことを意味する。
【0038】図4は、本実施例における光ビームの強度
分布を示す図であり、横軸に位置、縦軸に強度をとって
いる。光ディスク1の表面上での光ビームの回折現象の
影響により、光ビームの強度分布の中心(ビーム中心と
いう)から裾野に向かった位置、つまりメインローブ4
00の両端に強度の極小点があり、さらに先に強度が再
び増加する領域401,402がある。これらの強度が
増加する領域401,402は1次のサイドローブと呼
ばれるものである。また、これら1次のサイドローブ4
01,402よりさらに先に2次、3次等の高次のサイ
ドローブもあるが、通常の場合、これら高次のサイドロ
ーブの強度は順次小さくなるので、ほとんど無視でき
る。
【0039】図4では、光ビームに対して光ディスク1
が傾斜した場合の強度分布の変化も示されている。横軸
がビーム半径方向の位置(0.0がビーム中心)、縦軸
が正規化したビーム強度であり、また「チルト」は光ビ
ームに対する光ディスク1の傾斜角をラジアンで表した
ものである。同図に示されるように、光ビームに対して
光ディスク1が半径方向(トラック幅方向)に傾斜した
場合、片側のサイドローブ401は強度が増大するが、
反対側のサイドローブ402は減少し、メインローブ4
00の裾野の部分が広がる傾向がある。
【0040】そこで、本実施例では光ビームの強度分布
のメインローブの裾野やサイドローブによる影響を以下
のようにトランスバーサルフィルタ7によって除去す
る。図1のような光学的情報再生装置において、集束す
る光ビームの強度分布の幅や、ビーム中心からサイドロ
ーブ401,402までの距離は、光ビームの波長
(λ)や対物レンズ4の開口数(NA)に依存するが、
回折限界に近い性能が満たされている通常の光ディスク
装置では、この距離は(λ/NA)に比例する量にな
る。図4から分かるように、サイドローブ401,40
2はビーム中心からほぼ0.8〜1.1μmの距離の位
置にある。また、ビーム中心とサイドローブ401,4
02とのちょうど中間の位置、つまりビーム中心からの
距離が0.4〜0.55μmの位置は、メインローブ4
00の裾野の影響をよく反映する位置に対応している。
【0041】従って、図2に示した5タップ構成のトラ
ンスバーサルフィルタ7を用いた場合のパラメータ値と
しては、タップ間隔をτ=τ1=τ2として、これがビ
ーム中心からビーム中心とサイドローブ401,402
との中間の位置までの距離D=0.4〜0.55μmを
光ビームが走査するのに要する時間とすべきことが分か
る。すなわち、光ビームによる走査速度をvとすれば、
この距離Dをvで割った値D/v=0.4〜0.55μ
m/vをタップ間隔τとすればよい。
【0042】このようにタップ間隔τを選ぶと、再生信
号中に現れるメインローブ400の中心(ビーム中心)
による成分が主タップT2からの出力信号に現れると
き、再生信号中に現れるメインローブ400の裾野の影
響による成分は、タップT1,T3からの出力信号に現
れ、サイドローブ401,402の影響による成分は、
タップT0,T4からの出力信号に現れる。前述のよう
に、タップT0,T1,T3,T4からの出力信号に対
して乗じられるタップ係数a・(−f2),a・(−f
1),a・(−f1),a・(−f2)は、主タップT
2からの出力信号に対して乗じられるタップ係数a・
{1+2×(f1+f2)}とは逆極性で、かつこれよ
り大きさ(絶対値)が小さい。従って、a・f1,a・
f2を適当に選ぶことにより、タップT0〜T4からの
出力信号が乗算器30〜34および加算器35で重み付
け加算される段階で、再生信号Si中のメインローブ4
00の裾野およびサイドローブ401,402の影響に
よる成分は、トランスバーサルフィルタ7の出力信号S
oでは低減もしくはキャンセルされることになる。
【0043】ところで、光ビームの回折限界に近い性能
が満たされている通常の光ディスク装置においては、上
記D/vはλ/NAに比例する量である。従って、光ビ
ームの波長λや対物レンズの開口数が異なる光ディスク
装置において最適なパラメータ値としては、D/v=
0.4〜0.55μm/vを(λ/NA)で規格化した
値が上記の値に対応することが必要である。すなわち、
λ=650nm、NA=0.6であるから、0.4μm
×0.6/650nm=0.37、0.55μm×0.
6/650nm=0.51より、 τ=(0.37〜0.51)×λ/(v×NA) …(1) とすればよい。
【0044】なお、光ディスク1においては一般に、光
ビームの実効的な径に最短ピット長を対応させる。光ビ
ームの実効的な径は、前記Dの距離にほぼ相当する。上
述したように、D=(0.37〜0.51)×λ/NA
である。従って、式(1)は最短ピット長をLminと
すれば、 τ=Lmin/v …(2) のように表すこともできる。
【0045】(実施例2)本実施例では、トランスバー
サルフィルタ7におけるタップ係数の最適化の第1の例
について述べる。
【0046】本実施例においては、光ディスク1上に記
録されている情報は、ピットの長さや間隔が全て0.1
2μmの整数倍となる変調符号の形で記録されているも
のとする。この0.12μmという値はチャネルクロッ
ク周期と呼ばれ、図1のデータ識別回路9でのウインド
ウ幅Twはこれと等しく設定される。また本実施例で
は、光ディスク1上の最短ピット長Lminがウインド
ウ幅Twの4倍であるのに対応して、トランスバーサル
フィルタ7におけるタップ間隔τは0.48μm/vと
している。
【0047】図5は、本実施例におけるトランスバーサ
ルフィルタ7のタップ係数と再生信号のジッタ特性を示
す図であり、横軸のF1はタップ係数f1、縦軸のF2
はf2をそれぞれ表す。等高線で表示されている値は、
種々の再生信号に対して理論計算を行い、その再生信号
の立上がりおよび立下がりエッジ位置の変動の最大値の
ウインドウ幅Twに対する割合を%で表したものであ
る。この割合の2倍がウインドウ占有率(%)であり、
また100からウインドウ占有率を差し引いた値がウイ
ンドウマージン(%)である。
【0048】図2に示すトランスバーサルフィルタ7に
おいて、再生信号のエッジ位置の変動が小さくなる位置
のF1,F2の値をf1,f2とすることで、符号間干
渉の影響の少ない良好な波形等化特性を得ることができ
る。具体的には図5より、 0.01≦f1≦0.05 0.01≦f2≦0.04 …(3) であれば、ウインドウ占有率が実用上要求されているほ
ぼ20%以内の良好な波形等化特性が得られることが分
かる。
【0049】なお、実施例1,2ではトランスバーサル
フィルタ7のタップ間隔τをウインドウ幅Twの整数倍
に設定したが、これに限定されるものではない。しか
し、ウインドウ幅Twは信号処理系の基本的なクロック
周期に相当する値であるから、その整数倍にタップ間隔
τを設定することで、信号処理系の回路構成が容易にな
るという利点がある。
【0050】また、実施例1,2では遅延回路としてア
ナログ信号用のディレイラインを用いたが、再生信号を
A/D変換器を介してディジタル化した場合、シフトレ
ジスタを用いて遅延回路を構成することも容易である。
その際、チャネルクロックに同期させた信号再生用のク
ロックでシフトレジスタの転送動作を行えばよい。
【0051】また、実施例1,2ではタップ間隔を最短
ピット長に対応させたが、これに限定されるものでな
い。但し、タップ間隔を最短ピット長あるいは最短ピッ
ト間隔と等しく設定すると、符号間干渉の大きいパター
ンに対する補正量を精度良く効果的に生成できるため、
システム構成上有利である。これは図3から分かるよう
に、先行するピットの長さや後続のピットまでの距離に
依存して再生信号波形の立ち下がりエッジ位置が前後に
変動していることから理解できる。すなわち、先行する
ピットの長さや後続のピットまでの距離を強く反映して
いる位置は、最短ピット長あるいは最短ピット間隔に対
応した距離の近辺だからである。
【0052】(実施例3)本実施例では、トランスバー
サルフィルタ7におけるタップ係数の最適化の第2の例
について述べる。
【0053】本実施例における光ヘッド3の光学系の仕
様は実施例1,2とほぼ同様であるが、本実施例では記
録密度を向上するために、トラックピッチを0.72μ
mとして、トラック密度をより高密度に設定してある。
このようにトラックピッチがλ/NAの0.9倍以下程
度の小さい値に設定されている場合、隣接するトラック
からの信号の漏れ込みであるクロストークが大きくな
り、特に光ディスク1が光ビームに対し傾斜しているた
めにサイドローブの影響が増大した場合、その影響が顕
著である。
【0054】図6は、本実施例におけるトランスバーサ
ルフィルタ7のタップ係数と再生信号のジッタ特性を示
す図である。図5とほぼ同様のプロットであるが、10
mradのディスクチルト、つまり光ビームに対する光
ディスク1の傾斜と、隣接トラックの種々のピットパタ
ーンを考慮に入れてあるため、クロストークに起因した
ジッタによりウインドウ占有率はかなり増大している。
ここで、10mradというチルトは、光ディスクの分
野で一般的に許容されている上限値である。また、チル
トには光ディスク1自体の変形などに起因するものと装
置本体のスピンドルなどの機構部に起因するものとがあ
るが、これらの合計を10mrad以下に抑えればよ
い。
【0055】このようにトラックピッチを小さくした光
ディスク装置では、それに応じてトランスバーサルフィ
ルタ7の最適なタップ係数が先の実施例とは異なったも
のとなる。すなわち、図6より 0.03≦f1+(f2×2)≦0.08 0≦(f1×2)−f2≦0.2 …(4) であれば、ウインドウ占有率が実用上要求される約90
%以内に保たれる特性が得られることがわかる。中でも
特に 0.03 ≦f1≦0.07 0.015≦f2≦0.04 …(5) の範囲が最適であり、ウインドウ占有率を80数%程度
まで抑制できることが分かる。
【0056】(実施例4)本実施例では、トランスバー
サルフィルタ7におけるタップ係数の最適化の第3の例
について述べる。
【0057】本実施例における光ディスク1や光ヘッド
3の光学系の仕様は実施例3とほぼ同様である。ただ
し、ウインドウ幅は0.144μmと、実施例3の場合
と比較して20%ほど大きいが、最短ピット長がウイン
ドウ幅の3倍に当たる短いものから存在する符号系を採
用することで、ほぼ同等の記録密度を実現している。従
って、最短ピット長は実施例3の場合よりも小さくなっ
ている。
【0058】図7は、本実施例ににおけるトランスバー
サルフィルタ7のタップ係数と再生信号のジッタ特性を
示す図である。タップ間隔は最短ピット長に対応して3
Twと設定している。図6と同様、10mradのディ
スクチルトと、隣接トラックの種々のピットパターンを
考慮にいれてある。図6と比較して、最短ピット長や最
短ピット間隔が小さくなったことから、符号間干渉は大
きくなっている。また、再生信号振幅も低下しているこ
とから、クロストークによる再生信号波形のエッジ位置
の変動(ジッタ)もやや増大している。しかしながら、
再生信号波形のエッジ位置の増大はウインドウ幅の増大
よりは小さいため、ウインドウ占有率は小さくなり、ウ
インドウマージンは増大している。
【0059】このようにトラックピッチを小さくした光
ディスク装置では、クロストークが再生信号波形のエッ
ジ位置変動の主要な原因になるため、ウインドウ幅の大
きい符号を採用することが有効な場合がある。RLL符
号では0の最小継続数dと最大継続数kが重要なパラメ
ータであるが、先の実施例のRLL符号がd=3に対応
するのに対して本実施例はd=2に対応する。なお、さ
らにd=1のRLL符号ではウインドウ幅はさらに増大
するが、最短ピット長がさらに小さくなるため光学系の
分解能に対する要請が厳しくなる。図7より、 0.04≦f1≦0.11 0.01≦f2≦0.06 …(6) の範囲が最適であり、ウインドウ占有率を70〜80%
程度に抑制できることが分かる。
【0060】従来の技術では、ディスクチルトが0の状
態に対してトランスバーサルフィルタを最適化していた
が、実施例3および4は光ディスク1が光ビームに対し
て傾斜した状態(特に10mradの場合)に対して、
トランスバーサルフィルタ7の波形等化特性を最適化し
たものである。
【0061】(実施例5)本実施例においては、光学系
や光ディスク1の仕様は実施例1〜4と基本的に同じで
あるが、信号処理回路として図1および図2に示したト
ランスバーサルフィルタ7に代えて、アナログ入力のパ
ッシブフィルタあるいはアクティブフィルタを用いる。
これらのアナログフィルタは、抵抗器、キャパシタ、イ
ンダクタ、またはこれらの組み合わせ、あるいはトラン
ジスタ、FET、オペアンプまたはこれらの組み合わせ
等を用いて構成することができ、高価なディレイライン
を必要としない安価な信号処理回路を実現できる。これ
らのアナログフィルタについては多様な回路方式が既に
知られており、設計自由度も高く、設計理論も幅広く研
究されている。
【0062】本実施例は、このアナログフィルタの設計
自由度を活用し、実施例1〜4におけるトランスバーサ
ルフィルタ7と同等の機能を実現するものである。通常
のアナログフィルタは、トランスバーサルフィルタとは
動作原理が異なることから完全に同等の特性を実現する
ことは困難であるが、近似的に特性を近付けて十分な実
用性能を実現することは可能である。具体的には、変調
符号や光学系の分解能で決まる幾つかの特徴的な周波数
に対応する増幅率を定められた範囲に設定することで、
これが実現できる。
【0063】今、図2に示したトランスバーサルフィル
タ7におけるタップ間隔をτ1,τ2とし、タップ係数
をa・f1,a・f2とすると、トランスバーサルフィ
ルタ7の周波数特性g(ν)は g(ν)=g(0)×[1+2f1{1−cos(2πντ1)} +2f2{1−cos(2πν(τ1+τ2))}] …(7) であり、特にτ=τ1=τ2の場合は g(ν)=g(0)×[1+2f1{1−cos(2πντ)} +2f2{1−cos(4πντ)}] …(8) で表される。これらの数式が実関数であることは、周波
数に比例した位相遅れ以外の位相の進みや遅れが十分小
さくなければならないことを意味する。例えば、ウイン
ドウ占有率をb%以内にしたい場合、周波数に比例した
位相遅れ以外の位相の進みや遅れが、信号周波数帯域内
の全域で少なくとも±π×(b/100)ラジアン以内
とすることが必要である。
【0064】このフィルタの入力となる再生信号Si
は、光学系の分解能で決まる遮断周波数νmax があるの
で、ν<νmaxの範囲で上式の特性が近似的に再現さ
れればよい。また、更に狭くは、用いられる変調信号の
利用周波数帯域内で上式の特性が近似的に再現されれば
よいと言える。τ=τ1=τ2の場合の典型的な周波数
でのg(ν)の値は g(4/(4τ))= g(0) g(3/(4τ))=(1+2×f1+4×f2)×g(0) g(2/(4τ))=(1+4×f1 )×g(0) g(1/(4τ))=(1+2×f1+4×f2)×g(0) …(9) のようになる。特に、最短ピット長に対応してτを設定
した場合、再生信号の最大繰り返し周波数ν0 は1/
(2τ)に対応する。通常の光ディスク装置では、最大
周波数ν0 を越える信号は光学系の性能の限界に近づく
ことにより、振幅が急激に小さくなるため、問題になら
ない。従って、ν=1/(2τ)と、ν=1/(4τ)
のところでこれらが再現できればよい。すなわち、変調
信号の最大周波数をν0 としたとき、 g(ν0 ) =(1+4×f1 )×g(0) g(0.5×ν0 )=(1+2×f1+4×f2)×g(0) …(10) となる。
【0065】式(10)を実施例2におけるトランスバ
ーサルフィルタ7の特性である式(3)を近似的に実現
するアナログフィルタを構成する際に適用すれば、 g(ν0 ) =(1.04〜1.2 )×g(0) g(0.5×ν0 )=(1.06〜1.26)×g(0) …(11) となる。
【0066】また、式(10)を実施例3におけるトラ
ンスバーサルフィルタ7の特性である式(5)を近似的
に実現するアナログフィルタを構成する際に適用すれ
ば、 g(ν0 ) =(1.12〜1.28)×g(0) g(0.5×ν0 )=(1.12〜1.30)×g(0) …(12) となる。
【0067】さらに、式(10)を実施例4におけるト
ランスバーサルフィルタ7の特性である式(6)を近似
的に実現するアナログフィルタを構成する際に適用すれ
ば、 g(ν0 ) =(1.16〜1.44)×g(0) g(0.5×ν0 )=(1.12〜1.46)×g(0) …(13) となる。なお、(p〜q)はp以上q以下の実数係数を
表すものとする。
【0068】これらをまとめると、式(11)〜(1
3)のいずれの場合も g(ν0 ) =(1.12〜1.44)×g(0) g(0.5×ν0 )=(1.12〜1.46)×g(0) …(14) の範囲に含まれることが必要であり、d=3の系統のR
LL符号を採用した場合や、d=2の系統のRLL符号
を採用した場合に特に上記の範囲の特性であることが、
よりよい特性の実現に有効であることが分かる。
【0069】以上、本発明の実施例を種々説明したが、
本発明はこれらに限らず種々変形して実施することが可
能である。例えば、実施例1〜5では光ディスクがピッ
ト列をマーク列として形成したものを示したが、他の形
態のマーク列として形成するものでもよく、また再生専
用でなく、追記形や書換え形など他のタイプの光ディス
クであってもよい。記録媒体の形状についても、カード
状など他の形状であってもよい。さらに、再生用光ビー
ムの波長や対物レンズの開口数も実施例で示したものに
限定されない。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば光
ディスクなどの記録媒体からの再生信号中に現れる符号
間干渉や、クロストークの影響を効果的に軽減でき、ま
た再生用光ビームに対して記録媒体が傾斜していても、
これらの影響を効果的に軽減できる光学的情報再生装置
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光学的情報再生装置の基本構成を
示すブロック図
【図2】図1におけるトランスバーサルフィルタの構成
を示す図
【図3】実施例1における再生信号波形の例を示す図
【図4】実施例1における再生用光ビームの強度分布を
示す図
【図5】実施例2におけるトランスバーサルフィルタの
タップ係数と再生信号のジッタ特性を示す図
【図6】実施例3におけるトランスバーサルフィルタの
タップ係数と再生信号のジッタ特性を示す図
【図7】実施例4におけるトランスバーサルフィルタの
タップ係数と再生信号のジッタ特性を示す図
【符号の説明】
1…光ディスク 2…モータ 3…光ヘッド 4…対物レンズ 5…アンプ 6…演算回路 7…トランスバーサルフィルタ 8…PLL 9…データ識別回路 10…データ復号
回路 20…遅延回路 21〜24…単位
遅延素子 30〜34…乗算器 35…加算器 101〜105…再生信号波形 201,202…
ピットパターン 400…メインローブ 401,402…
サイドローブ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】情報がマーク列として記録された記録媒体
    上に対物レンズを介して光ビームを照射し、該記録媒体
    からの回折光を検出して得られた再生信号を信号処理手
    段により処理して前記情報を再生する光学的情報再生装
    置において、 前記信号処理手段は、前記再生信号を入力とする複数個
    のタップを有する遅延手段と、この遅延手段の各タップ
    の出力信号を所定のタップ係数で重み付け加算する手段
    とからなるトランスバーサルフィルタを有し、前記光ビ
    ームの波長をλ、前記対物レンズの開口数をNA、前記
    記録媒体と前記光ビームとの相対速度をvとしたとき、
    前記複数のタップの隣接するタップ間の遅延時間τが τ=(0.37〜0.51)×λ/(v×NA) であることを特徴とする光学的情報再生装置。
  2. 【請求項2】情報がマーク列として記録された記録媒体
    上に対物レンズを介して光ビームを照射し、該記録媒体
    からの回折光を検出して得られた再生信号を信号処理手
    段により処理して前記情報を再生する光学的情報再生装
    置において、 前記信号処理手段は、前記再生信号を入力とする複数個
    のタップを有する遅延手段と、この遅延手段の各タップ
    の出力信号を所定のタップ係数で重み付け加算する手段
    とからなるトランスバーサルフィルタを有し、前記マー
    ク列の最短マーク長をLmin、前記記録媒体と前記光
    ビームとの相対速度をvとしたとき、前記複数のタップ
    の隣接するタップ間の遅延時間τが τ=Lmin/v であることを特徴とする光学的情報再生装置。
  3. 【請求項3】前記トランスバーサルフィルタは、前記遅
    延手段が有する複数個のタップとして少なくとも第1乃
    至第5のタップを有し、これら第1乃至第5のタップか
    らの出力信号に乗じるタップ係数をそれぞれa・(−f
    2),a・(−f1),a・{1+2×(f1+f
    2)},a・(−f1),a・(−f2)としたとき
    (但し、aは0以外の定数) 0.01≦f1≦0.05 0.01≦f2≦0.04 であることを特徴とする請求項1または2に記載の光学
    的情報再生装置。
  4. 【請求項4】情報がマーク列として記録された記録媒体
    上に対物レンズを介して光ビームを照射し、該記録媒体
    からの回折光を検出して得られた再生信号を信号処理手
    段により処理して前記情報を再生する光学的情報再生装
    置において、 前記信号処理手段は、前記記録媒体が前記光ビームに対
    して傾いた状態に対して最適化された波形等化特性を持
    つトランスバーサルフィルタを有することを特徴とする
    光学的情報再生装置。
  5. 【請求項5】前記トランスバーサルフィルタは、前記遅
    延手段が有する複数個のタップとして少なくとも第1乃
    至第5のタップを有し、これら第1乃至第5のタップか
    らの出力信号に乗じるタップ係数をそれぞれa・(−f
    2),a・(−f1),a・{1+2×(f1+f
    2)},a・(−f1),a・(−f2)としたとき
    (但し、aは0以外の定数)、 0.03 ≦f1≦0.07 0.015≦f2≦0.04 であることを特徴とする請求項1または2に記載の光学
    的情報再生装置。
  6. 【請求項6】前記トランスバーサルフィルタは、前記遅
    延手段が有する複数個のタップとして少なくとも第1乃
    至第5のタップを有し、これら第1乃至第5のタップか
    らの出力信号に乗じるタップ係数をそれぞれa・(−f
    2),a・(−f1),a・{1+2×(f1+f
    2)},a・(−f1),a・(−f2)としたとき
    (但し、aは0以外の定数)、 0.04≦f1≦0.11 0.01≦f2≦0.06 であることを特徴とする請求項1または2に記載の光学
    的情報再生装置。
  7. 【請求項7】情報が所定の変調信号に対応するマーク列
    として記録された記録媒体上に対物レンズを介して光ビ
    ームを照射し、該記録媒体からの回折光を検出して得ら
    れた再生信号を信号処理手段により処理して前記情報を
    再生する光学的情報再生装置において、 前記信号処理手段は、前記再生信号の周波数νなる信号
    成分に対する増幅率をg(ν)、前記変調信号の最高周
    波数をν0 としたとき、 g(ν0 ) =(1.12〜1.44)×g(0) g(0.5×ν0 )=(1.12〜1.46)×g(0) なる周波数特性のフィルタを有することを特徴とする光
    学的情報再生装置。
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