JPH0836681A - 光ファイバを用いた火災検知設備 - Google Patents

光ファイバを用いた火災検知設備

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JPH0836681A
JPH0836681A JP6172234A JP17223494A JPH0836681A JP H0836681 A JPH0836681 A JP H0836681A JP 6172234 A JP6172234 A JP 6172234A JP 17223494 A JP17223494 A JP 17223494A JP H0836681 A JPH0836681 A JP H0836681A
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JP
Japan
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fire
optical fiber
temperature
heat
signal
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JP6172234A
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Inventor
Masashi Fujimori
雅司 藤森
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Nohmi Bosai Ltd
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Nohmi Bosai Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 建物の各部に布設した光ファイバにより、複
数の熱感知方式を用い火災を判断し、その位置を正確に
判別することができる光ファイバを用いた火災検知設備
を得ることを目的とする。 【構成】 光ファイバ13の一端からパルス光を入射さ
せ、そのパルス光の散乱によるエコーに基づいて、パル
ス光の散乱位置及びその散乱位置における温度を光ファ
イバ13上の所定範囲ごとに検出する熱検出部14と、
熱検出部14で検出された温度に基づいて、定温式及び
差動式の少なくとも一方の熱感知動作により火災を判断
し、火災と判断されると、熱検出部14で検出された散
乱位置に基づいて、火災発生場所を判断し、火災信号及
び火災発生場所に対応した信号を出力する火災処理部4
7と、火災受信機10とを備えるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ファイバを用いた火
災検知設備に関し、特にビル内の定温式スポット型、差
動式スポット型及び差動式分布型の熱感知器を光ファイ
バの温度センサを使用して構成する光ファイバを用いた
火災検知設備に関する。
【0002】
【従来の技術】図10は従来の火災検知設備の端末機器
の配置を示した概略図である。図において、60は防火
戸、61は発信機、62は地区ベル、63は光電式煙感
知器、64は定温式熱感知器、65は差動式熱感知器で
ある。図10は、3階建ての建物の例であり、1階は事
務所で厨房があり、2階は事務所が2つあり、3階は会
議室とその控室がある想定になっており、また、設計に
よって警戒地区が4つ設けられており、それぞれの警戒
地区ごとに、その地区の環境に応じて、煙感知器や熱感
知器などの火災感知器の検出方法の種類を、適確な火災
の判断ができるように複数選択して配置するようになっ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の火
災検知設備では、火災感知器を設置する場所の使用環境
に応じて異なる検出方法を有する感知器を使用している
ため、建物の種類によっては、例えば、定温式や差動式
等の複数種の熱感知器を設置する必要があることがあ
り、設置する感知器の数を多くしなければならず、ま
た、火災の発生場所を正確に把握するためには、感知器
の設置間隔を狭くし、感知器の数を多くしなければなら
ない等問題点があった。
【0004】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたものであり、建物の各部に布設した光ファ
イバにより、複数の熱感知方式を用い火災を判断し、そ
の位置を正確に判別することができる光ファイバを用い
た火災検知設備を得ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係る光ファ
イバを用いた火災検知設備は、ビルの監視区域に付設さ
れた光ファイバと、光ファイバの一端からパルス光を入
射させ、そのパルス光の散乱によるエコーに基づいて、
パルス光の散乱位置及びその散乱位置における温度を光
ファイバ上の所定範囲ごとに検出する熱検出手段と、熱
検出手段で検出された温度に基づいて、定温式及び差動
式の少なくとも一方の熱感知動作により火災を判断し、
火災と判断されると、熱検出手段で検出された散乱位置
に基づいて、火災発生場所を判断し、火災信号及び火災
発生場所に対応した信号を出力する火災処理手段と、火
災処理手段からの火災信号及び火災発生場所に対応した
信号が入力され、入力された信号に基づいて、必要な火
災動作を行う火災受信手段とを備えるものである。
【0006】第2の発明に係る光ファイバを用いた火災
検知設備は、火災処理手段を内蔵し、火災処理手段から
出力された火災信号及び火災発生場所に対応した信号を
信号線を介して火災受信手段に出力する中継器を備える
ものである。第3の発明に係る光ファイバを用いた火災
検知設備は、火災処理手段は、更に、熱検出手段からの
散乱位置に対応した地区情報が設定されたデータベース
を有し、火災受信機は、更に、地区情報に対応した警報
動作及び連動動作を行うためのデータベースを有するも
のである。第4の発明に係る光ファイバを用いた火災検
知設備は、火災処理手段は、更に、熱検出手段からの散
乱位置に対応した火災判別方式が設定されたデータベー
スを有するものである。
【0007】
【作用】第1の発明においては、光ファイバがビルの監
視区域に付設され、熱検出手段により、光ファイバの一
端からパルス光を入射させ、そのパルス光の散乱による
エコーに基づいて、パルス光の散乱位置及びその散乱位
置における温度が光ファイバ上の所定範囲ごとに検出さ
れ、火災処理手段により、熱検出手段で検出された温度
に基づいて、定温式及び差動式の少なくとも一方の熱感
知動作により火災が判断され、火災と判断されると、熱
検出手段で検出された散乱位置に基づいて、火災発生場
所が判断され、火災信号及び火災発生場所に対応した信
号が出力され、火災受信手段により、火災処理手段から
の火災信号及び火災発生場所に対応した信号が入力さ
れ、入力された信号に基づいて、必要な火災動作が行わ
れる。
【0008】第2の発明においては、火災処理手段が内
蔵された中継器により、火災処理手段から出力された火
災信号及び火災発生場所に対応した信号が信号線を介し
て火災受信手段に出力される。第3の発明においては、
火災処理手段が、更に、熱検出手段からの散乱位置に対
応した地区情報が設定されたデータベースを有し、火災
受信機が、更に、地区情報に対応した警報動作及び連動
動作を行うためのデータベースを有している。第4の発
明においては、火災処理手段が、更に、熱検出手段から
の散乱位置に対応した火災判別方式が設定されたデータ
ベースを有している。
【0009】
【実施例】
実施例1.図1は本発明の一実施例に係る火災検知設備
の構成を示す概略図である。図において、10は火災受
信機、11は煙感知器や熱感知器などの火災感知器、1
2は火災受信機10と火災感知器11との間でデータの
やり取りを行う信号線であり、この信号線12には地区
ベル(図示せず)や発信機(図示せず)などの端末機器
も接続され、データのやり取りを行っている。また、1
3は建物の各部に布設された光ファイバ、14は光ファ
イバ13に入射パルス光を入射させ、光ファイバ13か
らの後方散乱光に基づいて、光ファイバ13上の温度と
その位置を出力する熱検出部である。なお、この実施例
では、熱検出部14で光ファイバ13上の温度と位置を
検出し熱感知動作を行うので、火災感知器11の熱感知
器は省略するようにしてもよい。
【0010】次に、光ファイバ13を利用した、温度と
位置の測定原理について説明する。図2は光ファイバに
よる温度と位置の測定原理を説明するための説明図、図
3は光ファイバ内の散乱現象を説明するための説明図で
ある。まず、図2に示すように、入射パルス光20を光
ファイバ13の一端から入射させると、透過光21とし
て光ファイバ13内を伝搬する。そして、例えば、図2
のA点に着目すると、図3に示すようにA点では、A点
の温度により、ガラスの熱振動が起っており、ガラスを
構成する原子間での振動により、そのときの温度に依存
して入射光とは波長の異なるラマン散乱光22が発生す
る。
【0011】すなわち、入射光の波長λ0 と同じ波長の
レイリー散乱光の他に、入射光とガラスの熱振動との相
互作用によって、入射光とは波長の異なる2つのラマン
散乱光22が発生する。このラマン散乱光22は、入射
光がガラスの振動にエネルギを奪われると波長の長いス
トークス光(λ0 +λ)となり、逆にエネルギを貰うと
波長の短いアンチストークス光(λ0 −λ)になる。そ
して、ラマン散乱光22の強度は、ガラスの振動、つま
りガラスの温度に依存するので、温度が高くなるとラマ
ン散乱光22の強度も大きくなる。
【0012】このようにして発生したラマン散乱光22
の一部は、図2に示すように、後方散乱光23として再
び入射端に戻ってくる。そして、戻るまでの伝搬時間t
から距離x、すなわち、入射端からA点までの距離が計
測できる。また、ラマン散乱光22のアンチストークス
光Iaとストーク光Isの強度比Ia/Isと温度の関
係は図4に示すようになっており、実線は論理値を、丸
印は実験値を示している。図4から明らかなように、I
a/Isの強度比は温度の関数であり、密接に依存して
おり、A点の温度を計測できる。したがって、ラマン散
乱光の強度を入射パルス光20の光ファイバ13への入
射後の時間関数として計測することにより、光ファイバ
13に沿って温度分布を計測できる。
【0013】次に、熱検出部14の動作について説明す
る。図5は熱検出部14の構成を示すブロック図であ
る。図において、30は半導体レーザなどの投光素子、
31は投光素子を駆動し、パルス光を発生させるパルス
駆動回路、32は光分波器、33は光分波器32内のフ
ィルタ、34は光ファイバ13からの後方散乱光を電気
信号に変換する受光素子、35は受光素子34の出力信
号を増幅する増幅回路、36は増幅回路35の出力に基
づいて光ファイバ13上の温度と距離を演算する光信号
処理回路である。
【0014】まず、光ファイバ13にパルス駆動回路3
1によって半導体レーザ等の投光素子30からのパルス
光20を入射させると、透過光21の通過位置で上述の
ようにラマン散乱光が発生し、その一部が後方散乱光2
3として戻ってくる。戻った後方散乱光23を光分波器
32内のフィルタ33でアンチストークス光Iaとスト
ーク光Isに分離し、それぞれ受光素子34で電気信号
に変換し、増幅回路35で増幅したのち光信号処理回路
36へ入力する。そして、光信号処理回路36では、サ
ンプリング時間ごとにディジタル量に変換し、各サンプ
リング点(距離に比例)に対応したメモリに加算する。
そして、以上の操作を自動的に所定回繰り返す(積分処
理)。
【0015】この積算処理の最終回(N回)に、各メモ
リ内の積算値をNで除して平均化(これを平均化処理と
いう)することにより、雑音(バックグランド)を大幅
に除去する。そして、平均化処理され、各メモリに記憶
されたIaとIsの強度比から温度を算出し、この各メ
モリは熱検知器14からの距離に対応しているため、こ
れらの情報に基づいて、光ファイバ13上の位置とそれ
に対応する温度の情報を出力する。
【0016】また、このような光ファイバによる温度と
位置の検出精度としては、検出感度としての距離分解能
(センサ単位長)は1m、測定温度範囲は−50℃〜+
500℃であり、温度精度は±1℃という優れた性能を
もつものとなっている。
【0017】次に、火災受信機10の動作について説明
する。図6はこの実施例の火災受信機10の構成を示す
ブロック図である。図において、40はマイクロプロセ
ッサ、41は火災受信機の動作プログラムなどが記憶さ
れたROM、42はマイクロプロセッサ40の作業領域
などに使用されるRAM、43は火災発生時において、
感知器など火災を検知する側のアドレスと、地区ベルや
防火戸などの起動制御される側のアドレスとの連動関係
のデータベースなどが記憶されたEEPROM、44は
火災時の火災発生場所の表示や試験入力等の火災受信機
の操作を行う表示操作部、45は火災発生などを知らせ
るブザー、46は信号線12を介して外部の火災感知器
11や地区ベルなどデータのやり取りを行う送受信部、
47は熱検出部14からのデータが入力され火災判断を
行う火災処理部、48は表示制御部44、ブザー45、
送受信部46及び火災処理部47のインターフェースで
ある。
【0018】まず、信号線12に接続されている火災感
知器11には個別にアドレスが与えられており、火災感
知器11が火災を検知すると、個別のアドレスと共に火
災信号を信号線12を介して火災受信機へ出力するよう
になっており、この火災信号とアドレスにより火災受信
機10は火災の発生と、火災の発生した場所を判断し、
そして、EEPROM43に記憶された連動関係のデー
タベースに基づいて、連動させる地区ベルや防火戸など
の機器に信号線12を介して起動信号を出力する。
【0019】また、火災受信機10の火災処理部47に
は、熱検出部14からの光ファイバ13上の温度と位置
の情報が入力されており、入力された情報に基づいて、
以下に示す火災判別方法を選択してにより火災の判別を
行うようになっている。 A.定温式スポット型 熱検出部14からの温度データとあらかじめ設定された
判別レベルとを比較することにより火災判別を行うもの
であり、例えば、判別レベルを60℃と設定すると、熱
検出部14で検出された温度が60℃を越えるときに火
災と判断するものである。
【0020】B.差動式スポット型 温度の上昇率としての差分値によって火災を判別する方
法であり、差分値を求める方法には、格納方式、2素子
方式、平均方式等があり、格納方式は熱検出部14で検
出された温度を格納していき、例えば1分前の温度と比
較して差分値を求めるものであり、2素子方式は、光フ
ァイバ13を2重に設置して一方を温度変化に敏感に反
応させ、他方を温度変化に追従しにくくし、同一地点の
双方の温度差を求めるものであり、平均方式は熱検出部
14で検出された各部の温度の平均値(特定部分であっ
てもよい)と各部の温度を比較して差分値を求めるもの
である。
【0021】そして、この求められた差分値とあらかじ
め設定された判別レベルとを比較することにより火災判
別を行うものであり、例えば、判別レベルを10℃と設
定すると、熱検出部14で検出された温度から求められ
た差分値が10℃を越えるときに火災と判断するもので
ある。
【0022】C.差動式分布型 分布型はスポット型に対して部屋全体を監視する方式で
あって、スポット型では、一箇所でも判別レベルを越え
ると火災とするのに対して、分布型は所定範囲の全体が
判別レベルを越えると火災とするものであり、熱検出部
14からの所定範囲の各温度から平均値(合計値であっ
てもよい)を求め、上述の格納方式、2素子方式、平均
値方式などにより、その平均値の差分値を求め、その差
分値とあらかじめ設定された判別レベルとを比較するこ
とにより火災判別を行うものであり、例えば、判別レベ
ルを10℃と設定すると、熱検出部14で検出された所
定範囲の各温度から求められた平均値の差分値が10℃
を越えるときに火災と判断するものである。
【0023】D.定温式分布型 差動式分布型の判別方式を定温式にしたものであり、熱
検出部14からの所定範囲の各温度から平均値(合計値
であってもよい)を求め、その平均値とあらかじめ設定
された判別レベルとを比較することにより火災判別を行
うものであり、例えば、判別レベルを40℃と設定する
と、熱検出部14で検出された所定範囲の各温度から求
められた平均値が40℃を越えるときに火災と判断する
ものである。
【0024】そして、上記のような火災判別方法によ
り、火災が判断されると、その位置に対応したアドレス
と共に火災信号が火災処理部47から出力され、その火
災信号とアドレスにより火災受信機10は火災の発生
と、火災の発生した場所を判断し、そして、EEPRO
M43に記憶された連動関係のデータベースに基づい
て、連動させる地区ベルや防火戸などの機器に信号線1
2を介して起動信号を出力する。
【0025】また、上記の火災判別方式は、光ファイバ
13での温度の検出場所の使用環境に応じて、最適な火
災判別方法を1つ、または複数を組み合わせて火災の判
別を行うようになっており、図7に光ファイバ13の温
度の検出場所の使用環境による火災判別方式の設定の一
例を示す。図7では、光ファイバ13上の位置により各
部屋を区別しており、また、各部屋ごとにアドレスが設
定されており、アドレスは、事務所1が「001」、事
務所2が「002」、厨房が「003」、ホールが「0
04」となっている。またこのアドレスは、各部屋ごと
に設定せずに、光ファイバ13での温度検出の距離分解
能ごとに、アドレスを設定し、例えばアドレスが「00
1」〜「004」が事務所1であるという設定にしても
よい。なお、このような、アドレスの情報は外部からデ
ータベースとして与えられ、外部で作成し容易に変更す
ることができるものである。
【0026】また、この例では、判別方式のスポット型
及び分布型の設定と、判別レベルの差動式(10℃)及
び定温式(60℃、80℃)の設定をするようになって
おり、スポット型の設定がされている部分は、各位置ご
とに温度を求めて火災判断を行い、分布型が設定されて
いる部分は、この例では各部屋の中の各位置での温度の
平均値を求めて火災判断を行う。また、差動式10℃が
設定されている部分は、格納されている1分前の温度か
ら現在温度の上昇率としての差分値を求め、10℃を越
える場合に火災と判断し、定温式60℃が設定されてい
る部分は、現在温度が60℃を越える場合に火災と判断
し、定温式80℃が設定されている部分は、現在温度が
80℃を越える場合に火災と判断するようになってい
る。
【0027】そして、この例では、事務所1及び事務所
2はスポット型で差動式(10℃)と定温式(60℃)
の設定されており、事務所内の各位置の温度を60℃と
比較し、さらに1分前の温度との差分値を10℃と比較
し、少なくともどちらか一方が判別レベルを越えた場合
に火災と判断し、アドレス(事務所1は「001」、事
務所2は「002」)と共に火災信号が火災処理部47
から出力される。
【0028】また、厨房では、湯沸かし器等の発熱源が
存在するので、分布型で定温式(80℃)の設定がされ
ており、厨房内の各位置での温度の平均値を求め、その
平均値が80度を越えた場合に火災と判断し、アドレス
「003」と共に火災信号が火災処理部47から出力さ
れる。また、ホールでは、天井が高いので、分布型で差
動式(10℃)が設定されており、ホール内の各位置の
温度の平均値を求め、10℃を越えた場合に火災と判断
し、アドレス「004」と共に火災信号が火災処理部4
7から出力される。なお、このような、火災判別方式の
選択の情報は、データベースとして与えられ、外部で作
成し容易に変更することができるものである。
【0029】この実施例では、熱検出部14で光ファイ
バ13上の全ての温度とその位置を検出し、その検出し
たデータを火災受信機10に出力し、火災受信機10の
火災処理部47で、入力された光ファイバ13上の温度
とその位置のデータに基づいて、例えば部屋ごとに、あ
らかじめ設定された火災判別方式により火災を検知する
ので、異なった使用環境の場所が複数あっても、1本の
光ファイバで最適な火災監視を行うことができ、また、
火災発生場所を精度よく検出することが可能となる。ま
た、光ファイバ13による火災判別方式は、火災受信機
10での設定を変更するだけで容易に変更することがで
き、例えば部屋の使用環境等が変更されたときでも、火
災感知器の設定を直接変更する、又は火災感知器本体を
交換する等の作業をなくすことが可能となる。
【0030】実施例2.図8は本発明の他の実施例に係
る火災検知設備の構成を示す概略図である。図におい
て、50は信号線12に接続され、熱検出部14からの
光ファイバ13上の温度と位置のデータに基づいて、火
災の判断をし、その火災発生の場所に対応したアドレス
と共に火災信号を出力する中継器である。この実施例
は、信号線12に中継器50を接続し、中継器50によ
り火災の判断をし、火災と判断すると信号線12を介し
て火災受信機10に火災発生場所に対応したアドレスと
共に火災信号を出力するものであり、この実施例の火災
受信機10は、中継器50で熱検出部14からのデータ
から火災の判断をしているので、一般的な火災受信機で
あり、他の構成は実施例1と同様である。
【0031】次に、この実施例の火災受信機及び中継器
の動作について説明する。図9はこの実施例の火災受信
器及び中継器の構成を示すブロック図である。図におい
て、51は中継器50内の送受信部である。まず、中継
器50では、内部の火災処理部47で、入力された熱検
出部14からの光ファイバ13上の温度と位置のデータ
に基づいて、火災を判断して、火災と判断されると送受
信部51から信号線12に、火災発生場所に対応したア
ドレスと共に火災信号が出力され、火災受信機10に火
災の発生を知らせる。そして、火災受信機10では、信
号線12からの火災信号を受信すると、そのアドレスと
EEPROM43に記憶された連動関係のデータベース
に基づいて、連動させる地区ベルや防火戸などの機器に
信号線12を介して起動信号を出力する。また、火災処
理部47での火災判別方式は実施例1と同様である。
【0032】この実施例では、熱検出部14で光ファイ
バ13上の全ての温度とその位置を検出し、その検出し
たデータを中継器50に出力し、中継器50内の火災処
理部47で火災を判断し、火災と判断されれば送受信部
51から信号線12に、火災場所に対応したアドレスと
共に火災信号を出力するので、火災受信機10は光ファ
イバによる熱感知器を一般の熱感知器と同様に扱うこと
ができ、また、光ファイバを、例えば警戒地区ごとにそ
れぞれ分割して設置することができ、火災処理部の負担
を軽くすることができ、より精度のよい火災検出を行う
ことが可能となる。
【0033】
【発明の効果】以上のように第1の発明によれば、光フ
ァイバをビルの監視区域に付設し、熱検出手段により、
光ファイバの一端からパルス光を入射させ、そのパルス
光の散乱によるエコーに基づいて、パルス光の散乱位置
及びその散乱位置における温度を光ファイバ上の所定範
囲ごとに検出し、火災処理手段により、熱検出手段で検
出された温度に基づいて、定温式及び差動式の少なくと
も一方の熱感知動作により火災を判断し、火災と判断さ
れると、熱検出手段で検出された散乱位置に基づいて、
火災発生場所を判断し、火災信号及び火災発生場所に対
応した信号を出力し、火災受信手段により、火災処理手
段からの火災信号及び火災発生場所に対応した信号が入
力され、入力された信号に基づいて、必要な火災動作を
行うようにしたので、異なった使用環境の場所が複数あ
っても、1本の光ファイバで最適な火災監視を行うこと
ができ、また、火災発生場所を精度よく検出することが
できるという効果を有する。
【0034】第2の発明によれば、火災処理手段が内蔵
された中継器により、火災処理手段から出力された火災
信号及び火災発生場所に対応した信号を信号線を介して
火災受信手段に出力するようにしたので、異なった使用
環境の場所が複数あっても、1本の光ファイバで最適な
火災監視を行うことができ、また、光ファイバを分割し
て付設することができ、火災処理手段の負担を軽くする
ことができるという効果を有する。
【0035】第3の発明によれば、火災処理手段は、更
に、熱検出手段からの散乱位置に対応した地区情報が設
定されたデータベースを有し、火災受信機が、更に、地
区情報に対応した警報動作及び連動動作を行うためのデ
ータベースを有するようにしたので、データベースを変
更するだけで、地区情報、警報動作及び連動動作の変更
が容易にできるという効果を有する。第4の発明によれ
ば、火災処理手段は、更に、熱検出手段からの散乱位置
に対応した火災判別方式が設定されたデータベースを有
するようにしたので、データベースを変更するだけで、
散乱位置における火災判別方式を変更することができる
という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る火災検知設備の構成を
示す概略図である。
【図2】光ファイバによる温度と位置の測定原理を説明
するための説明図である。
【図3】光ファイバ内の散乱現象を説明するための説明
図である。
【図4】温度に対するアンチストークス光Iaとストー
ク光Isの強度比Ia/Isの関係を示した図である。
【図5】熱検出部14の構成を示すブロック図である。
【図6】実施例1の火災受信機10の構成を示すブロッ
ク図である。
【図7】光ファイバ13の温度の検出場所の使用環境に
よる火災判別方式の設定の一例を示した図である。
【図8】本発明の他の実施例に係る火災検知設備の構成
を示す概略図である。
【図9】実施例2の火災受信器及び中継器の構成を示す
ブロック図である。
【図10】従来の火災検知設備の端末機器の配置を示し
た概略図である。
【符号の説明】
10 火災受信機 11 火災感知器 12 信号線 13 光ファイバ 14 熱検出部 47 火災処理部 50 中継器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビルの監視区域に付設された光ファイバ
    と、 該光ファイバの一端からパルス光を入射させ、そのパル
    ス光の散乱によるエコーに基づいて、前記パルス光の散
    乱位置及びその散乱位置における温度を前記光ファイバ
    上の所定範囲ごとに検出する熱検出手段と、 該熱検出手段で検出された温度に基づいて、定温式及び
    差動式の少なくとも一方の熱感知動作により火災を判断
    し、火災と判断されると、前記熱検出手段で検出された
    散乱位置に基づいて、火災発生場所を判断し、火災信号
    及び火災発生場所に対応した信号を出力する火災処理手
    段と、 該火災処理手段からの火災信号及び火災発生場所に対応
    した信号が入力され、入力された信号に基づいて、必要
    な火災動作を行う火災受信手段とを備えることを特徴と
    する光ファイバを用いた火災検知設備。
  2. 【請求項2】 前記火災処理手段を内蔵し、前記火災処
    理手段から出力された火災信号及び火災発生場所に対応
    した信号を信号線を介して前記火災受信手段に出力する
    中継器を備えることを特徴とする請求項1記載の光ファ
    イバを用いた火災検知設備。
  3. 【請求項3】 前記火災処理手段は、更に、前記熱検出
    手段からの散乱位置に対応した地区情報が設定されたデ
    ータベースを有し、前記火災受信機は、更に、前記地区
    情報に対応した警報動作及び連動動作を行うためのデー
    タベースを有することを特徴とする請求項1又は2記載
    の光ファイバを用いた火災検知設備。
  4. 【請求項4】 前記火災処理手段は、更に、前記熱検出
    手段からの散乱位置に対応した火災判別方式が設定され
    たデータベースを有することを特徴とする請求項1、2
    又は3記載の光ファイバを用いた火災検知設備。
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