JP3426078B2 - 感知器およびアナログ型監視システムおよび異常監視方法 - Google Patents

感知器およびアナログ型監視システムおよび異常監視方法

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JP3426078B2
JP3426078B2 JP05248496A JP5248496A JP3426078B2 JP 3426078 B2 JP3426078 B2 JP 3426078B2 JP 05248496 A JP05248496 A JP 05248496A JP 5248496 A JP5248496 A JP 5248496A JP 3426078 B2 JP3426078 B2 JP 3426078B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、火災検知や防犯検
知などに用いられる感知器およびアナログ型監視システ
ム並びに異常監視方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、火災監視の分野においては、オ
ン・オフ型火災感知器を用いた火災監視システム(以
下、P型火災監視システムと称す)と、アナログ型火災
感知器を用いた火災監視システム(以下、アナログ型火
災監視システムと称す)との、2種類の火災監視システ
ムが知られている。
【0003】ここで、P型火災監視システムは、図33
に示すように、P型火災受信機201からの一対の線路
203にオン・オフ型火災感知器202−1乃至202
−n(n≧1)が接続され、オン・オフ型火災感知器,例
えば202−1が火災を検出すると、線路203間を高
インピーダンス(オフ)状態から低インピーダンス(オン)
状態とすることで、P型火災受信機201に火災の発生
を知らせるように構成されている。
【0004】一方、アナログ型火災監視システムは、図
34に示すように、受信機101から延びる伝送路10
3にアナログ型火災感知器102−1乃至102−nが
接続され、各アナログ型火災感知器102−1乃至10
2−nが受信機101から伝送路103を介して呼出さ
れる(アドレスポーリングされる)ことにより、各アナロ
グ型火災感知器102−1乃至102−nからの検知デ
ータなどの所定の情報を伝送路103を介し受信機10
1に返送するように構成されている。
【0005】より詳細には、アナログ型火災監視システ
ムに用いられるアナログ型火災感知器には、一般に、受
信機101との間で伝送路103を介して情報の伝送
(情報の授受)を行なうための伝送手段(例えば伝送IC)
111と、煙や熱などの物理現象(火災現象)の信号レベ
ルを検出する検出手段112とが設けられており、ある
感知器の伝送手段111において受信機101からの呼
出し(ポーリング)がなされたと判断されると、この火災
感知器の伝送手段111は、検出手段112で検出され
た物理現象の検出信号,すなわち信号レベルそのものを
情報として伝送路103を介し受信機101に返送する
ようになっている。従って、アナログ型火災監視システ
ムでは、火災判断等については、アナログ型火災感知器
側では行なわず、受信機101において、各アナログ型
火災感知器からの検出信号をポーリングにより収集して
行なうようになっている。
【0006】このようなアナログ型火災監視システム
は、前述のP型火災監視システムに比べ、設置工事が容
易であること、また、受信機において各アナログ型火災
感知器から個別に検出信号が得られることから火災発生
箇所を特定できること、また、アナログ型火災感知器か
らは物理現象の検出信号,すなわち信号レベルがそのま
ま返送されるので、この信号レベルに基づいて火災か否
かの判断を行なったり、また、この信号レベルを監視す
ることで、物理現象のトレンド(傾向)がわかり、火災に
ついての解析などを信頼性良く行なうことができるとい
う利点を有している。
【0007】さらに、アナログ型火災監視システムで
は、受信機101側において、アナログ型火災感知器を
ポーリングにより呼出してアナログ型火災感知器から情
報を収集できることから、火災判断や火災解析などの火
災監視とともに、受信機側からアナログ型火災感知器の
故障等を自動検知することができるという利点を有して
いる。すなわち、P型火災監視システムでは、受信機側
から感知器を呼出すことはできないので、感知器を試
験,点検する場合、作業者は、この感知器のところに出
向き、この感知器を取り外すなどして点検を行なわなけ
ればならなかったが、アナログ型火災監視システムで
は、受信機側において自動的に感知器の試験,点検を行
なうことができるので、感知器が例えば作業しにくいと
ころに設置されていても、この感知器の点検を極めて容
易に行なうことができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このような利点を有し
ていることから、近年では、感知器をアナログ型感知器
として構成し、この感知器をアナログ型監視システムに
用いることが当業者に望まれており、従来では、熱感知
器や煙感知器などについては、これをアナログ型感知器
として構成し、アナログ型火災監視システムへの使用が
実現されている。すなわち、熱感知器や煙感知器では、
熱や煙といった物理量の性質上、信号レベルの時間的変
化が緩やかであるため、受信機側で火災か否かを判断す
るのに、温度や煙濃度の短時間的な(例えば数10m秒
程度の間隔の)時間変化情報は必ずしも必要ではなく、
長時間的な(例えば5秒程度の間隔の)時間変化情報だけ
で足りる。従って、熱感知器や煙感知器をアナログ型感
知器として構成し、アナログ型火災監視システムに使用
する場合、熱感知器や煙感知器では、その検出手段にお
いて、例えば、温度信号や煙濃度信号の信号レベルをポ
ーリング周期(例えば5秒間のポーリング周期)にわたっ
て積算した形で検出し、受信機からポーリングがあった
時点で、その時点での温度信号レベル積算値や煙濃度信
号レベル積算値を、返送情報として返送するだけで良
く、この場合、受信機では、ポーリング周期が例えば5
秒であるとすると、5秒間隔のポーリングによって収集
した熱感知器や煙感知器からの温度信号レベル積算値や
煙濃度信号レベル積算値(5秒間隔ごとの温度信号レベ
ル積算値や煙濃度信号レベル積算値)に基づいて、火災
か否かの判断を行なうことができる。
【0009】すなわち、熱感知器や煙感知器では、受信
機への返送情報として、例えば、1回のポーリング時
に、1つの温度信号レベル積算値や煙濃度信号レベル積
算値だけを送出するだけで良いので、返送情報を数ビッ
ト程度(例えば6乃至8ビット程度)のものにすることが
でき、伝送手段111に、処理量が少量で済む(返送情
報量(返送ビット数)が少なくて済む)低コストの伝送I
Cを用いる場合にも、返送情報を短時間のうちに受信機
に伝送させることができる。
【0010】より具体的に、アナログ型火災監視システ
ムでは、一般に、受信機と感知器との間の信号の授受に
はシリアル伝送が用いられるため、伝送速度は期待でき
ないので、1つの感知器からえられる情報量には限度が
ある。一方、感知器には火災相当の入力があって、これ
を受信機が確認するまでの時間制限は5秒と法令で決め
られている。
【0011】熱感知器や煙感知器では、これをアナログ
型感知器として構成する場合、上述のように、受信機へ
の返送情報として、例えば、1回のポーリング時に、1
つの温度信号レベル積算値や煙濃度信号レベル積算値だ
けを送出するだけで良いので、この返送情報を5秒以内
に受信機に返送し、受信機に受信確認させることができ
る。
【0012】しかしながら、赤外線式の炎感知器では、
炎に特有の短時間的な揺らぎ現象(時間変化)が、炎か否
かを判断(検出)する上で重要な情報となる。従って、炎
感知器をアナログ型感知器として構成し、受信機におい
てこの炎感知器からの返送情報に基づいて炎か否かの判
断を行なわせようとする場合、熱感知器や煙感知器のよ
うに、例えば5秒間のポーリング周期にわたって検出信
号レベルを積算してしまうと、炎に特有の短時間的な揺
らぎ現象に関する情報が完全に失なわれてしまい、受信
機において、炎か否かを正確に判断することができなく
なってしまう。
【0013】一方、受信機において、炎感知器からの返
送情報に基づき炎か否かの判断を正確に行なわせようと
するために、従来では、炎感知器の検出手段から所定の
サンプリング間隔Δt(炎の揺らぎ現象を捉えるのに必
要な例えば10m秒の時間間隔)ごとに出力される全て
の情報(検出データ)を、返送情報として受信機に返送す
ることが提案されたが、この場合には、情報量(データ
量)が大量のものとなり、これら大量の情報(検出デー
タ)を予め定められた時間内(例えば5秒以内)に受信機
に伝送し、受信機に受信確認させることは、到底できな
い。
【0014】従って、従来では、アナログ型火災監視シ
ステムのアナログ型感知器としては、熱感知器,煙感知
器などしか使用することができず、赤外線式の炎感知器
は、アナログ型感知器として構成されていなかった。す
なわち、赤外線式の炎感知器については、これをアナロ
グ型火災監視システムに使用することができなかった。
【0015】なお、このような問題は、赤外線式の炎感
知器に限らず、所定の事象(上記例では炎)が生起したか
否かを判断する上で、該事象に伴なう物理量の短時間的
な時間変化(上記例では揺らぎ現象)が重要なものとなる
任意の感知器、すなわち、所定の事象が生起したか否か
を正確に判断する上で、一般に大量の検出データを必要
とする任意の感知器(火災検知,防犯検知などの感知器)
をアナログ型監視システム(アナログ型火災監視システ
ム,アナログ型防犯監視システムなど)に使用しようと
する場合にも生じ、従って、従来では、所定の事象が生
起したか否かを判断する上で必要とされる検出信号の情
報量が大量となる感知器については、これをアナログ型
感知器として構成できず、アナログ型監視システムに用
いることができなかった。
【0016】本発明は、所定の事象(例えば炎など)が生
起したか否かを判断する上で、該事象に伴なう物理量の
短時間的な時間変化が重要なものとなる物理量を検知す
るための感知器であっても、これをアナログ型監視シス
テムのアナログ型感知器として使用することの可能な感
知器およびアナログ型監視システムおよび異常監視方法
を提供することを目的としている。
【0017】また、本発明は、感知器をアナログ型感知
器として構成する場合に、この感知器からの返送用情報
に基づき、受信機側で所定の事象に関する監視処理を、
従来に比べて容易にあるいは信頼性良く行なうことの可
能な感知器およびアナログ型監視システムおよび異常監
視方法を提供することを目的としている。
【0018】さらに、本発明は、アナログ型感知器とし
て使用できるのみならず、オン・オフ型感知器としても
使用可能な感知器を提供することを目的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1乃至請求項5記載の発明では、所定の物理
量を検出する検出手段と、該検出手段で検出された物理
量の検出信号に対して所定の信号処理を施す信号処理手
段と、受信機から呼出し可能に構成され、受信機から呼
出されるときに所定の情報を受信機に返送する伝送手段
とを有し、信号処理手段は、検出手段で検出された検出
信号に基づいて所定の事象が生起したか否かを判断し、
所定の事象が生起したか否かの判断情報を前記伝送手段
に与える判断処理機能と、伝送手段が受信機から呼出さ
れて検出手段で検出された検出信号に基づく所定の情報
を伝送手段から受信機に返送するときに伝送手段から受
信機への返送情報量が少ない情報量となるように、か
つ、該情報を受信機が受信したとき受信機において該情
報に基づき所定の事象に関する監視を行なうことができ
る程度に、検出手段で検出された検出信号に対して編集
処理を施した検出信号情報を前記伝送手段に与える編集
処理機能とを有し、伝送手段は、判断情報と編集処理を
施した検出信号情報との両方を、返送情報として、受信
機に返送するようになっている。これにより、この感知
器からの返送用情報に基づき、受信機側では所定の事象
に関する監視処理を、従来に比べて容易にあるいは信頼
性良く行なうことができる。さらに、請求項1乃至請求
項5記載の発明を適用すれば、所定の事象が生起したか
否かを判断する上で、該事象に伴なう物理量の短時間的
な時間変化が重要なものとなる物理量を検知するための
感知器,例えば赤外線式の炎感知器をもアナログ型感知
器として構成でき、これを既存のアナログ型監視システ
ムに用いることができる。
【0020】また、請求項6乃至請求項10記載の発明
では、所定の物理量を検出する検出手段と、該検出手段
で検出された物理量の検出信号に対して所定の信号処理
を施す信号処理手段と、受信機から呼出し可能に構成さ
れ、受信機から呼出されるときに所定の情報を受信機に
返送する伝送手段とを有し、信号処理手段は、検出手段
で検出された検出信号に基づいて所定の事象が生起した
か否かを判断する判断処理機能を有し、所定の事象が生
起したか否かの判断情報とともに検出手段からの検出信
号情報を伝送手段に与え、伝送手段は、判断情報と検出
信号情報とが所定のフォーマットにまとめられた情報
を、返送情報として、受信機に返送するようになってい
る。これにより、この感知器からの返送用情報に基づ
き、受信機側では所定の事象に関する監視処理を、従来
に比べて容易にあるいは信頼性良く行なうことができ
る。
【0021】また、請求項11記載の発明では、請求項
1乃至請求項10のいずれか一項に記載の感知器におい
て、該感知器は、さらに、P型受信機から延びる一対の
線路間に接続可能に構成され、該感知器には、所定の事
象が生起したか否かの判断情報に基づいてP型受信機か
ら延びる一対の線路間の導通をオン・オフ制御するスイ
ッチング手段がさらに設けられており、該感知器は、受
信機からの呼出により伝送手段から受信機に返送用情報
を返送するアナログ型感知器として使用可能であり、ま
た、P型受信機から延びる一対の線路間に接続されてい
るときには、該一対の線路間の導通を判断情報によりオ
ン・オフ制御するオン・オフ型感知器として使用可能に
構成されている。これにより、アナログ型感知器として
使用できるのみならず、オン・オフ型感知器としても使
用することができる。
【0022】また、請求項12,請求項13記載の発明
では、受信機側からアナログ型感知器を呼出し、呼出さ
れたアナログ型感知器は、該アナログ型感知器で検出さ
れた所定の情報を受信機側に返送し、受信機側で所定の
事象に関する監視を行なわせる型式のアナログ型監視シ
ステムにおいて、アナログ型感知器には、請求項1乃至
請求項11のいずれか一項に記載の感知器を用いること
が可能であって、この場合、該感知器は、受信機から呼
出されるときに、感知器側での判断情報と検出信号情報
とが所定のフォーマットでまとめられた情報を、返送情
報として、受信機に返送する。これにより、この感知器
からの返送用情報に基づき、受信機側では所定の事象に
関する監視処理を、従来に比べて、容易にあるいは信頼
性良く行なうことができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1は本発明に係る感知器の構成例
を示す図である。なお、図1の例では、感知器2がアナ
ログ型監視システムの受信機1に伝送路3を介して接続
され、アナログ型監視システムのアナログ型感知器とし
て使用されている状態が示されている。
【0024】図1を参照すると、この感知器2は、所定
の物理量を検出する検出手段11と、該検出手段11で
検出された検出信号に対して所定の信号処理を施す信号
処理手段13と、受信機1から呼出し可能に構成され、
受信機1から呼出される(例えばアドレスポーリングさ
れる)ときに所定の情報を受信機1に返送する伝送手段
12とを有している。
【0025】ここで、信号処理手段13は、検出手段1
1からの検出信号に基づいて、所定の事象が生起したか
否かの判断(例えば炎や火災が発生したか否かなどの判
断)を行なう判断処理機能と、検出手段11からの検出
信号に対して、これが少ない情報量(例えば5ビット乃
至7ビット程度)のものとなるように、かつ、これを受
信機1が受信したとき、受信機1において該検出信号に
基づき所定の事象に関する監視(例えば所定の事象につ
いての解析)を行なうことができる程度に、所定の編集
処理を施す編集処理機能とを備え、所定の事象が生起し
たか否かの判断情報(判断結果,例えば1ビットの情報
量)と編集処理がなされた検出信号情報(例えば5ビット
乃至7ビット程度の情報量)とを伝送手段12に与える
よう構成されている。
【0026】また、伝送手段12は、受信機1から呼出
されるとき(例えばアドレスポーリングされるとき)、所
定の事象(例えば火災)が発生したか否かのこの感知器2
側における判断情報(判断結果)と少ない情報量に編集処
理された検出信号情報とが所定のフォーマットにまとめ
られた情報を、返送用情報として、受信機1に返送する
ように構成されている。
【0027】図2には、感知器2の伝送手段12から受
信機1に送出される返送用情報の一例が示されている。
図2の例では、返送用情報は、感知器種別情報A0と、
信号情報A1とにより構成されており、信号情報A1のう
ちの1ビット(図2の例では最上位ビット)を所定の事象
が生起したか否かの判断情報(判断結果)B1に割当て、
残りの他のビットを編集処理された検出信号情報B2
割当てている。具体的に、一般的なアナログ型火災監視
システムにおいて、火災感知器からの返送用情報の感知
器種別情報は、一般に、2ビットとして構成されてお
り、また、信号情報A1は6ビットあるいは8ビットと
して構成されている。図1の感知器の返送用情報とし
て、このような一般的なアナログ型火災監視システムの
火災感知器と同じフォーマットのものを用いる場合、信
号情報A1が例えば8ビットとして構成されているとき
には(図2の例のように構成されているときには)、例え
ば、そのうちの1ビットを判断情報(判断結果)B1に割
当て、残りの他の7ビットを編集処理された検出信号情
報B2に割当てることができる。この場合には、検出手
段11からの検出信号を、0〜127の範囲のアナログ
値に編集処理すれば良いことになる。また、信号情報A
1が例えば6ビットとして構成されているときには、例
えば、そのうちの1ビットを判断情報(判断結果)B1
割当て、残りの他の5ビットを編集処理された検出信号
情報B2に割当てることができる。この場合には、検出
手段11からの検出信号を、0〜31の範囲のアナログ
値に編集処理すれば良いことになる。
【0028】このように、図1の感知器2では、検出手
段11からの検出信号の情報量(検出データ数)が大量の
ものとなる場合にも、検出手段11からの検出信号を所
定の事象(例えば炎や火災)が発生したか否かの判断情報
(判断結果;例えば1ビットの情報)と、少ない情報量に
編集処理された検出信号情報(例えば5ビットあるいは
7ビットの情報量)とに処理し、受信機1からの呼出し
があるとき、伝送手段12から受信機1には、上記のよ
うに情報量の低減した情報(所定の事象が発生したか否
かの判断情報(例えば1ビットの情報)B1と少ない情報
量に編集処理された検出信号情報(例えば5ビットある
いは7ビットの情報量)B2との合計6ビットあるいは8
ビット程度の情報)を、1つの返送用情報として返送す
るようになっているので、この感知器を既存のアナログ
型監視システムのアナログ型感知器として使用すること
が可能となる。すなわち、検出手段11からの検出信号
の情報量が大量のものとなる感知器であっても、これを
アナログ型感知器として構成することができ、例えば図
34に示したような既存のアナログ型監視システムに使
用することが可能となり、アナログ型監視システムの前
述したような種々の利点を享受することができる。
【0029】例えば、受信機1においては、感知器2か
らの返送用情報に基づき所定の事象(例えば火災など)に
関する監視を行なうことができる。具体的には、例え
ば、感知器2からの返送用情報のうちの判断情報B1
基づいて所定の報知(警報)処理を行なったり、また、感
知器2からの返送用情報のうちの検出信号情報B2を例
えばトレンドグラフを表示したりして検出信号情報(例
えば信号レベル)の変化を監視することで事象のトレン
ド(傾向)の解析等を行なうことができる。さらには、受
信機1が自動試験,点検機能を有している場合に、受信
機1の自動試験,点検機能を用いて、感知器2の自動点
検(例えば自動定期点検)を行ない、省力化を図ることな
どができる。
【0030】また、返送用情報が非常に少ない情報量
(例えば数ビット程度の情報量)のものとなっていること
から、感知器2の伝送手段12としては、一般のアナロ
グ型感知器に使用されている低コストの伝送IC、すな
わち、処理量が少量で済む(返送情報量(返送ビット数)
が6乃至8ビット程度で済む)低コストの伝送ICを使
用することができる。
【0031】従って、図1の構成の感知器2は、特に、
所定の事象(例えば炎など)が生起したか否かを判断する
上で、該事象に伴なう物理量の短時間的な時間変化が重
要なものとなる物理量を検知するための感知器、すなわ
ち、検出手段11からの検出信号の情報量(検出データ
数)が大量なものとなる感知器(例えば、赤外線式の炎感
知器(検出手段11に赤外線検出手段が用いられる感知
器)などの感知器)を、アナログ型感知器として構成する
上で、有用なものとなる。
【0032】また、受信機1側においては、例えば、感
知器2からの返送用情報(例えば図2に示すようなフォ
ーマットの返送用情報)の判断情報B1に基づいて、所定
の報知処理(警報処理)等を行なうことができる。すなわ
ち、感知器2側から判断情報が送られることで、受信機
1側では、所定の事象(例えば火災)が生起したか否かを
判断する処理が不要となり、感知器2側からの判断情報
に基づいて、直接、報知処理(警報処理)等ができる。ま
た、受信機1側においては、感知器2からの返送用情報
のうち、所定の事象についての解析を行なうことができ
る程度に編集処理された検出信号情報B2に基づき、例
えば、所定の事象(例えば火災など)についての状況,例
えばトレンド(傾向)の解析等を行なうことができる。具
体的に、例えば、受信機1側では、感知器側での判断情
報B1が「異常あり(ビットが“1”)」の場合には警報
を発生させることができる。また、編集処理された検出
信号の情報B2を、例えばトレンドグラフとして表示す
ることができる。この場合、受信機1のオペレータは、
感知器側での判断情報B1に基づいて警報が鳴ったと
き、トレンドグラフを見て、状況を総合的に判断,解析
することができる。さらには、トレンドグラフにより、
所定の事象(例えば火災など)が生起するまでの過程(傾
向)を解析したりすることもできる。このように、本発
明によれば、受信機1側では、感知器2からの返送用情
報に基づき、所定の事象に関する監視を行なう場合に、
所定の事象が生起したか否かの判断処理を受信機1内で
独自に行なわずに済むので、従来に比べて、監視処理が
より容易となる。
【0033】なお、上記の例では、受信機1側で所定の
事象が生起したか否かの判断処理を行なわないとした
が、必要に応じて受信機1側で、感知器2からの返送用
情報の検出信号情報B2に基づき、判断処理を独自に行
なうことも可能である。この場合には、例えば、この受
信機1側独自の判断結果に、感知器2からの同じ返送用
情報に含まれている感知器側での判断結果の情報B1
もさらに加味して、所定の事象(例えば火災)が生起した
か否かを総合的に判断でき、信頼性を高めることができ
る。
【0034】また、図1の構成例において、信号処理手
段13は、図3(a)に示すように、所定の事象が生起し
たか否かの判断情報(判断結果,例えば1ビットの情報)
と少ない情報量に編集処理された検出信号の情報(例え
ば5ビット乃至7ビット程度の情報量)とをそれぞれ別
々に伝送手段12に与えても良いし、あるいは、図3
(b)に示すように、所定の事象が生起したか否かの判断
情報(判断結果,例えば1ビットの情報)と少ない情報量
に編集処理された検出信号情報(例えば5ビット乃至7
ビット程度の情報量)とを所定のフォーマットにまとめ
上げて(例えば図2のようなフォーマットに編集処理し
て)、伝送手段12に与えても良い。図3(a)の場合に
は、伝送手段12において、所定のフォーマットへのま
とめ上げを行なう必要があるが、図3(b)の場合には、
伝送手段12にはまとめ上げられた情報が与えられるの
で、伝送手段12でまとめ上げを行なわずに済む。
【0035】また、図1の構成例では、感知器2の信号
処理手段13は、判断処理機能と編集処理機能との両方
の機能を具備しているとしたが、これらの機能が別々の
手段として実現されていても良い。図4は図1の感知器
の変形例を示す図であり、図4の例では、感知器2は、
所定の物理量を検出する検出手段11と、検出手段11
で検出された検出信号に基づいて、所定の事象が生起し
たか否かの判断(例えば火災が発生したか否かなどの判
断)を行なう判断手段14と、該検出手段11で検出さ
れた検出信号に対して所定の信号処理を施す信号処理手
段13と、受信機1から呼出し可能に構成され、受信機
1から呼出される(例えばアドレスポーリングされる)と
きに所定の情報を受信機1に返送する伝送手段12とを
有している。
【0036】ここで、判断手段14は、所定の事象が生
起したか否かを判断するようになっている。また、信号
処理手段13は、伝送手段12が受信機1から呼出され
て検出手段11で検出された検出信号に基づく所定の情
報を伝送手段12から受信機に返送するときに伝送手段
12から受信機1への返送情報量が少ない情報量となる
ように、かつ、該情報を受信機1が受信したとき受信機
において該情報に基づき所定の事象(例えば炎や火災な
ど)に関する監視(例えば、炎や火災などについての解
析)を行なうことができる程度に、検出手段11で検出
された検出信号に対して編集処理を施すようになってい
る。また、伝送手段12は、受信機1から呼出されると
き(例えばアドレスポーリングされるとき)、判断手段1
4からの判断情報(判断結果)と信号処理手段13により
編集処理された検出信号情報とが所定のフォーマットに
まとめられた情報を、返送用情報として、受信機1に返
送するようになっている。
【0037】換言すれば、図4の構成例では、編集処理
機能は、信号処理手段13にもたせ、判断処理機能を信
号処理手段13と独立させて、判断手段14にもたせて
いる。
【0038】なお、図4の構成例において、判断手段1
4と信号処理手段13は、図5(a)に示すように、所定
の事象が生起したか否かの判断情報(判断結果,例えば
1ビットの情報)と少ない情報量に編集処理された検出
信号情報(例えば5ビット乃至7ビット程度の情報量)と
をそれぞれ別々に伝送手段12に与えても良いし、ある
いは、図5(b)に示すように、所定の事象が生起したか
否かの判断情報(判断結果,例えば1ビットの情報)と少
ない情報量に編集処理された検出信号情報(例えば5ビ
ット乃至7ビット程度の情報量)とを、例えば信号処理
手段13において所定のフォーマットにまとめ上げて
(例えば図2のようなフォーマットに編集処理して)、ま
とめ上げられた情報を伝送手段12に与えても良い。
【0039】また、図1,図4に示したような感知器2
において、信号処理手段13(さらには判断手段14)に
おける返送用情報の生成処理(検出信号情報の編集処
理,所定の事象が生起したか否かの判断処理をも含めた
処理)は、ポーリング周期が一定であるときには、受信
機1からの呼出し(ポーリング)の周期に同期させて行な
うことができ、また、ポーリング周期が一定していない
ときには、受信機1からの呼出し(ポーリング)の周期に
非同期で行なうことができる。
【0040】ここで、呼出しの周期(ポーリング周期)と
は、1つのアナログ型感知器が受信機1によって呼出さ
れた(ポーリングされた)時点からこのアナログ型感知器
が受信機1によって次に呼出されるまでの期間を意味し
ている。例えば、図34に示すようなアナログ型火災監
視システムでは、受信機101は、各アナログ型感知器
102−1乃至102−nを順次に繰り返して呼出す
(ポーリングする)ようになっている。例えば、感知器1
02−1,感知器102−2,…,感知器102−n,
感知器102−1,感知器102−2,…,感知器10
2−n,感知器102−1,…の順に巡回的に繰り返し
て呼出す(ポーリング)するようになっており、この場
合、1つの感知器,例えば102−1が呼出された(ポ
ーリングされた)時点からこの感知器102−1が次に
呼出される(ポーリングされる)時点までの期間が、一般
に、呼出し周期(ポーリング周期)と称されている。
【0041】すなわち、図1,図4に示した感知器2に
おいて、信号処理手段13(さらには判断手段14)は、
ポーリング周期が一定であるときには、受信機1からの
呼出しに同期させて所定の期間Tにわたり上記のような
返送用情報の生成処理を行ない、伝送手段12は、受信
機1からの呼出しに同期して、生成処理された返送用情
報を受信機1に返送することができる。一方、ポーリン
グ周期が一定していないときには、例えば感知器側で独
自に所定期間Tを計時するタイマを起動して、返送用情
報の生成処理を行ない(すなわち、信号処理手段13(さ
らには判断手段14)は、所定の期間Tごとに上記のよ
うな返送用情報の生成処理を行ない)、生成された返送
用情報を保持し、伝送手段12は、受信機1から呼出さ
れたときに、保持されている返送用情報を受信機1に返
送することができる。
【0042】図6は本発明を適用した赤外線式(1波長
式)の炎感知器2の構成例を示す図である。なお、図6
の例では、炎感知器2が図1の感知器に対応した構成と
なっている。すなわち、この炎感知器2では、図1の感
知器2の検出手段11に、炎特有の波長の赤外線を検出
する赤外線検出手段11が用いられたものとなってい
る。また、信号処理手段13には、赤外線検出手段11
で検出された赤外線検出信号に基づいて、炎か否かの判
断を行なう判断処理機能とともに、伝送手段12が受信
機1から呼出されて赤外線検出手段11で検出された赤
外線検出信号に基づく所定の情報を伝送手段12から受
信機1に返送するときに伝送手段12から受信機1への
返送情報量が少ない情報量となるように、かつ、該情報
を受信機1が受信したとき受信機1において該情報に基
づき炎に関する監視(例えば炎についての解析)を行なう
ことができる程度に、赤外線検出手段11で検出された
赤外線検出信号に対して編集処理を施す編集処理機能が
備わっている。
【0043】図7は図6の炎感知器の信号処理手段13
の構成例を示す図である。図7の例では、信号処理手段
13は、図3(b)に対応した構成となっている。すなわ
ち、信号処理手段13は、編集処理された検出信号情報
として所定期間Tにわたる赤外線検出手段11からの赤
外線検出信号の平均ピークレベルを算出する編集処理部
15と、編集処理部15により算出された平均ピークレ
ベルが所定の閾値VPを越えたときに炎と判断する炎判
断部17と、炎判断部17からの判断情報(判断結果)と
編集処理部15で編集処理された情報(平均ピークレベ
ル)とを、図2に示すようなフォーマットにまとめて(例
えば同じ信号形態にまとめて)、これを受信機1への返
送用情報として作成する返送用情報作成部18とを有し
ており、伝送手段12は、返送用情報作成部18によっ
て作成された返送用情報を受信機1側に返送するように
なっている。
【0044】図8には、炎のスペクトル強度が示されて
おり、図8からわかるように、火災時などに発生する炎
は、4.3〜4.4μm程度の赤外線波長のところで、
最も大きなスペクトル強度を有している。従って、赤外
線検出手段11は、その検出対象となる炎特有の赤外線
波長として、すなわち炎の主要な特徴として、例えば
4.3〜4.4μm程度の波長の赤外線を検出するよう
に構成されている。例えば、赤外線検出手段11には、
4.3〜4.4μm程度の波長の赤外線を検出する赤外
線センサを用いることができる。
【0045】図9は火災時の炎から放射される赤外線の
レベル(赤外線検出手段11に赤外線センサを用いたと
きに赤外線センサから出力される赤外線検出信号の強度
レベル)の時間的変化の一例を示す図である。図9を参
照すると、火災時の炎から放射される赤外線の強度レベ
ルは、所定の閾値レベルVth(例えば0.2V)以上とな
るものが多くなる。
【0046】このことに着目し、信号処理手段13の編
集処理部15では、赤外線の強度レベル(赤外線検出手
段11からの赤外線検出信号のレベル)が所定の閾値レ
ベルVth(例えば0.2V)に達したときに、炎の可能性
があると判断し、この時点から、赤外線検出信号のレベ
ルを所定のサンプリング間隔で取り込むようになってい
る。
【0047】そして、信号処理手段13の編集処理部1
5は、赤外線検出信号のレベルが所定の閾値レベルVth
に達した時点からの赤外線検出信号が火災時の炎特有の
特性をどの程度有しているかを調べるため、所定の閾値
レベルVthに達した時点から所定期間Tにわたって、赤
外線検出信号のレベルのピーク(例えば所定期間Tにわ
たる赤外線検出信号のレベルのうち、所定の閾値レベル
thを越えた赤外線検出信号のレベルのピーク)を検知
し、所定期間Tにわたる各ピークのレベルの平均をとっ
て平均ピークレベルMavgとして求めるようになってい
る。
【0048】より具体的には、図9に示すように、赤外
線検出信号のレベルが所定の閾値レベルVthを越えた時
点から所定期間Tにわたって赤外線検出信号を所定時間
間隔Δtで、データとして取り込み(サンプリングし)、
従って、所定期間Tにおいては、約T/Δt個のデータ
を取り込み(サンプリングし)、信号処理手段13の編集
処理部15は、例えば、このようにして取り込まれた約
T/Δt個のデータ(赤外線検出信号のレベル)のうち、
所定の閾値レベルVthを越えたもののみに着目し、所定
の閾値レベルVthを越えた赤外線検出信号のレベルの増
減を検知して、その山の部分をレベルのピークとして検
知するようになっている。すなわち、赤外線検出信号の
レベルを所定の時間間隔Δt毎にデジタルデータとして
取り込むときに、取り込んだ赤外線検出信号のレベルデ
ータ(デジタルデータ)のうち、例えば、所定の閾値レベ
ルVthを越えた赤外線検出信号のレベルについて、前回
のデータと今回のデータを比較して、増加の傾向か減少
の傾向かを判断し、増加から減少に転ずる点をピーク点
として抽出することができる。
【0049】そして、所定期間Tにおいて、レベルのピ
ークの個数を例えばm個として検知し、各ピークのレベ
ルをM1,M2,…,Mmとして検知したとき、これらの
1,M2,…,Mmの平均値Mavgを平均ピークレベルと
して求めるようになっている。
【0050】編集処理部15において、このようにして
求めた平均ピークレベルMavgは、非常に少ない情報量
(数ビット(5〜7ビット)程度で表現される情報量)のも
のとなっており、また、非常に少ない情報量のものであ
るにもかかわらず、赤外線検出信号が火災時の炎特有の
主要な特徴をどの程度有しているかを良好に反映したも
のとなっており、平均ピークレベルMavgを返送用情報
の検出信号情報B2とすることができれば、受信機1に
おいて、これを受信したとき、これを例えばトレンドグ
ラフに表示するなどして監視することで、例えば炎の傾
向(トレンド)等,あるいは火災の発生に至るまでの傾向
(トレンド)等を解析し、全体の状況を判断することがで
きる。
【0051】具体的に、返送用情報の検出信号情報B2
が5ビットの仕様のものとなっているとき、赤外線4.
3μmのピークレベルの平均値,すなわちピークレベル
が310mV以内であれば、例えば10mV/デジット
とするとき、310mVは“31”,すなわち、2進表
示で“11111”となることから、平均ピークレベル
をそのまま検出信号情報B2として用いることができ
る。但し、上記例で、平均ピークレベルが310mV以
上となったときには、これを5ビットでは表現しきれな
いので、これを例えば5ビットで制限したり(例えば、
5ビットで表現できる最大値“11111”とした
り)、あるいは、平均ピークレベルの実測データを一定
値(例えば“2”や“4”など)で除算した結果を検出信
号情報B2として加工したりする必要がある。また、所
定時間T当りのピークの個数mが一定値以下(数回以下
/ポーリング)ではノイズとも考えられ、この場合に
は、平均ピークレベルを一定値(例えば“2”や“4”)
により除算して、加工することも可能である。
【0052】また、感知器2において、信号処理手段1
3の炎判断部17は、例えば編集処理部15により上記
のように編集処理された結果得られた平均ピークレベル
avgが所定の閾値VP以上であるとき(なお、この閾値
VPは、前述の閾値レベルVthに比べて十分に大きく設
定されているとする)、炎であると判断し、その判断結
果を1ビットで表現し(“1”のとき炎であり、“0”
のとき炎でないとし)、返送用情報の判断情報B1とする
ことで、受信機1においては、この返送用情報を受信し
たときに感知器側での判断情報(判断結果)B1を用い
て、火災報知処理等を行なうことができる。すなわち、
この場合、受信機1においては、火災判断処理が不要と
なり、感知器側の判断情報B1に基づいて、直接、火災
報知処理等を行なうことができる。
【0053】このように、図6,図7の赤外線式の炎感
知器では、返送用情報は、炎判断部17からの判断情報
(判断結果)と赤外線検出手段11からの赤外線検出信号
の平均ピークレベルMavgとを所定のフォーマットにま
とめたものであり、従って、非常に少ない情報量(例え
ば6乃至8ビット程度の情報量)のものとなっている。
従って、伝送手段12は、この返送用の情報を予め定め
られた時間内(例えば5秒以内)に受信機1に伝送し、受
信機1に受信確認させることが可能となる。
【0054】また、この返送用情報は、上記のように非
常に少ない情報量のものであるにもかかわらず、赤外線
検出手段11からの赤外線検出信号を所定期間Tにわた
る赤外線検出信号の平均ピークレベルMavgという炎特
有の主要な特徴量に編集し、さらに、これに、感知器側
での判断結果が付加されたものとなっているので、この
ようなフォーマットの返送用情報を伝送手段12から受
信機1に返送するとき、受信機1では、受信機1内で炎
判断処理,火災判断処理を行なわずとも、感知器側の判
断結果に基づいて、直接、火災報知処理等を行なうこと
ができ、また、平均ピークレベルMavgを例えばトレン
ドグラフとして表示することなどにより、炎の傾向(ト
レンド)等,あるいは炎の発生に至るまでの傾向(トレン
ド)等を解析し、全体の状況を判断することが可能とな
る。
【0055】このことから、図6の炎感知器は、これが
赤外線式のものとして構成されていても、既存のアナロ
グ型監視システムに組み込むことが可能となり、前述し
たようなアナログ型監視システムの種々の利点を享受す
ることができる。例えば、受信機1において、上述のよ
うな火災報知処理,火災解析処理などの火災監視処理の
みならず、受信機1が自動試験,点検機能を有している
場合に、受信機1の自動試験,点検機能を用いて、赤外
線式の炎感知器の自動点検(例えば自動定期点検)を行な
い、省力化を図ることなどができる。具体的には、建物
の天井のような高い位置(人間による点検が困難な位置)
に設置される炎感知器をアナログ型感知器として構成
し、この炎感知器の点検を極めて容易に行なうことがで
きる。
【0056】また、返送用情報が非常に少ない情報量
(例えば数ビット程度の情報量)のものとなっていること
から、赤外線式の炎感知器の伝送手段12には、アナロ
グ型感知器で一般に用いられている処理ビット数が少量
で低コストの伝送ICなどを用いることができ、伝送手
段12にアナログ型感知器で一般に用いられている低コ
ストの伝送ICなどを用いる場合にも、伝送手段12か
ら受信機1にこの返送用情報を返送するとき、受信機1
との間での伝送に支障を生じさせずに済む。すなわち、
伝送手段にこのような伝送ICを用い、受信機が短いポ
ーリング周期でこの炎感知器を呼出しても、伝送手段か
ら、返送用情報として、少ない情報量(ビット数)のもの
であるにもかかわらず、受信機側で火災報知や火災の傾
向解析などの火災監視処理を信頼性良く行なうことの可
能な返送用情報を受信機側に返送することができる。
【0057】また、図10は本発明を適用した赤外線式
(2波長式)の炎感知器の構成例を示す図である。なお、
図10の構成例では、炎感知器2が図1の感知器に対応
した構成となっている。この場合、この炎感知器では、
図1の検出手段11に、炎特有の波長の赤外線を検出す
る赤外線検出手段11aと、赤外線検出手段11の検出
対象となる炎特有の赤外線波長とは異なる波長の光を検
出する補助検出手段11bとが用いられたものとなって
いる。
【0058】また、信号処理手段13には、赤外線検出
手段11aで検出された赤外線検出信号と補助検出手段
11bで検出された補助検出信号とに基づいて、炎か否
かの判断を行なう判断処理機能とともに、伝送手段12
が受信機1から呼出されて赤外線検出手段11aで検出
された赤外線検出信号に基づく所定の情報を伝送手段1
2から受信機1に返送するときに伝送手段12から受信
機1への返送情報量が少ない情報量となるように、か
つ、該情報を受信機1が受信したとき受信機1において
該情報に基づき炎についての解析を行なうことができる
程度に、赤外線検出手段11aで検出された赤外線検出
信号に対して編集処理を施す編集処理機能が備わってい
る。
【0059】図11は図10の炎感知器の信号処理手段
13の構成例を示す図である。図11の例では、信号処
理手段13は、編集処理された検出信号情報として所定
期間Tにわたる赤外線検出手段11aからの赤外線検出
信号の平均ピークレベルを算出する編集処理部15と、
補助検出手段11bからの補助検出信号から、炎に関す
る補助特徴を抽出する補助特徴抽出部19と、編集処理
部15で算出された平均ピークレベルと補助特徴抽出部
19で算出された補助特徴とに基づいて炎か否かを判断
する炎判断部20と、炎判断部20からの判断情報(判
断結果)と編集処理部15で編集処理された情報(例え
ば、平均ピークレベル)とを、図2に示すようなフォー
マットにまとめて(例えば、同じ信号形態にまとめて)、
これを受信機1への返送用の情報として作成する返送用
情報作成部18とを有しており、伝送手段12は、返送
用情報作成部18によって作成された返送用情報を受信
機1側に返送するようになっている。
【0060】ここで、赤外線検出手段11aには、例え
ば、4.3〜4.4μm程度の波長の赤外線を検出する
赤外線センサを用いることができる。
【0061】また、補助検出手段11bには、炎特有の
赤外線波長(4.3〜4.4μm程度)とは異なる波長の
光として、炎特有の赤外線波長の近傍の波長の赤外線、
例えば、3.9μm程度または5.1μm程度の波長の
赤外線を検出する赤外線センサを用いることができる。
すなわち、3.9μm程度または5.1μm程度の波長
では、図8からわかるように、炎のスペクトル強度は小
さく(極小値となり)、従って、この場合、補助検出手段
11bは、3.9μm程度または5.1μm程度の波長
のところでの赤外線のレベルを、補助検出信号として検
出することができる。
【0062】あるいは、補助検出手段11bには、炎特
有の赤外線波長(4.3〜4.4μm程度)とは異なる波
長の光として、炎から放射される紫外線の個数(正確に
は、パルスの個数)を、補助検出信号として検出する紫
外線センサ,より具体的に、例えば200〜260nm
程度の波長域の光を検出する紫外線センサ(例えばUV
トロン)を用いることができる。
【0063】補助検出手段11bに、赤外線検出手段1
1aによって検出される赤外線波長の近傍の波長の赤外
線を検出するものが用いられる場合には、信号処理手段
13の補助特徴抽出部19は、図12に示すように、赤
外線検出手段11aが検出した赤外線検出信号のレベル
のピーク時に補助検出手段11bが検出した補助検出信
号のレベルS1,S2,…,Smを取り込み、前記所定期
間Tにわたってこのように取り込んだ補助検出手段11
bからの補助検出信号のレベルS1,S2,…,Smの平
均値Savgを平均補助レベルとして求め、編集処理部1
5からの平均ピークレベルMavgと補助特徴抽出部19
からの平均補助レベルSavgとの比率(Mavg/Savg)
を、補助特徴として求めるようになっている。この場
合、信号処理手段13の炎判断部20は、例えば、平均
ピークレベルMavgが所定の閾値VP以上であり、か
つ、比率(Mavg/Savg)が炎の性状と近いときに、炎と
判断する一方、平均ピークレベルMavgが所定の閾値V
P以上であっても、例えば、比率(Mavg/Savg)が炎の
性状と異なるときには、炎と判断しない。
【0064】また、補助検出手段11bが紫外線を検出
するもの,すなわち紫外線センサが用いられる場合、紫
外線センサから出力される単位時間当りの紫外線放電パ
ルスの生起個数は、これに入光する紫外線の強度(光量)
に応じたものであり、従って、信号処理手段13の補助
特徴抽出部19は、図13に示すように、赤外線検出信
号のレベルが所定の閾値レベルVthを越えた時点から所
定期間Tにわたって補助検出手段11bからの紫外線放
電パルスの個数UVを計数するようになっている。この
場合、信号処理手段13の炎判断部20は、例えば、平
均ピークレベルMavgが所定の閾値以上であり、かつ、
紫外線放電パルスの個数UVが所定の閾値VQを越えた
ときに、炎と判断する一方、平均ピークレベルMavg
所定の閾値VP以上であっても、例えば、紫外線放電パ
ルスの個数UVが閾値VQ以下のとき(例えば極端に小
さいとき)には、炎と判断しない。
【0065】このように、補助検出手段11bが設けら
れている図10,図11の赤外線式(2波長式)の炎感知
器では、炎判断部20は、赤外線検出手段11aからの
赤外線検出信号の編集処理情報(平均ピークレベル)の他
に、補助検出手段11bからの補助検出信号の特徴抽出
情報(比率(Mavg/Savg)や紫外線放電パルスの個数U
V)をも考慮して、炎か否かの判断を行なうことができ
る。
【0066】そして、返送用情報作成部18は、例え
ば、図6,図7の赤外線式(1波長式)の炎感知器におけ
るのと全く同様に、炎判断部20からの炎判断結果と編
集処理部15により算出された編集処理情報(平均ピー
クレベル)とを、図2のようなフォーマットにまとめて
(例えば、同じ信号形態にまとめて)、これを受信機1へ
の返送用の情報として作成し、伝送手段12に与えるよ
うになっている。
【0067】すなわち、図10,図11の赤外線式(2
波長式)の炎感知器の場合にも、返送用の情報は、図
6,図7の赤外線式(1波長式)の炎感知器と同様、感知
器独自の判断結果(例えば1ビットの情報)と赤外線検出
信号の平均ピークレベルMavg(例えば5乃至7ビット程
度の情報)とを所定のフォーマットにまとめ上げたもの
であり、従って、非常に少ない情報量(例えば6乃至8
ビット程度の情報量)のものとなっていることから、図
6,図7の赤外線式(1波長式)の炎感知器と同様に、伝
送手段12は、この返送用の情報を予め定められた時間
内(例えば5秒以内)に受信機1に伝送し、受信機1に受
信確認させることが可能となる。
【0068】また、この返送用情報は、上記のように非
常に少ない情報量のものであるにもかかわらず、赤外線
検出手段11からの赤外線検出信号を所定期間Tにわた
る赤外線検出信号の平均ピークレベルMavgという炎特
有の主要な特徴量に編集し、さらに、これに、感知器側
での判断結果が付加されたものとなっているので、この
ようなフォーマットの返送用情報を伝送手段12から受
信機1に返送するとき、受信機1では、受信機1内で炎
判断処理,火災判断処理を行なわずとも、感知器側の判
断結果に基づいて、直接、火災報知処理等を行なうこと
ができ、また、平均ピークレベルMavgを例えばトレン
ド表示することなどにより、炎の傾向(トレンド)等,あ
るいは炎の発生に至るまでの傾向(トレンド)等を解析
し、全体の状況を判断することが可能となる。
【0069】このことから、図10の炎感知器は、これ
が赤外線式のものとして構成されていても、既存のアナ
ログ型監視システムに組み込むことが可能となり、前述
したようなアナログ型監視システムの種々の利点を享受
することができる。
【0070】但し、図10の赤外線式(2波長式)の炎感
知器では、炎感知器内における炎判断処理が、赤外線検
出信号の平均ピークレベルMavgのみならず、補助検出
手段11bからの補助検出信号の特徴抽出情報(比率(M
avg/Savg)や紫外線放電パルスの個数UV)をも考慮し
ているので、返送用情報のうちの判断情報(判断結果)に
ついては、これが図6の炎感知器と同様の1ビットの情
報量しかないものであっても、図6の炎感知器に比べて
より信頼性高いものとなっており、従って、この返送用
情報を伝送手段12から受信機1に返送するとき、受信
機1では、この返送用情報に基づいて、火災報知処理等
の火災監視処理をより一層正確に信頼性良く行なうこと
が可能となる。
【0071】なお、図6,図7,図10,図11に示し
た赤外線式の炎感知器において、信号処理手段13(さ
らには判断手段14)における返送用情報の生成処理(検
出信号情報の編集処理,所定の事象が生起したか否かの
判断処理をも含めた処理)は、ポーリング周期が一定で
あるときには、受信機1からの呼出し(ポーリング)の周
期に同期させて行なうことができ、また、ポーリング周
期が一定していないときには、受信機1からの呼出し
(ポーリング)の周期に非同期で行なうことができる。す
なわち、受信機1からのポーリング周期が一定である場
合には、このポーリング周期と同期させて、赤外線検出
信号のピークレベルの平均化処理と炎か否かの判断処理
とを行ない、例えば、炎か否かの判断結果と平均ピーク
レベルMavgとにより返送用情報を生成し、ポーリング
周期に同期させて、受信機1への返送用情報の返送処理
を行なうことができる。すなわち、この場合には、感知
器側でタイマなどにより所定期間Tを別途管理せずと
も、所定期間Tをポーリング周期により管理することが
できる。
【0072】また、受信機1からのポーリング周期が一
定していない場合には、例えば、感知器側で所定期間T
を管理し、所定期間T(例えば5秒)毎に、赤外線検出信
号のピークレベルの平均化処理と炎か否かの判断処理と
を行ない、例えば、炎か否かの判断結果と平均ピークレ
ベルMavgとにより返送用情報を生成して、これを保持
し、受信機1からのポーリングがあるときに、保持して
いる返送用情報を受信機1に返送するように返送処理を
行なうことができる。なお、この場合、所定期間Tにつ
いては、これを常に一定のものにせずに、信号の状況に
応じて、可変に設定することもできる。例えば平均ピー
クレベルMavgが所定の閾値VPに近いあいまいなレベ
ルのときには、所定時間Tを長く設定し、平均ピークレ
ベルMavgが急激に上昇するときには、所定時間Tを短
かく設定することもできる。あるいは、補助検出信号の
レベルが火災らしくないときには、所定時間Tを長く
し、火災に近いときには、所定時間Tを短かくすること
もできる。
【0073】図14は補助検出手段11bに赤外線を検
出する赤外線センサが用いられる場合の赤外線式(2波
長式)の炎感知器の具体例を示す図である。
【0074】図14を参照すると、この炎感知器の赤外
線検出手段11aは、炎特有の赤外線(一般にはCO2
鳴放射の4.3μm付近の赤外線(約4.1乃至4.7
μmの範囲の赤外線))を検出する赤外線センサ21と、
該赤外線センサ21からの赤外線検出信号(電圧)を増幅
する電圧増幅回路22と、赤外線センサ21からの赤外
線検出信号のうち、所定の周波数帯域の成分のみを通過
させるフィルタ回路23と、フィルタ回路23を通過し
た赤外線検出信号に対してDCレベル変換を施すDCレ
ベル変換回路24とにより構成されている。
【0075】また、この炎感知器の補助検出手段11b
は、炎特有の赤外線波長とは異なる波長(例えば、3.
9μmまたは5.1μmの波長)の赤外線を補助検出信
号として検出する赤外線センサ25と、該赤外線センサ
25からの検出信号,すなわち補助検出信号(電圧)を増
幅する電圧増幅回路26と、補助検出信号のうち、所定
の周波数帯域の成分のみを通過させるフィルタ回路27
と、フィルタ回路27を通過した補助検出信号に対して
DCレベル変換を施すDCレベル変換回路28とにより
構成されている。
【0076】また、この炎感知器の信号処理手段13
は、全体の制御を行なうマイクロコンピュータ等のCP
U(中央処理装置)30と、赤外線検出手段11aのDC
レベル変換回路24からの赤外線検出信号のレベル(出
力電圧)と閾値電圧Vthとを比較するコンパレータ29
と、伝送手段12に返送用情報をアナログ信号の形で与
えるためのD/A変換器31とにより構成されている。
【0077】ここで、赤外線センサ21,25として
は、防犯用センサとして広く使用されている焦電型素子
を使用することができる。この場合、焦電型センサは、
入射光に対し微分の電荷出力を発生するものであり、従
って、炎からの熱エネルギーの揺らぎに比例した信号を
出力するようになっている。また、これに関連させて、
フィルタ回路23,27は、所定の周波数帯域の成分と
して、ゆらぎ周波数(炎のちらつき周波数)帯の成分のみ
を通過させるようになっている。
【0078】すなわち、赤外線センサ21,25で検出
される炎の揺らぎは数Hz〜十数Hz程度であり、炎特
有の赤外線検出信号,補助検出信号を得るため、図13
の例では、この周波数帯域に透過特性をもつフィルタ回
路23,27に赤外線センサ21,25からの赤外線検
出信号,補助検出信号を通し、赤外線検出信号,補助検
出信号のうち炎の揺らぎ成分のみを保存させた形で(す
なわち、4.3〜4.4μm程度で捕えた炎の揺らぎ信
号,3.9μmまたは5.1μm程度で捕えた炎の揺ら
ぎ信号のものにして)、CPU30に取り込ませるよう
になっている。
【0079】また、CPU30には、所定期間Tとして
例えば5秒を計時するためのタイマ機能が内蔵されてい
る。また、CPU30には、DCレベル変換回路24,
DCレベル変換回路28からの赤外線検出信号,補助検
出信号のレベル(強度レベル)をデジタル信号に変換する
A/D変換機能が備わっている。なお、このA/D変換
機能は、赤外線検出信号,補助検出信号を所定の時間間
隔Δt(例えば10m秒)でサンプリングしデジタル変換
して取り込むようになっている。
【0080】また、コンパレータ29は、DCレベル変
換回路24から出力される赤外線検出信号のレベル(振
幅電圧)が閾値電圧Vth(例えば0.2V)に達すると、
CPU30の割り込み端子INT1に“1”の出力信号
をCPU30への割り込みとして加え、CPU30は、
端子INT1に割り込み入力があるとき、A/D変換機
能による赤外線検出信号,補助検出信号のレベルについ
てのA/D変換動作を開始し、赤外線検出信号に対する
演算処理(編集処理)を行なうようになっている。
【0081】すなわち、CPU30は、火災検出を行な
うために、所定期間Tにわたり赤外線検出信号のレベル
を所定の時間間隔(サンプリング周期)Δt(例えば10
m秒の時間間隔)でデジタルデータとして取り込み、所
定期間Tにわたり時間間隔Δt(=10m秒)ごとに取り
込んだ赤外線検出信号のレベルデータ(デジタルデータ)
のうち、例えば、所定の閾値レベルVthを越えた赤外線
検出信号のレベルについてだけピークを検知して、平均
ピークレベルMavgを算出するようになっている。
【0082】また、上述のように赤外線検出手段11a
のDCレベル変換回路24からの赤外線検出信号のピー
クを検知したとき、CPU30は、この抽出時点でのD
Cレベル変換回路28からの補助検出信号のレベルを取
り込み、上記所定期間Tにわたって取り込んだ補助検出
信号のレベルの平均をとって平均補助レベルSavgを算
出するようになっている。そして、CPU30は、平均
ピークレベルMavgと平均補助レベルSavgとの比率M
avg/Savgとを求め、例えば、平均ピークレベルMavg
と比率Mavg/Savgとに基づき、炎か否かを判断し、そ
の判断結果と平均ピークレベルMavgとを図2に示すよ
うな所定のフォーマットにまとめて、これを受信機1へ
の返送用の情報として生成してD/A変換器31に与え
るようになっている。
【0083】なお、CPU30に、さらに、赤外線検出
信号,補助検出信号が電圧増幅回路22,26の飽和領
域を越えているか否かを判別し、飽和領域を越えている
場合は、電圧増幅回路22,26の増幅度を1/N(例
えば1/2)に設定し、また、電圧増幅回路22,26
の増幅度を戻す必要があると判断した場合は、増幅度を
標準に戻すというような制御機能をももたせることがで
きる。このような制御機能を有している場合には、平均
ピークレベルMavg,平均補助レベルSavgをより正確に
検出することができる。
【0084】以上のことからわかるように、図10の炎
感知器において、信号処理手段13は、図14の具体的
な構成例においてCPU30によって実現されている。
【0085】また、図14において、伝送手段12に
は、アナログ型感知器において従来一般に用いられてい
る処理ビット数が少量で低コストの伝送IC(例えば受
信機1との間でシリアルに信号授受を行なうシリアル伝
送IC)33が用いられている。この種の伝送IC33
には、この感知器に固有の固有アドレスが設定されるよ
うになっており、受信機1が送出したアドレスとこの固
有アドレスとが一致したときに、自己が呼出された(ア
ドレスポーリングされた)と判断し、この場合に、例え
ば、受信機1からの返送指令に従って、D/A変換器3
1からの返送用情報(アナログ信号)を、伝送IC33に
内蔵されているA/D変換器によってデジタル信号に変
換して受信機1に返送したり、あるいは、例えば、受信
機1からの表示指令に従って、受信機1から送られる状
態判断情報等を例えば作動表示灯36に表示したりする
ようになっている。
【0086】より具体的に、伝送IC33は、受信機1
からのアドレスポーリング時に、受信機1から、この炎
感知器のところで火災が発生した旨の判断情報を受けた
ときには、作動表示灯36を例えば連続点灯させ、ま
た、受信機1からこの炎感知器が故障している旨の判断
情報を受けたときには、作動表示灯36を例えば点滅表
示させるようになっている。なお、本発明においては、
火災が発生した旨の判断情報は、炎感知器2において生
成されるので、受信機1から判断情報を受けずに、炎感
知器2で火災が発生したと判断されたときに炎感知器2
内だけの処理により(すなわち受信機1から判断情報を
受けずに)、作動表示灯36を例えば連続点灯させるこ
ともできる。
【0087】次に、図14のような構成の炎感知器の処
理動作,主にCPU30の処理動作について図15,図
16のフローチャートを用いて説明する。なお、この例
では、受信機1からのポーリング周期が一定であると
し、所定期間Tは、受信機1からのポーリング周期によ
って管理されているとする。以下では、説明の便宜上、
所定期間Tが受信機1からのポーリング周期と同じ時間
長さに設定されるとする。例えば、ポーリング周期が、
説明の便宜上、5秒であるとし、この場合、所定期間T
は5秒に設定されるとする。
【0088】図15,図16を参照すると、先ず、火災
検出装置の電源24がONになると、CPU30は、初
期化処理を実行する(ステップS1)。
【0089】次いで、受信機1から呼出し(アドレスポ
ーリング)があったかを判断し(ステップS2)、受信機
1からの呼出しがないときには、赤外線検出信号,補助
検出信号の取り込み処理を行なう。すなわち、赤外線検
出信号のレベルが閾値電圧Vthに達して端子INT1に
割り込み入力があったかをチェックし(ステップS3)、
この結果、端子INT1に割り込み入力があった場合に
は、CPU30は、サンプリング周期Δt(例えば10
m秒)ごとに赤外線センサ1からの赤外線検出信号のレ
ベルを取り込んで、前述したように、ピークを検知し、
各ピークのレベルを保持する。また、これと並行し、C
PU30は、赤外線検出信号のレベルのピークが検知さ
れた時点で、このときの補助検出信号のレベルを取り込
み、これを保持する(ステップS4)。
【0090】このような取り込み処理を繰り返し行な
い、ステップS2において、受信機1からポーリングが
あったと判断されると、CPU30は、受信機1からの
指令を解読する。すなわち、受信機1からの指令が、例
えば、返送用情報を返送させる指令であるのか(ステッ
プS5)、あるいは、受信機1からの状態判断情報等を
表示させる指令であるのか(ステップS6)、を判断す
る。なお、ここで、受信機1からの状態判断情報の表示
とは、例えば火災判断結果などの表示(例えば、LED
点灯)を意味する。
【0091】この結果、返送用情報を返送させる指令で
ある場合、CPU30は、前回のポーリング時点から今
回のポーリング時点までの期間(例えば5秒間)にわたっ
て取り込み保持した赤外線検出信号の各ピークのレベ
ル,補助検出信号の各レベルのそれぞれの平均をとり、
平均ピークレベルMavg,平均補助レベルSavgとしてそ
れぞれ算出し(ステップS7)、次いで、例えば、これら
の比Mavg/Savgと平均ピークレベルMavgとに基づい
て炎か否かを判断し(ステップS8)、例えば、この判断
結果と平均ピークレベルMavgとを所定のフォーマット
にまとめ上げ(ステップS9)、D/A変換器でアナログ
信号に変換して伝送IC33に与える(ステップS1
0)。これにより、伝送IC33は、受信機1からの上
記指令に従って、この返送用情報を受信機1に返送し、
受信機1側でこの返送用情報に基づき、報知処理,トレ
ンド解析処理、あるいは、この炎感知器の点検(故障判
断等)を行なわせることができる。
【0092】また、受信機1からポーリングがあったと
きに、このときの指令が受信機1からの状態判断情報等
を表示させる指令であると判断されると(ステップS
6)、CPU30は、伝送IC33により、この状態判
断情報等(例えば火災発生あるいは炎感知器の故障など
を表わす情報)を作動表示灯36に表示させることがで
きる(ステップS11)。
【0093】このように、図14の赤外線式の炎感知器
は、これを既存のアナログ型監視システムに組み込むこ
とができ、この場合、この赤外線式の炎感知器は、受信
機1側から見て、従来良く知られているアナログ型の熱
感知器や煙感知器などと何ら変わることなく、制御する
ことができる。すなわち、受信機1は、呼出しフォーマ
ットやデータ伝送フォーマットなどを従来と何ら変える
ことなく、赤外線式の炎感知器をポーリングし、データ
の授受等を行なうことができ、また、受信機1側におい
て、この赤外線式の炎感知器からの返送用情報に基づ
き、極めて容易に、火災報知や火災の傾向解析等の火災
監視処理を行なうことができ、全体の状況を総合的に判
断することができる。また、この炎感知器の点検(故障
判断等)を行なうことができる。
【0094】また、図17は補助検出手段11bに紫外
線を検出する紫外線センサが用いられる場合の赤外線式
(2波長式)の炎感知器の具体例を示す図である。図17
を参照すると、この炎感知器では、2つの割込み端子I
NT1,INT2をもつCPU50が用いられ、また、
補助検出手段11bは、紫外線センサ41と、CPU5
0からのパルス信号(発振信号)P0に基づき高圧電圧を
発生する高圧発生回路42と、高圧発生回路42からの
高圧電圧を直流高圧電圧に整流し、これを紫外線センサ
41の電源として供給する整流回路43と、紫外線を検
知したときに紫外線センサ41から出力される放電パル
ス信号をパルス波形に整形し、これを紫外線放電パルス
として出力する波形整形回路44とにより構成されてい
る。
【0095】ここで、紫外線センサ41には、例えば、
200〜260nm程度の波長域の紫外線に感度をもつ
UVトロンが用いられており、UVトロンは、紫外線を
検知すると、紫外線の強度(光量)に応じた個数の紫外線
放電パルスを出力するようになっている。
【0096】すなわち、波形整形回路44からは、紫外
線放電パルスが出力され、CPU50の割り込み端子I
NT2に割り込みとして加わるようになっており、この
場合、CPU50は、割込み端子INT1からの割込み
入力とは別途に(独立させて)、所定期間Tにわたり端子
INT2への割り込みの回数を、紫外線放電パルスの個
数UVとして計数し、赤外線検出信号の平均ピークレベ
ルMavgと紫外線放電パルスの個数UVとに基づいて、
炎か否かを判断するようになっている。
【0097】このように、図17の炎感知器は、補助検
出手段11bに紫外線センサを用い、炎か否かの判断を
所定期間Tにわたる赤外線検出信号の平均ピークレベル
avgと紫外線放電パルスの個数UVとに基づき行なう
という点においてのみ、図14の炎感知器と相違し、他
の処理動作については、図14の炎感知器と同様、基本
的には、図15,図16のフローチャートに従って処理
がなされる。
【0098】このように、図17の炎感知器も、これを
既存のアナログ型監視システムに組み込むことができ、
この場合、この炎感知器は、受信機1側から見て、従来
良く知られているアナログ型の熱感知器や煙感知器など
と何ら変わることなく、制御することができる。すなわ
ち、受信機1は、呼出しフォーマットやデータ伝送フォ
ーマットなどを従来と何ら変えることなく、この炎感知
器をポーリングし、データの授受等を行なうことがで
き、また、受信機1側において、この炎感知器からの返
送用情報に基づき、極めて容易に、火災報知や火災の傾
向解析等の火災監視処理を行なうことができ、全体の状
況を総合的に判断することができる。また、この炎感知
器の点検(故障判断等)を行なうことができる。
【0099】なお、上述の各構成例では、赤外線検出信
号の平均ピークレベルMavgを求める際、赤外線検出信
号のレベルが所定の閾値レベルVthを越えた時点から所
定期間Tにわたって得られる赤外線強度レベルのうち、
所定の閾値レベルVthを越えたものにのみ着目し、所定
の閾値レベルVthを越えた赤外線検出信号のレベルにつ
いてのみピークを検知して、平均ピークレベルMavg
しており、これによって、ノイズ等によるピークが検出
されるのを阻止することができるが、場合に応じて、赤
外線検出信号のレベルが所定の閾値レベルVthを越えた
時点から所定期間Tにわたって得られる赤外線検出信号
について、レベルが所定の閾値レベルVthを越えないも
のをも含めて、ピークを検知して、平均ピークレベルM
avgとすることもできる。
【0100】また、上述の各構成例では、補助検出手段
11bは、炎の補助的な特徴として、赤外線検出手段1
1aの検出対象となる炎特有の波長の赤外線とは異なる
波長の光(赤外線あるいは紫外線)を検出するとしたが、
炎の補助的な特徴を有するものであれば、他の任意の対
象を検出しても良い。例えば、煙や熱を検出するように
なっていても良い。
【0101】また、上述の各構成例では、返送用情報の
検出信号情報B2として平均ピークレベルを用いている
が、返送用情報の検出信号情報B2としては、炎特有の
主要な特徴量を表わすものとして編集されたものであれ
ば良く、平均ピークレベル以外のものをも用いることが
できる。
【0102】例えば、赤外線検出手段11(11a)から
の赤外線検出信号のレベルは、火災時には、火災特有の
3〜10Hzのゆらぎを有することが実験で確かめら
れ、この火災特有のゆらぎを検知するのに赤外線検出手
段11(11a)からの赤外線検出信号のレベルの所定時
間Tにおけるピークの個数(ピーク度数)を用いることが
できる。なお、赤外線検出信号のレベルの所定期間Tに
おけるピークの個数(ピーク度数)は、図9において説明
したような仕方で、平均ピークレベルMavgを求めると
きに、これと同時に検知することができる。図9の例で
は、“m”として検知できる。
【0103】このように、赤外線検出手段11(11a)
からの赤外線検出信号のレベルの所定期間Tにおけるピ
ークの個数(ピーク度数)は、火災時には火災特有の3〜
10Hzのゆらぎを良好に反映したものとなり、また、
非火災時には、ピークの個数は、火災時に比べて少なく
なり、従って、所定時間Tにおけるピークの個数を平均
ピークレベルのかわりに用いることもできる。
【0104】すなわち、用途等に応じ、炎特有の主要な
特徴量を表わすものとして編集された平均ピークレベル
avgを返送用情報の検出信号情報B2として受信機1に
返送することも可能であるし、例えば、前記「所定期間
Tにおけるピークの個数」のデータも、炎特有の主要な
特徴量を表わすものとして編集されたものとなっている
ので、この「所定期間Tにおけるピークの個数」を返送
用情報の検出信号情報B2として受信機1に返送するこ
とも可能である。さらには、平均ピークレベルMavg
ピークの個数との両方を含む情報を返送用情報の検出信
号情報B2とすることも可能である。
【0105】いずれにしろ、本発明においては、返送用
情報の検出信号情報B2は、伝送手段12から受信機1
への返送情報量が少ない情報量となるように、かつ、該
情報を受信機1が受信したとき受信機1において該情報
に基づき所定の事象に関する監視(例えば、炎や火災の
傾向の解析)を行なうことができる程度に、赤外線検出
手段11(11a)で検出されたの赤外線検出信号に対し
て編集処理が施されたものであれば良く、返送用情報と
しては、用途等に応じ、上述した種々の例のうち、用途
等に最適なものを、あるいは上述した例以外のものを選
択して用いることができる。
【0106】また、上述の構成例では、炎感知器2は、
赤外線検出信号の平均ピークレベルに基づいて、炎か否
かの判断を行なったり、あるいは赤外線検出信号の平均
ピークレベルと補助検出信号の特徴抽出情報(比率(M
avg/Savg)や紫外線放電パルスの個数UV)とに基づい
て炎か否かの判断を行なうようになっているが、この判
断処理に、所定期間Tにおけるピークの個数をさらに考
慮することもできる。例えば、平均ピークレベルMavg
が所定の閾値VP以上であり、かつ、比率(Mavg/S
avg)が炎の性状と近く、ピークの個数が所定範囲(例え
ば、周波数に換算して2〜10Hz程度)であるとき
に、炎と判断する一方、平均ピークレベルMavgが所定
の閾値VP以上であっても、例えば、比率(Mavg/S
avg)が炎の性状と異なるか、ピークの個数が所定範囲に
ないときには、炎と判断しないようにすることができ
る。あるいは、例えば、平均ピークレベルMavgが所定
の閾値VP以上であり、かつ、紫外線放電パルスの個数
UVが所定の閾値VQを越え、さらに、ピークの個数が
所定範囲であるときに、炎と判断する一方、平均ピーク
レベルMavgが所定の閾値VP以上であっても、例え
ば、紫外線放電パルスの個数UVが極端に小さいか、ピ
ークの個数が所定範囲にないときには、炎と判断しない
ようにすることができる。
【0107】また、図14,図17の具体的な構成例で
は、伝送IC33にアナログ入力のもの(伝送IC33
内にA/D変換器が内蔵されたもの)が用いられている
とし、従って、この伝送IC33へ返送用情報をアナロ
グ信号に変換して与えるためにD/A変換器31が設け
られているが、伝送IC33にデジタル入力のものが用
いられる場合(伝送IC33内にA/D変換器が内蔵さ
れていない場合)には、D/A変換器31を設ける必要
がない。すなわち、CPU30,50からのデジタル出
力を、直接、伝送IC33にデジタル入力させることも
できる。
【0108】また、図14,図17の例では、この伝送
IC33は、返送用情報をデジタルデータの形で受信機
1に返送するとしたが、伝送IC33として、返送用情
報をアナログ信号で受信機1に返送するものを用いるこ
ともできる。この場合、感知器と受信機1とのインタフ
ェースとして、例えば、受信機1からのアドレス情報を
デジタル信号で受け、返送用情報については、検知電流
の大きさアナログ信号で受信機1に返送し、受信機1側
で、感知器側からの返送用情報(アナログ信号)を取り込
むように、構成することができる。
【0109】また、図15,図16のフローチャートの
例では、受信機1からのポーリング周期が一定であると
し、この場合には、所定期間Tは、ポーリング周期によ
り管理することができるが、受信機1からのポーリング
周期は、受信機によっては一定でないので、この場合に
は、所定期間Tは、例えば感知器側のタイマによって管
理され、例えば、図18に示すように、ポーリング時点
から遡って所定の期間(例えば5秒など)に設定される。
なお、この所定時間Tについては、前述のように可変に
設定することも可能である。
【0110】また、図1,図4の構成は、赤外線式の炎
感知器に限らず、所定の事象(上記例では炎)が生起した
か否かを判断する上で、該事象に伴なう物理量の短時間
的な時間変化(上記例では揺らぎ現象)が重要なものとな
る任意の感知器、すなわち、所定の事象が生起したか否
かを正確に判断する上で、一般に大量の検出データを必
要とする任意の感知器(火災検知,防犯検知などの感知
器)に適用することが可能であり、これらの感知器をア
ナログ型感知器として構成する上で、特に有用である。
【0111】また、図1,図4の構成は、検出手段11
からの検出信号の情報量(検出データ数)が大量のものと
なる感知器のみならず、検出手段11からの検出信号の
情報量(検出データ数)が大量ものとはならない紫外線式
の炎感知器(検出手段11に紫外線検出手段が用いられ
る感知器)や熱感知器(検出手段11に温度検出手段が用
いられる感知器)や煙感知器(検出手段11に煙濃度検出
手段が用いられる感知器)などの任意の感知器にも同様
に適用可能である。そして、これらの感知器に適用する
場合には、検出手段11からの検出信号が、少ない情報
量(5乃至7ビット程度の情報量)のものとなっているこ
とから、図1あるいは図4の構成例の信号処理手段13
において、検出手段11からの検出信号に対する編集処
理機能は、必ずしも設けられていなくても良い(もちろ
ん、検出手段11からの検出信号が少ない情報量のもの
となっている場合であっても、これに対する編集処理機
能が設けられていても良い)。
【0112】図19,図20は本発明に係る感知器の他
の構成例を示す図である。なお、図19,図20はそれ
ぞれ図1,図4に対応したものとなっている。図19の
例では、感知器2は、所定の物理量を検出する検出手段
11と、該検出手段11で検出された検出信号に対して
所定の信号処理を施す信号処理手段13と、受信機1か
ら呼出し可能に構成され、受信機1から呼出される(例
えばアドレスポーリングされる)ときに所定の情報を受
信機1に返送する伝送手段12とを有しており、ここ
で、信号処理手段13は、検出手段11からの検出信号
に基づいて、所定の事象が生起したか否かの判断(例え
ば炎や火災が発生したか否かなどの判断)を行なう判断
機能を備え、所定の事象が生起したか否かの判断情報
(判断結果)と検出手段11で検出された検出信号そのも
のとを伝送手段12に与えるように構成されている。
【0113】また、伝送手段12は、受信機1から呼出
されるとき(例えばアドレスポーリングされるとき)、所
定の事象(例えば火災)が発生したか否かのこの感知器に
おける判断情報(判断結果)と検出手段11で検出された
検出信号そのものとが図2に示すような所定のフォーマ
ットにまとめられた情報を、返送用情報として、受信機
1に返送するように構成されている。
【0114】このような構成では、感知器2の信号処理
手段13は、検出手段11からの検出信号(紫外線式の
炎感知器の場合は所定時間Tにおける紫外線放電パルス
の個数UV、熱感知器の場合は所定時間Tにわたって積
算した形で検出される温度信号レベル積算値、また、煙
感知器の場合は、所定時間Tにわたって積算した形で検
出される煙濃度信号レベル積算値)に基づいて所定の事
象(例えば火災)が発生したか否かを判断し、その判断情
報(判断結果,例えば1ビットの情報)と検出手段11か
らの検出信号そのもの(例えば5乃至7ビットの情報)と
の両方を、伝送手段12に与え、伝送手段12では、上
記判断情報と検出手段11からの検出信号そのものとが
図2に示すような所定のフォーマットにまとめられた情
報を、返送用情報として、受信機1に返送することがで
きる。
【0115】換言すれば、図19の構成例では、検出手
段11からの検出信号が、充分に少ない情報量(5乃至
7ビット程度の情報量)となっている場合を前提として
おり、従って、信号処理手段13は、検出手段11から
の検出信号に対する編集処理を施さずに、検出手段11
からの検出信号そのものを返送用情報の検出信号情報B
2として、伝送手段12に与えることができる。
【0116】なお、この場合、信号処理手段13は、図
21(a)に示すように、所定の事象が生起したか否かの
判断情報(判断結果,例えば1ビットの情報)B1とすで
に少ない情報量のものとなっている検出手段11からの
検出信号そのもの(例えば5ビット乃至7ビットの情報)
2とをそれぞれ別々に伝送手段12に与えても良い
し、あるいは、図21(b)に示すように、所定の事象が
生起したか否かの判断情報(判断結果,例えば1ビット
の情報)B1とすでに少ない情報量のものとなっている検
出手段11からの検出信号そのもの(例えば5ビット乃
至7ビットの情報)B2とを1つの情報にまとめて(例え
ば図2のようなフォーマットにまとめて)、伝送手段1
2に与えても良い。
【0117】また、図20の例の感知器では、検出手段
11で検出された検出信号に基づいて所定の事象が生起
したか否かの判断(例えば火災が発生したか否かなどの
判断)を行なう判断手段14が信号処理手段13とは別
に設けられており、この場合、信号処理手段13は、判
断処理機能を有せず、検出手段11で検出された検出信
号そのものを、伝送手段12に与える機能しか有してい
ない。従って、この場合、信号処理手段13は必ずしも
設けられている必要はなく、検出手段11からの検出信
号を伝送手段12に直接与えることもできる。
【0118】なお、図20において、信号処理手段13
が設けられている場合には、判断手段14と信号処理手
段13は、図22(a)に示すように、所定の事象が生起
したか否かの判断情報(判断結果,例えば1ビットの情
報)とすでに少ない情報量のものとなっている検出手段
11からの検出信号そのもの(例えば5ビット乃至7ビ
ット程度の情報量)とをそれぞれ別々に伝送手段12に
与えても良いし、あるいは、図22(b)に示すように、
所定の事象が生起したか否かの判断情報(判断結果,例
えば1ビットの情報)とすでに少ない情報量のものとな
っている検出手段11からの検出信号そのもの(例えば
5ビット乃至7ビット程度の情報量)とを、例えば信号
処理手段13において所定のフォーマットにまとめ上げ
て(例えば図2のようなフォーマットに編集処理して)、
伝送手段12に与えても良い。
【0119】また、図19,図20に示したような感知
器2において、信号処理手段13(さらには判断手段1
4)における返送用情報の生成処理(検出信号の転送処
理,所定の事象が生起したか否かの判断処理をも含めた
処理)は、図1,図4に示した感知器2の場合と同様
に、ポーリング周期が一定であるときには、受信機1か
らの呼出し(ポーリング)の周期に同期させて行なうこと
ができ、また、ポーリング周期が一定していないときに
は、受信機1からの呼出し(ポーリング)の周期に非同期
で行なうことができる。
【0120】すなわち、図19,図20に示した感知器
2においても、判断手段14(さらには信号処理手段1
3)は、ポーリング周期が一定であるときには、受信機
1からの呼出しに同期させて所定の期間Tにわたり上記
のような返送用情報の生成処理を行ない、伝送手段12
は、受信機1からの呼出しに同期して、生成処理された
返送用情報を受信機1に返送することができる。一方、
ポーリング周期が一定していないときには、例えば感知
器側で独自に所定期間Tを計時するタイマを起動して、
返送用情報の生成処理を行ない(すなわち、判断手段1
4(さらには信号処理手段13)は、所定の期間Tごとに
上記のような返送用情報の生成処理を行ない)、生成さ
れた返送用情報を保持し、伝送手段12は、受信機1か
ら呼出されたときに、保持されている返送用情報を受信
機1に返送することができる。
【0121】図23は本発明を適用した紫外線式の炎感
知器の構成例を示す図である。なお、図23の構成例で
は、炎感知器が図19に対応した構成となっている。こ
の場合、この炎感知器では、図19の検出手段11に、
炎特有の波長の紫外線を検出する紫外線検出手段(例え
ばUVトロンなどの紫外線センサ)11が用いられたも
のとなっており、また、信号処理手段13には、紫外線
検出手段11からの所定期間Tにわたる紫外線放電パル
スの個数UVに基づいて、炎か否かの判断を行なう判断
処理機能が備わっている。より具体的に、信号処理手段
13は、例えば、所定期間Tにわたる紫外線放電パルス
の個数UVが所定の閾値VQを越えたときに炎と判断す
るようになっており、この判断結果を判断情報B1
し、また、検出手段11からの所定期間Tにわたる紫外
線放電パルスの個数UVを検出信号情報B2として、判
断情報B1と検出信号情報B2とを、例えば、図2に示す
ような所定のフォーマットに同じ信号形態でまとめて、
伝送手段12に与えるようになっている。この場合、伝
送手段12からは、判断情報(判断結果)B1と検出信号
情報(紫外線放電パルスの個数UV)B2とが所定のフォ
ーマットにまとめられた情報が、返送用情報として、受
信機1側に返送される。
【0122】図23には、紫外線式の炎感知器の構成例
を示したが、煙感知器や熱感知器についても、検出手段
11に煙濃度検出手段(検出信号として、所定時間Tに
わたって積算した形で検出される煙濃度信号レベル積算
値を出力)や温度検出手段(検出信号として、所定時間T
にわたって積算した形で検出される温度信号レベル積算
値を出力)を用いれば、図23と全く同様の構成にする
ことができ、上記と全く同様のフォーマットで返送用情
報を受信機に返送することができる。
【0123】このように、検出手段11からの検出信号
の情報量(検出データ数)が大量ものとはならない感知
器、例えば、上記のような紫外線式の炎感知器や熱感知
器や煙感知器などの従来アナログ型感知器として構成可
能な感知器においても、本発明を適用することにより、
受信機1側における監視処理を従来に比べて、極めて容
易なものにすることができる。具体的に、受信機1にお
いては、例えば、感知器2からの返送用情報(例えば図
2に示すようなフォーマットの返送用情報)の判断情報
1に基づいて、報知処理(警報処理)等を直接行なうこ
とができる。すなわち、感知器2側から判断情報が送ら
れることで、受信機1側では、所定の事象(例えば火災)
が生起したか否かを判断する処理が不要となり、感知器
2側からの判断情報に基づいて、直接、報知処理(警報
処理)等ができる。また、受信機1側においては、感知
器2からの返送用情報のうち、検出手段11からの検出
信号そのものB2に基づき、例えば、所定の事象(例えば
火災など)についての状況,例えばトレンド(傾向)の解
析等を行なうことができる。具体的には、例えば、受信
機1側では、感知器側での判断情報B1が「異常あり(ビ
ットが“1”)」の場合には警報を発生させることがで
きる。また、感知器2の検出手段11からの検出信号そ
のものB2を、例えばトレンドグラフとして表示するこ
とができる。この場合、受信機1のオペレータは、感知
器側での判断情報B1に基づいて警報が鳴ったとき、ト
レンドグラフを見て、状況を総合的に判断,解析するこ
とができる。さらには、トレンドグラフにより、所定の
事象(例えば火災など)が生起するまでの過程(傾向)を解
析したりすることもできる。このように、本発明によれ
ば、受信機1側では、感知器2からの返送用情報に基づ
き、所定の事象に関する監視を行なう場合に、所定の事
象が生起したか否かの判断処理を受信機1内で独自に行
なわずに済むので、従来に比べて、監視処理がより容易
となる。
【0124】なお、上記の例では、受信機1側で所定の
事象が生起したか否かの判断処理を行なわないとした
が、必要に応じて受信機1側で、感知器2からの返送用
情報の検出信号情報B2に基づき、判断処理を独自に行
なうことも可能である。この場合には、例えば、この受
信機1側独自の判断結果に、感知器2からの同じ返送用
情報に含まれている感知器側での判断結果の情報B1
もさらに加味して、所定の事象(例えば火災)が生起した
か否かを総合的に判断でき、信頼性を高めることができ
る。
【0125】図24は本発明に係るアナログ型監視シス
テムの構成例を示す図である。このアナログ型監視シス
テムは、図34に示したアナログ型監視システムと同様
に、受信機1から延びる伝送路3に感知器2−1乃至2
−nが接続され、各感知器2−1乃至2−nが受信機1
から伝送路3を介して呼出される(アドレスポーリング
される)ことにより、各感知器2−1乃至2−nからの
所定の情報を伝送路3を介し受信機1に返送するように
構成されている。
【0126】ここで、各感知器2−1,2−2,2−
3,…,2−nには、例えば、図1あるいは図4の構成
の赤外線式の炎感知器2−1,図19あるいは図20の
構成の煙感知器2−2,図19あるいは図20の構成の
熱感知器2−3,…,図1あるいは図4の構成の赤外線
式の炎感知器2−nをそれぞれ用いることができる。各
感知器2−1,2−2,2−3,…,2−nが、それぞ
れ、本発明を適用したものである場合、各感知器2−
1,2−2,2−3,…,2−nは、受信機1からの呼
出し(アドレスポーリング)時に、例えば図2に示すよう
なフォーマットの返送用情報を受信機1に返送すること
ができる。具体的に、返送用情報のフォーマットとし
て、図25のようなものを使用できる。すなわち、図2
5のフォーマットは、感知器種別情報が2ビットの情報
1(“00”…煙感知器,“01”…熱感知器,“1
0”…赤外線式の炎感知器,“11”…その他の感知
器)であり、また、判断情報B1が1ビットの情報B
1(“1”…事象生起,“0”…正常)であり、検出信号
情報B2が5ビットの情報として構成されている。
【0127】図26は、図24のシステム構成例におい
て、受信機1と各感知器2−1,2−2,2−3,…,
2−nとの間の伝送手順の一例を示す図である。図26
を参照すると、受信機1は、伝送線3に感知器2−1の
アドレスAD1を送出する。各感知器2−1,2−2,
2−3,…,2−nは、受信機1から送られたアドレス
AD1と自己のアドレスとが一致しているかを調べる。
いまの場合、感知器2−1のアドレスと一致するので、
感知器(赤外線式の炎感知器)2−1は、図25のフォー
マットの返送用情報を受信機1に返送する。例えば、こ
のポーリング時に、感知器2−1において炎(火災)が生
起していないと判断された場合、この感知器2−1は、
図27(a)のような返送用情報を受信機1に返送する。
受信機1は、感知器2−1からの返送用情報を受信した
後、伝送線3に感知器2−2のアドレスAD2を送出す
る。これにより、感知器(煙感知器)2−2は、図25の
フォーマットの返送用情報を受信機1に返送する。例え
ば、このポーリング時に、感知器2−2において煙(火
災)が発生していると判断された場合、この感知器2−
2は、図27(b)のような返送用情報を受信機1に返送
する。受信機1は、感知器2−2からの返送用情報を受
信した後、伝送線3に感知器2−3のアドレスAD3
送出する。これにより、感知器(熱感知器)2−3は、図
25のフォーマットの返送用情報を受信機1に返送す
る。例えば、このポーリング時に、感知器2−3におい
て高温(火災)が発生していると判断された場合、この感
知器2−3は、図27(c)のような返送用情報を受信機
1に返送する。このようにして、感知器2−1乃至2−
nを順次にサイクリックに呼出し(ポーリングし)、各感
知器2−1乃至2−nからの返送用情報に基づいて、受
信機1は、火災報知や火災解析等の監視処理を行なうこ
とができる。
【0128】上述の例では、各感知器2−1乃至2−n
が全て本発明を適用した構成のものとなっているが、図
24のアナログ型監視システムにおいて、従来のアナロ
グ型感知器と本発明を適用したアナログ型感知器とを混
在させることもできる。例えば、感知器2−1に本発明
を適用した赤外線式の炎感知器や本発明を適用した煙感
知器などを用い、感知器2−2に従来のアナログ型感知
器(例えば煙感知器など)を用いることもできる。
【0129】なお、従来のアナログ型感知器では、その
返送用情報として、図28に示すような内容のものが用
いられ、図28を図2と比べれば明らかなように、従来
のアナログ型感知器からの返送用情報は、信号情報A1
の全てが検出信号情報B2となっている点で、本発明の
感知器からの返送用情報と、信号情報A1の内容を異に
している。従って、図22のアナログ型監視システムに
おいて、従来のアナログ型感知器と本発明を適用したア
ナログ型感知器とを混在させる場合には、受信機1側に
おいて、感知器2−1乃至2−nのうちのどの感知器が
本発明を適用したアナログ型感知器であり、どの感知器
が従来のアナログ型感知器であるかを例えばテーブルに
よって管理し、受信機1は、本発明を適用したアナログ
型感知器からの返送用情報を受信したときには、この返
送用情報の信号情報(例えば8ビット情報)A1のうちの
例えば最上位ビットが判断情報B1であり、残りの7ビ
ットが検出信号情報B2であるとみなして、所定の処理
を行なう一方、従来のアナログ型感知器からの返送用情
報を受信したときには、この返送用情報の信号情報(例
えば8ビット情報)A1の全てが検出信号情報B2である
とみなして、所定の処理を行なう必要がある。
【0130】また、上述の各構成例では、感知器2がア
ナログ型監視システムに使用されることを意図した構成
となっているが(アナログ型感知器として構成されてい
るが)、この感知器2自体には、所定の事象(例えば炎や
火災など)が生起したか否かを判断する判断機能が備わ
っているので、この判断結果に応じてP型受信機から延
びる一対の線路間の導通をオン・オフするスイッチング
機能をさらに設ければ、この感知器2をオン・オフ型感
知器としても構成でき、図33に示したようなP型監視
システムにも使用することができる。
【0131】図29,図30,図31,図32には、そ
れぞれ、図1,図4,図19,図20の感知器2をアナ
ログ型感知器としてのみならずオン・オフ型感知器とし
ても構成し、これをP型受信機4に接続し、P型監視シ
ステムに使用している状態が示されている。すなわち、
図29,図30,図31,図32の各感知器2には、P
型受信機4から延びる一対の線路8a,8b間の導通
を、所定の事象が生起したか否かの判断情報(判断結果)
に応じてオン・オフするスイッチング手段9がさらに設
けられている。これにより、図29,図30,図31,
図32の各感知器2の伝送手段12をアナログ型受信機
1から延びる伝送線3に接続すれば、前述のように、各
感知器をアナログ型監視システムに使用することがで
き、また、図29,図30,図31,図32の各感知器
2のスイッチング手段9をP型受信機4からの一対の線
路8a,8bに接続すれば、各感知器2をP型監視シス
テムに使用することができる。
【0132】
【発明の効果】以上に説明したように、請求項1乃至請
求項5記載の発明によれば、所定の物理量を検出する検
出手段と、該検出手段で検出された物理量の検出信号に
対して所定の信号処理を施す信号処理手段と、受信機か
ら呼出し可能に構成され、受信機から呼出されるときに
所定の情報を受信機に返送する伝送手段とを有し、前記
信号処理手段は、前記検出手段で検出された検出信号に
基づいて所定の事象が生起したか否かを判断し、所定の
事象が生起したか否かの判断情報を前記伝送手段に与え
る判断処理機能と、前記伝送手段が受信機から呼出され
て検出手段で検出された検出信号に基づく所定の情報を
伝送手段から受信機に返送するときに伝送手段から受信
機への返送情報量が少ない情報量となるように、かつ、
該情報を受信機が受信したとき受信機において該情報に
基づき所定の事象に関する監視を行なうことができる程
度に、検出手段で検出された検出信号に対して編集処理
を施した検出信号情報を前記伝送手段に与える編集処理
機能とを有し、前記伝送手段は、前記判断情報と前記
集処理を施した検出信号情報との両方を、返送情報とし
て、受信機に返送するようになっているので、この感知
器からの返送用情報に基づき、受信機側では所定の事象
に関する監視処理を、従来に比べて容易にあるいは信頼
性良く行なうことができる。さらに、請求項1乃至請求
項5記載の発明を適用すれば、所定の事象が生起したか
否かを判断する上で、該事象に伴なう物理量の短時間的
な時間変化が重要なものとなる物理量を検知するための
感知器,例えば赤外線式の炎感知器をもアナログ型感知
器として構成でき、これを既存のアナログ型監視システ
ムに用いることができる。
【0133】また、請求項6乃至請求項10記載の発明
によれば、所定の物理量を検出する検出手段と、該検出
手段で検出された物理量の検出信号に対して所定の信号
処理を施す信号処理手段と、受信機から呼出し可能に構
成され、受信機から呼出されるときに所定の情報を受信
機に返送する伝送手段とを有し、前記信号処理手段は、
前記検出手段で検出された検出信号に基づいて所定の事
象が生起したか否かを判断する判断処理機能を有し、所
定の事象が生起したか否かの判断情報とともに前記検出
手段からの検出信号情報を伝送手段に与え、伝送手段
は、前記判断情報と前記検出信号情報とが所定のフォー
マットにまとめられた情報を、返送情報として、受信機
に返送するようになっているので、この感知器からの返
送用情報に基づき、受信機側では所定の事象に関する監
視処理を、従来に比べて容易にあるいは信頼性良く行な
うことができる。
【0134】また、請求項11記載の発明によれば、請
求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載の感知器に
おいて、該感知器は、さらに、P型受信機から延びる一
対の線路間に接続可能に構成され、該感知器には、所定
の事象が生起したか否かの判断情報に基づいてP型受信
機から延びる一対の線路間の導通をオン・オフ制御する
スイッチング手段がさらに設けられており、該感知器
は、前記受信機からの呼出により前記伝送手段から前記
受信機に返送用情報を返送するアナログ型感知器として
使用可能であり、また、前記P型受信機から延びる一対
の線路間に接続されているときには、該一対の線路間の
導通を前記判断情報によりオン・オフ制御するオン・オ
フ型感知器として使用可能に構成されているので、アナ
ログ型感知器として使用できるのみならず、オン・オフ
型感知器としても使用することができる。
【0135】また、請求項12,請求項13記載の発明
によれば、受信機側からアナログ型感知器を呼出し、呼
出されたアナログ型感知器は、該アナログ型感知器で検
出された所定の情報を受信機側に返送し、受信機側で所
定の事象に関する監視を行なわせる型式のアナログ型監
視システムにおいて、前記アナログ型感知器には、請求
項1乃至請求項11のいずれか一項に記載の感知器を用
いることが可能であって、この場合、該感知器は、受信
機から呼出されるときに、感知器側での判断情報と検出
信号情報とが所定のフォーマットでまとめられた情報
を、返送情報として、受信機に返送するので、この感知
器からの返送用情報に基づき、受信機側では所定の事象
に関する監視処理を、従来に比べて、容易にあるいは信
頼性良く行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る感知器の構成例を示す図である。
【図2】返送用情報の一例を示す図である。
【図3】図1の感知器の信号処理手段の構成例を示す図
である。
【図4】図1の感知器の変形例を示す図である。
【図5】図4の感知器の信号処理手段の構成例を示す図
である。
【図6】本発明に係る赤外線式の炎感知器の構成例を示
す図である。
【図7】図6の炎感知器の信号処理手段の構成例を示す
図である。
【図8】炎のスペクトル強度を示す図である。
【図9】火災時の炎から放射される赤外線の強度レベル
の時間的変化の一例を示す図である。
【図10】本発明を適用した赤外線式(2波長式)の炎感
知器の構成例を示す図である。
【図11】図10の炎感知器の信号処理手段の構成例を
示す図である。
【図12】補助検出手段が赤外線を検出するものである
場合に、この補助検出手段からの補助検出信号の取り込
みを説明するための図である。
【図13】補助検出手段が紫外線を検出するものである
場合に、この補助検出手段からの補助検出信号の取り込
みを説明するための図である。
【図14】補助検出手段に赤外線センサが用いられる場
合の炎感知器の具体例を示す図である。
【図15】図14の炎感知器の処理動作例を示すフロー
チャートである。
【図16】図14の炎感知器の処理動作例を示すフロー
チャートである。
【図17】補助検出手段に紫外線センサが用いられる場
合の炎感知器の具体例を示す図である。
【図18】ポーリング周期と所定時間Tとの関係を説明
するための図である。
【図19】本発明に係る感知器の他の構成例を示す図で
ある。
【図20】本発明に係る感知器の他の構成例を示す図で
ある。
【図21】図19の感知器の信号処理手段の構成例を示
す図である。
【図22】図20の感知器の信号処理手段の構成例を示
す図である。
【図23】本発明を適用した紫外線式の炎感知器の構成
例を示す図である。
【図24】本発明に係るアナログ型監視システムの構成
例を示す図である。
【図25】返送用情報の一例を示す図である。
【図26】図24のシステムにおける受信機と各感知器
との伝送手順の一例を示す図である。
【図27】図26の伝送手順において、各感知器からの
返送用情報の一例を示す図である。
【図28】従来のアナログ型感知器から出力される返送
用情報の一例を示す図である。
【図29】本発明に係る感知器の他の構成例を示す図で
ある。
【図30】本発明に係る感知器の他の構成例を示す図で
ある。
【図31】本発明に係る感知器の他の構成例を示す図で
ある。
【図32】本発明に係る感知器の他の構成例を示す図で
ある。
【図33】P型火災監視システムの一般的な構成例を示
す図である。
【図34】アナログ型火災監視システムの一般的な構成
例を示す図である。
【符号の説明】
1 受信機 2 感知器 3 伝送路 4 P型受信機 8a,8b 一対の線路 9 スイッチング手段 11 検出手段 12 伝送手段 13 信号処理手段 14 判断手段 15 編集処理部 17,20 炎判断部 18 返送用情報作成部 19 補助特徴抽出部

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の物理量を検出する検出手段と、該
    検出手段で検出された物理量の検出信号に対して所定の
    信号処理を施す信号処理手段と、受信機から呼出し可能
    に構成され、受信機から呼出されるときに所定の情報を
    受信機に返送する伝送手段とを有し、前記信号処理手段
    は、前記検出手段で検出された検出信号に基づいて所定
    の事象が生起したか否かを判断し、所定の事象が生起し
    たか否かの判断情報を前記伝送手段に与える判断処理機
    能と、前記伝送手段が受信機から呼出されて検出手段で
    検出された検出信号に基づく所定の情報を伝送手段から
    受信機に返送するときに伝送手段から受信機への返送情
    報量が少ない情報量となるように、かつ、該情報を受信
    機が受信したとき受信機において該情報に基づき所定の
    事象に関する監視を行なうことができる程度に、検出手
    段で検出された検出信号に対して編集処理を施した検出
    信号情報を前記伝送手段に与える編集処理機能とを有
    し、前記伝送手段は、前記判断情報と前記編集処理を施
    した検出信号情報との両方を、返送情報として、受信機
    に返送するようになっていることを特徴とする感知器。
  2. 【請求項2】 所定の物理量を検出する検出手段と、前
    記検出手段で検出された検出信号に基づいて所定の事象
    が生起したか否かを判断する判断手段と、前記検出手段
    で検出された物理量の検出信号に対して所定の信号処理
    を施す信号処理手段と、受信機から呼出し可能に構成さ
    れ、受信機から呼出されるときに所定の情報を受信機に
    返送する伝送手段とを有し、前記信号処理手段は、前記
    伝送手段が受信機から呼出されて検出手段で検出された
    検出信号に基づく所定の情報を伝送手段から受信機に返
    送するときに伝送手段から受信機への返送情報量が少な
    い情報量となるように、かつ、該情報を受信機が受信し
    たとき受信機において該情報に基づき所定の事象に関す
    る監視を行なうことができる程度に、検出手段で検出さ
    れた検出信号に対して編集処理を施す編集処理機能を有
    し、前記伝送手段には、前記判断手段からの判断情報
    と、少ない情報量に編集処理された前記信号処理手段か
    らの検出信号情報とが与えられ、前記伝送手段は、前記
    判断情報と前記編集処理された検出信号情報との両方
    、返送情報として、受信機に返送するようになってい
    ることを特徴とする感知器。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の感知器に
    おいて、受信機からの呼出しの周期が一定である場合
    に、前記信号処理手段および/または前記判断手段は、
    受信機からの呼出しの周期に同期させて、前記編集処理
    および判断処理を行ない、前記伝送手段は、判断情報と
    検出信号情報との両方を、受信機からの呼出しに同期し
    て、受信機に返送することを特徴とする感知器。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2記載の感知器に
    おいて、受信機からの呼出しの周期が一定していない場
    合に、前記信号処理手段および/または前記判断手段
    は、所定の期間ごとに前記編集処理および判断処理を行
    なって、判断情報と検出信号情報とを保持し、前記伝送
    手段は、前記保持されている判断情報と検出信号情報と
    の両方を、受信機から呼出されたときに、受信機に返送
    することを特徴とする感知器。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に
    記載の感知器において、前記判断情報と前記検出信号情
    報とは、信号処理手段において所定のフォーマットにま
    とめられるか、あるいは、前記伝送手段において所定の
    フォーマットにまとめられることを特徴とする感知器。
  6. 【請求項6】 所定の物理量を検出する検出手段と、該
    検出手段で検出された物理量の検出信号に対して所定の
    信号処理を施す信号処理手段と、受信機から呼出し可能
    に構成され、受信機から呼出されるときに所定の情報を
    受信機に返送する伝送手段とを有し、前記信号処理手段
    は、前記検出手段で検出された検出信号に基づいて所定
    の事象が生起したか否かを判断する判断処理機能を有
    し、所定の事象が生起したか否かの判断情報とともに前
    記検出手段からの検出信号情報を伝送手段に与え、伝送
    手段は、前記判断情報と前記検出信号情報との両方の
    報を、返送情報として、受信機に返送するようになって
    いることを特徴とする感知器。
  7. 【請求項7】 所定の物理量を検出する検出手段と、前
    記検出手段で検出された検出信号に基づいて所定の事象
    が生起したか否かを判断する判断手段と、受信機から呼
    出し可能に構成され、受信機から呼出されるときに所定
    の情報を受信機に返送する伝送手段とを有し、前記伝送
    手段には、前記判断手段からの判断情報とともに前記検
    出手段からの検出信号情報が与えられ、伝送手段は、前
    記判断情報と検出信号情報との両方の情報を、返送情報
    として、受信機に返送するようになっていることを特徴
    とする感知器。
  8. 【請求項8】 請求項6または請求項7記載の感知器に
    おいて、受信機からの呼出しの周期が一定である場合
    に、前記信号処理手段または前記判断手段は、受信機か
    らの呼出しの周期に同期させて、判断処理を行ない、前
    記伝送手段は、判断情報と検出手段からの検出信号情報
    の両方の情報を、受信機からの呼出しに同期して、受
    信機に返送することを特徴とする感知器。
  9. 【請求項9】 請求項6または請求項7記載の感知器に
    おいて、受信機からの呼出しの周期が一定していない場
    合に、前記信号処理手段または前記判断手段は、所定の
    期間ごとに判断処理を行なって、該判断情報と検出手段
    からの検出信号とを保持し、前記伝送手段は、前記保持
    されている判断情報と検出信号情報との両方を、受信機
    から呼出されたときに、受信機に返送することを特徴と
    する感知器。
  10. 【請求項10】 請求項6乃至請求項9のいずれか一項
    に記載の感知器において、前記判断情報と前記検出信号
    情報とは、信号処理手段において所定のフォーマットに
    まとめられるか、または、前記伝送手段において所定の
    フォーマットにまとめられることを特徴とする感知器。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至請求項10のいずれか一
    項に記載の感知器において、該感知器は、さらに、P型
    受信機から延びる一対の線路間に接続可能に構成され、
    該感知器には、所定の事象が生起したか否かの判断情報
    に基づいてP型受信機から延びる一対の線路間の導通を
    オン・オフ制御するスイッチング手段がさらに設けられ
    ており、該感知器は、前記伝送手段と前記受信機とが所
    定の伝送路を介して接続されているときには、前記受信
    機からの呼出により前記伝送手段から前記受信機に返送
    用情報を返送するアナログ型感知器として使用可能であ
    り、また、前記P型受信機から延びる一対の線路間に接
    続されているときには、該一対の線路間の導通を前記判
    断情報によりオン・オフ制御するオン・オフ型感知器と
    して使用可能に構成されていることを特徴とする感知
    器。
  12. 【請求項12】 受信機側からアナログ型感知器を呼出
    し、呼出されたアナログ型感知器は、該アナログ型感知
    器で検出された所定の情報を受信機側に返送し、受信機
    側で所定の事象に関する監視を行なわせる型式のアナロ
    グ型監視システムにおいて、前記アナログ型感知器に
    は、請求項1乃至請求項11のいずれか一項に記載の感
    知器を用いることが可能であって、この場合、該感知器
    は、受信機から呼出されるときに、感知器側での判断情
    報と検出信号情報とが所定のフォーマットでまとめられ
    た情報を、返送情報として、受信機に返送することを特
    徴とするアナログ型監視システム。
  13. 【請求項13】 受信機側からアナログ型感知器が呼出
    されるとき、呼出されたアナログ型感知器が、該アナロ
    グ型感知器で検出された情報を受信機側に返送し、受信
    機側で異常の監視を行なう異常監視方法において、前記
    アナログ型感知器には、請求項1乃至請求項11のいず
    れか一項に記載の感知器が用いられ、この場合、該感知
    器は、受信機から呼出されるときに、感知器側での判断
    情報と検出信号情報とが所定のフォーマットでまとめら
    れた情報を、返送情報として、受信機に返送することを
    特徴とする異常監視方法。
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