JPH083660A - Al基金属間化合物強化複合部をもつ部材と、その製造方法 - Google Patents
Al基金属間化合物強化複合部をもつ部材と、その製造方法Info
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- JPH083660A JPH083660A JP6156655A JP15665594A JPH083660A JP H083660 A JPH083660 A JP H083660A JP 6156655 A JP6156655 A JP 6156655A JP 15665594 A JP15665594 A JP 15665594A JP H083660 A JPH083660 A JP H083660A
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Landscapes
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- Manufacture Of Alloys Or Alloy Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 部材の特定部にAl基金属間化合物強化部を
もつ部材とその製造方法を提供する。 【構成】 本発明は強化粒子となる金属間化合物の各構
成元素の粉末を化学量論組成に従って秤量・混合したも
のにメカニカルアロイングを施して前駆複合体を作り、
この前駆複合体に純Al粉末またはAl合金粉末を加え
て再度メカニカルアロイングを施したあと、この粉末で
強化複合部のプリフォームを作り、脱ガス後、予熱した
このプリフォームにAl合金の溶湯を鋳込み、溶湯の熱
でプリフォーム中に分散している前駆複合体を反応させ
て金属間化合物を生成させるとともにプリフォームと溶
湯との接合面を一体化させることを特徴とするAl基金
属間化合物強化複合部をもつ部材の製造方法であり、こ
の方法で製造した部材である。
もつ部材とその製造方法を提供する。 【構成】 本発明は強化粒子となる金属間化合物の各構
成元素の粉末を化学量論組成に従って秤量・混合したも
のにメカニカルアロイングを施して前駆複合体を作り、
この前駆複合体に純Al粉末またはAl合金粉末を加え
て再度メカニカルアロイングを施したあと、この粉末で
強化複合部のプリフォームを作り、脱ガス後、予熱した
このプリフォームにAl合金の溶湯を鋳込み、溶湯の熱
でプリフォーム中に分散している前駆複合体を反応させ
て金属間化合物を生成させるとともにプリフォームと溶
湯との接合面を一体化させることを特徴とするAl基金
属間化合物強化複合部をもつ部材の製造方法であり、こ
の方法で製造した部材である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属間化合物強化アル
ミニウム(Al)合金を複合強化部にもつ部材とその製
造方法に関する。
ミニウム(Al)合金を複合強化部にもつ部材とその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】金属間化合物(Inter Metallic Compoun
ds :以下IMCとする)を強化材として利用する方法に
次のようなものがある。すなわち、Al又はAl合金の
溶湯中にIMC粒子あるいはAlと反応してIMCを形
成する金属粒子を投入添加してIMC分散強化合金を得
る方法である。また、セラミックスウィスカーで製作し
たプリフォーム中にIMCを形成する金属粉末を混合し
ておき、これを用いてAl合金の溶湯による加圧鋳込を
おこない、溶湯がプリフォームの空隙に浸透するのと同
時に成形体中の金属粉末とAlとが反応してIMCを形
成し、IMC強化複合材をうる方法である。(特開平1
−230737号公報)
ds :以下IMCとする)を強化材として利用する方法に
次のようなものがある。すなわち、Al又はAl合金の
溶湯中にIMC粒子あるいはAlと反応してIMCを形
成する金属粒子を投入添加してIMC分散強化合金を得
る方法である。また、セラミックスウィスカーで製作し
たプリフォーム中にIMCを形成する金属粉末を混合し
ておき、これを用いてAl合金の溶湯による加圧鋳込を
おこない、溶湯がプリフォームの空隙に浸透するのと同
時に成形体中の金属粉末とAlとが反応してIMCを形
成し、IMC強化複合材をうる方法である。(特開平1
−230737号公報)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】溶湯中にIMC粒子等
を投入添加する前記の方法は、Alと反応してIMCを
形成するため、Alとの化合物となるIMC(たとえば
Al3 Ni,Al3 Fe,Al3 Tiなど)しか利用で
きない。そしてIMC粉末を最初から用いる場合、IM
Cは融点が高く、酸化雰囲気を嫌うため、IMC粉末を
製造するコストが非常に高くなる。またAl溶湯中にI
MC粒子又は金属粒子を添加する方法では部品が必要と
する特定の部分のみを強化することができない。一方、
セラミックスウィスカーによるプリフォームを用いる場
合、金属粉末を混合したプリフォームの製造やAl溶湯
との複合化の作業が複雑であるため、コストアップとな
る。またプリフォームを金属粉末の媒体とするため、I
MCの複合化率を高くとることができず、IMCによる
強化が効果的におこなわれないという問題点がある。本
発明は前記事情に鑑みてなされたもので、前記問題点を
解消したAl基金属間化合物強化複合部をもつ部材とそ
の製造方法を提供することを目的とする。
を投入添加する前記の方法は、Alと反応してIMCを
形成するため、Alとの化合物となるIMC(たとえば
Al3 Ni,Al3 Fe,Al3 Tiなど)しか利用で
きない。そしてIMC粉末を最初から用いる場合、IM
Cは融点が高く、酸化雰囲気を嫌うため、IMC粉末を
製造するコストが非常に高くなる。またAl溶湯中にI
MC粒子又は金属粒子を添加する方法では部品が必要と
する特定の部分のみを強化することができない。一方、
セラミックスウィスカーによるプリフォームを用いる場
合、金属粉末を混合したプリフォームの製造やAl溶湯
との複合化の作業が複雑であるため、コストアップとな
る。またプリフォームを金属粉末の媒体とするため、I
MCの複合化率を高くとることができず、IMCによる
強化が効果的におこなわれないという問題点がある。本
発明は前記事情に鑑みてなされたもので、前記問題点を
解消したAl基金属間化合物強化複合部をもつ部材とそ
の製造方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記目的に添い、本発明
は強化粒子となる金属間化合物の各構成元素の粉末を化
学量論組成に従って秤量・混合したものにメカニカルア
ロイングを施して前駆複合体を作り、この前駆複合体に
純Al粉末またはAl合金粉末を加えて再度メカニカル
アロイングを施したあと、この粉末で強化複合部のプリ
フォームを作り、脱ガス後、予熱したこのプリフォーム
にAl合金の溶湯を鋳込み、溶湯の熱でプリフォーム中
に分散している前駆複合体を反応させて金属間化合物を
生成させるとともにプリフォームと溶湯との接合面を一
体化させるAl基金属間化合物強化複合部をもつ部材の
製造方法とすることによって前記課題を解消した。また
本発明は請求項1〜請求項3のいずれかの方法で製造し
たAl基金属間化合物強化複合部をもつ部材とすること
によって前記課題を解消した。これにより、鋳造時に複
合強化部のプリフォームに金属間化合物が生成し、同時
にプリフォームと溶湯とが強固に接合する。
は強化粒子となる金属間化合物の各構成元素の粉末を化
学量論組成に従って秤量・混合したものにメカニカルア
ロイングを施して前駆複合体を作り、この前駆複合体に
純Al粉末またはAl合金粉末を加えて再度メカニカル
アロイングを施したあと、この粉末で強化複合部のプリ
フォームを作り、脱ガス後、予熱したこのプリフォーム
にAl合金の溶湯を鋳込み、溶湯の熱でプリフォーム中
に分散している前駆複合体を反応させて金属間化合物を
生成させるとともにプリフォームと溶湯との接合面を一
体化させるAl基金属間化合物強化複合部をもつ部材の
製造方法とすることによって前記課題を解消した。また
本発明は請求項1〜請求項3のいずれかの方法で製造し
たAl基金属間化合物強化複合部をもつ部材とすること
によって前記課題を解消した。これにより、鋳造時に複
合強化部のプリフォームに金属間化合物が生成し、同時
にプリフォームと溶湯とが強固に接合する。
【0005】以下、本発明について図1を参照しながら
詳細に説明する。強化粒子となる金属間化合物の各構成
元素A,B,C・・・(通常2種類以上である。ここで
は、A,B2元素の場合について説明する。)の各粉末
を用意する。次に目標とする金属間化合物の各構成元素
の化学量論組成に従ってA,B2元素の粉末を秤量した
後混合する。ここで、化学量論組成とは、本来構造式で
示される化学組成のことで、例えば、Al3 Tiならば
Al原子とTi原子の構成比が3:1で化合しているこ
と、即ちAl−25at(原子)%TiがAl3 Tiの
化学量論組成ということで、Mg2 SiならばMgとS
iが2:1だからMg−33.3at%Siが化学量論
組成である。
詳細に説明する。強化粒子となる金属間化合物の各構成
元素A,B,C・・・(通常2種類以上である。ここで
は、A,B2元素の場合について説明する。)の各粉末
を用意する。次に目標とする金属間化合物の各構成元素
の化学量論組成に従ってA,B2元素の粉末を秤量した
後混合する。ここで、化学量論組成とは、本来構造式で
示される化学組成のことで、例えば、Al3 Tiならば
Al原子とTi原子の構成比が3:1で化合しているこ
と、即ちAl−25at(原子)%TiがAl3 Tiの
化学量論組成ということで、Mg2 SiならばMgとS
iが2:1だからMg−33.3at%Siが化学量論
組成である。
【0006】混合した粉末をボールミル処理、好ましく
は高エネルギ型のアトライタを用いてメカニカルアロイ
ングを行う。アトライタの一例を図7に示す。アトライ
タ1では、シャフト2の回転によってアジテータ3を回
転させ、これによってボール4を運動させる。このボー
ル4の運動によって原料を混合する。混合操作中、ガス
流入口5からガスを流入させ、混合雰囲気を一定に保
つ。また、水流入口6から冷却水を流入させ温度を一定
に保つ。なお、7はガス排出口、8は水排出口である。
上記ボール4は最大1インチ好ましくは3/8インチの
鋼球であることが好ましい。ボールと投入粉末全重量の
比率は、ボールの全重量と粉末の全重量の比率が15
0:1ないし20:1好ましくは140:1ないし4
0:1である。シャフト2の回転数は好ましくは250
rpmである。混合雰囲気としてはArあるいはHe等
を使用した非酸化雰囲気で行う。アジテータ3の先端の
周速度は、3.5m/秒以内とし、最大でも1インチの
ボールを使用して20時間以内で、10〜15時間で処
理することが好ましい。なお、メカニカルアロイングの
際は、粉の分散性、または潤滑効果も考慮してメタノー
ルまたはエタノールを分散剤として適量添加して行う。
は高エネルギ型のアトライタを用いてメカニカルアロイ
ングを行う。アトライタの一例を図7に示す。アトライ
タ1では、シャフト2の回転によってアジテータ3を回
転させ、これによってボール4を運動させる。このボー
ル4の運動によって原料を混合する。混合操作中、ガス
流入口5からガスを流入させ、混合雰囲気を一定に保
つ。また、水流入口6から冷却水を流入させ温度を一定
に保つ。なお、7はガス排出口、8は水排出口である。
上記ボール4は最大1インチ好ましくは3/8インチの
鋼球であることが好ましい。ボールと投入粉末全重量の
比率は、ボールの全重量と粉末の全重量の比率が15
0:1ないし20:1好ましくは140:1ないし4
0:1である。シャフト2の回転数は好ましくは250
rpmである。混合雰囲気としてはArあるいはHe等
を使用した非酸化雰囲気で行う。アジテータ3の先端の
周速度は、3.5m/秒以内とし、最大でも1インチの
ボールを使用して20時間以内で、10〜15時間で処
理することが好ましい。なお、メカニカルアロイングの
際は、粉の分散性、または潤滑効果も考慮してメタノー
ルまたはエタノールを分散剤として適量添加して行う。
【0007】このメカニカルアロイングによって得られ
る粉は、A(B)がB(A)に機械的に取り込まれて合
金粉末となったもので、金属間化合物にはなっていな
い。すなわち、金属間化合物の前駆複合体Xとなってい
る。上記前駆複合体Xは、発火性の強いMgを含む成分
組成からなる場合は、容器外に排出せず、これが内蔵さ
れる混合容器内にAl粉末またはAl合金粉末を投入
し、再度メカニカルアロイングを実施する。前駆複合体
Xと、添加するアルミニウム粉末の量は、重量比で次の
通りとする。 1〜3重量%≦X/[X+アルミニウム粉末]≦40重
量% 40重量%以上になると引張強さ,伸び,衝撃値が低下
するので好ましくない。また、1〜3重量%以上加えな
いと添加する効果が小さい。この本工程におけるメカニ
カルアロイングもアトライタを用いてアルコール(メタ
ノール、エタノール等)等の有機溶剤を添加して非酸化
雰囲気で行う。このAl中に取り込まれた前駆複合体の
粒径は10μm以下、好ましくは5μm以下で、これが
微細かつ均一に分散するように処理をする。
る粉は、A(B)がB(A)に機械的に取り込まれて合
金粉末となったもので、金属間化合物にはなっていな
い。すなわち、金属間化合物の前駆複合体Xとなってい
る。上記前駆複合体Xは、発火性の強いMgを含む成分
組成からなる場合は、容器外に排出せず、これが内蔵さ
れる混合容器内にAl粉末またはAl合金粉末を投入
し、再度メカニカルアロイングを実施する。前駆複合体
Xと、添加するアルミニウム粉末の量は、重量比で次の
通りとする。 1〜3重量%≦X/[X+アルミニウム粉末]≦40重
量% 40重量%以上になると引張強さ,伸び,衝撃値が低下
するので好ましくない。また、1〜3重量%以上加えな
いと添加する効果が小さい。この本工程におけるメカニ
カルアロイングもアトライタを用いてアルコール(メタ
ノール、エタノール等)等の有機溶剤を添加して非酸化
雰囲気で行う。このAl中に取り込まれた前駆複合体の
粒径は10μm以下、好ましくは5μm以下で、これが
微細かつ均一に分散するように処理をする。
【0008】次にプリフォームを製作する。冷間等方静
水圧装置(CIP)またはプレス装置を用い、適用する
部品の強化したい部分の形状にあわせて前記メカニカル
アロイング処理を施した粉末(以下、MA処理粉とす
る)を常温において加圧成形する。この加圧成形に際
し、粉末が塑性変形し、緻密なプリフォームとなるよう
に、少なくとも100MPa、好ましくは200MPa
以上の圧力を加え、相対密度が95%以上となるように
処理する。このように処理することにより、型から取り
出す時にも割れや崩壊が起らず、取り扱いが容易とな
る。これはAl中に前駆複合体が固溶した状態となって
いるため、特性的にはAlに準じた挙動を示すためであ
る。次に成形したプリフォームに含まれている水分・ガ
ス等を除去するため真空熱処理炉で400℃以下で加熱
して脱ガスをおこなう。これによって複合化時にふくれ
や割れなどの欠陥が発生するのを防ぐ。
水圧装置(CIP)またはプレス装置を用い、適用する
部品の強化したい部分の形状にあわせて前記メカニカル
アロイング処理を施した粉末(以下、MA処理粉とす
る)を常温において加圧成形する。この加圧成形に際
し、粉末が塑性変形し、緻密なプリフォームとなるよう
に、少なくとも100MPa、好ましくは200MPa
以上の圧力を加え、相対密度が95%以上となるように
処理する。このように処理することにより、型から取り
出す時にも割れや崩壊が起らず、取り扱いが容易とな
る。これはAl中に前駆複合体が固溶した状態となって
いるため、特性的にはAlに準じた挙動を示すためであ
る。次に成形したプリフォームに含まれている水分・ガ
ス等を除去するため真空熱処理炉で400℃以下で加熱
して脱ガスをおこなう。これによって複合化時にふくれ
や割れなどの欠陥が発生するのを防ぐ。
【0009】次に複合化処理をおこなう。そのため、こ
のプリフォームを部品鋳造用の特定の金型内にセット
し、これに部品本体の素材であるAl合金の溶湯を注湯
し、プリフォームを鋳包む。なお、鋳込みに先立ってプ
リフォームの溶湯との温度差による変形・損傷を防ぐた
め、200℃〜400℃の温度でプリフォームを予熱し
ておく。なお、溶湯の温度は700〜760℃である。
金型内のプリフォームは溶湯との接触によって、その接
触した界面でプリフォームの基地のAlが溶融し、溶湯
のAlと強固に結合する。同時に、Al溶湯の熱量によ
り、プリフォーム中に分散している前駆複合体が反応し
て、金属間化合物が形成され、これがAlマトリックス
中に微細に分散した組織となる。なお、この複合化の際
の鋳造方法については、プリフォームの相対密度は95
%以上であるため、プリフォームの空隙にAl溶湯を浸
透させる必要がなく、従って低圧鋳造,ハイプレッシャ
ーダイカスト,溶湯鍛造など全ての鋳造法が適用でき
る。このようにして部品の特定個処にIMCによる複合
強化部が形成される。
のプリフォームを部品鋳造用の特定の金型内にセット
し、これに部品本体の素材であるAl合金の溶湯を注湯
し、プリフォームを鋳包む。なお、鋳込みに先立ってプ
リフォームの溶湯との温度差による変形・損傷を防ぐた
め、200℃〜400℃の温度でプリフォームを予熱し
ておく。なお、溶湯の温度は700〜760℃である。
金型内のプリフォームは溶湯との接触によって、その接
触した界面でプリフォームの基地のAlが溶融し、溶湯
のAlと強固に結合する。同時に、Al溶湯の熱量によ
り、プリフォーム中に分散している前駆複合体が反応し
て、金属間化合物が形成され、これがAlマトリックス
中に微細に分散した組織となる。なお、この複合化の際
の鋳造方法については、プリフォームの相対密度は95
%以上であるため、プリフォームの空隙にAl溶湯を浸
透させる必要がなく、従って低圧鋳造,ハイプレッシャ
ーダイカスト,溶湯鍛造など全ての鋳造法が適用でき
る。このようにして部品の特定個処にIMCによる複合
強化部が形成される。
【0010】次に必要な熱処理をおこなう。複合強化部
は前駆複合体から金属間化合物への形成が終了している
ため、熱処理による熱影響は受けにくく、従って通常の
熱処理が施せる。また、未反応の前駆複合体が残留して
いた場合にも、この熱処理時に反応が生じ金属間化合物
が形成される。最後に機械加工を施して仕上げ、製品と
する。仕上げ段階におこなう機械加工においては、複合
強化部には硬いが微細な金属間化合物が均一に分散して
いるため、セラミックス繊維強化材を用いたものに比較
して加工性が良好で、通常の加工ラインがそのまま流用
できる。
は前駆複合体から金属間化合物への形成が終了している
ため、熱処理による熱影響は受けにくく、従って通常の
熱処理が施せる。また、未反応の前駆複合体が残留して
いた場合にも、この熱処理時に反応が生じ金属間化合物
が形成される。最後に機械加工を施して仕上げ、製品と
する。仕上げ段階におこなう機械加工においては、複合
強化部には硬いが微細な金属間化合物が均一に分散して
いるため、セラミックス繊維強化材を用いたものに比較
して加工性が良好で、通常の加工ラインがそのまま流用
できる。
【0011】以上のように本発明によればピストン,シ
リンダーヘッドなどの軽量性,耐熱性,高温強度を必要
とする部材の特定の部位を複合強化することができる。
図2に2サイクル内燃機関用シリンダーヘッドをIMC
で強化した例を示す。この例ではプリフォーム用の強化
粒子としてMgとSiの化合物であるMg2 Siをえら
び、重力鋳造により、このプリフォームをAC4C材で
鋳包み、複合化を図ったものである。図の散在する点で
示すIMCの部分(燃焼室)が、30wt%のMg2 S
iが均一に分散した強化複合部である。また、図4に、
このプリフォームの基地であるAlとAC4C材がその
接合界面で強固に結合している状態の金属組織を拡大し
て示す。なお、このプリフォームの複合化の後と前のX
線回析の結果を図5及び図6に示す。複合化前では図6
に示すようにAl,Si,Mgの各元素の単独のピーク
が現われているのに対し、複合後の図5のものにはS
i,Mgのピークが消滅し、新たに金属間化合物のMg
2 Siの明瞭なピークが出現している。これは母材であ
るAC4C溶湯の熱量により前駆複合体が反応して金属
間化合物のMg2 Siを形成したことを示している。図
3は前記強化複合部から削り出された試験片による高温
硬さ試験の結果を示す。これによれば強化複合部の硬さ
はシリンダーヘッド母材であるAC4C−T6に対して
各温度で大きく上まわっており、良好な耐熱性を有して
いることが認められた。
リンダーヘッドなどの軽量性,耐熱性,高温強度を必要
とする部材の特定の部位を複合強化することができる。
図2に2サイクル内燃機関用シリンダーヘッドをIMC
で強化した例を示す。この例ではプリフォーム用の強化
粒子としてMgとSiの化合物であるMg2 Siをえら
び、重力鋳造により、このプリフォームをAC4C材で
鋳包み、複合化を図ったものである。図の散在する点で
示すIMCの部分(燃焼室)が、30wt%のMg2 S
iが均一に分散した強化複合部である。また、図4に、
このプリフォームの基地であるAlとAC4C材がその
接合界面で強固に結合している状態の金属組織を拡大し
て示す。なお、このプリフォームの複合化の後と前のX
線回析の結果を図5及び図6に示す。複合化前では図6
に示すようにAl,Si,Mgの各元素の単独のピーク
が現われているのに対し、複合後の図5のものにはS
i,Mgのピークが消滅し、新たに金属間化合物のMg
2 Siの明瞭なピークが出現している。これは母材であ
るAC4C溶湯の熱量により前駆複合体が反応して金属
間化合物のMg2 Siを形成したことを示している。図
3は前記強化複合部から削り出された試験片による高温
硬さ試験の結果を示す。これによれば強化複合部の硬さ
はシリンダーヘッド母材であるAC4C−T6に対して
各温度で大きく上まわっており、良好な耐熱性を有して
いることが認められた。
【0012】
【発明の効果】本発明によれば、次のような効果がえら
れる。 高価な金属間化合物粉末を直接使用せず、メカニカ
ルアロイングにより前駆複合体を作り、鋳造時に反応さ
せるため安価に金属間化合物強化部を有する部材をうる
ことができる。 前駆複合体を有する粉末からプリフォームを作り、
このプリフォームを用いて直接Al溶湯と反応させるた
め工程が単純化される。 プリフォームを用いて複合化するため、部材の特定
の部位を効果的に強化することができる。 プリフォームの基地はAlであるため、Al溶湯と
反応して結合するため接合強度が高く、かつ複合化が容
易である。 メカニカルアロイングにより金属間化合物を形成す
る前駆複合体を分散させるため、Al系以外の金属間化
合物を強化粒子として使用することも可能である。
れる。 高価な金属間化合物粉末を直接使用せず、メカニカ
ルアロイングにより前駆複合体を作り、鋳造時に反応さ
せるため安価に金属間化合物強化部を有する部材をうる
ことができる。 前駆複合体を有する粉末からプリフォームを作り、
このプリフォームを用いて直接Al溶湯と反応させるた
め工程が単純化される。 プリフォームを用いて複合化するため、部材の特定
の部位を効果的に強化することができる。 プリフォームの基地はAlであるため、Al溶湯と
反応して結合するため接合強度が高く、かつ複合化が容
易である。 メカニカルアロイングにより金属間化合物を形成す
る前駆複合体を分散させるため、Al系以外の金属間化
合物を強化粒子として使用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る製造方法の工程を説明する図であ
る。
る。
【図2】本発明によって製造したシリンダーヘッドの説
明図である。
明図である。
【図3】図2に示すシリンダーヘッドの強化複合部とシ
リンダーヘッド母材との高温硬さを比較して示すグラフ
である。
リンダーヘッド母材との高温硬さを比較して示すグラフ
である。
【図4】図2に示すシリンダーヘッドの接合界面の金属
組織を、拡大して示す図面に代る写真である。
組織を、拡大して示す図面に代る写真である。
【図5】本発明で用いるプリフォームの複合後のX線回
析チャート図である。
析チャート図である。
【図6】同複合前のX線回析チャート図である。
【図7】本発明で用いるアトライタの説明図である。
1 アトライタ 3 アジテータ 4 ボール 5 ガス流入口 6 水流入口 7 ガス排出口
Claims (4)
- 【請求項1】 強化粒子となる金属間化合物の各構成元
素の粉末を化学量論組成に従って秤量・混合したものに
メカニカルアロイングを施して前駆複合体を作り、この
前駆複合体に純Al粉末またはAl合金粉末を加えて再
度メカニカルアロイングを施したあと、この粉末で強化
複合部のプリフォームを作り、脱ガス後、予熱したこの
プリフォームにAl合金の溶湯を鋳込み、溶湯の熱でプ
リフォーム中に分散している前駆複合体を反応させて金
属間化合物を生成させるとともにプリフォームと溶湯と
の接合面を一体化させることを特徴とするAl基金属間
化合物強化複合部をもつ部材の製造方法。 - 【請求項2】 前記前駆複合体粉の混合比がAl粉の4
0重量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の
Al基金属間化合物強化複合部をもつ部材の製造方法。 - 【請求項3】 前記プリフォームを常温において圧力1
00MPa以上、相対密度95%以上となるように加圧
成形することを特徴とする請求項1に記載のAl基金属
間化合物強化複合部をもつ部材の製造方法。 - 【請求項4】 請求項1〜請求項3のいずれかの方法で
製造したAl基金属間化合物強化複合部をもつ部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15665594A JP3417666B2 (ja) | 1994-06-15 | 1994-06-15 | Al基金属間化合物強化複合部をもつ部材と、その製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15665594A JP3417666B2 (ja) | 1994-06-15 | 1994-06-15 | Al基金属間化合物強化複合部をもつ部材と、その製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH083660A true JPH083660A (ja) | 1996-01-09 |
JP3417666B2 JP3417666B2 (ja) | 2003-06-16 |
Family
ID=15632409
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15665594A Expired - Fee Related JP3417666B2 (ja) | 1994-06-15 | 1994-06-15 | Al基金属間化合物強化複合部をもつ部材と、その製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3417666B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5832347A (en) * | 1996-10-04 | 1998-11-03 | Hitachi Koki Co., Ltd. | Toner for recording electrostatic image and electrostatic recording method and apparatus using the same |
US7262262B2 (en) | 2001-04-11 | 2007-08-28 | Sekisui Chemical Co., Ltd. | Resin composition for toner and toner |
WO2010016269A1 (ja) | 2008-08-08 | 2010-02-11 | 学校法人日本大学 | 巨大歪加工法で固化成形した高比強度を有する純アルミニウム構造材料 |
US20150225814A1 (en) * | 2012-10-25 | 2015-08-13 | Beihang University | Intermetallic compound ultrafine particle reinforced metal-based composite material and preparation method thereof |
-
1994
- 1994-06-15 JP JP15665594A patent/JP3417666B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5832347A (en) * | 1996-10-04 | 1998-11-03 | Hitachi Koki Co., Ltd. | Toner for recording electrostatic image and electrostatic recording method and apparatus using the same |
US7262262B2 (en) | 2001-04-11 | 2007-08-28 | Sekisui Chemical Co., Ltd. | Resin composition for toner and toner |
WO2010016269A1 (ja) | 2008-08-08 | 2010-02-11 | 学校法人日本大学 | 巨大歪加工法で固化成形した高比強度を有する純アルミニウム構造材料 |
US20150225814A1 (en) * | 2012-10-25 | 2015-08-13 | Beihang University | Intermetallic compound ultrafine particle reinforced metal-based composite material and preparation method thereof |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3417666B2 (ja) | 2003-06-16 |
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