JPH0835281A - デッキプレート及びそれを用いた床施工法 - Google Patents

デッキプレート及びそれを用いた床施工法

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JPH0835281A
JPH0835281A JP6171198A JP17119894A JPH0835281A JP H0835281 A JPH0835281 A JP H0835281A JP 6171198 A JP6171198 A JP 6171198A JP 17119894 A JP17119894 A JP 17119894A JP H0835281 A JPH0835281 A JP H0835281A
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deck plate
water
concrete
floor
layer
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JP6171198A
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Takeshi Yamaguchi
武志 山口
Hideichiro Furuya
秀一郎 古家
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J C COMPOSITE KK
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J C COMPOSITE KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 デッキプレートを用いた床構造体の構築にお
いて、打設コンクリート中の余剰水の排水を行うことが
可能な全く新しいデッキプレートを提供するとともに、
余剰水を短時間で効率良く排水して打設コンクリートの
ひび割れを防止し且つコンクリートの強度を高めること
が可能であり、更に工期の短縮が図れるデッキプレート
を用いた床施工法を提供する。 【構成】 各凹溝3の底面部4であって長手方向へ一定
間隔毎に複数の小孔5を貫設した単又は複数の波板状の
デッキプレート1を、床梁に横架して敷設し、各凹溝の
底面部上面に、水及び空気に対して透過性を有し且つセ
メント粒子に対して非透過性を有する帯状の濾過布2
を、小孔を覆うように添設した後、デッキプレートの上
にコンクリート9を打設し、養生硬化させて床構造体を
構築してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、デッキプレート及びそ
れを用いた床施工法に係わり、更に詳しくは床梁に横架
し、その上にコンクリートを打設し、養生硬化させて床
構造体を構築する際にコンクリート中の余剰水を速やか
に排水可能なデッキプレートに関し、並びにそのデッキ
プレートを用いて床構造体を構築する床施工法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、床梁にデッキプレートを横架して
敷設し、その上にコンクリートを打設し、養生硬化させ
て床構造体を構築する床施工法が、工期の短縮化、施工
の容易さの観点から多用されるようになった。このデッ
キプレートは、JISで規定されており、断面台形状の
凹溝部を一定ピッチで設けたスチール製の波板状のもの
で、キーストンプレートとも呼ばれているものである。
【0003】一般的に、コンクリートの乾燥収縮による
ひび割れは、部材の表面からの乾燥収縮と、その部材か
ら受けるコンクリートの内部からの拘束、又は接する部
材からの拘束によって生じた引張り応力が、材料自身の
引張強度を超過して発生する。拘束は、種々の要因によ
って発生するが、コンクリートの引張応力は、コンク
リートの収縮率、拘束度の程度、コンクリートの弾
性係数、コンクリートのクリープ又はリラクゼーショ
ン等の要因によって左右される。多孔質構造であるセメ
ント硬化体は、乾燥により毛細管水げきの水が揮発する
と、毛細管水げきを縮めようと毛細管張力が働き、乾燥
収縮と呼ばれる容積減少が生じる。この乾燥による毛細
管張力は、小さな水げき程大きいと言われている。
【0004】コンクリート構造物のひび割れ防止、低減
の事前対策としては、スランプを小さく、即ち水セメン
ト比を小さくしてコンクリートの乾燥収縮を小さくする
ことが挙げられる。多孔質物質であるセメント硬化体も
低い水セメント比においては、良質な大理石に匹敵する
程の水密性を有し、乾燥収縮も起きないと言われてい
る。しかしながら、このように水セメント比の小さいコ
ンクリートは、全く流動性がなく、コンクリート打設を
行うための作業適性を全く持たないので、やむを得ず余
分の水を加えてコンクリートに流動性を付与し、作業効
率が良いポンプアップやパイプ輸送等を採用して流し込
みによって打設しているのが現状である。それによっ
て、施工性は向上するが、コンクリートの打設後、デッ
キプレートから水が抜けないことが、比重の小さい水や
砂の微粒分がコンクリート上部に浮上するブリージング
現象を起こしたり、乾燥が表面から行われるので乾燥収
縮によるひび割れ、コーナークラックの発生の原因とな
っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、水セメント比
が大きく適切な流動性を持つコンクリートを打設した
後、コンクリートの余剰水を種々の方法で脱水すること
が行われている。その代表的なものが、真空コンクリー
ト工法と脱水脱気マットを用いる工法である。
【0006】真空コンクリート工法は、コンクリートを
打設、敷き均しを行った後、打設面を真空マットで覆
い、コンクリート表面よりコンクリート中の余剰水を真
空ポンプによって吸引し、水和に不必要な水分を除去す
る工法である。これによって、コンクリート表面の水セ
メント比は小さくなり、これを行わないコンクリートに
比べて初期強度が著しく増大するばかりでなく、最終強
度、摩耗抵抗、凍結融解抵抗性等が増大し、硬化収縮量
が減少し、ひび割れが少なくなる。一方、脱水脱気マッ
トを用いる工法は、本発明者らによって発明された特開
平1−250560号公報、特開平2−38665号公
報及び特開平2−308049号公報にて開示されてい
る如く、コンクリート型枠の内面に各種織布や透水マッ
トを添装し、打設コンクリート中の余剰水を織布若しく
は透水マットの孔隙を通して速やかに型枠外に排出させ
るようにした工法であり、各方面で採用されるようにな
っている。
【0007】しかしながら、デッキプレートの上にコン
クリートを打設して床構造体を構築する場合において、
コンクリートのひび割れは建築上大きな問題となってい
るにもかかわらず、根本的対策は全くなされていないの
が現状である。
【0008】そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決
しようとするところは、デッキプレートを用いた床構造
体の構築において、打設コンクリート中の余剰水の排水
を行うことが可能な全く新しいデッキプレートを提供す
るとともに、余剰水を短時間で効率良く排水して打設コ
ンクリートのひび割れを防止し且つコンクリートの強度
を高めることが可能であり、更に工期の短縮が図れるデ
ッキプレートを用いた床施工法を提供する点にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の課題解
決のために、床梁に横架し、その上にコンクリートを打
設し、養生硬化させて床構造体を構築する波板状のデッ
キプレートにおいて、各凹溝の底面部であって長手方向
へ一定間隔毎に複数の小孔を貫設してなるデッキプレー
トを構成した。
【0010】一方、各凹溝の底面部であって長手方向へ
一定間隔毎に複数の小孔を貫設した単又は複数の波板状
のデッキプレートを、床梁に横架して敷設し、前記各凹
溝の底面部上面に、水及び空気に対して透過性を有し且
つセメント粒子に対して非透過性を有する帯状の濾過布
を、前記小孔を覆うように添設した後、デッキプレート
の上にコンクリートを打設し、養生硬化させて床構造体
を構築してなるデッキプレートを用いた床施工法を確立
した。
【0011】そして、前記床施工法において、水及び空
気に対して透過性を有し且つセメント粒子に対して非透
過性を有する繊維組織の密な濾過層と、繊維組織の粗な
透水層とからなり、濾過層を上層に透水層を下層に積層
した構造の濾過布を用いてなることが好ましい実施例で
ある。
【0012】また、前記濾過布として、合成樹脂繊維の
ウェブを厚み方向よりニードルパンチ処理してシート状
となし、その少なくとも片面を加熱融着処理した不織布
を用い、熱処理面を上方に配設してなるものを用いるこ
とがより好ましい実施例である。
【0013】また、前記濾過布として、合成樹脂繊維に
より織成された高密度織布で濾過層を形成し、この濾過
層の裏面に合成樹脂発泡シート、合成樹脂繊維のウェブ
を厚み方向よりニードルパンチ処理してシート状となし
たニードルパンチ不織布又は合成樹脂発泡シートを基布
としてその片面に合成樹脂ウェブを積層した不織布の何
れかからなる透水層を接着したものを用いることもより
好ましい実施例である。
【0014】
【作用】以上の如き内容からなる本発明のデッキプレー
トを用いた床施工法は、各凹溝の底面部であって長手方
向へ一定間隔毎に複数の小孔を貫設した波板状のデッキ
プレートを用い、該デッキプレートの単又は複数枚を床
梁に横架して敷設し、前記各凹溝の底面部上面に、水及
び空気に対して透過性を有し且つセメント粒子に対して
非透過性を有する帯状の濾過布を、前記小孔を覆うよう
に添設した後、デッキプレートの上にコンクリートを打
設すると、コンクリート中の余剰水のみが濾過布を透過
して小孔から排出され、それによってコンクリート中の
水セメント比が小さくなり、養生硬化が速くなるととも
に、ひび割れを防止し且つ強度の高い床構造体を構築で
きるのである。つまり、デッキプレートに開けられた
小孔からコンクリート中の余剰水が排出されるため、ブ
リージング水が減少し、全体が均一なコンクリートとな
る。ブリージングに伴ってコンクリート表面に出る微
細な物質、即ちレイタンスが減少し、表面強度が増大
し、また塗料等の床仕上げ材料を塗布した時の接着性、
耐久性が改善される。ブリージング水が減少すること
によって金鏝押えの時間が短縮されるので、経済的効果
が大きい。
【0015】ここで、水及び空気に対して透過性を有し
且つセメント粒子に対して非透過性を有する繊維組織の
密な濾過層と、繊維組織の粗な透水層とからなり、濾過
層を上層に透水層を下層に積層した構造の濾過布を用い
ることで、コンクリート中の余剰水は濾過層を通過し、
透水層に浸透してデッキプレートに貫設した小孔の位置
まで移動し、この小孔から排水されるのであり、一方、
セメント粒子は濾過層を通過できず、濾過層で濾過され
るので、セメント粒子によって透水層が目詰まりを起こ
して透水性を失うことは全くないのである。また、濾過
布に透水層を設けることによって、小孔から離れた位置
からも余剰水が透水層を伝って小孔に至るので、排水性
が良好である。
【0016】更に、前述の真空コンクリート工法によっ
て、デッキプレート上に打設されたコンクリート表面よ
りの脱水と、本発明によるコンクリート下層部からの脱
水を併用すれば、コンクリート全体の水セメント比が小
さくなり、乾燥収縮の少ない床を形成することができ
る。本工法では、防水層を設けなくても洩水の心配は全
くないのである。
【0017】
【実施例】次に本発明の詳細を添付した図面に基づき説
明する。図1は本発明に係るデッキプレート1を示し、
図2は濾過布2をそれぞれ示している。また、図3及び
図4は本発明に係るデッキプレートを用いた床施工法を
示している。
【0018】デッキプレート1は、床梁に横架し、その
上にコンクリートを打設し、養生硬化させて床構造体を
構築する波板状のスチール板であり、長手方向に延び、
幅方向に一定ピッチで設けた各凹溝3,…の底面部4で
あって長手方向へ一定間隔毎に複数の小孔5,…を貫設
してなるものである。ここで、前記小孔5の形状は、円
形であってもスリット状の長方形であっても良いが、加
工の簡便さから円形が好ましい。また、小孔5の最大開
口幅は、該小孔5を後述の濾過布2で覆った場合、その
上に打設するコンクリートの圧力によって濾過布2が破
壊されない程度、又は小孔5内から濾過布2が押し出さ
れない程度に小さくし、また開口面積はコンクリート中
の余剰水が速やかに通過し得る程度に大きくする必要が
あり、実用的には円形の場合、直径が2〜10mm程度
の範囲であることが好ましいのである。また、デッキプ
レート1の底面部4の幅は、サイズによって25〜95
mmまであるが、この底面部4の中央部に100〜10
00mm間隔で前記小孔5を穿設する。
【0019】濾過布2は、前記デッキプレート1の底面
部4の幅よりも若干幅狭の帯状であり、水及び空気に対
して透過性を有し且つセメント粒子に対して非透過性を
有する繊維組織の密な濾過層6と、繊維組織の粗な透水
層7とからなり、濾過層6を上層に透水層7を下層に積
層した構造のものである。また、透水層7の裏面には、
当該濾過布2をデッキプレート1の前記各凹溝3の底面
部4上面に添設した場合、容易に移動しないように部分
的に接着剤層8を形成している。本実施例では、接着剤
層8は、濾過布2の長手方向に沿って細長く、幅方向に
所定間隔を置いて複数条形成してあり、デッキプレート
1に添設する前は接着剤層8が剥離シートで覆われてい
ることが好ましく、またデッキプレート1に添設した後
に接着剤層8で小孔5を塞がないように配設している。
尚、実際には、両面接着テープを濾過布2の裏面に接着
して接着剤層8を形成するが、デッキプレート1の底面
部4に濾過布2を添設する際に何れか一方面に接着剤を
塗布しても良い。
【0020】そして、本発明のデッキプレートを用いた
床施工法は、単又は複数枚の前記デッキプレート1,…
を、図示しない床梁に横架して敷設し、図3及び図4に
示すように、前記各凹溝3,…の底面部4上面に前記濾
過布2を前記小孔5,…を覆うように添設した後、デッ
キプレート1の上に、水セメント比を適当に調整した流
動性のあるコンクリート9を所定厚さ打設し、養生硬化
させて床構造体Sを構築してなる工法である。
【0021】図5は、前記小孔5の近傍の余剰水の流れ
を示した要部の拡大断面図である。デッキプレート1の
底面部4に濾過布2を添設し、その上にコンクリートを
流し込むと、コンクリート中の余剰水は、密な繊維組織
の濾過層6を通過し、この裏面に積層された粗な繊維組
織の透水層7を経て底面部4に貫設した小孔5より下方
へ流出する。未硬化のコンクリート中のセメント粒子は
微細であるが、濾過層6で完全に濾過されるので、透水
層7がセメント粒子によって透水性を失うことはない。
【0022】前記濾過布2に使用可能な濾過材料として
は、紙類、織布及び不織布が考慮される。紙類では、水
を透過させ、セメント粒子を透過させないものが使用で
き、アート紙、コート紙のようにコート剤を塗布し、水
を殆ど通過させないもの及びちり紙、トイレットペーパ
ーのように水に濡れた時に物理的強度が弱くなり破れる
ようなものは除かれる。使用できると考えられるのは、
厚紙、ダンボール紙、比較的丈夫な藁半紙等である。ま
た、織布では、天然繊維、合成繊維又は無機繊維で織成
したものが使用でき、天然繊維としては綿、麻、絹及び
人絹等、合成繊維としてはビニロン、塩化ビニリデン、
ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン及びポリエス
テル等、無機繊維としてはガラス繊維、炭素繊維、目の
細かい金網等が挙げられる。そして、不織布では、合成
樹脂短繊維のウェブを厚み方向よりニードルパンチ処理
してシート状となした不織布(ニードルパンチ不織布)
又は合成樹脂長繊維からなる不織布(スパンボンド不織
布)等が挙げられる。
【0023】以上のような濾過材料も使用できるが、こ
れらをデッキプレート1の小孔5を覆うように添設し、
コンクリートを流し込んだ時、打設直後は余剰水が濾過
されて小孔5からデッキプレート1の下方へ排出される
が、すぐに濾過材料の空隙部にセメント粒子が充填し、
その後は余剰水が排出されなくなるので、前述の濾過材
料を複合化させて濾過布2を構成する必要がある。
【0024】そこで、本発明において最も好ましい濾過
布2の具体的構造の二例を以下に説明する。
【0025】図6に示した濾過布2は、合成樹脂繊維の
ウェブを厚み方向にニードルパンチ処理をしてシート状
となしてニードルパンチ不織布を形成し、その少なくと
も片面を加熱処理してなる不織布である。この不織布の
片面を熱処理すると、不織布を形成しているモノフィラ
メントの大部分が融着フィルム化し、僅かの部分が透水
脱気孔10,…として残存する構造となる。ここで、熱
処理を施して透水脱気孔10,…が形成された面側が前
記濾過層6となり、熱処理を施してない面側が前記透水
層7となる。更に詳しくは、ニードルパンチ不織布を用
いた濾過布2は、太さが1.5〜15デニールのナイロ
ン、ポリエステル、アクリル、ポリプロピレン及びアセ
テート等より選ばれた1種又は複数種の合成樹脂繊維の
ウェブを複数積層し、これを1cm2 当たり400回以
上ニードルパンチ処理して、その少なくとも片面を17
3〜260℃のヒートカレンダーロールにて加熱融着処
理して形成される。
【0026】図7に示した濾過布2は、合成樹脂繊維に
より織成された高密度織物で濾過層6を形成し、この濾
過層6の裏面に合成樹脂長繊維からなるスパンボンド不
織布、合成樹脂短繊維のウェブを厚み方向よりニードル
パンチ処理してシート状となしたニードルパンチ不織布
又はスパンボンド不織布を基布としてその片面に合成樹
脂ウェブを積層した不織布の何れかからなる透水層7を
接着したものである。この場合、高密度織物はセメント
粒子を透過させないので、熱処理は必要としない。ここ
で、合成樹脂繊維の太さは、ステーブルファイバーにつ
いては、1〜30デニール、好ましくは2〜10デニー
ルのものを使用し、フィラメント糸では、30〜250
デニール、好ましくは50〜150デニールのものを使
用し、紡績糸については、10′〜60′S、好ましく
は20′〜40′Sのものを使用する。ここで、「′
S」は番手と呼称し、糸の太さを表し、糸1km当たり
のグラム数をもって表すテックス(Tex )番手との関係
は、綿糸20′S=30Tex 、毛糸60′S=17Tex
である。織物の密度は、経糸70〜200本/インチ、
好ましくは90〜180本/インチ、緯糸50〜120
本/インチ、好ましくは70〜100本/インチであ
る。また、織物を構成する組織は、平織、斜文織、綾織
等が挙げられる。一方、透水層7は、前述の合成樹脂発
泡シート等で構成され、繊維密度が0.1〜0.5g/
2 、透水係数が1×10-4cm/s以上である。この
場合、合成樹脂短繊維からなるウェブは、3〜10デニ
ール、長さ51〜64mm、使用量は50〜150g/
2 である。
【0027】次に、本発明のデッキプレートを用いた床
施工法の有効性を検証した実験を以下に説明する。
【0028】(実験1)図8に示すようなデッキプレー
トの断面を持つ型枠を用い、凹溝の底面部に濾過布(ウ
ィンロックJ−50:ジェイ.シーコンポジット株式会
社の商品名)を80mm幅に切断したものを貼りつけ
た。型枠の長さは、300mmとし、小孔の直径は8m
mとし、中央部に1個設けた(ピッチ300mmに相
当)。また、比較のため小孔がなく、ウィンロックを添
設しないデッキプレートを用いた型枠も作製した。そし
て、次の表1に示す配合のコンクリートを調製した。
【0029】
【表1】
【0030】上記配合コンクリートを型枠に打設し、オ
ーバーフローするブリージング水、及び下部のウィンロ
ックを通して小孔から排水される量を測定した。コンク
リートの比重を2.4とし、打設されたコンクリート中
の水及びセメント量を計算した結果と、ウィンロックに
よって減少した水と、水セメント比(W/C)を次の表
2に示す。
【0031】
【表2】
【0032】尚、型枠の不備から、継ぎ目を通して溢れ
出る水がウィンロックからのものと混ざってしまい、正
確には両者を分離できなかったので、ウィンロック水量
は、ウィンロック無しのブリージング水量を総排水量か
ら引いて記した。この結果、ウィンロックから排水され
る量は、約10秒に1滴、4.5時間続いた。1滴が約
0.07mlとして計算すると、ウィンロック水量は約
112mlとなり、実験結果と大体一致する。この結
果、小孔の存在とウィンロックの使用によって、水セメ
ント比(W/C)が約2.6%減少することが判り、1
2 当たりでは、1266ml(ビール瓶2本分)の余
剰水が除去できたことになる。
【0033】(実験2)図9に示すようなデッキプレー
トの断面を持つ型枠を用い、凹溝の底面部にウィンロッ
クを80mm幅に切断したものを貼りつけた。型枠の長
さは、300mmとし、小孔の直径は8mmとし、中央
部に1個、100mm間隔を置いて両側に2個設けた
(ピッチ100mmに相当)。また、比較のため小孔が
なく、ウィンロックを添設しないデッキプレートを用い
た型枠も作製した。使用したコンクリートは、前述の表
1に示したものと同様である。
【0034】前述の型枠にコンクリートを打設した。こ
の場合、ブリージング水が型枠からオーバーフローしな
いようにやや低めに天端を納めた。そして、下部のウィ
ンロックを通して排水される量を測定した。尚、ブリー
ジング水は、再びコンクリート中に吸収された。その測
定結果を次の表3に示す。
【0035】
【表3】
【0036】この結果、小孔の存在とウィンロックの使
用によって、水セメント比(W/C)が約4.7%減少
したことが判り、1m2 当たりでは、2.3kgの余剰
水が除去できたことになる。また、ウィンロックを使用
した場合には3.5時間で浮き水が認められなくなった
のに対し、ウィンロックを使用しない普通型枠では4時
間で浮き水が認められなくなった。
【0037】この実験では、型枠が小さいために、型枠
を伝わって移動した水の影響が無視できず、そのまま大
型のスラブコンクリートへ適用することはできないが、
排水量としては、小孔の数が多くなれば当然多くなると
推測され、周囲に型枠が無い現場では排水効率は低下す
るものと思われる。また、コンクリートの単位水量によ
って、排水される水の比率は異なるが、この実験のよう
に水が多いコンクリートは通常使用されていないので、
穴開きデッキプレートとウィンロック、即ち濾過布とを
使用する本発明によってかなりの排水効果が期待でき
る。
【0038】
【発明の効果】以上にしてなる本発明のデッキプレート
を用いた床施工法によれば、各凹溝の底面部であって長
手方向へ一定間隔毎に複数の小孔を貫設した単又は複数
の波板状のデッキプレートを、床梁に横架して敷設し、
前記各凹溝の底面部上面に、水及び空気に対して透過性
を有し且つセメント粒子に対して非透過性を有する帯状
の濾過布を、前記小孔を覆うように添設した後、デッキ
プレートの上にコンクリートを打設し、養生硬化させて
床構造体を構築してなるので、コンクリート中の余剰水
のみが濾過布を透過して小孔から排出され、それによっ
てコンクリート中の水セメント比が小さくなり、養生硬
化が速くなるとともに、ひび割れを防止し且つ強度の高
い床構造体を構築できるといった顕著な効果を有する。
また、デッキプレートは、凹溝の底面部に小孔を穿設す
るだけの少ない変更で済み、しかも小孔を設けても構造
上の強度の低下は全く問題がないのである。また、デッ
キプレートの小孔より排出された余剰水は、濾過布若し
くは濾過層によりセメント粒子は完全に除去され透明な
状態となっているので、コンクリートを打設した下の床
を汚染することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るデッキプレートを示し、(a) は一
部省略した平面図、(b) は平面図のA−A線断面図、
(c) は要部の拡大断面図である。
【図2】濾過布の基本構造を示し、(a) は一部省略した
斜視図、(b) は拡大断面図である。
【図3】本発明の床施工法を示し、凹溝の底面部に濾過
布を添設したデッキプレート上にコンクリートを流し込
んでいる状態を示す部分断面図である。
【図4】同じくコンクリート打設後の状態を示す部分断
面図である。
【図5】コンクリート打設後の余剰水の流れを示す要部
拡大断面図である。
【図6】濾過布の代表的実施例を示し、(a) は一部省略
した斜視図、(b) は拡大断面図である。
【図7】濾過布の他の実施例を示し、(a) は一部省略し
た斜視図、(b) は拡大断面図である。
【図8】本発明の床施工法の効果を実証するために使用
した小孔ピッチが300mmの模擬型枠の簡略断面図で
ある。
【図9】本発明の床施工法の効果を実証するために使用
した小孔ピッチが100mmの模擬型枠を示し、(a) は
簡略横断面図、(b) は簡略縦断面図である。
【符号の説明】
1 デッキプレート 2 濾過布 3 凹溝 4 底面部 5 小孔 6 濾過層 7 透水層 8 接着剤層 9 コンクリート 10 透水脱気孔

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 床梁に横架し、その上にコンクリートを
    打設し、養生硬化させて床構造体を構築する波板状のデ
    ッキプレートにおいて、各凹溝の底面部であって長手方
    向へ一定間隔毎に複数の小孔を貫設してなることを特徴
    とするデッキプレート。
  2. 【請求項2】 各凹溝の底面部であって長手方向へ一定
    間隔毎に複数の小孔を貫設した単又は複数の波板状のデ
    ッキプレートを、床梁に横架して敷設し、前記各凹溝の
    底面部上面に、水及び空気に対して透過性を有し且つセ
    メント粒子に対して非透過性を有する帯状の濾過布を、
    前記小孔を覆うように添設した後、デッキプレートの上
    にコンクリートを打設し、養生硬化させて床構造体を構
    築してなることを特徴とするデッキプレートを用いた床
    施工法。
  3. 【請求項3】 前記濾過布として、水及び空気に対して
    透過性を有し且つセメント粒子に対して非透過性を有す
    る繊維組織の密な濾過層と、繊維組織の粗な透水層とか
    らなり、濾過層を上層に透水層を下層に積層した構造の
    濾過布を用いてなる請求項2記載のデッキプレートを用
    いた床施工法。
  4. 【請求項4】 前記濾過布として、合成樹脂繊維のウェ
    ブを厚み方向よりニードルパンチ処理してシート状とな
    し、その少なくとも片面を加熱融着処理した不織布を用
    い、熱処理面を上方に配設したものを用いてなる請求項
    3記載のデッキプレートを用いた床施工法。
  5. 【請求項5】 前記濾過布として、合成樹脂繊維により
    織成された高密度織布で濾過層を形成し、この濾過層の
    裏面にスパンボンド不織布、合成樹脂繊維のウェブを厚
    み方向よりニードルパンチ処理してシート状となしたニ
    ードルパンチ不織布又はスパンボンド不織布を基布とし
    てその片面に合成樹脂ウェブを積層した不織布の何れか
    からなる透水層を接着したものを用いてなる請求項3記
    載のデッキプレートを用いた床施工法。
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