JPH08339941A - 電気二重層キャパシタ - Google Patents

電気二重層キャパシタ

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JPH08339941A
JPH08339941A JP14500195A JP14500195A JPH08339941A JP H08339941 A JPH08339941 A JP H08339941A JP 14500195 A JP14500195 A JP 14500195A JP 14500195 A JP14500195 A JP 14500195A JP H08339941 A JPH08339941 A JP H08339941A
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electric double
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剛 森本
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和也 平塚
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高い耐電圧、急速充放電性、充放電サイクル耐
久性を有し、高エネルギ密度の電気二重層キャパシタを
提供する。 【構成】活性炭を主体とする分極性電極に多孔質アルミ
ニウムの集電体を組合せて正極とし、活性炭を主体とす
る分極性電極に多孔質アルミニウムまたは多孔質ニッケ
ルの集電体を組み合わて負極とし、非水系電解液を注入
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内部抵抗が小さいこと
により急速充放電でき、耐電圧が高いのでエネルギ密度
が大きく、さらに充放電サイクル耐久性にも優れた電気
二重層キャパシタに関する。
【0002】
【従来の技術】市販の電気二重層キャパシタにはボタン
型のものと巻回型のものがある。ボタン型のものは、分
極性電極材料を金属板や金属箔の集電体に担持させた一
対のシート状分極性電極の間にシート状セパレータを配
置した素子を、電解液とともに金属の蓋とケース及び両
者間を絶縁する絶縁ガスケットを用いて金属容器中に密
封してある。巻回型のものは、分極性電極材料を金属箔
に担持させた一対のシート状分極性電極の間にシート状
セパレータを配置し、この分極性電極とセパレータの積
層シートを巻回して素子とし、この素子に電解液を含浸
させて金属容器に収容し、容器の開口部から電解液が蒸
発しないように封口部材で封口してある。これらの電気
二重層キャパシタの正極と負極は、いずれも大きな比表
面積を有する活性炭を主体とする分極性電極である。
【0003】また、特開平4−154106、特開平3
−203311及び特開平4−286108には、大電
流大容量化を目的としてシート状の分極性電極とシート
状セパレータを多数積層した素子が組み込まれた電気二
重層キャパシタが提案されている。たとえば矩形に形成
されたシート状分極性電極の間にシート状セパレータを
配置して交互に多数積み重ねた正極と負極の端部にそれ
ぞれ正極リード部材又は負極リード部材をかしめなどに
より接続した素子を容器に収容するとともに電解液を含
浸して封口部材で密閉している。
【0004】これら従来の電気二重層キャパシタでは、
使用する電解液の溶媒と溶質の選択にもよるが、単位セ
ルあたりの耐電圧は、水系電解液の電気二重層キャパシ
タで約1.3V、非水系電解液の電気二重層キャパシタ
で約2.4Vである。
【0005】また、特開平6−236829には、大き
な放電電流を取り出せるように、活性炭を主体とする分
極性電極である正極と負極の集電体に、ウレタン系等の
発泡樹脂に電気メッキを施して発泡樹脂を熱処理により
焼失させた3次元の網目構造を有する多孔質ニッケルを
用いたものが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】電気二重層キャパシタ
を大容量化するために、比表面積の大きな活性炭を使用
するが、活性炭の比表面積は約3000m2 /gが限度
であり、また、比表面積が大きい活性炭は嵩高くなるた
め、比表面積の大きな活性炭を使用する電気二重層キャ
パシタの単位重量あたりの容量もほぼ限界に近付いてい
る。
【0007】また、10A以上の大電流で充放電できる
電気二重層キャパシタは、電気自動車やその回生制動エ
ネルギ貯蔵等のパワー用途向けに有望であり、電気自動
車の実用化のためにエネルギ密度が高く、内部抵抗が小
さくて急速充放電でき、充放電サイクル耐久性及び高電
圧印加時の耐久性に優れた電気二重層キャパシタの実現
が望まれている。本発明の目的は、これらのニーズを充
たす高電圧耐久性、急速充放電性、充放電サイクル耐久
性において優れ、かつ高エネルギ密度の電気二重層キャ
パシタを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による電気二重層
キャパシタは、活性炭を主体とする分極性電極材料に多
孔質アルミニウムの集電体を組合せた分極性電極の正極
と、活性炭を主体とする分極性電極材料に多孔質アルミ
ニウム又は多孔質ニッケルの集電体を組合せた分極性電
極の負極と、非水系電解液とを有することを特徴とす
る。
【0009】特開平6−236829には、多孔質ニッ
ケルを正極及び負極の集電体に使用して内部抵抗を低減
した電気二重層キャパシタが知られている。この公知の
技術によれば、集電体に多孔質金属を用いて分極性電極
材料との接触面積を稼ぐことは内部抵抗を低くするのに
有効であると考えられる。本発明者らは、多孔質金属の
集電体としての可能性をさらに追求し、気孔率が大きく
て孔の密度等が集電体の用途に使用できる可能性のある
多孔質金属として多孔質アルミニウム、多孔質ニッケル
及び多孔質銅を入手し、集電体としての適用を検討し
た。
【0010】その結果、本発明者らは、多孔質アルミニ
ウムを正極の集電体に適用することによって多孔質ニッ
ケルを正極の集電体に用いたものと比べて顕著に高い耐
電圧の電気二重層キャパシタが得られることを見いだし
た。すなわち、本発明の電気二重層キャパシタでは、正
極に多孔質アルミニウムの集電体と一体化された分極性
電極を用いる。
【0011】この構成によって高い耐電圧の電気二重層
キャパシタが得られる理由は、多孔質アルミニウムが正
極の集電体として多孔質ニッケルより化学的及び電気化
学的に安定であるためであると考えられる。しかし、多
孔質銅を正極の集電体としても、電気化学的に耐酸化性
に劣っていて腐食されやすく、また表面に酸化銅の膜が
生成するためか好ましい結果は得られなかった。
【0012】すなわち、分極製電極である正極の集電体
に多孔質アルミニウムを使用した本発明の電気二重層キ
ャパシタでは、多孔質ニッケルその他の集電体を正極に
使用した電気二重層キャパシタと比べて、他の特性を犠
牲にすることなく高い耐電圧を達成でき、高いエネルギ
密度の電気二重層キャパシタを提供できる。
【0013】電気二重層キャパシタの負極の集電体につ
いても、低い内部抵抗とするため、多孔質金属を使用す
るのが好ましい。負極の集電体には、負極の集電体とし
て化学的及び電気化学的に安定な多孔質アルミニウム又
は多孔質ニッケルを好ましく使用できる。負極の集電体
として使用される多孔質アルミニウムと多孔質ニッケル
は、いずれも分極性材料をその気孔中に収容して良好な
導電性を確保できる。
【0014】本発明の電気二重層キャパシタでは、これ
ら正極と負極の性能を最大限発揮させるため、電解液と
して非水系電解液を有する。非水系電解液が注入されて
いることによって高い耐電圧を示し、このため高いエネ
ルギ密度を有する電気二重層キャパシタとなしうる。
【0015】多孔質アルミニウムと多孔質ニッケルは、
好ましくは気孔率が80〜99.5%、特に好ましくは
気孔率が85〜99%のものを使用する。多孔質アルミ
ニウムと多孔質ニッケルは、その気孔率が80%以上で
あることによって電極中に収容できる分極性電極材料の
割合を大きくして大容量の電気二重層キャパシタとなし
うる。また、気孔率が99.5%以下のものを使用する
ことによって、集電体としての良好な機能を確保し、低
い内部抵抗を有する電気二重層キャパシタとなしうる。
【0016】多孔質アルミニウム及び多孔質ニッケル
は、厚さ0.3〜5mmのシート状のものを使用するの
が好ましい。厚さを0.3mm以上とすることで、単位
体積あたりの容量の大きい電気二重層キャパシタを提供
できる。しかし、厚さを5mm超に増やしても、電気抵
抗を低く維持して電気二重層キャパシタの容量をそれ以
上増加させる効果は小さい。
【0017】また、多孔質アルミニウムと多孔質ニッケ
ルは、長さ1cmあたりの平均孔数、すなわち多孔質ア
ルミニウム又は多孔質ニッケルを貫く長さ1cmの線が
横切る平均の孔数が5以上のものが好ましい。長さ1c
mあたり5個以上の平均孔数を有する多孔質アルミニウ
ム及び多孔質ニッケルは、集電体として良好な機能を有
し、これによって低い内部抵抗の電気二重層キャパシタ
となしうる。
【0018】また、分極性電極材料のスラリーの注入が
容易であるように、長さ1cmあたり50個以下の平均
孔数を有する多孔質アルミニウム又は多孔質ニッケルを
使用するのが好ましい。長さ1cmあたりの平均孔数
は、たとえば多孔質アルミニウムや多孔質ニッケルをア
クリル樹脂中に埋め込んで樹脂を硬化させ、その切断面
を光学顕微鏡で観察し、切断面上に引いた長さ1cmの
直線が横切る孔数を数えることによって測定できる。
【0019】また、海綿状の三次元構造を有するシート
状の多孔質アルミニウムや多孔質ニッケルは、分極性電
極材料のスラリーをその気孔中に収容して集電体と一体
化した分極性電極が容易に得られるので特に好適であ
る。
【0020】本発明の電気二重層キャパシタは、好まし
くは正極及び負極がプレスなどで圧密化されたものであ
り、圧密化によって厚さ0.2〜2mm、空隙率10〜
60%に調整されている。多孔質アルミニウム又は多孔
質ニッケルを集電体として分極性材料と組合せた正極と
負極は、いずれもプレスやロールで圧密化して厚さと空
隙率の調整が容易にできる。
【0021】大比表面積の活性炭を主体とする分極性電
極を有する電気二重層キャパシタでは、電解液中のアニ
オンとカチオンにより、分極性電極中の大きな活性炭表
面に電気二重層を形成して多くの電荷を蓄積するが、両
極の空隙率の調整によって電気二重層を形成するために
必要充分な量の電解液が両電極の空隙内に到達でき、分
極性電極の表面に電気二重層を形成して大きな電気容量
を確保できる。
【0022】この圧密化により正極と負極の空隙率を適
切な範囲に制御することが電気二重層キャパシタの性能
を十分発揮させるために重要である。両電極の空隙率は
好ましくは10〜80%とされる。分極性電極の空隙率
が10%未満であると、電解液が分極性電極の内部に侵
入しにくくなって内部の電極が有効に働かない。両電極
の空隙率が80%超であると、容積の割りに電極が嵩高
くなってエネルギ密度が小さくなり好ましくない。正極
と負極の空隙率は、特に好ましくは10〜60%とされ
る。また、正極と負極の厚さは、製造の容易さと良好な
特性を確保する観点から、0.1〜3mm、特には0.
2〜2.0mmとするのが好ましい。
【0023】本発明の電気二重層キャパシタに用いる分
極性電極材料は、好ましくは比表面積が1500〜25
00m2 /gの活性炭、導電性カーボンブラック及びバ
インダーを含むものである。活性炭は分極性電極に大き
い表面積を付与して大容量を確保するためのものである
ので、比表面積1500m2 /g以上のものが好まし
い。しかし、気孔率が大きくなると電極が嵩高くなって
エネルギ密度が減少するので、比表面積は2500m2
/g以下のものが好ましい。
【0024】本発明で好ましく使用される活性炭として
は、やしがら系活性炭、フェノール樹脂系活性炭、石油
コークス系活性炭がある。これらの活性炭のうち、大容
量を得られる点でフェノール樹脂系活性炭、石油コーク
ス系活性炭を使用するのが好ましい。また、活性炭とし
ては、水蒸気賦活処理法、溶融KOH賦活処理法等によ
るものがある。これら活性炭のうち、より大きな容量を
得られる点で溶融KOH賦活処理法による活性炭が好ま
しい。また、活性炭としては、電気二重層キャパシタの
容量を大きくでき、かつ内部抵抗を低くできるので、平
均粒径は20μm以下のものが好ましい。
【0025】分極性電極材料に使用する導電剤として
は、カーボンブラック、天然黒鉛、人造黒鉛、金属ファ
イバー、酸化チタン、酸化ルテニウム等を使用できる。
これらのうち、少量でも導電性を向上させる効果の大き
い、カーボンブラックの一種であるケッチェンブラック
又はアセチレンブラックが好ましい。また、分極性電極
材料へのカーボンブラック等の配合量は、電極に良好な
導電性を付与するため、また活性炭の割合が減ると容量
が減少するため、活性炭との合量中5〜40重量%、特
には10〜30重量%とするのが好ましい。
【0026】また、バインダとしては、ポリテトラフル
オロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、フルオロオレフ
ィン共重合体架橋ポリマー、フルオロオレフィン/ビニ
ルエーテル共重合体架橋ポリマー、カルボキシメチルセ
ルロ−ス、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコー
ル、ポリアクリル酸及びポリイミドのいずれかを用いる
のが好ましい。上記の架橋ポリマーの架橋剤としては、
アミン類、ポリアミン類、ポリイソシアネート類、ビス
フェノール類又はパーオキシド類が好ましい。
【0027】非水系電解液の溶質にはR4+ 又はR4
+ (ただし、RはCn2n+1で表されるアルキル基)
なる第4級オニウムカチオンと、BF4 -、PF6 -、Cl
4 -又はCF3 SO3 -なるアニオンとを組合せた塩を使
用するのが好ましい。この組合せの塩を溶質として使用
することによって、正極と負極の能力を最大限発揮で
き、高耐電圧で低内部抵抗の電気二重層キャパシタを提
供できる。
【0028】また、非水系電解液の溶媒には、プロピレ
ンカーボネート、プロピレンカーボネート誘導体、エチ
レンカーボネート、エチレンカーボネート誘導体、ブチ
レンカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチ
ルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメトキシエ
タン、スルホラン、メチルスルホラン及びγ−ブチロラ
クトンから選ばれる1種以上からなる有機溶媒を好まし
く使用できる。
【0029】これらの有機溶媒のうちで、プロピレンカ
ーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネ
ート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネー
ト、ジエチルカーボネート、ジメトキシエタン、スルホ
ラン及びメチルスルホランから選ばれる1種以上からな
る有機溶媒が、化学的及び電気化学的な安定性、電気伝
導度及び低温特性に優れる点で特に好ましい。
【0030】本発明の電気二重層キャパシタの正極と負
極は、たとえば次のようにして形成される。すなわち、
活性炭粉末、導電性カーボンブラック及びバインダを溶
媒と混合してスラリとし、このスラリを多孔質アルミニ
ウム又は多孔質ニッケルのシート状集電体に塗布又は注
入して乾燥し、必要に応じてさらにプレス等で圧密化し
て集電体と一体化された分極性電極のシートとする。所
要の寸法に切断された分極性電極は、好ましくは導電性
接着剤又は溶接によって端子又は金属容器と電気的に接
続される。
【0031】スラリの溶媒としては、バインダを溶解す
るものであるのが好ましく、N−メチルピロリドン、
水、ジメチルホルムアミド、トルエン、キシレン、メチ
ルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸メチル、フタル酸ジ
メチル、エタノール、メタノール、ブタノール、水等が
適宜選択される。
【0032】本発明において、正極、負極及び非水系電
解液がケースと蓋からなるボタン型の金属容器に収容さ
れた好ましいボタン型の電気二重層キャパシタを得るに
は、正極がステンレス鋼板又はアルミニウムとステンレ
ス鋼の積層板からなるケース及び蓋のいずれか一方の側
に配置されたものとし、負極がステンレス鋼板からなる
蓋及びケースのいずれか他方の側に配置されたものとし
て、正極及び負極が導電性接着剤又は溶接によって蓋又
はケースと電気的に接続されたものとする。
【0033】この構成のボタン型の電気二重層キャパシ
タは、耐電圧が約3.0Vと高いほか、エネルギ密度が
大きいという好ましい特徴を有し、約3Vで駆動するI
Cのバックアップ電源として単一素子で対応できる。ま
た、集電体に多孔質アルミニウムを用いた正極では、負
極と対向しない面にアルミニウムを溶射し、アルミニウ
ムからなる蓋やケースに溶接して電気的に接続できる。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例(例1〜4)及び比較
例(例5)によって具体的に説明するが、本発明はこれ
らによって限定されない。
【0035】[例1]フェノール樹脂系のKOH賦活処
理法による活性炭粉末(比表面積2100m2 /g、平
均粒径約5μm)73重量%、ケッチェンブラックEC
(三菱化学社製)17重量%、ポリフッ化ビニリデン1
0重量%からなる混合物にN−メチルピロリドンを加え
て混合したスラリを、集電体とする厚さ3.0mm、気
孔率96%、長さ1cmあたりの平均孔数が17の多孔
質アルミニウムのシート(米国のエナジーリサーチジェ
ネレーション社製:商品名DUOCEL)に塗布し、2
00℃において30分間乾燥した。次いでこのシートを
ロールプレスで厚さ0.65mmに圧密化し、空隙率を
35%に調整した。次いで圧密化したシートを打ち抜い
て直径12.5mmの2枚の分極性電極を得た。
【0036】図1は例1において試作したボタン型の電
気二重層キャパシタの縦断面図である。図1において、
1は正極、2は導電性接着剤、3はステンレス316製
のケース、4はステンレス304製の蓋、5は負極、6
はセパレータ、7は電解液、8は絶縁ガスケットであ
る。例1のボタン型の電気二重層キャパシタでは、この
分極性電極の1枚を、ステンレス製の容器のケース3の
内側に黒鉛系の導電性接着材2によって接着し、正極と
してある。
【0037】もう1枚の分極性電極をステンレス304
製の蓋4の内側に黒鉛系の導電性接着材2で接着し、負
極とした。また、ガラス繊維とポリプロピレン繊維を混
紗したセパレータ6を挟んで正極と負極を対向させ、
1.4モル/リットルの(C253 (CH3 )NB
4 を溶かしたプロピレンカーボネートの非水系電解液
7を注入して正極1、負極5及びセパレータ6に含浸し
た。
【0038】次いで、ポリプロピレン製の絶縁ガスケッ
ト8を用い、容器中にかしめ封口した。得られたコイン
型の電気二重層キャパシタの寸法は直径18.3mm、
厚さ2.0mmである。このコイン型の電気二重層キャ
パシタの容量は2.2F、内部抵抗は3.5Ωであっ
た。このコイン型の電気二重層キャパシタを70℃に保
持し、2.8Vの電圧を1000時間連続印加したとこ
ろ、容量は2.0F、内部抵抗は10Ωとなった。
【0039】[例2]例1において、正極には例1と同
じ多孔質アルミニウムの集電体を組合せた分極性電極を
用い、正極側とする容器のケースにステンレス304と
アルミニウムの積層板を用い、内側(アルミニウム側)
に直径12.5mmの正極を黒鉛系導電性接着材によっ
て接合した。負極の集電体には厚さ2mm、気孔率97
%、長さ1cmあたりの平均孔数が25の多孔質ニッケ
ルのシート(住友電気工業社製:商品名セルメット)を
用いた。例1と同じ負極を作成し、ステンレス304蓋
の内側に電気溶接し、他は例1と同様にしてコイン型の
電気二重層キャパシタを組み立てた。この多孔質ニッケ
ルは、たとえば、ウレタン等の通気性のある発泡樹脂に
メッキを施したものを熱処理して樹脂を焼失させて得ら
れる。
【0040】このコイン型の電気二重層キャパシタの正
極の空隙率は35%、負極の空隙率は30%、正極及び
負極の厚さは0.65mmであった。また、この電気二
重層キャパシタの容量は2.2F、内部抵抗は3.3Ω
であった。このコイン型の電気二重層キャパシタを70
℃に保持し、2.8Vの電圧を1000時間印加したと
ころ、容量は2.0F、内部抵抗は9Ωとなった。
【0041】[例3]例2において、電解液に1モル/
Lの(C254 PBF4 をスルホランとメチルエチ
ルカーボネートの混合液(容積比4:1)に溶解せしめ
たものを用いた。他は例2と同様にしてコイン型の電気
二重層キャパシタを組み立てた。この電気二重層キャパ
シタの容量は2.1F、内部抵抗は4.5Ωであった。
このコイン型の電気二重層キャパシタを70℃に保持
し、3.3Vの電圧を1000時間印加したところ、容
量は1.5F、内部抵抗は14Ωとなった。
【0042】[例4]例1において、分極性電極材料の
スラリを塗布する条件と圧密化するプレスの条件を変え
ることによって正極及び負極とする分極性電極の空隙率
を5%に調整した。他の条件は例1と同様にしてコイン
型電気二重層キャパシタを組み立てた。この電気二重層
キャパシタの容量は1.8F、内部抵抗は6.5Ωであ
った。このコイン型の電気二重層キャパシタを70℃に
保持し、2.8Vの電圧を1000時間印加したとこ
ろ、容量は1.5F、内部抵抗は12Ωとなった。
【0043】[例5]例1において、正極の集電体とし
て厚さ2mm、空隙率97%、1cmあたりの平均孔数
25の多孔質ニッケルのシートを用いた。他の条件は例
1と同様にしてコイン型電気二重層キャパシタを組み立
てた。このコイン型電気二重層キャパシタの正極の空隙
率は29%、負極の空隙率は35%であった。この電気
二重層キャパシタの容量は2.2F、内部抵抗は3.5
Ωであった。このコイン型電気二重層キャパシタを70
℃に保持し、2.8Vの電圧を1000時間印加したと
ころ、容量は0.6F、内部抵抗は100Ωとなった。
【0044】例1〜4を例5と較べることにより、容量
及び高電圧印加時の耐久性と内部抵抗において本発明の
電気二重層キャパシタが顕著に優れることが分かる。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、正極の集電体に多孔質
アルミニウムを使用すると、さらに好ましくは圧密化す
ると、顕著に耐電圧が高く、容量が大きく、かつ内部抵
抗が低くて急速充放電できる電気二重層キャパシタを提
供できる。本発明は小さいサイズの電気二重層キャパシ
タにも適用できるので、単位セルで約3.3Vのメモリ
ーバックアップに使用できる耐電圧を有するコイン型の
電気二重層キャパシタを提供できる。
【0046】本発明によれば、容量が100〜1000
0F、充放電電流が5〜1000Aの超大容量、大電流
用途向けの電気二重層キャパシタを実現できる。超大容
量、大電流用の電気二重層キャパシタが、今後有望とさ
れる電気自動車の動力性能を顕著に向上させ、電気自動
車の回生制動エネルギを有効利用するのに有用であるこ
とから、その産業上の利用価値は多大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるコイン型電気二重層キャパシタの
一例を示す断面図
【符号の説明】
1:正極 2:導電性接着剤(黒鉛系) 3:ステンレス316製ケース 4:ステンレス304製蓋 5:負極 7:電解液 8:セパレータ 9:絶縁ガスケット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池田 克治 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】活性炭を主体とする分極性電極材料に多孔
    質アルミニウムの集電体を組合せた分極性電極の正極
    と、活性炭を主体とする分極性電極材料に多孔質アルミ
    ニウム又は多孔質ニッケルの集電体を組合せた分極性電
    極の負極と、非水系電解液とを有することを特徴とする
    電気二重層キャパシタ。
  2. 【請求項2】分極性電極材料と組合せる多孔質アルミニ
    ウム又は多孔質ニッケルが、気孔率80〜99.5%、
    長さ1cmあたりの平均孔数5以上、かつ厚さ0.3〜
    5mmのシート状のものである請求項1記載の電気二重
    層キャパシタ。
  3. 【請求項3】正極及び負極がプレスなどで圧密化されて
    なり、圧密化によって厚さ0.2〜2mm、空隙率10
    〜60%に調整されている請求項1又は2記載の電気二
    重層キャパシタ。
  4. 【請求項4】非水系電解液の溶質が、R4+ 又はR4
    + (ただし、RはCn2n+1で表されるアルキル基)
    なる第4級オニウムカチオンと、BF4 -、PF6 -、Cl
    4 -又はCF3 SO3 -なるアニオンとを組合せた塩であ
    る請求項1〜3のいずれか記載の電気二重層キャパシ
    タ。
  5. 【請求項5】非水系電解液の溶媒が、プロピレンカーボ
    ネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネー
    ト、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネー
    ト、ジエチルカーボネート、ジメトキシエタン、スルホ
    ラン及びメチルスルホランから選ばれる1種以上からな
    る有機溶媒である請求項1〜4のいずれか記載の電気二
    重層キャパシタ。
  6. 【請求項6】正極、負極及び非水系電解液がケースと蓋
    を有するボタン型の金属製容器に収容されてなり、正極
    がステンレス鋼板又はアルミニウムとステンレス鋼の積
    層板からなるケース及び蓋のいずれか一方の側に配置さ
    れ、負極がステンレス鋼板からなるケース及び蓋のいず
    れか他方の側に配置され、正極及び負極が導電性接着剤
    又は溶接によって蓋又はケースと電気的に接続されてい
    る請求項1〜5のいずれか記載の電気二重層キャパシ
    タ。
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