JPH08339918A - ディスク装置のアクチュエータおよびその製造方法 - Google Patents

ディスク装置のアクチュエータおよびその製造方法

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JPH08339918A
JPH08339918A JP16935595A JP16935595A JPH08339918A JP H08339918 A JPH08339918 A JP H08339918A JP 16935595 A JP16935595 A JP 16935595A JP 16935595 A JP16935595 A JP 16935595A JP H08339918 A JPH08339918 A JP H08339918A
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JP
Japan
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arm
resin
thermoplastic resin
fixed
actuator
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Pending
Application number
JP16935595A
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English (en)
Inventor
Kenji Tanaka
研二 田中
Takeshi Motoi
健 元井
Yukio Iwataki
行雄 岩滝
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IWATAKI GIKEN KK
Sansen KK
Eneos Corp
Original Assignee
IWATAKI GIKEN KK
Nippon Petrochemicals Co Ltd
Sansen KK
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Publication date
Application filed by IWATAKI GIKEN KK, Nippon Petrochemicals Co Ltd, Sansen KK filed Critical IWATAKI GIKEN KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 製造コストが低く、また、軽量かつ寸法精度
や機械的特性にも優れた樹脂製のアクチュエータおよび
その製造方法を提供する。 【構成】 熱可塑性樹脂により可動コイル1とその端子
ピン2が固定化されてなる固定化可動コイル31および
該コイルと射出成形により形成されてなる熱可塑性樹脂
と同一または異なる熱可塑性樹脂製アーム10とが該射
出成形時に固着されてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固定磁気ディスク装置
等に使用され、磁気ヘッドを円弧軌道に沿って駆動させ
るスイング型のアクチュエータおよびその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】スイング型のアクチュエータは、例えば
図9に示すように、通常、複数本のアーム部3を有する
多層構造のアーム10、および、アーム10を軸穴4を
中心に揺動させるためのコイル1を備えており、各アー
ム部3の先端にヘッドサスペンションが取り付けられる
ようになっている。そして、このアームは、従来、アル
ミニウム等の金属で構成されている。
【0003】ここで、アーム10先端には磁気ヘッド
(磁気センサ)等の機能部材が設置されている。また、
可動コイル1は、絶縁皮膜を有する導線を巻回してなる
コイルであって、電流が通電されるとフレミングの左手
の法則により、すなわち永久磁石による磁気回路(いず
れも図示せず)の働きによりコイルに駆動力が働き、軸
穴4を中心としてアーム10を揺動させる。
【0004】一方、近年の記録密度の増大やアクセス速
度の短縮への要求から、アクチュエータの位置決め精度
や位置決め速度をさらに向上させるため、より軽量なア
クチュエータが望まれている。そこで、特開平3−27
7160号公報(『揺動型アクチュエータ』)では、あ
らかじめダイカスト成形したアームと、素線に端子ピン
を例えばはんだ付けによって結線処理した可動コイルと
を、射出成形用金型中に挿入して位置決め後、例えばガ
ラス入りポリフェニリンサルファイド樹脂のような熱可
塑性樹脂の加熱溶融物を注入し、冷却固化後金型中から
取り出す一体成形方法が提案されている。また、特開平
4−229062号公報(『揺動型アクチュエータ』)
では、素線に端子ピンを例えばはんだ付けによって結線
処理した可動コイルを射出成形用金型中に挿入して位置
決め後、例えばカーボン繊維を添加した熱可塑性樹脂の
加熱溶融物を注入し、冷却固化後金型中から取り出す一
体成形方法が提案されている。
【0005】また、近年は、固定磁気ディスク、そのほ
かの固定ディスク記録装置における記録容量が増加して
おり、これに対しては、ディスクの枚数を増やすことに
より対応している。アクチュエータにおける各アーム部
は各ディスクに1対1で対応しており、その結果、アー
ム部の枚数を増やさざるを得ない。金属製のアームなど
では、3枚以上のアーム部を有するものが多く、2〜2
0枚のものもある。
【0006】従来、樹脂製のアームとするアクチュエー
タの提案があるが、それは、各アーム部の一枚一枚を別
個、個別に成形し、その後各アーム部を適当な方法で固
着させてアームを構成するものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
特開平3−277160や特開平4−229062のア
クチュエータ製造方法では、可動コイルを金型に挿入
し、その後に樹脂を射出して一体成形するため、成形時
の樹脂の熱により可動コイルの素線の絶縁被膜が溶融
し、コイルおよび導線が短絡を起こすおそれがある。こ
れは、非導電性の樹脂を用いることにより防止すること
ができる。しかし、一般的には静電気等による問題を解
決するために、導電性の樹脂によって成形するため、コ
イルおよび導線が短絡を起こす確率が高くなる。そし
て、その不良品を取り除くため、コイルの導通試験等が
行われるが、このとき、不良品として取り除かれるのは
最終工程まで完了した完成品であるため、製品コストが
高くなってしまうという問題がある。
【0008】また、可動コイルは、巻回されてなる導線
が絶縁皮膜で固められた構造であるので、樹脂の射出成
形時の圧力で変形等を来すこともある。かかる場合に
は、非導電性の樹脂でも不都合が生じ、アクチュエータ
としての完成品の不良率が高くなるという結果を招く。
【0009】また、コイルには、一対の導線が延びてお
り、その接続用として、金属製の端子ピンがあり、これ
を介して他の線とはんだ付け等で接続される。しかし、
この導線やピンは位置合せが困難であり、失敗すると、
アクチュエータ全体をロスしまうという問題がある。
【0010】さらに、従来、複数枚のアーム部を同時
に、一度に一体成形する方法は無く、アーム部が複数枚
ある場合には、各アーム部を別個に成形し、これをさら
に樹脂で一体化したり、アーム同士を接着剤で接着した
り、かしめ材でかしめて接合したりという方法で製造さ
れている。したがって、製造コストが高くなり、各アー
ム部を積層する際の寸法精度や、積層して構成したアー
ムの機械的特性にも問題がある。
【0011】本発明の目的は、このような問題点に鑑
み、製造コストが低く、また、軽量かつ寸法精度や機械
的特性にも優れた樹脂製のアクチュエータおよびその製
造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明のアクチュエータは、熱可塑性樹脂により可
動コイルとその端子ピンが固定化されてなる固定化可動
コイルおよび該コイルと射出成形により形成されてなる
熱可塑性樹脂と同一または異なる熱可塑性樹脂製アーム
とが該射出成形時に固着されてなるものであることを特
徴とする。
【0013】また、アームは、複数枚、好ましくは3枚
以上のアーム部を有し、射出成形時に一体成形されたも
のであることを特徴とする。
【0014】また、アームを形成する熱可塑性樹脂は、
サーモトロピック液晶ポリマーであることを特徴とす
る。
【0015】また、アームを形成する熱可塑性樹脂が、
固定化可動コイルの周囲全体を覆っていることを特徴と
する。
【0016】また、固定化可動コイルは、熱可塑性樹脂
製アームと係止するための構造体を有することを特徴と
する。
【0017】また、熱可塑性樹脂により可動コイルとそ
の端子ピンを固定化した固定化可動コイルを金型内にイ
ンサートし、樹脂を射出することにより、アームを成形
すると同時に該固定化コイルとアームとを固着させるこ
とを特徴とする。
【0018】また、熱可塑性樹脂は、アームの先端部分
あるいはその近傍から射出されることを特徴とする。
【0019】さらに、アームは、複数枚、好ましくは3
枚以上のアーム部を有し、各アーム部間が樹脂により連
結されてなるように樹脂を射出することを特徴とする。
【0020】ここで用いられる熱可塑性樹脂は、アクチ
ュエーターとしては剛性が高い方が変形し難いので、曲
げ弾性率としては8×102 kgf/mm2 (AST
MD790による)以上であるいわゆるエンジニアリン
グプラスチックが必要である。例えば、ナイロン等のポ
リアミド系樹脂;ポリアセタール系樹脂;ポリカーボネ
ート系樹脂;変性ポリフェニレンエーテル;ポリエチレ
ンフタレート、ポリブチレンフタレート等のポリエステ
ル系樹脂;ポリフェニレンサルファイド系樹脂;ポリス
ルフォン系樹脂;ポリエーテルエーテルケトン等のポリ
エーテルケトン系樹脂;ポリアリレート等の全芳香族ポ
リエステル系樹脂;ABS系樹脂;強化ポリプロピレン
等のポリオレフィン系樹脂;サーモトロピック液晶ポリ
マー等が例示される。
【0021】本発明で好ましい熱可塑性樹脂として用い
られるサーモトロピック液晶ポリマーは、溶融状態で光
学的異方性を示す樹脂であって熱可塑性溶融可能なポリ
マーである。このような溶融時に光学的異方性を示すポ
リマーは、溶融状態でポリマー分子鎖が規則的な並行配
列を採る性質を有している。光学的異方性溶融相の性質
は、直交偏光子を利用した通常の偏光検査法により確認
できる。一般の溶融異方性を示さないポリマーでは溶融
状態で等方性となるが、溶融過程において異方性を示す
場合、固相から異方性の液晶相を経て等方相に変化す
る。
【0022】また機械的異方性も確認できる。すなわち
射出成形した場合に成形品表面の剥離、フィブリル化が
著しくなり、また、樹脂の流れ方向とその方向に直角方
向との物性の差が大きいことにより確認できる。
【0023】この溶融状態で光学的異方性を示す樹脂
は、一般にはサーモトロピック液晶ポリマーとして知ら
れている。このサーモトロピック液晶ポリマーは、一般
に細長く、偏平で、分子の長鎖に沿って剛性が高く同軸
または並行のいずれかの関係にある複数の連鎖伸長結合
を有しているようなモノマーから製造される。
【0024】溶融時に光学的異方性を示すポリマーは、
溶融状態でポリマー分子鎖が規則的な平行配列を採る性
質を示す。光学的異方性溶融相の性質は、直交偏光子を
利用した通常の偏光検査法により確認することができ
る。
【0025】上記サーモトロピック液晶ポリマーとし
て、好ましいものはサーモトロピック液晶ポリエステル
であって、例えば、液晶性ポリエステル、液晶性ポリエ
ステルイミド等、具体的には(全)芳香族ポリエステ
ル、ポリエステルアミド、ポリエステルカーボネート等
が挙げられる。分子内にエステル結合を複数個含む限り
ポリエステルの範疇に含まれる。さらに好ましいポリエ
ステルは、芳香族ポリエステルである。
【0026】本発明において用いるサーモトロピック液
晶ポリエステルには、一つの高分子鎖の一部が異方性溶
融相を形成するポリマーのセグメントで構成され、残り
の部分が異方性溶融相を形成しないポリマーのセグメン
トから構成されるポリマーも含まれる。また、複数のサ
ーモトロピック液晶ポリマーを複合したものも含まれ
る。
【0027】サーモトロピック液晶ポリエステルを構成
するモノマーの代表例としては、 (a)芳香族ジカルボン酸の少なくとも1種、 (b)芳香族ヒドロキシカルボン酸系化合物の少なくと
も1種、 (c)芳香族ジオール系化合物の少なくとも1種、 (d)(d1)芳香族ジチオール、(d2)芳香族チオフェ
ノ−ル、 (d3)芳香族チオ−ルカルボン酸化合物の少な
くとも1種、 (e)芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミン系化合
物の少なくとも1種、等が挙げられる。
【0028】これらは単独で構成される場合もあるが、
多くは(a)と(c)、(a)と(d)、(a),
(b)と(c)、(a),(b)と(e)、あるいは
(a),(b),(c)と(e)等の様に組合せて構成
される。
【0029】上記(a)芳香族ジカルボン酸系化合物と
しては、テレフタル酸、4,4′−ジフェニルジカルボ
ン酸、4,4′−トリフェニルジカルボン酸、2,6−
ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボ
ン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエ
ーテル−4,4′−ジカルボン酸、ジフェノキシエタン
−4,4′−ジカルボン酸、ジフェノキシブタン−4,
4′−ジカルボン酸、ジフェニルエタン−4,4′−ジ
カルボン酸、イソフタル酸、ジフェニルエ−テル−3,
3′−ジカルボン酸、ジフェノキシエタン−3,3′−
ジカルボン酸、ジフェニルエタン−3,3′−ジカルボ
ン酸、1,6−ナフタレンジカルボン酸のごとき芳香族
ジカルボン酸またはクロロテレフタル酸、ジクロロテレ
フタル酸、ブロモテレフタル酸、メチルテレフタル酸、
ジメチルテレフタル酸、エチルテレフタル酸、メトキシ
テレフタル酸、エトキシテレフタル酸等、上記芳香族ジ
カルボン酸のアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換
体が挙げられる。
【0030】(b)芳香族ヒドロキシカルボン酸系化合
物としては、4−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ
安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、6−ヒド
ロキシ−1−ナフトエ酸等の芳香族ヒドロキシカルボン
酸または3−メチル−4−ヒドロキシ安息香酸、3,5
−ジメチル−4−ヒドロキシ安息香酸、2,6−ジメチ
ル−4−ヒドロキシ安息香酸、3−メトキシ−4−ヒド
ロキシ安息香酸、3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシ
安息香酸、6−ヒドロキシ−5−メチル−2−ナフトエ
酸、6−ヒドロキシ−5−メトキシ−2−ナフトエ酸、
2−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、3−クロロ−4
−ヒドロキシ安息香酸、2,3−ジクロロ−4−ヒドロ
キシ安息香酸、3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ安息
香酸、2,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、3
−ブロモ−4−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−
5−クロロ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−7−ク
ロロ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−5,7−ジク
ロロ−2−ナフトエ酸等の芳香族ヒドロキシカルボン酸
のアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体が挙げら
れる。
【0031】(c)芳香族ジオールとしては、4,4′
−ジヒドロキシジフェニル、3,3′−ジヒドロキシジ
フェニル、4,4′−ジヒドロキシトリフェニル、ハイ
ドロキノン、レゾルシン、2,6−ナフタレンジオー
ル、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、ビス
(4−ヒドロキシフェノキシ)エタン、3,3′−ジヒ
ドロキシジフェニルエ−テル、1,6−ナフタレンジオ
−ル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン等の芳香族
ジオ−ルまたはクロロハイドロキノン、メチルハイドロ
キノン、t−ブチルハイドロキノン、フェニルハイドロ
キノン、メトキシハイドロキノン、フェノキシハイドロ
キノン、4−クロロレゾルシン、4−メチルレゾルシン
等の芳香族ジオ−ルのアルキル、アルコキシまたはハロ
ゲン置換体が挙げられる。
【0032】(d1 )芳香族ジチオールとしては、ベン
ゼン−1,4−ジチオ−ル、ベンゼン−1,3−ジチオ
−ル、2,6−ナフタレン−ジチオ−ル、2,7−ナフ
タレン−ジチオ−ル等が挙げられる。
【0033】(d2 )芳香族チオフェノールとしては、
4−メルカプトフエノ−ル、3−メルカプトフェノ−
ル、6−メルカプトフェノ−ル等が挙げられる。
【0034】(d3 )芳香族チオールカルボン酸として
は、4−メルカプト安息香酸、3−メルカプト安息香
酸、6−メルカプト−2−ナフトエ酸、7−メルカプト
−2−ナフトエ酸等が挙げられる。
【0035】(e)芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジ
アミン系化合物としては、4−アミノフェノ−ル、N−
メチル−4−アミノフェノール、1,4−フェニレンジ
アミン、N−メチル−1,4−フェニレンジアミン、
N,N′−ジメチル−1,4−フェニレンジアミン、3
−アミノフェノ−ル、3−メチル−4−アミノフェノ−
ル、2−クロロ−4−アミノフェノ−ル、4−アミノ−
1−ナフト−ル、4−アミノ−4′−ヒドロキシジフェ
ニル、4−アミノ−4′−ヒドロキシジフェニルエ−テ
ル、4−アミノ−4′−ヒドロキシジフェニルメタン、
4−アミノ−4′−ヒドロキシジフェニルスルフィド、
4、4′−ジアミノフェニルスルフィド(チオジアニリ
ン)、4,4′ジアミノジフェニルスルホン、2,5−
ジアミノトルエン、4,4′−エチレンジアニリン、
4,4′−ジアミノジフェノキシエタン、4,4′−ジ
アミノジフェニルメタン(メチレンジアニリン)、4,
4′−ジアミノジフェニルエ−テル(オキシジアニリ
ン)等が挙げられる。
【0036】本発明で用いるサーモトロピック液晶ポリ
エステルは、上記モノマーから溶融アシドリシス法やス
ラリー重合法等の多様なエステル形成法等により製造す
ることができる。
【0037】分子量としては、本発明に用いるに好適な
サーモトロピック液晶ポリエステルのそれは、約200
0〜200000、好ましくは約4000〜10000
0である。かかる分子量の測定は、例えば圧縮フィルム
について赤外分光法により末端基を測定して求めること
ができる。また溶液形成を伴う一般的な測定法であるG
PCによることもできる。
【0038】これらのモノマーから得られるサーモトロ
ピック液晶ポリマーのうち下記一般式(1)で表わされ
るモノマー単位を必須成分として含む(共)重合体であ
る芳香族ポリエステルが好ましい。該モノマー単位は約
50モル%以上含むものが好ましい。
【0039】
【化1】 本発明の特に好ましい芳香族ポリエステルは、p−ヒド
ロキシ安息香酸、フタル酸およびビフェノールの3種の
化合物からそれぞれ誘導される構造の繰返し単位を有す
る下記式(2)で表わされるポリエステルである。この
下記式(2)で表されるポリエステルのビフェノールか
ら誘導される構造の繰り返し単位は、その一部または全
部をジヒドロキシベンゼンから誘導される繰り返し単位
で置換されたポリエステルであることもできる。p−ヒ
ドロキシ安息香酸およびヒドロキシナフタリンカルボン
酸の2種の化合物からそれぞれ誘導される構造の繰返し
単位を有する下記式(3)で表わされるポリエステルで
ある。
【0040】
【化2】
【0041】
【化3】 本発明で用いるサーモトロピック液晶ポリマーは単独で
もかまわないが、それら2種以上を混合して使用するこ
とができる。
【0042】また、サーモトロピック液晶ポリマーには
非液晶性の樹脂を配合して使用することもできる。配合
することができる樹脂は熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の
いずれでもよいが、好ましくはポリアミド樹脂、ポリカ
ーボネート樹脂,ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポ
リブチレンテレフタレート樹脂、ポリフェニレンサルフ
ァイド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリサルフ
ォン樹脂ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテ
ルケトン樹脂などのいわゆる熱可塑性のエンジニアリン
グプラスチック(非液晶性のもの)が例示される。上記
熱可塑性樹脂の配合量は、本発明におけるサーモトロピ
ック液晶ポリマー100重量部あたり1〜200重量
部、好ましくは1〜100重量部、さらに好ましくは1
〜50重量部である。
【0043】なお、本発明で用いるサーモトロピック液
晶ポリマーに対して、さらに耐熱性、機械的性質を向上
させるため強化剤または充填剤を添加することができ
る。強化剤または充填剤の具体例としては、繊維状、粉
粒状および両者の混合物が挙げられる。繊維状の強化剤
としてはガラス繊維、シラスガラス繊維、アルミナ繊
維、炭化ケイ素繊維、セラミック繊維、アスベスト繊
維、石こう繊維、金属繊維(例えばステンレス繊維等)
等の無機質繊維および炭素繊維(黒鉛繊維を含む)等が
挙げられる。また粉粒状の強化剤としては、ワラステナ
イト、セリサイト、カオリン、マイカ、クレー、ベント
ナイト、アスベスト、タルク、アルミナシリケート等の
ケイ酸塩、アルミナ、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、
酸化ジルコニア、酸化チタン等の金属酸化物、炭酸カル
シウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト等の炭酸塩、硫
酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、硫酸バリウム等
の硫酸塩、ガラスビーズ、窒化ほう素、炭化ケイ素、サ
ロヤン等が挙げられ、これらは中空であってもよい(例
えば、中空ガラス繊維、ガラスマイクロバルーン、シラ
スバルーン、カーボンバルーン等)。上記強化剤は必要
ならばシラン系またはチタン系カップリング剤で予備処
理して使用することもできる。
【0044】また、本発明で用いる熱可塑性樹脂、たと
えばサーモトロピック液晶ポリマーには、本発明の目的
を損なわない範囲で、酸化防止剤および熱安定剤(例え
ば、ヒンダードフェノール、ヒドロキノン、フォスファ
イト類およびこれらの置換体等)、紫外線吸収剤(例え
ば、レゾルシノール、サリシレート、ベンゾトリアゾー
ル、ベンゾフェノン等)、滑剤および離型剤、染料(例
えばニトロシン等)、および顔料(例えば、硫化カドミ
ウム、フタロシアニン、カーボンブラック等)を含む着
色剤、難燃剤、可塑剤、帯電防止剤等の通常の添加剤を
添加し、所定の特性を付与することができる。強化剤お
よび充填剤等は、樹脂組成物全体に対して80重量%以
下、好ましくは70重量%以下配合することができる。
【0045】サーモトロピック液晶ポリマーを射出成形
する場合、射出成形条件としては、樹脂温200〜42
0℃、金型温度60〜170℃、より好ましくは60〜
130℃、射出圧力50〜4000kg/cm2、射出
速度5〜1000mm/secの範囲から適宜に選択で
きる。
【0046】射出成形時、アーム部のいずれかの箇所に
設けられたゲートから射出された各溶融樹脂流は各アー
ム部を充填しながら最後には回転軸に対してその反対側
の箇所で合流する。アーム部の羽根の厚みが厚い方のア
ーム部が早く充填されることになる結果、該アーム部の
樹脂流は早く該合流部へ到達する。
【0047】ここで、前記構成とは反対に、最も外側の
羽根の厚みが厚い場合には、外側アーム部からの樹脂流
が早く到達するために当該合流部でのガスの巻き込みが
発生し易くなる。これは機械的強度の低下につながるの
で好ましくない。なお、ガスは溶融樹脂あるいは充填材
等から発生するものであるが、より高温で溶融するよう
な樹脂、たとえばサーモトロピック液晶ポリマーなどの
ようなエンジニアリングプラスチックの場合ガスが発生
し易い傾向があるので、特にガスの巻き込みに注意する
必要がある。従って、上記構成はサーモトロピック液晶
ポリマーを用いる場合に特に有利となる。
【0048】
【作用】この構成において、固定化可動コイルは、あら
かじめ可動コイルとその端子ピンを熱可塑性樹脂により
固定して形成される。可動コイルと端子ピンの固定化
は、常法のインサート成形により行うことができる。す
なわち、金型内に可動コイルと端子ピンをセットし、常
法により熱可塑性樹脂を射出成形することにより固定化
がなされる。端子ピンには、可動コイルからの二つの導
線が接続されている。その後この固定化可動コイルを射
出成形用金型にセットし、熱可塑性樹脂をアーム部の先
端部分またはその近傍の位置から射出することによりア
クチュエータが形成される。可動コイルを固定化するた
めの熱可塑性樹脂と、アームを形成する熱可塑性樹脂と
は同一でも異なっても良い。アームを形成する樹脂は、
好ましくは前述のサーモトロピック液晶樹脂であるが、
可動コイルを固定化するための樹脂は、固定化が容易で
あれば良く、特に限定されない。
【0049】これによれば、固定化可動コイルを形成し
た時点で、可動コイルの短絡等をチェックし得るため、
アクチュエータ全体をロスすることなく、効率的にアク
チュエータが製造される。
【0050】また、複数のアーム部を有するアームを樹
脂により一体成形するようにするため、各アーム部を積
層する必要がなくなり、製造工程が短縮されるととも
に、各アーム間の位置精度が向上し、したがって、歩留
も改善される。
【0051】また、熱可塑性樹脂、特にサーモトロピッ
ク液晶ポリマーで射出成形する場合は、樹脂が流れる方
向に分子が配向して金属に近い線膨張率となるため、ア
クチュエータの金属部分に対する寸法精度が向上すると
ともに、剛性も向上する。
【0052】さらにまた、本発明においてはアーム部の
先端、またはその近傍からアーム部の長手方向に向かっ
て樹脂を射出成形する。かかる場合、熱可塑性樹脂、た
とえばサーモトロピック液晶ポリマーの分子は流れ方向
に配向する。この際この配向作用により、該ポリマー中
に配向されている繊維状充填材(アスペクト比で3以上
のものが好ましい。)も同時に流れ方向に強く配向す
る。
【0053】したがって、繊維状充填材による機械的補
強効果等の配合される樹脂に与える諸機能は上記配向に
よってその効果がさらに向上される。この諸機能には、
該補強効果のほか、導電性でかつ繊維状の充填材を使用
する場合における表面抵抗の低下も挙げられる。
【0054】ここで、プラスチックは本質的には導電性
でないために、プラスチックからなる成形品、特に電気
部品の場合、静電気対策、そのほかの理由から導電性を
付与させることが多い。この目的のために繊維状の充填
材も含め導電性充填材を配合することも考えられる。
【0055】なお、熱可塑性樹脂は、通常、非導電性で
ある。本発明の熱可塑性樹脂は、熱可塑性樹脂にカーボ
ンファイバ、グラファイトファイバ、カーボンブラッ
ク、金属ファイバ、金属フレーク等を適宜の量を混合
(配合)することで、樹脂に導電性を付与させる。
【0056】しかしながら、単に配合し、これを射出成
形するのみでは、該導電性充填材自身の有する導電性が
充分に発揮され得ないのである。上記のように、繊維状
でかつ導電性の充填材を強く配向させることが必要なの
である。このように強く配向させることにより、単に射
出成形して方向性なく(配向させることなく)成形した
製品と比較して格段に導電性が向上する。この導電性
は、例えばアーム部等の射出成形品の表面抵抗の値から
判断される。
【0057】複数枚、好ましくは3枚以上のアーム部を
有するアームを成形する場合には、各アーム部間を連結
する構造となるように成形する。この連結部は、各アー
ム部間に少なくとも1個存在させる。連結部は、最終製
品には不要なものであるので、最終的には、製品から切
断、除去される。したがって、通常は、ランナおよびス
プルー等によりこの連結部を構成するのが便利である。
【0058】このように、複数枚の各アーム部が連結部
を有するように成形することにより、樹脂が充分固化す
るまで各アーム部の相対的な位置が固定化され、これが
変動することはない。すなわち、固化の間における変形
等が最も生じ易いところ、射出成形後、金型から取り出
し、充分固化後に、ランナ、スプルー等の連結部を切
断、除去すれば、該固化の間の変形が少なくなり、好ま
しいものである。また、連結部の存在により、これが補
強作用を奏し、強固となる結果、金型からの脱型時、突
き出しピンによる変形等が少なくなり好ましい。
【0059】複数枚のアーム部は、好ましくは3〜20
枚である。各アーム部の厚みは0.1〜10mmの範囲
から適宜に選択される。また、アーム部自体の長さは1
〜50cmの範囲にあるのが通常である。
【0060】
【実施例】以下、図面を用いて本発明の実施例を説明す
る。図1は、本発明の第1の実施例に係るディスク装置
のアクチュエータを示す平面図であり、図2は図1のA
A線断面図である。これらの図に示すように、このアク
チュエータは、固定化可動コイル31に対し、熱可塑性
樹脂製アーム10をその射出成形時に固着してなるもの
である。アーム10は6枚のアーム部3、それらの先端
部に設けられたヘッドサスペンション取付用の穴5、お
よび回転軸が挿入される穴4を有する。
【0061】図3は、固定化可動コイル31の平面図、
図4は図3の側面図、図5は図3のAA線断面図、図6
は図3のBB線断面図、図7は図3のCC線断面図であ
る。これらの図において、1はアクチュエータ駆動用の
可動コイル、2は可動コイル1に電流を通電するための
端子ピン、9は可動コイル1および端子ピン2を一体化
・固定化している熱可塑性樹脂である。
【0062】次に、アクチュエータの製造方法について
説明する。まず、金型内に可動コイル1と端子ピン2を
セット(インサート)し、熱可塑性樹脂を射出すること
により固定化可動コイル31を作製する。このとき、樹
脂はコイル1周辺を囲むように射出するとともに、その
樹脂の中に端子ピン2が埋設されるようにする。また、
このとき、固定化可動コイル31の、例えば外周に突起
等を形成しておくと、これが系止構造となって、次の工
程で、アーム10と固定化可動コイル31とがしっかり
と固着し、固定化可動コイル31とアーム10間の抜け
を防止することが可能となる。
【0063】次に、作製した固定化可動コイル31につ
いて導通試験等を行い、コイル1およびそれに接続した
導線が短絡、断線等の不良を起こしていないか検査す
る。また、固定化可動コイル31の変形なども検査す
る。良品と判断された固定化可動コイル31に対して
は、次の工程においてアームが固着される。
【0064】すなわち、良品の固定化可動コイル31を
金型にセットし、アーム部の先端部分あるいはその近傍
から熱可塑性樹脂を射出することにより、アーム10を
成形すると同時にアーム10を固定化可動コイル31に
固着させる。このとき、アーム10は、コイル1の更な
る固定化にも寄与する。かくして全樹脂化のアクチュエ
ータが成形される。
【0065】この際、樹脂の射出は、各アーム部3の先
端またはその近傍から行う。これによりアーム部3が複
数枚あっても、アーム10が同時に一体成形される。各
アームの先端、またはその近傍以外の箇所、例えば、ア
ーム10の回動中心、あるいはアーム部3の途中から射
出することによりアームを一体成形すると、各アーム部
3に反りができ易い。樹脂として、特に後述のサーモト
ロピック液晶ポリマーは配向しやすい樹脂であるため
に、この傾向は著しい。
【0066】樹脂は、剛性等の面を考慮すればエンジニ
アリングプラスチックが好ましい。また、好ましい熱可
塑性樹脂はサーモトロピック液晶樹脂である。すなわ
ち、パラヒドロキシ安息香酸、テレフタル酸、イソフタ
ル酸およびビフフェノールからそれぞれ誘導される繰返
単位を有するサーモトロピック液晶コポリステル(偏光
顕微鏡による観察で溶融時光学的異方性を示すことを確
認した。また、DSCによる融点は360℃であっ
た。)100重量部に炭素繊維(アスペクト比4)30
重量部を配合してなる樹脂組成物を用いるのが好まし
い。
【0067】なお、固定化可動コイル31に使用するコ
イルの固定化のための熱可塑性樹脂と、アーム10の熱
可塑性樹脂は、同一でも異なる種類の樹脂でも良いが、
好ましくは、異ならせる。つまり、初めのコイルの固定
化の樹脂は、非導電性樹脂とし、アームを構成する熱可
塑性樹脂は導電性を有する樹脂とする。コイル1の線
は、絶縁皮膜で絶縁されているが、初めの固化化の際の
溶融樹脂で皮膜が破れ易く、それゆえ、初めの固定化を
非導電性樹脂とすれば、皮膜が破れても、樹脂がその代
わりになって絶縁が保てる。
【0068】また、アーム10を構成する熱可塑性樹脂
を導電性とすれば磁気ヘッドにおける静電気障害を防止
できる。
【0069】なお、熱可塑性樹脂は通常非導電性であ
る。したがって、熱可塑性樹脂にカーボンファイバー、
グラファイトファイバ、カーボンブラック、金属ファイ
バー、金属フレーク等を適宜に適着の量を混合(配合)
することで熱可塑性樹脂に導電性を付与させる。
【0070】図8は本発明の第2の実施例に係るディス
ク装置のアクチュエータを示す平面図、図9は図8のA
A線断面図、図10は図8の側面図、図11は図8の固
定化可動コイルの平面図である。図8は、固定化可動コ
イル31の側面に突起6を設け、固定化可動コイル31
を囲むように熱可塑性樹脂を射出成形したものである。
【0071】図12は本発明の第3の実施例に係るディ
スク装置のアクチュエータを示す平面図、図13は図1
2の固定化可動コイルの平面図である。図12は、固定
化可動コイル31の側面に突起または/および穴7を設
け、熱可塑性樹脂を射出成形したものである。突起およ
び/または穴7により、アーム3の抜け防止となる。図
14は、アーム部が3枚ある場合の、射出成形用の金型
の、部分的な断面図である。図15は、図14のAA線
断面図である。金型は、これらの図に示すように、金型
部分21〜27により構成される。金型部分21は、穴
4の内壁をかたどる縦方向のピン(不図示)や、穴5を
構成する金属部材5a〜5cを配置するためのピン28
を有する。金型部分27は、スプルー、ランナ、および
ゲート(いずれも図示せず)に対応する部分である。図
14においては、その一方の部分のみが現れているが、
他方の部分と組み合わせることにより、スプルー19、
ランナ20およびゲート20´を構成するものである。
金型部分22,23および24,25もそれぞれ、金型
部分22と23および金型部分24と25とに分割され
る。
【0072】射出成形に際しては、まず、金属部材5a
をピン28に挿入し、ピン28の下端に配置する。次
に、金型部分22および23を図15で見て左右の方向
から金型部分21および金属部材5a上に配置する。次
に、金属部材5bをピン28に挿入し、金型部分22お
よび23上に配置する。次に、金型部分24および25
を同様に金型部分22および23ならびに金属部材5b
上に配置する。次に、金属部材5cをピン28に挿入
し、金型部分24および25上に配置する。そして、金
型部分26をピン28に挿入するとともに、金型部分2
4および25ならびに金属部材5c上に配置する。そし
て最後に、2分割された金型部分27の各分割部分を対
向させ、そのゲート20部分を、他の金型部分21〜2
6の先端部分に挿入して配置することにより、金型の組
立を完了する。
【0073】射出成形を行なうために、このようにして
組み立てた金型のスプルー19および各ランナ20を介
して、溶融した樹脂を射出すると、樹脂は、各ゲート2
0´から軸穴4部分の方へ流れ、そして、軸穴4部分の
両側へ回り込み、ウェルド・ライン部分に到達する。こ
のとき、この流れの方向に樹脂の分子が配向する。樹脂
が固化したら、樹脂から金型を金型部分26、24,2
5、22,23、21、27の順で解放することにより
脱型し、さらに、樹脂が完全に固化した状態でスプルー
および各ランナを切り離すことにより、アームを得るこ
とができる。スプルー、ランナ等は、各アーム部を連結
する役割を果たす。これら連結部の存在により、各アー
ム部の相対的な位置変位が少なくなる。例えば、脱型の
ための突き出しピンによっても変形が少ない。したがっ
て、スプルーやランナなどの連結部の構成は、その補強
効果により突き出しピンなどによる変形が少なくなる程
度の長さ、幅、厚み等とすることができる。ただし、該
連結部の厚みはアームの各アーム部の厚みと同一とする
のが製作上好ましい。このようにして得られるアーム
は、上述のように分子が配向しているため、アームの線
膨張率は金属に近い値となる。すなわち、各アーム部先
端から射出成形されるところから、樹脂の分子はアーム
部の長手方向に配向し、この方向の線膨張係数は、それ
に直角方向の線膨張係数よりも小さくなる。この傾向
は、前記サーモトロピック液晶ポリマーにおいて著し
く、この液晶ポリマーではアーム部長手方向の線膨張係
数は樹脂としては特に小さく、金属のそれに近いものと
なる。線膨張係数が小さいことは寸法精度の良いことに
つながり、アクチュエータのアーム寸法精度はその長手
方向が重要であるから、特に長手方向に寸法精度がよい
ことは極めて有利なこととなる。したがってこのアーム
でアクチュエータを構成した場合、金属部分に対する寸
法精度が高く、剛性も高いものとなる。
【0074】さらにまた、炭素繊維の有する導電性が充
分に発揮され得るので、アームはその表面抵抗が極めて
小さい。
【0075】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、可
動コイルを固定化した後でアームを成形するようにした
ため、可動コイルの固定化が失敗しても、それによるロ
スを最小限とすることができる。
【0076】また、前記した従来の方法(特開平3−2
77160)と比較し、一見すると工程が同じように見
えるが、本発明では複数枚のアーム部を有するアーム
を、従来とは異なり、一度に成形するため、工程数を大
幅に減らすことができる。
【0077】また、導電性樹脂と非導電性樹脂とを使い
分けることにより、コイルの絶縁と静電気障害防止とを
同時に達成することが可能である。
【0078】また、成形を、射出成形によって行い、そ
の際、各アーム部の先端部分から熱可塑性樹脂を射出す
ることにより、アームの寸法精度や剛性を向上させるこ
とができる。
【0079】また、複数枚の各アーム部が連結部を有す
るように成形することにより、樹脂が充分固化するまで
各アーム部の相対的な位置が固定化され、これが変動す
ることがない。また、連結部の存在により、これが補強
作用を奏し、強固となる結果、金型からの脱型時、突き
出しピンによる変形等が少なくなり好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例に係るディスク装置の
アクチュエータを示す平面図である。
【図2】 図1のAA線断面図である。
【図3】 図1における固定化可動コイルを示す平面図
である。
【図4】 図3の側面図である。
【図5】 図3のAA線断面図である。
【図6】 図3のBB線断面図である。
【図7】 図3のCC線断面図である。
【図8】 本発明の第2の実施例に係るディスク装置の
アクチュエータを示す平面図である。
【図9】 図8のAA線断面図である。
【図10】 図8の側面図である。
【図11】 図8の固定化可動コイルの平面図である。
【図12】 本発明の第3の実施例に係るディスク装置
のアクチュエータを示す平面図である。
【図13】 図12の固定化可動コイルの平面図であ
る。
【図14】 アーム部が3枚ある場合の、射出成形用の
金型の、部分的な断面図である。
【図15】 図14のAA線断面図である。
【符号の説明】
1:可動コイル、2:端子ピン、3:アーム部、4:回
動軸に嵌合する穴、5:穴、5a〜5c:金属部材、
6,7:固定部材、8,9:保持部材、10:アーム、
11:素線、19:スプルー、20:ランナ、20´:
ゲート、21〜28:金型部分、31:固定化可動コイ
ル。
フロントページの続き (72)発明者 元井 健 群馬県太田市下小林町242 (72)発明者 岩滝 行雄 東京都大田区東雪谷四丁目17番12号

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂により可動コイルとその端
    子ピンが固定化されてなる固定化可動コイルおよび該コ
    イルと射出成形により形成されてなる前記熱可塑性樹脂
    と同一または異なる熱可塑性樹脂製アームとが該射出成
    形時に固着されてなるアクチュエータ。
  2. 【請求項2】 前記アームは、複数枚、好ましくは3枚
    以上のアーム部を有し、前記射出成形時に一体成形され
    たものであることを特徴とする請求項1記載のアクチュ
    エータ。
  3. 【請求項3】 前記アームを形成する熱可塑性樹脂は、
    サーモトロピック液晶ポリマーであることを特徴とする
    請求項1記載のアクチュエータ。
  4. 【請求項4】 前記アームを形成する熱可塑性樹脂が、
    前記固定化可動コイルの周囲全体を覆っていることを特
    徴とするアクチュエータ。
  5. 【請求項5】 前記固定化可動コイルは、前記熱可塑性
    樹脂製アームと係止するための構造体を有することを特
    徴とする請求項1記載のアクチュエータ。
  6. 【請求項6】 熱可塑性樹脂により可動コイルとその端
    子ピンを固定化した固定化可動コイルを金型内にインサ
    ートし、樹脂を射出することにより、アームを成形する
    と同時に該固定化コイルとアームとを固着させることを
    特徴とするアクチュエータの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記熱可塑性樹脂は、前記アームの先端
    部分あるいはその近傍から射出されることを特徴とする
    請求項3記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記アームは、複数枚、好ましくは3枚
    以上のアーム部を有し、各アーム部間が樹脂により連結
    されてなるように樹脂を射出することを特徴とする請求
    項6記載の製造方法。
JP16935595A 1995-06-13 1995-06-13 ディスク装置のアクチュエータおよびその製造方法 Pending JPH08339918A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1098316A2 (en) * 1999-11-02 2001-05-09 Nagase & Company, Ltd. Process for producing an oscillating actuator

Cited By (3)

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EP1098316A2 (en) * 1999-11-02 2001-05-09 Nagase & Company, Ltd. Process for producing an oscillating actuator
KR20010110958A (ko) * 1999-11-02 2001-12-15 나가세 히데오 요동형 액추에이터의 제조방법
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