JP3637992B2 - ヘッド位置決め装置用部材の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、情報を記録・再生するためのディスクドライブ装置のヘッドの位置決め装置に使用され、キャリッジ部分およびアーム部分を有する、寸法精度に優れた熱可塑性樹脂部材の製造方法に関する。この部材は、例えば、ハードディスク装置の揺動型のヘッド位置決め装置に使用され、寸法精度、寸法の安定性、寸法調整の柔軟性等に優れたものである。
【0002】
【従来の技術】
ハードディスクドライブ装置、光ディスクドライブ装置、フロッピーディスク装置等に代表される、情報を記憶または検索するためのディスクドライブ装置で使用されるヘッド位置決め装置は、従来、金属材料を主原料として製造されている。しかしながら、近年、省スペース化、軽量化、組立工程の省力化等の要求から、高剛性で精密成形が可能なエンジニアリングプラスチックの使用が提案されている。
【0003】
例えば、ハードディスク装置に使用される揺動型のヘッド位置決め装置への熱可塑性樹脂製部材の適用に関し、特開昭61−104376号公報では繊維強化熱可塑性樹脂の使用、特開昭63−99756号公報では金属粉充填熱可塑性樹脂の使用、特開平4−229062号公報では引張弾性率300,000Kg/cm2 以上の熱可塑性樹脂の使用、そして米国特許5,382,851では金属パッドを有する熱可塑性樹脂製アームの使用を提案している。
【0004】
また、ディスクドライブに使用されるキャリッジ部に関して、特開昭63−136364号公報では無機充填材含有液晶ポリマの使用を、特開平6−176427号公報はポリエーテルエーテルケトンの使用を提案している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの公報では、高剛性で精密成形が可能なエンジニアリングプラスチックの特性が十分に発揮されたときに得られる効果を述べているのみである。熱可塑性樹脂は広く認められているように、成形方法によってその材料特性は大きく異なることがあるにもかかわらず、これらの公報には、どのような成形方法を使用することによって、要求される寸法精度を満たす成形品が得られ、また、要求される特性が発揮されるかについての具体的開示はない。
【0006】
近年、ディスクドライブ装置本体に関する、上述のような省スペース化、軽量化、組立工程の省力化等の要求から、ヘッド位置決め装置の部品の形態については、主として部品の統合、一体化が進行している。
【0007】
例えば、磁気ディクス、光磁気ディスク、光ディスク等のハードディスクについて用いられる揺動型のヘッド位置決め用アクチュエーターでは、揺動中心(回動中心)を構成するロータリーキャリッジと、一方の先端に磁気や光の読み取りまたは書き込み機能を発揮する機能部材(ヘッド)が設置されるヘッドアームが一体化した形状の部材が使用されている(通常は、さらにヘッドサスペンションが介在してヘッドを保持する。)。ここで、ロータリーキャリッジは樹脂により形成されることがあるものの、ヘッドアームは実際上金属板が多く使用されているのが現状である。この理由は、単なる樹脂の射出成形によるヘッドアームの成形では、長尺・板状形状のヘッドアーム部分の変形(反り、捻れ等)をきたす恐れが大であり、ヘッド位置決め装置の部材としては、寸法精度等の精度が不足することがあるからである。ヘッドの位置は直接ヘッドアームにより決定されるのであるから、ヘッド位置決め装置においてアーム精度の要求度が特に高いことは当然である。
【0008】
従って、従来にも増して、寸法精度における技術的課題を克服した熱可塑性樹脂ヘッド位置決め装置用の部材が求められており、本発明の目的は、かかる部材を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明では、ヘッド位置決め装置用部材におけるキャリッジとなる部分(以下、単に「キャリッジ」という)と、ヘッドアームとなる部分(以下、単に「アーム」という)とが一体でありながら、これらを特定の形状に同時かつ一体に射出成形して、ゲート近傍およびそれとは反対側の流頭部分に発生する残留応力の大きい部分を、アーム以外の部分、または成形後に除去される部分に配置することにより、アーム内での成形歪みの残留を極力抑えるようにするとともに樹脂の流動を制御して、アームを構成する部材の均一性および剛性を高め、もってアームの寸法精度の向上を図っている。また、前記除去部分間の相対位置を固定してアニーリングを施すことにより、さらに寸法精度を向上させるとともに、寸法精度の安定性および寸法調整の柔軟性において優れたものとしている。
【0010】
より具体的には、本発明の製造方法は、情報を記録・再生するためのディスクドライブ装置のヘッドの位置決め装置に使用され、キャリッジ部分および複数のアーム部分を有する部材を、熱可塑性樹脂の成形材料により一体かつ同時に射出成形する、ヘッド位置決め装置用部材の製造方法であって、前記アーム部分を成形するキャビティ部分に直結しないゲートから成形材料を注入して、各アーム部分の先端に対し狭部を介してアーム部分の長手方向にそれぞれ連結した所定の除去部分と共に位置決め装置用部材を射出成形し、この射出成形により得られた成形物の各除去部分間の相対位置を固定して成形物にアニールを施し、そしてこのアニールの後、成形物から前記除去部分を除去してヘッド位置決め装置用部材を得ることを特徴とする。
【0011】
成形材料の注入は、例えば、いずれかの除去部分を成形するキャビティ部分内において成形材料の充填が終了するように設定されたゲートを経て行なう。成形材料の充填は、少なくとも一つの除去部分を成形するキャビティ部分内において未充填部分を残した状態で終了するのが好ましい。
【0012】
各除去部分は、それが連結しているアーム部分の1/2以下1/4以上の体積を有し、かつ前記長手方向に垂直な断面が、そのアーム部分の横断面と同一、相似または類似の形状を有するのが好ましい。
【0013】
成形材料として用いる熱可塑性樹脂は、繊維状充填材を含み、かつ固化後の引張弾性率が100,000kg/cm2 以上であるのが好ましい。このような熱可塑性樹脂として、例えばサーモトロピック液晶ポリマを用いることができる。
【0014】
さらに、キャリッジ部分にそれを揺動可能に支持する軸に嵌合する筒状のインサート部材を射出成形時にインサートしても良い。ディスクドライブ装置は、例えば磁気、光・磁気または光ディスクのハードディスクドライブ装置であり、ヘッド位置決め装置は例えば揺動型アクチュエータである。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施形態に係るハードディスクドライブ装置用のヘッド位置決め装置用部材1および除去部分2を含む成形物の平面図であり、図2はその側面図である。部材1は、キャリッジ3および3つのアーム4を一体かつ同時に射出成形したものであり、かつアーム4には、溶融樹脂の流動先端の合流によるウェルドラインなどや流動先端の衝突による乱流などは少ない。除去部分2は、各アーム4の先端に対し狭部5を介して連結し、アーム4の長手方向の延長線上に位置している。図1中の6は、ヘッド取付け用の穴である。なお、除去部分2および狭部5は、ゲート、スプルー、ランナのいずれの部分とも異なり、これらゲート等は別個に設けられる。また、アーム4とキャリッジ3との接合部には、必要に応じてRを設け、寸法精度が得られ易いようにしている。
【0016】
射出成形は、アーム4を成形するキャビティ部分に直結しないゲートから熱可塑性樹脂の成形材料を金型内へ注入して行なう。ここでは、キャリッジ3(を成形するキャビティの)部分のアーム4とは反対側の端部から矢印A方向に注入し、あるいは各除去部分2部分の狭部5とは反対側の端部から矢印B方向へ注入する。
【0017】
キャリッジ3部分の端部から矢印A方向に樹脂の注入を行なうとき、除去部分2部分は、アーム4部分を長手方向に流動する熱可塑性樹脂の樹脂溜りとしての機能を有する。これにより、流動樹脂の先端(流頭)がアーム4部分内において流動方向の金型壁に衝突し、乱流状態のままアーム4部分内で固化することはない。流頭はアーム4部分を通過した後、除去部分2部分内で金型壁に衝突し固化する。したがって、残留歪みの大きい流頭の固化部分がアーム4部分内に生じるのを回避するとともに、アーム4部分内における樹脂の流動の均一性を保つことができる。これによれば、アーム4の機械的特性を均一にするとともに、アーム4の反りや捩れの発生を抑制して寸法精度を向上させることができる。
【0018】
上記射出方向と異なり各除去部分2部分の端部から矢印B方向へ樹脂を注入するときは、ゲートから注入される樹脂は必然的に各除去部分2部分を経てから、アーム4部分へ流入する。したがって、ゲート近傍の残留歪みを有する部分(ゲートからの流入部分)は除去部分2に存在し、アーム4には存在しない。また、アーム4部分へ流入する樹脂は、そこで留まることなくさらにキャリッジ3部分へ流入するため、アーム4部分内で流頭が金型壁に衝突して固化するということはなく、流頭はキャリッジ3部分内で衝突して固化する。したがって、この場合も、残留歪みの多い流頭の衝突・固化部分がアーム4内に生ずるのを回避できるとともに、アーム4部分内における樹脂の流動の均一性を保持することができ、これにより、機械的特性が均一でかつ寸法精度の優れたアーム4を得ることができる。
【0019】
上記B方向から射出するような場合、各除去部分2部分の端部から矢印B方向へ樹脂を注入するときは、各除去部分2には、必然的に共通のランナが連結されるため、除去部分2の体積が小さい等の理由で、ランナの固化過程における成形収縮等による寸法変化が影響してアーム4の寸法精度を悪化させたり、アーム4の反りや捩れを生じさせるおそれがあることがある。このような場合には金型から成形物を取り出した後、すみやかにゲート部分を切断してランナと除去部分2とを分離するのが好ましい。
【0020】
上記A方向またはB方向のいずれから射出する場合でも各除去部分2は、相互に直接的に連結しあるいは各アーム4に共通のものとするのは好ましくない。これは、除去部分2の固化過程における成形収縮等による寸法変化が、各アーム4間の寸法精度を劣化させたり、アーム4に反りや捩じれを生じさせるのを避けるためである。ただし、例えば、後述するように、アーム4に対する体積の比率が大きい等、除去部分2が特定の条件を満たす場合はこの限りではない。
【0021】
狭部5は上述の効果、すなわちアーム4部分における流頭の衝突・固化部分の発生の回避および樹脂の流動状態の均一性を担保できる形状を有するものであれば良い。すなわち、狭部5の存在により、例えばA方向から樹脂が射出される場合にはキャリッジ3からアーム4部分に順次充填された樹脂は、該狭部5において樹脂流が一旦絞られるため、流入樹脂は充分にアーム4部分を形成するキャビティ内を充填することになる。それ故、余りに狭い狭部では樹脂の流動状態の均一性を担保することが難しく、かえって好ましくない。従って、例えば、狭部5の断面積は一般的には、アーム4先端の断面積よりも小さくするが小さくとも1/10までであるのが好ましい。また、この効果を十分に発揮させるためには、狭部5の幅W1を、狭部5に隣接する除去部分2端部の幅W2の100%以下30%以上、好ましくは50%以上、さらに好ましくは70%以上とし、アーム4端部の幅W3の100%以下30%以上、好ましくは50%以上、さらに好ましくは70%以上とすればよい。
【0022】
ヘッド取付け用の穴6は、必要に応じて射出成形時にインサートすることによりインサート部材で補強される。穴6にヘッドを取り付けるためには、各種の方法があるが、例えば磁気ヘッドを保持するヘッドサスペンションに固定された中空孔を有する金属製突起部を穴6に挿入し、その中空孔を、その内壁を加圧して拡大することにより、ヘッドサスペンションとアーム4とを一体的に結合する。このとき、穴6の近傍に流頭が衝突し、固化してできた乱流部またはウェルドラインが存在すると、その部分が開裂する場合があるが、上述のようにアーム4には、したがって穴6近傍では、ウェルドラインが存在しないため、穴6の近傍が開裂することはない。また、上述のように、アーム4にはウェルドラインやゲートマーク等の大きな残留応力を有する部分が存在しないため、ヘッドの位置決め用の部材1に対して優れた特性を付与することができる。
【0023】
射出成形により得られた成形物に対しては、各除去部分2間の相対位置を固定してアニールを施し、そしてこのアニーリング処理の後、成形物から除去部分2を除去してヘッド位置決め装置用部材1を得る。
【0024】
図3は、このアニーリング処理に先立ち、各除去部分2間の相対位置を治具8により固定する様子を示す平面図であり、図5は治具8を矢印9方向から見た図である。図5に示すように、治具8には3つの開口部11が設けられており、開口部11は、除去部分2のBB線断面(図6)の形状に一致している。各除去部分2間の相対位置を治具8により固定するためには、図3に示すように、治具8を、矢印10方向に移動させて、各除去部分2に嵌合させればよい。図4は治具8で各除去部分2間の相対位置が固定された様子を示す側面図である。図7は図4のCC線断面図である。CC線は図3のBB線に一致する。嵌合された治具8はBB線(CC線)上に位置して、各除去部分2間を固定し、各除去部分2間の寸法精度を極めて良好に維持する。また、嵌合は強固であるため、治具8のゆるみによる寸法のずれの発生は抑えられる。また、従来は金型の修正で行っていたアーム4間の相対距離の調整を、開口部11間の間隔Dを変更することによって容易に行うことができる。
【0025】
アニーリング処理は、残留応力の緩和および結晶化の促進を主とし、長期使用における部材1の寸法変化を防止する目的を有する。アニーリング処理の条件(温度、時間、使用機器等)は、成形材料として使用される熱可塑性樹脂により異なるが、前記目的を達成し得る条件を公知技術に従って選択すればよい。なお、各除去部分2間の固定は、上述のように、成形後に治具8を除去部分2に嵌合させて行うのが、簡便であり、好ましいが、治具を、射出成形時にインサートして固定するようにしてもよい。
【0026】
加熱処理における温度は、室温を越え樹脂の熱変形温度までの任意の温度で行う。好ましくは、金型温度の温度を越える温度であって、金型温度よりも100℃高い温度以下の温度範囲である。
【0027】
加熱手段は、簡便であることもあり通常は適宜のオーブンを利用する空気浴とすることができる。また樹脂に不活性な溶媒を用いる液浴とすることも可能である。加熱時間は寸法等の物性変化を勘案しながら適宜に決定されるが、通常は10分〜5時間を要する。液浴では空気浴よりも一般に加熱時間は短縮できる。
【0028】
このようにして得られるアームは、上述のように分子が配向しているため、アームの線膨張率は金属に近い値となる。すなわち、各アーム部の先端から射出成形されるところから、樹脂の分子はアーム部の長手方向に配向し、この方向の線膨張係数は、巾方向(直角方向)の線膨張係数よりも小さくなる。この傾向は、前記サーモトロピック液晶ポリマーにおいて著しく、この液晶ポリマーではアーム部長手方向の線膨張係数は樹脂としては特に小さく、金属のそれに近いものとなる。線膨張係数が小さいことは寸法精度の良いことにつながり、アクチュエータのアーム寸法精度はその長手方向が重要であるから、特に長手方向に寸法精度が良いことは極めて有利なこととなる。したがってこのアームでアクチュエータを構成した場合、金属部分に対する寸法精度が高く、剛性も高いものとなる。
【0029】
このように、アニーリング処理を、治具8で除去部分2を固定して行うことには次の▲1▼〜▲4▼の利点がある。
【0030】
▲1▼ アーム4やキャリッジ3等への治具の直接的な取付けを回避することができるため、治具の取付けや取外し時の応力によるアーム4やキャリッジ3等への変形や傷の発生を避けることができる。なお、この効果は、治具8で除去部分2を固定したまま除去部分2を切除することにより、さらに大きなものとすることができる。
【0031】
▲2▼ また、アーム4は、両端が、キャリッジ3との接続部、および除去部分2に連結した狭部5によって固定されるため、アーム4には全体に均一な応力が加わる。なお、この効果を十分に発揮させるためには、狭部5の幅W1を、狭部5に隣接する除去部分2端部の幅W2の100%以下30%以上、好ましくは50%以上、さらに好ましくは70%以上とし、アーム4端部の幅W3の100%以下30%以上、好ましくは50%以上、さらに好ましくは70%以上とすればよい。
【0032】
▲3▼ また、除去部分2は必要に応じて狭部5とともに最終的に除去されるため、治具8を除去部分2に強固に固定することができ、治具8のずれに起因する寸法誤差が発生しない。アーム4等の固定では、該アーム部に変形等を生じるおそれある。また、除去部分2の形状を任意に変更することにより、治具選定の自由度を拡大することができる。
【0033】
▲4▼ さらに、治具8が除去部分2を固定するものであるため、治具8の熱膨張、熱伝導等の、アーム4の寸法精度に影響を与える因子を実質的に無視することができる。したがって、治具8の材料には制限がなく、固定に必要な形状とすることができるものであれば、金属、合成樹脂、セラミックス等のいずれを用いてもよい。これらの中では、耐熱性、形状の自由度、軽量性、剛性、寸法精度等の観点から、エンジニアリングプラスチック製のものが好ましい。
【0034】
ところで、キャリッジ3端部から矢印A方向に樹脂の注入を行なうとき、除去部分2において樹脂の金型内への充填が終了する。その際、樹脂はキャリッジ3、アーム4、そして除去部分2の順で充填されてゆく。このため樹脂は乱れの少ない状態でキャリッジ3部分からアーム4部分へ流入する。したがって、より均一で優れた部材1を得ることができる。
【0035】
また、キャリッジ3端部から矢印A方向に樹脂の注入を行なうとき、除去部分2のうちの少なくとも1つに未充填部分が残るようにすることにより、除去部分2においても、残留歪みの発生を実質的に防止することができ、この場合は当然にアーム4にも残留歪みが少ない。したがってアーム4における残留応力の発生をより有効に防止し、より優れた部材1を得ることができる。
【0036】
また、各除去部分2の体積は、それが連結しているアーム4の1/2以下1/4以上の体積であり、かつ各除去部分2のアーム4の長さ方向に垂直な断面形状は、好ましくは連結しているアーム4の横断面と同一、相似、または類似の形状を有する。この場合、キャリッジ3部分の端部から矢印A方向に樹脂を注入すると、キャリッジ3部分からアーム4部分へ流入する樹脂は、アーム4部分先端から除去部分2部分へ、よりすみやかに流動するため、樹脂は、より乱れの少ない状態でアーム4部分に充填される。また、狭部5近傍およびおよび樹脂充填の最終部(流頭が流動方向の金型壁に衝突して固化する部分)の残留歪みがアーム4に与える影響を極めて小さくすることができる。これにより、さらに均一で優れた部材1を得ることができる。
【0037】
また、成形材料として用いられる熱可塑性樹脂は、繊維状充填材を含み、かつ固化した場合の引張弾性率が100,000kg/cm2 以上である。この樹脂を金型内へ注入すると、アーム4部分における樹脂の流れの方向がアーム4の長さ方向に一致するため、樹脂内の繊維状物質の配向と、樹脂の引張弾性率との相乗効果により、アーム4の長さ方向の弾性率を高め、より優れた部材1を得ることができる。組み合わせ得る熱可塑性樹脂と繊維状充填材としては、例えば、熱可塑性樹脂として、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、変性ポリオキシド樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリフェニレンスルファイド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、サーモトロピック液晶ポリマ樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリイミド樹脂等のエンジニアリングプラスチックを、繊維充填材としては、ガラス繊維、炭素繊維、各種ウィスカー等を挙げることができる。
【0038】
これらの熱可塑性樹脂のうちでも、サーモトロピック液晶ポリマ樹脂を用いるのが、弾性率を向上させて、機械的強度を向上させるのに、好ましい。その理由は明らかではないが、液晶ポリマがアーム4部分から狭部5部分に流入するときも見かけの粘度が大きくは変化しないという特性が関係しているものと考えられる。
【0039】
成形材料としては、耐熱性、寸法安定性に優れたサーモトロピック液晶ポリマー、好ましくはサーモトロピック液晶ポリエステル樹脂を用いる。サーモトロピック液晶ポリマーとは、溶融時に光学的異方性を示し、熱可塑性である溶融可能なポリマーである。このように溶融時に光学的異方性を示すポリマーは、溶融状態でポリマー分子鎖が規則的な平行配列をとる性質を示す。光学的異方性溶融相の性質は、直交偏光子を利用した通常の偏光検査法により確認することができる。
【0040】
上記液晶ポリマーとしては、たとえば、液晶性ポリエステル、液晶性ポリカーボネート、液晶性ポリエステルイミドなど、具体的には、(全)芳香族ポリエステル、ポリエステルアミド、ポリアミドイミド、ポリエステルカーボネート、ポリアゾメチン等が挙げられる。
【0041】
サーモトロピック液晶ポリマーは、一般に細長く、偏平な分子構造からなり、分子の長鎖に沿って剛性が高く、同軸または平行のいずれかの関係にある複数の連鎖伸長結合を有している。
【0042】
本形態で用いるサーモトロピック液晶ポリマーには、一つの高分子鎖の一部が異方性溶融相を形成するポリマーのセグメントで構成され、残りの部分が異方性溶融相を形成しないポリマーのセグメントから構成されるポリマーも含まれる。また、複数のサーモトロピック液晶ポリマーを複合したものも含まれる。
【0043】
サーモトロピック液晶ポリマーを構成するモノマーの代表例としては
(a)芳香族ジカルボン酸の少なくとも1種、
(b)芳香族ヒドロキシカルボン酸系化合物の少なくとも1種、
(c)芳香族ジオール系化合物の少なくとも1種、
(d)(d1)芳香族ジチオール、(d2)芳香族チオフェノ−ル、(d3)芳香族チオ−ルカルボン酸化合物の少なくとも1種、
(e)芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミン系化合物の少なくとも1種、等があげられる。
これらは単独で構成される場合もあるが、多くは(a)と(c)、(a)と(d)、(a)(b)と(c)、(a)(b)と(e)、あるいは(a)(b)(c)と(e)等の様に組合せて構成される。
【0044】
上記(a)芳香族ジカルボン酸系化合物としては、テレフタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−トリフェニルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェノキシブタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルエタン−4,4’−ジカルボン酸、イソフタル酸、ジフェニルエ−テル−3,3’−ジカルボン酸、ジフェノキシエタン−3,3’−ジカルボン酸、ジフェニルエタン−3,3’−ジカルボン酸、1,6−ナフタレンジカルボン酸のごとき芳香族ジカルボン酸またはクロロテレフタル酸、ジクロロテレフタル酸、ブロモテレフタル酸、メチルテレフタル酸、ジメチルテレフタル酸、エチルテレフタル酸、メトキシテレフタル酸、エトキシテレフタル酸等、上記芳香族ジカルボン酸のアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体が挙げられる。
【0045】
(b)芳香族ヒドロキシカルボン酸系化合物としては、4−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸等の芳香族ヒドロキシカルボン酸または3−メチル−4−ヒドロキシ安息香酸、3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ安息香酸、2,6−ジメチル−4−ヒドロキシ安息香酸、3−メトキシ−4−ヒドロキシ安息香酸、3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−5−メチル−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−5−メトキシ−2−ナフトエ酸、2−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、3−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、2,3−ジクロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、2,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、3−ブロモ−4−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドキシ−5−クロロ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−7−クロロ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−5,7−ジクロロ−2−ナフトエ酸等の芳香族ヒドロキシカルボン酸のアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体が挙げられる。
【0046】
(c)芳香族ジオールとしては、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、3,3’−ジヒドロキシジフェニル、4,4’−ジヒドロキシトリフェニル、ハイドロキノン、レゾルシン、2,6−ナフタレンジオール、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)エタン、3,3’−ジヒドロキシジフェニルエ−テル、1,6−ナフタレンジオ−ル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン等の芳香族ジオ−ルまたはクロロハイドロキノン、メチルハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、フェニルハイドロキノン、メトキシハイドロキノン、フェノキシハイドロキノン、4−クロロレゾルシン、4−メチルレゾルシン等の芳香族ジオ−ルのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体が挙げられる。
【0047】
(d1)芳香族ジチオールとしては、ベンゼン−1,4−ジチオ−ル、ベンゼン−1,3−ジチオ−ル、2,6−ナフタレン−ジチオ−ル、2,7−ナフタレン−ジチオ−ル等が挙げられる。
(d2)芳香族チオフェノールとしては、4−メルカプトフエノ−ル、3−メルカプトフェノ−ル、6−メルカプトフェノ−ル等が挙げられる。
(d3)芳香族チオールカルボン酸としては、4−メルカプト安息香酸、3−メルカプト安息香酸、6−メルカプト−2−ナフトエ酸、7−メルカプト−2−ナフトエ酸等が挙げられる。
【0048】
(e)芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミン系化合物としては、4−アミノフェノ−ル、N−メチル−4−アミノフェノール、1,4−フェニレンジアミン、N−メチル−1,4−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−1,4−フェニレンジアミン、3−アミノフェノ−ル、3−メチル−4−アミノフェノ−ル、2−クロロ−4−アミノフェノ−ル、4−アミノ−1−ナフト−ル、4−アミノ−4’−ヒドロキシジフェニル、4−アミノ−4’−ヒドロキシジフェニルエ−テル、4−アミノ−4’−ヒドロキシジフェニルメタン、4−アミノ−4’−ヒドロキシジフェニルスルフィド、4、4’−ジアミノフェニルスルフィド(チオジアニリン)、4,4’ジアミノジフェニルスルホン、2,5−ジアミノトルエン、4,4’−エチレンジアニリン、4,4’−ジアミノジフェノキシエタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン(メチレンジアニリン)、4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル(オキシジアニリン)等が挙げられる。
【0049】
本形態で用いるサーモトロピック液晶ポリマーは、上記モノマーから溶融アシドリシス法やスラリー重合法等の多様なエステル形成法等により製造することができる。
【0050】
本形態で使用できて好適なサーモトロピック液晶ポリエステルの分子量は、約2000〜200000、好ましくは約4000〜100000である。かかる分子量の測定は、例えば圧縮フィルムについて赤外分光法により末端基を測定して求めることができる。また溶液形成を伴う一般的な測定法であるガス透過型クロマトグラフィー(GPC)によることもできる。
【0051】
これらのモノマーから得られるサーモトロピック液晶ポリマーのうち下記一般式(1)で表わされるモノマー単位を必須成分として含む(共)重合体である芳香族ポリエステルが好ましい。特に好ましいものは、該モノマー単位を5モル%以上含む芳香族ポリエステルである。
【0052】
【化1】
本形態で使用できる特に好ましい芳香族ポリエステルは、p−ヒドロキシ安息香酸、フタル酸およびビフェノールの3種の化合物からそれぞれ誘導される構造の繰返し単位を有する下記一般式(2)で表わされるポリエステルである。この一般式(2)で表されるポリエステルのビフェノールから誘導される構造の繰り返し単位は、その一部または全部をジヒドロキシベンゼンから誘導される繰り返し単位で置換されたポリエステルであることもできる。p−ヒドロキシ安息香酸およびヒドロキシナフタリンカルボン酸の2種の化合物からそれぞれ誘導される構造の繰返し単位を有する。下記一般式(3)で表わされるポリエステルである。
【0053】
【化2】
【0054】
【化3】
本形態においては、上述のサーモトロピック液晶エステル等の内、いずれかを単独で用いたサーモトロピック液晶ポリマーを使用してもよいが、2種以上の混合物として使用することもできる。
さらにサーモトロピック液晶ポリマーは単独で用いてもよいが、他の非液晶性の熱可塑性合成樹脂を併用してもよい。
【0055】
ここでは、これらのサーモトロピック液晶ポリマーに、必要に応じて各種の添加物が配合される。特に無機充填材は液晶ポリマーの機械的強度や耐熱性、寸法安定性等を更に向上させることに有効であり、たとえば液晶ポリマー中に5〜90重量%程度配合することが出来る。その他の添加物としては、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、顔料、染料、可塑剤、滑剤、造核剤、帯電防止剤、難燃剤等が挙げられる。
【0056】
繊維状充填材としては、具体的には炭素繊維(PAN系、ピッチ系)、金属繊維(軟鋼、ステンレス、銅およびその合金、アルミニウムおよびその合金、鉛)、メタライズドガラス繊維(ガラス繊維にニッケル、銅、アルミニウム、銀等をコーティングしたもの)、またはニッケルコートした炭素繊維等が挙げられる。
【0057】
図8は本発明の他の実施形態に係るハードディスクドライブ装置用のヘッド位置決め装置用部材1および除去部分2を含む成形物の平面図であり、図9はそのAA線断面図である。この部材1においては、キャリッジ3は、図10に示すような筒状のインサート部材7を有する。他の構成は、図1のものと同様である。インサート部材7は部材1の射出成形時にインサートする。
【0058】
これによれば、射出成形後のキャリッジ3の収縮の影響により、これに連結するアーム4の先端部分に空間的位置ずれを生じるのを防止することができる。すなわち、キャリッジ3を揺動可能に取り付けるための取付け穴12を筒状の、したがって曲げ剛性、捩れ剛性に優れた閉断面構造を有するインサート部材7で構成することにより、キャリッジ3の収縮の影響によりキャリッジ3とアーム4との接合角度が変動してアーム4先端の空間的位置がずれるのを、防止することができる。
【0059】
射出成形時における、成形材料の注入は、キャリッジ3の上端部から矢印C方向へ行なうことにより、上述と同様に、残留応力や強度の不均一な部分がアーム4内に発生するのを防止することができる。
【0060】
またこの場合も、除去部分2を固定してアニーリング処理を施すことにより、上述の▲1▼〜▲4▼の利点を得ることができる。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、アーム部分を成形するキャビティ部分に直結しないゲートから成形材料を注入し、かつ除去部分と共に射出成形し、そしてこの成形物が固化した後に除去部分を除去するようにしたため、アーム部分に残留応力や強度の不均一な部分が発生するのを抑制し、寸法精度を高めることができる。
【0062】
また、除去部分を除去する前に、成形物の各除去部分間の相対位置を固定して成形物にアニールを施すようにしたため、アーム部分の寸法精度の安定性および柔軟性を向上させることができる。例えば、サーモトロピック液晶樹脂の場合、金型温度は60〜170℃、好ましくは60〜130℃、例えばより具体的には80℃、120℃などとする。この場合、加熱処理温度は100℃(金型80℃)、140℃(金型80℃または120℃)、加熱時間はいずれも1時間として加熱処理を行なった。また、アーム部分やキャリッジ部分の変形や傷の発生を避けることができる。また、固定のための治具の選定の自由度も向上させることができる。また、強固に固定できるため、アーム部分の寸法精度をさらに向上させることができる。
【0063】
また、成形材料の注入を、除去部分を成形するキャビティ部分内において成形材料の充填が終了するように設定されたゲートを経て行なうことにより、キャリッジ部分においても残留応力や強度の不均一な部分が発生するのを抑制することができる。
【0064】
また、成形材料の充填を、除去部分を成形するキャビティ部分内において未充填部分を残した状態で終了させることにより、アーム部分における残留応力や強度の不均一な部分が発生するのをさらに抑制することができる。
【0065】
また除去部分が、それが連結しているアーム部分の1/2以下1/4以上の体積を有し、かつアーム部分の長手方向に垂直な断面が、そのアーム部分の横断面と同一、相似または類似の形状を有することにより、アーム部分における残留応力や強度の不均一な部分が発生するのをさらに抑制することができる。
【0066】
また、成形材料である熱可塑性樹脂として、繊維状充填材を含み、かつ固化後の引張弾性率が100,000kg/cm2 以上のものを用いることにより、アーム部分の長手方向の弾性率を、相乗効果的に向上させることができる。
【0067】
また、熱可塑性樹脂として液晶ポリマを用いることにより、この相乗的効果をさらに高めることができる。
【0068】
また、キャリッジ部分に筒状のインサート部材を射出成形に際してインサートすることにより、キャリッジ部分の成形収縮によるアーム部分の寸法精度に対する悪影響を抑制することができる。
【0069】
また、ハードディスクドライブ装置のヘッド位置決め装置の揺動型アクチュエータに対して本発明に係る位置決め装置用部材を適用することにより、位置決め精度および速度を向上させることができる。
【0070】
また、キャリッジ部分およびアーム部分を一体かつ同時に射出成形したものであるにもかかわらず、アーム部分は、成形材料の流頭部分およびゲートからの流入部分を有しないため、アーム部分の寸法精度や強度の均一性が高いヘッド位置決め装置用部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係るハードディスクドライブ装置用のヘッド位置決め装置用部材1および削除部分2を含む成形物の平面図である。
【図2】 図1の側面図である。
【図3】 各除去部分間の相対位置を治具により固定する様子を示す平面図である。
【図4】 治具で各除去部分間の相対位置が固定された様子を示す側面図である。
【図5】 治具を矢印9方向から見た図である。
【図6】 図3のBB線断面図である。
【図7】 図4のCC線断面図である。
【図8】 本発明の他の実施形態に係るハードディスクドライブ装置用のヘッド位置決め装置用部材1および削除部分2を含む成形物の平面図である。
【図9】 図8のAA線側面図である。
【図10】 図8および9の成形物のインサート部材の斜視図である。
【符号の説明】
1:ヘッド位置決め装置用部材、2:削除部分、3:キャリッジ、4:アーム、5:狭部、6:ヘッド取付け用穴、7:インサート部材、8:治具、11:開口部、12:取付穴。
Claims (8)
- 情報を記録・再生するためのディスクドライブ装置のヘッドの位置決め装置に使用され、キャリッジ部分および複数のアーム部分を有する部材を、熱可塑性樹脂の成形材料により一体かつ同時に射出成形する、ヘッド位置決め装置用部材の製造方法であって、
前記アーム部分を成形するキャビティ部分に直結しないゲートから成形材料を注入して、各アーム部分の先端に対し狭部を介してアーム部分の長手方向にそれぞれ連結した所定の除去部分と共に位置決め装置用部材を射出成形し、
この射出成形により得られた成形物の各除去部分間の相対位置を固定して成形物にアニールを施し、
そしてこのアニールの後、成形物から前記除去部分を除去してヘッド位置決め装置用部材を得ることを特徴とするヘッド位置決め装置用部材の製造方法。 - 成形材料の注入は、いずれかの前記除去部分を成形するキャビティ部分内において成形材料の充填が終了するように設定されたゲートを経て行なうことを特徴とする請求項1記載の製造方法。
- 成形材料の充填は、少なくとも一つの前記除去部分を成形するキャビティ部分内において未充填部分を残した状態で終了することを特徴とする請求項2記載の製造方法。
- 各除去部分は、それが連結しているアーム部分の1/2以下1/4以上の体積を有し、かつ前記長手方向に垂直な断面が、そのアーム部分の横断面と同一、相似または類似の形状を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
- 前記熱可塑性樹脂は、繊維状充填材を含み、かつ固化後の引張弾性率が100,000kg/cm2 以上であることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の製造方法。
- 前記熱可塑性樹脂が液晶ポリマであることを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載の製造方法。
- キャリッジ部分にそれが揺動可能に取り付けられる回転軸に嵌合する筒状のインサート部材を前記射出成形に際してインサートすることを特徴とする請求項1〜6いずれかに記載の製造方法。
- 前記ディスクドライブ装置はハードディスクドライブ装置であり、ヘッド位置決め装置が揺動型アクチュエータであることを特徴とする請求項1〜7いずれかに記載の製造方法。
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