JPH08337068A - カラー記録方法およびカラー記録用感熱転写媒体 - Google Patents

カラー記録方法およびカラー記録用感熱転写媒体

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JPH08337068A
JPH08337068A JP7147680A JP14768095A JPH08337068A JP H08337068 A JPH08337068 A JP H08337068A JP 7147680 A JP7147680 A JP 7147680A JP 14768095 A JP14768095 A JP 14768095A JP H08337068 A JPH08337068 A JP H08337068A
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JP
Japan
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ink layer
heat
recording
color
sensitive transfer
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JP7147680A
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Inventor
Yoshiyuki Asabe
喜幸 浅部
Hiroshi Mori
広志 森
Mitsuo Makino
光男 牧野
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Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 良好な印字品質のカラー記録を行うこと。 【構成】 ベースフィルム13上に感熱転写性インク層
14が積層されている少なくとも1個の感熱転写媒体1
2の複数色の感熱転写性インク層14を用い感熱転写媒
体12に記録情報に応じて発熱される記録ヘッド5を圧
接して感熱転写性インク層14を部分的に軟化せしめ記
録用紙1上に各色の感熱転写性インク層14を順番に転
写して記録を行うカラー記録方法において、軟化状態に
おける粘度が高い感熱転写性インク層から順に記録用紙
1への転写を行う方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数色の感熱転写性イ
ンクを記録用紙上に順番に転写して記録を行うカラー記
録方法およびこの方法を実施するために用いられる感熱
転写媒体に係り、特に、インクの転写順位に関連するカ
ラー記録方法およびカラー記録用感熱転写媒体に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、カラー記録用感熱転写媒体の一
例としてのカラー記録用インクリボンは、長尺のベース
フィルム上に3原色をなすイエロ(Y)、マゼンタ
(M)、シアン(C)の3色の感熱転写性のインク層を
各色のインク層が記録用紙の1行の印字範囲に相当する
長さずつ順に繰返し積層するか、あるいは、前記3原色
のインク層にブラック(Bk)を加えた4色のインク層
を前述したと同様の長さずつ順に繰返し積層したもので
ある。
【0003】そして、このようなカラー記録用インクリ
ボンを用いたカラー印字は下記のように行われる。
【0004】すなわち、複数の発熱素子が整列配置され
てなるサーマルヘッドを有しているカラー記録用プリン
タのサーマルヘッドとプラテンとの間にカラー記録用イ
ンクリボンと記録用紙を挟持し、まず、記録情報を分解
して形成した各色別の記録情報のうちのいずれか1色
(例えばイエロ)の記録情報に基づいてサーマルヘッド
の対応する発熱素子を通電により発熱し、発熱した発熱
素子に対向する部位の記録情報に対応する色(イエロ)
のインク層を軟化(ワックス系インクにおける溶融を含
む)してイエロインクを記録用紙に転写する。このよう
にしてイエロインクによる所定範囲の記録が終了した
ら、サーマルヘッドを用紙の印字開始位置まで戻し、記
録情報を分解して形成した各色別の記録情報のうちのつ
ぎの1色(例えばマゼンタ)の記録情報に基づいてサー
マルヘッドの対応する発熱素子を通電により発熱し、発
熱した発熱素子に対向する部位の記録情報に対応する色
(マゼンタ)のインク層を軟化してマゼンタインク層を
記録用紙または記録用紙上に転写されているマゼンタイ
ンク層上に転写する。このようにして、4色の記録情報
に基づいて4色のインク層を順次積層することによりカ
ラー記録を行うことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図5は前述したカラー
記録用熱転写プリンタによるカラー記録の状態を示すも
のであり、記録用紙1上にはインクリボン2のベースフ
ィルム3から最初に転写された1次色インク層(一例と
してイエロインク層4Y)が積層されており、この記録
用紙1上のイエロインク層4Y上に2次色インク層(一
例としてマゼンタインク層4M)を転写する状態が示さ
れている。この2番目のマゼンタインク層4Mを転写す
るためには、サーマルヘッド5の発熱素子6を通電によ
り発熱させ、イエロインク層4Yを部分的に軟化してブ
ラックインク層4Y上あるいは記録用紙1上に転写する
ようになっている。
【0006】ところが、イエロインク層4Y上にマゼン
タインク層4Mを積層する場合には、サーマルヘッド5
の発熱素子6の熱により発熱している発熱素子6の直下
の記録用紙1上に転写されているイエロインク層4Yに
も発熱素子6の熱が伝達されるため、このイエロインク
層4Yの一部が軟化し、記録用紙1に転写されるべきマ
ゼンタインク層4Mに付着するとともに、このマゼンタ
インク層4Mはインクリボン2のベースフィルム3との
接合状態を維持してしまい、イエロインク層4Yが記録
用紙1から完全にあるいは表面側から部分的に剥離して
しまうといういわゆる逆転写が生じ、カラー画像の品質
を著しく劣化させるおそれがある。
【0007】この逆転写の現象は、1次色インク層たる
イエロインク層4Yと2次色インク層たるマゼンタイン
ク層4Mが密着した状態においてインクリボン2を記録
用紙1から剥離する直前の関係が、 A:記録用紙1と1次色インク層の密着力 D:1次色インク層の強度 E:2次色インク層の強度 F:インクリボン2のベースフィルム3と2次色インク
層の密着力(インクリボン2に離型層がある場合は、離
型層と2次色インク層の密着力) としたとき、A,DとE,Fとの間において、 A≦E、A≦F、D≦EまたはD≦F となるため、記録用紙1と1次色インク層の界面、また
は、1次色インク層の内部においてインク層の切断が生
じ1次色インク層がインクリボン2側の2次色インク層
に密着して引き戻されてしまう結果であることがわかっ
た。
【0008】ところで、前述した強度の関係式には、イ
ンク層の軟化状態における粘度ならびに溶融温度が大き
く関係していることもわかった。
【0009】これに対し、従来のカラー記録用インクリ
ボンは、前述した逆転写の原理を考慮せず、各色のイン
クに同じバインダ(結合剤)を使用しているため、1次
色インクと2次色インクの軟化状態における粘度がほぼ
等しくなっている。このため、2次色インク層が1次色
インク層側に確実に転写されず、逆転写が生じてしまう
わけである。
【0010】さらに、インクに含有される顔料や、添加
剤の種類や添加量によっては同様の軟化状態における粘
度となるバインダを使用しても、1次色インク層と2次
色インク層の軟化状態における粘度が微妙に異なり、組
合せによっては、インクの転写性をさらに不安定にする
場合がある。
【0011】例えば、3原色をなすイエロ(Y)、マゼ
ンタ(M)、シアン(C)の3色の感熱転写性のインク
層4を使用したカラー記録においては、顔料の着色力の
相違により顔料の配合量は各色のインクにより異なるの
が普通であるが、顔料の配合量の少ないイエロインク層
4Yの上に顔料の配合量の多いマゼンタインク層4Mを
転写する場合には、同様のバインダを使用したとして
も、インクの軟化状態における粘度や強度はマゼンタイ
ンク層4Mの方がイエロインク層4Yより大きいため、
逆転写が発生する確率がさらに高くなる。
【0012】つぎに、インクがサーマルヘッド5の加熱
温度領域内において明確な溶融点を有し、インクリボン
2の剥離のタイミングがこの溶融点の温度領域と近いと
きには、溶融温度が前述した逆転写の原理に大きく影響
してくる場合がある。すなわち、サーマルヘッド5の発
熱素子6の発熱により溶融した後、インク層の冷却過程
でインクリボン2の剥離が生じた場合、1次色インク層
の溶融温度より2次色インク層の溶融温度が高いと、1
次色インク層が固化する前に2次色インク層が固化を開
始する場合があり、この結果、2次色インク層の強度が
1次色インク層の強度を上回り、記録用紙1上の1次色
インク層にインク層の切断が生じて逆転写が起ることに
なる。
【0013】このような重ね不良の回避策として、2次
色インク層の加熱時に1次色インク層が溶融しないよう
な温度分布となるようにサーマルヘッド5の発熱素子6
の加熱温度を制御する方法も考えられるが、記録用紙1
の種類、記録情報のパターン、環境条件などの種々の条
件を考慮したうえで前述した温度分布を安定的に達成す
るように発熱素子6の加熱制御をすることはきわめて困
難である。さらに、記録用紙1上の1次色インク層の表
面を全く溶融あるいは軟化させることなくこの1次色イ
ンク層上に2次色インク層を転写すると、1次色インク
層と2次色インク層の界面の密着力が不足してしまい、
インクリボン2を剥離する際に、2次色インク層がイン
クリボン2側に残置されてしまい、記録用紙1に転写さ
れない事態が生じることがある。
【0014】このようなインク層の転写不良を考察した
ところ、インクの軟化状態における粘度と明確に溶融す
る種類のインクにおける溶融温度がインク層の転写不良
に大きく関与することを発見した。
【0015】そこで、本発明は、良好な印字品質のカラ
ー記録方法およびこのカラー記録方法に使用されるカラ
ー記録用感熱転写媒体を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ため本発明の請求項1に記載のカラー記録方法は、ベー
スフィルム上に感熱転写性インク層が積層されている少
なくとも1個の感熱転写媒体の複数色の前記感熱転写性
インク層を用い前記感熱転写媒体に記録情報に応じて発
熱される記録ヘッドを圧接して感熱転写性インク層を部
分的に軟化せしめ記録用紙上に前記各色の感熱転写性イ
ンク層を順番に転写して記録を行うカラー記録方法にお
いて、軟化状態における粘度が高い感熱転写性インク層
から順に記録用紙への転写を行うことを特徴としてい
る。
【0017】また、請求項2に記載のカラー記録方法
は、ベースフィルム上に感熱転写性インク層が積層され
ている少なくとも1個の感熱転写媒体の複数色の前記感
熱転写性インク層を用い前記感熱転写媒体に記録情報に
応じて発熱される記録ヘッドを圧接して感熱転写性イン
ク層を部分的に溶融せしめ記録用紙上に前記各色の感熱
転写性インク層を順番に転写して記録を行うカラー記録
方法において、溶融温度が高い感熱転写性インク層から
順に記録用紙への転写を行うことを特徴としている。
【0018】一方、請求項3に記載の感熱転写媒体は、
ベースフィルム上に複数色の感熱転写性インク層が個別
に積層されているカラー記録用感熱転写媒体において、
前記各感熱転写性インク層の軟化状態における粘度が記
録順位に従って低くなるように前記ベースフィルム上に
各色の感熱転写性インク層を整列配置したことを特徴と
している。
【0019】さらに、請求項4に記載の感熱転写媒体
は、ベースフィルム上に複数色の感熱転写性インク層が
個別に積層されているカラー記録用感熱転写媒体におい
て、前記各感熱転写性インク層の溶融温度が記録順位に
従って低くなるように前記ベースフィルム上に各色の感
熱転写性インク層を整列配置したことを特徴としてい
る。
【0020】
【作用】前述した構成からなる請求項3に記載の感熱転
写媒体を使用した請求項1に記載のカラー記録方法によ
れば、軟化状態における粘度が高い感熱転写性インク層
(1次色インク層)をまず記録用紙に転写し、この1次
色インク層と記録用紙上にこの1次色インク層より軟化
状態における粘度が低い感熱転写性インク層(2次色イ
ンク層)を転写する。すると、1次色インク層上に積層
される2次色インク層は、1次色インク層が部分的に軟
化され大きな粘度を有しているので、感熱転写媒体の剥
離直前におけるインク層強度が2次色インク層より1次
色インク層の方が強くなり、この1次色インク層に2次
色インク層が吸引保持されることにより2次色インク層
は記録用紙側に確実に転写されるし、また、1次色イン
ク層と記録用紙との密着力も大きいため、1次色インク
層の逆転写が生じるおそれがない。
【0021】つぎに転写される感熱転写性インク層(3
次色インク層)は、2次色インク層より軟化状態におけ
る粘度が小さいので、同様にして2次色インク層に3次
色インク層が吸引保持されることにより3次色インク層
は確実に記録用紙側に転写される。
【0022】このようにして複数色のインク層を順次記
録用紙側に確実に積層して、良好な品質のカラー記録を
行うことができる。
【0023】つぎに、請求項4に記載の感熱転写媒体を
使用した請求項2に記載のカラー記録方法によれば、溶
融温度が高い感熱転写性インク層(1次色インク層)を
まず記録用紙に転写し、この1次色インク層と記録用紙
上にこの1次色インク層より溶融温度が低い感熱転写性
インク層(2次色インク層)を転写する。すると、1次
色インク層上に積層される2次色インク層は、1次色イ
ンク層が部分的に溶融されたのち2次色インク層より先
に固化するので、感熱転写媒体の剥離直前におけるイン
ク層強度が2次色インク層より1次色インク層の方が強
くなり、この1次色インク層に2次色インク層が吸引保
持されることにより2次色インク層は記録用紙側に確実
に転写されるので、1次色インク層の逆転写が生じるお
それがない。
【0024】つぎに転写される感熱転写性インク層(3
次色インク層)は、2次色インク層より溶融温度が低い
ので、表面側が部分的に溶融される2次色インク層は3
次色インク層より先に固化することになり、感熱転写媒
体の剥離直前におけるインク層強度が3次色インク層よ
り2次色インク層の方が強くなり、2次色インク層に3
次色インク層が吸引保持されることにより3次色インク
層は確実に記録用紙側に転写される。
【0025】このようにして複数色のインク層を順次記
録用紙側に確実に積層して、良好な品質のカラー記録を
行うことができる。
【0026】
【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例により説明
する。
【0027】図1は本発明に係るカラー記録方法を実施
するためのカラー記録用熱転写プリンタによるカラー記
録の状態を示すものであり、通電により発熱する複数の
発熱素子6が整列配置されてなるサーマルヘッド5の背
部にはこのサーマルヘッド5の押圧力を受けるプラテン
ローラ7が配設されており、これらのサーマルヘッド5
およびプラテンローラ7間には、本発明の感熱転写媒体
の一例としての長尺のインクリボン12と記録用紙1と
が挟持されている。
【0028】前記インクリボン12はその両端から繰出
しローラ8および巻取りローラ9に巻回された状態で図
示しないリボンカセット内に中間部が外部に露出するよ
うにして収納されている。前記インクリボン12は長尺
のベースフィルム13を有しており、このベースフィル
ム13上には後述する離型層(図示せず)を介して図2
に示すようにカラー記録用の3色または4色(本実施例
においては3色)の感熱転写性インク層14Y,14
M,14Cが個別に順次繰返すように積層されている。
各インク層14Y,14M,14Cは、それぞれ記録用
紙1の印字範囲の桁方向の長さにほぼ相当する長さずつ
順次繰返すようにベースフィルム13上に積層されてい
る。
【0029】そして、前記インク層14Y,14M,1
4Cの積層順序は、図2に矢印で示す記録方向におい
て、軟化状態における粘度が低くなるように、すなわ
ち、記録用紙1の同一個所に積層するに際し、記録順位
において最初に転写するインク層の軟化状態における粘
度が1番高く、また、記録順位において最後に転写する
インク層の軟化状態における粘度が1番低くなるよう
に、積層順において順次溶融状態における粘度が低くな
るように各インク層の軟化状態における粘度が設定され
ている。ここにおける軟化には、ワックス系のバインダ
剤における溶融と樹脂系のバインダ剤における溶融しな
い軟化との両者を含むものとする。
【0030】なお、インク層がサーマルヘッド5の加熱
温度領域において明確に溶融する場合には、前述したよ
うな各インク層の軟化状態における粘度を基準とせず、
各インク層の溶融温度を基準として各インク層の溶融温
度を異ならせるようにしてもよい。すなわち、記録用紙
1の同一個所に積層するに際し、記録順位において最初
に転写するインク層の溶融温度が1番高く、また、記録
順位において最後に転写するインク層の溶融温度が1番
低くなるように、積層順において順次溶融温度が低くな
るように各インク層の溶融温度を設定してもよい。
【0031】ところで、前記ベースフィルム13として
は、適度の耐熱強度を有し、かつ、熱伝導性に優れたも
のが好ましく、また、膜厚としては、通常2〜50μ
m、好ましくは3〜20μm程度が良好である。そし
て、このベースフィルム13の材料としては、ポリエス
テル、ポリプロピレン、セロファン、セルロース、ポリ
イミド、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネー
トなどのプラスチックや、コンデンサ紙、グラシン紙な
どの紙、あるいは、金属箔などが使用される。
【0032】つぎに、ベースフィルム13とインク層1
4Y,14M,14Cとの間に介装された離型層として
は、インク層14Y,14M,14Cに100℃付近で
の粘度が103cps以上の樹脂を使用する場合、ベースフ
ィルム13からのインク層14Y,14M,14Cの離
型機能を有する離型層を設けることが好ましい。そこ
で、離型層としては、種々のワックスを塗工密度0.5
〜3g/m 2 程度となるように塗工すればよい。
【0033】また、感熱転写性インク層としては、前述
したようにサーマルヘッド5による加熱時の温度領域す
なわちインク層の軟化状態において記録用紙1上への積
層順に粘度が順次低くなるような粘度差、または、積層
順に溶融温度が低くなるようにすることが重要であり、
したがって、インク層のバインダ剤としては、樹脂系、
ワックス系、あるいはその混合系のいずれでもよい。
【0034】また、各インク層に粘度差を付与するに
は、バインダ剤自身の粘度を変えてもよいし、着色顔料
や体質顔料、添加剤の種類や添加量を変えてもよい。
【0035】各インク層に粘度差の付与が必要なタイミ
ングおよび温度領域は、サーマルヘッド5によってイン
ク層が加熱されインクリボン12から剥離する直前のタ
イミングで、インク層内で、特に記録用紙1側にすでに
転写されている1次色インク層とインクリボン12から
記録用紙1に転写される2次色インク層のベースフィル
ム13との界面付近に分布する温度領域であり、その温
度領域が広い程インク層の転写は安定的に行われる。具
体的には、その記録印字条件および記録装置により異な
るが、通常は、90〜100℃、好ましくは80〜14
0℃程度である。
【0036】つぎに、インク層中の樹脂としては、バイ
ンダ剤として用いる場合は、熱可塑性樹脂が用いられる
ことが多く、サーマルヘッド5の能力、ガラス転移点、
融点などを考慮して適宜選択される。例えばポリエチレ
ン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチ
レン=酢酸ビニル共重合体、石油樹脂、塩化ビニル樹
脂、メタクリル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリアミ
ド、ポリカーボネート、フッ素樹脂、ポリビニルブチラ
ール樹脂、アセチルセルロース樹脂、ポリアセタール樹
脂などが単体あるいは混合して用いられる。なお、樹脂
は、インク総量に対し20〜90重量部の範囲で使用さ
れる。
【0037】さらに、インク層中のワックスとしては、
バインダ剤として用いる場合は、例えばパラフィンワッ
クス、カルナバワックス、ミツロウ、合成ワックスなど
のワックス類から適宜選択される。なお、ワックスは、
インク総量に対し20〜90重量部の範囲で使用され
る。
【0038】さらにまた、インク層中の着色材として
は、有機または無機の顔料、染料などの単体あるいは混
合物から、充分な着色濃度を有するとともに、透明、半
透明性を有し、光、熱、湿度などにより変色あるいは退
色しないものが使用される。なお、着色材の配合量は、
インク総量に対し1〜30重量部、好ましくは5〜15
重量部程度の範囲で使用される。また、着色材として、
熱、光、顕色材などにより発色するものを使用してもよ
い。
【0039】また、添加剤としては、熱伝導性物質、透
明性の高い体質顔料などを用いることにより熱感度を向
上させるとともに、リボンカセットに収納するためにイ
ンクリボン12をロール状に巻取る際にべースフィルム
の背面とのブロッキングを防止できるという機能が付与
できる。この添加剤の配合量は、インク総量に対し、0
〜30重量部、好ましくは0〜10重量部の範囲で使用
される。
【0040】つぎに、前述した構成からなる軟化状態に
おける粘度を積層順に低くなるように異にしたインク層
14Y,14M,14Cを有する本発明のインクリボン
12を用いたカラー記録について説明する。なお、この
軟化状態における軟化には、前述したように溶融も含ま
れていることは前述したとおりである。
【0041】図4はカラー記録用熱転写プリンタを用い
た本発明によるカラー記録の状態を示すものであり、記
録用紙1上にはインクリボン12のベースフィルム13
から最初に転写された1次色インク層(一例としてイエ
ロインク層14Y)が積層されており、この記録用紙1
上のイエロインク層14上に2次色インク層(一例とし
てマゼンタインク層14M)を転写する状態が示されて
いる。この2番目のマゼンタインク層14Mを転写する
ためには、サーマルヘッド5の発熱素子6を通電により
発熱させ、マゼンタインク層14Mを部分的に軟化して
イエロインク層14Y上あるいは記録用紙1上に転写す
るようになっている。
【0042】このとき、記録用紙1側に転写されている
1次色インク層たるイエロインク層14Yとインクリボ
ン12側に位置するマゼンタインク層14Mとが密着
し、サーマルヘッド5の発熱素子6の発熱により記録用
紙1側に位置するイエロインク層14Yもマゼンタイン
ク層14Mとの界面側において溶融されることになる。
しかしながら、溶融状態におけるイエロインク層14Y
の粘度は同じく溶融状態におけるマゼンタインク層14
Mの粘度より大きいので、イエロインク層14Yの強度
がマゼンタインク層14Mの強度より大きくなり、図4
に示すように、逆転写のおそれなくイエロインク層14
Y上にマゼンタインク層14Mを安定的に転写すること
ができる。
【0043】この良好な転写の現象について詳細に説明
すると、1次色インク層たるイエロインク層4Yと2次
色インク層たるマゼンタインク層4Mが密着した状態に
おいてインクリボン12を記録用紙1から剥離する直前
の関係が、 A:記録用紙1と1次色インク層の密着力 D:1次色インク層の強度 E:2次色インク層の強度 F:インクリボン12のベースフィルム13と2次色イ
ンク層の密着力(インクリボン12に離型層がある場合
は、離型層と2次色インク層の密着力) としたとき、A,DとE,Fとの間でそれぞれ、 A>E、A>F、D>E、D>F となっており、特に、1次色インク層(イエロインク層
14Y)の強度が2次色インク層(マゼンタインク層1
4M)の強度より大きいため、記録用紙1と1次色イン
ク層の界面、または、1次色インク層の内部においてイ
ンク層の切断が生じることなく、1次色インク層がイン
クリボン12側の2次色インク層に密着して引張り、2
次色インク層を安定的に転写させることができる。
【0044】つぎに、具体的な実施例について説明す
る。
【0045】1.実施例1 インクリボン12の詳細 <ベースフィルム> 材料:ポリエステルフィルム 厚さ:3.5μm 幅:57mm <離型層> 材料:ワックス 塗工密度:1.0g/m 2 塗工幅:57mm <インク層> 塗工密度:1.2g/m 2 塗工幅:57mm <インク組成> <カラー記録装置> ラインサーマルプリンタ(記録出
力0.125W) 前述した諸条件で実験を行い、1次色インク層上の2次
色インクのドット再現率を測定した結果が下記の2表で
あり、1次色インクたるイエロインク層14Y上の2次
色インクたるシアンインク14Cのドット再現率、なら
びに、同じく1次色インクたるイエロインク層14Y上
の2次色インクたるマゼンタインク14Cのドット再現
率は、ともに1次色インクのバインダ粘度が2次色イン
クのバインダ粘度を越えているときの方が高率となって
いる。そこで、前述した各色のインクの内イエロY1、
マゼンタM2、シアンC3を選択しイエロY、マゼンタ
M、シアンCの順で熱転写することにより、重ね不良が
なく色再現性の高い鮮明なカラー画像が得られた。
【0046】 2.実施例2 インクリボン12の詳細 <ベースフィルム> 材料:ポリエステフィルム 厚さ:3.5μm 幅:57mm <インク層> 塗工密度:3.0g/m 2 塗工幅:57mm <インク組成> <カラー記録装置>ラインサーマルプリンタ(記録出力
0.125W) 前述した諸条件で実験を行い、1次色インク層上の2次
色インクのドット再現率を測定した結果が下記の表であ
り、1次色インクたるイエロインク層14Y上の2次色
インクたるシアンインク14Cのドット再現率、ならび
に、同じく1次色インクたるイエロインク層14Y上の
2次色インクたるマゼンタインク14Cのドット再現率
は、ともに1次色インクの溶融温度が2次色インクの溶
融温度を越えているときの方が高率となっている。そこ
で、前述した各色のインクの内溶融温度が78℃のイエ
ロY1、溶融温度が69℃のマゼンタM、溶融温度が5
6℃のシアンCを選択しイエロY、マゼンタM、シアン
Cの順で熱転写することにより、重ね不良がなく色再現
性の高い鮮明なカラー画像が得られた。
【0047】 なお、本発明は、前述した実施例に限定されるものでは
なく、必要に応じて種々の変更が可能である。例えば、
前述した実施例においては、1つの感熱転写媒体たるイ
ンクリボンとして、ベースフィルムに複数色の感熱転写
性インク層を順次繰返して積層したものを説明したが、
図3に示すように、それぞれ別の色からなる単色の感熱
転写性インク層14のみがベースフィルム13上に積層
されている複数個のインクリボン12Bk,12Y,1
2M,12Cを用い、これらの各インクリボン12B
k,12Y,12M,12Cを収納した複数個のリボン
カセット(図示せず)をカセットチェンジャにより特定
の色のインクリボン12Bk,12Y,12M,12C
に交換して使用することによりカラー記録を行うことも
本発明のカラー記録方法に含まれることはもちろんであ
る。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように本発明のカラー記録
方法およびカラー記録用感熱転写媒体によれば、複数色
のインクの軟化状態における粘度あるいは溶融温度を順
に低下するような順序で重ね印字を行うことによりに良
好な印字品質のカラー記録を行うことができるという優
れた効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カラー記録用熱転写プリンタによるカラー記録
の状態を示す説明図
【図2】本発明の感熱転写媒体の実施例を示す斜視図
【図3】本発明の感熱転写媒体の他の実施例を示す斜視
【図4】図2の感熱転写媒体による転写状態を示す説明
【図5】従来の感熱転写媒体による転写状態を示す説明
【符号の説明】
1 記録用紙 2 インクリボン 5 サーマルヘッド 6 発熱素子 12 インクリボン 13 ベースフィルム 14 インク層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベースフィルム上に感熱転写性インク層
    が積層されている少なくとも1個の感熱転写媒体の複数
    色の前記感熱転写性インク層を用い前記感熱転写媒体に
    記録情報に応じて発熱される記録ヘッドを圧接して感熱
    転写性インク層を部分的に軟化せしめ記録用紙上に前記
    各色の感熱転写性インク層を順番に転写して記録を行う
    カラー記録方法において、軟化状態における粘度が高い
    感熱転写性インク層から順に記録用紙への転写を行うこ
    とを特徴とするカラー記録方法。
  2. 【請求項2】 ベースフィルム上に感熱転写性インク層
    が積層されている少なくとも1個の感熱転写媒体の複数
    色の前記感熱転写性インク層を用い前記感熱転写媒体に
    記録情報に応じて発熱される記録ヘッドを圧接して感熱
    転写性インク層を部分的に溶融せしめ記録用紙上に前記
    各色の感熱転写性インク層を順番に転写して記録を行う
    カラー記録方法において、溶融温度が高い感熱転写性イ
    ンク層から順に記録用紙への転写を行うことを特徴とす
    るカラー記録方法。
  3. 【請求項3】 ベースフィルム上に複数色の感熱転写性
    インク層が個別に積層されているカラー記録用感熱転写
    媒体において、前記各感熱転写性インク層の軟化状態に
    おける粘度が記録順位に従って低くなるように前記ベー
    スフィルム上に各色の感熱転写性インク層を整列配置し
    たことを特徴とする感熱転写媒体。
  4. 【請求項4】 ベースフィルム上に複数色の感熱転写性
    インク層が個別に積層されているカラー記録用感熱転写
    媒体において、前記各感熱転写性インク層の溶融温度が
    記録順位に従って低くなるように前記ベースフィルム上
    に各色の感熱転写性インク層を整列配置したことを特徴
    とする感熱転写媒体。
JP7147680A 1995-06-14 1995-06-14 カラー記録方法およびカラー記録用感熱転写媒体 Pending JPH08337068A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002219880A (ja) * 2001-01-29 2002-08-06 Toshiba Corp 熱転写記録媒体及び画像記録方法

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