JPH08336981A - インクジェット記録装置の圧力吸収装置 - Google Patents

インクジェット記録装置の圧力吸収装置

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JPH08336981A
JPH08336981A JP14637395A JP14637395A JPH08336981A JP H08336981 A JPH08336981 A JP H08336981A JP 14637395 A JP14637395 A JP 14637395A JP 14637395 A JP14637395 A JP 14637395A JP H08336981 A JPH08336981 A JP H08336981A
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Hiroyuki Kojima
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 圧力吸収のための可撓性シートの破損を防ぐ
とともに、撓んだ後の振動の減衰を早くする。 【構成】 ベース板6にはインク流路の一部をなす凹部
6aと、この内部に立設する支持柱6dが設けてある。
凹部6aは可撓性シート7で塞がれ、その外側には、板
バネ9があり、さらに抑え板10が固定してある。この
圧力吸収装置5が、インク容器とヘッドとの間に設けら
れている。インクに過大な圧力が加わった時やパージン
グ時には、可撓性シート7が撓むことにより圧力が吸収
される。可撓性シート7は、抑え板10よび板バネ9に
よって外側に、支持柱6dによって内側に、それぞれ変
形し過ぎないように規制される。可撓性シート7の振動
は、抑え板10および支持柱6dによって抑制され、板
バネ9の復帰力によりすぐに減衰する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、インクジェット記録
装置の圧力吸収装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、インクジェット記録装置には、ヘ
ッド等の移動に伴う振動やヘッドとインク容器とを連結
するチューブに加わる衝撃などによるインクの圧力変動
が印字不良をもたらすことを防ぐために、ヘッドとイン
ク容器との中間に圧力吸収装置を設けたものがある。例
えば、特開平2−150360号公報には、インク流路
から分岐した一端開口の凹部に可撓性シートが貼着さ
れ、凹部内に滞溜された空気の圧縮と可撓性シートの撓
みとによりインクに加わった圧力を吸収する装置が開示
されている。
【0003】
【解決しようとする課題】上記従来の構成では、圧力吸
収するために凹部内には常に空気が滞溜されているが、
逆にインクの圧力が減少した場合や振動を受けた場合に
この空気がインク内に混入してしまい、インクの吐出不
良を生じるおそれがある。インクジェット記録装置にお
いては、初期動作としてパージングを行いインク容器内
のインクをヘッドの先端のノズル部まで充填させる必要
があり、通常はヘッド側にポンプを設けノズル部から吸
引する引きパージングまたはインク容器側にポンプを設
けインクに加圧して押し流す押しパージングが行われて
いる。上記従来の構成では、このパージング時にノズル
部まで十分にインクを充填させ、かつ凹部内に適当な量
の空気を残留させることは困難である。また、凹部内に
空気が滞溜している場合も、空気は滞溜しておらずイン
クで満たされている場合でも、引きパージング時には凹
部内が負圧となり可撓性シートが内側へ大きく撓み破損
し易く、押しパージング時には凹部内が過圧状態になり
可撓性シートが外側へ大きく撓みやはり破損し易くな
る。そして、可撓性シートが内側に撓んだ場合も外側に
撓んだ場合も、可撓性シートが撓んだ後に振動が減衰し
にくく凹部内の圧力が安定するのに時間がかかり、次回
の印字に移行するまでの時間が長くなるので、印字速度
の低下をもたらすという問題がある。
【0004】そこで本発明の目的は、可撓性シートが内
側に撓んだ場合も外側に撓んだ場合も、可撓性シートの
破損を防ぎ、また撓んだ後の振動の減衰および圧力の安
定化が早いインクジェット記録装置の圧力吸収装置を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴は、インク
容器とインクジェットヘッドとの間に設けられているイ
ンクジェット記録装置の圧力吸収装置において、インク
容器からインクジェットヘッドにインクを導くインク流
路の一部をなしインクで満たされる一端開口の凹部と、
開口端を閉塞する可撓性シートと、凹部内に設けられて
おり可撓性シートに非接合かつ接離自在な支持柱と、可
撓性シートの外側に配設されている抑え板と、可撓性シ
ートの外側への撓み量の規制手段とを有するところにあ
る。
【0006】この規制手段としては、可撓性シートと抑
え板との間隙に配設してある弾性部材を用いることが好
ましい。規制手段としては、抑え板の、可撓性シートを
介して凹部と対向する位置に凸部が設けられることもあ
る。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1に示すように、インク容器1とインクジェッ
トヘッド2とがチューブ3で連結されており、この間に
パージング用のポンプ4と本発明に係る圧力吸収装置5
が介在している。インクジェットヘッド2は、接続部2
aに図示しないフレキシブルプリントケーブルが接続さ
れ、電力が供給されると図示しないインク吐出手段によ
りノズル面2bからインクを図面左方へ吐出する。そし
て本実施例では、インクジェットヘッド2および圧力吸
収装置5が詳述しないがヘッドケースA内に収納され、
ポンプ4およびインク容器1がインクケースB内に収納
されている。
【0008】次に本発明の圧力供給装置5について、図
2を参照して説明する。ポリプロピレンなどからなるベ
ース板6には、凹部6aが設けてあり、この凹部6aと
連通しベース板6の両側部においてチューブ3と連結さ
れる接続流路6b,6cが設けてある。すなわち、接続
流路6a,6bから連通されてこのインク流路中で最大
面積のインク溜まりとなる凹部6aが設けられている。
凹部6aの内部には複数の支持柱6dが立設している。
そして、ベース板6には、凹部6aを塞ぐように、ナイ
ロンやポリプロピレンやこれらの積層体からなる可撓性
シート7が固着してある。可撓性シート7は支持柱6d
には固着されておらず接離自在となっている。可撓性シ
ート7の外側には、凹部6aと対向する孔部8aを有す
るゴム製のパッキン8が配設され、この孔部8a内に弾
性部材であるステンレス製の板バネ9が配設してある。
さらにその外側には、金属製の抑え板10が配設され、
位置決めピン6fで位置決めされた状態で、ベース板6
のネジ穴6eにネジ止めされている。抑え板10には、
空気抜きとなる孔部10aが設けられている。
【0009】このインクジェット記録装置において、印
字を行う際には、ポンプ4は作動せず、通常の圧力でイ
ンク容器1からインクジェットヘッド2にインクが供給
されながら、図示しないインク吐出手段によりノズル面
2bよりインクを吐出して印字が行われる。この時、ヘ
ッドケースAとインクケースBとの連結部に位置し外部
に露出しているチューブ3に使用者が触れることなどに
より衝撃が加わったり、ヘッドケースAが移動されたり
することによって、インクに過大な圧力が加わる場合が
ある。その時に、凹部2a内に満たされていたインクに
圧力が加わり可撓性シート7を撓ませることにより圧力
を吸収する。但し、抑え板10および板バネ9によって
可撓性シート7が変形し過ぎることがないように撓み量
が規制されている。インクの圧力を吸収するために可撓
性シート7が撓んだ後、この可撓性シート7は振動す
る。従来はこの振動は抑制されることなく自然に減衰す
るのを待って、次回の印字動作に移行している。これに
対し本発明は、抑え板10および支持柱6dによって可
撓性シート7の振動を抑制し、しかも、板バネ9の復帰
力により可撓性シート7の振動はすぐに減衰するので、
短時間で次回の印字動作に移行できる。
【0010】また、本実施例では、インク容器1側にポ
ンプが設けてあり、押しパージングを行う構成となって
いる。これについて説明すると、インクがなくなってイ
ンク容器1を交換する時などに、ポンプ4を作動させ
て、高圧でインクをインク容器1から押し出し、圧力吸
収装置5の凹部6aを満たしインクジェットヘッド2の
図示しないノズル先端にいたるまでインクを充填させ
る。凹部6a内には空気が残留しないようにする。この
時、可撓性シート7は外側に大きく撓もうとするが、抑
え板10および板バネ9によって変形が抑制されるた
め、過度の変形によって可撓性シート7が破損したり、
ベース板6から剥離したりすることは防げる。仮に、ヘ
ッド側にポンプを設けて引きパージングを行う場合に
は、凹部6a内が負圧になって可撓性シート7は内側に
大きく撓もうとするが、支持柱6dによって変形が抑制
され可撓性シート7の破損は防止される。
【0011】本発明の第2の実施例である圧力供給装置
13について、図3を参照して説明する。ベース板6は
第1の実施例と同一構成で、凹部6a、接続流路6b,
6c、支持柱6d、ネジ穴6e、位置決めピン6fが設
けてあり、凹部6aを塞ぎ支持柱6dに対し接離自在な
可撓性シート7が設けてある。そして、弾性部材である
板バネ11が配設してあり、抑え板10によって固定さ
れている。板バネ11には切り欠き部11aが設けられ
ており、可撓性シート7の撓みをある程度許容する。こ
の実施例では、パッキンを省略した分だけ簡単な構成に
なる。
【0012】本発明の第3の実施例である圧力供給装置
14を図4に示している。ベース板6には、凹部6a、
接続流路6b,6c、支持柱6d、ネジ穴6e、位置決
めピン6fが設けてあり、凹部6aを塞ぎ支持柱6dに
対し接離自在な可撓性シート7が設けてある。そしてそ
の外側に抑え板12が配設されネジ止めされている。抑
え板12には、凹部6aと対向する位置に、外側へ向か
って凸状をなす4つの凸部12aが設けられており、可
撓性シート7が外側へ撓む時の撓み量を規制する。この
実施例では、弾性部材を設けていないため、バネ力によ
る振動の強制的な減衰という効果は発揮しないが、構成
はより簡単になっている。
【0013】なお、インクジェットヘッド2、インク容
器1、ポンプ4の構成については特に限定するものでは
なく、印字方式は圧電方式でもバブルジェット方式でも
使用可能である。
【0014】
【発明の効果】以上の通り本発明では、インクジェット
記録装置において、凹部とこれを塞ぐ可撓性シートを有
し可撓性シートの撓みによりインクに加わった過大な圧
力を吸収する圧力吸収装置を用いているから、圧力変動
に起因する印字不良をより確実に防止できる。また、可
撓性シートの撓み量を規制するための規制部材を設けて
いるから、過大な変形による可撓性シートの破損または
ベース板からの剥離を防げる。
【0015】また、弾性部材を用いることにより、撓ん
だ可撓性シートをすぐに復帰させるようにしているか
ら、次回の印字動作へ移行するまでの時間を短縮し、ひ
いては印字の高速化を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る圧力吸収装置を採用したインクジ
ェット記録装置の概略図である。
【図2】圧力吸収装置の第1の実施例を示しており、
(a)はベース板の正面図、(b)は展開側面図、
(c)は平面断面図である。
【図3】圧力吸収装置の第2の実施例を示しており、
(a)はベース板の正面図、(b)は展開側面図、
(c)は平面断面図である。
【図4】圧力吸収装置の第3の実施例を示しており、
(a)はベース板の正面図、(b)は展開側面図、
(c)は平面断面図である。
【符号の説明】
1・・・・・・・・インク容器 2・・・・・・・・インクジェットヘッド 5,13,14・・圧力吸収装置 6・・・・・・・・ベース板 6a・・・・・・・凹部 6d・・・・・・・支持柱 7・・・・・・・・可撓性シート 9,11・・・・・弾性部材(板バネ) 10,12・・・・抑え板 12a・・・・・・凸部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク容器とインクジェットヘッドとの
    間に設けられているインクジェット記録装置の圧力吸収
    装置において、 上記インク容器から上記インクジェットヘッドにインク
    を導くインク流路の一部をなしインクで満たされる一端
    開口の凹部と、上記開口端を閉塞する可撓性シートと、
    上記凹部内に設けられており上記可撓性シートに非接合
    かつ接離自在な支持柱と、上記可撓性シートの外側に配
    設されている抑え板と、上記可撓性シートの外側への撓
    み量の規制手段とを有することを特徴とするインクジェ
    ット記録装置の圧力吸収装置。
  2. 【請求項2】 上記規制手段は、上記可撓性シートと上
    記抑え板との間隙に配設してある弾性部材からなること
    を特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置の
    圧力吸収装置。
  3. 【請求項3】 上記規制手段は、上記抑え板の、上記可
    撓性シートを介して上記凹部と対向する位置に設けてあ
    る凸部からなることを特徴とする請求項1記載のインク
    ジェット記録装置の圧力吸収装置。
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