JP3224093B2 - ヘッドホルダ及びインクジェット式記録装置 - Google Patents

ヘッドホルダ及びインクジェット式記録装置

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JP3224093B2
JP3224093B2 JP31951398A JP31951398A JP3224093B2 JP 3224093 B2 JP3224093 B2 JP 3224093B2 JP 31951398 A JP31951398 A JP 31951398A JP 31951398 A JP31951398 A JP 31951398A JP 3224093 B2 JP3224093 B2 JP 3224093B2
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敏夫 安孫子
広重 池野
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セイコーインスツルメンツ株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、プリン
タ、ファックスなどに適用されるインクジェット式記録
装置において、インクを収容したインクカートリッジを
保持すると共に記録ヘッド本体を有するヘッドホルダに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、複数のノズルからインクを吐
出する記録ヘッドを用いて被記録媒体に文字や画像を記
録するインクジェット式記録装置が知られている。かか
るインクジェット式記録装置では、被記録媒体に対向す
る記録ヘッドはヘッドホルダに設けられ、ヘッドホルダ
はキャリッジに搭載されて被記録媒体の搬送方向とは直
交する方向に走査される。
【0003】ヘッドホルダには、インクを収容したイン
クカートリッジが着脱自在に装着され、また、インクカ
ートリッジのインク供給口から記録ヘッドまでインクを
供給するためのインク流路が設けられている。このよう
なインクジェット式記録装置のうち、インクを記録ヘッ
ドから鉛直方向に吐出して略水平方向に搬送される被記
録媒体に記録する下方吐出タイプのもののインクホルダ
及びインクカートリッジの取付構造の一例を図4に示
す。図4に示すように、上方が開口された箱形のヘッド
ホルダ101の底部には、連結部102が設けられてい
る。連結部102内にはインク流路103が形成され、
連結部102先端にはフィルタ104が設けられてい
る。また、ヘッドホルダ101の外側には記録ヘッド1
05が設けられ、連結部102内のインク流路103と
記録ヘッド105とはインク流路基板106内のインク
流路107を介して連通されている。一方、インクカー
トリッジ111には、インクを吸収したウレタン樹脂な
どのインク吸収体112が内蔵され、底部には、上述し
た連結部102が挿入可能なインク供給口113が設け
られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した構造では、イ
ンクカートリッジ111の取付け時には、インクカート
リッジ111は、連結部102の先端によりインク吸収
体112が押し上げられた状態で保持されるので、連結
部102のフィルタ104とインク吸収体112との間
に気泡Aが形成されてしまう。そして、このような気泡
Aは、インク吸収体112内に保持されたインクがフィ
ルタ104を通過して連結部102内のインク流路10
3へのインクのスムーズな流れを阻害するという問題が
ある。この問題は、記録ヘッドからのインク吐出不良の
原因になり、重大な問題である。
【0005】また、このような問題を解決するものとし
て、図5に示すように、連通部102のインク流路10
3内に棒状部材108を立設してフィルタ104を上に
凸状に突出するように保持した構造が提案されている。
しかしながら、このような構造では、棒状部材108が
インク流路103内のインクの流れの均一性を阻害する
という問題がある。また、成形が困難であるという問題
もある。
【0006】本発明は、このような事情に鑑み、インク
カートリッジと確実に連結されてインクカートリッジか
ら記録ヘッドへのインクの流れを確実にするヘッドホル
ダを提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発
明の第1の態様は、インクを収容するインク吸収体を内
蔵すると共にインク供給口を有するインクカートリッジ
の前記インク供給口と嵌合する連結部と、この連結部の
先端に一端が開口するインク流路と、前記連結部の先端
に設けられたフィルタとを具備して、前記インクカート
リッジを着脱自在に保持するヘッドホルダにおいて、前
記フィルタはその周縁部のみで保持され且つ中央部が前
記インク流路から外方向に凸になるように設けられてい
ることを特徴とするヘッドホルダにある。
【0008】本発明の第2の態様は、第1の態様におい
て、前記連結部先端面で前記フィルタの周縁部と当接し
て当該フィルタを支持する支持部が、内側から外側に亘
って先端側から基端側に向かって後退するように傾斜し
ている傾斜面であることを特徴とするヘッドホルダにあ
る。本発明の第3の態様は、第1又は2の態様におい
て、前記フィルタは、その周縁部が溶着により固着され
ていることを特徴とするヘッドホルダにある。
【0009】かかる本発明によると、インクホルダにイ
ンクカートリッジを取り付ける際にフィルタとインク吸
収体とが密着し、また、連結部内のインク流路内に障害
物がないので、インクの流れが均一且つスムーズにな
り、インク吐出不良等が生じない。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態に基づいて本発
明を詳細に説明する。図1には、一実施形態に係るイン
クカートリッジ保持構造を示す概略断面を示す。図1に
示すように、上部が開口した箱形のインクホルダ10
は、例えば、プラスチックで成型されたものであり、そ
の底部には、例えば、黒色(B)、イエロー(Y)、マ
ゼンダ(M)、シアン(C)の各色のインクに対応した
連結部11を有する。連結部11の内部には、インク流
路11aが形成され、その上端はフィルタ12により塞
がれている。連結部11内のインク流路11aは、イン
クホルダ10の下側に設けられた流路基板13内の図示
しないインク流路を介してインクホルダ10の下側に固
着された記録ヘッド14と連結されている。なお、記録
ヘッド14は、例えば、図示しない圧電セラミックス素
子を具備し、圧電セラミックス素子を駆動することによ
り、下方に向かって開口したノズルからインクを吐出す
るものである。
【0011】ここで、連結部11近傍の拡大図を図2に
示す。図2(a)に示すように、フィルタ12はその周
縁部が、連結部11のインク流路11aの周囲に形成さ
れた支持部11bと溶着片11cとにより挟持された状
態で固着され、中央部が外方向に突出するように保持さ
れている。すなわち、支持部11bは、径方向外側ほど
漸次低くなるようなテーパ面となっており、溶着片11
cは、図2(b)に示すように、例えば、超音波接合用
のホーン30を押圧して溶着することにより形成される
ので、フィルタ12の周縁部がテーパ面である支持部1
1bに押圧された状態で固着され、フィルタ12は上に
凸に突出した状態で保持される。
【0012】ここで、超音波接合用のホーン30は、テ
ーパ面である支持部11bの一番高い部分から外側に逃
げた部分を押圧するようにするのが好ましい。これによ
り、フィルタ12を確実に上に凸に固着することができ
る。また、超音波接合の条件、例えば、超音波振動の大
きさ、発振時間、押圧力等は適宜決定すればよい。さら
に、超音波振動が縦振動か横振動かねじり振動かも特に
限定されないが、フィルタ12を確実に凸に突出させる
ためには、ねじり振動を適用するのが好ましい。
【0013】このように固着されたフィルタ12は球面
状に保持されているので、その突出した中央部は多少押
されても凹むことはない。なお、フィルタ12として
は、例えば、ステンレス鋼などからなる網を打抜いたも
のなどを用いることができる。また、ヘッドホルダ10
内には、長手方向両側の側壁10aに近接して一対の弾
性片15が立設されている。弾性片15は、金属板材等
からなり、その基端部がヘッドホルダ10の底壁10b
に固着されており、先端部はその厚さ方向に弾性変形可
能である。なお、弾性片15の先端部近傍には、傾斜面
で形成された凹部となる一対の係止部16が形成されて
いる。
【0014】一方、インクカートリッジ20は、ヘッド
ホルダ10に内蔵可能な外形寸法を有し、その底部壁に
は上記連結部11に嵌合するインク供給口21が設けら
れ、その内部にはインクを吸収保持するための発泡ポリ
ウレタン樹脂などのインク吸収体22が収納されてい
る。また、インクカートリッジ20の長手方向両側壁の
外側には、弾性片15の係止部16と係合可能な一対の
突起である係止部23が設けられている。なお、係止部
23の上下側の面も側壁に直交する方向から傾斜した面
となっている。
【0015】このようなインクカートリッジ20をヘッ
ドホルダ10に取り付ける場合、インクカートリッジ2
0をヘッドホルダ10の上部開口から真っ直ぐに挿入す
ると、図1(b)に示すように、フィルタ12及び連結
部11がインク吸収体22に当接してインク吸収体22
を変形させるが、フィルタ12の中央部が突出している
ので、フィルタ12とインク吸収体22との間に隙間が
生じ難く、気泡によるインクの流れの阻害が生じる虞が
ない。また、インク流路11a内にも障害物がないの
で、インクの流れが阻害されることがない。
【0016】なお、インクカートリッジ20がヘッドホ
ルダ10に挿入されると、弾性片15の先端部は係止部
23に当接して両側に押し拡げられ、係止部23が係止
部16と係合した時点で元の状態に戻る。この状態で
は、インクカートリッジ20のインク供給口21にヘッ
ドホルダ10の連結部11が完全に挿入されており、こ
の状態は、弾性片15の係止部16と係止部23との係
合により安定して保持される。また、インクカートリッ
ジ20をヘッドホルダ10から取り外す場合、インクカ
ートリッジ20を所定の力以上で真っ直ぐ引き抜くと、
弾性片15の係止部16と係止部23との係合状態が解
除され、ワンタッチで取り外すことが可能である。
【0017】このようなヘッドホルダ10及びインクカ
ートリッジ20は、例えば、インクジェット式記録装置
のキャリッジに搭載されて使用される。この使用態様の
一例の概略を図3に示す。図3に示すように、キャリッ
ジ31は、一対のガイドレール32a及び32b上に軸
方向に移動自在に搭載されており、カイドレール32の
一端側に設けられてキャリッジ駆動モータ33に連結さ
れたプーリ34aと、他端側に設けられたプーリ34b
とに掛け渡されたタイミングベルト35を介して搬送さ
れる。キャリッジ31の搬送方向と直交する方向の両側
には、ガイドレール32a及び32bに沿ってそれぞれ
一対の搬送ローラ36及び37が設けられている。これ
らの搬送ローラ36及び37は、キャリッジ31の下方
に当該キャリッジ31の搬送方向とは直交する方向に被
記録媒体Sを搬送するものである。
【0018】キャリッジ31上には、上述したヘッドホ
ルダ10が搭載され、このヘッドホルダ10には上述し
たインクカートリッジ20が着脱自在に取付可能であ
る。このようなインクジェット式記録装置によると、被
記録媒体Sを送りつつキャリッジ31をその送り方向と
は直交方向に走査することにより、記録ヘッドによって
被記録媒体S上に文字及び画像を記録することができ
る。
【0019】以上、一実施形態について説明したが、本
発明はこのような構成に限定されるものではない。例え
ば、フィルタの固着方法も溶着でなくてもよく、例え
ば、フィルタの周縁部を接着剤により接着してもよい
し、周縁部を他の部材で挟んで保持するようにしてもよ
【0020】
【発明の効果】以上説明したように本発明では、ヘッド
ホルダの連結部のフィルタを周縁部のみで保持して且つ
中央部が突出するように保持しているので、インクカー
トリッジを取り付けた際に、フィルタとインク吸収体と
の間に隙間ができず、インクの流れがスムーズになると
いう効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るヘッドホルダ及びイ
ンクカートリッジ示す概略断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るヘッドホルダの要部
断面図である。
【図3】本発明に係るヘッドホルダの使用態様の一例を
示す概略図である。
【図4】従来技術に係るインクカートリッジ保持構造の
一例を示す概略断面図である。
【図5】従来技術に係るヘッドホルダの一例を示す要部
断面図である。
【符号の説明】 10 ヘッドホルダ 11 連結部 11a インク流路 11b 支持部 11c 溶着片 12 フィルタ 13 流路基板 14 記録ヘッド 15 弾性片 16 係止部 20 インクカートリッジ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/175

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを収容するインク吸収体を内蔵す
    ると共にインク供給口を有するインクカートリッジの前
    記インク供給口と嵌合し、嵌合して前記インク吸収体と
    接触する側の先端部が環状かつ棚状の支持部と該支持部
    の外方の環状かつ凸状の溶着片とから形成された連結部
    と、前記連結部の先端に一端が開口するインク流路と、
    前記連結部の該支持部上に設けられたフィルタとを具備
    して、前記インクカートリッジを着脱自在に保持するヘ
    ッドホルダにおいて、前記支持部は内側から外側に亘って先端側から基端側に
    向かって後退するように傾斜している傾斜面に構成して
    前記フィルタの周縁部と当接して該フィルタを支持する
    とともに、 前記フィルタはその周縁部が前記支持部と前記溶着片と
    により挟持された状態で固着され且つ前記フィルタの
    央部が前記インク流路から外方向に凸になるように設け
    られていることを特徴とするヘッドホルダ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記フィルタは、そ
    の周縁部が溶着により固着されていることを特徴とする
    ヘッドホルダ。
  3. 【請求項3】 請求項1または2のヘッドホルダをキャ
    リッジに搭載し、前記ヘッドホルダに着脱自在に保持さ
    れたインクカートリッジに収納されたインクを前記ヘッ
    ドホルダを介して複数のノズルを有する記録ヘッドに供
    給し、供給された前記インクを前記記録ヘッドから被記
    録媒体に吐出して記録を行うことを特徴とするインクジ
    ェット式記録装置。
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