JPH0833628A - ケーブルで作動する外科手術具用顎部アセンブリ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、手術具のオペレータによって引っ
張られる可撓性の引張り部材によって閉止される顎部の
対を提供することを目的とする。 【構成】 本発明の好ましい態様においては、両顎部の
内の一方は、スロットを介して他方の顎部に回動可能に
取り付けられる。回動する顎部には、ループ形状のコー
ドが取り付けられ、顎部の一方を閉止するため引っ張ら
れる。両顎部の遠方端を一緒に閉止するまで、回動する
顎部の手前端を他の顎部から引き離した状態に保つた
め、第２のコードが設けられる。他の態様においては、
両顎部は、これらに係合するねじ山付きのシャフトを備
える二つのプーリを回転することによって互いに平行な
状態において閉止される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、外科手術具用顎部アセ
ンブリに係り、特に開放手術具だけでなく、種々の内視
鏡手術具にも適用できる顎部アセンブリに関する。

【０００２】

【従来の技術】一方の顎部が他の顎部に対して開放位置
と閉止位置の間で移動する共働顎部の対を組み入れた種
々の手術具が商品化ないし提案されている。このような
手術具の例としては、組織グラスパ、組織クランプ、ニ
ードルグラスパ、組織カッター、直線状ホチキス装置、
結紮クリップ取付け装置等がある。

【０００３】多くの手術においては、作業できる領域は
閉鎖空間にあるため、手術具は、断面積の小さいものが
必要ないし好ましい。このため、外科手術具に組み込む
ことができる比較的断面積の小さい顎部が求められてい
る。

【０００４】ところで、一方の顎部がアンビルとして働
き、他方の顎部が一もしくはそれ以上の列をなすステー
プル（ホチキス針）を運ぶ直線状ホチキス装置が開発さ
れた。アンビルとなる顎部は、手動で閉止され、組織の
層を両顎部の間で捕らえる。ついで、適当な機構をアク
チュエートして、ホチキス針を組織を貫通しながらアン
ビル用顎部に向けて射出する。このため、ステープル取
付けシステムを簡単に収めることができ、かつ顎部の閉
止・開放を手術具の手前端から遠隔操作できる顎部があ
れば、望ましい。

【０００５】組織を締め付けたり挟んだりするのに、回
動可能に取り付けた両顎部を用いる場合は、典型的に
は、両顎部の遠方部分が組織に係合する前は、両顎部の
手前の部分を組織に係合させる。しかし、こうすると、
組織は、両顎部において遠方側に移動させられ、両顎で
適切に把持することはできない。このため、両顎部を閉
止するとき組織が顎部に沿って移動するのを防止ないし
最小限に抑えることができる顎部アセンブリがあれば都
合がよい。

【０００６】また、手術によっては、比較的強い力が必
要ないし好ましいことがある。このため、オペレータの
加える力に対して、顎部の閉止力を増加させることので
きる顎部アセンブリがあれば好ましい。また、もし顎部
アセンブリにおける閉止力が閉止行程の間で変化させる
機構を収めることができれば好都合である。

【０００７】さらに、開放手術具だけでなく、内視鏡手
術具にも組み入れることのできる顎部アセンブリがあれ
ば好ましい。本明細書においては、「内視鏡手術具」と
いう術語は、内視鏡ととともに同じ体腔に挿入される手
術具を指す。内視鏡は、拡大像によるか否かは別として
体腔内部の目視検査を可能にし、また治療もしくは診断
目的で手術具を操作する模様を観察できるようにする。

【０００８】典型的な内視鏡手術においては、ヒトもし
くは動物の腹腔を殺菌したガス、例えば二酸化炭素で脹
ませ、体腔内で内視鏡手術具を扱える余地を拡張する。
次に、皮膚、組織および筋系を貫通して、患者の体腔に
公知のトロカールを挿入する。トロカールは、典型的に
は、長手の栓塞子を収めるカニューレを含む。栓塞子
は、典型的には尖端を有するものを用いるが、他のタイ
プの栓塞子も用いることができる。

【０００９】トロカールをそれぞれ体腔内の手術部位に
隣接する箇所に位置させたら、栓塞子を外し、カニュー
レを体腔への通路として残す。通常は、複数個のカニュ
ーレをこのようにして残す。この後、外科医は、カニュ
ーレの一つを通じて内視鏡を挿入し、手術の内視鏡手術
具を一もしくはそれ以上のカニューレを通して治療もし
くは診断を行う手術部位に挿入する。

【００１０】内視鏡は、典型的にはビデオカメラに接続
され、このカメラからの出力は、手術部位と手術具の遠
方端を映し出すビデオモニタに送られる。内視鏡手術具
の中には、結紮クリップ取付け装置、組織カッター、組
織グラスパ、ニードルグラスパなど顎部の対を備えるも
のがある。このため、このような手術具で使用すること
ができ、体腔外にある手前端からの操作・制御が容易な
顎部アセンブリがあれば都合がよい。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】内視鏡手術には多くの
利点があるが、欠点もいくつかある。例えば、外科医
は、典型的には体腔内で手術具を操作しながらビデオモ
ニタのディスプレイを観察するが、ビデオディスプレイ
は、手術部位について二次元の情報しか与えないため、
深さの知覚が得られない。

【００１２】もう一つの問題は、手術具をその挿入方向
から組織に係合させる場合に起こる。いくつかの内視鏡
手術具（例えばグラスパ）には、所望の結果（例えば組
織の把持）が得られるよう組織に係合する顎部アセンブ
リがある。そして、内視鏡手術具の場合は、通常両顎部
は、剛性の真直ぐなシャフトに取り付けられ、このシャ
フトとともに直線的に移動される。

【００１３】体腔内の組織に行われる手術の性質によっ
て、顎部アセンブリは手術具のシャフトの長手軸に対し
て一定の角度をなして連接されるのが好ましい。こうす
ると、外科医も、色々な状況下で組織を容易に把持する
ことができる。

【００１４】また、さらなる課題は、顎部アセンブリが
内視鏡による視界の一部を妨げるおそれに関するもので
ある。すなわち、手術具の主軸の遠方端で連接した内視
鏡手術具を使うと、両顎部による組織の把持は、この主
軸の方向から横方向にずれて行うことができるため、隣
にある内視鏡は顎部とこれに把持された組織をほとんど
障害なしに観察することができる。

【００１５】このような連接型の内視鏡手術具は多数の
ものが提案され、また連接型の内視鏡や他の手術具も市
販されているが、手術具の遠方端に連接・取付けられて
遠隔操作できる顎部アセンブリがあれば望ましい。

【００１６】とりわけ、顎部が手術具の長手軸に対して
かなり斜めの角度にある場合でも、顎部を操作すること
ができる連接型の手術具（内視鏡手術具もしくは非内視
鏡手術具）用顎部アセンブリがあれば好都合である。さ
らに、このような設計が、顎部アセンブリが手術具の長
手軸からどのような放射方向で連接状態にあっても、顎
部アセンブリの操作を可能にするならば、より望まし
い。

【００１７】また、内視鏡手術においては、手術部位の
環境特性（温度、化学物質の存在等）を感知しておくの
が望ましい場合がある。さらに、手術の最中に、手術具
の部品が存在するかどうか、またその位置がどこかを知
っておいた方が好ましい。さらに、洗浄もしくは吸引の
ための導管を手術部位に導くのも好ましい。手術部位に
はクリップもしくはステープル（ホチキス針）を適用
し、これらの適用手段を顎部アセンブリで運搬するのも
必要である。したがって、内部センサ用の線、吸引導
管、洗浄導管および可撓性のアクチュエータ部材を導く
ことができ、またファスナを適用部位に送りかつ適用す
ることを可能にする顎部アセンブリが特に望まれる。そ
のような顎部アセンブリは、内部通路と部品を収めるこ
とができ、またそのような部品をアセンブリ自身を通し
て移動させることができる十分な内部空間を有するのが
好ましい。

【００１８】内視鏡手術具もしくは開放手術具用顎部ア
センブリは、汚染の元となり、洗浄が難しく、さらに隣
接する組織に引っ掛かってこれを損傷することもある突
起やくぼみが最小の比較的滑らかな外形状を有するのが
好ましい。

【００１９】そして、顎部アセンブリは、真直ぐな方位
にあるときだけでなく、軸と所定の角度をなす方位にあ
るときでも、手術具の操作時に加わる比較的強いモーメ
ントと力に適応し得る十分な強度をもつことが好まし
い。

【００２０】

【課題を解決するための手段および作用】本発明によれ
ば、手術具用に特徴ある顎部アセンブリが提供される。
本発明の顎部アセンブリは、連接する手術具に容易に組
み込むことができ、その両顎部を開閉すべく操作され
る。この顎部は、比較的強い機械的強度を有し、比較的
強い顎部閉止力を適用することが可能である。

【００２１】顎部アセンブリは、手術の手前端から、過
度に強い力やトルクを加えなくても、容易に操作するこ
とができる。

【００２２】本発明の顎部アセンブリは、手術具の手前
端からこのアセンブリを通して必要な部品を送るのに十
分な内部空間を有するように設計される。本発明の顎部
アセンブリの内部領域は、結紮クリップやステープルの
ようなファスナの通路にもなるよう設計される。

【００２３】また、本発明の顎部アセンブリは、両顎部
を閉じるときに組織が顎部に対して移動するのを最小に
するかもしくは防止するため、組織をほぼ平行な両顎部
の間もしくは可動する両顎部の遠方端の間で、圧縮する
ように設計される。

【００２４】さらに、本発明の顎部アセンブリは、汚染
や組織損傷のおそれを最小にするよう、比較的滑らかな
外形状を有する。

【００２５】本発明によれば、顎部アセンブリは、手術
のオペレータによって引かれる可撓性の引張り部材によ
って閉止される顎部の対を備える。このような可撓性引
張り部材は、単一のストランドもしくは要素または多重
外ランドもしくは要素を有する単一もしくは複合型のコ
ード、ケーブル、金属もしくはプラスチックの細片、ひ
も、フィラメントなどである。このような可撓性引張り
部材は、加えられた引張り力を伝動するが、典型的には
圧縮力は伝えない。簡便のため、「コード」という語
は、本明細書においては、そのような可撓性の引張り部
材を広く指すものとする。

【００２６】本発明の一つの態様においては、顎部の対
は、一方の顎部が他方の顎部に対して動くという形で与
えられる。すなわち、両顎部は、操作コードによってア
クチュエートされる。コードは、可動顎部に凹差可能に
係合する部分を有するループ形状をなし、このループ
は、可動顎部を動かすためこのループの少なくとも一部
に引張り力を与えるよう係合される他の部分も有する。
このようにエンドレスループを用いると、コード材料の
もろさや滑りのため（例えば液晶材料や、比較的摩擦係
数の小さい熱可塑性ポリマー材料）、コードの端部を手
術具の一部にしっかりと取り付けることが困難ないくつ
かのコード材料においては特に有利になる。

【００２７】本発明の一つの態様においては、顎部アセ
ンブリは、それぞれ手前端と遠方端を有する第１の顎部
と可動性の第２の顎部を備える。第２の顎部は、第１の
顎部に接近し、またこれから離れるよう回動軸の回りに
回動するよう取り付けられる。操作コードは、回動軸の
遠方側で第２の顎部に係合し、第２の顎部を引っ張っ
て、第２の顎部の遠方端を第１の顎部に向けて回動させ
る。

【００２８】いくつかの態様においては、第２の操作コ
ードを用いるのが望ましい。第２の操作コードは第２の
顎部に係合し、第２の顎部の手前端を第１の顎部から引
き離すように引っ張れる。第１の操作コードがまず引か
れたとき第２の操作コードに引張り力が与えられると、
第２の顎部の手前端は、最初は第１の顎部から離れた状
態で保持される。このため、第２の遠方端は、第２の顎
部の手前端が組織に係合する前に、第１の顎部に接近し
て組織を両顎部の間に係合させる。こうすると、両顎部
閉止の最中に、組織が両顎部に沿って遠方側に動く傾向
が抑えられる。

【００２９】ある好ましい態様においては、顎部アセン
ブリは、レバー回動軸を有し、このレバー回動軸の回り
に回動運動をするよう取り付けられるレバーを備える。
レバーは、コード係合のための第１および第２の面を有
する。レバー回動軸と第１の面のいかなる箇所との間の
距離も、レバー回動軸と第２の面のいかなる箇所との間
の距離よりも小さい。コードが引かれたときは、レバー
は回動してコードが作動する経路となるレバーアームの
長さを変化させる。このアセンブリは、第２の顎部が、
最初はコードによって、比較的小さい力で長い可動範囲
の下に引かれるよう配置され、続いて比較的大きな力で
短い可動範囲の下に引かれる。

【００３０】他の態様においては、顎部アセンブリは、
それぞれ手前端と遠方端を有する第１の顎部と可動性の
第２の顎部を備える。そして両顎部の一方は、その手前
端に隣接して長手のスロットを有する。他方の顎部は、
その手前端に隣接して、スロットに収められる鉾方向に
延びるシャフトを備える。このスロットは、両顎部を連
結して、第２の顎部が第１の顎部に接近しまたこれから
離れる並進・回動運動を可能にする。

【００３１】第２の顎部が第１の顎部から離れる回動を
するよう、第２の顎部を第１の顎部に対して付勢するた
め、ばねが設けられる。

【００３２】第１の操作コードは、シャフトの遠方側に
ある、第２の顎部を引っ張ってその遠方端を第１の顎部
に向けて回動させる第１の位置で第２の顎部に係合す
る。第１の操作コードはまた、第２の顎部の第１の顎部
に向かう回動運動の初期段階でのみ、シャフトの手前側
にある、第２の顎部を引っ張ってその手前端を第１の顎
部から引き離すべく回動させる第２の位置で第２の顎部
に係合する。こうすると、組織は、最初は両顎部の遠方
端の間で把持され、組織が両顎部閉止の最中に両顎部に
沿って遠方側に動く傾向が最小のものになる。

【００３３】もう一つの態様においては、顎部アセンブ
リは、第１のおよび第２の顎部を備え、このうち少なく
とも一方は他方の顎部に対して移動する。両顎部を離隔
すべく付勢するため、ばね構造体が設けられる。第１の
顎部は、横方向に延びるガイド面を有する。Ｕ字形のル
ープを構成する操作コードは、第２の顎部に係合する。
コードは、先のガイド面の回りにわたされる少なくとも
一つの牽引部を有し、この牽引部は、少なくとも一方の
顎部を他方の顎部に向けて付勢するため引っ張られる。

【００３４】顎部アセンブリの他の態様においては、第
１の顎部と、この第１の顎部に固定された第１のガイド
面が設けられる。第２のガイド面を有する第２の可動顎
部は、第１の顎部に接近しまたこれから離れる回動運動
のために取り付けられる。第２の顎部が第１の顎部から
離れる回動をするよう、第２の顎部を第１の顎部に対し
て付勢するため、ばねが設けられる。コードには第１の
顎部に対して固定された部分が設けられる。コードは、
第２の顎部を引っ張って第１の顎部に向けて回動させる
ため、この固定部分から、第２のガイド面、ついで第１
のガイド面を順次経て牽引される牽引部を有する。

【００３５】他の態様においては、顎部アセンブリは、
それぞれ手前端と遠方端を有する第１の顎部と可動性の
第２の顎部を備える。そして両顎部の一方は、その手前
端に隣接して長手のスロットを有する。他方の顎部は、
その手前端に隣接して、スロットに収められる鉾方向に
延びるシャフトを備える。このスロットは、両顎部を連
結して、第２の顎部が第１の顎部に接近しまたこれから
離れる並進・回動運動を可能にする。

【００３６】ばねは、第２の顎部を第１の顎部に対して
付勢し、第２の顎部の手前端を第１の顎部から引き離す
よう並進させ、また第２の顎部の遠方端が第１の顎部か
ら離れるよう回動させる。

【００３７】操作コードは、シャフトの遠方側にある、
第２の顎部を引っ張ってその遠方端を第１の顎部に向け
て回動させる第１の位置で第２の顎部に係合する。操作
コードはまた、第２の顎部の第１の顎部に向かう回動運
動の初期段階でのみ、シャフトの手前側にある、第２の
顎部を引っ張ってその手前端を第１の顎部から引き離す
べく回動させる第２の位置で第２の顎部に係合する。

【００３８】他の態様においては、顎部アセンブリは、
それぞれ手前端と遠方端を有する第１の顎部と可動性の
第２の顎部を備える。そして両顎部の一方は、その手前
端に隣接して長手のスロットを有する。他方の顎部は、
その手前端に隣接して、スロットに収められる鉾方向に
延びるシャフトを備える。このスロットは、両顎部を連
結して、第２の顎部が第１の顎部に接近しまたこれから
離れる並進・回動運動を可能にする。

【００３９】第１の操作コードは、シャフトの遠方側に
ある、第２の顎部を引っ張ってその遠方端を第１の顎部
に向けて回動させる第１の位置で第２の顎部に係合す
る。第１の操作コードはまた、第２の顎部の第１の顎部
に向かう回動運動の初期段階でのみ、シャフトの手前側
にある、第２の顎部を引っ張ってその手前端を第１の顎
部から引き離すべく回動させる第２の位置で第２の顎部
に係合する。

【００４０】第２の操作コードは、第２の顎部の手前端
に係合する。第２のコードを引くと、第２の顎部の手前
端は、シャフトとスロットの間の付随的な変位を伴いな
がら、第１の顎部に向けて付勢される。

【００４１】また他の態様においては、顎部アセンブリ
は、フレームと、このフレームから横断方向に突出する
第１の顎部を備える。フレーム上には、第１の顎部に対
して固定方向において、第１の顎部に対して接近しまた
これから離れる運動をする第２の顎部が保持される。

【００４２】第１のガイド部材は、第１の顎部もしくは
フレームのどちらかに保持される。第２のガイド部材
は、第２の顎部上に保持される。スロットは、フレーム
もしくは第２の顎部のいずれかに設けられる。ピンは、
ピンがスロットに収められて第２の顎部の動きを可能に
するよう、フレームもしくは第２の顎部の残った方に保
持される。

【００４３】第２の顎部を第１の顎部から離れる方向に
付勢するため、ばねが設けられる。コードは第１の顎部
に連結される。コードは、第１の顎部から、第２のガイ
ド部材、ついで第１のガイド部材を順次経て牽引され
る。コードは、第１のガイド歩合から、顎部アセンブリ
の手前方向に延び、コードを引くと両顎部が閉止され
る。

【００４４】第１の顎部がフレームから横方向に突出す
る他の態様においても、同様のフレームが設けられる。
フレーム上には、第１の顎部に対して固定方向におい
て、第１の顎部に対して接近しまたこれから離れる運動
をする第２の顎部が保持される。ガイド部材は、第１の
顎部もしくはフレームのどちらかに保持される。スロッ
トは、フレームもしくは第２の顎部のいずれかに設けら
れる。ピンは、ピンがスロットに収められて第２の顎部
の動きを可能にするよう、フレームもしくは第２の顎部
の残った方に保持される。

【００４５】第２の顎部を第１の顎部から離れる方向に
付勢するため、ばねが設けられる。コードは第２の顎部
に連結される。コードは、ガイド部材の回りを経て、顎
部アセンブリの手前方向に延び、コードを引くと両顎部
が閉止される。

【００４６】顎部アセンブリの他の態様においては、右
ねじを有する第１の軸部と左ねじを有する第２の軸部を
有する第１のロッドが少なくとも備えられる。アセンブ
リはまた、第１のロッドの第１の軸部を収めまたこれに
ねじ係合する第１の右ねじ山を形成した穴と、第１のロ
ッドの第２の軸部を収めまたこれにねじ係合する第１の
左ねじ山を形成した穴を有する。コードは、引かれる
と、第１のロッドに操作可能に接続して、ロッドにトル
クを与えてこれを回転させる。こうすると、両顎部は、
ロッドの回転方向に応じて、互いに接近しまた離れる。

【００４７】他の態様に係る顎部アセンブリは、それぞ
れ手前端と遠方端を有する第１の顎部と可動性の第２の
顎部を備える。第２の顎部は、第１の顎部に接近し、ま
たこれから離れる回動軸の回りの回動運動のために設置
される。第２の顎部にはローラが保持される。可撓性の
金属バンドの形態で遠方端部を備えるコードは、回動軸
の遠方側で第２の顎部に係合し、ローラの回りを牽引さ
れる。バンドは、通常Ｚ字形をしている。またこの顎部
アセンブリには、第２の顎部を付勢してその遠方端を第
１の顎部から離れる側に回動させるため、ばねが設けら
れる。そして、コードを引くと両顎部が閉止する。

【００４８】顎部アセンブリのさらに他の態様は、この
直前に説明した態様に類似している。両態様の違いは、
バンドが第２の顎部の遠方端に取り付けられ、第２のロ
ーラが第２の顎部上に保持されるという点である。可撓
性の金属バンドは、第１および第２のローラの回りに牽
引される。

【００４９】さらに他の態様においては、顎部アセンブ
リは、それぞれ手前端と遠方端を有する第１の顎部と第
２の顎部を備える。そして両顎部の一方は、その手前端
に隣接して長手のスロットを有する。他方の顎部は、そ
の手前端に隣接して、スロットに収められる横方向に延
びるシャフトを備える。このスロットは、両顎部を連結
して、第２の顎部が第１の顎部に接近しまたこれから離
れる並進・回動運動を可能にする。第１の顎部は、スロ
ットの遠方側に第１のガイドピンを、またスロットの手
前側に第２のガイドピンを有する。第２の顎部は、スロ
ットの遠方側に第３のガイドピンを有する。

【００５０】第２の顎部を第１の顎部に対して付勢し、
第２の顎部を開放位置に向けて回動させるため、ばねを
設ける。アセンブリはまた、第１の顎部の手前端から第
１の顎部全体に至る第１の部分を少なくとも有する第１
の操作コードを具備する。第１のコードの第１の部分
は、第１の顎部の第２のガイドピンとスロットにあるシ
ャフトの間に延び、またこれらに係合する。第１のコー
ドの第１の部分は、シャフトから遠方側に延び、ついで
第１の顎部にある第１のガイドピンと第２の顎部にある
第３のガイドピンを順次経て延びる。第１のコードの第
１の部分は、第２の顎部にある第３のガイドピンから、
第１のガイドピンから離隔した位置にある第１の顎部ま
で延び、これに係合する。

【００５１】第２の操作コードは、第２の顎部の手前端
に接続し、第２の顎部を操作するのを補助する。この第
２のコードは、第１のコードを引いている最中の適当な
時点で引けばよい。第２のコードに係る引張り力のた
め、第２の顎部の手前端は、第２の顎部から離れた状態
で保持され、第２の顎部の遠方端がまず閉止する。

【００５２】以下の実施例と図面、ならびに特許請求の
範囲の記載から、無数の利点および特徴が容易に明らか
になるであろう。

【００５３】

【実施例】本発明の一つの様相（アスペクト）は、独特
の作動特性および機能を有しながら種々の設計で組み込
むことが可能な顎部アセンブリに関する。特に本発明に
係る顎部アセンブリは、これが連接される手術具の遠方
端に容易に取り付けることができる。顎部アセンブリ
は、連接されて回動している最中もまたその後でも操作
することができる。

【００５４】さらに、本発明の顎部アセンブリのいくつ
かの態様においては、顎部に与える力が増幅されるとい
う効果も発揮される。また顎部の閉止を、両顎部を平行
な方位に移動して行う態様もある。そして他の態様にお
いては、両顎部の閉止は、両顎部の一方の手前端が完全
に閉止位置に移動する前に、その遠方端を閉止位置に移
動することによって行う。こうすると、顎部閉止の過程
で組織が顎部に沿って変位する量は最小になる。

【００５５】本発明の顎部アセンブリは、比較的機械的
強度があり、外形も組織の損傷や汚染物質蓄積の元とな
る突起を最小にしている。

【００５６】また、本発明の顎部アセンブリは、種々の
手術を行うことができる手術具に取り付けることができ
る。このような手術には、把持、締め付け、ステープル
および結紮クリップの適用、超音波エネルギーの適用、
手術部位の洗浄、吸引による手術部位からの組織片・異
物等の除去などがある。

【００５７】また本発明の顎部アセンブリにおいては、
内部通路あるいは内部に部品（センサのコード、導管、
ファスナアクチュエータシステム等）を収めるため、十
分な内部空間を確保した態様も多々ある。収受のセンサ
システムに用いる部品は、この新しい顎部アセンブリを
使えば、手術部位にまで送ることができる。このような
センサシステムには、組織の厚みや圧迫の程度を測定す
るシステム、腫瘍のセンサ、パルス計、管部を流れる液
体のドップラー効果を測定するセンサなどがある。また
照明ガイドや他の光ファイバ系用の部品もこの顎部アセ
ンブリを通じて送り込むことができる。

【００５８】さらに、本発明の顎部アセンブリは、この
アセンブリを取り付ける手術具の通気ないし封止を行え
るよう種々の設計にすることができる。このような設計
には、ガスや煙に対するフィルタの設置などがある。

【００５９】本発明の顎部アセンブリには手術の態様が
あるが、本明細書および図面ではこのうちのいくつかを
示すにすぎない。しかし、本発明は、ここで記載した態
様に限られるものではない。本発明の範囲は、特許請求
の範囲に記載した通りである。

【００６０】説明の便宜のため、本発明の顎部アセンブ
リの各態様は、種々の操作位置において記載するが、
「上方」、「下方」、「水平」などの語は、これらの位
置に関して使用するものである。ただし、本発明の顎部
アセンブリは、ここで示した位置以外の方位において
も、製造、保管、輸送、使用および販売が可能なことが
理解できるであろう。

【００６１】添付の図面は、本発明に係るいくつかの機
械要素を示すが、これらは公知であり、当業者ならば理
解できるものである。したがって、これら機械要素の説
明は、本発明の説明にとって必要ではなく、本発明の新
規な特徴の理解を容易にするのに必要な程度に記載す
る。

【００６２】本発明の顎部アセンブリは、公知の部品
（その詳細は説明しないが、当業者にはその機能は知っ
ているであろう）を使った手術具にも使用することがで
きる。

【００６３】図１ないし７は、本発明の顎部の第１の態
様の基本的特徴を示すものである。この顎部アセンブリ
は、開放手術もしくは内視鏡手術具の手前部分に取り付
けられるもので、この手前部分は、典型的には支持ハウ
ジング３４（図２）である。手術具のこの部分は、外科
医に握られる。内視鏡手術具の場合は、ハウジング３４
の手前部分は、患者の体外にあり、手術具の他の部分
は、トロカールのカニューレ（図示せず）を通して体腔
内に挿入される。

【００６４】本発明の顎部アセンブリは、手術具に回動
可能に取り付けられるため、手術具は、下部ブラケット
４２、上部ブラケット４４および支持部材４６を具備す
る取付けアセンブリ６０（図１）を備える。下部ブラケ
ット４２は穴６８を、上部ブラケット４４は穴５０を、
そして支持部材４６は穴５２を区画する。各部品は、穴
４８、５２および５０がヒンジピンもしくは回動ピン５
４（図１と４）を収めることができるように配列するよ
う、組立てられる。下部ブラケット４２と上部ブラケッ
ト４４の手前部分は、ハウジング３４から延びるシャフ
トチューブ４７に適当な手段（図示せず）によって取り
付けられる。

【００６５】支持部材４６は、顎部アセンブリを取り付
ける片持ちさね５６を定める。このため、顎部アセンブ
リは、第１の側壁６４（図１）、第２の側壁６６（図
１）および底部癖もしくはフロア６８（図４）によって
区画されるチャネル形状の手前部分を備える第１の顎部
もしくは下方顎部６１を有する。支持部材４６の突出し
たさね５６は、図４に示す第１の顎部６１の手前部分に
収められ、適当な手段（例えばねじ付きファスナ、押し
つぶし、接着材、溶接、ろう付け等）によってここに保
持される。ただし、顎部アセンブリをさね５６もしくは
所望により手術具の他の部分に取り付ける特定の手段は
本発明の構成要素ではない。

【００６６】第１の顎部側壁６４は開口６９を区画し、
第２の顎部側壁６６は開口７０を区画する。楕円形のレ
バーアーム７４は、第１の顎部６１にある開口６９と７
０に取り付けられるピン７２の上に配置される。

【００６７】顎部アセンブリは、ボスもしくは耳状部７
８を定める手前端部を有する上方顎部もしくは第２の顎
部７６を備える。各ボス７８には穴８０が設けられる。
第２の顎部７６の手前部分は、第１の顎部側壁６４と６
６の間に収められる。各側壁６４と６６は、垂直方向の
向いた長手のスロット８４を区画する。シャフト８６
は、第１の顎部６１に取り付けた第２の顎部７６を閉止
するために、スロット８４と第２の顎部の穴８０を通し
て取り付けられる。

【００６８】各スロット８４の長さは、シャフト８６の
径よりも長い。シャフト８６は、このため、スロット８
４内を垂直方向に自由に並進できる。これは、第２の顎
部７６の手前部分が第１の顎部６１に向かい、またこれ
から離れる運動を許容することを意味する。さらに、シ
ャフト８６は、第２の顎部７６が回動する回動軸を区画
するという特徴を有する。この回動軸は、もちろん固定
したものではなく、シャフト８６がスロット８４に沿っ
て移動したときは、第１の顎部６１に対して並進するこ
とになる。

【００６９】図示の好ましい態様においては、ばね９０
は、図１と４に示すように、顎部アセンブリの内部に取
り付けられる。ばね９０は、通常Ｕ字形をしており、Ｕ
字形に曲がった脚の部分はクラドル（揺りかごの架台）
部９２を区化する。このクラドル部９２は、シャフト８
４、そして第２の顎部７６の手前端を第１の顎部６１か
ら上方に向けて付勢するため、このシャフト８４に係合
する。

【００７０】コード９６は、両顎部を閉止するため、顎
部アセンブリを作動させる。先の「課題を解決するため
の手段および作用」の項で詳細に説明したように、「コ
ード」という語は、本明細書では、ケーブル、ひも、フ
ィラメント、金属もしくはプラスチックの細片などの可
撓性の引張り部材を指す。コード９６は、単一のストラ
ンドもしくは要素を含む一体型もしくは複合型の材料で
ある。コード９６は、多重ストランドもしくは要素を組
み入れることもできる。そして、このようなコードは、
以下に詳述する他の各態様でも用いることができる。

【００７１】ここで説明する好ましい態様においては、
コード９６は、比較的摩擦係数の小さい液晶ポリマーの
単一のループである。このように連続的なループを使う
と、コード９６の端部を手術具の部品に固着する必要が
なくなる。これは、コードの端部を手術具の部品にしっ
かりと取り付けることが難しい材料の場合に有利であ
る。このようなループは、以下に詳細に説明する顎部ア
センブリの他の態様においても使用することができる。

【００７２】コード９６は、第２の顎部７６の回りにで
Ｕ字形の配置をとり、第２の顎部７６からレバー７４の
回りに延びる。コード９６は、適当な手段によって引っ
張られ、レバー７４からさらに、顎部アセンブリの手前
端を越えて延びる。図１ないし７に示した態様において
は、手術具の支持部材４６は開口部９８を区画し、コー
ド９６はこの開口部９８を通じて両顎部６１と７６から
手前側に延びる。コード９６は、好ましくは、外科医に
よって引っ張られるハウジング３４（図２）の手前端の
ように手術具の手前部分まで延びる。

【００７３】コード９６を引っ張る好ましい態様は図２
に示してある。このシステムは、ピン１０２とともにハ
ウジング３４に回動可能に取り付けられるＬ字形のレバ
ー１００を備える。コード９６のループは、この操作レ
バー１００にある開口部１０４を通って延びる。ばね９
０は、通常第２の顎部７６を開放位置に向けて付勢する
ため、コード９６は、通常は、ハウジング３４にあるい
くつかの適当な止め具（図示せず）に抗して、操作レバ
ー１００を前進位置に引っ張るよう遠方側に引っ張られ
る。外科医は、ハウジング３４の手前端を保持し、レバ
ー１００を後方（手前側）へ握り締めてループコード９
６を手前側に引っ張ることができる。

【００７４】コード９６となるループの遠方端は、第２
の顎部７６に係合する。このため、第２の顎部７６の外
表面は、コード９６を収める弧状の溝１０８（図４）を
区画する。コード９６は、第２の顎部７６の両側から第
１の顎部６１のチャネル部に入り込む。コード９６は、
ついで断面楕円形のレバー７４の外表面の回りにわたさ
れ、またこれに係合する。

【００７５】レバー７４は、必ずしも断面が楕円形であ
る必要はないが、次のような第１の表面１１１と第２の
表面１１１は有しなければならない。すなわち、レバー
の回動軸と第１の表面１１１の間の距離は、この回動軸
と第２の表面１１２の間の距離より短い。レバー７４
は、第２の顎部７６が完全に開いたとき、レバー７４が
図４に示す方位を向くよう、好ましくは、コード９６に
最初取付けおよび係合される。特に、この条件下では、
レバー７４の最も長い部分（例えば、楕円形レバーの長
軸）は、一般に下方顎部６１と平行になり、コード９６
のループの手前部分が引っ張られる方向となる手術具の
長さ方向とも平行になる。レバー７４と第２の顎部７６
の間に延びるコード９６は、レバー７４から手前側に延
びるコード９６の長さ方向とは、ほぼ９０°の角度をな
す。

【００７６】コード９６が手前側に引かれると、第１の
面１１１に沿ったコード９６の長さ方向には比較的短い
レバーアームを通して引張り力が働き、第２の面１１２
に沿ったコード９６の部分には比較的長いレバーアーム
を通して引張り力が働く。コード９６が手前側に引かれ
ると、レバー７４は回動する（図４に示すように反時計
方向に）。レバーが図５に示す中間位置まで回動する
と、コード９６のレバー７４と第２の顎部７６の間の部
分は、比較的弱い力で比較的長い行程を移動する。コー
ド９６を図５に示した方位から図６の示した方位まで手
前側に引張り続けると、コード９６の第２の面１１１に
係合する部分には、比較的長いレバーアームを通じて引
張り力が働き、レバーアーム７４から第２の顎部７６ま
で延びるコード部分は、比較的短いレバーアームを通じ
て引張り力が働く。こうしてコード９６が第２の面１１
２に隣接して短い距離を並進すると、より強い力が加わ
る。

【００７７】顎部アセンブリを操作すると、最初は第２
の顎部７６が比較的小さい力の下に比較的長い距離を閉
止位置に向けて進み、ついで第２の顎部７６が比較的大
きな力を発揮しながら、短い弧を描いて完全な閉止位置
まで回動する。例えば、レバー７４が楕円形で、長軸の
長さが短軸の長さの２倍あるときは、第２の顎部７６は
始め、入力される引張り力の１／２の力で完全な閉止位
置にむけて引っ張られ、当初の引張り行程の２倍の半径
の弧（コード９６が第２の顎部７６の頂部に係合する地
点までの半径で測定する）を描いて回動する。次に、レ
バー７４が約９０°回動すると（図５に示す位置ま
で）、第２の顎部７６は、最終的な引張り行程の１／２
の長さだけ先の弧に沿って進んだところで、引張り力の
２倍の締め付け力を受ける。

【００７８】図４および図５において、第２の顎部の最
初の回動運動の最中は、第２の顎部７６の手前端は、か
なり浮き上がった状態になる。これはばね９０がシャフ
ト８６をスロット８４内で上方に付勢するからである。
こうして図５に示すように、顎部７６のより手前側にあ
る部分が組織（例えば組織の二層Ｔ１とＴ２）に係合す
る前に、第２の顎部７６の遠方端は、この組織に係合す
る。このため、組織は二つの顎部の遠方端の間に挟ま
れ、従来のように、組織が固定した回動軸の回りに回動
・閉止する顎部に沿って移動するという傾向はまったく
もしくはほとんどなくなる。

【００７９】第２の顎部７６の遠方部分がほぼ閉止位置
まで回動すると、コード９６によるさらなる引張り力
は、ばね９０の力を十分上回るものになり、第２の顎部
７６の手前端は、図６に示すように顎部アセンブリが完
全に閉止するまで、第１の顎部６１に向けて引っ張られ
る。

【００８０】図１ないし７に示す顎部アセンブリは、連
接可能な手術具にも用いることができる。顎部アセンブ
リは、第１の顎部６１を介して回動支持部材４６のさね
５６に取り付けられるため、顎部アセンブリは、ピン５
４によって定められる軸の回りに回動するとき、この支
持部材４６とともに動く。支持部材４６に連接した顎部
アセンブリが回動して方位を変えた模様は図７に示す。
支持部材４６は、これが適当な手段によって取り付けら
れるブラケット４２と４４に対して回動することができ
る。例えば、プーリ（図示せず）は支持部材４６に固定
され、ドライブベルトもしくはドライブコードは、この
プーリの回りで引かれる。ドライブベルトもしくはドラ
イブコードは、手術具の手前端から、手動で操作するノ
ブ、モータ、その他の装置など適当な手段によって引っ
張られる。ただし、支持部材４６回動のための機構ない
しシステムは、本発明には含まれない。

【００８１】第１の顎部６１と第２の顎部７６は、剛性
の遠方端を有するものとして示されている。顎部の一方
もしくは両方が他の配置を有したり、あるいは中空の部
分を有することもある。実際、顎部の一方もしくは両方
が、この両顎部に隣接するかもしくはこれらの間に挟ま
れた組織に作用する補助的な部品を備えることもある。
例えば、顎部の一方もしくは両方が、センサのコード、
吸引用の導管、洗浄用の導管等を組み入れることができ
る。

【００８２】さらに、両顎部は、クリップやステープル
のような組織ファスナを適用できるよう改造することも
できる。例えば、第１の顎部６１には一もしくはそれ以
上のステープル列を有するステープルカートリッジを、
また第２の顎部にはアンビルを備え、両顎部が直線状の
ホチキス装置として機能するようにもできる。ステープ
ルを組織を貫通してアンビル用の顎部に放出するため、
ステープルを保持する方の顎部に適当な機構を備えるこ
ともできる。このような機構は、手術具の手前端からス
テープルを保持する顎部に延びるアクチュエータ部材に
よって操作される。本発明の顎部に組み込むのに適した
直線状のホチキス装置は、米国特許第4,610,383 号に記
載されている。

【００８３】ただし、上述の顎部アセンブリの第１の態
様においてだけでなく、以下に説明する他の態様におい
ても、組織に係合し、また上述の補助部品を備えるそれ
ぞれの設計に係る各顎部の一部は、本発明の構成要素で
はない。さらに、顎部アセンブリ全体を固定あるいは回
動可能な形で、手術具（図示せず）の遠方端に取り付け
ることができる。ただし、この態様だけでなく、以下に
説明する他の態様においても、顎部アセンブリを手術具
に取り付けるための特別の構造体は、本発明の範囲には
含まれない。

【００８４】本発明の他の態様に係る顎部アセンブリ
を、図８、８（Ａ）、８（Ｂ）、９および１０に示す。
顎部アセンブリは、第１の顎部１２１と第２の顎部１２
２を備え、各顎部は遠方端と手前端を有する。両顎部１
２１と１２２は、その手前端において互いに連結され
る。

【００８５】第１の顎部１２１は、互いに離隔した壁１
２４の対（図８（Ａ）と（Ｂ））を有し、各壁は固定さ
れた長手のスロット１２６（図９）を定める。第２の顎
部１２２は、シャフト１３０が取り付けられる下方に傾
斜していく中央壁１２７を有する（図９）。シャフト１
３０の両端は、第１の顎部１２１の各隣接する側壁１２
４に区画されたスロット１２６の一方に収められる。シ
ャフト１３０は、第２の顎部１２２が第１の顎部１２１
に対して回動するための回動軸を定める。シャフト１３
０は、第２の顎部１２２の手前端が第１の顎部１２１に
向かって動き、またこれから離れるよう、各スロット１
２６の長さ方向に閉止する。

【００８６】第２の顎部１２２の中央壁１２７は、シャ
フト１３０の遠方側の第１の位置に第１のピンもしくは
ローラ１３２を備え、このピンもしくはローラ１３２は
第２の顎部の中央壁１２７（図８（Ａ））から互いに反
対方向に突出する二つの端部を有する。さらに、第２の
顎部中央壁１２７の各側には、シャフト１２０に取り付
けたローラ１３６が配置される。

【００８７】第１の顎部１２１は、第１の顎部壁１２４
の間で延びる固定された第１のピン１４０の形のガイド
部を有する。第２のピン１４２（図８〜１０）は、第１
の顎部壁１２４の間でスロット１２６の手前側に取り付
けられる。一方、第２のピン１４２の上方には、離隔し
て第３のピン１４４が設置されるが、この第３のピン１
４４はまた、第１の顎部の両壁１２４の間に取り付けら
れる。

【００８８】Ｖ字形ばね１４８の対は、通常第２の顎部
１２２を開放位置（図８に示す）まで付勢するため、顎
部アセンブリに設けられる。一方のばね１４８は、第２
の顎部中央壁１２７の一方に取り付けられ、他方のばね
１４８は、第２の顎部中央壁１２７の他方に取り付けら
れる。各ばね１４８は、Ｖ字形ばねの頂点における内角
部に、シャフト１３０のローラ１３６が収まるように取
り付けられる。各ばね１４８の上脚は、第２の顎部の第
１ローラもしくはピン１３２に対して外方向に付勢さ
れ、各ばね１４８の他方の脚の端部は、第１の顎部の第
１ピン１４０に対して外方向に付勢される。このような
配置にすると、第２の顎部１２２が開放位置に向けて連
続的に付勢される。

【００８９】顎部アセンブリは、第２の顎部１２２を開
放位置（図８）から閉止位置（図１０）まで回動するた
めに手術具の手前端から引っ張られる第１の操作コード
１５１を備える。とりわけ、コード１５１は、図８
（Ａ）に示すように、第１の顎部１２１の周りで通常Ｕ
字形をしている。第１の顎部１２１は、横断方向に延び
る溝１５４を定め、また溝１５４の各端と第１の顎部１
２１の内部の間の導通を果たす二つの離隔した１５５を
定める底壁１５１（図８（Ａ））を備える。

【００９０】第１のコード１５１は溝１５４に収めら
れ、コード１５１の壱部は、第２の顎部中央壁１２７の
各側にある各開口部１５５を通って上方に延びる。コー
ド１５１は、第２の顎部の第１ローラ１３２、第１の顎
部の第１品１４０、第２の顎部の第２ローラ１３６およ
び第１の顎部の第２ローラ１４２を順次経て引っ張られ
る。第１のコード１５１は、第１の顎部１２１の手前部
分にある開口１５８を通り、顎部アセンブリの両側に沿
って延びる。この手前側に延びる二つの第１のコード
は、手術具の手前部分、すなわち引張り力が加えられる
地点まで軌跡を伸ばされる。そして手前側に延びるコー
ド１５１は、ここで一緒になって、連続したループ（図
８（Ｂ））を形成し、手術具の手前部分において操作レ
バー（例えば、図２に示した顎部アセンブリの第１の態
様におけるレバー１００に類似したもの）に取り付けら
れる。代わりに、手前側に延びる各コード１５１を、手
術具の手前側まで別々に引っ張ってきて、両コードを手
前側に引くレバーもしくは他の装置に接続することもで
きる。コードはさらに、手で把持し引っ張ることもでき
る。

【００９１】第２の操作コード１６０は、第２の顎部１
２２の手前端を引くために設けられる。このため、第２
の顎部１２２の手前端は、横方向に突出するピン１６２
を有し、第２の操作コード１６０は、ピン１６２の周り
でループを形成する。二本のコード１６０は、第１の顎
部のピン１４２と１４４の間で、ピン１６２から、第１
の顎部の開口１５８を通って手前側に延びる。

【００９２】手前側に延びる二本の第２の操作コード１
６０は、第１の操作コード１５１の長さ方向に沿って、
手術具の手前部分まで延びる。第１の操作コード１５１
とともに、第２の操作コード１６０は、適当な手段（図
示せず）によって手術具の手前端で引っ張られる。第２
の操作コード１６０は、直接把持して引っ張るか、ある
いは外科医に操作されてこのコード１６０を引っ張る装
置に取り付けられる。しかし、コード１６０を引っ張る
特定の手段は、本発明の構成要素ではない。

【００９３】二本の第２の操作コード１６０は、図８
（Ｂ）に示すように、手術具の手前端で一緒に合わさ
れ、連続したループを形成する。こうすると、外科医に
指に掛かるか、またはループ牽引用の他の機構に係合し
て二本の別々のコードの端部を接続する必要がなくな
る。

【００９４】第１の操作コード１５１と第２の操作コー
ド１６０は、図１〜７に示した顎部アセンブリの第１の
態様におけるコード９６について説明したいかなる組成
・構成でもよい。

【００９５】図８、８（Ａ）、８（Ｂ）、９および１０
の顎部アセンブリは、両顎部の遠方端に、全閉止力に比
例し、また閉止の程度に応じた荷重バイアスを与えるよ
う操作される。顎部アセンブリは、当初は、第２の顎部
１２２の遠方端に、全閉止力の何分の一かの荷重を掛け
る。ついで、この荷重は、第２の顎部１２２が徐々に閉
止し、組織がこれに対して反発力を強めるにつれて増加
していく。

【００９６】顎部アセンブリが最初開放しているように
するには、第２の操作コード１６０を引っ張って、第２
の顎部１２２を第１の顎部１２１に対して上方に回動さ
せる。この条件下においては、シャフト１３０は、第１
の顎部のスロット１２６の底部に対して付勢される。第
１の顎部のピン１４０と第２の顎部のピンもしくはロー
ラ１３２の間で働くばね１４８はまた、両顎部を引き離
すよう付勢し、第１の操作ケーブル１５１が確実に引き
延ばされているようにする。

【００９７】両顎部の閉止を開始するには、第２の操作
ケーブル１６０に掛かっている引張り力を一部もしくは
すべて緩める。顎部開放ばね１４８は、ついで第１の顎
部１２１の手前端と第２の顎部１２２の手前端をさらに
引き晴らすよう動かす。こうすると、第２の顎部シャフ
ト１３０は第２の顎部スロット１２６の上端に向けて上
方に移動する。第１の操作ケーブル１５１の引張り力
は、シャフト１３０に上向きの力を与える。第１の操作
ケーブル１５１の引張り力が増加すると、第２の顎部１
２２は、シャフト１３０の周りに回動し、第２の顎部１
２２の遠方端を第１の顎部１２１（図９）に向けて下降
させる。

【００９８】組織は、典型的には両顎部の間に位置し、
第２の顎部１２２の遠方端は、組織に係合してこれに加
わるの荷重ないし力を徐々に増していく。組織が圧迫さ
れるにつれて、第２の顎部１２２の遠方端に加わる組織
からの反発力は増加していく。このため、第１の操作コ
ード１５１の引張り力は、段々に増していかなければな
らない。

【００９９】顎部閉止運動の最終的な閉止行程部分にお
いては、第２の顎部１２２が第１の顎部１２１に対して
なす角度は、変化し、全ケーブル引張り力の一部が第２
の顎部の遠方端に移行する。こうなると、第２の顎部１
２２の手前端にあるシャフト１３０は、スロット１２６
において下方に移動し、より均一な最終的な圧迫力を組
織に与える。組織は最初、両顎部の遠方端の間で、各顎
部と段々に接しながらその長さ方向に沿って圧迫される
ため、組織は最初は、両顎部の遠方側には押し出されな
い。このため、従来の固定回動軸を介した顎部の対にみ
られた、組織が両顎部から滑り出るという傾向は、なく
なるか、極めて小さくなる。

【０１００】本発明の顎部アセンブリの他の態様を図１
１と１２に示す。この顎部アセンブリは、第１の顎部１
７１と第２の顎部１７２を備え、各顎部は遠方端を有す
る。一方の顎部の手前端は、他の顎部の手前端に接続さ
れ、ベース１７４を含む一体構造をなす。各顎部１７１
と１７２は、ベース１７４から延びる片持ちはり形をし
ており、他の顎部に向けて弾性的にたわむことができ
る。顎部アセンブリは、二つの顎部を開放位置へ向けて
互いに引き離しておくばね構造体として機能する。

【０１０１】第１の顎部１７１は、互いに離隔して平行
な関係にある溝１７８の対を区画する第１のベアリング
部材１７６を備える。各溝は、コード１８２の一部１８
０を収める、半円形で横断方向に延びるガイド面を区画
する。

【０１０２】第２の顎部１７２は、コード１８２の弧状
セグメント１８８を収めて横断方向に延びる弧状の溝１
８６を区画するサドルもしくは第２のベアリング部材１
８４を備える。弧状セグメント１８２は、コードの一部
１８０に接続する。

【０１０３】コードの一部１８０とこれに接続する弧状
セグメント１８２は、Ｕ字形の配置をなし、第２の顎部
のベアリング部材１８４に係合する。コードの一部１８
０は、それぞれが第１のベアリング部材１７６によって
区画される横方向のガイド面の回りにわたされる牽引部
となる。二つの部分１８０は、ベアリング部材１７６の
手前側において結び目（ノット）１８８として一緒にな
る。したがって、この顎部アセンブリは、製造・組立て
が比較的容易である。

【０１０４】コード１８２が手前側に引かれると、両顎
部１７１と１７２は閉止する。この顎部アセンブリは、
結紮クリップを閉塞する場合に特に適している。この顎
部は、比較的強い力で閉止され、ケーブルは、連接する
手術具の関節部を介してわたされる。コード１８２は、
両顎部の遠方端に比較的近い位置でこれら顎部に係合す
るため、閉止力は、特に結紮クリップを両顎部の間で変
形・押しつぶす場合に、この閉止力が最も必要とされる
地点に比較的接近した位置に加えられる。

【０１０５】コード１８２は、図１１と１２において
は、手前側に延びる一本のコードとして示されている
が、それぞれの部分１８０は、顎部アセンブリに沿って
別々に手術具まで延びてもよいことは理解できるであろ
う。そのような部分１８０は、手術具（図示せず）の手
前端にエンドレスループを形成するよう接続される。こ
のループは、手術具の手前部分にある適当な操作レバー
に係合する（図２に示す第１の態様においてループコー
ド９６が同じように操作レバー１００に接続された）。

【０１０６】図１３は、図１１と１２に示した態様の変
形例に示す。図１３の顎部アセンブリは、第１の顎部１
７１Ａと第２の顎部１７２Ａを区画する一体構造を含
む。この顎部構造体は、図１１と１２に示した顎部１７
１と１７２とほぼ同じ構造を有する。しかし、第１の顎
部１７１Ａは、図１１と１２に示した部材１７６の代わ
りに、横方向に延びるピン１９０を具備する。ピン１９
０は、コード１８２Ａの牽引部１８０Ａに係合する横方
向ガイド面を定める。

【０１０７】コードの一部１８０Ａは、第２の顎部１７
２Ａに取り付けられるサドル部材１８４Ａに跨がって延
びる弧状セクション１８２Ａに接続する。サドル部材１
８４Ａの構造は、図１１と１２に示した態様における部
材１８４の構造とほぼ同じである。このコードの一部１
８０Ａは、ノット１８８Ａを形成しながら、ピン１９０
の手前側に接続される。図１３の顎部アセンブリは、図
１１および１２に示した顎部アセンブリとほぼ同様にし
て操作される。

【０１０８】図１４と図１５は、本発明の他の態様に係
る顎部アセンブリを示す。顎部アセンブリは、第１の顎
部２０１と第２の顎部２０２を有し、各顎部は遠方端と
手前端を備える。顎部２０１と２０２は、その手前端で
互いに連結される。特に第２の顎部２０２の手前端は、
下方に突出する側壁２０４の対を有する。図では、遠い
方の側壁２０４だけを示してある。側壁２０４は、この
側壁２０４を越えて横方向に延びる回動ピン２０６を保
持する。第１の顎部２０１の手前端は、第２の顎部の側
壁２０４の外部に、互いに離隔した壁２０８の対を定め
る。第１の顎部の壁２０８は、回動ピン２０６の端部を
収める適当な穴（図には見えない）を有する。

【０１０９】ピン２１０は、回動ピン２０６の遠方側
で、第１の顎部２０１の壁に取り付けられる。ローラ２
１２は、ピン２１０に保持される。第２の顎部２０２は
また、壁２０４において、回動ピン２０６の遠方側に取
り付けられるピン２１４を有する。ローラ２１６は、ピ
ン２１４に取り付けられる。

【０１１０】ばね２１８は、第１の顎部２０１と第２の
顎部２０２に、第１の顎部２０２を図１４に示した開放
位置に向け上方に付勢するような形で係合する。

【０１１１】操作コード２２０は、第２の顎部２０２を
閉止するために設けられる。コード２２０は、先に図８
で説明したコード１５１が下方顎部１２１の底部１５３
を通ってループを形成したのと同様に、下方顎部２０１
の底部を通ってループを形成する。コード２２０の二つ
の牽引部は、顎部アセンブリを通って手前方向に延び
る。特にコード２２０の各牽引部は、固定部分からロー
ラ２１６、ついでローラ２１２を経て牽引される。ロー
ラ２１６と２１２は、ガイド面として作用する。コード
２２０が引っ張られると、第２の顎部２０２は、図１５
に示すように、第１の顎部２０１に接近するように回動
される。

【０１１２】図１６と１７には、本発明のさらに他の態
様に係る顎部アセンブリを示す。顎部アセンブリは、そ
れぞれ遠方端と手前端を有する第１の顎部２３１と第２
の顎部２３２を具備する。第１の顎部２３１の手前端に
は 、側壁２３４の対が設けられる（図１６と図１７で
は遠い方の側壁２３４だけを認めることができる）。第
２の顎部２３２の手前端は、第１の顎部における二つの
側壁２３４の間に収められる。また、第２の顎部２３２
の手前端はまた、側壁２３６の対を有する（図１６と図
１７では遠い方の側壁２３６だけを認めることができ
る）。

【０１１３】第２の顎部２３２の側壁２３６はそれぞ
れ、手前端に隣接して長手のスロット２３８を有する。
第１の顎部２３１は、その手前端に隣接して長手スロッ
ト２３８に収められる横方向に延びるシャフトもしくは
ピン２４０を具備するが、このピン２４０は、両顎部を
互いに連結して、第２の顎部２３２の第１の顎部２３１
に接近しまたこれから離れる並進・回動運動を可能にす
るためのものである。

【０１１４】第１の顎部２３１は、第１の顎部２３１の
手前端において互いに離隔した壁２３４の間に延びる二
つの互いに離隔したガイド面もしくはピン２４２と２４
４を備える。第２の顎部２３２は、その遠方端におい
て、第２の顎部の二つの側壁の間で延びるピン２４６を
有する。第２の顎部はまた、第１のピン２４６と長手ス
ロット２３８の間に位置し、第２の顎部二つの側壁２３
６の間で延びるもう一つのピン２４８も有する。

【０１１５】Ｖ字形のばね２５０は、そのＶ字形頂点の
内角部においてピン２４０を収めることができるように
配置される。ばね２５０の上脚は、第２の顎部の第１ピ
ン２４８に対して外側に付勢され、ばね２５０の下は、
第１の顎部のピン２４２に向けて外側に付勢される。こ
の配置によれば、第２の顎部２３２は、開放位置に向け
て連続的に付勢される。

【０１１６】操作コード２５４は、第２の顎部２３２を
第１の顎部２３１に対して閉止するために設けられる。
コード２５４は、その遠方端に閉鎖ループ２５６を備
え、第２の顎部の遠方端にあるピン２４６は、このルー
プ２５６に係合する。操作コード２５４は、第２の顎部
２３２において、第２の顎部２３２の手前端に向けて、
手前側に延びる。

【０１１７】第２の顎部２３２の手前端においては、コ
ード２５４が第１の顎部のピン２４２の周り、ついで第
２の顎部のピン２４８の周り、そして第１の顎部のピン
２４４の周りを経てを牽引される。コード２５４は、第
１の顎部のピン２４４から手術具（図示せず）の手前部
分まで、手前側に延びる。コード２５４は、手術具の手
前部分では、適当な手段によって引っ張られる（図２に
示した第１の態様の顎部アセンブリにおけるレバー１０
０に似た操作レバーや手動による）。

【０１１８】コード２５４が引っ張られると、第２の顎
部２３２は、図１７に示す閉止位置に向けて下方に回動
される。そしてコード２５４に対する引張り力が緩む
と、ばね２５４は、第２の顎部２３２を図１６に示す開
放位置に向けて付勢する。

【０１１９】また、コード２５４は、第２の顎部の遠方
端ピン２４６にわたす連続（エンドレス）ループの形状
で用いることもでき、このループの複数の牽引部分は、
一本のコードの場合と同様、ピン２４２、２４４および
２４８の周りを経て、手前端まで一緒に戻って延びる。
二つの牽引部分は、顎部アセンブリを操作するため、一
緒に牽引される。

【０１２０】図１８、１８（Ａ）および１９には、本発
明の他の態様に係る顎部アセンブリである。この顎部ア
センブリは、ともに遠方端と手前端を有する第１の顎部
２６１と第２の顎部２６２を有する。第１の顎部２６１
の手前端は、互いに離隔した側壁２６４と２６５の対を
有する。

【０１２１】第２の顎部２６２は、下方に突出して第１
の顎部の側壁２６４と２６５の間に収められる互いに離
隔した壁２６６と２６７の対を備える。回動シャフトも
しくはピン２６８は、第２の顎部の側壁２６６と２６７
に取り付けられる。ピン２６８の一端は、第１の顎部の
側壁２６４に設けられる長手のスロット２７１に収めら
れる。また、ピン２６８の他端は、第１の顎部の側壁２
６５に設けられる長手のスロット２７２に収められる
（図１８（Ａ））。ローラ２７４は、ピン２６８に取り
付けられる。

【０１２２】第１の顎部２６１における長手のスロット
２７１と２７２の遠方側には、側壁２６４と２６５の間
に延び、各端がこれらの側壁２６４と２６５に取り付け
られるピン２７８が位置する。ローラ２８０は、ピン２
７８に取り付けられる。第１の顎部２６１にある長手ス
ロット２７１と２７２の手前側には、垂直方向に離隔し
たピン２８４と２８６が設けられる。各ピン２８４と２
８６は、第１の顎部の壁２６４と２６５の間に延び、ま
たこれらに取り付けられる。ピン２８４の上方には間隔
を空けて、横方向に延びるガイド部材２８８が設けられ
る。このガイド部材は、第１の顎部の壁２６４と２６５
の間に延びる。

【０１２３】第１の操作コード２９０は、顎部２６１と
２６２の係るループである。とりわけコード２９０は、
第１の顎部２６１の底に係合する底部２９２を有する。
このため、第１の顎部２６１の底と、顎部２６１の各側
の一部には、コード２９０を収める凹部となる溝もしく
はチャネル２９４が設けられる。

【０１２４】コード２９０は、コードの底部２９２から
上方に延びる。そして、顎部アセンブリの各側に沿っ
て、第２の顎部の頂部を越え、さらに第２の顎部の反対
側に沿って戻り下降する。好ましくは、コード２９０を
収めるためのチャネルもしくは溝２９６は、第２の顎部
２６２の頂部と側面に設けられる。

【０１２５】コード２９０の二つの部分はそＲＺＯれ、
第２の顎部２６２の各側面に沿って、顎部２６２の頂部
から、第１の顎部２６１に保持されたローラ２８０まで
下方に延びる。コード２９０のこれら部分は、ついで、
ローラ２８０から、第１の顎部の側壁２６４と２５の間
を手前側に延びる。コード２９０は、ピン２６８にある
ローラ２７４に係合し、ついでピン２８４と２６８の間
を、長手スロット２７１と２７２の手前側に延びる。コ
ード２９０は、第１の顎部２６１の適当なスロット３０
０を通って、このコードが手もしくは適当な手段で引っ
張られることになる手術具まで延びる。例えば、手前側
に延びるコード２９０の部分は、一緒に合わされて連続
的なループを形成し、また手術具の手前部分において操
作レバーに取り付けられる（例えば、先に図２で示した
第１の態様におけるレバー１００に類似している）。

【０１２６】第２の操作コード３０２は、第２の顎部２
６２の手前端に取り付けられる。このため、第２の顎部
の壁２６６と２６７は、ピン３０６を保持する。第２の
操作コードは、ピン３０６に係合するその遠方端でルー
プを形成する。

【０１２７】コードは第１の顎部２６１にあるガイド部
材２８８とピン２８４の間に収められ、コード３０２
は、第１の顎部の手前端において、スロット３０８を通
って手前側に延びる。

【０１２８】コード３０２の手前端は、手術具の手前部
分において、手または適当なレバーもしくは他の機構に
よって引かれるループ（図示せず）に形成される。

【０１２９】図示はしていないが、先に図１６と１７で
説明したばね２５０に対持したばねを設けるのが好まし
い場合もある。そのようなばねは、第２の顎部２６２を
開放位置に向けて上方に付勢する。

【０１３０】操作するときは、第２の操作コード３０２
は、当初は、第２の顎部２６２の手前端を回動ピン２６
８に対して上方および後方に引っ張るために引かれる。
回動ピン２６８は、開放位置においては、長手スロット
２７１と２７２の上端に位置される。顎部２６２は、こ
の開放位置では、第２の顎部２６２の開放を補助するた
めの付勢ばねがなくても、第２の操作コード３０２への
引張り力を保つことによりその開放状態を維持される。

【０１３１】第２の顎部を閉止する場合は、第２の操作
コード３０２に加えている引張り力はそのままに保つ。
この引張り力は、第１の操作コード２９０に引張り力を
加えているときに、タイミングを計って徐々に０にして
いく。しかし、第２の操作コード３０２には、ピン２６
８をスロット２７１と２７２において突出位置に保つた
め、当初は十分な引張り力が維持される。このため、第
２の顎部２６２の遠方端は、第１の顎部２６２の手前部
分が組織に係合する前に、二つの顎部の間にある組織に
係合する。この点、第２の顎部２６２が中間的な閉止位
置に移動したときは、第２の顎部は、図９の第２の態様
で示した顎部１２２の方位と同じように、やや下方に傾
斜する。

【０１３２】組織が二つの顎部の間で圧迫されると、第
２の顎部２６２に加わる全体的な反発力は増加し、第２
の顎部２６２の遠方端に必要とされる閉止力も、さらな
る閉止を実現するため、増加しなければならない。クラ
ンプ角は、第２の顎部２６２の閉止が進むにつれて、変
化する。このような幾何配置が変化すると、第２の顎部
２６２の遠方端側に移動する第１の操作ケーブルにおい
て増加する引張り力の一部も増加する。第２の顎部２６
２の遠方端は、両顎部が閉止するるとき、組織が両顎部
から滑り出るのを防止する組織圧迫力を与える。

【０１３３】第２の操作ケーブル３０２における引っ張
力は、第２の顎部２６２の手前端を下方に移動させるた
め（第１の操作ケーブル２９０によって与えられ、増大
していく力による）、徐々に緩められていく。ピン２６
８は、スロット２７１と２７２の底部まで下方に移動
し、両顎部は、これらの間に挟まれる組織とほぼ平行に
される。

【０１３４】図２０、２０（Ａ）および２０（Ｂ）は、
本発明のもう一つの態様に係る顎部アセンブリを示す。
顎部アセンブリは、フレーム３１０と、このフレーム３
１０から横方向に延びる第１の顎部３１２を備える。第
１の顎部３１２に接近しまたこれから離れる第２の顎部
３１４は、第１の顎部に対して固定した方位を向いて、
フレーム３１０に保持される。

【０１３５】第１のが°部材は、第１の顎部３１２もし
くはフレーム３１０に保持され、図示の態様において
は、この第１のガイド部材は、固定した第１の顎部３１
２に保持されるシャフト３１８に回転のために取り付け
られるプーリ３１６である。プーリの形をとる第２のガ
イド部材３２０は、第２の顎部３１４に保持されるシャ
フト３２２に取り付けられる。

【０１３６】第２の顎部３１４は、通常は、圧縮ばね３
２４によって第１の顎部３１２に対する開放位置に向け
て付勢される。圧縮ばね３２４の一端は、第１の顎部３
１２にあるブロック３２６を押圧し、ばね３２４の他端
は、第２の顎部３１４に設けられる凹部３２８に収めら
れる。

【０１３７】フレーム３１０（もしくは固定した第１の
顎部３１２の下部）には、長手のスロット３３２が設け
られる。第２の顎部３１４の底部には、相対向する方向
に延びるピン３３６の対を保持して手前側に突出する足
部３３４が備えられる。各ピン３３６は、スロット３３
２の一方に収められる。

【０１３８】操作コード３４０は、第２の顎部３１４に
接続される。特に、コード３４０の遠方端は、第２の顎
部３１４の外側遠方側の表面に設けられる凹部３４４に
収められるアンカーディスク３４２に固着される。コー
ド３４０は、第２の顎部３１４の穴３４６を通り、ガイ
ド部材もしくはプーリ３１６を経て、第１の顎部まで延
びる。

【０１３９】コード３４０は、ガイド部材３１６から、
第２の顎部３１４のガイド部材もしくはプーリ３２０を
経て、後方の第２の顎部３１４まで延びる。コード３４
０はついで、第１の顎部３１２の穴３４８を通って、手
術具の手前端まで延びる。コード３４０を引っ張るのを
補助して図２０（Ｂ）に示すような両顎部の閉止を実現
するため、手術具には、適当な機構（図示せず）が設け
られる。

【０１４０】顎部アセンブリにおいて二つのプーリ３１
６と３２０を用いると、顎部アセンブリに閉止力を適用
するのに、一ないし二の機械的効果が得られる。可撓性
コード３４０を使用するおかげで、顎部アセンブリは、
手術具に連接でき、コード３４０は、顎部の手術具の残
余の部分に対する折れ曲がりを可能にする。このため、
適当な可撓性のコード３５１が、手術具から延びて、顎
部アセンブリに接続し、顎部アセンブリの折れ曲がりを
実現する。しかし、そのような折れ曲がりシステムに係
る機構と操作の詳細は、本発明の構成要素ではない。

【０１４１】図２０、２０（Ａ）及び２０（Ｂ）に示す
顎部アセンブリは、ステープルが公知のもしくは特性の
カートリッジ（図示せず）の形で供給される直線状のホ
チキス装置を組み込むのに特に適している。例えば公知
のステープルカートリッジ（図示せず）は、第１の顎部
３１２に保持され、ステープルは、両顎部の間に挟まれ
た組織に適用され、アンビルとして働く第２の顎部３１
４に押圧されて変形する。そして、適当な公知のもしく
は特製のステープルカートリッジ射出システムを用いる
が、このシステムはアクチュエータケーブル３５２を具
備する。しかしそのようなホチキス装置システムの顎部
アセンブリへの組み入れや、そのようなホチキス装置シ
ステムの詳細な構成と操作方法は、本発明の構成要素で
はない。

【０１４２】図２０、２０（Ａ）及び２０（Ｂ）に示し
た態様に幾分類似した顎部アセンブリを変形例を図２１
に示す。しかしこのアセンブリでは、先のような一ない
し二個の機械的利点は得られない。この顎部アセンブリ
はフレーム４１０と第１の固定顎部４１２を備え、固定
顎部４１２はフレーム４１０から横方向に突出する。

【０１４３】フレーム４１０の上には、第１の顎部４１
２に接近しまたこれから離れる第２の顎部４１４が、第
１の顎部４１２に固定した方位を向いて保持される。プ
ーリ４２０の形をとるガイド部材は、第２の顎部４１４
に保持されるピン４２２に取り付けられる。

【０１４４】第１の顎部４１２には、スロット４３２が
設けられる。第２の顎部４１４には、第１の顎部４１２
の下部にある空隙に収められるガイドブロック４３５を
有する足部４３４が設けられる。ピン４３６は、ブロッ
ク４３５から外側に向けて、横方向に突出する。ピン４
３６は、第１の顎部４１２のスロット４３２内に設置さ
れる。圧縮ばね４３７は、各ピン４３６、そして第２の
顎部４１４を図２１に示す開放位置に向けて遠方側に付
勢するため、各スロットに取り付けられる。

【０１４５】操作コード４４０は、クランプブラケット
４３９によって第１の固定顎部４１２に接続する遠方端
を有する。コード４４０は、プーリ４２０の回りに牽引
され、第１の顎部４１２に設けられる穴４４８を通って
延びる。コード４４０は、手術具の手前部分に延び、こ
こでコードを引張り力を与えて第２の顎部４１４を第１
の顎部４１２との間で閉止位置まで引き寄せるために引
かれる適当な操作機構もしくは手に係合する。先の図２
０、２０（Ａ）および２０（Ｂ）で説明した態様のよう
に、顎部アセンブリには、操作コード４５２を備えた直
線状のホチキスシステムを設置してもよい。

【０１４６】さらに、所望の場合は、図２１の顎部アセ
ンブリを、手術具に連接するように取り付けてもよい。
しかし、そのための連接システムの特定の構成および操
作方法は、本発明の構成要素ではない。

【０１４７】図２２〜２４には、本発明のさらに他の態
様に係る顎部アセンブリを示す。この態様は、顎部の対
の閉止をほぼ平行な状態で行うためのものである。この
顎部アセンブリは、右ねじ山をもつ第１の軸部５０２
と、左ねじ山をもつ第２の軸部５０３を有する第１のロ
ッド５０１を備える。顎部アセンブリは、好ましくは、
右ねじ山をもつ第１の軸部５０８と、左ねじ山をもつ第
２の軸部５１０を有する第２のロッド５０６も備える。
第１の顎部５１０は、第１のロッドの第１の軸部５０２
を収めこれにねじ係合する第１の右ねじ山付き穴５１２
を備える。第１の顎部５１０は、第２のロッドの第２の
軸部５０８を収めこれにねじ係合する第２の右ねじ山付
き穴５１４も備える。

【０１４８】この顎部アセンブリは、第２の顎部５１６
を備える。この第２の顎部５１６は、第１のロッドの第
２１の軸部５０３を収めこれにねじ係合する第１の左ね
じ山付き穴５１８を備える。第２の顎部５１０はまた、
第２のロッドの第２の軸部５０９を収めこれにねじ係合
する第２の左ねじ山付き穴５２０も備える。

【０１４９】第１のプーリ５２４は第１のロッド５０１
に取り付けられ、またこれに固定される。同様に、第２
プーリ５２６は第２のロッド５０６に取り付けられ、ま
たこれに固定される。操作コード５３０は、第１のプー
リを回りに、好ましくは１／２〜１回（巻）巻き付けら
れる。同様に、操作コード５３０は、第２のプーリ５２
６の回りに少なくとも１回（巻）巻き付けられる。

【０１５０】コード５３０は、プーリ５２４と５２６を
一緒に同一方向かもしくは反対方向に回転させる操作の
ため（手動によるかもしくは適当な操作装置を使う）、
手術具（図示せず）の手前部分まで後方に延びる。同一
方向に回転させる場合は、顎部５１０と５１６は、閉止
位置（図２４）に向かって一緒に移動する。また反対方
向に回転する場合は、両顎部は、開放位置（図２２）に
向けて互いに離れるように移動する。所望の場合は、細
いほぞベルト（図示せず）をプーリ５２４と５２６の底
部に廃止し、両プーリの同期を確実にしてよりよい把持
面を形成するようにしてもよい。

【０１５１】この顎部アセンブリは、比較的簡単な構成
で、かつ小さなクランプ力で、両顎部を平行状態で閉止
させることができる。

【０１５２】この顎部アセンブリを用いると、引張り力
の強いコードも使うことができ、また連接した手術具に
おいて顎部アセンブリの使用が可能になる。すなわち、
顎部アセンブリは、手術具に対して連接され、可撓性の
コード部５３０は、この連接を可能にする。

【０１５３】もし顎部アセンブリが、連接した手術具で
用いられる場合は、手前側のプーリロッド５０６は、ア
センブリ用の連接回動軸として用いられる。そして、コ
ードのシース（鞘）とガイドは、スペースを節約し、可
能な連接角度を増大させるため、プーリ５２６の手前側
に設けられる。

【０１５４】図２５は、本発明のさらなる態様に係る顎
部アセンブリを示す。このアセンブリは、ともに遠方端
と手前端を有する第１の顎部６０１と第２の顎部６０２
を備える。第２の顎部６０２は、第１の顎部６０１に対
して回動運動をするように取り付けられる。このため、
第１の顎部６０１の手前端は、回動ピン６１０を収める
穴６０６をそれぞれ備える互いに離隔した壁６０４の対
を有する。第２の顎部６０２は、第１の顎部の壁６０４
の間の空隙よりは離隔の幅が小さい壁６１４の対を備え
る。第２の顎部の壁６１４は、第１の顎部の壁６０４の
間に収められるようかたちづくられる。

【０１５５】第２の顎部６１４は、回動ピン６１０を収
めるための穴６１８を有する。第２の顎部の壁６１４は
また、ピン６２２を収める穴６２０の対も備える。ロー
ラ６２４は、壁６１４の間でピン６２２に取り付けられ
る。

【０１５６】第１の顎部の壁６０４は、ピン６３２を収
める穴６３０の対を有する。ローラ６３６は、ピン６３
２に取り付けられる。

【０１５７】第２の顎部６４０は、顎部アセンブリ操作
のために設けられる。コード６４０は、可撓性の円筒形
フィラメント６４２の形をした第１の部分を備える。コ
ード６４０はまた、可撓性金属バンド６４６の形をした
第２の遠方部分も備える。フィラメント６４２の遠方端
は、バンド６４６の手前端に結びつけられるか、または
他の方法で取り付けられる。バンド６４６は第２の顎部
６０２に沿って延び、アンカーディスク６４８で終端す
る。アンカーディスク６４８は、第２の顎部６０２の遠
方端に設けられる開口６５２に収められるプラグ６５０
を備える。

【０１５８】アセンブリを組み上げた状態においては、
フィラメント６４２は、回動ピン６１０の下に位置す
る。金属バンド６４６の手前端は、第１の顎部６０１に
支持されたローラ６３６の下に位置する。バンド６４６
は、一般にＺ字形をしており、第２の顎部６０２に支持
されたローラ６２４にわたして牽引される。引張りばね
６５６は、好ましくは、ピン６１０に取り付けられて、
第２の顎部６０２の遠方端を第１の顎部６０１から引き
離すため、第２の顎部６０２を上方に回動させるように
付勢する。

【０１５９】顎部アセンブリは、フィラメント６４２を
手術具の手前部分から引っ張ることによって閉止され
る。フィラメント６４２の手前部分を手術具の手前部分
に係合させるため、適当な機構（図示せず）も設けるこ
ともできる。このような機構としては、例えば、図２で
説明した第１の態様におけるレバーに類似した操作レバ
ーがある。

【０１６０】図２６は、本発明のさらに他の態様に係る
顎部アセンブリを示す。この顎部アセンブリは、互いに
離隔した壁７０３の対を定める、遠方端と手前端を有す
る第１の顎部７０１を具備する。壁７０３は、回動ピン
７０７を収める整列した開口７０５の第１の対を有す
る。また壁７０３は、回動ピン７１１を収める整列した
開口７０９の第２の対も有する。

【０１６１】第２の顎部７１２は、遠方端と、第１の顎
部７０１の手前端に回動可能に取り付けられる手前端を
有する。このため、第２の顎部７１２の手前端は、第１
の顎部の壁７０３の間に収められる壁７１６の対を備え
る。第２の顎部の壁７１６はまた、回動ピン７０７を収
める穴７１８の対も備える。

【０１６２】操作コード７２４は、顎部アセンブリを操
作するために設けられる。操作コード７２４は、細い円
筒形の可撓性フィラメント７２６の形状の手前部分と、
可撓性金属バンド７３０の形態の遠方部分を備える。フ
ィラメント７２６の遠方端は、バンド７３０の手前端に
結びつけられるか、または他の手段で固着される。フィ
ラメント７２６とバンド７３０は、回動ピン７０７と他
のピン７１１の下に配置される。ローラ７３４は、好ま
しくは、バンド７３０に接触するよう、ピン７１１に取
り付けられる。

【０１６３】バンド７３０の遠方端は、適当な手段によ
って第２の顎部７１２に固着される。特定の接続形態に
おいては、第２の顎部７１２は、スロット７３８を有
し、このスロット７３８には、バンド７３０の遠方端部
分が挿入くさび（図示せず）によって取付け、保持され
る。

【０１６４】バンド７３０は、好ましくはＺ字形であ
る。トーションバーのようなばねは、通常は、第２の顎
部７１２を開放位置に向けて付勢するよう設けられる。
顎部７１２は、フィラメント７２４を手術具の手前部分
から引っ張ることによって閉止される。

【０１６５】図２７〜３０は、本発明のさらに他の態様
に係る顎部アセンブリを示す。このアセンブリは、とも
に手前端と遠方端を有する第１の顎部８０１と第２の顎
部８０２を備える。第１の顎部８０１の手前端は、側壁
８０４（図３０）の対を備える。各壁８０４は、長手の
スロット８０６を有する。

【０１６６】第１の顎部８０１はまた、スロット８０６
の遠方側にあって、両壁８０４の間に延びる第１のガイ
ドピン８０８を備える。互いに離隔したスリーブもしく
はローラ８１０の対は、ピン８０８（図２７と３０）に
取り付けられる。

【０１６７】第２のガイドピン８１４は、第１の顎部８
０１においてスロット８０６の手前側に位置する。第２
のガイドピン８１４は、第１の顎部の壁８０４の間に延
びる。ローラもしくはスリーブ８１６は、ピン８１４に
取り付けられる。

【０１６８】最後に、上方ピン８１８は、ピン８１４の
上方において、第１の顎部の壁８０４の間に取り付けら
れる。

【０１６９】第２の顎部８０２は、側壁８２２の対を有
する。二つの壁８２２は、第１の顎部の壁８０４の間の
空隙より小さい間隔で互いに離隔される。第２の顎部の
側壁８２２の対の間には、回動ピン８２４が取り付けら
れる。ピン８２４の遠方端は、第１の顎部８０１の側壁
８０４にあるスロット８０６に入り込む。二つのスリー
ブもしくはローラ８２６は、第２の顎部の壁８２２の間
でピンに取り付けられる。ローラ８２６は、中央部にお
いて互いに離隔される。

【０１７０】第２の顎部８０２は、スロット８０６の遠
方側において、第２の顎部の壁８２２の間に延びる第３
のガイドピン８３０を備える。二つのスリーブもしくは
ローラ８３２は、ピン８３０に取り付けられる。二つの
ローラ８３２は、ピン８３０の中央部において互いに離
隔される。

【０１７１】Ｖ字形のばね８４０は、第１の顎部８０１
と第２の顎部８０２の間に取り付けられる。ばね８４０
は、Ｖ字形の頂点における内角部が、離隔した二つのロ
ーラ８２６の間で回動シャフト８２４を収めることがで
きるように、取り付けられる。

【０１７２】ばね８４０の上脚は、二つの離隔したロー
ラ８３２の間にある第２の顎部のガイドピン８３０に対
して外方向に付勢される。ばね８４０の他の脚の端部
は、二つの離隔したローラ８１０の間にある第１の顎部
のガイドピン８０８に対して外方向に付勢される。この
ような配置にすると、第２の顎部８０２は開放位置（図
２７と３０）に向けて連続的に付勢される。

【０１７３】第１の操作コード８５０は、ばね８４０の
各側にあって、第１の顎部の手前端まで延びる二つの部
分８０１を有する。各部分は、ピン８１４と回動シャフ
ト８２４の間に延びる第１の箇所を備える。またコード
８５０の第１の箇所は、ピン８１４上のローラ８１６と
回動シャフト８２４上のローラ８２６に係合する。

【０１７４】コード８５０の各部分は、回動シャフト８
２４から遠方側に、第１の顎部８０１のガイドピン８０
８と、第２の顎部８０２のガイドピン８３０を順次経な
がら延びる。コードは、ピン８０８のローラ８１０とピ
ン８３０のローラ８３２に係合する。

【０１７５】コードは、ばね８４０の各側において、第
２の顎部８０２のガイドピン８３０から、第１の顎部８
０１の底部まで下方に延びる。このため、顎部８０１の
底部には、コード８５０の一部の通路となる二つの互い
に離隔した穴８５６（図３０）が設けられる。図３０に
示すように、コード８５０の下方に延びる部分は、第１
の顎部８０１の下方で共通の水平部分８５８を設ける。
第１の顎部８０１の底部におけるコード８５０のこの水
平部分は、第１の顎部８０１の底部周辺でＵ字形をな
す。

【０１７６】操作コード８５０の顎部アセンブリの手前
側に延びる二つの部分は、一緒に合わされて連続的なル
ープを形成することができ、また手術具（図示せず）の
手前部分において、操作レバー（図２の態様におけるレ
バー１００に類似したもの）に取付けられる。

【０１７７】第２の操作コード８６０は、第２の顎部８
０２に接続される。とりわけ、第２の顎部８０２の手前
端は、壁８２２の間に延びるピン８６２を含む。第２の
操作コード８６０は、ピン８６２の回りでループにさ
れ、手術具の手前部分にまで延びる。第２の操作コード
８６０の手前側に延びる部分は、合わされて、連続的な
ループを形成し、また手術具の手前部分において、操作
レバー（図２の態様におけるレバー１００に類似したも
の）に取り付けることもできる。

【０１７８】第２の顎部８０２は、図２７に示すよう
に、第２の操作コード８６０で保持される引張り力によ
って最大の開放位置に位置される。この結果、回動シャ
フト８２４は、第１の顎部８０１のスロット８０６の頂
部に位置するようになり、第２の顎部８０２は、図２７
に示すように、完全な開放位置に向けて時計方向に回動
する。

【０１７９】顎部アセンブリを閉止したいときは、第１
の操作コード８５０に引張り力を適用する。最初は、第
２の操作コード８６０に十分な引張り力が維持されるた
め、回動シャフト８２４はスロット８０６において延び
出した状態に保持される。そしてほぼ閉止状態において
は、第２の顎部８０２の遠方端は、図２８に示すよう
に、第１の顎部８０１の近傍で下方に傾斜する。第２の
顎部８０２の手前端葉、第２の操作コード８６０に連続
して引張り力を与えるおかげで、先の延び出た状態を保
つ。

【０１８０】第２の顎部８０２は、第２の顎部８０２の
手前部分が組織に係合する前に、第１の顎部８０１上に
ある組織に係合するため、組織は両顎部の遠方端の近傍
でクランプされ、両顎部に沿って外側に押し出されるの
が防止される。

【０１８１】組織が下方に傾斜した第２の顎部の遠方端
によって十分に圧縮されると、第２の操作コード８６０
のおける引張り力は、徐々に緩められるが、他方第１の
操作コード８５０の引張り力は維持ないし増大する。こ
の手順は、触角ないし目視によって行うことができる。
この過程はまた、第２の操作コード８６０の引張り力を
自動的にタイミングをとって緩める適当な装置によって
も行うことができる。

【０１８２】第２の操作コード８６０における十分な引
張り力が緩和されると、第２の顎部の手前端は、第１の
操作コード８５０における引張り力のおかげで下方に引
っ張られる。回動シャフト８２４は、第１の顎部８０１
におけるスロット８０６の底部に移動する。第２の顎部
８０２は、ついで第１の顎部８０１に対してほぼ平行な
方位をとる。

【０１８３】上述の各態様において、コードの全部もし
くは一部は、好ましくは、非毒性で、良好な物理的、化
学的、生物的、そして放射上の特性を有する材料からつ
くるのがよい。そのような材料には、コバルト６０の照
射による殺菌が可能で、非毒性の液晶型、ポリエステル
−ポリアリレートポリマー材料がある。これは、米国で
はニュージャージー州ブリッジウォーターの社屋がある
ヘキストセラネーズ社により、VECTRAN とVECTRAの商品
名で販売されている。この材料はまた、機械的強度が強
く、クリープ耐性があり、熱膨張係数も外科用手術具に
用いるには特に適したものとなっている。

【０１８４】上述の詳細な説明および図面から明らかな
ように、本発明においては、無数の他の変形例、変更例
が本発明の趣旨および範囲を逸脱することなくつくり出
すことが可能であろう。

【０１８５】本発明の具体的な実施態様は以下の通りで
ある。 １）前記レバーは、横方向に長い楕円形の断面を有し、
前記第１および第２の面は、合体して連続的な楕円表面
を形成する請求項１記載の顎部アセンブリ。 ２）前記コードは、前記第２の顎部の回りでＵ字形をな
し、またこのコードは前記レバーから顎部アセンブリの
両面に沿ってそれぞれ延びる二つの牽引部を有する請求
項１記載の顎部アセンブリ。 ３）前記顎部アセンブリは、固定長手スロットを有する
少なくとも一つの壁を具備し、前記第２の顎部は手前端
と遠方端を有し、前記第２の顎部は前記手前端に隣接し
て前記顎部の回動軸を定めるシャフトに取り付けられ、
前記シャフトは前記スロットに配置されて、前記第２の
顎部の手前端が第１の顎部に接近し、またこれから離れ
る運動を可能にする請求項１記載の顎部アセンブリ。 ４）前記一つの壁は、前記第１の顎部によって定められ
る上記実施態様３）記載の顎部アセンブリ。 ５）前記第１の顎部は、二つの前記壁を、それぞれが前
記固定長手スロットの一つを区画するようにして、互い
に離隔した状態で有し、また前記シャフトは、前記スロ
ットの両方に収められ、これによって前記第２の顎部は
第１の顎部に組みつけられる上記実施態様３）記載の顎
部アセンブリ。 ６）前記アセンブリはさらに、前記第２の顎部を第１の
顎部に対して押圧し、第２の顎部のシャフトが前記各ス
ロットの一端に向けて付勢させるばねを備える上記実施
態様５）記載の顎部アセンブリ。 ７）前記第２の顎部は、前記第１の顎部に組みつけられ
る請求項１記載の顎部アセンブリ。 ８）前記アセンブリはさらに、前記両顎部を開放位置に
向けて互いに離隔するよう付勢するばねを具備する請求
項１記載の顎部アセンブリ。 ９）前記第２の顎部は遠方端を有し、前記コードはこの
第２の顎部の回動軸と前記遠方端の間で第２の顎部に係
合する請求項１記載の顎部アセンブリ。

【０１８６】１０）前記コードは、閉鎖されたループで
ある請求項１記載の顎部アセンブリ。 １１）前記アセンブリはさらに、前記第２の顎部に手前
端に係合する第２の操作コードを具備し、この第２のコ
ードを引っ張ると前記第２の顎部の手前端は、前記シャ
フトとスロットの間での付随的な変位を伴いながら、第
１の顎部に付勢される請求項２記載の顎部アセンブリ。 １２）前記コードは前記第１の顎部の一部の周りでＵ字
形をなし、またこのコードは前記レバーから顎部アセン
ブリの両面に沿ってそれぞれ延びる二つの牽引部を有す
る請求項２記載の顎部アセンブリ。 １３）前記コードは、閉鎖されたループである請求項２
記載の顎部アセンブリ。 １４）前記シャフトは第２の顎部に保持され、前記スロ
ットは前記第１の顎部に設けられる請求項２記載の顎部
アセンブリ。 １５）前記第１の位置は前記コードに係合する第２の顎
部に取り付けられる第１のローラによって定められ、前
記第２の位置は前記コードに係合する第２の顎部に取り
付けられる第２のローラによって定められる請求項２記
載の顎部アセンブリ。 １６）前記アセンブリはさらに、前記第２の顎部の第１
の位置と第２の位置の間に延びるコードの一部に係合す
る前記第１の顎部上に、ガイド部を含む請求項２記載の
顎部アセンブリ。

【０１８７】１７）前記第１の顎部は手前端と遠方端を
有し、前記一つの壁は前記第１の顎部によって定めら
れ、前記第１の顎部のガイド面は、前記壁から突出する
ピンによって定められ、前記第２の顎部は、前記第１の
位置において前記シャフトの遠方側に取り付けられる第
１のローラと、前記コードに係合する前記第１のローラ
の手前側において前記シャフトに取り付けられる第２の
ローラを備え、前記アセンブリはさらに、前記スロット
の遠方側で第１の顎部に取り付けられる第１のピンと、
前記スロットの手前側で第１の顎部に取り付けられる第
２のピンを備え、前記第１の操作コードは、前記第１の
顎部の手前端の周り、前記第１のローラ、前記第１のピ
ン、前記第２のローラおよび前記第２のピンを順次経て
牽引される請求項３記載の顎部アセンブリ。 １８）前記第１の顎部は互いに離隔した前記壁の二つを
区画して各壁は前記固定長手スロットの一方を区画し、
前記シャフトは、それぞれが前記スロットの一方に収め
られる二つの端部を有する請求項３記載の顎部アセンブ
リ。 １９）前記コードは前記第１の顎部の一部の周りでＵ字
形をなし、またこのコードは前記レバーから延び、閉鎖
ループを定めるように連結される二つの牽引部を有する
請求項４記載の顎部アセンブリ。 ２０）前記第２の顎部は横断方向に延びるガイド面を有
し、前記コードはこのガイド面に係合する請求項４記載
の顎部アセンブリ。 ２１）前記第１の顎部は、互いに離隔した平行な溝の対
を定める第１のベアリング部材を具備し、前記平行な溝
の少なくとも一方は、前記横断方向に延びて前記コード
の牽引部の一方を収めるガイド面を定め、前記第２の顎
部は、前記コードを収めるための横断方向に延びる弧状
の溝を定める第２のベアリング部材を備える請求項４記
載の顎部アセンブリ。 ２２）前記第１および第２の顎部は、ベースを含む一体
の構造体を定め、各顎部はこのベースから片持ちはり状
に突出し、他方の顎部に向けて弾性的に撓んで前記ばね
と同様に作用する請求項４記載の顎部アセンブリ。

【０１８８】２３）前記顎部アセンブリは回動軸を定め
る回動シャフトを備え、前記第２の顎部は手前端と遠方
端を有し、またこの第２の顎部はその手前端に隣接する
前記軸の回りに回動できるように取り付けられる請求項
５記載の顎部アセンブリ。 ２４）前記第１および第２のガイド面は、ローラによっ
て定められる請求項５記載の顎部アセンブリ。 ２５）前記第２の顎部は前記スロットを有する壁を備
え、前記シャフトは前記第１の顎部に保持される請求項
６記載の顎部アセンブリ。 ２６）前記第１の顎部は二つの互いに離隔したガイド面
を備え、前記第２の顎部は前記第２の位置を定める一つ
のガイド部材を有し、前記コードは前記第１の位置から
延び、また前記第１の顎部のガイド面の一つ、前記第２
の顎部のガイド部材および前記第１の顎部のガイド面の
もう一方の回りを順次経て牽引される請求項６記載の顎
部アセンブリ。

【０１８９】２７）前記第２の顎部は、前記コードを収
めまた前記第１の位置を定めるガイド溝を有し、前記第
２の顎部は前記第２の位置を区画するローラを備え、前
記第１の顎部はローラを備え、前記第１の顎部は前記コ
ードを収めるためのガイド溝を有し、前記コードは前記
第１の顎部の手前端から延び、前記第２の顎部のロー
ラ、前記第１の顎部のローラ、前記第２の顎部のガイド
溝および前記第１の顎部のガイド溝を順次経て牽引され
る請求項７記載の顎部アセンブリ。 ２８）前記コードは前記両顎部の回りにわたされるルー
プを定め、またこのコードは両顎部から手前側に延びる
二つの牽引部を有する請求項７記載の顎部アセンブリ。 ２９）前記第１および第２のガイド部材は、それぞれプ
ーリである請求項８記載の顎部アセンブリ。 ３０）前記第１および第２の顎部はそれぞれ、前記第２
の顎部の動く方向に垂直なクランプ面を有する請求項８
記載の顎部アセンブリ。 ３１）前記ガイド部材はプーリである請求項９記載の顎
部アセンブリ。

【０１９０】３２）前記ばねは、前記スロットに配置さ
れ、一端に前記スロットの一端に対向するばねベアリン
グを、また他端に前記ピンに対向するばねベアリングを
備えた螺旋形の圧縮ばねである請求項９記載の顎部アセ
ンブリ。 ３３）前記第１のロッド上には、前記軸部の間に第１の
プーリが配置され、前記コードは前記第１のプーリの回
りに牽引される請求項１０記載の顎部アセンブリ。 ３４）前記アセンブリはさらに、右ねじ山を有する第１
の軸部と左ねじ山を有する第２の軸部を有する第２のロ
ッドを備え、前記第１の顎部は、前記第２のロッドの第
１の軸部を収めまたこの軸部がねじ係合される第２の右
ねじ山が形成された穴を有し、前記第２の顎部は、前記
第２のロッドの第２の軸部を収めまたこの軸部がねじ係
合される第２の左ねじ山が形成された穴を有し、前記コ
ードは前記第２のロッドと操作可能に接合し、このコー
ドが引っ張られたときは、前記第２のロッドにトルクを
与えてこの第２のロッドを回転させる請求項１０記載の
顎部アセンブリ。 ３５）前記第２のプーリは、前記第２のロッド軸部の間
でこの第２のロッド上に配置され、前記コードは、この
第２のプーリの回りを牽引される上記実施態様３４）記
載の顎部アセンブリ。

【０１９１】３６）前記コードは、前記両顎部の手前端
の間を延びる請求項１１記載の顎部アセンブリ。 ３７）前記コードは、可撓性金属バンドの形態をなす遠
方端部を有する請求項１１記載の顎部アセンブリ。 ３８）前記第１の顎部には第１のローラが保持され、前
記第２の顎部には第２のローラが保持され、そして前記
バンドは、前記第１および第２のローラの回りで牽引さ
れる上記実施態様３７）記載の顎部アセンブリ。 ３９）前記バンドはＺ字形であり、また前記アセンブリ
はトーションバーを備えて前記第２の顎部を付勢させ、
前記第２の顎部の遠方端を第１の顎部から引き離すよう
に回動・移動させる上記実施態様３７）記載の顎部アセ
ンブリ。 ４０）前記コードは可撓性金属バンドの形状の遠方端部
を備え、ローラは前記第１の顎部に保持され、そして前
記バンドが前述のローラの回りに牽引される請求項１１
記載の顎部アセンブリ。 ４１）前記第１の操作コードは、前記第１の顎部の手前
端から前記第１の顎部まで延びる前記第２の部分からこ
れと平行に離隔したもう一つの第２の部分を有し、この
コードの第２の部分は、前記第１の顎部の第２のガイド
ピンおよび前記シャフトに係合してこの両者の間で延
び、またこのコードの第２の部分は、前記シャフトから
遠方側に延び、前記第１の顎部の上の第１のガイドピン
および前記第２の顎部上の第３のガイドピンに順次わた
され、そしてこのコードの第２の部分は、前記第２の顎
部の上の第３のガイドピンから、前記第１のガイドピン
から離隔した位置において、前記第１の顎部に係合して
この第１の顎部まで延び、前記第１の操作コードの第１
および第２の部分は、前記ガイドピンから離隔した前記
位置において前記第１の顎部の一部の回りにわたされる
Ｕ字形の配置をなす請求項１２記載の顎部アセンブリ。 ４２）前記コードは閉鎖ループである請求項１２記載の
顎部アセンブリ。 ４３）前記シャフトは前記第２の顎部に保持され、前記
スロットは前記第１の顎部に設けられる請求項１２記載
の顎部アセンブリ。

【０１９２】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の顎部アセ
ンブリは、連接する手術具に容易に組み込むことがで
き、その両顎部を開閉すべく操作される。この顎部は、
比較的強い機械的強度を有し、比較的強い顎部閉止力を
適用することが可能である。そして、この顎部アセンブ
リは、手術の手前端から、過度に強い力やトルクを加え
なくても、容易に操作することができる。また、本発明
の顎部アセンブリは、手術具の手前端からこのアセンブ
リを通して必要な部品を送るのに十分な内部空間を有す
るように設計されるため、結紮クリップやステープルの
ようなファスナの通路にもなる。

【０１９３】その他、本発明の顎部アセンブリは、両顎
部を閉じるときに組織が顎部に対して移動するのを最小
にするかもしくは防止するため、組織をほぼ平行な両顎
部の間もしくは可動する両顎部の遠方端の間で、圧縮す
るように設計される。さらに、本発明の顎部アセンブリ
は、汚染や組織損傷のおそれを最小にするよう、比較的
滑らかな外形状を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の態様に係る顎部アセンブリを組
み入れた手術具の遠方部分の拡散分解図。

【図２】本発明の顎部を操作するレバーとハンドルを示
す手術具の手前部分の説明図。

【図３】図１の顎部アセンブリの一部切欠平面切片図で
あって、内部の詳細を説明するため切り欠いた上方もし
くは第２の顎部の一部とともに、開放位置にある顎部ア
センブリを示す図。

【図４】図３の４−４線断面切片図。

【図５】顎部アセンブリの一部閉止状態を示す断面切片
図。

【図６】顎部アセンブリの完全閉止状態を示す断面切片
図。

【図７】手術具の長手軸に対して傾斜を有する連接位置
にある顎部アセンブリを示す切片図。

【図８】図８は本発明の第２の態様に係る開放位置にあ
る顎部アセンブリを示す断面切片図、図８（Ａ）は図８
の８Ａ−８Ａ線断面図、図８（Ｂ）は図８の８Ｂ−８Ｂ
線断面図。

【図９】一部閉止状態にある図８の顎部アセンブリを示
す断面切片図。

【図１０】完全閉止状態にある図８の顎部アセンブリを
示す断面切片図。

【図１１】本発明の第３の態様に係る顎部アセンブリの
拡散分解切片図。

【図１２】組み上げ状態にある図１１の顎部アセンブリ
の斜視切片図。

【図１３】図１２の顎部アセンブリの変形例としての第
４の態様を示す斜視切片図。

【図１４】開放状態にある本発明の第５の態様に係る顎
部アセンブリを示す断面切片図。

【図１５】閉止状態にある図１４の顎部アセンブリを示
す断面切片図。

【図１６】本発明の第６の態様に係る顎部アセンブリを
示す断面切片図。

【図１７】閉止状態にある図１６の顎部アセンブリを示
す断面切片図。

【図１８】図１８は本発明の第７の態様に係る顎部アセ
ンブリを示す切片図、図１８（Ａ）は図１８と反対側か
らみた顎部アセンブリの切片図。

【図１９】図１８の１９−１９面側からみた底面切片
図。

【図２０】図２０は内部の詳細を示すため一部切り欠い
て断面を示す本発明の第８の態様に係る顎部アセンブリ
の側面切片図、図２０（Ａ）は図２０の２０Ａ−２０Ａ
線断面図、図２０（Ｂ）は閉止状態にある図２０の顎部
アセンブリを示す一部切欠図。

【図２１】内部の詳細を示すため一部切り欠いて断面を
示す本発明の第９の態様に係る顎部アセンブリの側面切
片図。

【図２２】本発明の第１０の態様に係る顎部アセンブリ
の断面切片図。

【図２３】図２２の２３−２３線断面切片図。

【図２４】閉止状態にある図２２の顎部アセンブリを示
す断面切片図。

【図２５】本発明の第１１の態様に係る顎部アセンブリ
の拡散分解切片図。

【図２６】本発明の第１２の態様に係る顎部アセンブリ
の拡散分解図。

【図２７】本発明の第１３の態様に係る顎部アセンブリ
の斜視切片図。

【図２８】一部閉止状態にある図２７の顎部アセンブリ
を示す斜視切片図。

【図２９】完全閉止状態にある図２７の顎部アセンブリ
を示す斜視切片図。

【図３０】図２７の３０−３０線断面図。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マシュー・オッテン アメリカ合衆国、45242 オハイオ州、シ ンシナティ、ペブルバリー・ドライブ 5165 (72)発明者 ケニス・エス・ウェールズ アメリカ合衆国、45040 オハイオ州、メ ーソン、スワン・プレイス 9675 (72)発明者 マーク・フォーゲルバーグ アメリカ合衆国、97070 オレゴン州、ウ ィルソンビル、サウスウエスト・アリソ ン・ロード 8275 (72)発明者 ジェームズ・エイチ・チェインバーズ アメリカ合衆国、45150 オハイオ州、ミ ルフォード、エス．アール．131、1440

Claims (15)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 外科手術具用顎部アセンブリであって、 第１の顎部と、 顎部回動軸を有し、この顎部回動軸の回りに回動して前
   記第１の顎部に接近・離隔するように取り付けられる第
   ２の可動顎部と、 レバー回動軸の回りに回動可能に取り付けられるレバー
   であって、第１および第２の面を有し、前記レバー回動
   軸と第１の面のいかなる箇所の間の距離もレバー回動軸
   と第２の面のいかなる箇所の間の距離より小さくなるよ
   うなレバーと、 前記第２の顎部ならびに前記レバーの第１および第２の
   面と係合し、前記第２の顎部を引っ張って前記第１の顎
   部に向けて回動させる操作コードを備える顎部アセンブ
   リ。
2. 【請求項２】 外科手術具用顎部アセンブリであって、 遠方端と手前端を有する第１の顎部と、 遠方端と手前端を有する第２の顎部を備える顎部アセン
   ブリであり、これら両顎部の一方はその手前端に隣接す
   る長手のスロットを区画し、また他の顎部はその手前端
   に隣接してこの顎部を横断する方向に延びるシャフトで
   あって、前記両顎部を互いに組合せて前記第２の顎部の
   第１の顎部に対する接近・離隔の並進・回動運動を可能
   にするためのスロットに収められるシャフトを備え、 この顎部アセンブリはさらに、 前記第２の顎部を第１の顎部から離隔するよう回動させ
   るため、第２の顎部を第１の顎部に対して付勢するばね
   と、 前記シャフトの遠方端にある第１の位置で前記第２の顎
   部と係合し、この第２の顎部の遠方端を前記第１の顎部
   に向けて回動させるよう第２の顎部を引っ張る第１の操
   作コードであって、この第１の操作コードは前記第２の
   顎部と前記第１の位置の手前側に当る第２の位置でも第
   ２の顎部と係合し、第２の顎部の遠方端が第１の顎部に
   向けて回動する行程の初期段階においてのみ第２の顎部
   の手前端を第１の顎部から引き離すように付勢する第１
   の操作コードを備える顎部アセンブリ。
3. 【請求項３】 外科手術具用顎部アセンブリであって、 固定長手スロットを区画する少なくとも一つの壁とこの
   壁から横方向に突出する案内部を有する第１の顎部と、 遠方端と手前端を有する第２の顎部であって、さらに前
   記顎部回動軸を区画する手前端に隣接してシャフトを備
   え、またこのシャフトは前記第１の顎部に向けて接近・
   離隔する前記顎部回動軸の回りの回動運動用スロットに
   収められる第２の顎部と、 前記第２の顎部を第１の顎部から離隔するよう回動させ
   るため、第２の顎部を第１の顎部に対して付勢するばね
   と、 前記回動軸の遠方端にある第１の位置で前記第２の顎部
   と係合し、この第２の顎部の遠方端を前記第１の顎部に
   向けて回動させるよう第２の顎部を引っ張る第１の操作
   コードであって、この第１の操作コードは前記第２の顎
   部と前記第１の位置の手前側に当る第２の位置でも第２
   の顎部と係合し、このコードの長さは前記第１の顎部の
   案内部に係合する第１および第２の位置にわたり、これ
   によってこの第１の操作コードを手前側に引っ張ると、
   前記シャフトを前記スロットに沿って付勢し、第２の顎
   部の遠方端が第１の顎部に向けて回動する行程の初期段
   階においてのみ第２の顎部の手前端を第１の顎部から引
   き離すように動かす第１の操作コードと、 前記第２の顎部の手前端に係合する第２の操作コードで
   あって、この第２の操作コードを引っ張ると前記シャフ
   トは前記スロットに沿って付勢される第２の操作コード
   を備える顎部アセンブリ。
4. 【請求項４】 外科手術具用顎部アセンブリであって、 横方向のガイド面を有する第１の顎部、および第２の顎
   部であって、これらの顎部は一方の顎部が他方の顎部に
   対して動くことができる関係にある顎部と、 前記両顎部を互いに引き離すように付勢するばね構造体
   と、 Ｕ字形ループを区画する操作コードであって、このＵ字
   形ループは前記第２の顎部に係合し、前記横方向ガイド
   面の回りに延びる少なくとも一つの牽引部を備え、この
   牽引部は前記顎部の少なくとも一方を他の顎部に向けて
   付勢するよう引っ張られる操作コードを備える顎部アセ
   ンブリ。
5. 【請求項５】 外科手術具用顎部アセンブリであって、 第１の顎部およびこの第１の顎部に固定される第１のガ
   イド面と、 第２のガイド面を有し、前記第１の顎部に接近しまた離
   隔する回動運動のために取り付けられる第２の可動顎部
   と、 前記第２の顎部を第１の顎部から離隔するよう回動させ
   るため、第２の顎部を第１の顎部に対して付勢するばね
   と、 前記第１の顎部に固定される固定部分および、前記第２
   のガイド面の回りの前記固定部分そして前記第１のガイ
   ド面から連続的に牽引され、前記第２の顎部を前記第１
   の顎部に向けて回動させるよう第２の顎部を引っ張る牽
   引部を具備するコードを備える顎部アセンブリ。
6. 【請求項６】 外科手術具用顎部アセンブリであって、 遠方端と手前端を有する第１の顎部と、 遠方端と手前端を有する第２の可動顎部を備える顎部ア
   センブリであり、これら両顎部の一方はその手前端に隣
   接する長手のスロットを区画し、また他の顎部はその手
   前端に隣接してこの顎部を横断する方向に延びるシャフ
   トであって、前記両顎部を互いに組合せて前記第２の顎
   部の第１の顎部に対する接近・離隔の並進・回動運動を
   可能にするためのスロットに収められるシャフトを備
   え、 この顎部アセンブリはさらに、 前記第２の顎部の手前端を第１の顎部から並進・離隔す
   るよう、また第２の顎部の遠方端を第１の顎部から回動
   ・離隔するよう付勢するため、第２の顎部を第１の顎部
   に対して付勢するばねと、 前記シャフトの遠方端にある第１の位置で前記第２の顎
   部に接続し、この第２の顎部の遠方端を前記第１の顎部
   に向けて回動させるよう第２の顎部を引っ張る操作コー
   ドであって、この操作コードは前記第２の顎部と前記第
   １の位置の手前側に当る第２の位置でも第２の顎部と係
   合し、第２の顎部の遠方端が第１の顎部に向けて回動す
   るとき、第２の顎部の手前端を第１の顎部に向けて付勢
   する操作コードを備える顎部アセンブリ。
7. 【請求項７】 外科手術具用顎部アセンブリであって、 遠方端と手前端を有する第１の顎部と、 遠方端と手前端を有する第２の顎部を備える顎部アセン
   ブリであり、これら両顎部の一方はその手前端に隣接す
   る長手のスロットを区画し、また他の顎部はその手前端
   に隣接してこの顎部を横断する方向に延びるシャフトで
   あって、前記両顎部を互いに組合せて前記第２の顎部の
   第１の顎部に対する接近・離隔の並進・回動運動を可能
   にするためのスロットに収められるシャフトを備え、 前記シャフトの遠方端にある第１の位置で前記第２の顎
   部と係合し、この第２の顎部の遠方端を前記第１の顎部
   に向けて回動させるよう第２の顎部を引っ張る第１の操
   作コードであって、この第１の操作コードは前記第２の
   顎部と前記第１の位置の手前側に当る第２の位置でも第
   ２の顎部と係合し、第２の顎部の遠方端が第１の顎部に
   向けて回動する行程の初期段階においてのみ第２の顎部
   の手前端を第１の顎部から引き離すように動かす第１の
   操作コードと、 前記第２の顎部の手前端に係合する第２の操作コードで
   あって、この第２の操作コードを引っ張ると前記第２の
   顎部の手前端は、前記シャフトとスロットの間に変位を
   生じながら前記第１の顎部に対して付勢される第２の操
   作コードを備える顎部アセンブリ。
8. 【請求項８】 外科手術具用顎部アセンブリであって、 フレームと、 このフレームから横方向に突出する第１の顎部と、 前記フレーム上にある第２の顎部であって、前記第１の
   顎部に対して固定した方位において第１の顎部に接近し
   またこれから離れる動きをする第２の顎部と、 前記第１の顎部とフレームのどちらか一方に設けられる
   第１のガイド部材と、 前記第２の顎部に設けられる第２のガイド部材と、 前記第２の顎部とフレームのどちらか一方によって区画
   されるスロットと、 前記スロットに係る第２の顎部とフレームの残った方に
   設けられるガイドピンであって、前記スロットに収めら
   れて前記第２の顎部の動きを可能にするガイドピンと、 前記第２の顎部を前記第１の顎部から引き離すよう付勢
   するばねと、 前記第２の顎部に接続されるコードであって、このコー
   ドは前記第１の顎部から前記第１のガイド部材および前
   記第２のガイド部材の周りを経て連続的に牽引され、し
   かも前記第２のガイド部材から顎部アセンブリの手前方
   向に延び、このコードを引っ張ると前記両顎部が閉止す
   るようになっているコードを備える顎部アセンブリ。
9. 【請求項９】 外科手術具用顎部アセンブリであって、 フレームと、 このフレームから横方向に突出する第１の顎部と、 前記フレーム上にある第２の顎部であって、前記第１の
   顎部に対して固定した方位において第１の顎部に接近し
   またこれから離れる動きをする第２の顎部と、 前記第１の顎部とフレームのどちらか一方に設けられる
   ガイド部材と、 前記第２の顎部とフレームのどちらか一方によって区画
   されるスロットと、 前記スロットに係る第２の顎部とフレームの残った方に
   設けられるガイドピンであって、前記スロットに収めら
   れて前記第２の顎部の動きを可能にするピンと、 前記第２の顎部を前記第１の顎部から引き離すよう付勢
   するばねと、 前記第２の顎部に接続されるコードであって、前記ガイ
   ド部材の周りに延び、しかもこの顎部アセンブリの手前
   方向に延びて、このコードを引っ張ると前記両顎部が閉
   止するようになっているコードを備える顎部アセンブ
   リ。
10. 【請求項１０】 外科手術具用顎部アセンブリであっ
    て、 右ねじ山を区画する第１の軸部と左ねじ山を区画する第
    ２の軸部を有する少なくとも一本の第１のロッドと、 前記第１のロッドの第１の軸部を収め、これにねじ係合
    する、第１の右ねじ山を設けた穴を区画する第１の顎部
    と、 前記第１のロッドの第２の軸部を収め、これにねじ係合
    する、第１の左ねじ山を設けた穴を区画する第２の顎部
    と、 前記第１のロッドに操作可能に接続するコードであっ
    て、このコードを引っ張ると前記第１のロッドにトルク
    を与えて第１のロッドを回転させ、これによって前記両
    顎部は、前記第１のロッドの回転方向に応じて互いに接
    近しあるいは離れることになるコードを備える顎部アセ
    ンブリ。
11. 【請求項１１】 外科手術具用顎部アセンブリであっ
    て、 遠方端と手前端を有する第１の顎部と、 遠方端と手前端を有する第２の可動顎部であって、前記
    第１の顎部に接近ないしこれから離れるよう回動軸の回
    りの回動運動のために取り付けられる第２の顎部と、 前記第２の顎部を引っ張ったときの第２の顎部の遠方端
    が第１の顎部に向けて回動するよう、前記回動軸の遠方
    端において前記第２の顎部に係合する操作コードを備え
    る顎部アセンブリ。
12. 【請求項１２】 外科手術具用顎部アセンブリであっ
    て、 遠方端と手前端を有する第１の顎部と、 遠方端と手前端を有する第２の可動顎部を備える顎部ア
    センブリであり、これら両顎部の一方はその手前端に隣
    接する長手のスロットを区画し、また他の顎部はその手
    前端に隣接してこの顎部を横断する方向に延びるシャフ
    トであって、前記両顎部を互いに組合せて前記第２の顎
    部の第１の顎部に対する接近・離隔の並進・回動運動を
    可能にするためのスロットに収められるシャフトを備
    え、 前記第１の顎部は前記スロットの遠方側に設置される第
    １のガイドピンとスロットの手前側に設置される第２の
    ガイドピンを備え、 そして前記第２の顎部は前記スロットの遠方側に設置さ
    れる第３のガイドピンを備え、 この顎部アセンブリはさらに、 前記第２の顎部を第１の顎部に対して回動させるため第
    ２の顎部を第１の顎部に対して押圧するばねと、 前記第１の顎部の手前端から第１の顎部の内部まで延び
    る第１の部分を少なくとも有する第１の操作コードであ
    って、このコードの第１の部分は、前記第１の顎部の第
    ２のガイドピンおよび前記シャフトの両方に跨がりかつ
    これらに係合し、またこの第１の部分は前記シャフトか
    ら遠方側に、前記第１の顎部に設けられた前記第１のガ
    イドピンの回り、そして前記第２の顎部に設けられた前
    記第３のガイドピンの回りを経て延び、またこの第３の
    ガイドピンからさらに延びて前記第１の顎部に係合する
    第１の操作コードと、 前記第２の顎部の手前端に接続する第２の操作コードで
    あって、この第２のコードに引張り力を与えると、第２
    の顎部の手前端が第１の顎部に向かって動くのが防止さ
    れる第２の操作コードを備える顎部アセンブリ。
13. 【請求項１３】 外科手術具用顎部アセンブリであっ
    て、 遠方端と手前端を有する第１の顎部と、 遠方端と手前端を有する第２の可動顎部であって、前記
    第１の顎部に接近しまたこれから離れるよう回動軸の回
    りに回動運動をするため取り付けられる第２の可動顎部
    と、 前記第２の顎部を引っ張ることにより第２の顎部の遠方
    端を第１の顎部に向けて回動させるため、前記回動軸の
    遠方側で前記第２の顎部に係合する第１の操作コード
    と、 前記第２の顎部に係合する第２の操作コードであって、
    この第２の操作コードを引っ張ったとき、第２の顎部の
    遠方端が第１の顎部から引き離されるよう配置される第
    ２の操作コードを備える顎部アセンブリ。
14. 【請求項１４】 外科手術具用顎部アセンブリであっ
    て、 顎部の対であって、この少なくとも一方の顎部は、他の
    顎部に対して回動軸の回りに回動できるように設置され
    る両顎部と、 エンドレスループを区画する操作コードであって、前記
    回動軸から離れた位置で前記回動可能な一方の顎部と係
    合する一部分を備え、また前記回動可能な一方の顎部を
    回動させるよう前記ループを引っ張るために係合される
    他の部分を備える操作コードを具備する顎部アセンブ
    リ。
15. 【請求項１５】 外科手術具用顎部アセンブリであっ
    て、 顎部の対であって、この少なくとも一方の顎部は他の顎
    部に対して移動することができる関係にある両顎部と、 前記可動顎部に操作可能に接続される操作コードであっ
    て、この操作コードは、エンドレスループであってこの
    ループの一部分は前記可動軸に操作可能に係合し、また
    このループの他の部分は前記回動可能な一方の顎部を回
    動させるようこのループの少なくとも一部に引張り力を
    与えるよう係合されるエンドレスループ備える操作コー
    ドを具備する顎部アセンブリ。