JPH08335725A - 超伝導層間のコンタクト構造及びその製造方法 - Google Patents
超伝導層間のコンタクト構造及びその製造方法Info
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Abstract
電流密度の著しい低下を防止し、臨界電流密度と信頼性
を向上し得る超伝導層間コンタクト構造及びその製造方
法を提供することを目的とする。 【構成】 第1の超伝導層11と層間絶縁層13は、基
板10を固定した状態でイオンビーム入射角30°の条
件でイオンビームエッチングされ、レジストマスクの影
になる部分には緩やかなエッジ16が、イオンビームに
直接さらされる部分には急峻なエッジ17が形成され
る。電流はコンタクトホールの緩やかなエッジ16上の
第2の超伝導層12を通り、緩やかなエッジ16での第
1の超伝導層11と第2の超伝導層12との接触面にお
いて第2の超伝導層12から第1の超伝導層11に流れ
込む。超伝導層11及び12として用いたYBCOは、
c軸配向しており、エッジ部ではab面同士が接触す
る。
Description
構造及びその製造方法に係り、特に高温超伝導体を用い
た回路における高温超伝導体同士を接続するコンタクト
構造及びその製造方法に関する。
高温超伝導回路における高温超伝導体間のコンタクト構
造としては、層間絶縁層にコンタクトホールを開けて行
うことが一般的である(例えば、アプライド・フィジッ
クス・レターズ、第59巻第3051頁、1991)。
クト構造の一例の断面図を示す。同図に示すように、基
板10上の第1の超伝導層11と第2の超伝導層12が
層間絶縁層13を挟んだ構造を有しているが、第1の超
伝導層11と第2の超伝導層12間の超伝導コンタクト
は、層間絶縁層13にコンタクトホール14を開け、そ
こで第1の超伝導層11と第2の超伝導層12を直接接
触させることにより行っている。
イド・フィジックス、第26巻、第L1248頁によれ
ば、高温超伝導体の結晶構造は層状であり、層に垂直な
方向(c軸方向)は、層に平行な方向(ab面方向)に
比べて臨界電流密度が著しく小さい。高温超伝導体を用
いた集積回路では、通常c軸に配向した膜を用いている
ため、ab面は基板と平行方向になる。このため、上下
方向のコンタクトでは、十分な臨界電流密度が確保でき
ない場合がある。
に、コンタクトホールを第1の超伝導層11を含む深さ
に開け、第1の超伝導層11のエッジの傾斜面を用いて
コンタクトをとる方法が提案されている(特開平2−7
7177号公報)。すなわち、この従来のコンタクト構
造によれば、図5に示すように、ab面内に伸びた酸化
物超伝導層配線内に設けられた電気的コンタクト部にお
いて、コンタクトホール14を層間絶縁層12と第1の
超伝導層11に開け、第1の超伝導層11のab面に対
して斜めに切断された面で第2の超伝導層12を接触さ
せた構造である。
の超伝導層11のab面に対して斜めに切断された面を
第2の超伝導層12を接触させることにより、コンタク
ト領域面積は第1の超伝導層配線の超伝導臨界電流密度
の異方性の影響を受けなくなる。
間のコンタクト構造におけるコンタクトホール14の形
状は等方的であり、すべての方向に等しい傾斜角の斜面
を有する。高温超伝導集積回路プロセスでこのような等
方的な形状のコンタクトホールをあける場合、基板を回
転させながらイオンビームエッチングを行う方法が一般
的である。
ビームエッチングを行う方法による加工形状を示す。同
図に示すように、この加工形状は、急峻な傾斜(傾斜角
α1)と緩やかな傾斜(傾斜角α2)の2段の傾斜が存
在するのが特徴である。
イオンビーム入射角と、代表的な高温超伝導体であるイ
ットリウム・バリウム・銅酸化物
でプロットした特性Iは急峻な方の傾斜角α1との関係
を示す。同図より分かるように、イオンビーム入射角を
調節しても、傾斜角α1は30°以下にはならない。
した測定温度、縦軸に平面上のYBCOラインの臨界電
流密度で規格化した段差のあるパターンエッジ部におけ
るYBCOラインの臨界電流密度をプロットした特性図
を示す。同図中、三角印でプロットした特性IVは、基
板を回転した状態でイオンビーム入射角45°で加工し
たパターンエッジ上のYBCOラインに対するものであ
る。なお、YBCOラインの線幅は8μmであり、YB
CO膜厚はエッジ部での段差の2倍である。
回転した状態でイオンビーム入射角45°で加工したパ
ターンエッジ上のYBCOラインの、エッジ部での臨界
電流密度は平面部の100分の1以下に減少している。
また、同様の測定を線幅4μmのYBCOラインに対し
ても行ったが、こちらの場合は超伝導電流が観察されな
かった。
る他の加工方法として、例えばウェットエッチング等の
方法を用いることもできるが、この加工方法もエッジ部
に45°程度の傾斜ができるため、上記のイオンビーム
エッチング方法と同様な臨界電流の低下が発生する。
ト構造では、等方的な形状のコンタクトホールを形成す
る加工方法により、図8の特性IVに示すようなコンタ
クトホールエッジ部での臨界電流密度の著しい低下が発
生するため、コンタクトでの臨界電流密度がコンタクト
ホールエッジ部での臨界電流密度で制限されてしまうと
いう問題がある。また、コンタクトホールエッジ部にお
ける臨界電流密度は制御しにくい値であるため、コンタ
クトの信頼性も低下するという問題もある。
コンタクトホールエッジ部での臨界電流密度の著しい低
下を防止し、臨界電流密度と信頼性を向上し得る超伝導
層間コンタクト構造及びその製造方法を提供することを
目的とする。
積を縮小し、もって回路のインダクタンスを低減し、回
路レイアウトの自由度を向上し得る超伝導層間コンタク
ト構造及びその製造方法を提供することにある。
め、請求項1記載の発明は基板上に設けられた第1の超
伝導層と、第1の超伝導層上に層間絶縁層を介して設け
られた第2の超伝導層とを層間絶縁層にあけられたコン
タクトホールを介してコンタクトするコンタクト構造で
あって、コンタクトホールは、少なくとも第1の超伝導
層の一部が含まれる深さで、かつ、層間絶縁層及び第1
の超伝導層との境界となる互いに異なる傾斜の第1及び
第2のエッジを有し、緩やかな傾斜の方の第1のエッジ
を少なくとも含む部分で第1の超伝導層上に第2の超伝
導層が配置され、第1のエッジ上の第2の超伝導層を介
して第1の超伝導層と第2の超伝導層間の超伝導電流の
導通を行う構成としたものである。
2記載の発明は、基板上に設けられた下部電極と上部電
極が下部電極の加工されたエッジ部分で常伝導体若しく
は絶縁体からなるトンネルバリア層を介して結合したエ
ッジ接合を有し、かつ、基板上にある第1の超伝導層と
上部電極である第2の超伝導層とを層間絶縁層にあけら
れたコンタクトホールを介してコンタクトするコンタク
ト構造であって、コンタクトホールは、少なくとも第1
の超伝導層の一部が含まれる深さで、かつ、トンネルバ
リア層との境界となる互いに異なる傾斜の第1及び第2
のエッジを有し、第1及び第2のエッジを少なくとも含
む部分で第1の超伝導層上に第2の超伝導層が配置さ
れ、緩やかな方の第1のエッジ上の第2の超伝導層を介
してコンタクトホールに注入された電流が主に急峻な方
の第2のエッジで第1の超伝導層に供給する構成とした
ものである。
3記載の発明は、基板上に第1の超伝導層と層間絶縁層
とが順次に積層され、かつ、層間絶縁層上のコンタクト
ホールを開口しようとする部分を除く領域にレジストマ
スクが形成された基板を固定した状態で、斜め上方から
イオンビームを照射してイオンビームエッチングを行う
第1の工程と、第1の工程によるイオンビームエッチン
グにより形成された、少なくとも第1の超伝導層の一部
が含まれる深さで、かつ、層間絶縁層及び第1の超伝導
層との境界となる互いに異なる傾斜の第1及び第2のエ
ッジを有するコンタクトホールの、緩やかな傾斜の方の
第1のエッジを少なくとも含む部分で第1の超伝導層上
に第2の超伝導層を形成する第2の工程とを含むことを
特徴とする。
記載の発明の第1の工程に続いて、イオンビームエッチ
ングにより形成された、少なくとも第1の超伝導層の一
部が含まれる深さで、かつ、層間絶縁層及び第1の超伝
導層との境界となる互いに異なる傾斜の第1及び第2の
エッジを有するコンタクトホール内に、常伝導体若しく
は絶縁体からなるトンネルバリア層及び第2の超伝導層
を連続して成膜する第2の工程と、コンタクトホールの
第1及び第2のエッジを少なくとも含む部分に第2の超
伝導層が配置されるようトンネルバリア層及び第2の超
伝導層を連続加工する第3の工程とを含むようにしたも
のである。
2のエッジに成長するトンネルバリア層の膜厚が、緩や
かな方の第1のエッジに成長するトンネルバリア層の膜
厚よりも薄くなる方向に基板の角度を調整してトンネル
バリア層の成長を行うことが、トンネルバリア層による
下部の第1の超伝導層に対する被覆性をより低下させる
ことができる点で望ましい。
ールの加工を基板を回転せず、固定して行うと、入射イ
オンビームに対してレジストマスクの影になる側のエッ
ジには例えば傾斜角25°以下の緩やかな傾斜ができ
る。一方、反対側のイオンビームに直接さらされる側の
エッジは傾斜角が25°より大なる急峻な傾斜ができ
る。
傾斜角との関係を示す図で、基板を固定してレジストマ
スクの影になるYBCOのエッジの傾斜角特性は同図に
四角印のIIで示され、また、イオンビームに直接さら
される側のYBCOのエッジの傾斜角特性は同図に丸印
のIIIで示される。図7からわかるように、入射イオ
ンビーム角度を30°以下にすることで、四角印で表さ
れる緩やかな方の傾斜角特性IIは、基板を回転しなが
らイオンビームエッチングすることによりコンタクトホ
ールを加工する、三角印で表される従来の傾斜角特性I
における急峻な傾斜角α1よりも十分に小さくすること
が可能である。
臨界電流密度の測定温度依存性を示す図で、同図に四角
印で示す特性Vは、基板を固定して入射イオンビーム角
30°で加工したときの影側のエッジを乗り越える線幅
8μmのYBCOラインの臨界電流密度を平面上のYB
COラインの臨界電流密度の値で規格化したものであ
る。
差に対して0.8倍である。この結果から、基板を固定
して加工した緩やかなエッジ部ではYBCOラインの臨
界電流密度の低下は殆ど起こらないことがわかる。従っ
て、前記したように、緩やかな傾斜の方の第1のエッジ
を少なくとも含む部分で第1の超伝導層上に第2の超伝
導層を配置し、緩やかな斜面の第1のエッジ上の第2の
超伝導層を介して電流をコンタクトホール内に注入し、
下部の第1の超伝導層の緩やかな斜面と上部の第2の超
伝導層間でコンタクトを行うことにより、臨界電流密度
を従来に比し向上することができる。
いられるエッジ接合と呼ばれるジョセフソン接合の断面
図を示す。エッジ接合は基板20上の下部電極21をそ
の上の層間絶縁層23と共に加工し、下部電極のエッジ
24を露出させ、このエッジ部分に常伝導体又は絶縁体
からなるトンネルバリア25を介して上部電極22を形
成し、下部電極21と上部電極22との間でジョセフソ
ン効果を生ぜしめるタイプのジョセフソン接合である。
エッジ接合の形成プロセスにおいては、トンネルバリア
25と上部電極22は連続成膜される。
ッジ接合の上部電極22である場合、その下には必ずト
ンネルバリア25が存在するため、上記の緩やかな斜面
上で下部の高温超伝導体とコンタクトを行うと、間にト
ンネルバリア25が存在し、臨界電流密度が低下する。
この場合には、緩やかな斜面上を通ってコンタクトホー
ル内に上部の配線を導入した後、急峻な斜面で主にコン
タクトをとる方法が有効である。トンネルバリア25の
膜厚は50nm以下であり、エッジでの段差(典型的な
場合300nm)に比べて十分薄いため、急峻な斜面で
はトンネルバリア25による下部の配線の被覆性が低下
し、部分的にトンネルバリア25が無い場所や非常に薄
い場所ができる。
なしに結合した場合の臨界電流密度は、エッジ接合の臨
界電流密度の100〜1000倍にも達する。従って、
請求項2記載の発明では、コンタクトホールをトンネル
バリア層との境界となる互いに異なる傾斜の第1及び第
2のエッジを有するようにし、第1及び第2のエッジを
少なくとも含む部分で第1の超伝導層上に第2の超伝導
層を配置し、緩やかな方の第1のエッジ上の第2の超伝
導層を介してコンタクトホールに注入された電流が主に
急峻な方の第2のエッジで第1の超伝導層に供給するよ
うにしたため、コンタクトの臨界電流密度を著しく増加
させることができる。
する基板角度を調整し、急峻な斜面に成長するトンネル
バリア25の膜厚を減少させれば、トンネルバリア25
による下部の配線に対する被覆性は更に低下し、上記効
果がより顕著となる。
明する。図1は本発明になる超伝導層間のコンタクト構
造の第1実施例の断面図を示す。同図において、チタン
酸ストロンチウム(SrTiO3、以下、「STO」と
記す)からなる基板10上に、高温超伝導体である第1
の超伝導層11としてYBCOが300nmの膜厚で形
成され、更にその上に層間絶縁層13としてSTOが3
00nmの膜厚で形成されている。
は、基板10を固定した状態でイオンビーム入射角30
°の条件でイオンビームエッチングを行い、コンタクト
ホールを開けてある。このコンタクトホール図中、右側
は緩やかなエッジ16が基板10の表面とのなす角、す
なわち傾斜角7°で形成され、図中、左側は急峻なエッ
ジ17が基板10の表面とのなす角、すなわち傾斜角3
2°で形成されている。
1の超伝導層11及び層間絶縁層13上には、高温超伝
導体である第2の超伝導層12としてYBCOが400
nmの膜厚で形成され、その先端部が基板10上に直接
接触している。
流はコンタクトホールの緩やかなエッジ16上の第2の
超伝導層12を通り、緩やかなエッジ16での第1の超
伝導層11と第2の超伝導層12との接触面において第
2の超伝導層12から第1の超伝導層11に流れ込む。
ここで、緩やかなエッジ16の傾斜角は7°と小さいた
め、図8に四角印でプロットした特性Vに示したよう
に、緩やかなエッジ16を乗り越えるときの臨界電流密
度の低下は殆どない。
して用いたYBCOは、c軸配向しており、エッジ部で
はab面同士が接触するため、この接触面における臨界
電流密度は大きい。以上のことから、本実施例によれ
ば、コンタクトホールを用いた臨界電流密度が高く、信
頼性の高い高温超伝導間のコンタクトが形成できる。
1の超伝導層11すべてを含む深さまで形成したが、十
分な臨界電流密度が得られるのであれば、コンタクトホ
ールの深さは第1の超伝導層11の途中までしか形成し
なくてもよい。
例について説明する。図2は本発明になる超伝導層間の
コンタクト構造の第2実施例の断面図を示す。同図にお
いて、STOからなる基板10上に、高温超伝導体であ
る第1の超伝導層11としてYBCOが300nmの膜
厚で形成され、更にその上に層間絶縁層13としてST
Oが300nmの膜厚で形成されている。
は、基板10を固定した状態でイオンビーム入射角30
°の条件でイオンビームエッチングを行い、コンタクト
ホールを開けてある。このイオンビームエッチング時
に、レジストマスクの影になる部分には緩やかなエッジ
16が、イオンビームに直接さらされる部分には急峻な
エッジ17が形成される。
10の表面とのなす角、すなわち傾斜角は7°、急峻な
エッジ17と基板10の表面とのなす角、すなわち傾斜
角は32°である。以上は第1実施例と同様であるが、
本実施例は、上記の緩やかなエッジ16と急峻なエッジ
17を含むコンタクトホール領域の上に、トンネルバリ
ア15が存在する場合に適している。
ム・バリウム・銅酸化物
ア15上に第2の超伝導層12としてYBCOが400
nmの膜厚で形成されている。なお、トンネルバリア1
5としては、ノーマルのYBCO等の常伝導体やSTO
等の絶縁体を用いることもできる。
流はコンタクトホールの緩やかなエッジ16上の第2の
超伝導層12を通りコンタクトホールに流れ込んだ後、
急峻なエッジ17での第1の超伝導層11と第2の超伝
導層12との接触面において、第2の超伝導層12から
第1の超伝導層11に流れ込む。ここで、緩やかなエッ
ジ16の傾斜角は7°と小さいため、図8に四角印で示
したように、緩やかなエッジ16を乗り越えるときの臨
界電流密度の低下は殆どない。
では第1の超伝導層11と第2の超伝導層12との間に
トンネルバリア15が存在するため、第1の超伝導層1
1と第2の超伝導層12との間の臨界電流密度はあまり
高くないが、急峻なエッジ17ではトンネルバリア15
による第1の超伝導層11の被覆性が低下しており、よ
り高い臨界電流密度が得られる。従って、本実施例のコ
ンタクト構造においては、第2の超伝導層12を流れる
電流は急峻なエッジ17で主に第1の超伝導層11に流
れ込む。
ジ接合の上部配線の超伝導層12と下層の超伝導層11
間におけるコンタクトホールを用いた臨界電流密度の高
いコンタクトが形成できる。下層の超伝導層11は、エ
ッジ接合の下部電極層であっても、グランドプレーン等
のその他の配線層であってもよい。
同様に、コンタクトホールは第1の超伝導層11すべて
を含む深さまで形成したが、十分な臨界電流密度が得ら
れるのであれば、コンタクトホールの深さは第1の超伝
導層11の途中までしか形成しなくてもよい。
ト構造の製造方法の一実施例について図3と共に説明す
る。本実施例は図1に示した第1実施例のコンタクト構
造を製造する例である。なお、図3中、図1と同一構成
部分には同一符号を付してある。
10上に、YBCOからなる第1の超伝導層11とST
Oからなる層間絶縁層13がそれぞれ300nmの膜厚
で積層され、更に層間絶縁層13上のコンタクトホール
を開口する部分を除く領域にレジストマスク18が設け
られている。この構成の基板10を固定した状態で、イ
オンビーム入射角30°の条件で図3(a)に示す如
く、例えばアルゴン(Ar)イオンビーム19を照射す
る これにより、イオンビーム19がレジストマスク18を
介さずに直接衝突する層間絶縁層13とその下の第1の
超伝導層11は、図3(b)に示すように衝突時の衝撃
により削り取られて急峻な(傾斜角32°)エッジ17
が形成される。一方、レジストマスク18の影になる部
分にはレジストマスク18の存在により層間絶縁層13
とその下の第1の超伝導層11には、図3(b)に示す
ように緩やかな(傾斜角7°)エッジ16が形成され
る。
18を除去した後、蒸着等により緩やかなエッジ16及
びこれに連接する層間絶縁層13上に、図3(c)に示
すようにYBCOからなる第2の超伝導層12を形成す
る。このようにして、図1に示した断面構造のコンタク
ト構造が製造される。
リア15を設ける以外は第1実施例と同様にして製造す
ることができる。ただし、この場合、図3(b)の状態
からレジストマスク18を除去した後、蒸着等により平
坦部での膜厚が20nmであるトンネルバリア(図2の
15)及び平坦部での膜厚が400nmである第2の超
伝導層(図2の12)を連続成膜した後、イオンビーム
エッチングにより第2の超伝導層及びトンネルバリアを
図2のように連続加工する。
基板10を例えば45°時計方向に回動して傾けると、
急峻なエッジ17は蒸着源に対して影になるため、トン
ネルバリア15による第1の超伝導層11の被覆性を更
に低下させることができる。この場合には、急峻なエッ
ジ17での臨界電流密度を更に向上することができる。
緩やかな傾斜の方の第1のエッジを少なくとも含む部分
で第1の超伝導層上に第2の超伝導層を配置し、緩やか
な斜面の第1のエッジ上の第2の超伝導層を介して電流
をコンタクトホール内に注入し、下部の第1の超伝導層
の緩やかな斜面と上部の第2の超伝導層間でコンタクト
を行うことにより、臨界電流密度を従来に比し向上し、
また、緩やかな方の第1のエッジ上の第2の超伝導層を
介してコンタクトホールに注入された電流が主に急峻な
方の第2のエッジで第1の超伝導層に供給することによ
り、コンタクトの臨界電流密度を著しく増加させるよう
にしたため、信頼性の高い良好なコンタクトを実現する
ことができ、このことからコンタクト面積を縮小するこ
とができる。従って、本発明によれば、コンタクト面積
の縮小により、回路のインダクタンスを低減し、回路レ
イアウトの自由度を向上することができる。
る。
グして得られる加工形状の一例を示す図である。
係を示す図である。
の測定温度依存性を示す図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 基板上に設けられた第1の超伝導層と、
該第1の超伝導層上に層間絶縁層を介して設けられた第
2の超伝導層とを該層間絶縁層にあけられたコンタクト
ホールを介してコンタクトするコンタクト構造であっ
て、 前記コンタクトホールは、少なくとも前記第1の超伝導
層の一部が含まれる深さで、かつ、前記層間絶縁層及び
前記第1の超伝導層との境界となる互いに異なる傾斜の
第1及び第2のエッジを有し、緩やかな傾斜の方の該第
1のエッジを少なくとも含む部分で前記第1の超伝導層
上に前記第2の超伝導層が配置され、前記第1のエッジ
上の前記第2の超伝導層を介して前記第1の超伝導層と
前記第2の超伝導層間の超伝導電流の導通を行うことを
特徴とする超伝導層間のコンタクト構造。 - 【請求項2】 基板上に設けられた下部電極と上部電極
が前記下部電極の加工されたエッジ部分で常伝導体若し
くは絶縁体からなるトンネルバリア層を介して結合した
エッジ接合を有し、かつ、基板上にある第1の超伝導層
と前記上部電極である第2の超伝導層とを前記層間絶縁
層にあけられたコンタクトホールを介してコンタクトす
るコンタクト構造であって、 前記コンタクトホールは、少なくとも前記第1の超伝導
層の一部が含まれる深さで、かつ、前記トンネルバリア
層との境界となる互いに異なる傾斜の第1及び第2のエ
ッジを有し、該第1及び第2のエッジを少なくとも含む
部分で前記第1の超伝導層上に前記第2の超伝導層が配
置され、緩やかな方の前記第1のエッジ上の前記第2の
超伝導層を介して前記コンタクトホールに注入された電
流が主に急峻な方の前記第2のエッジで前記第1の超伝
導層に供給することを特徴とする超伝導層間のコンタク
ト構造。 - 【請求項3】 基板上に第1の超伝導層と層間絶縁層と
が順次に積層され、かつ、該層間絶縁層上のコンタクト
ホールを開口しようとする部分を除く領域にレジストマ
スクが形成された前記基板を固定した状態で、斜め上方
からイオンビームを照射してイオンビームエッチングを
行う第1の工程と、 前記第1の工程によるイオンビームエッチングにより形
成された、少なくとも前記第1の超伝導層の一部が含ま
れる深さで、かつ、前記層間絶縁層及び前記第1の超伝
導層との境界となる互いに異なる傾斜の第1及び第2の
エッジを有するコンタクトホールの、緩やかな傾斜の方
の該第1のエッジを少なくとも含む部分で前記第1の超
伝導層上に第2の超伝導層を形成する第2の工程とを含
むことを特徴とする超伝導層間のコンタクト構造の製造
方法。 - 【請求項4】 基板上に第1の超伝導層と層間絶縁層と
が順次に積層され、かつ、該層間絶縁層上のコンタクト
ホールを開口しようとする部分を除く領域にレジストマ
スクが形成された前記基板を固定した状態で、斜め上方
からイオンビームを照射してイオンビームエッチングを
行う第1の工程と、 前記第1の工程によるイオンビームエッチングにより形
成された、少なくとも前記第1の超伝導層の一部が含ま
れる深さで、かつ、前記層間絶縁層及び前記第1の超伝
導層との境界となる互いに異なる傾斜の第1及び第2の
エッジを有するコンタクトホール内に、常伝導体若しく
は絶縁体からなるトンネルバリア層及び第2の超伝導層
を連続して成膜する第2の工程と、 前記コンタクトホールの前記第1及び第2のエッジを少
なくとも含む部分に前記第2の超伝導層が配置されるよ
う前記トンネルバリア層及び前記第2の超伝導層を連続
加工する第3の工程とを含むことを特徴とする超伝導層
間のコンタクト構造の製造方法。 - 【請求項5】 前記第2の工程は、前記コンタクトホー
ルの急峻な方の前記第2のエッジに成長する前記トンネ
ルバリア層の膜厚が、緩やかな方の前記第1のエッジに
成長する前記トンネルバリア層の膜厚よりも薄くなる方
向に前記基板の角度を調整して前記トンネルバリア層の
成長を行うことを特徴とする請求項4記載の超伝導層間
のコンタクト構造の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7142840A JP2616744B2 (ja) | 1995-06-09 | 1995-06-09 | 超伝導層間のコンタクト構造及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7142840A JP2616744B2 (ja) | 1995-06-09 | 1995-06-09 | 超伝導層間のコンタクト構造及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08335725A true JPH08335725A (ja) | 1996-12-17 |
JP2616744B2 JP2616744B2 (ja) | 1997-06-04 |
Family
ID=15324841
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7142840A Expired - Fee Related JP2616744B2 (ja) | 1995-06-09 | 1995-06-09 | 超伝導層間のコンタクト構造及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2616744B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002522927A (ja) * | 1998-08-14 | 2002-07-23 | エー ビー ビー リサーチ リミテッド | 電気的に安定化された薄膜高温超伝導体及びその製造方法 |
JP2007324180A (ja) * | 2006-05-30 | 2007-12-13 | Fujitsu Ltd | 超電導素子とその製造方法 |
WO2022219857A1 (ja) * | 2021-04-13 | 2022-10-20 | 住友電気工業株式会社 | 接合体及び接合体の製造方法 |
-
1995
- 1995-06-09 JP JP7142840A patent/JP2616744B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002522927A (ja) * | 1998-08-14 | 2002-07-23 | エー ビー ビー リサーチ リミテッド | 電気的に安定化された薄膜高温超伝導体及びその製造方法 |
JP4917205B2 (ja) * | 1998-08-14 | 2012-04-18 | エー ビー ビー リサーチ リミテッド | 電気的に安定化された薄膜高温超伝導体及びその製造方法 |
JP2007324180A (ja) * | 2006-05-30 | 2007-12-13 | Fujitsu Ltd | 超電導素子とその製造方法 |
WO2022219857A1 (ja) * | 2021-04-13 | 2022-10-20 | 住友電気工業株式会社 | 接合体及び接合体の製造方法 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP2616744B2 (ja) | 1997-06-04 |
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