JPH08335071A - 鍵盤楽器のアクション装置 - Google Patents

鍵盤楽器のアクション装置

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Publication number
JPH08335071A
JPH08335071A JP7160032A JP16003295A JPH08335071A JP H08335071 A JPH08335071 A JP H08335071A JP 7160032 A JP7160032 A JP 7160032A JP 16003295 A JP16003295 A JP 16003295A JP H08335071 A JPH08335071 A JP H08335071A
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JP
Japan
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hammer
action
keyboard
hammer body
stopper
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JP7160032A
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Inventor
Riichi Kitajima
理一 北島
Muneo Ishida
宗雄 石田
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Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アコースティックピアノと同等の良好なタッ
チ感を、コンパクトな構成でかつ安価に得ることができ
る鍵盤楽器のアクション装置を提供する。 【構成】 鍵盤2の押鍵に連動して上方に回動するウイ
ッペン9と、被突上げ部11aを有する回動自在のバッ
ト11と、バット11に固定されたハンマー体12と、
ハンマー体12に対向するように配置されたストッパア
クション21と、ウイッペン9に回動自在に取り付けら
れ、鍵盤2の押鍵に伴い、バット11を被突上げ部11
aを介して突き上げることによりハンマー体12を回動
させるとともに、ハンマー体12の回動中、ハンマー体
12がストッパアクション21を打撃する前にバット1
1から外れるように構成されたジャック10とを備え、
ハンマー体12が、アコースティックピアノのハンマー
シャンク系62と等価な、被突上げ部11aに関する慣
性モーメントを有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鍵盤楽器のアクション
装置に関し、特に電子ピアノなどの電子鍵盤楽器に用い
られるアクション装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図は、従来の電子ピアノに一般的に用い
られている鍵盤装置の一例を示している。この鍵盤装置
は、複数(88鍵)の鍵盤2(白鍵2aおよび黒鍵2b
を各1個図示)と、各鍵盤2の後部に設けられたアクシ
ョン装置53と、各鍵盤2の下側に設けられた鍵盤スイ
ッチ4と、鍵盤スイッチ4の検出結果に応じて発音を制
御するための図示しない発音制御装置と、を備えてい
る。
【0003】鍵盤スイッチ4は、ゴムスイッチなどによ
り、鍵盤2の打鍵の有無および打鍵速度(ベロシティ
ー)を検出できるように構成されており、発音制御装置
は、打鍵された鍵盤2のキーナンバーに応じて音高を制
御するとともに、検出された打鍵速度に応じて音量や音
色を制御する。このような制御により、打鍵された鍵盤
2に応じた所定の音高と、鍵タッチに応じた音量や音色
の変化が得られる。
【0004】一方、アクション装置53は、ハンマー5
5およびストッパクッション56で構成されている。ハ
ンマー55は、後端部が軸受57に回動自在に支持され
るとともに、当接部58を介して、鍵盤2の後端部上面
に当接している。ストッパクッション56は、フェルト
などから成り、ハンマー55の上側に位置して、アクシ
ョンリブ59に取り付けられている。この構成により、
鍵盤2を押す指先にハンマー55の重さがタッチ重さと
して常時、伝えられるとともに、押鍵に伴い、ハンマー
55が、鍵盤2により上方にはね上げられて、ストッパ
クッション56に当たり(同図の2点鎖線)、その後、
離鍵に伴って元の位置に復帰するようになっている。
【0005】図3は、この電子ピアノのアクション装置
の動作を対比するために示した、アップライトピアノの
一般的なアクション装置であり、以下、その基本的な構
成および動作を説明するものとする。同図に示すよう
に、このアップライトピアノのアクション装置61は、
後端部がセンターレール6に回動自在に支持され、鍵盤
2のキャプスタンスクリュー7上に載置されるウイッペ
ン9と、下端部がウイッペン9に回動自在に支持された
断面L形のジャック10と、センターレール6に回動自
在に支持され、ジャック10の上端が係合するバット1
1と、バット11に一体に取り付けられたハンマーシャ
ンク系62と、ハンマーシャンク系62の動きに合わせ
て弦Sの振動を許容および停止するための打弦ダンパー
機構63とを備えている。
【0006】ハンマーシャンク系62は、下端部がバッ
ト11に固定されたハンマーシャンク64と、ハンマー
シャンク64の上端部に取り付けられたハンマー65と
から成り、ハンマー65は、ハンマーウッド65aおよ
びハンマーフェルト65bによって構成されている。離
鍵状態において、ハンマーシャンク64は、前側に配置
されたハンマーレール66に斜めに接触し、ハンマーフ
ェルト65bは、後方に鉛直方向に張られた弦Sに対向
している。
【0007】ダンパー機構63は、ウイッペン9から立
ち上がるダンパースプーン67、センターレール6に回
動自在に支持され、ダンパースプーン67に対向するダ
ンパーレバー68、ダンパーレバー68に固定され、離
鍵状態において弦Sに接触しているダンパーヘッド69
などによって構成されている。
【0008】鍵盤2が押鍵されると、キャプスタンスク
リュー7が、ウイッペン9を上方に回動させて、ジャッ
ク10を上昇させ、ジャック10がバット11を被突上
げ部11aを介して突き上げることにより、ハンマーシ
ャンク系62が図3の反時計方向に回動する。このハン
マーシャンク系62の回動の途中で、ジャック10がレ
ギュレーティングボタン15に係合し、図3の時計方向
に回動させられることによって、バット11から外れ
る。このジャック10の離脱により、アコースティック
ピアノ特有のいわゆるレットオフ感が得られるととも
に、ハンマーシャンク系62がジャック10から離れた
慣性回動状態で、ハンマー65のハンマーフェルト65
bが弦Sを叩くことにより(同図の2点鎖線)、弦Sの
振動による発音が行われる。この打弦の後、ハンマーシ
ャンク系62は反対方向に復帰回動し、その最終位置
は、ハンマーシャンク64がハンマーレール66に当接
することによって規制される。
【0009】以上のアップライトピアノのアクション装
置61と、前述した電子ピアノのアクション装置53と
の対比から明らかなように、後者においてハンマー55
がストッパクッション56に当たる動作は、前者におい
てハンマーフェルト65が弦Sを叩く仮想打弦動作とし
て行われるものであり、それにより、鍵盤を押さえた力
がアクション装置に伝わり、ハンマーが動いて弦を叩く
ことにより得られる、アコースティックピアノ特有の自
然なタッチ感をできるだけ再現するようにしている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来
の電子ピアノのアクション装置53は、アコースティッ
クピアノのアクション装置61と比較して、構成がかな
り簡略化されているために、単純なアクション動作しか
行えず、得られるタッチ感もかなり異なり、大きな違和
感が生じてしまうという欠点がある。特に、従来のアク
ション装置53では、ハンマー55が鍵盤2に接した状
態でストッパクッション56に当たるため、ジャックに
よって得られるアコースティックピアノ特有のレットオ
フ感を得ることができず、このことが違和感を生じさせ
る大きな原因になっている。また、同じ理由から、従来
のアクション装置53では、ハンマー55がストッパク
ッション56に当たるときの衝撃が、演奏者の指先に直
接、伝わってしまい、タッチ感に悪影響を及ぼすなどの
問題もある。
【0011】一方、上記の問題を解消するために、図3
に示すようなアコースティックピアノのアクション装置
61を、電子ピアノのアクション装置として、そのまま
用いることも考えられる。しかし、その場合には、弦S
やダンパー機構63などの不要な構成部品があるため
に、コスト増の原因になるとともに、アップライトピア
ノのアクションは高さが比較的大きいので、スペースが
制約される電子ピアノにそのまま適用することは、不可
能である。
【0012】本発明は、このような問題を解決するため
になされたものであり、アコースティックピアノと同等
の良好なタッチ感を、コンパクトな構成でかつ安価に得
ることができる鍵盤楽器のアクション装置を提供するこ
とを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の鍵盤楽器のアクション装置は、鍵盤の押鍵
に連動して上方に回動するウイッペンと、被突上げ部を
有する回動自在のバットと、バットに固定されたハンマ
ー体と、ハンマー体に対向するように配置されたストッ
パアクションと、ウイッペンに回動自在に取り付けら
れ、鍵盤の押鍵に伴い、バットを被突上げ部を介して突
き上げることによりハンマー体を回動させるとともに、
ハンマー体の回動中、ハンマー体がストッパアクション
を打撃する前にバットから外れるように構成されたジャ
ックとを備え、ハンマー体が、アコースティックピアノ
のハンマーシャンク系と等価な、被突上げ部に関する慣
性モーメントを有していることを特徴としている。
【0014】この場合、ハンマー体がストッパアクショ
ンを打撃するときの回動角度が、アコースティックピア
ノにおいてハンマーシャンク系が弦を叩くときの回動角
度と、等しくなるように設定されていることが好まし
い。
【0015】これらの場合、ハンマー体が単体のハンマ
ーブロックで構成されていることが好ましい。
【0016】この場合、ハンマーブロックが、ストッパ
アクションを打撃するための突出した打撃部を有してい
ることが好ましい。
【0017】また、これらの場合、復帰回動中のハンマ
ー体が当接することによりハンマー体の静止位置を規制
するストッパをさらに備え、このストッパおよびストッ
パアクションが共通のアクションレールに取り付けられ
ていることが好ましい。
【0018】
【作用】上述した鍵盤楽器のアクション装置によれば、
鍵盤の押鍵に連動してウイッペンが上方に回動し、これ
に取り付けられたジャックが、バットをその被突上げ部
を介して突き上げ、バットおよびこれに固定されたハン
マー体を回動させることにより、ハンマー体が、仮想打
弦動作として、ストッパアクションを打撃する。このハ
ンマー体の回動中、ストッパアクションを打撃する前
に、ジャックがバットから外れるので、これにより、ア
コースティックピアノ特有のレットオフ感が得られる。
また、ハンマー体が慣性回動状態でストッパアクション
を打撃し、このときの衝撃が演奏者の指先に直接、伝わ
ることがないので、タッチ感に悪影響を及ぼすこともな
い。
【0019】また、このアクション装置では、被突上げ
部に関するハンマー体の慣性モーメントが、アコーステ
ィックピアノにおけるハンマーシャンク系の被突上げ部
に関する慣性モーメントと等価に設定されている。被突
上げ部は、ハンマー体の重さを、ジャック、ウイッペン
および鍵盤を介して、演奏者の指先に伝える部位である
ので、ハンマー体の慣性モーメントを上述のように設定
することにより、タッチ重さが、ハンマー体の回動全体
にわたって、アコースティックピアノと等しくなり、そ
のタッチ感に近似した良好なタッチ感が得られる。
【0020】請求項2に記載のアクション装置では、ア
コースティックピアノにおいてハンマーシャンク系が弦
を叩くのと同じ鍵盤ストロークで、ハンマー体がストッ
パアクションを打撃するので、アコースティックピアノ
により近似した良好なタッチ感が得られる。
【0021】請求項3のアクション装置では、ハンマー
体が単体のハンマーブロックで構成されているので、ア
クション装置をより少ない部品点数でコンパクトに構成
することができる。
【0022】また、請求項4のアクション装置では、ハ
ンマーブロックがストッパアクションを打撃するための
突出した打撃部を有するので、請求項3の利点を確保し
つつ、ストッパアクションの打撃を確実に行うことがで
きる。
【0023】請求項5のアクション装置では、ハンマー
体の静止位置を規制するストッパと、ストッパアクショ
ンが共通のアクションレールに取り付けられるので、ア
コースティックピアノのハンマーレールが不要となり、
より一層の部品点数の削減とコンパクト化が可能にな
る。
【0024】
【実施例】以下、本発明の好ましい実施例を、図面を参
照しながら、詳細に説明する。図1は、本発明を適用し
た電子ピアノのアクション装置を含む鍵盤装置を部分的
に示している。この鍵盤装置は、複数(88鍵)の鍵盤
2(1個のみ図示)と、各鍵盤2の後部に設けられた本
発明に係るアクション装置1と、各鍵盤2の前部下側に
設けられ、鍵盤2の打鍵の有無および打鍵速度を検出す
るための鍵盤スイッチと、発音制御装置(いずれも図示
せず)とを備えている。これらの図示しない鍵盤スイッ
チおよび発音制御装置は、図2の鍵盤装置と同様に構成
されており、鍵盤スイッチの検出結果に基づく発音制御
装置の制御により、打鍵された鍵盤2に応じた音高と、
鍵タッチに応じた音量や音色の変化をもつ発音が行われ
る。
【0025】鍵盤2は、長さ方向の中央部が、筬中8か
ら立設するバランスピン8aに揺動自在に支持されてい
る。また、鍵盤2の後端部上面には、キャプスタンスク
リュー7がねじ込まれている。
【0026】各アクション装置1は、図3のアップライ
トピアノのアクション装置61と比較して、ハンマーシ
ャンク系62の代わりに後述するハンマーブロック12
が設けられていること、およびダンパー機構63が省略
されていることが大きく異なるものであり、これら以外
の構成は、まったく同一である。したがって、以下のア
クション装置1の説明は、図3のアクション装置61と
同一の構成要素については、同一の参照符号を用いて行
うものとする。
【0027】アクション装置1は、後端部がセンターレ
ール6に回動自在に支持され、鍵盤2のキャプスタンス
クリュー7上に載置されるウイッペン9と、下端部がウ
イッペン9に回動自在に支持された断面L形のジャック
10と、センターレール6にピン6a回りに回動自在に
支持され、ジャック10の上端が係合するバット11
と、バット11に一体に取り付けられたハンマーブロッ
ク12と、ハンマーブロック12の上側に設けられたス
トッパ機構13とを備えている。
【0028】ジャック10は、上方に長く延びる突上げ
部10aと、突上げ部10aの下端部から側方に突き出
した係合部10bとによって、断面L形に形成されてお
り、突上げ部10aは、バット11の被突上げ部11a
に当接している。ジャック10の係合部10bとウイッ
ペン9の間には、ジャック10を同図の反時計方向に付
勢するコイルばね14が設けられているとともに、係合
部10bの上側には、バット11に取り付けられたレギ
ュレーティングボタン15が対向するように配置されて
いる。また、ウイッペン9にはバックチェック16が斜
めに立設される一方、バット11にはキャッチャー17
が前方に突出していて、両者16、17が前後方向に互
いに対向しており、キャッチャー17にはブライドルテ
ープ18が取り付けられている。以上の構成は、図3の
アクション装置61とまったく同様である。
【0029】ハンマーブロック12は、例えば鉛などか
ら成り、取付け部12aと、取付け部12aの一端部か
ら側方に突出する打撃部12bによって断面L字形に形
成されており、取付け部12aの部分でバット11の上
面にねじ止めされている。ハンマーブロック12は、次
式(1)に示すように、バット11の被突上げ部11a
に関する慣性モーメントIが、図3のアップライトピア
ノのアクション装置61におけるハンマーシャンク系6
2の被突上げ部11aに関する慣性モーメントI0 と等
しくなるように設定されている。 I = I0 ………… (1) 両慣性モーメントI、I0 は、それぞれ次式(2)、
(3)で表される。 I = M・L2 ………… (2) I0 = M0・L0 2 ………… (3) ここに、M : ハンマーブロック12の質量 M0 : ハンマーシャンク系62の質量 L : 被突上げ部11aからハンマーブロック12の
重心Gまでの距離 L0 : 被突上げ部11aからハンマーシャンク系62
の重心G0 までの距離 したがって、これらの式から、ハンマーブロック12の
質量Mは、次式(4)によって求められる。実際には、
この関係を満たすように、ハンマーブロック12の材
質、寸法および形状が決定されることになる。 M = (L0/L)2・M0 ………… (4)
【0030】ストッパ機構13は、断面逆U字形のスト
ッパレール19と、ストッパレール19の前側および後
側の内面にそれぞれ貼り付けられた、フェルトなどから
成るストッパ20およびストッパアクション21と、に
よって構成されている。ストッパ20およびストッパア
クション21は、それぞれ、図3のアクション装置61
のハンマーレール66および弦Sに相当するものとして
設けられており、バット11の所定の回動角度で、ハン
マーブロック12の打撃部12bが当接するように配置
されている。より具体的には、ハンマーブロック12の
打撃部12bが、図3のアクション装置61においてハ
ンマーシャンク64がハンマーレール66に当接すると
きと同じバット11の回動角度で、ストッパ20に当接
するとともに、ハンマーフェルト65bが弦Sを打弦す
るときの同じバット11の回動角度で、ストッパアクシ
ョン21に当接(打撃)するように配置されている。
【0031】次に、上記構成のアクション装置1の動作
を説明する。鍵盤2の離鍵状態では、アクション装置1
の各構成要素は、図1に実線で示す静止位置にあり、ハ
ンマーブロック12の打撃部12bはストッパ20に当
接している。この状態から鍵盤2が押鍵されると、キャ
プスタンスクリュー7が、ウイッペン9を上方に回動さ
せ、これと一緒にジャック10を上昇させ、ジャック1
0がバット11を被突上げ部11aを介して突き上げる
ことにより、バット11およびハンマーブロック12が
反時計方向に回動する。この回動の途中で、ジャック1
0は、その係合部10bがレギュレーティングボタン1
5に係合することにより、コイルばね14のばね力に抗
して、ウイッペン9に対して時計方向に回動させられ、
バット11の被突上げ部11aから外れる。このジャッ
ク10の離脱により、アコースティックピアノ特有のレ
ットオフ感を得ることができる。
【0032】その後、バット11およびハンマーブロッ
ク12は、ジャック10が離脱した状態で、慣性で回動
し続け、静止位置から所定角度θだけ回動した時点で、
ハンマーブロック12の打撃部12bが、仮想打弦動作
として、ストッパアクション21を打撃する(同図の2
点鎖線)。その後、バット11およびハンマーブロック
12は、ストッパアクション21を打撃した反動によっ
て反対方向に復帰回動し、この復帰回動中に、ジャック
10が、上記と逆の動作によってバット11の被突上げ
部11aに再び係合するようになる。この状態から、鍵
盤2が離鍵されると、押鍵時と逆の動作によって、ウイ
ッペン9およびジャック10が下降するとともに、バッ
ト11およびハンマーブロック12がさらに時計方向に
回動し、ハンマーブロック12の打撃部12bがストッ
パ20に当接することによって、元の静止位置に復帰す
る。
【0033】以上のように、本実施例のアクション装置
1では、ハンマーブロック12がストッパアクション2
1を打撃する前に、ジャック10がバット11から外れ
るので、アコースティックピアノ特有のレットオフ感を
得ることができるとともに、ストッパアクション21を
打撃する際の衝撃が演奏者の指先に直接、伝わることも
なく、良好なタッチ感を得ることができる。また、バッ
ト11の被突上げ部11aに関するハンマーブロック1
2の慣性モーメントIが、図3のアップライトピアノの
アクション装置61におけるハンマーシャンク系62の
被突上げ部11aに関する慣性モーメントI0 と等価に
設定されているので、タッチ重さが、ハンマーブロック
12の回動全体にわたって、アコースティックピアノと
等しくなり、そのタッチ感に近似した良好なタッチ感を
得ることができる。
【0034】また、ハンマーブロック12の打撃部12
bが、図3のアクション装置61においてハンマーシャ
ンク64がハンマーレール66に当接するときと同じバ
ット11の回動角度で、ストッパ20に当接するととも
に、ハンマーフェルト65bが弦Sを打弦するときの同
じバット11の回動角度で、ストッパアクション21を
打撃するので、鍵盤ストロークに対するタッチカーブを
アコースティックピアノのそれに合致させることがで
き、したがって、アコースティックピアノのタッチを忠
実に再現することができる。
【0035】さらに、このアクション装置1では、図3
におけるダンパー機構63や弦Sなどが省略されるとと
もに、ハンマー体が単体のコンパクトなハンマーブロッ
ク12で構成され、さらにストッパ20はストッパアク
ション21とともに共通のアクションレール19に取り
付けられ、図3のハンマーレール66も不要となる。し
たがって、アクション装置1をより少ない部品点数で構
成でき、その分、コストを削減できるとともに、非常に
コンパクトになり、スペース的にも電子ピアノに適用す
ることが十分可能となる。さらに、本実施例のアクショ
ン装置1は、アップライトピアノのアクション装置61
の構成部品の大部分をそのまま用い、一部を省略および
置換して構成されるので、既製の部品を活用しながら、
容易に製造できるという利点をも有するものである。
【0036】なお、本発明は、上述した実施例に限定さ
れることなく、種々の態様で実施することができる。例
えば、上述した実施例では、アップライトピアノのアク
ション装置をベースとし、これに改良を加えてアクショ
ン装置を構成しているが、グランドピアノのアクション
装置をベースとすることも、もちろん可能である。ま
た、実施例では、ハンマー体を断面L形のブロック状に
形成しているが、その形状および寸法などは、本発明の
趣旨を満たす限り、適宜変更できる。その他、本発明の
要旨を逸脱しない範囲で、細部の構成を任意に変更する
ことが可能である。
【0037】
【発明の効果】以上のように、本発明の鍵盤楽器のアク
ション装置は、アコースティックピアノと同等の良好な
タッチ感を、コンパクトな構成でかつ安価に得ることが
できるなどの効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した電子ピアノのアクション装置
を含む鍵盤装置の部分側面図である。
【図2】従来の電子ピアノのアクション装置を含む鍵盤
装置を示す側面図である。
【図3】従来のアップライトピアノのアクション装置を
示す側面図である。
【符号の説明】
1 アクション装置 2 鍵盤 9 ウイッペン 10 ジャック 11 バット 11a 被突上げ部 12 ハンマーブロック 12b 打撃部 19 ストッパレール 20 ストッパ 21 ストッパアクション 62 アコースティックピアノのハンマーシャンク系

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鍵盤の押鍵に連動して上方に回動するウ
    イッペンと、 被突上げ部を有する回動自在のバットと、 前記バットに固定されたハンマー体と、 当該ハンマー体に対向するように配置されたストッパア
    クションと、 前記ウイッペンに回動自在に取り付けられ、鍵盤の押鍵
    に伴い、前記バットを前記被突上げ部を介して突き上げ
    ることにより前記ハンマー体を回動させるとともに、当
    該ハンマー体の回動中、前記ハンマー体が前記ストッパ
    アクションを打撃する前に前記バットから外れるように
    構成されたジャックとを備え、 前記ハンマー体が、アコースティックピアノのハンマー
    シャンク系と等価な、前記被突上げ部に関する慣性モー
    メントを有していることを特徴とする鍵盤楽器のアクシ
    ョン装置。
  2. 【請求項2】 前記ハンマー体が前記ストッパアクショ
    ンを打撃するときの回動角度が、アコースティックピア
    ノにおいて前記ハンマーシャンク系が弦を叩くときの回
    動角度と、等しくなるように設定されていることを特徴
    とする、請求項1に記載の鍵盤楽器のアクション装置。
  3. 【請求項3】 前記ハンマー体が単体のハンマーブロッ
    クで構成されていることを特徴とする、請求項1または
    2に記載の鍵盤楽器のアクション装置。
  4. 【請求項4】 前記ハンマーブロックが、前記ストッパ
    アクションを打撃するための突出した打撃部を有してい
    ることを特徴とする、請求項3に記載の鍵盤楽器のアク
    ション装置。
  5. 【請求項5】 復帰回動中の前記ハンマー体が当接する
    ことにより当該ハンマー体の静止位置を規制するストッ
    パをさらに備え、このストッパおよび前記ストッパアク
    ションが共通のアクションレールに取り付けられている
    ことを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載
    の鍵盤楽器のアクション装置。
JP7160032A 1995-06-02 1995-06-02 鍵盤楽器のアクション装置 Withdrawn JPH08335071A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11190992A (ja) * 1997-12-25 1999-07-13 Kawai Musical Instr Mfg Co Ltd 電子ピアノの疑似ハンマー

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JPH11190992A (ja) * 1997-12-25 1999-07-13 Kawai Musical Instr Mfg Co Ltd 電子ピアノの疑似ハンマー

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