JPH08334920A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

静電荷像現像用トナー

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JPH08334920A
JPH08334920A JP8085241A JP8524196A JPH08334920A JP H08334920 A JPH08334920 A JP H08334920A JP 8085241 A JP8085241 A JP 8085241A JP 8524196 A JP8524196 A JP 8524196A JP H08334920 A JPH08334920 A JP H08334920A
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peak
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努 小沼
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稔 下條
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学 大野
Satoshi Matsunaga
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的に低温定着性及び耐オフセット
ハに優れ、トナーコート均一性不良によるブロッチの発
生しない静電荷像現像用トナーを提供することにある。 【解決手段】 本発明は少なくとも結着樹脂,着色剤又
は磁性材料及びワックス成分を含有する静電荷像現像用
トナーにおいて、該ワックスの示差走査熱量計により測
定されるDSC曲線の昇温時の吸熱ピークに少なくとも
2つのピークを持ち、これらの吸熱ピークの中で最大の
ピークと、該最大ピークから15℃以上離れている、該
最大ピークに次いで2番目に大きなピークに関し、低温
側の吸熱ピークP1 の半値幅が20℃以内であり、高温
側の吸熱ピークP2 の半値幅が20℃以内であり、P1
の半値幅の終点温度とP2 の半値幅の始点温度の差が5
℃以上であり、吸熱ピークの最低オンセット温度が50
℃以上であることを特徴とする静電荷像現像用トナーに
関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
記録法等に用いられる静電荷像現像用トナーに関する。
【0002】従来、定着ローラー表面にトナーを付着さ
せない目的で、定着ローラー表面をトナーに対して離型
性に優れたシリコーンゴムや弗素系樹脂で形成し、さら
にその表面にオフセット防止及び定着ローラー表面の劣
化を防止するためにシリコーンオイルの如き離型性の良
い液体の薄膜で定着ローラー表面を被覆することが行わ
れている。しかしながら、この方法はトナーのオフセッ
トを防止する点では極めて有効であるが、オフセット防
止用液体を供給するための装置が必要なため、定着装置
が複雑になるという問題点を有している。
【0003】これは小型化、軽量化と逆方向であり、し
かもシリコーンオイルなどが熱により蒸発し、機内を汚
染する場合がある。そこでシリコーンオイルの供給装置
を用いないで、トナー粒子中から加熱時にオフセット防
止液体を供給しようという考えから、トナー粒子中に低
分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレンなどの離
型剤を添加する方法が提案されている。充分な効果を出
すために多量に離型剤を加えると、感光体へのフィルミ
ングやキャリアやスリーブの如きトナー担持体の表面を
汚染しやすい。少量の離型剤をトナー粒子中に添加し、
さらに若干の離型性オイルの供給、もしくは、オフセッ
トしたトナーを巻きとり式のウェブの如き部材を用いた
装置でクリーニングする装置を提供することが行われて
いる。
【0004】トナー粒子中に離型剤としてワックスを含
有させることは知られており、例えば、特公昭52−3
304号公報、特公昭52−3305号公報、特公昭5
7−52574号公報に開示されている。
【0005】これらのワックスは、トナーの低温定着時
や高温定着時の耐オフセット性の向上のために用いられ
ている。しかしながら、これらのワックスを用いると、
トナーの耐ブロッキング性が低下したり、現像性が低下
する場合があった。
【0006】低温領域から高温領域にかけて、ワックス
添加の効果をより発揮させるために2種類以上のワック
スを含有するトナーが、特公昭52−3305号公報、
特開昭58−215659号公報、特開昭62−100
775号公報、特開平4−124676号公報、特開平
4−299357号公報、特開平4−362953号公
報、特開平5−197192号公報に開示されている。
【0007】しかし、こられのトナーは、耐高温オフセ
ット性や現像性は優れているが低温定着性がやや劣って
いるトナーであったり、耐低温オフセット性や低温定着
性には優れているが、耐ブロッキング性にやや劣り、耐
久時に現像性が低下するトナーであったりした。また、
低温時と高温時の耐オフセット性が両立できなかった
り、遊離ワックス成分によるトナーコート不均一の為に
現像スリーブ上にブロッチが発生し、画像欠陥が生じた
りした。
【0008】これらのトナーに含有されているワックス
は、示差走査熱量計により測定されるDSC曲線の昇温
時の吸熱ピークに関して、吸熱ピークであったり、低温
領域又は高温領域にメイン吸熱ピークが存在しているた
め、トナーを劣化させる成分や効果の少ない成分を多く
含んでいるワックスであった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上記の
ごとき問題点を解決した静電荷像現像用トナーを提供す
ることにある。
【0010】本発明の目的は、低温定着性及び耐オフセ
ット性に優れた定着温度範囲の広い静電荷像現像用トナ
ーを提供することにある。
【0011】更に、本発明の目的は、耐ブロッキング性
に優れ、耐久時にトナーの現像性が低下しない静電荷像
現像用トナーを提供することにある。
【0012】更に、本発明の目的は、トナー粒子からの
遊離ワックス成分が少なく、現像スリーブ上のトナーコ
ート均一性不良によるブロッチが発生しない静電荷像現
像用トナーを提供することにある。
【0013】更に、本発明の目的は、耐静電オフセット
性に優れた静電荷像現像用トナーを提供することにあ
る。
【0014】更に、本発明の目的は、感光体上へのトナ
ー成分の融着の起こらない静電荷像現像用トナーを提供
することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも結
着樹脂、着色剤又は磁性材料及びワックス成分を含有す
る静電荷像現像用トナーにおいて、該ワックスの示差走
査熱量計により測定されるDSC曲線の昇温時の吸熱ピ
ークに少なくとも2つのピークを持ち、これらの吸熱ピ
ークの中で最大のピークと、該最大ピークから15℃以
上離れている、該最大ピークに次いで2番目に大きなピ
ークに関し、低温側の吸熱ピークP1 の半値幅が20℃
以内であり、高温側の吸熱ピークP2 の半値幅が20℃
以内であり、P1 の半値幅の終点温度とP2 の半値幅の
始点温度の差が5℃以上であり、吸熱ピークの最低オン
セット温度が50℃以上であることを特徴とする静電荷
像現像用トナーに関する。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明においては示差走査熱量計
により測定したDSC曲線の昇温時のデータを解析する
ことによって、ワックス成分の相転移,融解に伴う吸熱
ピークが観測され、ワックス成分に熱を与えた時の変化
を見ることができる。
【0017】本発明で用いるワックス成分の吸熱ピーク
の低温側の吸熱ピークP1 の半値幅の終点温度と高温側
の吸熱ピークP2 の半値幅の始点温度の差が5℃以上で
あることにより、広い温度領域でトナーに離型効果を与
えることができ、トナーの定着温度領域及び非オフセッ
ト温度領域が拡大する。吸熱ピークP1 の半値幅の終点
温度と高温側の吸熱ピークP2 の半値幅の始点温度の差
が5℃未満の場合には、吸熱ピークP1 と吸熱ピークP
2 の中間温度領域で融解するワックス成分が多くなり、
低温定着性や耐オフセット性に寄与する成分が相対的に
少なくなり、定着領域を大幅に改善することができな
い。
【0018】低温側の吸熱ピークP1 の半値幅が20℃
以内であることにより、比較的低温で、かつある温度領
域で急速に融解するワックス成分を効果的にトナー粒子
中に含有させることができ、該結着樹脂に可塑効果を与
え、耐低温オフセット性及び低温定着性を向上させるこ
とができる。吸熱ピークP1 の半値幅が20℃を超える
と、トナーに必要な所定の低温定着性及び耐オフセット
性を得るためにはトナー粒子中に多量のワックス成分を
含有させなければならなくなり、その結果トナーの凝集
性が高くなり、現像性が低下する。
【0019】高温側の吸熱ピークP2 の半値幅が20℃
以内であることにより、比較的高温で、かつある温度領
域で急速に融解するワックス成分を効果的にトナー粒子
中に含有させることができ、高温時での離型効果をトナ
ーに与え、良好な耐高温オフセット性を得ることができ
る。吸熱ピークP2 の半値幅が20℃を超えると、トナ
ーに遊離ワックス成分が増えて現像器の現像スリーブ上
のトナーコート均一性が損なわれやすくなり、ブロッチ
が発生しやすくなる。
【0020】吸熱ピークの最低オンセット温度が50℃
以上であることで、該結着樹脂の低分子量成分への過度
の可塑効果が押えられ、耐ブロッキング性を保証するこ
とができる。吸熱ピークの最低オンセット温度が50℃
未満だと、耐ブロッキング性が低下する。
【0021】更に、本発明においては、吸熱ピークP1
の半値幅が10℃以内であり、吸熱ピークP2 の半値幅
が15℃以内であることが好ましい。それにより、ワッ
クス成分のトナー粒子中での分散性が向上し、トナーの
帯電性が均一になり、更に耐静電オフセット性が向上で
きる。
【0022】静電オフセットの発現する要因を以下に説
明する。
【0023】定着器が具備している定着ロールの被覆層
としては、PFA樹脂,ポリ四弗化エチレン又は弗化エ
チレンプロピレンの如き弗素系樹脂が用いられている。
該弗素系樹脂は電気絶縁性が良好なために負帯電しやす
い。そのために正帯電性トナーの場合、定着時に、該ト
ナーが定着ローラー表面に静電的に付着しやすく、静電
オフセットが生じやすい。特にトナー粒子中に遊離した
ワックス粒子が存在すると、トナー粒子の一部が異常に
正に帯電され易くなるために、該トナー粒子が定着ロー
ラー上に静電付着して、静電オフセットが発生し易くな
るものと考えられる。
【0024】更に、本発明においては、吸熱ピークP1
の半値幅の終点温度と吸熱ピークP2 の半値幅の始点温
度の差が15℃以上であることが好ましい。それによ
り、低融点ワックスの高融点ワックスに対する可塑効果
が抑えられ、ワックス成分がトナー粒子中で軟化するこ
とを防ぎ、トナーの感光体上への融着に対するラチチュ
ードを更に拡げることができる。
【0025】吸熱ピークP1 は、温度55乃至90℃よ
り好ましくは、60乃至85℃にあることが良く、吸熱
ピークP2 は温度90℃を越え乃至150℃、より好ま
しくは95乃至130℃にあることが良い。吸熱ピーク
1 及びP2 が上記温度範囲にあると、トナーの耐ブロ
ッキング性がより向上し、感光体表面へのトナーの融着
が抑制され、低温定着性及び耐高温オフセット性が向上
する。
【0026】本発明のトナーに含有されるワックス成分
は、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、
マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスの
如き脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワッ
クスの如き脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物;それら
のブロック共重合物;カルナバワックス、サゾールワッ
クス、モンタン酸エステルワックスの如き脂肪酸エステ
ルを主成分とするワックス;脱酸カルナバワックスの如
き脂肪酸エステル類を一部または全部を脱酸化したもの
が挙げられる。さらにパルミチン酸、ステアリン酸、モ
ンタン酸、あるいは更に長鎖のアルキル基を有する長鎖
アルキルカルボン酸の如き飽和直鎖脂肪酸;ブランジン
酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸の如き不飽和脂
肪酸類;ステアリンアルコール、アラルキルアルコー
ル、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セ
リルアルコール、メリシルアルコール、あるいは更に長
鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルアルコール類の如
き飽和アルコール;ソルビトールの如き多価アルコール
類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸
アミドの如き脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン
酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビ
スラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸
アミドの如き飽和脂肪酸ビスアミド類、エチレンビスオ
レイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミ
ド、N,N′−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N′
−ジオレイルセバシン酸アミドの如き不飽和脂肪酸アミ
ド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N′
−ジステアリルイソフタル酸アミドの如き芳香族系ビス
アミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシ
ウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムの
如き脂肪酸金属塩(一般に金属石けんといわれているも
の);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル
酸の如きビニル系モノマーをグラフト化したグラフトワ
ックス;ベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多価
アルコールの部分エステル化物;植物油脂を水素添加す
ることによって得られるヒドロキシル基を有するメチル
エステル化合物が挙げられる。
【0027】好ましく用いられるワックスは、アルキレ
ンを高圧下でラジカル重合あるいは低圧下でチーグラー
触媒又は、その他の触媒を用いて重合した低分子量のア
ルキレンポリマー;高分子量のアルキレンポリマーを熱
分解して得られるアルキレンポリマー;アルキレンを重
合する際に副生する低分子量アルキレンポリマーを分離
精製したもの;一酸化炭素及び水素からなる合成ガスか
らアーゲ法により得られる炭化水素ポリマーの蒸留残分
から、あるいは、蒸留残分を水素添加して得られる合成
炭化水素から、特定の成分を抽出分別したポリメチレン
ワックスが挙げられる。これらワックスには酸化防止剤
が添加されていてもよい。さらに、直鎖状のアルコー
ル、直鎖状脂肪酸、直鎖状酸アミド、直鎖状エステルあ
るいは、モンタン系誘導体が挙げられる。また、これら
ワックスから液状脂肪酸の如き不純物を予め除去しても
あるものも好ましい。
【0028】中でも好ましいものは、チーグラ触媒又は
その他の触媒を用いてエチレンの如きオレフィンを重合
したもの又は、この時の副生成物;フィッシャートロプ
シュワックスの如き炭素数が数千以下、特には千ぐらい
までの炭化水素を母体とするものが良い。炭素数が数
百、特には百ぐらいまでの末端に水酸基をもつ長鎖アル
キルアルコールも好ましい。更に、アルコールにアルキ
レンオキサイドを付加したものも好ましく用いられる。
【0029】これらのワックスは、プレス発汗法、溶剤
法、真空蒸留、超臨界ガス抽出法、分別結晶化(例え
ば、融液晶析及び結晶ろ別)を利用して、ワックスを分
子量に分別し、分子量分布をシャープにしたワックス
は、示差走査熱量計により測定されるDSC曲線の昇温
時の吸熱ピークがシャープになり、必要な融解挙動範囲
の成分が占める割合が多くなるので好ましい。
【0030】このように分別したワックスを2種類以上
用いることが、トナーの低温定着性,耐ブロッキング性
及び耐高温オフセット性に対し、これらの性能がバラン
スよく向上させるために必要な融解挙動範囲のワックス
成分を無駄なくトナー粒子中に含有せしめることができ
る。
【0031】更に、前述したワックスを一度分別結晶に
よって分別した後、超高真空下で真空蒸留を行うなどの
様に、種々の分別法を組み合わせて得たワックスを用い
ることが、示差走査熱量計により測定されるDSC曲線
の昇温時の吸熱ピークの温度幅を極めて狭くすることが
できるので好ましい。更にそれらのワックスを、最大吸
熱ピークの異なるもの同士で2種類以上用いることが、
トナーの画像濃度安定性を阻害せず、ワックス成分のト
ナー粒子中への分散性も良好であるため、最も好まし
い。
【0032】トナーに該ワックス成分を含有せしめるた
めの方法としては、以下の方法が挙げられる。
【0033】(1)ワックス成分,結着樹脂,着色剤及
び必要によりその他の添加物をボールミルの如き混合機
により充分混合してから加熱ロール,ニーダー,エクス
トルーダーの如き熱混練機を用いて溶融、捏和及び練肉
してワックス成分及び樹脂成分を互いに相溶せしめ、冷
却固化後粉砕をおこなう。
【0034】(2)2種類以上のワックスを含有せしめ
る場合には、予めワックス同士をワックスの溶融温度以
上で撹拌しながら溶融混合し、冷却固化後粉砕を行って
から(1)の方法を行う。
【0035】(3)結着樹脂を溶剤に溶解し、樹脂溶解
液の温度を上げ、撹拌しながらワックス成分を添加混合
し、脱溶媒,乾燥の後、粉砕をおこなってから(1)の
方法を行う。好ましくは(2)又は(3)の方法がワッ
クス成分のトナー粒子中への分散性の点で良く、更に好
ましくは(3)の方法が製造安定性の点で優れている。
【0036】本発明のトナーにおいては、該ワックスを
2種類以上使用する場合には、それぞれのワックスの示
差走査熱量計により測定されるDSC曲線の昇温時の吸
熱ピークに関して、それらを比較して、1種類は、60
〜100℃の温度領域に吸熱ピークの半値幅終点温度を
もつワックスを0.1〜15重量部(好ましくは0.5
〜10重量部)使用し、他の1種類は、90〜140℃
の温度領域に吸熱ピークの半値幅始点温度をもつワック
スを0.1〜12重量部(好ましくは0.5〜10重量
部)使用するのが良い。
【0037】ワックス成分のDSC曲線において、吸熱
ピークP1 が最大吸熱ピーク(最も高い吸熱ピーク)で
あり、吸熱ピークP2 が2番目に大きい吸熱ピーク(2
番目に高い吸熱ピーク)であることが好ましい。
【0038】吸熱ピークP1 を発生させるための低融点
ワックスは、温度55乃至90℃(より好ましくは、6
0乃至85℃)に最大吸熱ピークを有し、その半値幅が
20℃以内(より好ましくは、10℃以内)であること
が良い。吸熱ピークP2 発生させるための高融点ワック
スは、温度90℃を越え乃至150℃(より好ましく
は、95乃至130℃)に最大吸熱ピークを有し、その
半値幅が20℃以下(より好ましくは、15℃以内)で
あることが良い。さらに、低融点ワックスの最大吸熱ピ
ーク温度と高融点ワックスの最大吸熱ピーク温度とは、
15〜95℃(より好ましくは、35〜70℃)の差が
あるのが機能分離の点で好ましい。
【0039】場合により、その他のワックスを0.1〜
10重量部(好ましくは0.5〜7重量部)使用してい
ても構わない。
【0040】これにより、耐ブロッキング性を阻害する
ことなく、低温定着性と耐オフセット性の性能を効果的
に向上することができる。
【0041】本発明のトナーにおいては、これらのワッ
クス総含有量は、結着樹脂100重量部に対し、0.2
〜20重量部が好ましく、さらに好ましくは0.5〜1
0重量部用いるのが効果的である。
【0042】本発明においてDSC測定では、測定原理
から、高精度の内熱式入力補償型の示差走査熱量計で測
定することが好ましい。例えば、パーキンエルマー社製
のDSC−7が利用できる。
【0043】測定方法は、ASTM D3418−82
に準じて行う。DSC曲線は、1回昇温,降温させ前履
歴を取った後、温度速度10℃/minで、昇温させた
時に測定されるDSC曲線を用いる。各温度の定義は次
のように定める。プラス方向を吸熱とする。具体例とし
て、本発明の実施例1及び比較例1の例を各々図4,図
5及び図6,図7に示す。
【0044】(a)吸熱ピークの最低オンセット温度
(S1 −OP):昇温時曲線の微分値が極大となる点に
おける曲線の接線とベースラインとの交点の温度の中で
最低の温度である。
【0045】(b)最大の吸熱ピーク:昇温時曲線で、
ベースラインからピークトップまでの高さが最大となる
吸熱ピークである。
【0046】(c)2番目に大きな吸熱ピーク:最大吸
熱ピークから15℃以上離れている吸熱ピークの中で、
高さが最大吸熱ピークに次ぐ高さを有する吸熱ピークで
ある。
【0047】(d)低温側吸熱ピークのピーク温度(P
1 P):昇温時に最大あるいは2番目に大きな吸熱ピー
クの内、低温側にある吸熱ピークのピークトップ温度で
ある。
【0048】(e)低温側の吸熱ピークの半値幅:低温
側の吸熱ピークの、ベースラインからピークトップまで
の高さの2分の1の高さの温度幅である。
【0049】複数の吸熱ピークが存在する場合は、半値
幅の温度領域において、2分の1の高さ以上に吸熱ピー
クが連続していなければならず、2分の1の高さ以下に
なる場合は別の吸熱ピークとみなす。
【0050】半値幅の測定の仕方の具体例を図1〜図3
に示す。
【0051】(f)低温側の吸熱ピーク半値幅の終点温
度(H1 P):低温側の吸熱ピークで半値幅を測定した
温度領域の高温側終点温度である。
【0052】(g)高温側の吸熱ピークのピーク温度
(P2 P):昇温時に最大あるいは2番目に大きな吸熱
ピークの内、高温側にあるピークのピークトップ温度で
ある。
【0053】(h)高温側の吸熱ピークの半値幅:低温
側の吸熱ピークの半値幅の場合に準ずる。
【0054】(i)高温側の吸熱ピーク半値幅始点温度
(L2 P):高温側の吸熱ピークで半値幅を取った温度
領域の低温側始点温度である。
【0055】本発明のトナーに使用される結着樹脂とし
ては、例えば下記の結着樹脂が挙げられる。
【0056】ポリスチレン;ポリ−p−クロルスチレ
ン、ポリビニルトルエンの如きスチレン誘導体の単重合
体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン
−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリ
ン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、
スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−
α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−ア
クリロニトリル共重合体は、スチレン−ビニルメチルエ
ーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重
合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレ
ン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合
体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体の
如きスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール
樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン
酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニ
ール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタ
ン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシ
レン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマ
ロンインデン樹脂、石油系樹脂が挙げられる。より好ま
しい結着樹脂としては、スチレン系共重合体もしくはポ
リエステル樹脂がある。
【0057】スチレン系共重合体のスチレンモノマーに
対するコモノマーとしては、アクリル酸、アクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル
酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−エ
チルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸、メ
タクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸
ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニトリル、メ
タクリルニトリル、アクリルアミドのような二重結合を
有するモノカルボン酸もしくはその誘導体;マレイン
酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メチル、マレイン酸
ジメチルのような二重結合を有するジカルボン酸および
その誘導体;塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニル
のようなビニルエステル;エチレン、プロピレン、ブチ
レンのようなエチレン系オレフィン;ビニルメチルケト
ン、ビニルヘキシルケトンのようなビニルケトン;ビニ
ルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソ
ブチルエーテルのようなビニルエーテルが挙げられる。
これらのビニル単量体が単独もしくは2つ以上スチレン
モノマーとともに用いられる。
【0058】スチレン系重合体またはスチレン系共重合
体は架橋されていてもよくまた混合樹脂でも良い。
【0059】結着樹脂の架橋剤としては、主として2個
以上の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられ
る。例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリンの
ような芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジア
クリレート、エチレングリコールジメタクリレート、
1,3−ブタンジオールジメタクリレートのような二重
結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリ
ン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニル
スルホンの如きジビニル化合物;3個以上のビニル基を
有する化合物が挙げられる。これら化合物は、単独もし
くは2種以上用いられる。
【0060】結着樹脂の合成方法としては、例えば、塊
状重合法,溶液重合法,懸濁重合法及び乳化重合法が挙
げられる。
【0061】塊状重合法では、高温で重合させて停止反
応速度を早めることで、低分子量の重合体を得ることも
できるが、反応をコントロールしにくいという問題点が
ある。溶液重合法では溶媒によるラジカルの連鎖移動の
差を利用して、また重合開始剤量や反応温度を調節する
ことで低分子量重合体を温和な条件で容易に得ることが
でき、本発明で用いる結着樹脂の低分子量重合体を得る
のに好ましい。
【0062】溶液重合で用いる溶媒としては、キシレ
ン、トルエン、クメン、酢酸セロソルブ、イソプロピル
アルコール、ベンゼンが挙げられる。スチレンモノマー
又はスチレンモノマーと他のモノマーとの混合物の場合
はキシレン、トルエン又はクメンが好ましい。
【0063】反応温度としては、使用する溶媒、重合開
始剤、重合するモノマーによって異なるが、通常70℃
〜230℃で行うのが良い。溶液重合においては溶媒1
00重量部に対してモノマー30重量部〜400重量部
で行うのが好ましい。
【0064】更に、重合終了時に溶液中で他の重合体を
混合することも好ましく、数種の重合体を均一に混合で
きる。
【0065】高分子量成分やゲル成分を得る重合法とし
ては、乳化重合法や懸濁重合法が好ましい。
【0066】このうち、乳化重合法は、水にほとんど不
溶のモノマーを乳化剤で小さい粒子として水相中に分散
させ、水溶性の重合開始剤を用いて重合を行う方法であ
る。この方法では反応熱の調節が容易であり、重合の行
われる相(重合体と単量体からなる油相)と水相とが別
であるから停止反応速度が小さく、その結果重合速度が
大きく、高重合度のものが得られる。さらに、重合プロ
セスが比較的簡単であること、及び重合生成物が微細粒
子であるために、トナーの製造において、着色剤及び荷
電制御剤及びその他の添加物との混合が容易である。
【0067】しかし、使用した乳化剤のため生成重合体
が不純物を含有し易く、重合体を水相から分離するには
塩析の如き操作が必要であるので、懸濁重合法がより簡
便な方法である。
【0068】懸濁重合法においては、水系溶媒100重
量部に対して、モノマー100重量部以下(好ましくは
10〜90重量部)で行うのが良い。使用可能な分散剤
としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコー
ル部分ケン化物、リン酸カルシウム等が用いられる。水
系溶媒に対する分散剤は、一般に水系溶媒100重量部
に対して0.05〜1重量部で用いられる。重合温度は
50〜95℃が適当であるが、使用する重合開始剤、目
的とするポリマーによって適宜選択される。重合開始剤
としては、水に不溶或は難溶のものであれば用いること
が可能である。
【0069】重合開始剤としては、t−ブチルパーオキ
シ−2−エチルヘキサノエート、クミンパーピバレー
ト、t−ブチルパーオキシラウレート、ベンゾイルパー
オキサイド、ラウロイルパーオキサイド、オクタノイル
パーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−
ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイ
ド、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′
−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2′−
アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,
2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレ
ロニトリル)、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)
3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス
(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,4−ビ
ス(t−ブチルパーオキシカルボニル)シクロヘキサ
ン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、
n−ブチル4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バリ
レート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタ
ン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシ−イソプロピ
ル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブ
チルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5
−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメ
チル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、
ジ−t−ブチルジパーオキシイソフタレート、2,2−
ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシ
ル)プロパン、ジ−t−ブチルパーオキシα−メチルサ
クシネート、ジ−t−ブチルパーオキシジメチルグルタ
レート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフ
タレート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼラート、2,
5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘ
キサン、ジエチレングリコール−ビス(t−ブチルパー
オキシカーボネート)、ジ−t−ブチルパーオキシトリ
メチルアジペート、トリス(t−ブチルパーオキシ)ト
リアジン、ビニルトリス(t−ブチルパーオキシ)シラ
ン等が挙げられる。これらが単独あるいは併用して使用
される。
【0070】その使用量はモノマー100重量部に対
し、0.05重量部以上(好ましくは0.1〜15重量
部)の濃度で用いられる。
【0071】次に、ポリエステル樹脂の組成について説
明する。
【0072】2価のアルコール成分としては、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジ
オール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオ
ール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−
ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、また下記
式(A)で表わされるビスフェノール及びその誘導体;
【0073】
【外1】 (式中、Rはエチレンまたはプロピレン基であり、x及
びyはそれぞれ0以上の整数であり、かつ、x+yの平
均値は0〜10である)。
【0074】下記式(B)で示されるジオール類;
【0075】
【外2】 (式中、R′は−CH2 CH2 −又は
【0076】
【外3】 であり、x′及びy′は0より大きい整数であり、か
つ、x′+y′の平均値は1〜10である。)が挙げら
れる。
【0077】2価の酸成分としては、フタル酸、テレフ
タル酸、イソフタル酸、無水フタル酸の如きベンゼンジ
カルボン酸類又はその無水物;低級アルキルエステル;
こはく酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸の如
きジカルボン酸類又はその無水物又はその低級アルキル
エステル;n−ドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハ
ク酸の如きアルケニルコハク酸類もしくはアルキルコハ
ク酸、又はその無水物又はその低級アルキルエステル;
フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸の如
き不飽和ジカルボン酸類又はその無水物又はその低級ア
ルキルエステルが挙げられる。
【0078】架橋成分としても働く3価以上のアルコー
ル成分又は3価以上の酸成分を併用することも好まし
い。
【0079】3価以上の多価アルコール成分としては、
ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、
1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタ
エリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,
4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオー
ル、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2
−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロ
ールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−ト
リヒドロキシベンゼンが挙げられる。
【0080】本発明における3価以上の多価カルボン酸
成分としては、例えばトリメリット酸、ピロメリット
酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5
−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレント
リカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン
酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−
ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2
−メチル−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチ
レンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタン
テトラカルボン酸、三量体酸、これらの無水物、これら
の低級アルキルエステル;
【0081】次式
【0082】
【外4】 (式中、Xは炭素数3以上の側鎖を1個以上有する炭素
数5〜30のアルキレン基又はアルケニレン基)で表わ
されるテトラカルボン酸、及びその無水物又はその低級
アルキルエステルの多価カルボン酸及びその誘導体が挙
げられる。
【0083】アルコール成分の割合としては40〜60
mol%、好ましくは45〜55mol%、酸成分の割
合としては60〜40mol%、好ましくは55〜45
mol%であることが好ましい。
【0084】3価以上の多価の成分は、全成分中の1〜
60mol%であることが好ましい。
【0085】現像性,定着性,耐久性,クリーニング性
の点から、トナーの結着樹脂は、スチレン−不飽和カル
ボン酸誘導体共重合体、ポリエステル樹脂、及びこれら
のブロック共重合体、グラフト化物、又はスチレン系共
重合体とポリエステル樹脂の混合物が好ましい。
【0086】本発明に使用される結着樹脂としてはゲル
パーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により
測定される分子量分布で分子量105 以上の領域にピー
クを有することが好ましく、更に分子量3×103 〜5
×104 の低分子量領域にもピークを有することが定着
性、耐久性の点で好ましい。
【0087】正帯電性トナーの場合には、結着樹脂とし
て、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−メタクリ
ル−アクリル共重合体、スチレン−メタクリル共重合
体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリエステル樹脂
及び、これらのブロック共重合体、グラフト化物、ブレ
ンド樹脂が好ましい。負帯電性トナーの場合には、結着
樹脂として、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−
メタクリル−アクリル共重合体、スチレン−メタクリル
共重合体及びこれらのもとマレイン酸モノエステルとの
共重合体、ポリエステル樹脂、及び、これらのブロック
共重合体、グラフト化物、ブレンド樹脂が、現像性の点
で好ましい。
【0088】加熱定着用トナーの場合に、結着樹脂とし
てスチレン系共重合体を使用する時には、ワックスの効
果を十分に発揮させるとともに可塑効果による弊害であ
る耐ブロッキング性及び現像性の低下を防ぐために、以
下のようなトナー構成が好ましい。
【0089】トナーのGPCによる分子量分布におい
て、分子量3×103 〜5×104 の領域、好ましくは
分子量3×103 〜3×104 の領域、特に好ましくは
分子量5×103 〜2×104 の低分子量領域に少なく
ともひとつのピークが存在することで、良好な定着性,
現像性,耐ブロッキング性を得ることができる。分子量
105 以上の領域、好ましくは分子量3×105 〜5×
106 の高分子量領域に少なくともひとつのピークが存
在し、分子量3×105 〜2×106 の領域に分子量1
5 以上の高分子量での最大ピークがあることが特に好
ましく、良好な耐高温オフセット性,耐ブロッキング
性,現像性が得られる。このピーク分子量は、大きいほ
ど高温オフセットに対しては強くなるが、分子量5×1
6 を越える領域ピークが存在する場合には、大きい圧
力のかけることのできる熱ロールでは問題ないが、大き
い圧力のかけられない時には、トナーの弾性が大きくな
り定着性に影響を及ぼすようになる。従って、中低速機
で用いられる比較的圧力の低い加熱定着においては、分
子量3×105 〜2×106 領域にピークが存在し、こ
のピークが分子量105 以上の高分子量領域での最大ピ
ークであることが好ましい。
【0090】分子量105 以下の低分子量領域の成分を
50%以上、好ましくは60〜90%、特に好ましくは
65〜85%とするのが良い。この範囲内にあること
で、良好な定着性を示す。50%未満では、定着性が低
下しトナー製造時の粉砕性も劣るようになる。また90
%を超えるような場合には、ワックス添加による可塑効
果の弊害に対して弱くなる傾向にある。
【0091】ポリエステル樹脂の使用時には、トナーの
GPCによる分子量分布において分子量3×103
1.5×104 の領域、好ましくは分子量4×103
1.2×104 の領域、特に好ましくは分子量5×10
3 〜1×104 の領域にメインピークが存在することが
好ましい。更に、分子量1.5×104 以上の領域に少
なくとも1つのピークまたショルダーが存在するかある
いは分子量5×104 以上の領域が5%以上であること
が好ましい。またポリエステル樹脂の重量平均分子量
(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)
が10以上であることも好ましい。
【0092】メインピークが分子量3×103 未満であ
る場合にはワックス添加による可塑効果の弊害を受け易
く、耐ブロッキング性,現像性が低下しやすくなる。メ
インピークが分子量1.5×104 を超える場合には、
定着性が低下する。分子量1.5×104 以上の領域に
ピーク又はショルダーが存在する場合や分子量5×10
4 以上の領域が5%以上である場合やMw/Mnが10
以上である場合にはワックス添加による可塑効果の弊害
を抑制することが可能となる。
【0093】本発明において、トナーのGPCによるク
ロマトグラムの分子量分布は次の条件で測定される。
【0094】40℃のヒートチャンバ中でカラムを安定
化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてテトラ
ハイドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で流し、
試料のTHF溶液を約100μl注入して測定する。試
料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布
を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成され
た検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。
検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、たとえ
ば、東ソー社製あるいは、昭和電工社製の分子量が10
2 〜107 程度のものを用い、少なくとも10点程度の
標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。検出器
にはRI(屈折率)検出器を用いる。カラムとしては、
市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせる
のが良い。たとえば昭和電工社製のshodex GP
C KF−801,802,803,804,805,
806,807,800Pの組み合わせや、東ソー社製
のTSKgelG1000H(HXL),G2000H
(HXL),G3000H(HXL),G4000H
(HXL),G5000H(HXL),G6000H
(HXL),G7000H(HXL),TSKguardc
olumnの組み合わせを挙げることができる。
【0095】試料は以下のようにして作製する。
【0096】試料をTHFに入れ、数時間放置した後、
十分振とうしTHFと良く混ぜ(試料の合一体がなくな
るまで)、更に12時間以上静置する。このときTHF
中への試料の放置時間が24時間以上となるようにす
る。その後、サンプル処理フィルター(ポアサイズ0.
45〜0.5μm、例えば、マイショリディスクH−2
5−5 東ソー社製、エキクロディスク25CR ゲル
マン サイエンス ジャパン社製などが利用できる)を
通過させたものを、GPCの測定試料とする。試料濃度
は、樹脂成分が0.5〜5mg/mlとなるように調整
する。
【0097】本発明のトナー中には上記結着樹脂の他
に、該結着樹脂の含有量より少ない割合で以下の物質を
含有させてもよい。例えばシリコーン樹脂、ポリウレタ
ン、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラー
ル、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹
脂、2種以上のα−オレフィンの共重合体が挙げられ
る。
【0098】本発明のトナーは荷電制御剤を含有するこ
とが好ましい。
【0099】トナーを正荷電性に制御するものとして下
記の化合物がある。
【0100】ニグロシン及び脂肪酸金属塩等によるニグ
ロシン変成物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−
ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチル
アンモニウムテトラフルオロボレートなどの四級アンモ
ニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩の
如きオニウム塩及びこれらのレーキ顔料;トリフェニル
メタン染料及びこれらのレーキ顔料、(レーキ化剤とし
ては、りんタングステン酸、りんモリブデン酸、りんタ
ングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没
食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物など);
高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオク
チルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド
の如きジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレー
ト、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボ
レートの如きジオルガノスズボレート類;グアニジン化
合物;イミダゾール化合物が挙げられる。これらを単独
で或いは2種類以上組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、トリフェニルメタン化合物、カウンタ
ーイオンがハロゲンでない四級アンモニウム塩が好まし
く用いられる。下記式(1)
【0101】
【外5】 〔式中R1 はH又はCH3 を示し、R2 及びR3 は置換
または未置換のアルキル基(好ましくは、C1 〜C4
を示す〕で表されるモノマーの単重合体:前述したスチ
レン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルの如
き重合性モノマーとの共重合体を正荷電性制御剤として
用いることができる。この場合、この単重合体及び共重
合体は荷電制御剤としての機能と、結着樹脂(の全部ま
たは一部)としての機能を有する。
【0102】特に下記式(2)で表される化合物が本発
明のトナー正荷電性制御剤として好ましい。
【0103】
【外6】 〔式中、R1 ,R2 ,R3 ,R4 ,R5 及びR6 は、各
々互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、置換
もしくは未置換のアルキル基または、置換もしくは未置
換のアリール基を表す。R7 ,R8 及びR9 は、各々互
いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン
原子、アルキル基、アルコキシ基を表す。
【0104】
【外7】 は、硫酸イオン、硝酸イオン、ほう酸イオン、りん酸イ
オン、水酸イオン、有機硫酸イオン、有機スルホン酸イ
オン、有機りん酸イオン、カルボン酸イオン、有機ほう
酸イオン、テトラフルオロボレートの如き陰イオンを示
す。〕
【0105】トナーを負荷電性に制御するものとして下
記化合物が挙げられる。
【0106】有機金属錯体、キレート化合物が有効であ
り、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、芳
香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸の
金属錯体が挙げられる。他には、芳香族ハイドロキシカ
ルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属
塩、無水物、エステル類、ビスフェノールのフェノール
誘導体類が挙げられる。
【0107】中でも、下記式(3)で表されるアゾ系金
属錯体が好ましい。
【0108】
【外8】 〔式中、Mは配位中心金属を表し、Sc,Ti,V,C
r,Co,Ni,Mn又はFeである。Arはアリール
基であり、フェニル基、ナフチル基の如きアリール基で
あり、置換基を有してもよい。この場合の置換基として
は、ニトロ基、ハロゲン基、カルボキシル基、アニリド
基及び炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18の
アルコキシ基がある。X,X′,Y及びY′は−O−,
−CO−,−NH−,−NR−(Rは炭素数1〜4のア
ルキル基)である。
【0109】
【外9】 は水素、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、脂肪族
アンモニウム或いはそれらの混合イオンを示す。〕
【0110】特にMはFe又はCrが好ましく、置換基
としてはハロゲン、アルキル基又はアニリド基が好まし
く、カウンターイオン
【0111】
【外10】 としては水素、アルカリ金属、アンモニウム又は脂肪族
アンモニウムが好ましい。カウンターイオンの異なる錯
塩の混合物も好ましく用いられる。
【0112】下記式(4)に示した塩基性有機金属錯体
も負帯電性を与える荷電制御剤として好ましい。
【0113】
【外11】
【0114】特にMとしてはFe,Cr,Si,Zn又
はAlが好ましく、置換基としてはアルキル基、アニリ
ド基、アリール基又はハロゲンが好ましく、カウンター
イオンは水素、アンモニウム又は脂肪族アンモニウムが
好ましい。
【0115】電荷制御剤をトナーに含有させる方法とし
ては、トナー粒子内部に添加する方法と外添する方法が
ある。これらの電荷制御剤の使用量としては、結着樹脂
の種類、他の添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製
造方法によって決定されるもので、一義的に限定される
ものではないが、好ましくは結着樹脂100重量部に対
して0.1〜10重量部、より好ましくは0.1〜5重
量部の範囲で用いられる。
【0116】本発明のトナーにおいては、帯電安定性,
現像性,流動性,耐久性向上の為、シリカ微粉末をトナ
ー粒子に外添することが好ましい。
【0117】本発明に用いられるシリカ微粉末は、BE
T法で測定した窒素吸着による比表面積が20m2 /g
以上(特に30〜400m2 /g)の範囲内のものが良
好な結果を与える。トナー粒子100重量部に対してシ
リカ微粉体0.01〜8重量部、好ましくは0.1〜5
重量部使用するのが良い。
【0118】該シリカ微粉末は、必要に応じ、疎水化及
び帯電性コントロールの目的で、シリコーンワニス、各
種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性
シリコーンオイル、シランカップリング剤、官能基を有
するシランカップリング剤、その他の有機ケイ素化合物
の如き処理剤で処理することが好ましい。これらの処理
剤は混合して使用しても良い。
【0119】トナーの現像性及び耐久性を向上させるた
めに次の無機粉体を添加することも好ましい。マグネシ
ウム、亜鉛、アルミニウム、セリウム、コバルト、鉄、
ジルコニウム、クロム、マンガン、ストロンチウム、
錫、アンチモンの如き金属の酸化物;チタン酸カルシウ
ム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ストロンチウムの
如き複合金属酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、炭酸アルミニウムの如き金属塩;カオリンの如き粘
土鉱物;アパタイトの如きリン酸化合物;炭化ケイ素、
窒化ケイ素の如きケイ素化合物;カーボンブラックやグ
ラファイトの如き炭素粉末が挙げられる。なかでも、酸
化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化コバルト、二酸化マン
ガン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグルシウム
の微粉体が好ましい。
【0120】更に次のような滑剤粉末をトナーに添加し
ても良い。テフロン、ポリフッ化ビニリデンの如きフッ
素樹脂;フッ化カーボンの如きフッ素化合物;ステアリ
ン酸亜鉛の如き脂肪酸金属塩;脂肪酸、脂肪酸エステル
の如き脂肪酸誘導体;硫化モリブデンが挙げられる。
【0121】本発明のトナーは、キャリアと併用して二
成分現像剤として用いることができる。二成分現像方法
に用いる場合のキャリアとしては、従来知られているも
のが使用可能である。具体的には、表面酸化または未酸
化の鉄、ニッケル、コバルト、マンガン、クロム、希土
類の如き金属及びそれらの合金または酸化物で形成され
る平均粒径20〜300μmの粒子がキヤリア粒子とし
て使用される。
【0122】キャリア粒子の表面は、スチレン系樹脂、
アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ポ
リエステル樹脂の如き物質を付着または被覆されている
ものが好ましい。
【0123】本発明のトナーは磁性材料をトナー粒子中
ら含有させ磁性トナーとしても使用しうる。この場合、
磁性材料は着色剤の役割をかねることもできる。磁性ト
ナーに使用される磁性材料としては、マグネタイト、ヘ
マタイト、フェライトの如き酸化鉄;鉄、コバルト、ニ
ッケルのような金属或いはこれらの金属とアルミニウ
ム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、ア
ンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシ
ウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナ
ジウムのような金属との合金及びその混合物が挙げられ
る。
【0124】これらの磁性材料は平均粒子径が2μm以
下、好ましくは0.1〜0.5μm程度のものが好まし
い。トナー中に含有させる量としては結着樹脂100重
量部に対し20〜200重量部、特に好ましくは結着樹
脂100重量部に対し40〜150重量部が良い。
【0125】本発明のトナーに使用し得る着色剤として
は、任意の適当な顔料又は染料が挙げられる。顔料とし
てカーボンブラック、アニリンブラック、アセチレンブ
ラック、ナフトールイエロー、ハンザイエロー、ローダ
ミンレーキ、アリザリンレーキ、ベンガラ、フタロシア
ニンブルー、インダンスレンブルー等が挙げられる。こ
れらは定着画像の光学濃度を維持するのに必要充分な量
が用いられ、結着樹脂100重量部に対し0.1〜20
重量部、好ましくは0.2〜10重量部の添加量が良
い。染料としては、アゾ系染料、アントラキノン染料、
キサンテン系染料、メチン系染料等が挙げられる。染料
は結着樹脂100重量部に対し、0.1〜20重量部、
好ましくは0.3〜10重量部の添加量が良い。
【0126】本発明の静電荷像現像用トナーを作製する
には結着樹脂、着色剤又は磁性材料、ワックス、更に必
要により、荷電制御剤、その他の添加剤を、ヘンシェル
ミキサー、ボールミルの如き混合機により充分混合して
から加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーの如き熱
混練機を用いて溶融混練して結着樹脂及びワックスを互
いに相溶せしめた中に着色剤又は磁性体を分散せしめ、
冷却固化後粉砕及び分級を行ってトナーを生成すること
ができる。
【0127】更に必要に応じ所望の外添剤をヘンシェル
ミキサーの如き混合機により充分混合し、本発明の静電
荷像現像用トナーを得ることもできる。
【0128】トナーの粒度分布については、種々の方法
によって測定できるが、本発明においてコールターカウ
ンターのマルチサイザーを用いて行った。
【0129】測定装置としてはコールターカウンターの
マルチサイザーII型(コールター社製)を用い、個数
分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科機
製)及びCX−1パーソナルコンピューター(キヤノン
製)を接続し、電解液は特級または1級塩化ナトリウム
を用いて1%NaCl水溶液を調製する。測定法として
は前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として
界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸
塩)を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20m
g加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1
〜3分間分散処理を行い、前記コールターカウンターの
マルチサイザーII型により、アパーチャーとして、1
00μmアパーチャーを用いて測定した。トナー粒子の
体積径及び個数を測定して、体積分布と、個数分布とを
算出した。それから体積分布から求めた重量基準のトナ
ーの重量平均径を体積分布から求めた。
【0130】以下具体的実施例によって、本発明を説明
する。
【0131】最初に、本発明に用いられるワックスにつ
いて述べる。
【0132】チーグラー触媒を用いて、エチレンを低圧
重合し、比較的低分子量のワックスHを得、分別結晶化
により分子量分布をある程度シャープにし、更に真空蒸
留法により分子量分布をシャープにしたたワックスA及
びワックスBを得た。アーゲ法により合成された炭化水
素を分別結晶化により分子量分布をある程度シャープに
したワックスGと、ワックスGよりは高分子量のワック
スIを得、更に真空蒸留法によりワックスIの分子量分
布をシャープにしたワックスC,ワックスD,ワックス
E,ワックスFを得た。
【0133】パラフィンワックス135°(日本石油社
製)を用いて、分別結晶化により分子量分布をある程度
シャープにし、更に真空蒸留法により分子量分布をシャ
ープにしたワックスJを得た。ポリプロピレンワックス
(ビスコール550P,三洋化成社製)を用いて、同様
に分別結晶化、真空蒸留法により分子量分布をシャープ
にしたワックスKを得た。これらの物性を表1に記す。
【0134】次に、本発明に用いられる結着樹脂につい
て述べる。
【0135】樹脂合成例1 窒素ガス導入管,コンデンサー,攪拌機,温度計を具備
した4つ口のフラスコにキシレン200重量部を仕込
み、窒素ガス気流下で攪拌昇温し140℃に保ち、スチ
レン84重量部、n−ブチルアクリレート16重量部、
重合開始剤としてジ−t−ブチルパーオキサイド(DT
BP)2重量部の混合物を、連続滴下装置を用いて4時
間かけて滴下し重合を行った後、脱溶剤しスチレン共重
合体Aを得た。該スチレン共重合体Aの分子量分布をG
PCで測定したところ、分子量1.2万に極大値を有
し、Mw/Mnが2.3であった。
【0136】樹脂合成例2 樹脂合成例1の重合装置にポリビニルアルコールの0.
1重量%水溶液300重量部に、スチレン80重量部、
n−ブチルアクリレート20重量部、重合開始剤として
2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシク
ロヘキシル)プロパン0.2重量部の混合物を仕込み重
合温度90℃にて24時間で重合を行った。その後、冷
却、水洗い、乾燥し、スチレン共重合体Bを得た。該ス
チレン共重合体Bの分子量分布をGPCで測定したとこ
ろ、分子量72万に極大値を有し、Mw/Mnが3.6
であった。
【0137】スチレン共重合体Aとスチレン共重合体B
を75:25の重量比でキシレン溶液中で混合して、ス
チレン−アクリル酸エステル共重合体の結着樹脂−1を
得た。
【0138】実施例1 ・結着樹脂−1 100重量部 ・四三酸化鉄(平均粒径約0.2μm) 80重量部 ・正荷電性制御剤(トリフェニルメタン染料) 2重量部 ・ワックスA 2重量部 ・ワックスC 2重量部
【0139】上記材料を予備混合した後、110℃に設
定した二軸混練押出機にて混練した。得られた混練物を
冷却し、カッターミルで粗粉砕した後、ジェット気流を
用いた微粉砕機を用いて微粉砕し、得られた微粉砕粉を
コアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し
て、重量平均粒径8.0μmの正荷電性磁性トナーN
o.1を得た。このトナー100重量部と、正帯電性疎
水性コロイダルシリカ微粉末0.6重量部とを混合(外
添)してトナー粒子表面にコロイダルシリカ微粉末を有
する正荷電性磁性トナーを調製した。ワックスA及びワ
ックスCを1:1で混合した時の物性を表2に記す。こ
のトナーの定着性試験、耐オフセット性試験、耐ブロッ
キング性試験及び現像性試験を行った。
【0140】その結果、良好な低温での定着性及び低、
高温での良好な耐オフセット性が得られた。耐ブロッキ
ング性においても問題はなかった。画像濃度も高く静電
オフセットも発生せず、感光ドラム表面上のトナー融着
も見られなかった。その結果を表3に記す。
【0141】トナーの評価の試験方法は次の通りであ
る。
【0142】定着性及び耐オフセット性試験 OPC感光ドラムを有する電子写真複写機NP4835
(キヤノン株式会社製)の定着器(PFA樹脂で形成さ
れた表面層を有する加熱ローラを具備)を取り外した改
造機に、上記トナーを投入し、未定着画像を得た。一
方、複写機NP4835から取り外した定着器を改造し
て温度可変の熱ローラー外部定着器とし、これを用い
て、未定着画像の定着性試験及び耐オフセット性試験を
行った。
【0143】外部定着器のニップを4.0mm、プロセ
ススピードを150mm/sに設定し、100℃〜24
0℃の温度範囲で5℃おきに温調して、各々の温度で未
定着画像の定着を行い、得られた定着画像を50g/c
2 の加重をかけたシルボン紙で摺擦し、摺擦前後の画
像濃度低下率が10%以下となる定着温度を定着開始温
度とした。
【0144】オフセットは、目視でオフセットのでなく
なる温度を低温オフセットフリー始点とし、定着温度を
上げ、オフセットのでない最高温度を高温オフセットフ
リー終点とした。
【0145】現像性試験 約150gのトナーを用いて電子写真複写機NP483
5(キヤノン株式会社製)により5000枚の画出し試
験を実施した。5000枚画出し後の画像濃度及びOP
C感光ドラム上のトナー融着を評価した。画出し中の磁
石を内包している現像スリーブ上のトナーコート状態及
びコピー画像から、ブロッチの評価を行った。画出し中
のコピー画像から、静電オフセットの評価を行った。
【0146】トナー融着 ◎ OPC感光ドラム上にトナー融着が全く見られな
い。 ○ OPC感光ドラム上にわずかにトナー融着が見られ
るが、画像上には現れない。 △ OPC感光ドラム上にトナー融着が見られ、画像上
にもその影響がかすかに現れる。 × OPC感光ドラム上にトナー融着がみられ、画像上
に著しくその影響が見られる。
【0147】ブロッチ ◎ 現像スリーブ上にブロッチが全く見られない。 ○ 現像スリーブ上にわずかに見られるが、画像上には
その影響は現れない。 △ 現像スリーブ上に見られ、画像上にもその影響がか
すかに現れる。 × 現像スリーブ上にブロッチが見られ、画像上に著し
くその影響が現れる。
【0148】静電オフセット ◎ 全く見られない。 ○ 画像上のごく一部にかすかに現れる。 △ 画像上で広範囲に現れる。 × 画像上に著しく現れる。
【0149】耐ブロッキング性試験 約10gのトナーを100ccポリコップに入れ、50
℃で3日放置した後、目視で評価する。 ◎ 凝集物は見られない。 ○ 凝集物は見られるが容易に崩れる。 △ 凝集物が見られるが振れば崩れる。 × 凝集物をつかむ事ができ容易に崩れない。
【0150】実施例2 ワックスAの2重量部とワックスDの2重量部を使用す
ることを除いて、実施例1と同様にしてトナーNo.2
を調製し、評価を行った。その結果を表3に、また、ワ
ックスA及びワックスDを1:1で混合した時の物性を
表2に記す。
【0151】実施例3 ワックスBの2重量部とワックスEの2重量部を使用す
ることを除いて、実施例1と同様にしてトナーNo.3
を調製し、評価を行った。その結果を表3に、また、ワ
ックスB及びワックスEを2:1で混合した時の物性を
表2に記す。
【0152】実施例4 ワックスBの4重量部とワックスDの2重量部を使用す
ることを除いて、実施例1と同様にしてトナーNo.4
を調製し、評価を行った。その結果を表3に、また、ワ
ックスB及びワックスDを2:1で混合した時の物性を
表2に記す。
【0153】実施例5 ワックスAの2重量部とワックスFの2重量部を使用す
ることを除いて、実施例1と同様にしてトナーNo.5
を調製し、評価を行った。その結果を表3に、また、ワ
ックスA及びワックスFを1:1で混合した時の物性を
表2に記す。
【0154】実施例6 ワックスBの4重量部とワックスFの2重量部を使用す
ることを除いて、実施例1と同様にしてトナーNo.6
を調製し、評価を行った。その結果を表3に、また、ワ
ックスB及びワックスFを2:1で混合した時の物性を
表2に記す。
【0155】実施例7 実施例6において、ワックスBの4重量部とワックスF
の2重量部を予め攪拌しながら溶融混練し、冷却固化後
粉砕したワックスを使用することを除いて、実施例6と
同様にしてトナーNo.7を調製し、評価を行った。そ
の結果を表3に記す。
【0156】実施例8 100重量部の結着樹脂−1をキシレン溶剤中に溶解
し、樹脂溶解液の温度を上げ、攪拌しながらワックスB
の4重量部とワックスFの2重量部を添加混合し、脱溶
媒し乾燥させたワックスを含有した結着樹脂を使用する
ことを除いて、実施例6と同様にしてトナーNo.8を
調製し、評価を行った。その結果を表3に記す。
【0157】実施例9 ワックスJの2重量部とワックスKの2重量部を使用す
ることを除いて、実施例1と同様にしてトナーNo.9
を調製し、評価を行った。その結果を表3に、また、ワ
ックスJ及びワックスKを1:1で混合した時の物性を
表2に記す。
【0158】比較例1 ワックスGの4重量部とワックスFの2重量部を使用す
ることを除いて、実施例1と同様にしてトナーNo.1
0を調製し、評価を行った。実施例1のトナーと比較し
て低温定着性,耐オフセット性に劣っていた。OPC感
光ドラム上へのトナー融着も発生した。結果を表3に、
また、ワックスG及びワックスFを2:1で混合した時
の物性を表2に記す。
【0159】比較例2 ワックスHの8重量部とワックスFの2重量部を使用す
ることを除いて、実施例1と同様にしてトナーNo.1
1を調製し、評価を行った。実施例1のトナーと比較し
て低温定着性,耐静電オフセット性に劣っていた。ま
た、画像濃度も低かった。結果を表3に、また、ワック
スH及びワックスFを4:1で混合した時の物性を表2
に記す。
【0160】比較例3 ワックスBの4重量部とワックスIの2重量部を使用す
ることを除いて、実施例1と同様にしてトナーNo.1
2を調製し、評価を行った。実施例1のトナーと比較し
て耐高温オフセット性,耐静電オフセット性に劣ってい
た。また、現像スリーブ上にブロッチが発生した。結果
を表3に、また、ワックスB及びワックスIを2:1で
混合した時の物性を表2に記す。
【0161】比較例4 ワックスHの8重量部とワックスIの2重量部を使用す
ることを除いて、実施例1と同様にしてトナーNo.1
3を調製し、評価を行った。実施例1のトナーと比較し
て低温定着性,耐オフセット性,耐静電オフセットせい
に劣っていた。また、OPC感光ドラム上へのトナー融
着及び現像スリーブ上にブロッチが発生した。また、画
像濃度も低かった。結果を表3に、また、ワックスH及
びワックスIを4:1で混合した時の物性を表2に記
す。
【0162】比較例5 パラフィンワックス135°(日本石油社製)3重量部
と、低分子量ポリプロピレンワックス(ビスコール55
0P,三洋化成社製)10重量部を使用することを除い
て、実施例1と同様にしてトナーNo.14を調製し評
価を行った。実施例1のトナーと比較して耐ブロッキン
グ性に劣っていた。また、画像濃度も低かった。結果を
表3に、また、パラフィンワックスと低分子量ポリプロ
ピレンワックスを3:10で混合した時の物性を表2に
記す。
【0163】比較例6 ワックスFの2重量部のみを用いることを除いて、実施
例1と同様にしてトナーNo.15を調製し、評価を行
った。実施例1のトナーと比較して、低温定着性に劣っ
ていた。結果を表3に記す。
【0164】比較例7 ワックスBの2重量部のみを用いることを除いて、実施
例1と同様にしてトナーNo.16を調製し、評価を行
った。実施例1のトナーと比較して、耐高温オフセット
性に劣っていた。結果を表3に記す。
【0165】比較例8 ワックスを使用しないことを除いて、実施例1と同様に
してトナーNo.17を調製し、評価を行った。実施例
1のトナーと比較して、低温定着性,耐高温オフセット
性に劣っていた。結果を表3に記す。
【0166】
【表1】
【0167】
【表2】
【0168】
【表3】
【0169】
【発明の効果】本発明は、前述したようなワックスを用
いることにより、低温定着性及び耐オフセット性に優れ
た定着温度範囲の広いトナーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】DSC吸熱曲線における半値幅の測定の仕方を
示す図である。
【図2】DSC吸熱曲線における半値幅の測定の仕方を
示す図である。
【図3】DSC吸熱曲線における半値幅の測定の仕方を
示す図である。
【図4】本発明のトナー1(実施例1)におけるワック
スAとワックスCを1:1で混合したときの昇温時のD
SC曲線の吸熱ピークの説明図である。
【図5】本発明のトナー1(実施例1)におけるワック
スAとワックスCを1:1で混合したときの昇温時のD
SC曲線の吸熱ピークの説明図である。
【図6】トナー10(比較例1)におけるワックスGと
ワックスFを2:1で混合したときの昇温時のDSC曲
線の吸熱ピークの説明図である。
【図7】トナー10(比較例1)におけるワックスGと
ワックスFを2:1で混合したときの昇温時のDSC曲
線の吸熱ピークの説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松永 聡 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも結着樹脂,着色剤又は磁性材
    料及びワックス成分を含有する静電荷像現像用トナーに
    おいて、該ワックスの示差走査熱量計により測定される
    DSC曲線の昇温時の吸熱ピークに少なくとも2つのピ
    ークを持ち、これらの吸熱ピークの中で最大のピーク
    と、該最大ピークから15℃以上離れている、該最大ピ
    ークに次いで2番目に大きなピークに関し、低温側の吸
    熱ピークP1 の半値幅が20℃以内であり、高温側の吸
    熱ピークP2 の半値幅が20℃以内であり、P1 の半値
    幅の終点温度とP2 の半値幅の始点温度の差が5℃以上
    であり、吸熱ピークの最低オンセット温度が50℃以上
    であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. 【請求項2】 吸熱ピークP1 の半値幅が10℃以内で
    あり、吸熱ピークP2 の半値幅が15℃以内である請求
    項1に記載のトナー。
  3. 【請求項3】 吸熱ピークP1 の半値幅終点温度と吸熱
    ピークP2 の半値幅始点温度との差が15℃以上である
    請求項1又は2に記載のトナー。
  4. 【請求項4】 ワックス成分は、結着樹脂100重量部
    当り0.2〜20重量部含有されている請求項1乃至3
    のいずれかに記載のトナー。
  5. 【請求項5】 ワックス成分は結着樹脂100重量部当
    り0.5〜10重量部含有されている請求項4に記載の
    トナー。
  6. 【請求項6】 結着樹脂は、スチレン共重合体である請
    求項1乃至5のいずれかに記載のトナー。
  7. 【請求項7】 結着樹脂は、GPCによる分子量分布に
    おいて、分子量3×103 〜5×104 の領域にピーク
    を有し、分子量105 以上の領域にピークを有する請求
    項6に記載のトナー。
  8. 【請求項8】 結着樹脂は、ポリエステル樹脂である請
    求項1乃至5のいずれかに記載のトナー。
  9. 【請求項9】 結着樹脂は、GPCによる分子量分布に
    おいて、分子量3×103 〜1.5×104 の領域にメ
    インピークを有する請求項8に記載のトナー。
  10. 【請求項10】 ワックス成分はDSC曲線において最
    大吸熱ピークの異なる2種以上のワックスからなる請求
    項1乃至9のいずれかに記載のトナー。
  11. 【請求項11】 ワックス成分は、温度60〜100℃
    の温度領域に吸熱ピークの半値幅終点温度を有するワッ
    クス0.1〜15重量部と温度90〜140℃の温度領
    域に吸熱ピークの半値幅始点温度を有するワックス0.
    1〜12重量部とからなる請求項10に記載のトナー。
  12. 【請求項12】 吸熱ピークP1 は温度55乃至90℃
    にあり、吸熱ピークP2 は温度90℃を越え乃至150
    ℃にある請求項1乃至11のいずれかに記載のトナー。
  13. 【請求項13】 吸熱ピークP1 は温度60乃至85℃
    にあり、吸熱ピークP2 は温度95乃至130℃にある
    請求項12に記載のトナー。
  14. 【請求項14】 ワックス成分は、DSC曲線におい
    て、最大吸熱ピークとして吸熱ピークP1 を有し、2番
    目に大きい吸熱ピークとして吸熱ピークP2 を有する請
    求項1乃至13のいずれかに記載のトナー。
  15. 【請求項15】 ワックス成分は、低融点ワックス及び
    高融点ワックスを有する請求項1乃至14のいずれかに
    記載のトナー。
  16. 【請求項16】 低融点ワックスは、温度55乃至90
    ℃に最大吸熱ピークを有し且つその半値幅が20℃以内
    であり、高融点ワックスは温度90℃を越え乃至150
    ℃に最大吸熱ピークを有し且つその半値幅が20℃以内
    である請求項1乃至15のいずれかに記載のトナー。
  17. 【請求項17】 低融点ワックスは、温度60乃至85
    ℃の最大吸熱ピークを有し且つその半値幅が10℃以内
    であり、高融点ワックスは温度95乃至130℃に最大
    吸熱ピークを有し且つその半値幅が15℃以内である請
    求項16に記載のトナー。
  18. 【請求項18】 低融点ワックスの最大吸熱ピーク温度
    と高融点ワックスの最大吸熱ピーク温度との差が15〜
    95℃である請求項1乃至17のいずれかに記載のトナ
    ー。
  19. 【請求項19】 低融点ワックスの最大吸熱ピーク温度
    と高融点ワックスの最大吸熱ピーク温度との差が35〜
    75℃である請求項1乃至18のいずれかに記載のトナ
    ー。
  20. 【請求項20】 ワックス成分は、真空蒸留法によって
    分子量分布をシャープにしたワックスを含有している請
    求項1乃至19のいずれかに記載のトナー。
  21. 【請求項21】 ワックス成分は、分別結晶法によって
    分子量分布をシャープにしたワックスを含有している請
    求項1乃至20のいずれかに記載のトナー。
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