JPH083344Y2 - 幕板取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、洗面キャビネットの前面上端部に配され
る化粧板としての幕板の取付構造に関する。

（従来の技術） 洗面キャビネットにおいては、キャビネット本体の前
面上端部であって洗面器直下の部位に、通常、幕板と賞
される横長の化粧板が配される。この幕板は、従来、洗
面器（洗面器単独のもの或いはカウンターと一体のもの
の両方を含む）を取り付ける前に、ビスによりキャビネ
ット本体に対して複数個所でねじ固定するようになって
おり、かかる幕板の固定後に洗面器をキャビネット本体
の上に載置固定していた。

（考案が解決しようとする課題） このように従来は幕板をビスにてキャビネット本体に
ねじ固定するようにしているため、その取付作業が面倒
であり、洗面キャビネットの生産性を高める上で支障と
なっていた。

またこの取付構造の場合、一旦洗面器を取り付けてし
まうと幕板のみを取り外すことができず、このためキャ
ビネットのメンテナンスのために幕板を取り外す必要を
生じたとき、洗面器をキャビネット本体から取り外さな
ければならず、メンテナンス作業が著しく面倒となって
いた。

（課題を解決するための手段） 本考案はこのような課題を解決するためになされたも
のであり、その要旨は、洗面キャビネットの前面上端部
に配される化粧板としての幕板の取付構造であって、キ
ャビネット本体に且つ該幕板の配置位置よりもキャビネ
ット本体の内部側である後方側に幕板支持用の支持バー
を横設する一方、該幕板の裏面且つ該幕板の下端よりも
所定距離上側の位置において、先端に下向き鉤状に屈曲
する曲げ片を備えた、該支持バーにより支持される支持
片を突設するとともに、該支持片の上側において、該キ
ャビネット本体の側板前端面の所定個所と該幕板裏面の
対応する個所とに、互いに前後方向に且つ洗面器の取付
状態下で脱着可能に係合する係止部と被係止部とを設
け、前記支持バーと支持片とによる支持作用及びそれら
係止部と被係止部との係合作用に基づいて該幕板を該キ
ャビネット本体に取り付けるようになしたことにある。

（作用及び考案の効果） このように、本考案は従来のビスによる固定に代えて
キャビネット本体に支持バーと係止部とを、また幕板に
支持片と被係止部とを設け、それら支持バーと支持片と
の支持作用及び係止部と被係止部との係合作用に基づい
て、幕板をキャビネット本体に取り付けるようにしたも
ので、本考案によれば、ワンタッチで幕板をキャビネッ
ト本体に取り付けることができ、幕板取付作業が簡単と
なって、洗面キャビネットの生産性を高めることができ
る。

また上記係止部と被係止部とは洗面器の取付状態下で
も係止あるいは解除できるため、メンテナンスのために
幕板の取外しが必要となった場合においても、洗面器の
脱着を行なうことなく幕板のみを脱着でき、これにより
メンテナンス作業が著しく簡単となる。

本考案においては、また、幕板の重量が支持バーと支
持片とによって支持されるため、これより上側の係止部
と被係止部とに幕板の荷重がかかるのを防止できる。従
って係止部と被係止部との係合力は弱くて足り、このた
め係止部と被係止部との係合及び解除を弱い力で簡単に
なし得、ひいては幕板の脱着性が良好である利点が得ら
れる。

加えて、本考案においては幕板の裏側且つその下端よ
りも所定距離上側の位置において支持片が設けられてい
るため、かかる支持片とキャビネット本体側の支持バー
とによる支持機構が、幕板の裏側に隠れた状態となり、
即ち幕板の支持機構が外部に露出せず、従って幕板取付
状態の外観がすっきりと、美観の良好なものとなる特長
も有する。

（実施例） 次に本考案の実施例を図面に基づいて詳しく説明す
る。

第２図において10はキャビネット本体12の上に洗面器
14を載置固定して成る洗面キャビネットである。キャビ
ネット本体12は前面に扉16を有し、更にその扉16の上側
であって洗面器14の直下部位に、横方向に長い幕板18が
配されている。第１図にこの幕板18の取付構造が示され
ている。図示のようにこの例ではキャビネット本体12の
側板の前端面上部に係止部材20が植設されている。この
係止部材20は、第３図に示しているようにキャビネット
本体12へのねじ込み部22と係止軸部24とを有しており、
更にその係止軸部24の先端部に、抜け止めのための頭部
26が設けられている。

一方幕板18には、下端部に、具体的には幕板下端より
も所定距離上側の位置に、前端に下向きの鉤状の曲げ片
を有するＬ字状の支持片28が裏面側に突出するように設
けられ、このＬ字状支持片28が、キャビネット本体12の
横方向のバー30に載せられるようになっている。尚この
バー30は、キャビネット本体12の補強と扉16のストッパ
とを兼ねた部材であって、キャビネットにもともと備え
られるものである。

幕板18の両端部は、第１図（Ａ）に示しているように
コ字形状の折曲げ部32とされており、その裏面の前記係
止部材20に対応する個所に一対の被係止穴34が設けられ
ている。この係止穴34は、第３図に示しているように、
係止部材20の頭部26の通過を許容する大径穴部36を下側
に有する一方、上側に頭部26を通過させ得ない小径穴部
38を有している。

本例の取付構造においては、幕板18のＬ字状支持片28
をキャビネット本体12のバー30の上に載せるようにし
て、裏面側の係止穴34の大径穴部36をキャビネット本体
12側の係止軸部24に嵌め合せ、しかる後幕板18を僅かに
下にスライドさせることにより取付けを行うことができ
る。この取付作業は、洗面器14の取付後においても行う
ことができ、従ってまたかかる洗面器14を取り外さない
でも簡単にかかる幕板18のみをキャビネット本体12より
取り外すことができる。このため幕板18の取付作業性が
大幅に向上して洗面キャビネット10の生産性が高まり、
更にメンテナンス作業の際に幕板18の取外しが必要とな
ったときにも、洗面器14の脱着を要さず幕板18のみの脱
着が可能であるため、メンテナンス作業も著しく簡単と
なる。

以上本考案の実施例を詳述したが、本考案においては
幕板とキャビネット本体との係止構造を他の様々な構造
と成すことが可能である。第４図及び第５図はその一例
を示したものであって、このうち第４図のものは、キャ
ビネット本体12に球形状の頭部40を有する係止部材41を
取り付ける一方、幕板18の側に、この頭部40に弾性的に
嵌まり合う被係止穴42を形成し、それらを弾性的に嵌合
させ或いは嵌合解除させるようにしたものである。この
例の取付構造の場合、幕板18を上下にスライドさせるこ
となく、前方への押込み或いは後方への引張りだけで幕
板18の着脱が可能であり、幕板18をしっかりと固定でき
る利点がある。

一方第５図のものは、キャビネット本体12に係止突起
46を設ける一方、幕板18の側に弾性爪44を設け、それら
を弾性的に係止及び解除できるようにしたものである。

この外本考案においては他の様々な係止機構を採用す
ることが可能であり、更に本考案は上記形状以外の幕板
の取付けに際して、更には上記形態以外の洗面キャビネ
ットに対して適用することも可能であるなど、その主旨
を逸脱しない範囲において、当業者の知識に基づき様々
な変更を加えた形態で構成可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例である幕板取付構造の説明図
であり、第２図は洗面キャビネットの斜視図、第３図は
第１図の取付構造の要部を拡大して示す説明図、第４図
及び第５図はそれぞれ本考案の他の実施例に係る取付構
造の要部断面図及び要部平面図である。 10:洗面キャビネット 12:キャビネット本体 14:洗面器 18:幕板 20,41:係止部材 34,42:被係止穴 44:弾性爪 46:係止突起

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】洗面キャビネットの前面上端部に配される
   化粧板としての幕板の取付構造であって、 キャビネット本体に且つ該幕板の配置位置よりもキャビ
   ネット本体の内部側である後方側に幕板支持用の支持バ
   ーを横設する一方、該幕板の裏面且つ該幕板の下端より
   も所定距離上側の位置において、先端に下向き鉤状に屈
   曲する曲げ片を備えた、該支持バーにより支持される支
   持片を突設するとともに、該支持片の上側において、該
   キャビネット本体の側板前端面の所定個所と該幕板裏面
   の対応する個所とに、互いに前後方向に且つ洗面器の取
   付状態下で脱着可能に係合する係止部と被係止部とを設
   け、前記支持バーと支持片とによる支持作用及びそれら
   係止部と被係止部との係合作用に基づいて該幕板を該キ
   ャビネット本体に取り付けるようになしたことを特徴と
   する幕板取付構造。