JPH08333252A - 皮膚疾患治療用外用剤 - Google Patents

皮膚疾患治療用外用剤

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JPH08333252A
JPH08333252A JP14459295A JP14459295A JPH08333252A JP H08333252 A JPH08333252 A JP H08333252A JP 14459295 A JP14459295 A JP 14459295A JP 14459295 A JP14459295 A JP 14459295A JP H08333252 A JPH08333252 A JP H08333252A
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JP
Japan
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skin
agent
weight
vitamin
treatment
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Withdrawn
Application number
JP14459295A
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English (en)
Inventor
Tomoko Horiguchi
智子 堀口
Tatsutake Shimizu
達丈 清水
Kiyoshi Kuriyama
澄 栗山
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】必須成分として高用量のビタミンEを含有し、
副作用が少なく、しかも副腎皮質ホルモンと同等以上の
薬効を有する、皮膚疾患の治療に有用な外用剤を提供す
る。 【構成】ビタミンEを20重量%を超え99.9重量%
以下含有し、クリーム、ゲル、軟膏、パップ、テープ、
乳液、ローション、溶液、噴霧剤又はチンキ剤の状態の
体外適用剤である皮膚疾患治療用外用剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、皮膚疾患治療用外用剤
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、皮膚疾患の治療、特にアトピ
ー性皮膚炎や接触性皮膚炎、乾癬等の難治性皮膚疾患の
治療に、副腎皮質ホルモンを含有する外用剤が広く用い
られており、その薬理効果が高いことが知られている
(月刊薬事;26,8,55,1984 )。
【0003】しかしながら副腎皮質ホルモン外用剤は、
その適用部位に対し、易感染性の亢進、皮膚の菲薄化、
血管壁の脆弱化、毛胞脂腺系の異常活性化といった副作
用を惹起する恐れがある上に、経皮吸収された薬剤が全
身性の副作用を起こす可能性があり、その使用量には細
心の注意が必要とされる。このため日本薬局方において
は、代表的な副腎皮質ホルモンであるデキサメタゾン及
びプレドニゾロンに対して、その使用濃度の上限が外用
剤中の0.1重量%程度に規制されている。
【0004】一方、副作用の少ない皮膚疾患治療用外用
剤としては、非ステロイド性抗炎症剤や抗ヒスタミン剤
等からなる外用剤があるが、上述のような難治性皮膚疾
患に対しては副腎皮質ホルモンを含むものに比べるとそ
の効果は極めて弱い(新薬と治療;35,298,41,1984 )。
【0005】これらの問題を解決するために、特開平6
−179619号公報にビタミンE及び経皮吸収促進剤
を含有する皮膚疾患治療用外用剤が開示されている。し
かしながら、十分な治療効果を得るために連続的に投与
すると、経皮吸収促進剤によって皮膚刺激が発現する可
能性がある。
【0006】また特開昭61−40210号公報にはビ
タミンEを含有する皮膚の治療および保護薬、特開昭5
3−136521号公報にはα−トコフェロールを含有
する増殖性皮膚疾患治療用組成物が開示されているが、
濃度が低いため難治性皮膚疾患に対する効果は十分では
ない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点を
解決するものであり、その目的とするところは、副腎皮
質ホルモンを有効成分とする外用剤と同等以上の効果を
有し、かつ皮膚刺激等の副作用の少ない皮膚疾患治療用
外用剤を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の皮膚疾患治療用
外用剤は、必須成分としてビタミンEを含有する。
【0009】本発明の外用剤に用いられる上記ビタミン
Eとは、トコフェロール(ビタミンE)及びその誘導体
をいい、日本薬局方に収載されているものとしては、例
えば、dl−α−トコフェロール、酢酸トコフェロール
(ビタミンE酢酸エステル)、コハク酸トコフェロール
(ビタミンEコハク酸エステル)等が挙げられる。日本
薬局方収載外のものとしては、例えば、d−α−トコフ
ェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、
δ−トコフェロール、ニコチン酸トコフェロール(ビタ
ミンEニコチン酸エステル)、リノレン酸トコフェロー
ル(ビタミンEリノレン酸エステル)等が挙げられる。
【0010】上記外用剤中のビタミンEの含有量は、少
なくなると難治性皮膚疾患の治療効果が十分でなくな
り、多くなると治療効果はその濃度に応じて高まるが、
ローション剤やリニメント剤にした場合でも皮膚に塗布
した際にべとつき・流れ等が起こって使用感が悪くなる
ので、20重量%を超え99.9重量%以下であり、噴
霧剤の場合は空中への飛散、またチンキ剤は通例、綿棒
や脱脂綿等に取ってから患部に適用すること等により損
失分が多くなるため、32重量%以上99.9重量%以
下が好ましい。より好ましくは35重量%以上80重量
%以下、さらに好ましくは35重量%以上60重量%以
下である。
【0011】本発明の外用剤の剤型は、特に限定される
ものではなく、例えば、基剤又は溶媒中に上記薬物を溶
解または混合分散させてクリーム状、ペースト状、ジェ
リー状、ゲル状、乳液状、液状等の形状になされたもの
(クリーム、ゲル、軟膏、乳液、ローション、溶液、リ
ニメント剤、噴霧剤、チンキ剤等)、基剤中に上記薬物
を溶解または混合分散させたものを支持体上に展延した
もの(パップ剤等)、粘着剤中に上記薬物を溶解または
混合分散させたものを支持体上に展延したもの(プラス
ター剤、テープ剤等)などが挙げられる。
【0012】上記基剤又は溶媒としては、薬学的に許容
しうるものであればよく、軟膏剤、リニメント剤、ロー
ション剤、噴霧剤、チンキ剤等の基剤として従来公知の
ものを用いることができ、例えば、アルギン酸ナトリウ
ム、ゼラチン、コーンスターチ、トラガントガム、メチ
ルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキ
シメチルセルロース、デキストリン、カルボキシメチル
デンプン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナト
リウム、メトキシエチレン−無水マレイン酸共重合体、
ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドン等のポリマ
ー;ミツロウ、オリーブ油、カカオ油、ゴマ油、ダイズ
油、ツバキ油、ラッカセイ油、牛油、豚油、ラノリン等
の油脂類;白色ワセリン;パラフィン;ハイドロカーボ
ンゲル軟膏(例えば、商品名プラスチベース、大正製薬
社製);ステアリン酸等の高級脂肪酸;エタノール、イ
ソプロピルアルコール等のアルコール;セチルアルコー
ル、ステアリルアルコール等の高級アルコール;プロパ
ンジオール;ポリエチレングリコール;水などが挙げら
れる。
【0013】さらに必要に応じて、カオリン、ベントナ
イト、酸化亜鉛、酸化チタン等の無機充填剤、粘度調節
剤、老化防止剤、pH調節剤、グリセリン、プロピレン
グリコール等の保湿剤などを添加してもよい。
【0014】上記支持体は、その剤型(例えば、パップ
剤、プラスター剤、テープ剤等)に応じて適宜選択され
るが、有効成分が不透過又は難透過性で柔軟なものが好
ましく、例えば、酢酸セルロース、エチルセルロース、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、酢酸
ビニル−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体、
エチレン−ブチルアクリレート−一酸化炭素共重合体、
ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン、ナイロン、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等
の樹脂フィルム、アルミニウムシート、織布、不織布な
ど、及びこれらの積層シートが挙げられる。
【0015】上記粘着剤は、薬学的に許容しうるもので
あればよく、従来公知のものを用いることができ、例え
ば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコン系粘着
剤、ウレタン系粘着剤等が挙げられ、アクリル系粘着
剤、ゴム系粘着剤が好適に用いられる。また上記支持体
上に展延する際には、粘着剤の性状としては、溶剤系、
エマルジョン系、ホットメルト系等の任意のものを用い
ることができる。
【0016】上記アクリル系粘着剤としては、アルキル
(メタ)アクリレートを共重合して得られるポリアルキ
ル(メタ)アクリレートを主体とする粘着剤が挙げら
れ、ポリアルキル(メタ)アクリレートと共重合可能な
多官能性モノマーやその他のビニルモノマーとの共重合
体でもよい。
【0017】上記アルキル(メタ)アクリレートとして
は、例えば、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、ドデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。上
記多官能性モノマーとしては、例えば、1,6−ヘキサ
ングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコ
ールジアクリレート等が挙げられ、上記その他のビニル
モノマーとしては、例えば、N−ビニル−2−ピロリド
ン、酢酸ビニル等が挙げられる。
【0018】上記ゴム系粘着剤としては、天然ゴム、ス
チレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチ
レン−オレフィン−スチレンブロック共重合体等を主体
とする粘着剤が挙げられ、一般に、ロジン、水添ロジ
ン、ロジンエステル、テルペン樹脂、テルペンフェノー
ル樹脂、石油系樹脂、クマロン樹脂、クマロン−インデ
ン樹脂等の粘着付与剤が添加されてなる。
【0019】本発明の外用剤の使用量は、疾患の種類や
症状の程度、患部の大きさ等によって異なるが、1日当
たり好ましくは0.01〜10gであり、これを1回又
は適当な回数に分けて患部に適用する。
【0020】本発明の外用剤の治療対象となる疾患とし
ては、例えば、肌荒れ、かぶれ、あせも、ただれ、しも
やけ、おむつかぶれ、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚
炎、脂漏性皮膚炎、ヴィダール苔癬、貨幣状湿疹、主婦
湿疹、日光皮膚炎、虫刺症、皮膚掻痒症、痒疹、薬疹、
中毒疹、乾癬、類乾癬、掌蹠膿疱症、偏平苔癬、光沢苔
癬、毛孔性紅色粃糖症、ジベル薔薇色粃糖症、紅斑症、
紅皮症、円板状紅斑性狼瘡、全身性紅斑性狼瘡、天疱
瘡、類天疱瘡、ジューリング疱疹状皮膚炎、円形脱毛
症、尋常性白斑、サルコイドーシス、皮膚アミロイドー
シス、ケロイド及び肥厚性瘢痕等が挙げられる。
【0021】
【実施例】本発明を実施例につき説明する。 (実施例1〜6及び比較例1〜4)表1に示した所定量
のオリーブ油(和光純薬社製)、ビタミンE酢酸エステ
ル(和光純薬社製)、N−ラウロイルサルコシン(ナカ
ライテスク社製)、デキサメタゾン(和光純薬社製)及
びプレドニゾロン(和光純薬社製)を乳鉢に供給し、オ
リーブ油に他の添加物が溶解するまで混練してリニメン
ト剤を得た。
【0022】なお、表中の「VE」は「ビタミンE酢酸
エステル」、「LS」は「N−ラウロイルサルコシ
ン」、「Dx」は「デキサメタゾン」、「Pr」は「プ
レドニゾロン」をそれぞれ表す。
【0023】
【表1】
【0024】以下、上記で得られたリニメント剤につい
て下記試験を行った。なお、それぞれの試験において
は、5匹のラットを使用し、得られた結果はその平均値
である。
【0025】〔試験例1〕PCA反応(I型アレルギー
反応)に対する作用効果 (1)ラット抗DNP−As血清の調製 Tada and Okumuraの方法(Journal of
Immunology;106,1002,1971 )に準じてラット抗DNP
−As血清を調製した。豚回虫(Ascaris suum)の抽出
物をStrejan and Campbellの方法
(Journal of Immunology;98,893,1967 )に従って調整
し、次いでこれをEisenらの方法(Journal of Ame
rican Chemical Society;75,4583,1953)で2,4−ジ
ニトロフェニルサルフェート(DNP)と結合させ、D
NP結合Ascaris suum(DNP−As)を
得た。
【0026】上記DNP−Asの1mgを1×1010
の百日咳死菌を浮遊させた生理的食塩水1mlに溶解
し、体重200g前後の雌性ラットの四肢足蹠皮下に注
射した。5日後にDNP−Asの0.5mgを生理的食
塩水0.5mlに溶解し、左右の筋肉内に注射した。初
回注射の8日後に腹部大動脈より採血し、血清を分離し
てラット抗DNP−As血清を得た。
【0027】(2)PCA反応 上記ラット抗DNP−As血清を生理的食塩水で希釈
し、その0.05mlを体重120〜200gの雄性ラ
ットの背部皮内に注射した。45時間後、上記実施例1
〜6及び比較例1〜4で得られたリニメント剤の0.1
gの供試剤それぞれを半径1cmの円形ポリエチレンシ
ート片に載せ、ラット皮膚の抗DNP−As血清注射部
位にリニメント剤が接触するように適用した。さらにそ
の3時間後、DNP−As抗原を含む0.5%エヴァン
スブルー(Evans'blue)生理的食塩水溶液を2.5ml
/kgの割合で静脈内注射し、PCA反応を惹起した。
【0028】30分後動物を屠殺し、反応部の皮膚に漏
出した色素をHaradaらの方法(Journal of Pharm
aceutics Pharmacology;23,218,1971 )に従って、反応
皮膚を細切し、0.3%硫酸ナトリウム水溶液:アセト
ン=3:7(体積比)の混合溶液中に、48時間以上浸
漬放置し漏出色素を抽出した。次いで抽出された色素を
620nmで比色定量した。コントロールとして、上記
供試剤のかわりにリニメント基剤(オリーブ油)のみを
同様に適用し、その後同様の操作を行って抽出された色
素を比色定量した。上記のコントロール適用部位の色素
抽出量(A)及び供試剤適用部位の色素抽出量(B)の
定量結果から、下記式により色素漏出抑制率を算出し
た。結果を表2に示す。 色素漏出抑制率(%)={(A−B)/A}×100
【0029】〔試験例2〕ラット遅延型接触性皮膚過敏
反応(IV型アレルギー反応)に対する作用効果 5週齡ウイスター系ラットの腹側部皮膚を剪毛し、次い
で20%2,4−ジニトロクロロベンゼン(DNCB、
和光純薬社製)アセトン溶液を20μl塗布して2週間
放置し感作した。感作成立後、背部皮膚を剪毛し、1%
DNCBアセトン溶液を20μl塗布して接触性皮膚炎
を誘発した。次いで上記実施例1〜6及び比較例1〜4
で得られたリニンメント剤の0.1gの供試剤それぞれ
を、上記試験例1と同様の方法でラット皮膚DNCB反
応誘発部位に適用した。
【0030】反応誘発24時間後に、反応部位の紅斑強
度を色彩色差計(CR−200、ミノルタ社製)で測定
した。コントロールとして、上記供試剤のかわりにリニ
メント基剤(オリーブ油)のみを同様に適用し、その後
同様の操作を行って紅斑強度を測定した。上記のコント
ロール適用部位の紅斑強度(C)及び供試剤適用部位の
紅斑強度(D)の測定結果から、下記式により紅斑抑制
率を算出した。結果を表2に示す。 紅斑抑制率(%)={(C−D)/C}×100
【0031】〔試験例3〕体重変化による全身に対する
影響 実施例1〜6及び比較例1〜4について上記試験例2に
供したラットの全例、及びコントロール群のラットの試
験前後の体重を測定し、その変化量から全身に対する副
作用の影響を調べた。結果を表2に示す。
【0032】〔試験例4〕ウサギ累積皮膚刺激性に対す
る作用効果 日本白色ウサギの背部皮膚を剪毛し、スムーススキンを
確認した後、背部の4ヶ所の2cm×2cmの範囲に1
日1回の割合で、上記実施例1〜6及び比較例2で得ら
れたリニメント剤の0.1gの供試剤それぞれを、28
日間連続して塗布した。この間、1日1回供試剤の塗布
前に、ドレイツの判定基準に準じて皮膚刺激性を判定
し、連続投与により刺激が発現しはじめる日を確認し
た。コントロールとして、上記供試剤のかわりにリニメ
ント基剤(オリーブ油)のみを同様に適用し、その後同
様の操作により判定を行った。結果を表2に示す。
【0033】〔試験例5〕官能試験による使用感の評価 上記実施例1〜6で得られたリニメント剤について、5
人のヒト皮膚に塗布し、その使用感について下記の基準
に従って評価し、平均値を求めた。結果を表2に示す。 評価基準 0:べとつき、流れ等が著しく、使用感が悪い 1:べとつき、流れ等が認められる 2:べとつき、流れ等がなく、使用感が非常によい
【0034】〔試験例6〕DNCB誘発皮膚一次刺激性
反応(非アレルギー性皮膚炎症反応)に対する作用効果 7週齡ウイスター系ラットの腹側部皮膚を剪毛し、次い
で2%2,4−ジニトロクロロベンゼン(DNCB、和
光純薬社製)アセトン溶液を20μl塗布し、よく乾燥
させた。次いで上記実施例2〜5及び比較例3〜4で得
られたリニメント剤の0.1gの供試剤それぞれを、上
記試験例1と同様の方法でラット皮膚DNCB反応誘発
部位に適用した。
【0035】反応誘発24時間後に、反応部位の紅斑強
度を色彩色差計(CR−200、ミノルタ社製)で測定
した。コントロールとして、上記供試剤のかわりにリニ
メント基剤(オリーブ油)のみを同様に適用し、その後
同様の操作を行って紅斑強度を測定した。上記のコント
ロール適用部位の紅斑強度(E)及び供試剤適用部位の
紅斑強度(F)の測定結果から、下記式により紅斑抑制
率を算出した。結果を表2に示す。 紅斑抑制率(%)={(E−F)/E}×100
【0036】〔試験例7〕II型アレルギー反応に対する
作用効果 (1)ウサギ抗ラット血清の調製 江田らの方法(日薬理誌;66,237,1970)に準じてウサギ
抗ラット血清を調製した。体重150〜200gのウイ
スター系雄性ラットから血清を採取した。このラット血
清とフロイント完全アジュバント(ディフコ社製)との
等量混合乳化液を抗原液として、その0.5mlを雄性
家兎(ニュージーランドホワイト種)の左右臀筋内に1
週間毎に4回注射した。最終注射の7日後に頚動脈から
採血し、血清を分離採取してウサギ抗ラット血清を得
た。
【0037】(2)抗ラット血清による皮内反応に対する
効果 栗山らの方法(日薬理誌 ;95,83,1990)に準じて抗ラッ
ト血清による皮内反応に対する効果を調べた。上記ウサ
ギ抗ラット血清を生理的食塩水で4倍に希釈し、その
0.1mlを体重200g前後のウイスター系雄性ラッ
トの背部皮内に注射した。次いで、上記実施例2〜5及
び比較例3〜4で得られたリニメント剤の0.1gの供
試剤それぞれを、上記試験例1と同様の方法でラット皮
膚の抗ラット血清注射部位に適用した。さらにその2時
間後、0.5%エヴァンスブルー(Evans'blue)生理的
食塩水溶液を2.5ml/kgの割合で静脈内投与し
た。
【0038】こうして、反応を惹起した部位の漏出色素
を原田らの方法(Japan Journal ofPharmacology;23,21
8,1971 )に準じて抽出定量した。エヴァンスブルー溶
液投与の30分後動物を屠殺し、反応部の皮膚に漏出し
た色素を反応皮膚を細切し、0.3%硫酸ナトリウム水
溶液:アセトン=3:7(体積比)の混合溶液中に、4
8時間以上浸漬放置し漏出色素を抽出した。次いで抽出
された色素を620nmで比色定量した。コントロール
として、上記供試剤のかわりにリニメント基剤(オリー
ブ油)のみを同様に適用し、その後同様の操作を行って
抽出された色素を比色定量した。上記のコントロール適
用部位の色素抽出量(G)及び供試剤適用部位の色素抽
出量(H)の定量結果から、下記式により色素漏出抑制
率を算出した。結果を表2に示す。 色素漏出抑制率(%)={(G−H)/G}×100
【0039】〔試験例8〕ラット異種受身皮膚アナフィ
ラキシー反応(III 型アレルギー反応)に対する作用効
果 (1)ウサギ抗卵白アルブミン(ovalbumin)血
清の調製 江田らの方法(日薬理誌;66,237,1970)に準じてウサギ
抗卵白アルブミン血清を調製した。卵白アルブミン(シ
グマ社製)を2mg/mlとなるように生理的食塩水に
溶解させた。この液とフロイント完全アジュバント(デ
ィフコ社製)との等量混合乳化液を抗原液として、その
0.5mlを雄性家兎(ニュージーランドホワイト種)
の左右臀筋内に1週間毎に4回注射した。最終注射の7
日後に頚動脈から採血し、血清を分離採取してウサギ抗
卵白アルブミン血清を得た。
【0040】(2)ラット4時間異種受身皮膚アナフィラ
キシー反応 上記ウサギ抗卵白アルブミン血清を生理的食塩水で4倍
に希釈し、その0.05mlを体重200g前後のウイ
スター系雄性ラットの背部皮内に注射した。次いで、上
記実施例2〜5及び比較例3〜4で得られたリニメント
剤の0.1gの供試剤それぞれを、上記試験例1と同様
の方法でラット皮膚の抗血清注射部位に適用した。次い
で抗血清注射4時間後、卵白アルブミン2mg/mlを
含む0.5%エヴァンスブルー(Evans'blue)生理的食
塩水溶液を2.5ml/kgの割合で静脈内投与し、P
CA反応を惹起した。
【0041】こうして、皮内反応を惹起した部位の漏出
色素を原田らの方法(Japan Journal of Pharmacology;
23,218,1971 )に準じて抽出定量した。エヴァンスブル
ー投与の30分後動物を屠殺し、反応部の皮膚に漏出し
た色素を反応皮膚を細切し、0.3%硫酸ナトリウム水
溶液:アセトン=3:7(体積比)の混合溶液中に、4
8時間以上浸漬放置し漏出色素を抽出した。次いで抽出
された色素を620nmで比色定量した。コントロール
として、上記供試剤のかわりにリニメント基剤(オリー
ブ油)のみを同様に適用し、その後同様の操作を行って
抽出された色素を比色定量した。上記のコントロール適
用部位の色素抽出量(I)及び供試剤適用部位の色素抽
出量(J)の定量結果から、下記式により色素漏出抑制
率を算出した。結果を表2に示す。 色素漏出抑制率(%)={(I−J)/I}×100
【0042】〔試験例9〕ラット遅延型皮膚過敏反応
(ツベルクリンIV型アレルギー反応)に対する作用効果 栗山らの方法(日本薬理学会誌;94,113,1989)に準じて
行った。BCG(Bacillus Calmette-Guerin)菌(日本
BCG社製)2.5mgを生理的食塩水1mlに懸濁し
た液を、120℃で5分間加熱処理した後、その0.2
mlを9週齡ウイスター系ラットの腹腔内に注射した。
BCG菌注射7日後に、精製ツベルクリン(日本BCG
社製)200μgを生理的食塩水1mlに溶解させた液
0.1mlを、上記ラットの刈毛背部皮内の2か所に注
射した。また他の1か所には精製ツベルクリンを含まな
い生理的食塩水のみを同様に注射した。次いで、上記実
施例2〜5及び比較例3〜4で得られたリニメント剤の
0.1gの供試剤それぞれを、上記試験例1と同様の方
法でラット皮膚のツベルクリン注射部位のうちの1か所
に適用した。コントロールとして、上記供試剤のかわり
にリニメント基剤(オリーブ油)のみを同様に、ラット
皮膚のツベルクリン注射部位のもう1か所に適用した。
上記ツベルクリン注射の24時間後に、生じた紅斑の直
径を測定し、上記のコントロール適用部位の紅斑直径
(K)及び供試剤適用部位の紅斑直径(L)の測定結果
から、下記式により紅斑抑制率を算出した。結果を表2
に示す。 紅斑抑制率(%)={(K−L)/K}×100
【0043】
【表2】
【0044】(実施例7〜12)表3に示した所定量の
プラスチベース(大正製薬社製)、白色ワセリン(丸石
製薬社製)、ビタミンE酢酸エステル(和光純薬社製)
を乳鉢に供給し、プラスチベースに他の添加物が溶解す
るまで混練して軟膏剤を得た。なお、表中の「VE」は
「ビタミンE酢酸エステル」を表す。
【0045】
【表3】
【0046】上記実施例7〜12について、同様にして
上記試験1〜9を行った。結果を表4に示す。
【0047】
【表4】
【0048】表2及び4より、本発明の外用剤はビタミ
ンE単独でも、高用量とすることにより高い効果が得ら
れ(試験例1及び2)、吸収促進剤を添加した場合に認
められるような皮膚刺激もない(試験例4)。またステ
ロイド剤を含有する製剤と比較しても副作用がなく、種
々のアレルギー性皮膚炎モデル及び非アレルギー性皮膚
炎モデルについて同等の効果が得られた(試験例3及び
6〜9)。
【0049】(実施例13)ビタミンE酢酸エステル
(和光純薬社製)40重量部、エタノール45重量部、
及び70重量%エタノール15重量部をビーカーに供給
し、全体が均一に相溶するまで攪拌し、アルコール性溶
液を得た。
【0050】(実施例14) 〔アクリル系粘着剤の合成〕2−エチルヘキシルメタク
リレート301.1重量部、2−エチルヘキシルアクリ
レート34.9重量部、ドデシルメタクリレート48.
3重量部、1,6−ヘキサングリコールメタクリレート
0.0384重量部、及び酢酸エチル256.0重量部
を攪拌装置及び冷却装置付きセパラブルフラスコに供給
し、攪拌及び窒素置換しながら70℃に昇温した。
【0051】過酸化ラウロイル2.0重量部をシクロヘ
キサン10.0重量部に溶解した溶液を10分割し、そ
の1をセパラブルフラスコに添加して重合を開始した。
重合開始後、5時間目から残部の9を1時間間隔で添加
し、添加終了後さらに19時間反応させた。なお、粘度
調製のため反応開始後、5時間ごとに酢酸エチルを27
重量部ずつ5回添加した。反応終了後、冷却し、次いで
酢酸エチルを追加して固形分濃度が50重量%の粘着剤
溶液を得た。
【0052】〔テープ剤の作製〕上記粘着剤溶液150
重量部、ビタミンE酢酸エステル(和光純薬社製)25
重量部をディゾルバー型高速攪拌機に供給して均一に攪
拌し、混合液を得た。得られた混合液を、シリコン処理
されたポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ38
μm)上に塗布した後、60℃で30分間乾燥して厚さ
80μmの粘着剤層を形成した。次いで厚さ34μmの
ポリエチレンテレフタレート/エチレン−酢酸ビニル共
重合体積層フィルムの、エチレン−酢酸ビニル共重合体
層上に上記粘着剤層を転写してテープ剤を得た。
【0053】
【発明の効果】本発明の皮膚疾患治療用外用剤は、上述
のとおりであり、高用量のビタミンEが含有されている
ので、難治性皮膚疾患の治療効果が高く、しかも副腎皮
質ホルモンを主成分とする外用剤と比較して皮膚刺激等
の副作用が少ない。従って、各種皮膚疾患の治療に有用
な外用剤が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 9/12 A61K 9/12 L 9/70 341 9/70 341

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】必須成分として20重量%を超え99.9
    重量%以下のビタミンEを含有することを特徴とする皮
    膚疾患治療用外用剤。
  2. 【請求項2】必須成分として32重量%以上99.9重
    量%以下のビタミンEを含有することを特徴とする皮膚
    疾患治療用外用剤。
  3. 【請求項3】必須成分として35重量%以上80重量%
    以下のビタミンEを含有することを特徴とする皮膚疾患
    治療用外用剤。
  4. 【請求項4】クリーム、ゲル、軟膏、パップ、テープ、
    乳液、ローション又は溶液の状態の体外適用剤であるこ
    とを特徴とする請求項1又は3記載の皮膚疾患治療用外
    用剤。
  5. 【請求項5】アルコール性溶媒の噴霧剤又はチンキ剤の
    状態の体外適用剤であることを特徴とする請求項2又は
    3記載の皮膚疾患治療用外用剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1107812A4 (en) * 1998-08-28 2004-05-12 Silipos Inc GEL-SHAPED BODY PROTECTION ITEM WITH THERAPEUTIC INGREDIENTS

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