JPH06172165A - 炎症性皮膚疾患治療用外用剤 - Google Patents

炎症性皮膚疾患治療用外用剤

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JPH06172165A
JPH06172165A JP33037892A JP33037892A JPH06172165A JP H06172165 A JPH06172165 A JP H06172165A JP 33037892 A JP33037892 A JP 33037892A JP 33037892 A JP33037892 A JP 33037892A JP H06172165 A JPH06172165 A JP H06172165A
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JP
Japan
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inflammatory skin
external preparation
external agent
treatment
squalane
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JP33037892A
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Tomoko Horiguchi
智子 堀口
Tatsutake Shimizu
達丈 清水
Kiyoshi Kuriyama
澄 栗山
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】副腎皮質ホルモンを主成分とする炎症性皮膚疾
患治療用外用剤と同等以上の薬理効果を持ち、かつ副作
用の少ない該外用剤を提供することにある。 【構成】有効成分としてスクワラン、ならびに経皮吸収
促進剤を含有する炎症性皮膚疾患治療用外用剤。上記経
皮吸収促進剤は、N−アシルサルコシン(塩);および
炭素数10〜18の高級脂肪酸と炭素数1〜20のアル
コ−ルとの反応生成物である高級脂肪酸エステルからな
る群より選ばれる一種以上。また、上記スクワランの含
有量は、該外用剤中5〜50重量%である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炎症性皮膚疾患治療用
外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、炎症性皮膚疾患の治療、特に難治
アレルギー性皮膚疾患の治療のために副腎皮質ホルモン
を含む外用剤が汎用され、その薬理効果が高いことが知
られている(月刊薬事、26巻、8号、56頁、198
5年、および特開昭62−149620号公報)。
【0003】しかしながら、上記副腎皮質ホルモンを含
む炎症性皮膚疾患治療用外用剤は、その適用部位に対
し、易感染性の亢進、皮膚の菲薄化、血管壁の脆弱化、
毛包脂腺系の異常活性化といった副作用を惹起する恐れ
がある上に、経皮吸収された薬剤が全身性の副作用を示
す可能性があり、その使用量には細心の注意が必要とさ
れる。このため日本薬局方においては、代表的な副腎皮
質ホルモンであるデキサメタゾンおよびプレドニゾロン
に対して、その使用濃度の上限が外用剤中の0.1重量
%程度に規制されている。
【0004】一方、副作用の少ない炎症性皮膚疾患治療
用外用剤としては、非ステロイド性抗炎症剤および抗ヒ
スタミン剤からなる外用剤があるが、難治アレルギー性
皮膚疾患に対しては副腎皮質ホルモンを含むものに比較
するとその薬理効果は弱い(新薬と治療、35巻、29
8頁、1985年)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記欠点に
鑑みてなされたものであって、その目的とするところ
は、副腎皮質ホルモンを有効成分とする炎症性皮膚疾患
治療用外用剤と同等以上の薬理効果を有し、かつ副作用
の少ない該外用剤を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明で使用されるスク
ワランの含有量は、少なくなると炎症性皮膚疾患の治療
効果が十分発現しなくなり、多くなると流動性が高くな
り過ぎて外用剤としての剤型保持が困難になるので、本
発明の炎症性皮膚疾患治療用外用剤中5〜50重量%に
限定される。
【0007】本発明で使用される経皮吸収促進剤は、N
−アシルサルコシン(塩);および炭素数10〜18の
高級脂肪酸と炭素数1〜20のアルコ−ルとの反応生成
物である高級脂肪酸エステルからなる群より選ばれる一
種以上の化合物である。
【0008】上記N−アシルサルコシン(塩)として
は、例えば、N−ラウロイルサルコシン、N−ステアロ
イルサルコシン、N−オレオイルサルコシン、N−パル
ミトイルサルコシン、ヤシ油脂肪酸サルコシン等および
これらN−アシルサルコシンのナトリウム塩、カリウム
塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩等
の塩が挙げられ、N−ラウロイルサルコシンが好適に使
用される。
【0009】上記高級脂肪酸エステルは、高級脂肪酸と
アルコ−ルとの反応生成物であり、該高級脂肪酸は、炭
素数が小さくなると揮発し易くなり、大きくなると経皮
吸収促進効果が低下するので、10〜18に限定され、
例えば、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パル
ミチン酸、ステアリン酸等の飽和脂肪族モノカルボン
酸;パルミトレイン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノ
−ル酸、リノレン酸等の不飽和脂肪族モノカルボン酸お
よびセバシン酸等の飽和脂肪族ジカルボン酸が挙げられ
る。
【0010】また、上記アルコ−ルは、炭素数が大きく
なると経皮吸収促進効果が低下するので、1〜20に限
定され、例えば、メチルアルコ−ル、エチルアルコ−
ル、プロピルアルコ−ル、イソプロピルアルコ−ル、ブ
チルアルコ−ル、ペンチルアルコ−ル、ヘキシルアルコ
−ル、ヘプチルアルコ−ル、オクチルアルコ−ル、デシ
ルアルコ−ル、セチルアルコ−ル等の脂肪族飽和アルコ
−ルが挙げられる。上記高級脂肪酸エステルとしては、
例えば、ミリスチン酸イソプロピルおよびパルミチン酸
イソプロピルが好適に使用される。
【0011】本発明で使用される経皮吸収促進剤の含有
量は、少なくなると経皮吸収促進効果が低下し、多くな
ると流動性が高くなり過ぎて外用剤としての剤型保持が
困難になるので、本発明の炎症性皮膚疾患治療用外用剤
中0.3〜10重量%が好ましく、より好ましくは0.
5〜3重量%である。
【0012】本発明の炎症性皮膚疾患治療用外用剤は、
上述したスクワランおよび経皮吸収促進剤を含有するも
のであるが、その剤型は特に限定されるものではなく、
例えば、基剤中にスクワランおよび上記経皮吸収促進剤
を溶解または混合分散させてクリーム状、ペースト状、
ジェリ−状、ゲル状、乳液状、液状等の形状としたもの
(軟膏剤、リニメント剤、ロ−ション剤等);支持体上
に上記ペ−スト状、ジェリ−状等となされたものを展延
したもの(パップ剤);粘着剤中に上記有効成分および
経皮吸収促進剤を溶解または混合分散させたものを支持
体上に展延したもの(プラスタ−剤、テ−プ剤等)など
が挙げられる。
【0013】上記基剤としては、薬学的に許容しうるも
のであればよく、従来から軟膏剤、リニメント剤、ロ−
ション剤等に用いられていたものが使用でき、例えば、
アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、コ−ンスタ−チトラ
ガントガム、メチルセルロ−ス、ヒドロキシエチルセル
ロ−ス、カルボキシメチルセルロ−ス、デキストリン、
カルボキシメチルデンプン、ポリビニルアルコ−ル、ポ
リアクリル酸ナトリウム、メトキシエチレン−無水マレ
イン酸共重合体、ポリビニルエ−テル、ポリビニルピロ
リドン等のポリマ−;ミツロウ、オリ−ブ油、カカオ
油、ゴマ油、ダイズ油、ツバキ油、ラッカセイ油、牛
油、豚油、ラノリン等の油脂;白色ワセリン;パラフィ
ン;プラスチベ−ス;ステアリン酸等の高級脂肪酸;セ
チルアルコ−ル、ステアリルアルコ−ル等の高級アルコ
−ル;ポリエチレングリコ−ル;水などが挙げられる。
【0014】また、必要に応じて、カオリン、ベントナ
イト、酸化亜鉛、酸化チタン等の無機充填剤;粘度調節
剤;老化防止剤;pH調節剤などが添加されてもよい。
さらに、パップ剤に使用する際には、グリセリン、プロ
ピレングリコ−ル等の保湿剤が添加されてもよい。
【0015】上記支持体は、その剤型(例えば、パップ
剤、プラスタ−剤、テ−プ剤等)に応じて適宜選択され
るが、有効成分が不透過または難透過性のものであって
柔軟なものが好ましく、例えば、酢酸セルロ−ス、エチ
ルセルロ−ス、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩
化ビニル、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−一酸化
炭素共重合体、エチレン−ブチルアクリレ−ト−一酸化
炭素共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン、ナ
イロン、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリブチレンテ
レフタレ−ト等の樹脂フィルム、アルミニウムシ−トな
どが挙げられ、これらの積層シ−トであってもよく、織
布や不織布と積層されてもよい。
【0016】上記粘着剤は、薬学的に許容しうるもので
あればよく、従来公知の任意の粘着剤が使用でき、例え
ば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘
着剤、ウレタン系粘着剤等が挙げられ、アクリル系粘着
剤およびゴム系粘着剤が好適に使用される。また、上記
支持体上に展延するに際し、粘着剤の性状としては、溶
剤系、エマルジョン系、ホットメルト系等任意のものが
使用可能である。
【0017】上記アクリル系粘着剤は、アクリル(メ
タ)アクリレ−トを共重合して得られるポリアクリル
(メタ)アクリレ−トを主体とする粘着剤であり、アク
リル(メタ)アクリレ−トと共重合可能な多官能性モノ
マ−やその他のビニルモノマ−との共重合体であっても
よい。上記アクリル(メタ)アクリレ−トとしては、例
えば、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレ−ト、ドデ
シル(メタ)アクリレ−ト等が挙げられ、多官能性モノ
マ−としては、例えば、1,6−ヘキサングリコ−ルジ
メタクリレ−ト、テトラエチレングリコ−ルジアクリレ
−ト等が挙げられ、その他のビニルモノマ−としては、
例えば、N−ビニル−2−ピロリドン、酢酸ビニル等が
挙げられる。
【0018】上記ゴム系粘着剤は天然ゴム、スチレン−
イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−オ
レフィン−スチレンブロック共重合体等のゴムを含有す
る粘着剤であって、一般に、ロジン、水添ロジン、ロジ
ンエステル、テルペン樹脂、テルペンフェノ−ル樹脂、
石油系樹脂、クマロン樹脂、クマロン−インデン樹脂等
の粘着付与剤が添加されてなる。
【0019】本発明の炎症性皮膚疾患治療用外用剤の構
成は上述の通りであるが、該外用剤の性能を損なわない
範囲で、副腎皮質ホルモンが添加されてもよい。上記副
腎皮質ホルモンとしては、デキサメサゾン、プレドニゾ
ロン、コルチゾン、ハイドロコルチゾン、メチルプレド
ニゾロントリアムシノロン、ベタメタゾン、フルオシノ
ロン等が挙げられ、その添加量は、副腎皮質ホルモンの
種類により異なるが、少なくなると添加効果が十分発現
しなくなり、多くなると副作用の発現の恐れが強くなる
ので、例えば、デキサメサゾンやプレドニゾロンの場合
は、本発明の炎症性皮膚疾患治療用外用剤中0.01〜
0.08重量%が好ましく、より好ましくは0.02〜
0.06重量%である。上記副腎皮質ホルモンの適用量
は、炎症性皮膚疾患の種類や症状の程度、患部の大き
さ、副腎皮質ホルモンの種類などにもよるが、副腎皮質
ホルモンの量として1日当たり、0.00001〜0.
0005g/3.14cm2 が好ましい。
【0020】本発明の炎症性皮膚疾患治療用外用剤の治
療対象となる疾患は、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚
炎、脂漏性皮膚炎、ヴィダール苔癬、貨幣状湿疹、主婦
湿疹、日光皮膚炎、虫刺症、皮膚掻痒症、痒疹、薬疹、
中毒疹、乾癬、類乾癬、掌蹠膿疱症、偏平苔癬、光沢苔
癬、毛孔性紅色粃糠症、ジべル薔薇色粃糠症、紅斑症、
紅皮症、円板状紅斑性狼瘡、全身性紅斑性狼瘡、天疱
瘡、類天疱瘡、ジューリング疱疹状皮膚炎、円形脱毛
症、尋常性白斑、サルコイドーシス、皮膚アミロイドー
シス、ケロイド、肥厚性瘢痕などであり、従来の副腎皮
質ホルモン外用剤の適応疾患の全てが対象となる。本発
明の炎症性皮膚疾患治療用外用剤の適用量は、炎症性皮
膚疾患の種類や症状の程度、患部の大きさなどにもよる
が、スクワランの量として1日当たり、0.01〜0.
2g/3.14cm2 が好ましい。
【0021】
【実施例】つぎに、本発明の実施例を説明する。なお、
以下「部」とあるのは「重量部」を意味する。 実施例1〜6、比較例1〜5 表1に示した所定量(部)のプラスチベ−ス(日本スク
イブ社製)、スクワラン(和光純薬社製)、デキサメサ
ゾン(和光純薬社製)、プレドニゾロン(和光純薬社
製)、N−ラウロイルサルコシンおよびパルミチン酸イ
ソプロピルを乳鉢に供給し、プラスチベ−スに他の添加
物が溶解するまで混練して軟膏剤を得た。
【0022】
【表1】
【0023】実施例8 スクワラン(和光純薬社製)25部、N−ラウロイルサ
ルコシン1部およびオリーブ油74部をビ−カ−に供給
し、全体が均一に相溶するまで攪拌して、リニメント剤
を得た。
【0024】実施例9 アクリル系粘着剤の合成 2─エチルヘキシルメタクリレート301.0部、2─
エチルヘキシルアクリレート34.9部、ドデシルメタ
クリレ−ト48.3部、1,6−ヘキサングリコ−ルメ
タクリレ−ト0.0384部および酢酸エチル256.
0部を攪拌装置および冷却装置付きセパラブルフラスコ
に供給し、攪拌および窒素置換しながら70℃に昇温し
た。過酸化ラウロイル2.0部をシクロヘキサン10
0.0部に溶解した溶液を10分割し、その1をセパラ
ブルフラスコに添加して重合を開始した。重合開始後、
5時間目から残部の9を1時間間隔で添加し、添加終了
後さらに19時間反応した。なお、粘度調節のため反応
開始後、5時間毎に酢酸エチルを27部づつ5回添加し
た。反応終了後、冷却し、次いで酢酸エチルを追加して
固形分濃度が50重量%の粘着剤溶液を得た。
【0025】テ−プ剤の作製 上記溶液に、スクワラン、ラウロイルサルコシン、デキ
サメサゾンを全固形分(アクリル系粘着剤+スクワラン
+ラウロイルサルコシン+デキサメサゾン)中の濃度が
それぞれ20重量%、3重量%、0.05重量%となる
ように加えて、液全体をディゾルバーにて均一に攪拌
し、混合液を得た。得られた混合液を、シリコン処理さ
れたポリエチレンテレフタレートフイルム(厚さ38μ
m)上に塗布した後、60℃で30分間乾燥して厚さ8
0μmの粘着剤層を形成した。次いで、厚さ34μmの
ポリエチレンテレフタレート・エチレン−酢酸ビニル共
重合体積層フィルムのエチレン−酢酸ビニル共重合体層
上に上記粘着剤層を転写してテ−プ剤を得た。
【0026】実施例10 スクワラン25部、デキサメサゾン0.1部、N−ラウ
ロイルサルコシン1部、ポリアクリル酸ナトリウム3
部、ポリアクリル酸40%水溶液3部、グリセリン20
部、水酸化アルミニウム、ポリソルベ−ト801部、カル
ボキシメチルセルロ−ス0.5部、アルギン酸ナトリウ
ム0.5部、メトキシエチレン−無水マレイン酸共重合
体5部および水40.9部をビ−カ−に供給し、全体が
均一に相溶するまで攪拌して、膏体を得た。得られた膏
体11gを、100mm×100mmの寸法のポリエステル
繊維100%からなる不織布上に均一に塗布してパップ
剤を得た。
【0027】以下、上記で得られた外用剤を使用して行
った試験例について述べる。なお、それぞれの試験にお
いては、5匹のラットを使用し、得られた結果はその平
均値である。
【0028】試験例1(III 型アレルギー反応に対する
作用) III 型アレルギー反応のモデルとして、ラット4時間異
種受身皮膚アナフィラキシ−(heterologousPCA)反
応を採用し、以下に示した手順で色素漏出抑制率を求
め、III 型アレルギー反応に対する本発明の外用剤の作
用の強さを評価した。この場合、抑制率が高いほど作用
が強く、アレルギ−性皮膚疾患に対する治療効果が高
い。
【0029】ウサギ抗オブアルブミン(ovalbumin )血
清の調製 江田らの方法(日本薬理学会誌、66巻、237頁、1
970年)に準じて以下の手法でウサギ抗オブアルブミ
ン血清を調製した。すなわち、生理的食塩水に溶解した
オブアルブミン(シグマ社製)2mg/ml 溶液とフロイン
ト完全アジュバント(ディフコ社製)との等量混合乳化
液を抗原液として、その0.5mlづつを雄性家兎(ニュ
ージーランドホワイト種)の左右臀筋内に1週間毎に4
回注射した。最終注射の7日後に頚動脈から採血し、血
清を分離採取してウサギ抗オブアルブミン血清を得た。
【0030】ラット4時間異種受身皮膚アナフィラキシ
−反応に対する外用剤の効果 上記で得られたウサギ抗オブアルブミン血清を生理的食
塩水で4倍に希釈し、それを体重200g前後の雄性ウ
イスター系ラットの背部皮内に0.05mlづつ2ケ所に
注射した。ついで、実施例1の軟膏0.1gを半径1cm
の円形ポリエチレンシート(厚み38μm)片に載せた
供試剤を、ラット皮膚の抗オブアルブミン血清注射部位
の一方の個所に軟膏が皮膚に接触するように適用した。
上記の試験のコントロールとして、上記供試剤の軟膏の
代わりに軟膏基剤0.1gのみを該シート片に載せた供
試剤を、抗オブアルブミン血清注射部位の他の個所に同
様に適用した。次に、抗オブアルブミン血清注射4時間
後に、オブアルブミン(抗原)2mg/ml を含む0.5W
/V%エバンスブルー(色素)生理的食塩水溶液を2.
5ml/kg ラットで静脈内投与して反応を惹起した。
【0031】上記皮内反応を惹起した部位の漏出色素を
原田らの方法(Japan Journal of Pharmacology 、23
巻、218頁、1971年)に従って抽出定量した。す
なわち、抗原注射の30分後に動物を屠殺し、抗オブア
ルブミン血清注射部位の皮膚を剥ぎ、それを直径2cmに
打抜き細切した。これを、0.3W/V%の硫酸ナトリ
ウム水溶液3容とアセトン7容の混合液10mlに48時
間浸漬して漏出色素を抽出し、620nmで比色定量し
た。この定量結果から、コントロールの漏出色素量
(A)と実施例1の軟膏を供試剤としたものの漏出色素
量(B)とから、次式により供試剤の色素漏出抑制率
(%)を求めた。 色素漏出抑制率(%)=(A−B)/A×100 次に、実施例1の軟膏の代わりに、実施例2〜6および
比較例1〜5の軟膏を用いて上記と同様にしてそれぞれ
の色素漏出抑制率を求めた。これらの測定結果を表2に
示した。
【0032】試験例2(IV型アレルギー反応に対する作
用) IV型アレルギー反応のモデルとして、ラット遅延型皮膚
過敏(DHT)反応を採用し、その結果表れた皮膚の紅
斑および腫張について、以下に示した手順で紅斑抑制率
および腫張抑制率を求め、IV型アレルギー反応に対する
本発明の作用の強さを評価した。この場合、抑制率が高
いほど作用が強く、アレルギ−性皮膚疾患に対する治療
効果が高い。
【0033】ラット遅延型皮膚過敏反応に対する外用剤
の効果 栗山らの方法(日本薬理学会誌、94巻、113頁、1
989年)に準じて次の手法で行った。すなわち、生理
的食塩水溶液1mlにBacillus Calmette-Guerin(BC
G)菌(日本BCG社製)を2.5mg懸濁した液を12
1℃、5分間加熱処理した後、9週齢のウイスター系ラ
ットの腹腔内に0.2ml注射した。BCG菌注射の7日
後に、生理的食塩水溶液1mlに精製ツベルクリン(日本
BCG社製)を200μg溶解した溶液の0.1mlずつ
を上記のラットの刈毛背部皮内の2ケ所に注射した。ま
た、刈毛背部皮内の他の1ケ所には、精製ツベルクリン
溶液を含まない生理的食塩水溶液のみを同様に注射し
た。ついで、実施例1の軟膏0.1gを半径1cmの円形
ポリエチレンシート(厚み38μm)片に載せた供試剤
を、ラット皮膚のツベルクリン血清注射部位の一方の個
所に軟膏が皮膚に接触するように適用した。上記の試験
のコントロールとして、上記供試剤の軟膏の代わりに軟
膏基剤0.1gのみを該シート片に載せた供試剤を、ツ
ベルクリン注射部位の他の一方の個所に同様に適用し
た。
【0034】次いで、上記ツベルクリン注射の24時間
後に生じた紅斑の直径を測定し、コントロールの軟膏基
剤のみを供試剤としたものの紅斑の直径(C)と実施例
1の軟膏を供試剤としたものの紅斑の直径(D)とか
ら、次式により供試剤の紅斑抑制率(%)を求めた。 紅斑抑制率(%)=(C−D)/C×100
【0035】その後、ラットを屠殺し、ツベルクリン注
射部位および生理的食塩水溶液のみの注射部位の皮膚を
剥ぎ、それを直径1.6cmにパンチで打抜きこの部分の
重量を測定した。このツベルクリン注射部位と生理的食
塩水溶液のみの注射部位のそれぞれの打抜き部分の重量
の差を求め、これを腫脹重量とした。コントロールの軟
膏基剤のみを供試剤としたものの腫脹重量(E)と実施
例1の軟膏を供試剤としたものの腫脹重量(F)とか
ら、次式により供試剤の腫脹抑制率(%)を求めた。 腫脹抑制率(%)=(E−F)/E×100 次に、実施例1の軟膏の代わりに、実施例2〜6および
比較例1〜5の軟膏を用いて同様にしてそれぞれの紅斑
抑制率および腫脹抑制率を求めた。これらの測定結果を
表2に示した。
【0036】試験例3(胸腺の重量変化による副作用の
影響) 上記試験例2に供したラット全例および試験に供しなか
った(無処置)ラットを屠殺後、胸腺を摘出し、その重
量を測定した。これらの結果を表2に示した。この場
合、無処置ラットのものとの比較で重量減少が少ないほ
ど副作用の軽減効果が高い。
【0037】
【表2】
【0038】
【発明の効果】本発明の炎症性皮膚疾患治療用外用剤の
構成は上述の通りであるから、炎症性皮膚疾患に対する
治療効果が高く、しかも副腎皮質ホルモンを主成分とす
る外用剤と比較して副作用が少ない。したがって、本発
明の外用剤は、アレルギ−性皮膚疾患をはじめとする各
種炎症性皮膚疾患に有効に使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 9/107 R 7329−4C 9/70 363 9165−4C 364 9165−4C 47/14 J 7433−4C 47/18 J 7433−4C

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スクワランと、N−アシルサルコシン
    (塩);および炭素数10〜18の高級脂肪酸と炭素数
    1〜20のアルコ−ルとの反応生成物である高級脂肪酸
    エステルからなる群より選ばれる一種以上の経皮吸収促
    進剤とを含有する炎症性皮膚疾患治療用外用剤であっ
    て、スクワランの含有量が前記外用剤中5〜50重量%
    であることを特徴とする炎症性皮膚疾患治療用外用剤。
JP33037892A 1992-12-10 1992-12-10 炎症性皮膚疾患治療用外用剤 Pending JPH06172165A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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