JPH08333240A - 粉末またはペレット状ワックスを用いる無溶媒腸溶性コーティング剤で被覆した腸溶性製剤 - Google Patents

粉末またはペレット状ワックスを用いる無溶媒腸溶性コーティング剤で被覆した腸溶性製剤

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JPH08333240A
JPH08333240A JP15976795A JP15976795A JPH08333240A JP H08333240 A JPH08333240 A JP H08333240A JP 15976795 A JP15976795 A JP 15976795A JP 15976795 A JP15976795 A JP 15976795A JP H08333240 A JPH08333240 A JP H08333240A
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JP
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enteric
coating
coated
wax
melting point
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Naoaki Maruyama
直亮 丸山
Hiroyasu Kokubo
宏恭 小久保
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 固形薬剤に、粉末又はペレット状のワックス
類を散布しつつその融点以上に加熱して微粉末状の腸溶
性コーティング剤を被覆した腸溶性製剤である。 【効果】 短時間で乾燥を必要としない無溶媒コーティ
ングにより耐酸性を有する腸溶性製剤が得られる。した
がって、溶媒の乾燥が不要でコーティング時間が短いた
め製造工程の短縮化を図ることができる。また、無溶媒
コーティングにより水および有機溶剤に対して不安定な
薬物に適用できる。さらに、水系腸溶性コーティングで
分散剤として汎用されている界面活性剤なども使用する
必要がないという利点を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、腸溶性製剤に関する。
さらに詳しくは、固形薬剤を粉末またはペレット状ワッ
クスを用いる無溶媒腸溶性コーティング剤で被覆した腸
溶性製剤に関する
【0002】
【従来の技術】腸溶性コーティングは、酸に弱い薬物を
胃酸から保護するあるいは、胃壁に対する刺激、傷害を
有する薬物から胃粘膜を保護する等の様々な目的で広く
利用されている。
【0003】腸溶性コーティング剤としては、セルロー
ス系では、セルロースアセテートフタレート(CA
P)、セルロースアセテートトリメリテート(CA
T)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート
(HPMCP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース
アセテートサクシネート(HPMCAS)、カルボキシ
メチルエチルセルロース(CMEC)が、ビニル系で
は、ポリビニルアルコールアセテートフタレート(PV
AP)が、アクリル系では、メタアクリル酸とアクリル
酸エチルの共重合体が使われている。
【0004】これらのコーティング剤は、ポリマーを有
機溶剤に溶解して用いるかまたは水性ラテックスあるい
は水分散液として、コーティングに用いることができ
る。何れの方法によっても、有機溶剤または水を溶媒と
して用いるため、これらのコーティング液のスプレーに
長時間を要し、また、溶媒の乾燥時間も必要であった。
薬物によっては、水あるいは有機溶剤との接触を嫌うた
め、溶剤を使用しない腸溶性コーティング方法の開発が
望まれていた。
【0005】ワックス類は、疎水性で水に溶解しない特
性を有することから、徐放性製剤の溶出のコントロール
に汎用されている。これらのワックス類と腸溶性コーテ
ィング剤との組み合わせは、例えば、特開昭第56−1
64114号では、高級脂肪酸またはその金属塩を含む
組成で湿式造粒した顆粒に従来公知の方法で腸溶コーテ
ィングする方法が、特開昭第62−33128号では、
インターフェロンの腸溶性製剤として、不飽和脂肪酸と
界面活性剤から水系でミセルを調製し、このものを凍結
乾燥し、顆粒等に成形した後、腸溶コーティングを施す
ことが、特開昭第59−20219号では、腸溶性製剤
のアンダーコーティングに高級脂肪酸を含む組成でコー
ティングすることが、特開昭第58−46019号で
は、ニフェジピンの徐放性製剤の徐放部のコーティング
に腸溶性コーティング剤と油脂類を共通の溶剤(エタノ
ール、ジクロロエタン等)に溶解してコーティングに用
いることが提案されている。
【発明が解決しようとする課題】
【0006】しかしながら、これらのコーティング方法
は何れもワックス類と腸溶コーティングを併用している
が、腸溶コーティング自体は溶剤を用いた従来公知の方
法であり、コーティングと乾燥に長時間を要する。
【0007】ワックス類をコーティングする方法として
は、例えば、特開平第1−287019号では、融点4
0℃以上の脂質性物質として、高級脂肪酸、高級アルコ
ール、高級脂肪酸エステル類などを融点以上加熱するか
有機溶剤に溶解して、コーティングパンあるいは遠心流
動型コーティング造粒装置を用いて、スプレーにより被
覆した後エチルセルロースあるいは腸溶性コーティング
を施す方法が、特開平第1−287021号では、粉末
またはペレット状の融点40〜90℃のワックス類を流
動層コーティング装置を用いてワックスの融点以上に加
熱し被覆する方法が、特開平第2−142735号で
は、機械的攪拌により融点40℃以上の脂質粉状体をコ
ーティングする方法が提案されているが、これらは徐放
性製剤または苦味のマスキングを目的とした製剤で、腸
溶性コーティング剤との組み合わせについては触れられ
ていない。
【0008】また、特開平第2−292229号では、
難溶性薬物と常温で固体の高級脂肪酸と腸溶性コーティ
ング剤と界面活性剤の混合物を加熱し、高級脂肪酸の溶
融下に練合して顆粒剤を製することで持続性製剤が得ら
れることが開示されているが、耐酸性のある腸溶性製剤
に関するものではない。特開昭第62−181214号
においても、融点30〜100℃の低融点物質として油
脂類、脂肪酸類、高級アルコール類があげられ、これら
の紛粒状の低融点物質を核としてそのまわりに薬物を溶
融により付着造粒させ、さらに攪拌転動下に得られた粒
子を加熱しタルク等を散布し被覆することで、徐放性粒
状物を製する方法が開示されており、この方法では、タ
ルクでの被覆に際して、10μm 以下に微粉砕した腸溶
性コーティング剤を併用することで、被膜の緻密化する
としているが、耐酸性のある腸溶性製剤に関するもので
はない。
【0009】本発明者らは、上記の点に鑑みて鋭意研究
した結果、粉末またはペレット状のワックス類を散布し
つつその融点以上に加熱して微粉末状の腸溶性コーティ
ング剤により被覆することで、短時間で乾燥を必要とし
ない無溶媒コーティングにより耐酸性を有する腸溶性製
剤が得られることを見い出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、固
形薬剤に、粉末またはペレット状のワックス類を散布し
つつ微粉末状の腸溶性コーティング剤を被覆した腸溶性
製剤を提供するものである。
【0011】また、本発明は、前記固形薬剤が、顆粒
剤、細粒剤または薬物原体である腸溶性製剤を提供する
ものである。
【0012】さらに、本発明は、前記粉末またはペレッ
ト状のワックス類が、常温で固体で融点40〜90℃以
下の粉末またはペレットであるである腸溶性製剤を提供
するものである。
【0013】また、本発明は、前記微粉末状の腸溶性コ
ーティング剤の粒子径が、10μm以下である腸溶性製
剤を提供するものである。
【0014】以下、本発明を詳述する。本発明による腸
溶性製剤は、固形薬剤に、常温で固体で粉末状のワック
ス類を散布しながらその融点以上に加熱して、微粉末状
の腸溶性コーティング基剤により被覆することを特徴と
するものである。粉末またはペレット状のワックス類の
粉末またはペレットの大きさは散布できる大きさであれ
ばよく特に限定されないが、粉末状であることが好まし
い。
【0015】本発明に用いるワックス類としては、疎水
性で微粉末状の腸溶性コーティング剤を融着させる性質
を有するものであれば特に限定されるものではない。例
えば、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、ワ
セリンなどの炭化水素類;みつろう、さらしみつろうな
どのみつろう類;セチルアルコール、ステアリルアルコ
ールなどの高級アルコール類;ステアリン酸などの高級
脂肪酸類;カルナウバロウ、ライスワックスなどの高級
脂肪酸エステル類;牛脂、豚脂、カカオ脂、牛脂硬化
油、硬化ヒマシ油、グリセリンモノステアレートなどの
グリセリン脂肪酸エステル類;この他、Lubri Wax-101
(水素添加植物油)、Polishing Wax-101(カルナウバ
ロウとパラフィンの混合物)、Precirol(グリセリン−
モノ、ジ、トリ混合パルミテート)、ソルビタンモノス
テアレート、アセチル化グリセリンモノステアレート、
ショ糖脂肪酸エステル類などが挙げられる。
【0016】これらのワックス類は、常温で固体でその
融点が40〜90℃以下であることが好ましい。融点が
この温度より低いと粉末状あるいはペレット状として散
布しにくく、この温度より高いと加熱溶融に特別な装置
を必要とするので好ましくない。
【0017】これらのワックス類は、1種または2種以
上の混合物として使用することができる。また、融点が
90℃以上のワックス類であっても、常温で液体または
低融点のワックス類と混合することで、混合物の融点を
40〜90℃に調製して本発明に利用できる。
【0018】上記のワックス類の内では、低融点の高級
アルコール類、高級脂肪酸類、グリセリン脂肪酸エステ
ル類が、腸溶性コーティング剤を融着させる性質に優れ
適している。
【0019】さらに、通常腸溶性コーティング等に使用
されている可塑剤、例えば、クエン酸トリエチル、トリ
アセチンなどを併用することは、造膜性を向上させると
ともにワックス類の実質上の融点を下げることになり有
用である。また、ポリエチレングリコールなどの水溶性
の多価アルコール類を併用することで徐放性製剤とする
こともできる。
【0020】本発明は、微粉末上の腸溶性コーティング
剤を散布して被覆するため、適用できる好ましい固形薬
剤は、顆粒剤、細粒剤または薬物原体などであり、これ
らは球形に近いものほど耐酸性を得るのに必要とする腸
溶性コーティング剤の量が少なくてよいので好ましい。
【0021】本発明に用いる腸溶性コーティング剤は、
好ましくは10μm 以下の微粉末であればよく、例え
ば、セルロース系ではセルロースアセテートフタレート
(CAP)、セルロースアセテートトリメリテート(C
AT)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレー
ト(HPMCP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
スアセテートサクシネート(HPMCAS)、カルボキ
シメチルエチルセルロース(CMEC)が、ビニル系で
はポリビニルアルコールアセテートフタレート(PVA
P)が、アクリル系ではメタアクリル酸とアクリル酸エ
チルの共重合体が使用できる。平均粒径が10μmを越
えるとコーティング剤が顆粒にうまく付着せずコーティ
ングできない場合がある。
【0022】これらのコーティング剤の内では、軟化温
度が低く造膜性に優れるヒドロキシプロピルメチルセル
ロースアセテートサクシネート(HPMCAS)が適し
ている。
【0023】また、腸溶性コーティング剤以外の高分子
の微粉末、例えば、エチルセルロース、アクリル系ポリ
マーを併用することで徐放性製剤とすることもできる。
【0024】本発明を実施するには、溶媒を用いないた
め多大な乾燥能力を必要とはせず、散布した微粉末状の
腸溶性コーティング剤の展延と融着のために、ある程度
の加熱と攪拌能力を有することが好ましく、例えば、遠
心流動コーティング装置、パンコーティング装置、流動
層コーティング装置などが挙げられる。これらのコーテ
ィング装置の中では、適度な攪拌能力を有する遠心流動
コーティング装置が適している。
【0025】腸溶性コーティング剤による被覆は、例え
ば、顆粒あるいは細粒状の固形薬剤を、前述したような
遠心流動コーティング装置で攪拌転動させながら、粉末
状あるいはペレット状のワックス類を散布し、その融点
以上に加熱して同時に10μm 以下の腸溶性コーティン
グ剤を散布し固形薬剤を被覆する。これらの一連の操作
は、数回に分けてそれぞれ組成を変化させて実施するこ
ともできる。さらに、ワックス類と腸溶性コーティング
剤を同時に添加することもできる。また、被覆時の顆粒
同士の粘着を防止する目的で、タルク、アエロジル(S
iO2)、ステアリン酸マグネシウム、コーンスターチ
などの散布を併用してもよい。
【0026】本発明におけるワックス類と腸溶性コーテ
ィング剤の重量比率、および、固形薬剤に対するコーテ
ィング量は、耐酸性を得る上で重要な因子であるが、適
用する薬物の水溶性、固形薬剤(顆粒剤等)中の薬物の
組成比などにより大きく変化するが、概ね、ワックス
類:腸溶性コーティング剤=2:8〜8:2の範囲にあ
り、これ以上ワックス類の組成比が高まると、日本薬局
方第2液(pH6.8)での崩壊性が失われ、これ以下
では腸溶性コーティング剤の融着が不十分となる。
【0027】コーティング量は固形薬剤に対する被覆し
た腸溶性コーティング剤の重量比で、概ね、10〜50
重量%の範囲にある。
【0028】なお、本発明では、腸溶性コーティング剤
を散布してコーティングするため、コーティング量が増
加してもその処理時間は著しく短い。
【0029】以上のようにして得られた本発明の腸溶性
製剤は、この後さらに他の高分子化合物により被覆して
もよい。また、これらのコーティングに通常製剤学的に
認められる薬物、添加剤{可塑剤、着色剤、顔料、粘着
防止剤(タルク)、油脂類等}を加えてもよい。
【0030】また、コーティング後キュアリング処理
(加熱処理)を行うことにより、コーティング膜が均一に
なり、さらに優れた腸溶性顆粒が得られる。キュアリン
グ温度は使用したワックスの融点以上であれば良い。
【0031】
【実施例】次に実施例により本発明を更に具体的に説明
するが本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。なお、実施例中の部数及び%は重量%である。
【0032】〔実験1:VB2含有顆粒の作製〕核顆粒
(ノンハ゜レル101 20〜24# フロイント産業(株)社製)200
0gを遠心流動コーティング装置(CF coater CF-360 フ
ロイント産業(株)社製)に仕込み、ヒドロキシプロピ
ルセルロース5%水溶液を噴霧しながら、VB275
g、コーンスターチ1175gを均一に混合した粉体を
散布して顆粒を作製した。この顆粒中のVB2の含有量
は2%であった。
【0033】〔実施例1〕実験1で作製したVB22%
含有顆粒200gを糖衣パンに仕込み、吸気温度80
℃、品温65℃で、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
スアセテートサクシネート(平均粒径5μm:AS−M
F 信越化学工業(株)製)60g、タルク90gを添
加し、顆粒と均一になるまで混合後、そこに粉末状セチ
ルアルコール(融点49〜53℃)60gを添加し、1
0min加熱混合することによりコーティングを行っ
た。収率は90%であった。処理時間は12minであ
った。このコーティング顆粒を日本薬局方12溶出試験
法に従い第1液での2時間後の溶出率を測定した結果、
その溶出率は2.0%であり優れた耐酸性を示した。ま
た、日本薬局方12崩壊試験法に従い、その顆粒の第2
液での崩壊時間を測定したところ8minであり、腸溶
性を示すことが判った。
【0034】〔実施例2〕実験1で作製したVB22%
含有顆粒300gを糖衣パンに仕込み、吸気温度80
℃、品温65℃で、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
スアセテートサクシネート(平均粒径5μm:AS−M
F 信越化学工業(株)製)90g、タルク90gを添
加し、顆粒と均一になるまで混合後、そこに粉末状ステ
アリルアルコール(融点53〜59℃)90gを添加
し、10min加熱混合することによりコーティングを
行った。収率は90%であった。処理時間は12min
であった。このコーティング顆粒を日本薬局方12溶出
試験法に従い第1液での2時間後の溶出率を測定した結
果、その溶出率は2.5%であり優れた耐酸性を示し
た。また、日本薬局方12崩壊試験法に従い、その顆粒
の第2液での崩壊時間を測定したところ12minであ
り、腸溶性を示すことが判った。
【0035】〔実施例3〕実験1で作製したVB22%
含有顆粒300gを糖衣パンに仕込み、吸気温度80
℃、品温65℃で、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
スフタレート(フロイント産業(株):HP−55UF
信越化学工業(株)製)90g、タルク90gを添加
し、顆粒と均一になるまで混合後、そこに粉末状グリセ
リンモノステアレート(融点52〜58℃)90gを添
加し、10min加熱混合することによりコーティング
を行った。収率は90%であった。処理時間は12mi
nであった。このコーティング顆粒を日本薬局方12溶
出試験法に従い第1液での2時間後の溶出率を測定した
結果、その溶出率は2.5%であり優れた耐酸性を示し
た。また、日本薬局方12崩壊試験法に従い、その顆粒
の第2液での崩壊時間を測定したところ10minであ
り、腸溶性を示すことが判った。
【0036】〔実施例4〕実験1で作製したVB22%
含有顆粒200gを糖衣パンに仕込み、吸気温度85
℃、品温70℃で、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
スアセテートサクシネート(平均粒径5μm:AS−M
F 信越化学工業(株)製)60g、タルク90gを添
加し、顆粒と均一になるまで混合後、そこにペレット状
蜜ロウ(融点60〜70℃)60gを添加し、10mi
n加熱混合することによりコーティングを行った。収率
は90%であった。処理時間は12minであった。こ
のコーティング顆粒を日本薬局方12溶出試験法に従い
第1液での2時間後の溶出率を測定した結果、その溶出
率は2.3%であり優れた耐酸性を示した。また、日本
薬局方12崩壊試験法に従い、その顆粒の第2液での崩
壊時間を測定したところ10minであり、腸溶性を示
すことが判った。
【0037】〔比較例1〕実験1で作製したVB2顆粒
へヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサク
シネート(AS−MF 信越化学工業(株)製)に下記
組成のコーティング液を用いて有機溶剤系コーティング
を実施した。VB2顆粒300gを流動層コーティング
装置(Multiplex MP-01 (株)パウレック社製)に仕込
み、吸気温度60℃、排気温度42℃、コーティング液
スプレー速度13g/minでヒドロキシプロピルメチ
ルセルロースアセテートサクシネート(AS−MF 信
越化学工業(株)製)の素顆粒に対するコーティング量
(30%)が実施例1と同一になるまでコーティングを実施
した。コーティング時間は115min要した。その
後、後乾燥として60℃、30min乾燥を実施した。
コーティング顆粒作製に要した合計時間は145min
であった。 [コーティング液組成] ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(AS−MF 信越化学工業(株)製) 6.00 % エタノール 75.20 水 18.80 合計 100.00
【0038】
【発明の効果】従来の腸溶コーティングは、腸溶性コー
ティング剤の有機溶剤溶液または水性ラテックスあるい
は水分散液により行われている。このため、スプレーに
長時間を要し、また、溶媒の乾燥時間も必要で、薬物に
よっては、水あるいは有機溶剤との接触を嫌うか、乾燥
時の加熱を嫌うなどの問題点を有していた。
【0039】本発明によれば、短時間で乾燥を必要とし
ない無溶媒コーティングにより耐酸性を有する腸溶性製
剤が得られる。したがって、溶媒の乾燥が不要(乾燥時
加熱無し)でコーティング時間が短いため製造工程の短
縮化を図ることができる。また、無溶媒コーティングに
より水および有機溶剤に対して不安定な薬物に適用でき
る。さらに、水系腸溶性コーティングで分散剤として汎
用されている界面活性剤なども使用する必要がないとい
う利点を有する。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固形薬剤に、粉末またはペレット状のワ
    ックス類を散布しつつその融点以上に加熱して微粉末状
    の腸溶性コーティング剤を被覆した腸溶性製剤。
  2. 【請求項2】 前記固形薬剤が、顆粒剤、細粒剤または
    薬物原体である請求項1記載の腸溶性製剤。
  3. 【請求項3】 前記粉末またはペレット状のワックス類
    が、常温で固体で融点40〜90℃以下の粉末またはペ
    レットである請求項1記載の腸溶性製剤。
  4. 【請求項4】 前記微粉末状の腸溶性コーティング剤の
    粒子径が、10μm以下である請求項1記載の腸溶性製
    剤。
JP15976795A 1995-06-02 1995-06-02 粉末またはペレット状ワックスを用いる無溶媒腸溶性コーティング剤で被覆した腸溶性製剤 Pending JPH08333240A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000018376A1 (en) * 1998-09-29 2000-04-06 Eastman Chemical Company Aqueous enteric coating composition with low gastric permeability
JP2015533164A (ja) * 2012-10-15 2015-11-19 ニュー ジャージー インスティチュート オブ テクノロジー 味マスクされた活性医薬粉末組成物およびその製造方法

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