JPH08331455A - キー信号生成装置およびキー信号生成方法、並びに画像合成装置 - Google Patents

キー信号生成装置およびキー信号生成方法、並びに画像合成装置

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JPH08331455A
JPH08331455A JP13376195A JP13376195A JPH08331455A JP H08331455 A JPH08331455 A JP H08331455A JP 13376195 A JP13376195 A JP 13376195A JP 13376195 A JP13376195 A JP 13376195A JP H08331455 A JPH08331455 A JP H08331455A
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琢 横山
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知生 光永
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 キー信号(ソフトキー)を容易に変更するこ
とができるようにする。 【構成】 キー信号αの曲面を、助変数をs,tとす
る、複数の3次のベジェ(Bezier)曲面Q(s,t)で
近似する。各ベジェ曲面は、4つの端点Q(0,0),
Q(1,0),Q(0,1),Q(1,1)それぞれの
位置を表す位置ベクトルPi0,Pi1,P(i+1)
0,P(i+1)1、およびそれぞれにおける速度ベク
トルVi0,Vi1,V(i+1)0,V(i+1)1
によって一意に決定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、キー信号生成装置およ
びキー信号生成方法、並びに画像合成装置に関する。特
に、キー信号を生成する対象とする対象物体の境界部分
に関する境界情報に基づいて、キー信号の曲面を決定す
る決定情報を算出し、キー信号の曲面を直接生成するこ
とにより、キー信号の変更を容易に行うことができるよ
うにしたキー信号生成装置およびキー信号生成方法、並
びに画像合成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、映画その他の映像制作におい
て、画像(映像)の各種シミュレーションを行ったり、
あるいは画像に特殊効果を与えたりする場合には、画像
から、注目する部分(物体)を抜き出したり、その抜き
出した部分を、他の画像に合成することが行われる。こ
のような画像からの抜き出し、合成は、キー信号を用い
て行われる。
【0003】キー信号には、ハードキーと呼ばれるもの
とソフトキーと呼ばれるものとがある。例えば、いま、
キー信号を生成するのに用いる画像のうち、注目する部
分を前景とするとともに、それ以外の部分を背景とする
場合、図20(a)に示すように、画像における前景の
範囲を1とするとともに、背景の範囲を0とした2値の
キー信号(マスク画像)が、ハードキーと呼ばれる。こ
れに対し、画像には、後述するエイリアスやモーション
ブラーが生じるが、これらを考慮して、0および1の2
値だけではなく、図20(b)に示すように、0乃至1
の範囲の連続した実数値をとることのできるキー信号
が、ソフトキーと呼ばれる。
【0004】従って、ハードキーは、急峻な境目を有す
る信号(キー信号αが0(または1)から1(または
0)に変わる境目の傾斜が急峻になっている信号)であ
り、またソフトキーは、滑らかな境目を有する信号(キ
ー信号αが0(または1)から1(または0)に変わる
境目の傾斜が滑らかな信号)ということができる。
【0005】ここで、図20に図示してあるα(アルフ
ァ値)は、キー信号の値を、画素単位で表すものであ
り、従って、αは、キー信号をLPF(ローパスフィル
タ)でフィルタリングしたものといえる。画像におい
て、前景と背景との境界部分の画素の画素値は、前景お
よび背景の信号成分どうしを重畳したものとなるが、こ
のことから、αは、各画素について、前景がどれだけ寄
与しているかを示す寄与率を表しているということがで
きる。なお、本明細書中では、キー信号およびαを、適
宜、区別せずに用いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前景および
背景のいずれも静止している場合において、その画像を
構成している画素の境目に、前景と背景との境界が位置
していることは稀で、通常は、図21(a)に示すよう
に、前景と背景との境界は、有限の大きさを有する画素
の内部に存在する。しかしながら、画素は、画像を構成
する最小単位であるから、上述のような前景と背景との
境界が存在する画素であっても、その画素は、図21
(b)に示すように、前景または背景のいずれか一方の
色(画素値)とされる。このため、前景と背景との境界
は、図21(c)に示すように、画素の境目に沿って引
かれ、このような画像全体を見た場合には、その前景と
背景との境界(画素の境目)部分に、不自然なちらつ
き、即ちエイリアスが生じる。
【0007】従って、そのキー信号を用いて画像合成を
行った結果得られる合成画像にも、エイリアスが生じ
る。
【0008】そこで、合成画像に生じるエイリアスを防
止する方法として、例えば特開昭60−232787号
公報や特開平4−340671号公報に開示されている
ものがある。特開昭60−232787号公報に開示さ
れている方法では、ハードキーを用いて、前景と背景と
の境界部分だけにLPFをかけ、その境界部分をぼかし
て、見た目に滑らかにするようになされている。この方
法においては、ハードキーが用いられるが、前景と背景
との境界部分にLPFをかけるので、0と1の他に、そ
の中間値をとることができる、いわば傾斜をつけたキー
信号、即ち、実質的には、ソフトキーを用いて、画像合
成が行われているということができる。
【0009】また、特開平4−340671号公報に開
示されている方法では、前景と背景との境界上の注目画
素を中心とするブロックを設定し、そのブロック内の前
景および背景を構成する画素パターンから、キー信号
(ソフトキー)を算出し、これを用いて、前景の抜き出
し、合成を行うことで、エイリアスを低減するようにな
されている。
【0010】しかしながら、以上の方法で用いられるソ
フトキーは、その傾斜(図20(b)において、αが0
から1(1から0)に変化している部分の傾斜)が一様
なものであり、また、前景と背景との境界の場所によっ
て異なるキー信号の制御を行っていないため、例えば前
景が動いている場合に生じるモーションブラーに対処す
ることが困難な課題があった。
【0011】ここで、モーションブラー(動きボケ)に
ついて、簡単に説明する。動画像は、画像(静止画像)
が、例えばフレーム単位などで連続して表示されること
で実現される。例えば、いま、画像の中を、左から右方
向へ動く円形状の物体があったとして、その物体の移動
速度に対し、フレーム周期が無限小とみなすことのでき
るほど短い時間であるとした場合には、その物体は、図
22(a)に示すように、各フレームにおいて円形状の
物体として表示される。しかしながら、円形状の物体の
移動速度に対し、フレーム周期が無限小とみなすことの
できるほど短い時間ではない場合、ある時刻t2におけ
るフレームの画像は、図22(b)に示すように、その
1つ前のフレームの時刻t1から、時刻t2までの物体
の動きを反映した画像となる。即ち、時刻t2における
フレームの画像の中の物体は、円形状のものではなく、
その動きの方向に薄く伸びた、輪郭のぼやけたものとな
る。このような現象がモーションブラーと呼ばれる。
【0012】なお、モーションブラーは、前景または背
景のいずれか一方だけが動いている場合の他、両者が独
立に動いている場合も生じるが、背景だけが動いている
場合および両者が独立に動いている場合は、背景を基準
とすれば、いずれも前景だけが動いている場合と同様に
考えることができる。また、モーションブラーが生じて
いる場合には、前景と背景との明確な境界は存在しな
い。
【0013】以上のようなモーションブラーを考慮した
キー信号を生成する方法としては、例えば特開平5−1
53493号公報や特開平5−236347号公報に開
示されているものがある。特開平5−153493号公
報に開示されている方法では、現在のフレームと、その
1つ前のフレームとを比較することにより、現在のフレ
ーム(またはその1つ前のフレーム)の前景を構成する
画素の画素値と、その画素の、1つ前のフレーム(また
は現在のフレーム)の画素値との変化量の所定の指定さ
れたブロック全体についての総和を求め、その総和値か
ら、傾斜をつけるソフトキーの領域(0<α<1の範囲
のαの領域)を決定するようになされている。しかしな
がら、この方法においては、ソフトキーが、上述した画
素値の変化量(変化の大きさ)に依存して求められるた
め、前景の動きの方向が考慮されておらず、その動きに
対応した、正確なソフトキーが得られるのかどうかが不
明であった。
【0014】一方、特開平5−236347号公報に開
示されている方法では、まずハードキーを生成し、前景
と背景との境界上の各点において、そのハードキーの側
面(図20(a)に示したα=1の部分を底面の1つと
する円柱の側面)を楕円錘で削り取ることで、直接にで
はなく、いわば間接的にソフトキーを生成するようにな
されており、この場合において、楕円錘の底面を構成す
る楕円の長軸および短軸は、注目している部分の動きベ
クトルとエッジ強度から決定されるようになされてい
る。しかしながら、この方法においても、エッジ強度の
方向の決定が不十分であり、やはり、前景の動きに対応
した、正確なソフトキーが得られるかどうかが不明であ
った。
【0015】さらに、上述した方法により求められたソ
フトキーは、いずれも、画像を構成する各画素に対応す
るαの集合と考えられるが、このようなαの集合でなる
ソフトキーは、その変更が容易でない課題があった。即
ち、上述の方法で得られたソフトキーによっては、所望
する画像が得られなかった場合には、ソフトキーを変更
する必要があるが、αの集合でなるソフトキーを変更す
るには、αを書き換える必要があり、この書き換えを画
素単位で行うのは容易ではなかった。
【0016】そこで、特開平5−153493号公報に
開示されている方法の場合には、例えば上述した総和値
を、また特開平5−236347号公報に開示されてい
る方法の場合には、上述した楕円錘の底面を構成する楕
円の長軸および短軸を変えることで、ソフトキーを再生
成し、その変更を行う方法が考えられるが、この場合、
その総和値あるいは長軸および短軸の変更がソフトキー
に与える影響は、直感的には分かりにくく、所望の変更
を容易に行うことができるかどうかが不明であった。
【0017】本発明は、このような状況に鑑みてなされ
たものであり、エイリアスおよびモーションブラーを考
慮した、変更容易なキー信号を得ることができるように
するものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明のキー信号生成装
置は、対象物体の境界部分に関する境界情報を算出する
境界情報算出手段と、境界情報算出手段より出力される
境界情報に基づいて、キー信号の曲面を決定する決定情
報を算出する決定情報算出手段と、決定情報算出手段よ
り出力される決定情報に基づいて、キー信号の曲面を生
成する曲面生成手段とを備えることを特徴とする。
【0019】このキー信号生成装置においては、境界情
報算出手段には、対象物体の境界と、その境界における
画像の画素値の変化を、境界情報として算出させ、決定
情報算出手段には、対象物体の境界の法線方向に、その
境界における画像の画素値の変化に対応した傾斜を有す
る面を生成するのに必要な決定情報を算出させることが
できる。決定情報算出手段には、対象物体の境界の曲率
を求めさせ、その曲率に基づいて、面の幅を決定する決
定情報を算出させることができる。また、このキー信号
生成装置は、曲面生成手段により曲面が生成されたキー
信号に対応するマスク画像を生成するマスク画像生成手
段をさらに備えることができる。さらに、曲面生成手段
により曲面が生成されたキー信号を表示する表示手段
と、表示手段に表示されたキー信号を変更するときに操
作される操作手段とをさらに備えることができ、この場
合、決定情報算出手段には、操作手段の操作に対応し
て、いま出力している決定情報を変更させることができ
る。
【0020】境界情報算出手段には、対象物体の境界上
の複数の境界点と、その境界点それぞれにおける画像の
画素値の変化を、境界情報として算出させ、決定情報算
出手段には、対象物体の境界の法線方向に、各境界点に
おける画像の画素値の変化に対応した傾斜を有する線分
を求めさせ、隣接する2つの線分どうしの間を補間する
面を決定する決定情報を算出させることができる。隣接
する2つの線分どうしを補間する面は、パラメトリック
な曲面とすることができる。また、隣接する2つの線分
どうしを補間する面は、ベジェ(Bezier)曲面とするこ
とができる。決定情報には、隣接する2つの線分それぞ
れの端点における速度ベクトルを含ませることができ
る。
【0021】本発明のキー信号生成方法は、対象物体の
境界部分に関する境界情報を算出し、境界情報に基づい
て、キー信号の曲面を決定する決定情報を算出し、決定
情報に基づいて、キー信号の曲面を生成することを特徴
とする。
【0022】本発明の画像合成装置は、対象物体の境界
部分に関する境界情報を算出する境界情報算出手段と、
境界情報算出手段より出力される境界情報に基づいて、
キー信号の曲面を決定する決定情報を算出する決定情報
算出手段と、決定情報算出手段より出力される決定情報
に基づいて、キー信号の曲面を生成する曲面生成手段
と、曲面生成手段により曲面の生成されたキー信号を用
いて、所定の画像と他の画像とを合成する合成手段とを
備えることを特徴とする。
【0023】
【作用】本発明のキー信号生成装置においては、境界情
報算出手段は、対象物体の境界部分に関する境界情報を
算出し、決定情報算出手段は、境界情報算出手段より出
力される境界情報に基づいて、キー信号の曲面を決定す
る決定情報を算出するようになされている。曲面生成手
段は、決定情報算出手段より出力される決定情報に基づ
いて、キー信号の曲面を生成するようになされている。
【0024】本発明のキー信号生成方法においては、対
象物体の境界部分に関する境界情報を算出し、境界情報
に基づいて、キー信号の曲面を決定する決定情報を算出
し、決定情報に基づいて、キー信号の曲面を生成するよ
うになされている。
【0025】本発明の画像合成装置においては、境界情
報算出手段は、対象物体の境界部分に関する境界情報を
算出し、決定情報算出手段は、境界情報算出手段より出
力される境界情報に基づいて、キー信号の曲面を決定す
る決定情報を算出するようになされている。曲面生成手
段は、決定情報算出手段より出力される決定情報に基づ
いて、キー信号の曲面を生成し、合成手段は、曲面生成
手段により曲面の生成されたキー信号を用いて、所定の
画像と他の画像とを合成するようになされている。
【0026】
【実施例】以下、図面を参照して、本発明の実施例につ
いて説明するが、その前段階の準備として、画像の画素
値の変化と、その画像からキー信号を生成する対象とす
る物体(対象物体)(以下、適宜、前景という)の境界
との関係について説明する。
【0027】なお、画像のうち、前景を除く部分は、背
景と呼ぶこととする。従って、画像は、前景と背景とか
ら構成される。また、画像の画素値の変化とは、例えば
2次元の画像の場合、その画像が、xy平面を構成する
とし、そのxy平面に垂直な軸(z軸)をとってxyz
空間を考え、そのz軸方向に、画像を構成する画素値に
対応する点をプロットしたときに、その点で構成される
面の傾き(各点における傾きが最も大きい方向(この方
向は、エッジ強度が最大となる方向に一致する)とその
傾き具合(傾きの大きさ))を意味し、以下、適宜、画
像の勾配という。
【0028】まず、[1]背景に対して前景が静止して
いる画像を考える。なお、ここでは、説明を簡単にする
ため、画像は1次元であるとする。
【0029】この場合、画像を構成する、位置xにある
画素の画素値をC(x)とすると、画素が無限小とみな
すことができるときには、前景の境界(この境界は、背
景の境界と考えることもできる)(前景と背景との境
界)の位置(前景から背景(あるいは背景から前景)に
変わる位置)で、画素値C(x)は、図1(a)に示す
ようにステップ状に変化する。従って、前景の境界での
画像の勾配は、図1(b)に示すように、インパルス状
に変化する。
【0030】理想的には上述の通りであるが、実際に
は、画素は有限の大きさを有し、このため、前述したよ
うなエイリアスが生じる。そこで、画像(全体あるいは
前景の境界部分)には、ローパスフィルタがかけられ、
エイリアスが低減(除去)される。これにより、前景の
境界付近の画素値C(x)は、図1(c)に示すように
滑らかに変化するようになる。さらに、これに伴い、前
景の境界での画像の勾配も、図1(d)に示すように、
同図(b)に示したインパルスをローパスフィルタでフ
ィルタリングしたように変化するようになる。
【0031】次に、[2]背景に対して前景が動いてい
る場合を考える。なお、ここでも、説明を簡単にするた
め、画像は1次元であるとする。
【0032】この場合、前景が、ほぼ等速運動している
とみなすことができる程度に、画像のフレーム周期が短
いものとし(この仮定は、通常成立する)、また、画素
が無限小とみなすことができるとすると、前景の境界付
近の画素値C(x)は、図2(a)に示すように、一定
(ほぼ一定)の割合で変化する。従って、前景の境界付
近での画像の勾配は、図2(b)に示すように、一定と
なる。
【0033】しかしながら、実際には、上述したよう
に、画素は有限の大きさを有するので、やはり、画像
(全体あるいは前景の境界部分)には、ローパスフィル
タがかけられ、これにより、前景の境界付近の画素値C
(x)は、図2(c)に示すようになる。同様に、前景
の境界付近での画像の勾配も、図2(d)に示すよう
に、滑らかに変化するようになる。
【0034】[1]および[2]のいずれの場合も、図
1(c)および図2(c)に示したように、前景の境界
部分(画像の勾配が変化している部分)の中心点Pにお
ける画像の勾配が、前景の境界(前景の境界と考えられ
る位置)における画像の勾配を、最も良く近似している
と考えることができる。そして、この場合、完全に、前
景または背景を構成する画素の位置におけるキー信号α
が、それぞれ1または0となるものとしたとき、点Pに
おけるキー信号αは、0.5となり、また、図1(d)
および図2(d)に示したように、点P、即ち前景の境
界(前景の境界と考えられる位置)は、画像の勾配が局
所的に大きい点となると推定することができる。
【0035】従って、2次元の画像を考えた場合、その
画像の勾配が局所的に大きくなる点を結び、閉曲線を描
くと、それは、図3に示すように、前景の境界(前景の
境界と考えられる線)となる。また、この閉曲線(以
下、適宜、境界線という)の法線方向は、その境界線と
法線との交点における画像の勾配の方向(最大傾斜の方
向)になる。
【0036】以上の画像の勾配とその前景の境界との関
係から、前景の境界上の点(画素)すべてについて、各
点の法線方向に、その点における画像の勾配の大きさに
対応した傾斜を有する線分を求めれば、その線分の集合
として表現される曲面は、エイリアスおよびモーション
ブラーを考慮したキー信号の曲面(図20(b)におい
て、0<α<1の部分を表す曲面)となる。しかしなが
ら、この曲面を表現する線分を、前景の境界上の点(画
素)すべてについて求めるのは、計算量の点から容易で
はない。
【0037】そこで、以下説明するキー信号生成装置で
は、前景の境界部分に関する境界情報として、前景の境
界、さらにはその境界上の幾つかの(複数の)点(境界
点)における画像の勾配を求め、前景の境界線の法線方
向に、各境界点における画像の勾配に対応した傾斜を有
する線分を求めて、隣接する2つの線分どうしの間を補
間する面(曲面)を決定するための決定情報を算出し、
その決定情報に基づいて、キー信号の曲面全体を、直接
生成するようになされている。
【0038】図4は、以上のようにしてキー信号を生成
するキー信号生成装置の一実施例の構成を示している。
境界情報算出部1には、キー信号を生成する対象とする
前景を含む画像が入力されるようになされている。境界
情報算出部1(境界情報算出手段)は、入力された画像
から、その前景の境界情報としての、例えば前景の境界
(前景の境界と考えられる閉曲線)およびその境界(閉
曲線)上の点における画像の勾配を算出し、制御情報算
出部2に出力するようになされている。
【0039】制御情報算出部2(決定情報算出手段)
は、境界情報算出部1から出力される境界情報に基づい
て、キー信号の曲面を決定する決定情報(制御情報)を
算出し、曲面生成部3に出力するようになされている。
曲面生成部3(曲面生成手段)は、制御情報算出部2よ
り出力される決定情報に基づいて、キー信号の曲面を生
成し、さらにその曲面を用いてキー信号を生成し、マス
ク画像生成部4および表示部5に出力するようになされ
ている。
【0040】マスク画像生成部4(マスク画像生成手
段)は、曲面生成部3からのキー信号に対応するマスク
画像(キー信号αの値に対応して、例えば輝度が変化す
る画像)を生成し、表示部5に出力するようになされて
いる。表示部5(表示手段)は、曲面生成部3からのキ
ー信号およびマスク画像生成部4からのマスク画像を表
示するようになされている。なお、本実施例では、マス
ク画像は、例えば2次元の画像として表示され、キー信
号は、例えば図20に示したような、いわば3D(3-Di
mension)の画像として表示されるようになされてい
る。
【0041】制御信号変更部6(操作手段)は、例えば
キーボードやマウスなどで構成され、表示部5に表示さ
れたキー信号、マスク画像を変更するときに操作される
ようになされている。なお、制御情報算出部2は、制御
信号変更部6が操作されると、その操作に対応して、い
ま出力している決定情報を変更するようになされてい
る。
【0042】次に、図5および図6のフローチャートを
参照して、その動作について説明する。なお、図6は、
図5のフローチャートに続くフローチャートである。
【0043】まず最初に、ステップS1では、境界情報
算出部1において、前景の境界が求められ、それが、所
定の数の所定の曲線で近似される。
【0044】即ち、ステップS1では、まず画像の勾配
が求められ、その勾配に基づいて、画像の前景の境界が
求められる。ここで、画像の勾配は、上述した定義か
ら、xyz空間における画像の画素値の1次微分に等し
い。この空間1次微分値は、例えば画素値とソーベルオ
ペレータなどとの畳み込みを行うことによって求められ
る。即ち、例えば画像のxまたはy方向それぞれについ
て、図7に示すソーベルオペレータfxまたはfyによ
る畳み込みを行うことにより、xまたはy方向の1次微
分値、即ち画像の勾配が得られる。
【0045】ステップS1では、画像の勾配が求められ
た後、その勾配が局所的に大きい点により構成される閉
曲線が、画像の前景の境界として求められる。そして、
前景の境界を近似する所定の数の所定の曲線として、例
えばI個のベジェ(Bezier)曲線Ci(t)が求められ
る(但し、i=1,2,・・・,Iで、tは0乃至1の
範囲の実数値をとる助変数)。
【0046】さらに、ステップS1では、前景の境界を
近似するI個のベジェ曲線Ci(t)それぞれの始点P
iが求められ、この始点Pi、ベジェ曲線Ci(t)
(I個のベジェ曲線Ci(t)とその始点Piの集合
が、前景の境界を表す)、および始点Piにおける画像
の勾配Eiが、境界情報として、制御情報算出部2に出
力される。
【0047】なお、上述の場合は、前景の境界を近似す
るI個のベジェ曲線Ci(t)を求めてから、その始点
Piを求めるようにしたが、これとは逆に、前景の境界
上にI個の点をとって、これをベジェ曲線の始点とし、
その後、隣接する2つの点の間の境界線を近似するI個
のベジェ曲線Ci(t)を求めるようにしても良い。
【0048】制御情報算出部2においては、ステップS
2乃至S9のループ処理が行われる。即ち、制御情報算
出部2では、まず最初に、ステップS2において、変数
iに、初期値としての1がセットされ、ステップS3,
S4に順次進み、始点Piについて、前景の境界の法線
方向に、その始点Piにおける画像の勾配に対応した傾
斜を有する線分が求められる。
【0049】ここで、画像が、xy平面を構成すると
し、そのxy平面に垂直な軸(α軸)をとってxyα空
間を考え、そのα軸方向に、画像を構成する各画素に対
応するキー信号αをプロットするものとすると、上述の
推定から、前景の境界は、図8(a)に示すように、α
=0.5の平面上に存在する。従って、始点Piも、こ
のα=0.5の平面上に存在し、ステップS3では、図
8(b)に示すように、このα=0.5の平面上に存在
する始点Piを通り、その始点Piにおける境界の法線
方向の直線であって、始点Piにおける画像の勾配Ei
に対応する傾斜を有する直線(図8(b)において点線
で示す直線)が求められる。
【0050】そして、ステップS4では、キー信号αが
それぞれ1または0となる2つの平面、即ちα=1,α
=0の平面が、適当な方法で定義され、図8(c)に示
すように、ステップS3で求められた直線を、α=1の
平面およびα=0の平面で打ち切った線分が求められ
る。さらに、このとき、ステップS4では、その線分の
端点、即ち、ステップS3で求められた直線と、α=1
の平面またはα=0の平面それぞれとの交点Pi1また
はPi0が求められる。
【0051】ここで、α=1,α=0の平面は、例えば
次のような方法で定義することができる。即ち、図9
(a)に示すように、始点Piにおける境界の法線方向
にある各位置の画素について、画像の勾配を求め、その
大きさが所定の閾値Kとなる点p1およびp2を求め
る。そして、この点p1乃至p2の範囲、即ち画像の勾
配が閾値Kより大きくなる範囲を、図9(b)に示すよ
うに、キー信号αが0<α<1の値をとる有効な範囲と
し、点p1またはp2におけるキー信号αを、それぞれ
0または1に設定する。点p1およびp2は、いずれも
始点Piにおける境界の法線方向の直線上の点であり、
従って、点p1またはp2それぞれを通り、xy平面に
垂直な2つの直線CL1またはCL2は、いずれもステ
ップS3で求められた直線と交わる。この2つの直線C
L1またはCL2それぞれと、ステップS3で求められ
た直線との交点を含み、xy平面と平行な平面が、それ
ぞれα=0の平面またはα=1の平面とされる。
【0052】なお、図9においては、点p1から点p2
への方向が背景から前景への方向であるとしている。
【0053】また、α=0の平面およびα=1の平面
は、ある点Piだけについて求め、その他の点について
は、点Piについての平面を用いることも考えられる
が、精度その他の観点から、α=0の平面およびα=1
の平面は、各点Piごとに求めるのが好ましい。
【0054】さらに、α=0の平面およびα=1の平面
を定義する方法は、上述したものに限定されるものでは
なく、α=0の平面およびα=1の平面は、キー信号α
が0<α<1の値をとる有効な範囲を決定することが可
能なその他の方法によって定義することが可能である。
【0055】以上のようにして、端点をPi0およびP
i1とする線分を求めた後、ステップS5乃至S7に順
次進み、ステップS3乃至S9のループ処理によって求
められる、I個の始点Piを通る、上述したような線分
のうちの、隣接する2つの線分どうしの間を補間する面
を決定する決定情報が算出される。
【0056】ここで、本実施例では、隣接する2つの線
分どうしの間を補間する面として、例えばパラメトリッ
クな面を採用する。パラメトリックな面としては、例え
ばベジェ曲面などがあり、いま、隣接する2つの線分ど
うしの間を補間する面として、例えば3次のベジェ曲面
を用いるものとすると、この3次のベジェ曲面Qは、2
つの助変数s,tを用いて、次のように表すことができ
る。
【0057】 Q=Q(s,t) ・・・(1) 但し、3次のベジェ曲面Qという場合は、助変数s,t
の最高次数がいずれも3次であり、従って、3次のベジ
ェ曲面Qは、最高次数が6次の多項式で表すことができ
る。また、s,tは、0乃至1の範囲の実数値をとる。
【0058】3次のベジェ曲面は、例えば図10に示す
ような曲面で、曲面の4端点(例えば、Q(0,0),
Q(0,1),Q(1,0),Q(1,1))を表す位
置ベクトルと、各端点における速度ベクトルとで決定
(制御)される。即ち、逆にいえば、4端点の位置ベク
トルおよび速度ベクトルが決まれば、ベジェ曲面は一意
に決定される。
【0059】図10において、助変数sを0または1に
固定して、助変数tを0乃至1に変化させた場合には、
端点Q(0,0)とQ(0,1)とを結ぶ曲線Q(0,
t)または端点Q(1,0)とQ(1,1)とを結ぶ曲
線Q(1,t)が、それぞれ描かれる。また、助変数t
を0または1に固定して、助変数sを0乃至1に変化さ
せた場合には、端点Q(0,0)とQ(1,0)とを結
ぶ曲線Q(s,0)または端点Q(0,1)とQ(1,
1)とを結ぶ曲線Q(s,1)が、それぞれ描かれる。
従って、助変数s,tを0乃至1の範囲で変化させた場
合には、4端点Q(0,0),Q(0,1),Q(1,
0),Q(1,1)とそれらを結ぶ曲線Q(0,t),
Q(1,t),Q(s,0),Q(s,1)とによって
囲まれる曲面Q(s,t)が描かれる。
【0060】境界情報算出部1から出力されたI個の始
点Piは、上述したxyα空間において、α=0.5の
平面上に存在するが、本実施例では、図11に示すよう
に、このうちのある点Piとそれに隣接する点P(i+
1)を通り、前景の境界の法線方向に、点Pi,P(i
+1)における画像の勾配に対応した傾斜を有する3次
のベジェ曲面を、ステップS3で求めた線分のうちの、
隣接する2つの線分どうしの間を補間する面として採用
する。
【0061】この場合、助変数sを、次式で示すよう
に、キー信号αと等しい値にとるものとする。
【0062】 s=α (2)
【0063】また、点PiまたはP(i+1)における
助変数tの値を、それぞれ0または1とすると、点Pi
またはP(i+1)それぞれは、式(1)および(2)
から、次のように表すことができる。
【0064】 Pi=Q(0.5,0) (3) P(i+1)=Q(0.5,1) (4)
【0065】さらに、この場合、ステップS3で求めら
れる、点PiまたはP(i+1)を通る線分を、それぞ
れLiまたはL(i+1)とすると、この線分Liまた
はL(i+1)は、次式で表すことができる。
【0066】 Li=Q(s,0) (5) L(i+1)=Q(s,1) (6)
【0067】線分LiまたはL(i+1)は、1次の変
数で表すことができる(いわゆるy=ax+bの形で表
すことができる)から、助変数sの最高次数は1次であ
り(s2およびs3の項における定数はいずれも0であ
り)、従って、本実施例で採用する3次のベジェ曲面Q
は、助変数sまたはtについての最高次数がそれぞれ1
次または3次の多項式、即ち最高次数が4次の多項式で
表すことができる。
【0068】いま、図11に示したように、線分Li
の、平面α=0またはα=1上における端点をそれぞれ
Pi0またはPi1とするとともに、線分L(i+1)
の、平面α=0またはα=1上における端点をそれぞれ
P(i+1)0またはP(i+1)1とし、これらの点
Pi0,Pi1,P(i+1)0,P(i+1)1を、
それぞれ次式で示すように定義する。
【0069】 Pi0=Q(0,0) (7) Pi1=Q(1,0) (8) P(i+1)0=Q(0,1) (9) P(i+1)1=Q(1,1) (10)
【0070】ここで、本実施例で採用する3次のベジェ
曲面Qは、上述したように、助変数sまたはtについて
の最高次数がそれぞれ1次または3次の多項式であるか
ら、助変数sについては、定数項および1次のsの項の
2つの項が存在し、また助変数tについては、定数項お
よび1乃至3次のtの項の4つの項が存在する。従っ
て、この場合、ベジェ曲面Qは、8(=2×4)つの項
でなる多項式で表されるから、8つの情報を与えること
により一意に決定される。即ち、例えば式(7)乃至
(10)に示した4つの端点Q(0,0),Q(0,
1),Q(1,0),Q(1,1)それぞれを表す位置
ベクトルPi0,Pi1,P(i+1)0,P(i+
1)1に加え、その4つの端点それぞれにおける、1つ
の速度ベクトル、即ち4つの速度ベクトルを与えること
によって、曲面(ベジェ曲面)Qを決定することができ
る。
【0071】そこで、本実施例では、曲面Qの端点Q
(0,0),Q(1,0),Q(0,1),Q(1,
1)それぞれにおける速度ベクトルVi0,Vi1,V
(i+1)0,V(i+1)1を以下のように定義し、
これらと、上述した位置ベクトルPi0,Pi1,P
(i+1)0,P(i+1)1によって、線分LiとL
(i+1)との間を補間する曲面Qを決定するものとす
る。
【0072】 Vi0=Dt{Q(0,t)}|t=0 (11) Vi1=Dt{Q(1,t)}|t=0 (12) V(i+1)0=Dt{Q(0,t)}|t=1 (13) V(i+1)1=Dt{Q(1,t)}|t=1 (14) 但し、式(11)乃至(14)において、Dt{}は、
{}内の関数を、助変数tによって微分することを表す
演算子であり、|t=0または|t=1は、|の左側の
演算子Dt{}による微分結果における助変数tに、そ
れぞれ0または1を代入することを表す。
【0073】助変数sを0または1に固定した場合の曲
面Q、即ち曲線Q(0,t)またはQ(1,t)は、式
(2)より、α=0またはα=1の平面上にそれぞれ存
在し、従って、式(11)乃至(14)で表される速度
ベクトルVi0およびV(i+1)0、またはVi1お
よびV(i+1)1は、図12に示すように、それぞれ
平面α=0またはα=1上に存在するベクトルとなる。
【0074】本実施例においては、4つの位置ベクトル
(端点)Pi0,Pi1,P(i+1)0,P(i+
1)1は、ステップS4において決定されるので、残り
の情報としての4つの速度ベクトルVi0,V(i+
1)0,Vi1,V(i+1)1によって、線分Liと
L(i+1)との間を補間する曲面Qを決定(制御)す
ることができる。
【0075】従って、速度ベクトルVi0,V(i+
1)0,Vi1,V(i+1)1をどのように制御する
かが問題となるが、ここでは、曲面Qの幅が大きく変動
しないように、速度ベクトルVi0,V(i+1)0,
Vi1,V(i+1)1を決定する。
【0076】即ち、いま、助変数sを0または1に固定
し、助変数tを0乃至1の範囲で変化させたときに得ら
れる軌跡(曲線)C0またはC1は、それぞれ次式で表
される。
【0077】 C0=Q(0,t) (15) C1=Q(1,t) (16) なお、曲線C0からC1への方向は、キー信号αが、0
から1に変化する方向となる。
【0078】いま、この曲線C0およびC1、並びに線
分LiおよびL(i+1)で囲まれる曲面Qを、図13
に示すように、xy平面上に射影したときに得られる領
域(像)q(図中、斜線を付してある部分)を考える
と、曲線C0に対応する像からC1に対応する像への方
向(あるいはその逆方向)への幅(この幅は、上述した
曲面Qの幅に相当する)(膨らみ)は、背景から前景に
(あるいは前景から背景に)、いわば移行していく部分
であり、従って、この領域qの幅が、図14(a)に示
すように、大きく振動していると、キー信号は、視覚的
に不自然なものとなる。
【0079】そこで、図14(b)に示すように、曲面
Qの幅、即ち領域qの幅が大きく変動しないように、速
度ベクトルVi0,V(i+1)0,Vi1,V(i+
1)1を決定する必要がある。これは、例えば前景の境
界の曲率(前景の境界上の点PiおよびP(i+1)の
曲率)を求め、その曲率に基づいて行うことができる。
【0080】即ち、いま、点Piまたは点P(i+1)
における速度ベクトルViまたはV(i+1)を、式
(11)乃至(14)における場合と同様に定義する
と、それぞれ次式で表される。
【0081】 Vi=Dt{Q(0.5,t)}|t=0 (17) V(i+1)=Dt{Q(0.5,t)}|t=1 (18)
【0082】速度ベクトルViまたはV(i+1)は、
平面α=0.5上に存在するベクトルであり、また、上
述したように、速度ベクトルVi0およびV(i+1)
0、またはVi1およびV(i+1)1は、それぞれ平
面α=0またはα=1上に存在するベクトルであるか
ら、これらはxy平面に射影しても変化しない。
【0083】そこで、図15に示すように、領域q、並
びに速度ベクトルVi,V(i+1),Vi0,V(i
+1)0,Vi1,V(i+1)1を、xy平面上に射
影したものを考える。
【0084】この場合、領域qの幅の振動を抑えるに
は、速度ベクトルVi0およびV(i+1)0の向き
が、速度ベクトルViの向きと一致するように、かつそ
の大きさが、速度ベクトルViの曲率の中心Oiからの
距離に比例して大きくなるようにするとともに、速度ベ
クトルV(i+1)0およびV(i+1)1の向きが、
速度ベクトルV(i+1)の向きと一致するように、か
つその大きさが、速度ベクトルV(i+1)の曲率の中
心O(i+1)からの距離に応じて大きくなるようにす
れば良い。
【0085】従って、いま、点Piでの曲率半径(曲率
の逆数)をRiとするとともに、xy平面上に射影した
点PiとPi0との距離または点PiとPi1との距離
を、それぞれDi0またはDi1とすると、速度ベクト
ルVi0,V(i+1)0は、次式にしたがって決定す
れば良い。
【0086】即ち、曲率の中心Oiが、前景側(点Pi
から見た場合には、点Pi1側)に存在する場合は、式 Vi0=(Ri+Di0)/Ri×Vi (19) Vi1=(Ri−Di1)/Ri×Vi (20) にしたがって、速度ベクトルVi0,V(i+1)0を
決定する。
【0087】また、曲率の中心Oiが、背景側(点Pi
から見た場合には、点Pi0側)に存在する場合(例え
ば、図15に示したような場合)は、式 Vi0=(Ri−Di0)/Ri×Vi (21) Vi1=(Ri+Di1)/Ri×Vi (22) にしたがって、速度ベクトルVi0,V(i+1)0を
決定する。
【0088】速度ベクトルV(i+1)0およびV(i
+1)1も、速度ベクトルV(i+1)に基づいて、同
様に決定する。
【0089】以上のようにして速度ベクトルVi0,V
(i+1)0,Vi1,V(i+1)1を決定すること
で、領域qの幅の振動を抑えることができる。
【0090】なお、本実施例においては、助変数sの最
高次数は1次であるから、曲面Qの、前景の境界の法線
方向における傾きは一定であり、従って、点Pi(点P
(i+1)についても同様)は、点Pi0とPi1との
中点(線分Liの中点)にあるので、Di0=Di1と
なる。ここで、以下では、Di0=Di1=Diとす
る。
【0091】図5に戻り、ステップS5では、点Piに
おける曲率半径Riが算出され、さらにこの点Piと、
ステップS4で求められた点Pi0とをxy平面上に射
影して得られる2点の間の距離(あるいは、点Piと、
ステップS4で求められた点Pi1とをxy平面上に射
影して得られる2点の間の距離)Diが算出される。そ
して、ステップS6に進み、点Piにおける速度ベクト
ルViが、式(17)にしたがって算出され、ステップ
S7に進む。
【0092】ステップS7においては、ステップS4で
求められた点Pi0またはPi1における速度ベクトル
Vi0またはVi1が、曲率の中心Oiの位置に基づい
て、式(19)または(20)、あるいは式(21)ま
たは(22)にしたがって算出される。
【0093】その後、ステップS8において、変数iが
1だけインクリメントされ、ステップS9に進み、変数
iがI以下であるか否かが判定される。ステップS9に
おいて、変数iがI以下であると判定された場合、即
ち、ステップS1で求められたI個の点Piすべてにつ
いて、ステップS3乃至S7の処理を、まだ行っていな
い場合、ステップS3に戻る。
【0094】一方、ステップS9において、変数iがI
以下でないと判定された場合、即ち、ステップS1で求
められたI個の点Piすべてについて、ステップS3乃
至S7の処理を行った場合、1乃至Iの各iについて、
線分LiとL(i+1)との間を補間する曲面Qを決定
する決定情報(制御情報)としての点Pi0,Pi1,
P(i+1)0、およびP(i+1)1、並びに速度ベ
クトルVi0,Vi1,V(i+1)0、およびV(i
+1)1が、制御情報算出部2から曲面生成部3に出力
される。
【0095】なお、i=Iについては、線分LIとL1
との間を補間する曲面Qを決定する決定情報(制御情
報)として、点PI0,PI1,P10、およびP1
1、並びに速度ベクトルVI0,VI1,V10、およ
びV11が出力される。
【0096】曲面生成部3では、各iについての点Pi
0,Pi1,P(i+1)0、およびP(i+1)1、
並びに速度ベクトルVi0,Vi1,V(i+1)0、
およびV(i+1)1から、線分LiとL(i+1)と
の間を補間する曲面Qが生成され、これらを、いわばつ
なぎ合わせることでキー信号の曲面(側面)が求められ
る。そして、この曲面に、α=1の平面(但し、点Pi
1(i=1,2,・・・,I)で囲まれる部分)と、α
=0の平面(但し、点Pi0(i=1,2,・・・,
I)で囲まれる部分を除く部分)とが付加され、これに
より境界情報算出部1に入力された画像に対応するキー
信号が生成される。このキー信号は、マスク画像生成部
4に供給され、そこでは、曲面生成部3からのキー信号
が、xy平面上の各画素に射影され、これにより、例え
ばキー信号αの値によって輝度の異なるマスク画像が生
成される。
【0097】即ち、制御情報算出部2で決定情報が算出
された後は、図6のステップS10に進み、以下、曲面
生成部3において、ステップS10乃至S20の処理が
行われ、さらに、マスク画像生成部4において、ステッ
プS21の処理が行われる。
【0098】ここで、図16乃至図18を参照して、ス
テップS10乃至S21の処理について説明する。
【0099】例えば、あるiについての点Pi0,Pi
1,P(i+1)0、およびP(i+1)1、並びに速
度ベクトルVi0,Vi1,V(i+1)0、およびV
(i+1)1から決定される曲面Qに、図16に示すよ
うに、α軸方向に曲面のねじれや歪などがあるとき、こ
れを、xy平面に射影すると、そのねじれや歪の部分が
射影されたxy平面上の画素には、複数の値のキー信号
が重ねて(このような重なりを、以下、適宜、干渉とい
う)割り当てられる。
【0100】そこで、干渉が生じる画素におけるキー信
号αをどのような値とするかが問題となるが、この値を
決定する方法として、例えば次のようなスーパサンプリ
ングによるものなどがある。
【0101】即ち、xy平面上における各画素を、それ
より細かい、例えば8×8の画素(この画素は、仮想的
なもので、以下、適宜、副画素(サブピクセル)とい
う)に分割し、この副画素単位に、キー信号を射影す
る。
【0102】具体的には、点Pi0,Pi1,P(i+
1)0、およびP(i+1)1、並びに速度ベクトルV
i0,Vi1,V(i+1)0、およびV(i+1)1
から決定される曲面Q上の任意の点は、助変数sまたは
tを変化させていくことで表すことができる。そして、
この場合、助変数sを固定して、助変数tを変化させた
ときには、曲面Q上の、点Pi0からP(i+1)0へ
の方向(点Pi1からP(i+1)1への方向)にある
点を表すことができ、また、助変数tを固定して、助変
数sを変化させたときには、曲面Q上の、点Pi0から
Pi1への方向(点P(i+1)0からP(i+1)1
への方向)にある点を表すことができる。
【0103】そこで、助変数sまたはtそれぞれを、細
かい刻み幅(上述したように、xy平面上の各画素を、
例えば8×8に分割することができるような幅)で変化
させていくことで、図17に示すように、曲面Qを格子
(メッシュ)状に分割し、各格子点をxy平面に射影し
た点を含む所定の範囲の部分を副画素(サブピクセル)
とする。そして、各格子点におけるキー信号の値を、x
y平面に射影して、これを各副画素に割り当てる。
【0104】この場合、干渉が生じることによって、1
つの副画素に、複数のキー信号αが割り当てられること
があるが、このような場合には、適当な方法、即ち、例
えば複数のキー信号αのうちの最小値を優先的に割り当
てることによって、1つの副画素に、1つのキー信号α
を割り当てる。これにより、干渉を回避することができ
る。
【0105】なお、干渉が生じる場合に、複数のキー信
号αのうちの最小値を優先的に割り当てるようにしたの
は、例えばそのうちの最大値を優先的に割り当てるよう
にすると、極端なときには、1が優先的に割り当てられ
ることになり、値の小さなキー信号が考慮されないこと
になるからである。
【0106】副画素単位でのキー信号の割り当てが終了
した後は、図18に示すように、各画素内に存在する副
画素に割り当てられたキー信号を、ローパスフィルタで
フィルタリングすることにより(時領域で考えた場合に
は、キー信号とローパスフィルタとを畳み込むことによ
り)、画素単位にキー信号が割り当てられたマスク画像
を得ることができる(以上のように、副画素単位に、キ
ー信号を射影してフィルタリングすることを、本実施例
中では、スーパサンプリングと呼んでいる)。
【0107】図6のステップS10乃至S21では、以
上のような処理が行われる。即ち、ステップS10で
は、変数jに、初期値としての1がセットされ、ステッ
プS11に進み、xy平面上の画像が、M×N個の副画
素W(m,n)に分割される。但し、MまたはNは、x
y平面上の画像を構成する横または縦方向それぞれの画
素の数より大きい整数であり、mまたはnは、1乃至M
または1乃至Nの範囲の整数値をそれぞれとる。
【0108】さらに、ステップS11では、副画素W
(m,n)に割り当てるキー信号αを記憶する変数を、
w(m,n)とするとき、この変数w(m,n)が、そ
こに初期値としての0がセットされることにより初期化
され、ステップS12に進み、点Pj0,Pj1,P
(j+1)0、およびP(j+1)1、並びに速度ベク
トルVj0,Vj1,V(j+1)0、およびV(j+
1)1から、線分LjとL(j+1)との間を補間する
曲面Qが算出され、ステップS13に進む。
【0109】ステップS13では、助変数sまたはtそ
れぞれを変化させる、上述した細かい刻み幅δsまたは
δtが決定され、ステップS14に進み、変数sまたは
tに、初期値としてのδsまたはδtがそれぞれセット
される。
【0110】そして、ステップS15に進み、点(格子
点)Q(s,t)を、xy平面へ射影して得られる点
(以下、適宜、射影点という)Mj(x,y)が算出さ
れ、ステップS16に進む。ステップS16では、射影
点Mj(x,y)を含む副画素W(m,n)が求めら
れ、ステップS17に進み、変数w(m,n)が0に等
しいか否かと、変数w(m,n)が変数s以上であるか
否かとが判定される。
【0111】ステップS17において、変数w(m,
n)が0に等しいと判定されるか、または変数w(m,
n)が変数s以上であると判定された場合、変数w
(m,n)に変数s(変数(助変数)sは、式(2)に
示したように、キー信号αに等しい)がセットされ、ス
テップS18に進む。即ち、変数w(m,n)に、副画
素W(m,n)に割り当てられたキー信号sが、まだセ
ットされていない場合、および変数w(m,n)に、既
にキー信号がセットされているが、副画素W(m,n)
に干渉が生じており、セットされているキー信号より値
の小さなキー信号sが存在する場合、変数w(m,n)
に、変数sがセットされる。
【0112】また、ステップS17において、変数w
(m,n)が0に等しくないと判定され、かつ変数w
(m,n)が変数s以上でないと判定された場合、ステ
ップS18に進み、変数s,tが、ステップS13で決
定された所定の刻み幅δs,δtだけインクリメントさ
れ、ステップS19に進む。
【0113】なお、ステップS18における変数s,t
のインクリメントは、例えば変数sを固定して、変数t
のみがインクリメントされ、ステップS15乃至S19
の処理を繰り返すことにより、変数tが1に等しくなっ
たときには、変数tがδtに初期化されるとともに、変
数sのインクリメントが行われ、再び変数sを固定し
て、変数tのみがインクリメントされることが、変数
s,tがともに1に等しくなるまで行われる。但し、変
数s,tのインクリメントは、上述した方法の他、刻み
幅δs,δt単位でとることのできる変数s,tの組み
合わせすべてを網羅することができるような方法で行う
ことが可能である。
【0114】ステップS19では、変数s,tのうちの
いずれか一方が1以下であるか否かが判定される。ステ
ップS19において、変数s,tのうちのいずれか一方
が1以下であると判定された場合、ステップS15に戻
り、ステップS19で変数s,tがいずれも1以下でな
いと判定されるまで、ステップS15乃至S19の処理
を繰り返す。
【0115】ステップS19において、変数s,tがい
ずれも1以下でないと判定された場合、ステップS20
に進み、変数jが、図5のステップS1で求められた前
景の境界上の点Piの総数I以下であるか否かが判定さ
れる。ステップS20において、変数jがI以下である
と判定された場合、ステップS12に戻る。また、ステ
ップS20において、変数jがI以下でないと判定され
た場合、ステップS21に進み、変数w(m,n)にロ
ーパスフィルタがかけられ、これにより、画素単位にキ
ー信号が割り当てられたマスク画像が算出され、処理を
終了する。
【0116】マスク画像生成部4で求められたマスク画
像は、表示部5に出力されて表示される。また、必要に
応じて、曲面生成部3で求められたキー信号も表示部5
に出力されて表示される。この場合、表示部5には、マ
スク画像またはキー信号とともに、各曲面Qを決定する
決定情報としての速度ベクトルVi0,Vi1,V(i
+1)0、およびV(i+1)1が、各曲面Qの4端点
に表示される。装置の操作者としての、例えば編集者
(映像の編集者)は、この表示部5に表示されたマスク
画像またはキー信号を見て、生成されたキー信号を所望
するものに変更する。
【0117】即ち、編集者は、表示部5に表示されたマ
スク画像またはキー信号が所望するものでない場合に
は、同じく表示部5に表示された速度ベクトルVi0,
Vi1,V(i+1)0,V(i+1)1を変えること
で、表示部5に表示されたマスク画像またはキー信号を
所望するものに変更する。
【0118】速度ベクトルVi0,Vi1,V(i+
1)0,V(i+1)1は、制御信号変更部6を操作す
ることで、その向きおよび大きさ変えることができ、即
ち、制御情報算出部2では、制御信号変更部6の操作に
応じて、速度ベクトルVi0,Vi1,V(i+1)
0,V(i+1)1が変更され、曲面生成部3では、そ
の変更後の速度ベクトルVi0,Vi1,V(i+1)
0,V(i+1)1に基づいて、曲面が生成される。こ
れにより、制御信号変更部6の操作に応じて変更された
マスク画像またはキー信号が、表示部5に表示される。
【0119】そして、編集者は、表示部5に表示された
マスク画像またはキー信号が所望するものとなった場合
には、そのキー信号を用いて、画像合成などの画像処理
を行う。
【0120】速度ベクトルVi0,Vi1,V(i+
1)0,V(i+1)1の大きさの変更は、図13に示
した曲線C0,C1の曲がり具合に反映され、またその
向きの変更は、曲線C0,C1の曲がる方向に反映され
るので、速度ベクトルVi0,Vi1,V(i+1)
0,V(i+1)1の変更がキー信号に与える影響が、
直感的に分かりやすく、従って、編集者は、所望するキ
ー信号への変更を容易に行うことができる。
【0121】さらに、以上のようにして求めたキー信号
を保持しておくには、位置ベクトルPi0,Pi1,P
(i+1)0、およびP(i+1)1、並びに速度ベク
トルVi0,Vi1,V(i+1)0、およびV(i+
1)1だけを記憶しておくだけで良いので、例えば画素
単位でキー信号を記憶しておく場合に比較して、記憶容
量が少なくて済む。
【0122】また、位置ベクトルPi0,Pi1,P
(i+1)0、およびP(i+1)1、並びに速度ベク
トルVi0,Vi1,V(i+1)0、およびV(i+
1)1で決定される曲面は、前景の境界上の点Piの法
線方向に、その点Piにおける画像の勾配の大きさに対
応した傾斜を有するので、この曲面の集合で形成される
キー信号は、エイリアスの影響を低減し、かつモーショ
ンブラーの影響を正確に反映したものとなる。
【0123】さらに、本実施例では、キー信号を構成す
る曲面Qが、位置ベクトルPi0,Pi1,P(i+
1)0、およびP(i+1)1、並びに速度ベクトルV
i0,Vi1,V(i+1)0、およびV(i+1)1
で決定されるので、例えば時間的に連続するフレームF
1,F2,F3があった場合、フレームF1またはF3
についてのキー信号α1またはα3を求めておいたとき
には、フレームF2についてのキー信号α2に対応する
位置ベクトル、速度ベクトルとしては、キー信号α1ま
たはα3それぞれを構成する曲面を決定する位置ベクト
ル、速度ベクトルの平均値を採用することができる。即
ち、フレームF2についてのキー信号α2に対応する位
置ベクトル、速度ベクトルは、いわばベクトルの内挿を
行うようにして求めることができる。以上のようにして
求めたフレームF2についてのキー信号α2に対応する
位置ベクトル、速度ベクトルは、実際に、図5および図
6に示した処理を行った結果得られる値を、比較的精度
良く近似する。
【0124】次に、図19は、本発明を適用した画像合
成装置の一実施例の構成を示している。この画像合成装
置は、キー信号生成装置11およびミキサ12で構成さ
れている。キー信号生成装置11は、図4のキー信号生
成装置と同様に構成されており、上述したようにしてキ
ー信号αを生成し、ミキサ12に出力するようになされ
ている。ミキサ12(合成手段)は、キー信号生成装置
11からのキー信号を用いて、そこに入力される画像T
1とT2とを合成するようになされている。
【0125】次に、その動作について説明する。なお、
ここでは、キー信号を生成する対象とする画像を、前景
または背景をそれぞれFまたはBとする画像T1とし、
キー信号生成装置11では、前景Fを抜き出すためのキ
ー信号αが生成されるものとする。また、ミキサ12で
は、画像T2に、前景Fが合成されるものとする。
【0126】キー信号を生成する対象の画像T1は、キ
ー信号生成装置11およびミキサ12に入力され、前景
Fを合成する画像T2は、ミキサ12に入力される。キ
ー信号生成装置11では、上述したようにしてキー信号
αが生成され、ミキサ12に出力される。ミキサ12で
は、キー信号αを用いて、そこに入力される画像T1か
ら前景Fが抜き出され、さらにその前景Fが、画像T2
に合成される。
【0127】即ち、例えばミキサ12では、まず画像T
1から、キー信号αを用いて前景Fが抜き出される。具
体的には、例えば画像T1を構成する各位置pの画素の
画素値に対し、キー信号α(p)(α(p)は、位置p
におけるキー信号の値)が乗算されることにより、前景
Fが求められる。但し、画素値が、例えば色相、彩度、
および明度の3成分を有するとした場合には、0<α<
1の範囲のキー信号αは、そのうちの明度にのみ乗算さ
れる(値が0,1のキー信号αは、3成分すべてに乗算
される)。
【0128】同時に、ミキサ12においては、画像T2
から、前景Fを合成する部分が取り除かれる。具体的に
は、例えば画像T2を構成する各位置pの画素の画素値
に対し、1−αが乗算される。そして、これに、上述し
たようにして抜き出された前景Fが重畳され、これによ
り合成画像T3が生成される。
【0129】即ち、いま、画像T1またはT2を構成す
る各位値pの画素の画素値を、それぞれP(p)または
Q(p)と表すとすると、ミキサ12では、式α(p)
P(p)+(1−α)Q(p)にしたがって、前景F
を、画像T2に合成した画像T3が求められる。
【0130】キー信号生成装置11から出力されるキー
信号は、上述したように変更容易なものであるため、こ
れを用いて画像の合成を行った場合には、所望する合成
画像を容易に得ることができる。
【0131】なお、ミキサ12における画像の合成方法
は、上述した方法に限定されるものではない。
【0132】また、本実施例では、助変数sの最高次数
を1次とするようにしたが、助変数sの最高次数は2次
としたり、また助変数tと同様に3次とすることも可能
である。
【0133】さらに、本実施例では、前景の境界を3次
のベジェ曲線で近似するようにしたが、前景の境界を近
似するベジェ曲線の次数は3次以外であっても良いし、
またベジェ曲線以外の曲線によって、前景の境界を近似
するようにすることも可能である。
【0134】また、本実施例においては、キー信号の曲
面を、3次のベジェ曲面によって表現するようにした
が、ベジェ曲面の次数は3次に限定されるものではな
い。さらに、キー信号の曲面は、位置ベクトルおよび速
度ベクトルに相当する決定情報(制御情報)により決定
される、ベジェ曲面以外のパラメトリックな曲面や、パ
ラメトリックでない曲面などによって表現することも可
能である。
【0135】また、本実施例では、速度ベクトルを変え
ることで、キー信号の変更を行うようにしたが、この
他、例えば位置ベクトルを変えることによって、キー信
号の変更を行うようにすることも可能である。
【0136】さらに、本実施例においては、速度ベクト
ルおよび位置ベクトルによって決定される曲面の傾き
は、点Piにおける画像の勾配によって決まるようにし
たので、この曲面の傾きを変えることによって、キー信
号の変更を行うようにすることも可能である。
【0137】また、本実施例では、1つの副画素に複数
のキー信号αが割り当てられた場合に、干渉を回避する
ため、そのうちの最小値を優先的に用いるようにした
が、その他の制御(手法)によって干渉を回避するよう
にすることも可能である。
【0138】
【発明の効果】本発明のキー信号生成装置およびキー信
号生成方法によれば、対象物体の境界部分に関する境界
情報が算出され、その境界情報に基づいて、キー信号の
曲面を決定する決定情報が算出される。そして、その決
定情報に基づいて、キー信号の曲面が生成される。従っ
て、決定情報を変えることで、キー信号の変更を容易に
行うことが可能となる。
【0139】本発明の画像合成装置によれば、対象物体
の境界部分に関する境界情報が算出され、その境界情報
に基づいて、キー信号の曲面を決定する決定情報が算出
される。そして、その決定情報に基づいて、キー信号の
曲面が生成され、そのキー信号を用いて、所定の画像と
他の画像とが合成される。従って、所望する合成画像を
容易に得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】背景に対して前景が静止している画像の画素値
とその変化との関係を示す図である。
【図2】背景に対して前景が動いている画像の画素値と
その変化との関係を示す図である。
【図3】画像の勾配と、その画像を構成する前景の境界
との関係を示す図である。
【図4】本発明を適用したキー信号生成装置の一実施例
の構成を示すブロック図である。
【図5】図4のキー信号生成装置の動作を説明するフロ
ーチャートである。
【図6】図5のフローチャートに続くフローチャートで
ある。
【図7】ソーベルオペレータを示す図である。
【図8】図5のステップS3およびS4の処理を説明す
るための図である。
【図9】α=1の平面およびα=0の平面を定義する方
法を説明するための図である。
【図10】3次のベジェ曲面を示す図である。
【図11】キー信号の曲面を表現する曲面として採用す
る3次のベジェ曲面を示す図である。
【図12】速度ベクトルVi0およびV(i+1)0、
またはVi1およびV(i+1)1それぞれが平面α=
0、またはα=1上に存在することを示す図である。
【図13】ベジェ曲面Qを、xy平面上に射影した状態
を示す図である。
【図14】ベジェ曲面Qをxy平面上に射影して得られ
る領域qの幅(膨らみ)の振動を説明するための図であ
る。
【図15】ベジェ曲面Qをxy平面上に射影して得られ
る領域qの幅(膨らみ)の振動を防止する方法を説明す
るための図である。
【図16】干渉を説明するための図である。
【図17】ベジェ曲面Qを格子状に分割した状態を示す
図である。
【図18】図6のステップS21の処理を説明するため
の図である。
【図19】本発明を適用した画像合成装置の一実施例の
構成を示すブロック図である。
【図20】ハードキーおよびソフトキーを説明するため
の図である。
【図21】エイリアスを説明するための図である。
【図22】モーションブラーを説明するための図であ
る。
【符号の説明】
1 境界情報算出部 2 制御情報算出部 3 曲面生成部 4 マスク画像生成部 5 表示部 6 制御信号変更部 11 キー信号生成装置 12 ミキサ

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像から対象物体のキー信号を生成する
    キー信号生成装置であって、 前記対象物体の境界部分に関する境界情報を算出する境
    界情報算出手段と、 前記境界情報算出手段より出力される前記境界情報に基
    づいて、前記キー信号の曲面を決定する決定情報を算出
    する決定情報算出手段と、 前記決定情報算出手段より出力される前記決定情報に基
    づいて、前記キー信号の曲面を生成する曲面生成手段と
    を備えることを特徴とするキー信号生成装置。
  2. 【請求項2】 前記境界情報算出手段は、前記対象物体
    の境界と、その境界における前記画像の画素値の変化
    を、前記境界情報として算出し、 前記決定情報算出手段は、前記対象物体の境界の法線方
    向に、その境界における前記画像の画素値の変化に対応
    した傾斜を有する面を生成するのに必要な前記決定情報
    を算出することを特徴とする請求項1に記載のキー信号
    生成装置。
  3. 【請求項3】 前記決定情報算出手段は、前記対象物体
    の境界の曲率を求め、その曲率に基づいて、前記面の幅
    を決定する前記決定情報を算出することを特徴とする請
    求項2に記載のキー信号生成装置。
  4. 【請求項4】 前記曲面生成手段により前記曲面が生成
    された前記キー信号に対応するマスク画像を生成するマ
    スク画像生成手段をさらに備えることを特徴とする請求
    項1に記載のキー信号生成装置。
  5. 【請求項5】 前記曲面生成手段により前記曲面が生成
    された前記キー信号を表示する表示手段と、 前記表示手段に表示された前記キー信号を変更するとき
    に操作される操作手段とをさらに備え、 決定情報算出手段は、前記操作手段の操作に対応して、
    いま出力している前記決定情報を変更することを特徴と
    する請求項1に記載のキー信号生成装置。
  6. 【請求項6】 前記境界情報算出手段は、前記対象物体
    の境界上の複数の境界点と、その境界点それぞれにおけ
    る前記画像の画素値の変化を、前記境界情報として算出
    し、 前記決定情報算出手段は、前記対象物体の境界の法線方
    向に、各境界点における前記画像の画素値の変化に対応
    した傾斜を有する線分を求め、隣接する2つの前記線分
    どうしの間を補間する面を決定する前記決定情報を算出
    することを特徴とする請求項1に記載のキー信号生成装
    置。
  7. 【請求項7】 隣接する2つの前記線分どうしを補間す
    る面は、パラメトリックな曲面であることを特徴とする
    請求項6に記載のキー信号生成装置。
  8. 【請求項8】 隣接する2つの前記線分どうしを補間す
    る面は、ベジェ(Bezier)曲面であることを特徴とする
    請求項7に記載のキー信号生成装置。
  9. 【請求項9】 前記決定情報は、隣接する2つの前記線
    分それぞれの端点における速度ベクトルを少なくとも含
    むことを特徴とする請求項8に記載のキー信号生成装
    置。
  10. 【請求項10】 画像から対象物体のキー信号を生成す
    るキー信号生成方法であって、 前記対象物体の境界部分に関する境界情報を算出し、 前記境界情報に基づいて、前記キー信号の曲面を決定す
    る決定情報を算出し、 前記決定情報に基づいて、前記キー信号の曲面を生成す
    ることを特徴とするキー信号生成方法。
  11. 【請求項11】 所定の画像から対象物体のキー信号を
    生成し、そのキー信号を用いて画像どうしを合成する画
    像合成装置であって、 前記対象物体の境界部分に関する境界情報を算出する境
    界情報算出手段と、 前記境界情報算出手段より出力される前記境界情報に基
    づいて、前記キー信号の曲面を決定する決定情報を算出
    する決定情報算出手段と、 前記決定情報算出手段より出力される前記決定情報に基
    づいて、前記キー信号の曲面を生成する曲面生成手段
    と、 前記曲面生成手段により前記曲面の生成された前記キー
    信号を用いて、前記所定の画像と他の画像とを合成する
    合成手段とを備えることを特徴とする画像合成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH11331700A (ja) * 1998-05-15 1999-11-30 Sony Corp 画像処理装置および画像処理方法
JP2002190028A (ja) * 2000-12-21 2002-07-05 Sony Corp 信号処理装置および方法、並びに記録媒体
JP2011188359A (ja) * 2010-03-10 2011-09-22 Panasonic Corp 画像処理システム

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