JP2004240910A - 画像処理装置および画像処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】得られる画像の画質を維持しつつ、低い演算コストで被写界深度処理を実現する画像処理装置および画像処理方法を提供することを目的とする。
【解決手段】ピクセル描画処理前段装置4が、ポリゴンの頂点情報をもとにラスタ化処理を行う。その後、求められたピクセルの奥行き情報をもとに、相対位置演算装置5が、ピクセルの奥行き情報と焦点位置との差(ΔZ値)を求める。次に、このΔZ値にもとづいて、位置拡散処理装置6が、ΔZ値の大小に対応した範囲でピクセル位置情報の変更を行う。そして、ピクセル描画処理後段装置8が、この位置情報が変更されたピクセルの画素情報を用いて陰面消去を行う。
【選択図】 図1
【解決手段】ピクセル描画処理前段装置4が、ポリゴンの頂点情報をもとにラスタ化処理を行う。その後、求められたピクセルの奥行き情報をもとに、相対位置演算装置5が、ピクセルの奥行き情報と焦点位置との差(ΔZ値)を求める。次に、このΔZ値にもとづいて、位置拡散処理装置6が、ΔZ値の大小に対応した範囲でピクセル位置情報の変更を行う。そして、ピクセル描画処理後段装置8が、この位置情報が変更されたピクセルの画素情報を用いて陰面消去を行う。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、3Dグラフィックスの画像処理に関し、特に、被写界深度処理を含む画像処理を行う画像処理装置および画像処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
3Dグラフィックス処理において被写界深度処理という特殊処理がある。この技法は、カメラの焦点からずれたオブジェクトをぼかして描画することにより、遠近感を増大させるという効果を与える技法であり、この技法を用いて遠近感を増大させることで、3Dグラフィックスの立体感を強調することができる。
【0003】
この被写界深度処理方法の一つとして、焦点を特定の位置に固定した状態でカメラの視点を変えて複数の描画面を生成し、その複数の描画面を一枚のフレームバッファに描画することにより、目的の画像を得る方法がある。
【0004】
この方法においては、視点をずらして得る描画面数N(Nは自然数)を増やすことにより、適宜、被写界深度効果を増大させることが可能である。しかし、被写界深度処理を施した一画面を完成させるために、視点をN回ずらしてN画面分描画しなくてはならず、N倍の演算コストを必要としてしまう。
【0005】
このような背景から、より簡便な処理により被写界深度効果を得る方法が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。この従来の被写界深度処理方法のフローチャートを図12に示す。
【0006】
まず、3次元演算処理によりポリゴンの頂点情報を求める(S101)。そして、この頂点情報をもとにレンダリング処理を行い、コンピュータ・グラフィックス(CG)画像を構成するピクセルの描画を行う(S102)。このレンダリング処理では、ポリゴンの頂点情報からピクセルへのラスタ化処理が行われた後、テクスチャマッピング、Zバッファ処理などの処理が、各ピクセルごとにパイプラインで実行される。
【0007】
レンダリング処理(S102)は、ステップS101において頂点情報が算出されたポリゴン内のすべてのピクセルが描画されるまで繰り返し行う(S103)。そして、ポリゴン内のピクセル描画が終了した際、同一フレームの他のポリゴンのピクセル描画が終了していない場合は、ステップS101に戻り、他のポリゴンについてステップS101からS103までの処理を繰り返す(S104)。これにより、1フレーム分のピクセル描画が完成する。
【0008】
次に、ステップS104で得られた画像データの各ピクセルの奥行き情報と焦点位置との差などをもとにフィルタリング処理を行う(S105)。例えば、注目ピクセルの奥行き情報と焦点位置との差からぼかし範囲を求め、注目ピクセルの色情報とその注目ピクセルのぼかし範囲に含まれる周辺ピクセルの色情報との加重平均により注目ピクセルの色情報を算出する。このとき、焦点位置との差が大きいときは、ぼかし範囲を大きくとることで、注目ピクセルの色情報が周辺ピクセルの色情報の影響を大きく受けるようにし、一方、焦点位置との差が小さいときは、ぼかし半径を小さくとることで、注目ピクセルに対する周辺ピクセルの色情報の影響が比較的小さくなるようにする。
【0009】
このフィルタリング処理はピクセルごとに繰り返し行われ(S106)、これを繰り返すことにより、新規な画像データが構成される。そして、フレームが複数の場合は、以上のステップS101からステップS106までの処理を各フレームごとに繰り返す(S107)。
【特許文献1】
特開昭63−259778号公報(第3〜5頁、図2および3)
【特許文献2】
特開2000−322594号公報(第2〜4頁、図5および6)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、CRTなどの表示装置にCG画像を表示させる場合、毎秒20〜30フレームのCG画像が連続して表示される。このため、画像処理装置には、表示装置の表示スピードに合わせて、CG画像を作成することが求められる。つまり、画像処理装置には、1フレーム当たりの画像処理をある限られた時間内で行わなければならないという時間的制約が課せられる。
【0011】
画像処理装置が行える1フレーム当たりの画像処理の処理量が多い程、より多くのピクセル数のピクセル描画を行うことができ、画像の画質を向上させることができる。しかし、上記の時間的制約から、画像処理装置が行える1フレーム当たりの処理量は、一定量に限られる。
【0012】
従来の被写界深度処理方法は、テクスチャ処理や陰面消去などのレンダリング処理が行われ、1画面分のピクセル描画が完成した後でなければ、注目ピクセルに対する周辺ピクセルの画素情報が確定せず、フィルタリング処理を行うことができなかった。
【0013】
そのために、従来のフィルタリングによる被写界深度処理方法は、まず、1画面分の画像データを構成し、その後、その画像データを再び読み出して演算処理を行い、新規な画像データを構成していた。つまり、1画面分の画像データを得るのに2回のピクセル描画(ステップS101〜S104からなる1回目のピクセル描画と、ステップS105およびS106からなる2回目のピクセル描画)を必要としていた。そして、このことが、被写界深度処理にかかる画像処理の処理量を高いものとしていた。
【0014】
このため、従来の被写界深度処理方法では、被写界深度処理を導入すると、画像処理全体の演算コスト(単位フレーム当たりの画像処理を行うために必要な処理時間)が上昇してしまい、その上昇分の演算コストを削除するために、描画するピクセル数を減らし画質を犠牲にせざるを得なかった。また、画質を犠牲にすることで演算コストを削減したとしても、最低限の画質を維持する必要があるため、描画ピクセル数の低減による演算コストの削減には限界があり、テクスチャマッピングなどの他の処理を行う場合に対応することができなかった。
【0015】
このようなことから、より高画質なCG画像を得るために、被写界深度処理にかかる画像処理の処理量を低減し、画像処理の演算コストを下げることが求められている。
【0016】
本発明は、以上の背景からなされたもので、得られる画像の画質を維持しつつ、低い演算コストで被写界深度処理を実現する画像処理装置および画像処理方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成させるために、本発明に係る画像処理装置は、ポリゴンの頂点情報が入力され、この頂点情報からポリゴン内のピクセルごとに画素情報を算出するピクセル描画処理前段装置と、前記ピクセル描画処理前段装置から各ピクセルの奥行き情報が入力され、この奥行き情報と焦点位置との差をピクセルごとに算出する相対位置演算装置と、前記相対位置演算装置により算出した各ピクセルの奥行き情報と焦点位置との差をもとに、ピクセルの画素情報を変更するか否かをピクセルごとに決定し、変更する場合、変更する画素情報に対応した画素情報拡散値パターンをもとにピクセルの画素情報を変更して出力し、変更しない場合、ピクセルの画素情報を変更せずに出力する画素情報拡散処理装置と、前記画素情報拡散処理装置から入力された各ピクセルの画素情報を用いてピクセルごとに陰面消去を行うピクセル描画処理後段装置とを具備することを特徴としている。
【0018】
また、本発明に係る画像処理装置は、ポリゴンの頂点情報を算出するCPUと、前記CPUからポリゴンの頂点情報が入力され、この頂点情報からポリゴン内のピクセルごとに画素情報を算出するピクセル描画処理前段装置と、前記ピクセル描画処理前段装置から各ピクセルの奥行き情報が入力され、この奥行き情報と焦点位置との差をピクセルごとに算出する相対位置演算装置と、前記相対位置演算装置により算出した各ピクセルの奥行き情報と焦点位置との差をもとに、ピクセルの画素情報を変更するか否かをピクセルごとに決定し、変更する場合、変更する画素情報に対応した画素情報拡散値パターンをもとにピクセルの画素情報を変更して出力し、変更しない場合、ピクセルの画素情報を変更せずに出力する画素情報拡散処理装置と、前記画素情報拡散処理装置から入力された各ピクセルの画素情報を用いてピクセルごとに陰面消去を行うピクセル描画処理後段装置と、前記ピクセル描画処理後段装置から各ピクセルの画素情報が入力され、この画素情報を記憶保持するグラフィックスメモリと、前記グラフィックスメモリから各ピクセルの画素情報が入力され、この画素情報を画像表示用信号へ変換する表示装置コントローラとを具備することを特徴としている。
【0019】
更に、本発明に係る画像処理方法は、入力されたポリゴンの頂点情報からポリゴン内のピクセルごとに画素情報を算出するピクセル描画前段ステップと、前記ピクセル描画前段ステップにより得られた各ピクセルの奥行き情報と焦点位置との差をピクセルごとに算出する相対位置演算ステップと、前記相対位置演算ステップにより得られた各ピクセルの奥行き情報と焦点位置との差をもとに、ピクセルの画素情報を変更するか否かをピクセルごとに決定し、変更する場合、変更する画素情報に対応した画素情報拡散値パターンをもとにピクセルの画素情報を変更し、変更しない場合、ピクセルの画素情報を維持する画素情報拡散ステップと、前記画素情報拡散ステップにより処理された各ピクセルの画素情報を用いてピクセルごとに陰面消去を行うピクセル描画後段ステップとを具備することを特徴としている。
【0020】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下に、本発明に係る画像処理装置および画像処理方法についての第1の実施の形態を図1乃至4を参照しながら説明する。
【0021】
本実施の形態に係る画像処理装置の構成を図1に示す。
【0022】
一般的に、3次元画像処理は、3次元の座標データを持ったオブジェクトを2次元空間へと投影することにより行われる。この際、オブジェクトの3次元形状はポリゴンと呼ばれる多角形の集合として表現され、このポリゴンごとにCPU1が光源処理などのジオメトリ処理を行い、2次元空間に投影されたポリゴンの頂点情報を算出する。ここでいう頂点情報とは、色情報(R,G,B)、位置情報(X値,Y値)、奥行き情報(Z値)および属性(反射・透過属性)などである。この位置情報(X値,Y値)はポリゴンを2次元空間へと投影することにより得られる画像データ上での座標を示し、奥行き情報(Z値)は視点から奥行き方向への距離を示している。
【0023】
CPU1は、システムバス2を介して、レンダリング装置3内に設けられたピクセル描画処理前段装置4と接続されており、CPU1が算出したポリゴンの頂点情報がピクセル描画処理前段装置4へと出力されるようになっている。
【0024】
ピクセル描画処理前段装置4は、入力されたポリゴンの頂点情報をもとにポリゴン内のピクセルの描画を行う。具体的には、例えば、頂点情報から求めたポリゴンの辺方向の傾きをもとに辺上のピクセルの画素情報(色情報(R,G,B)、位置情報(X値,Y値)、奥行き情報(Z値)および属性)を求め、続いて、その辺上のピクセルの画素情報からラスタ方向(X方向)の傾きを算出し、その傾きを用いてポリゴン内部のピクセルの画素情報を求めていく。以下、便宜上、この処理をラスタ化処理と称す。
【0025】
また、ピクセル画像処理前段装置4はテクスチャ処理を行う機能も備えている。テクスチャ処理とは、以上のピクセル描画で求まったテクスチャアドレスから、その画像に対応したテクスチャ画像を読みこむ処理のことであり、これにより、テクスチャ画像をポリゴンに対応させて貼り付けることができる。
【0026】
相対位置演算装置5は、ピクセル描画処理前段装置4から各ピクセルのZ値が入力されるように接続されている。この相対位置演算装置5は、各ピクセルに対して、奥行き方向(Z方向)にあらかじめ設定された焦点位置Z0とZ値との差(ΔZ値(=Z値−Z0))を求め、後段の位置拡散処理装置6にΔZ値を出力する。
【0027】
位置拡散処理装置6は、相対位置演算装置5から入力された各ピクセルのΔZ値とピクセル描画処理前段装置4から入力された各ピクセルの位置情報(X値,Y値)をもとに、位置拡散処理を行う回路である。位置拡散処理とは、ピクセルの位置情報(X値,Y値)を変更する処理であり、具体的には、位置拡散値パターンテーブル7に格納されている位置拡散値パターンから各ピクセルの位置拡散値(ΔX値,ΔY値)を求め、その位置拡散値(ΔX値,ΔY値)をピクセルの位置情報(X値,Y値)に足し込むことによりピクセルの位置情報を新たな位置情報(X+ΔX,Y+ΔY)に変更する処理である。ここで、位置拡散値(ΔX値,ΔY値)とは、ピクセルの位置情報を変更する際の変更前のピクセル位置(X,Y)から変更後のピクセル位置(X+ΔX,Y+ΔY)までの相対位置のことを指す。この位置拡散処理は、ピクセルのΔZ値をもとに行われるが、これについては後に詳述する。
【0028】
位置拡散値パターンテーブル7は、位置拡散値(ΔX値,ΔY値)のパターンテーブルであり、例えば、RAMなどに記憶されている。また、この位置拡散値パターンテーブル7へは、レンダリング装置3の外部からデータDATAを入力でき、画像処理の実施者が、所望のピクセルの位置拡散が得られるように、位置拡散値パターンを変更することが可能となっている。
【0029】
ピクセル描画処理後段装置8はピクセル描画の残りの処理を行う装置であり、位置拡散処理装置6から位置拡散処理が施されたピクセルの位置情報が入力され、ピクセル描画処理前段装置4から残りの画素情報(色情報(R,G,B)、奥行き情報(Z値)および属性)が入力される。そして、このピクセルの画素情報をもとに陰面消去などのフラグメント処理を行う。陰面消去とは、Z方向において手前にあるオブジェクトが奥にあるオブジェクトを隠すようにオブジェクト間の前後関係を確定する処理である。具体的には、例えば、Zバッファメモリに格納された同じ位置情報を持つピクセルのZ値と比較し、新たに入力されたピクセルのZ値が小さい場合には、その画素情報を有効としてグラフィックスメモリ9への当該ピクセルの画素情報の書き換えを行い、逆に、新たに入力されたピクセルのZ値が大きい場合には、その画素情報を無効としてグラフィックスメモリ9への当該ピクセルの画素情報の書き換えを行わないようにする。
【0030】
グラフィックスメモリ9は、以上の処理により求められたピクセルの画素情報が書き込まれるメモリである。このグラフィックスメモリ9に格納されたピクセルの画素情報は、後段の表示装置コントローラ10により読み込まれる。また、グラフィックスメモリ9は、ピクセル描画処理後段装置8が陰面消去処理において用いるZバッファメモリを含んでいる。
【0031】
表示装置コントローラ10は、グラフィックスメモリ9から読み込んだピクセルの画素情報を表示装置11などの外部装置に適応する信号GRに変換し出力する。また、表示装置コントローラ10は、表示装置11へ1フレーム分の画像データを出力した際、フレームを切り替えたことを示すフレーム切り替え情報SYNCを位置拡散処理装置6へとフィードバックさせる。位置拡散処理装置6は、このフレーム切り替え情報SYNCを受け、フレームごとに位置拡散処理に用いる位置拡散値パターンを変更する。
【0032】
なお、フレームごとに位置拡散値パターンを変更するには、ピクセル描画処理のフレームの切り替えと位置拡散値パターンの変更とを同期させる必要があるが、これは、例えば、ピクセル描画処理中に位置拡散処理装置6へのフレーム切り替え情報SYNCの割り込みがあった場合、その割り込みがあったことを記憶しておき、次のフレームのピクセル描画開始時に位置拡散値パターンを変更することで達成される。
【0033】
表示装置11は表示装置コントローラ10より入力された信号をもとに画像を表示する装置である。この表示装置11には、例えば、CRT、テレビ、液晶ディスプレイなどが該当する。
【0034】
続いて、位置拡散処理装置6が行う位置拡散処理について説明を加え、この位置拡散処理によって、どのように被写界深度効果が得られるかを説明する。以下、位置拡散処理装置6が行う位置拡散処理を手順に沿って説明する。
【0035】
まず、位置拡散処理装置6は、あらかじめ設定された2つの境界値Zth1、Zth2と入力されたピクセルのΔZ値(=Z値−Z0)との大小を比較する。この比較により、ピクセルのΔZ値が3つの領域(|ΔZ|<Zth1,Zth1<|ΔZ|<Zth2,Zth2<|ΔZ|)のどの領域に属するかが判断され、ΔZ値の大小により各ピクセルが3種類に分類される。
【0036】
この分類の結果、ΔZ値が|ΔZ|<Zth1であるとき、すなわち、焦点位置からのずれが非常に小さいときには、位置拡散処理装置6は、ピクセルの位置情報(X値,Y値)を変更せず、入力された位置情報(X値,Y値)を、そのまま、後段のピクセル描画処理後段装置8へと出力する。
【0037】
一方、ΔZ値が、Zth1<|ΔZ|<Zth2、または、Zth2<|ΔZ|のときには、それぞれ、位置拡散値パターンテーブル7内の2つの位置拡散値パターンから別々の位置拡散値パターンを選択し、その位置拡散値パターンを用いて位置拡散値(ΔX,ΔY)を求め、ピクセルの位置情報(X値,Y値)を新たな位置情報(X+ΔX,Y+ΔY)へと変更する。
【0038】
具体的には、ΔZ値がZth1<|ΔZ|<Zth2であるとき、すなわち、焦点位置からのずれが比較的小さいときには、2次元画面全体を縦2ピクセル×横2ピクセルのマトリクス単位で区切り、このマトリクスに図2(a)に示す位置拡散値パターンを適用することで位置拡散値(ΔX,ΔY)を求め、位置情報の変更を行う。
【0039】
また、ΔZ値がZth2<|ΔZ|であるとき、すなわち、焦点位置からのずれが比較的大きいときには、2次元画面全体を縦4ピクセル×横4ピクセルのマトリクス単位で区切り、このマトリクスに図2(b)に示す位置拡散値パターンを適用することで位置拡散値(ΔX,ΔY)を求め、位置情報の変更を行う。
【0040】
図2(a)および(b)に示す位置拡散値パターン中の矢印は、矢印の始端が変更前のピクセル位置を、終端が変更後のピクセル位置を示している。そして、これらの位置拡散値パターンには、矢印で示したピクセルの位置拡散が行われるように、パターン内の座標(以下、下位値(X´,Y´))ごとに位置拡散値(ΔX,ΔY)が設定されている。例えば、図2(a)に示す位置拡散値パターンでは、下位値が(X´,Y´)=(00,00)のピクセルは、下位値(01,01)のピクセルへと位置情報が変更されるように、位置拡散値が(ΔX,ΔY)=(01,01)と設定されている。これにより、ピクセルの位置情報(X値,Y値)から、当該ピクセルの位置拡散値パターンでの対応箇所(下位値)を求めることで、位置拡散値(ΔX値,ΔY値)を一意に求めることができる。
【0041】
そして、以上のように求まった位置拡散値(ΔX値,ΔY値)を位置情報(X値,Y値)へと足し込むことで、位置情報を新しい位置情報(X+ΔX,Y+ΔY)へと変更する。ここまでが、位置拡散処理装置6が行う位置拡散処理である。
【0042】
ここで、図2(a)の位置拡散値パターンと図2(b)に示す位置拡散値パターンとを比較すると、図2(a)の位置拡散値パターンでは縦2ピクセル×横2ピクセルのマトリクス内でピクセル位置が拡散されるのに対し、図2(b)の位置拡散値パターンでは縦4ピクセル×横4ピクセルのマトリクス内でピクセル位置が拡散される。つまり、図2(b)に示す位置拡散値パターンを用いた方が広い範囲でピクセル位置が拡散される。このように、焦点からのずれ(ΔZ値)が大きいピクセルには、広い範囲でピクセルの位置拡散が行われるパターン(例えば、図2(b))を用い、逆に、焦点からのずれ(ΔZ値)が小さいピクセルには、比較的狭い範囲でピクセルの位置拡散が行われるパターン(例えば、図2(a))を用いることで、ピクセルの位置拡散が行われる範囲の広狭を焦点からのずれ(ΔZ値)の大小に対応させることができる。つまり、ピクセルの位置拡散による被写界深度処理が可能となる。
【0043】
以上において説明した本実施の形態に係る画像処理装置は、オブジェクトの焦点からのずれ(ΔZ値)に対応してピクセル位置を拡散することで被写界深度処理を施している。このため、被写界深度処理により遠近感を強調することで3Dグラフィックスの立体感を強調することができる。
【0044】
また、本実施の形態に係る画像処理装置は、レンダリング処理の途中段階においてぼかし処理であるピクセルの位置拡散を行っており、1回のピクセル描画により被写界深度処理を実現できる。このため、他の被写界深度処理方法による画像処理装置と比較して、演算コストを削減することができ、より多くのピクセル数のピクセル描画処理を行い、高画質なCG画像を得ることができる。
【0045】
更に、従来の被写界深度処理装置は、1画面分の画像データを得るのに、2回の描画コマンドセットを使用して画像処理装置を制御する必要があった。しかし、本実施の形態に係る画像処理装置は、1回のピクセル描画により被写界深度処理を実現しているため、1回の描画コマンドセットにより当該画像処理装置の動作を制御することが可能である。このため、被写界深度処理を導入することで画像処理装置の動作制御が複雑にならない。
【0046】
更にまた、従来の被写界深度処理装置は、フィルタリング処理において注目ピクセルの色情報を算出するのに周辺ピクセルの色情報を必要とするため、注目ピクセルの演算が終了した後も、周辺ピクセルの演算に用いられることを考慮して、その注目ピクセルの演算処理前の色情報を記憶しておく必要があった。このため、従来の被写界深度処理装置は、被写界深度処理を施した1画面分の画像データを得るのに、少なくとも1画面分以上の画像データを記憶保持しておくメモリ容量が必要であった。しかし、本実施の形態に係る画像処理装置は、フレーム1枚分のピクセル描画が完成した時点で被写界深度処理を施したCG画像が得られるため、フィルタリング処理による従来の被写界深度処理装置とは異なり、演算結果を記憶保持しておくメモリを必要としない。よって、より少ないメモリ容量のハードウェアにおいて被写界深度処理を実現できる。
【0047】
更に、複数のフレームに渡って、同一の位置拡散値パターンを用いてピクセルの位置拡散処理を行うと、その処理により得られたCG画像は、ピクセルの位置拡散の規則性が反映された不自然なものとなる可能性がある。しかし、本実施の形態に係る画像処理装置は、表示装置コントローラ10から位置拡散処理装置6へのフレーム切り替え情報SYNCのフィードバックにより、1フレームごとにピクセルの位置拡散のパターンを変更している。一般的に、表示装置11に表示される画像は20〜30フレーム/秒であり、肉眼では1フレームごとではなく複数のフレームが重なったものとして認識される。このため、ピクセルの位置拡散のパターンが1フレームごとに変化することにより、表示装置11に表示された際にピクセルの位置拡散の規則性が観測者に認識されにくく、より自然な被写界深度効果を得ることができる。
【0048】
次に、図3および図4を用いて、本実施の形態に係る画像処理方法について説明する。図3は、本実施の形態に係る画像処理方法をステップ順に示すフローチャートである。
【0049】
まず、3次元オブジェクトをポリゴンによりモデリングし、そのポリゴンの頂点情報を光源処理などのジオメトリ処理により求める(S11)。
【0050】
次に、このポリゴンの頂点情報をもとにレンダリング処理を行い、コンピュータ・グラフィックス(CG)画像を構成するピクセルの描画を行う(S12)。このレンダリング処理は、ピクセルの位置拡散によるオブジェクトのぼかし処理を含んでいる。これについては、後のレンダリング処理の説明において詳述する。
【0051】
レンダリング処理(S12)は、ステップS12において頂点情報が算出されたポリゴン内のすべてのピクセルが描画されるまで、ピクセルごとに繰り返し行う(S13)。そして、このポリゴン内のピクセル描画が終了した後、同一フレーム内の他のポリゴンのピクセル描画が終了していない場合は、ステップS11に戻り、他のポリゴンについてステップS11からS13までの処理を繰り返す(S14)。これにより、1フレーム分のピクセル描画が完成する。
【0052】
1フレーム分のピクセル描画が完成した場合は、表示装置コントローラ10からのフレーム切り替え情報SYNCなどをもとに、レンダリング処理(S12)において用いる位置拡散値パターンを変更する(S15)。そして、以上のステップS11からS15までの処理を、すべてのフレームに対するピクセル描画が完成するまで、繰り返し行う(S16)。
【0053】
そして、以上のステップによりグラフィックスメモリ9に書き込まれた画像データを、表示装置コントローラ10により読み出し、表示装置11での表示に対応するように画像データを信号処理して表示装置11へと出力することで、3次元のオブジェクトが、被写界深度処理が施されたCG画像として表示装置11に表示される。
【0054】
次に、図3のステップS12で行うレンダリング処理について、更に説明を加える。図4は、本実施の形態に係るレンダリング処理をステップ順に示すフローチャートである。
【0055】
まず、ジオメトリ処理(図3中のステップS11)により得られたポリゴンの頂点情報から、ポリゴン内部のピクセルの画素情報(色情報(R,G,B)、位置情報(X値,Y値)、奥行き情報(ΔZ値)、位置拡散値(ΔX値,ΔY値)および属性)をラスタ処理により算出する。そして、ピクセルの画素情報にテクスチャ処理を行い、ピクセルにテクスチャ画像の貼り付けを行う(S12a)。
【0056】
次に、先のステップS12aにおいて得られたピクセルの奥行き情報Z値から、Z値と焦点位置との差(ΔZ値)をピクセルごとに求める(S12b)。
【0057】
次に、このΔZ値をもとに、ピクセルの位置情報(X値,Y値)を変更するか否かを決定する。位置情報を変更する場合は、更に、ΔZ値に基づいて、あらかじめ用意された複数の位置拡散値パターンの中から一つの位置拡散値パターンを選択し、この位置拡散値パターンを用いて位置拡散値(ΔX,ΔY)を求める。このとき、ΔZ値が大きい場合には、広い範囲でピクセルの位置拡散が行われる位置拡散値パターン(例えば、図2(b))を用い、逆に、ΔZ値が小さいピクセルには、広い範囲でピクセルの位置拡散が行われる位置拡散値パターン(例えば、図2(a))を用いる。そして、得られた位置拡散値(ΔX,ΔY)をもとに各ピクセルの位置情報(X,Y)を新しい位置情報(X+ΔX、Y+ΔY)へと変更する(S12c)。
【0058】
次に、この位置情報が変更されたピクセルの画素情報をもとに、陰面消去などのフラグメント処理を行い(S12d)、これらの処理が施された画素情報をグラフィックスメモリ9へと書き込み保持していく(S12e)。上記の一連のステップを通して、レンダリング処理が行われる。
【0059】
以上において説明した本実施の形態に係る画像処理方法は、オブジェクトの焦点からのずれ(ΔZ値)に対応してピクセル位置を拡散することで被写界深度処理を施している。このため、被写界深度処理により遠近感を強調することで3Dグラフィックスの立体感を強調することができる。
【0060】
本実施の形態に係る画像処理方法は、レンダリング処理の途中段階においてぼかし処理である描画ピクセル位置の拡散を行っているため、1回のピクセル描画により被写界深度処理を実現できる。このため、他の被写界深度処理を行う画像処理方法と比較して、演算コストを削減することができる。
【0061】
また、本実施の形態に係る画像処理方法は、表示装置コントローラ10から位置拡散値パターンテーブル5へのフレーム切り替え情報SYNCのフィードバックにより、1フレームごとにピクセルの位置拡散のパターンを変更することで、より自然な被写界深度効果を得ることができる。
【0062】
なお、本実施の形態の画像処理装置および画像処理方法の説明において、位置拡散値パターンの一例を図2に示したが、これはあくまでも一例であり、位置拡散値パターンはこれらに限定されない。
【0063】
また、本実施の形態の画像処理装置および画像処理方法は、焦点からのずれ(ΔZ値)を境界値Zth1、Zth2により分類し、位置情報を変更するか否か、また、変更する場合は、2つの位置拡散値パターンのうちのどちらのパターンを適用するかを決定しているが、このZth1、Zth2以外に更に境界値を設定し、3つ以上の位置拡散値パターンから選択するようにしても構わない。また、境界値を1つだけ設定し、その境界値とΔZ値との比較により、位置情報を変更するか否かのみを決定しても構わない。すなわち、ΔZ値の大小に対応した範囲の広狭でピクセルの位置が拡散するように、レンダリング処理中において、ピクセルの位置情報が変更されれば良い。
【0064】
更に、本実施の形態に係る画像処理装置および画像処理方法は、色情報をR,G,Bの三色で構成した場合を示したが、これに限られず、ピクセルの色情報が単色で構成されている場合でも構わない。
【0065】
更にまた、本実施の形態に係る画像処理装置においては、グラフィックスメモリ9および表示装置コントローラ10がレンダリング装置3内に設けられているが、これらのグラフィックスメモリ9および表示装置コントローラ10は、レンダリング装置3とは独立に構成されていても構わない。これと同様に、本実施の形態に係る画像処理装置においては、CPU1が独立のチップにより構成されているが、これに限られず、CPU1がレンダリング装置3内に設けられていても構わない。
(第2の実施の形態)
以下に、本発明に係る画像処理装置および画像処理方法についての第2の実施の形態を図5乃至9を参照しながら説明する。
【0066】
本実施の形態に係る画像処理装置の構造を図5に示す。なお、本実施の形態に係る画像処理装置は、第1の実施の形態における位置拡散処理装置6を誤差拡散処理装置12に置き換え、位置拡散値パターンテーブル7をカラー拡散値パターンテーブル13に置き換えたものであり、その他の構成要素については、第1の実施の形態において図1を参照しながら説明したものと同一であるので、ここでは、その説明を省略する。
【0067】
誤差拡散処理装置12は、相対位置演算装置5から入力された各ピクセルのΔZ値とピクセル描画処理前段装置4から入力された位置情報(X値,Y値)をもとに誤差拡散処理を行う回路である。誤差拡散処理とは、ピクセルの色情報(R,G,B)を変更する処理であり、具体的には、カラー拡散値パターンテーブル13に格納されているカラー拡散値パターンから各ピクセルのカラー拡散値Dを求め、そのカラー拡散値Dをピクセルの色情報(R,G,B)に足し込むことによりピクセルの位置情報を新たな色情報に変更する。ここで、カラー拡散値Dとは、誤差拡散処理の際に各ピクセルの色情報に足しあわされる誤差値のことを指す。この誤差拡散処理は、ピクセルのΔZ値をもとに行われるが、これについては後に詳述する。
【0068】
カラー拡散値パターンテーブル13は、カラー拡散値Dのパターンテーブルであり、例えば、RAMなどに記憶されている。また、このカラー拡散値パターンテーブル13へは、レンダリング装置3の外部からデータDATA´を入力できるようになっており、画像処理の実施者が、所望の誤差拡散が得られるように、カラー拡散値パターンを変更することが可能となっている。
【0069】
ピクセル描画処理後段装置8は、誤差拡散処理装置12から誤差拡散処理が施されたピクセルの色情報が入力され、ピクセル描画処理前段装置4から残りの画素情報(位置情報(X,Y)、奥行き情報(Z値)および属性)が入力される。そして、このピクセルの画素情報をもとに陰面消去などのフラグメント処理を行う。
【0070】
表示装置コントローラ10は、表示装置11へ1フレーム分の画像データを出力した際、フレームを切り替えたことを示すフレーム切り替え情報SYNCを誤差拡散処理装置12へとフィードバックさせる。誤差拡散処理装置12は、このフレーム切り替え情報SYNCを受け、フレームごとに誤差拡散処理に用いるカラー拡散値パターンを変更する。
【0071】
続いて、誤差拡散処理装置12が行う誤差拡散処理について説明を加え、この誤差拡散処理によって、どのように被写界深度効果が得られるかを説明する。以下、誤差拡散処理装置12が行う誤差拡散処理を手順に沿って説明する。
【0072】
まず、誤差拡散処理装置12は、あらかじめ設定された2つの境界値Zth1、Zth2と入力されたピクセルのΔZ値との大小を比較する。これにより、ピクセルのΔZ値が3つの領域(|ΔZ|<Zth1,Zth1<|ΔZ|<Zth2,Zth2<|ΔZ|)のどの領域に属するかが判断され、焦点位置からのずれ(ΔZ値)をもとに各ピクセルが3種類に分類される。
【0073】
この分類の結果、ΔZ値が|ΔZ|<Zth1であるとき、すなわち、焦点位置からのずれが非常に小さいときには、ピクセルの色情報(R,G,B)を変更せず、誤差拡散処理装置12は、入力された色情報(R,G,B)を、そのまま、後段のピクセル描画処理後段装置8へと出力する。
【0074】
一方、ΔZ値が、Zth1<|ΔZ|<Zth2、または、Zth2<|ΔZ|のときには、それぞれ、カラー拡散値パターンテーブル13内の複数のカラー拡散値パターンから別々のカラー拡散値パターンを選択し、そのカラー拡散値パターンを用いてカラー拡散値Dを求め、ピクセルの色情報を新たな色情報へと変更する。
【0075】
具体的には、ΔZ値がZth1<|ΔZ|<Zth2であるとき、すなわち、焦点位置からのずれが比較的小さいときには、2次元画面全体を縦2ピクセル×横2ピクセルのマトリクス単位で区切り、このマトリクスに図6(a)に示す位置拡散値パターンを適用することでカラー拡散値Dを求め、色情報の変更を行う。
【0076】
また、ΔZ値がZth2<|ΔZ|であるとき、すなわち、焦点位置からのずれが比較的大きいときには、2次元画面全体を縦4ピクセル×横4ピクセルのマトリクス単位で区切り、このマトリクスに図6(b)に示す位置拡散値パターンを適用することでカラー拡散値Dを求め、色情報の変更を行う。
【0077】
カラー拡散値パターンテーブル13には、パターンテーブル内の下位値ごとにカラー拡散値Dが設定されている。例えば、図6(a)に示すカラー拡散値パターンでは、下位値が(X´,Y´)=(00,00)のピクセルは、カラー拡散値がD=1と設定されている。これにより、ピクセルの位置情報(X値,Y値)から、当該ピクセルのカラー拡散値パターンでの対応箇所(下位値)を求めることで、カラー拡散値Dを一意に求めることができる。
【0078】
次に、このように求めたカラー拡散値Dを誤差として色情報(R,G,B)に足し合わせ、その後、色情報の下位ビットを切り捨てる。例えば、誤差拡散処理の対象とするピクセルが、8ビット表示でR=11101101(2進数)という色情報を持っており、図6(b)のカラー拡散値パターンにおける下位値が(X´,Y´)=(00,01)である場合は、カラー拡散値D=4(10進数)=100(2進数)を色情報に足し合わせ(11101101+100=11110001)、更に、その下位3ビットを切り捨てる。これにより、このピクセルの色情報(R)は11110と変更される。
【0079】
カラー拡散値Dは、カラー拡散値パターンの中で下位値ごとに異なる値をとるので、この誤差拡散処理により、パターンの範囲内でピクセルの色情報への誤差(カラー拡散値D)の拡散が行われ、パターン内で色情報が均一化される。これにより、色のトーン差によるオブジェクトの輪郭をぼやけさせて表現することができる。
【0080】
ここで、図6(a)のカラー拡散値パターンと図6(b)に示すカラー拡散値パターンとを比較すると、図6(a)のカラー拡散値パターンでは、縦2ピクセル×横2ピクセルのマトリクス内で色情報が均一化されるのに対し、図6(b)のカラー拡散値パターンでは、縦4ピクセル×横4ピクセルのマトリクス内で色情報が均一化される。つまり、図6(b)に示すカラー拡散値パターンを用いた方が広い範囲で色情報が均一化される。このように、焦点からのずれ(ΔZ)が大きいピクセルには、広い範囲で色情報が均一化されるパターン(例えば、図6(b))を用い、逆に、焦点からのずれ(ΔZ)が小さいピクセルには、比較的狭い範囲で色情報が均一化されるパターン(例えば、図6(a))を用いることで、誤差拡散の範囲をΔZの大小に対応させ、焦点からのずれに対応したぼかし処理を行うことができる。
【0081】
以上において説明した本実施の形態に係る画像処理装置は、オブジェクトの焦点からのずれ(ΔZ値)に対応した誤差により誤差拡散処理を行うことにより被写界深度処理を施している。このため、被写界深度処理により遠近感を強調することで3Dグラフィックスの立体感を強調することができる。
【0082】
本実施の形態に係る画像処理装置は、レンダリング処理の途中段階においてぼかし処理であるピクセルの誤差拡散を行っており、1回のピクセル描画により被写界深度処理を実現できる。このため、他の被写界深度処理方法による画像処理装置と比較して、演算コストを削減することができ、より多くのピクセル数のピクセル描画処理を行い、高画質なCG画像を得ることができる。
【0083】
更に、本実施の形態に係る画像処理装置は、1回のピクセル描画により被写界深度処理を実現しているため、1回の描画コマンドセットにより当該画像処理装置の動作を制御することが可能であり、被写界深度処理を導入することで画像処理装置の動作制御が複雑にならない。
【0084】
更にまた、本実施の形態に係る画像処理装置は、フレーム1枚分のピクセル描画が完成した時点で被写界深度処理を施したCG画像が得られるため、フィルタリング処理による被写界深度処理とは異なり、フィルタリング処理の演算結果を記憶保持しておくメモリを必要としない。よって、より少ないメモリ容量のハードウェアにおいて被写界深度処理を実現できる。
【0085】
更に、複数のフレームに渡って、同一のカラー拡散値パターンのセットを用いてピクセルの位置拡散処理を行うと、その処理により得られたCG画像は、誤差拡散の規則性が反映された不自然なものとなる可能性がある。しかし、本実施の形態に係る画像処理装置は、表示装置コントローラ10から誤差拡散処理装置12へのフレーム切り替え情報SYNCのフィードバックにより、1フレームごとにカラー拡散値パターンを変更している。一般的に、表示装置11に表示される画像は20〜30フレーム/秒であり、肉眼では1フレームごとではなく複数のフレームが重なったものとして認識される。このため、カラー拡散値パターンが1フレームごとに変化することにより、表示装置11に表示された際に観測者にピクセルの位置拡散の規則性が認識されにくく、自然な被写界深度効果を得ることができる。
【0086】
次に、図7および図8を用いて、本実施の形態に係る画像処理方法について説明する。なお、本実施の形態に係る画像処理方法は、図3のステップS15をステップS25で置き換え、更に、第1の実施の形態の説明において図4を参照して説明したピクセルの位置拡散処理(図4のステップS12c)を誤差拡散処理(ステップS22c)に置き換えたものであり、他のステップは同一である。よって、ここでは、第1の実施の形態に係る画像処理方法と共通するステップについては、その説明を省略する。
【0087】
図7は、本実施の形態に係る画像処理方法をステップ順に示すフローチャートである。ステップS22におけるレンダリング処理は、誤差拡散処理によるオブジェクトのぼかし処理を含んでいる。また、この誤差拡散処理において用いられるカラー拡散値パターンは、ステップS25において、1フレーム分のピクセル描画が完成する度に、表示装置コントローラ10からのフレーム切り替え情報SYNCなどをもとに変更される。
【0088】
次に、図7のステップS22で行うレンダリング処理について、レンダリング処理をステップ順に示すフローチャートである図8を参照して説明する。
【0089】
本実施の形態のレンダリング処理においては、ステップS22bで求めたΔZ値をもとに、誤差拡散処理を行う(S22c)。この誤差拡散処理は、まず、ΔZ値をもとに、ピクセルの色情報(R,G,B)を変更するか否かを決定する。次に、色情報を変更する場合は、更に、ΔZ値に基づいて、あらかじめ用意された複数のカラー拡散値パターンの中から一つのカラー拡散値パターンを選択し、このカラー拡散値パターンを用いてカラー拡散値Dを求める。このとき、ΔZ値が大きい場合には、広い範囲で色情報が均一化されるカラー拡散値パターン(例えば、図6(b))を用い、逆に、ΔZ値が小さいピクセルには、比較的狭い範囲で色情報が均一化されるカラー拡散値パターン(例えば、図6(a))を用いる。そして、得られたカラー拡散値Dをもとに各ピクセルの色情報(R,G,B)を新しい色情報へと変更する。そして、この色情報が変更されたピクセルの画素情報をもとに、陰面消去などのフラグメント処理を行われる(S22d)。
【0090】
以上において説明した本実施の形態に係る画像処理方法は、オブジェクトの焦点からのずれ(ΔZ値)に対応した誤差により誤差拡散処理を行うことで被写界深度処理を施している。このため、被写界深度処理により遠近感を強調することで3Dグラフィックスの立体感を強調することができる。
【0091】
また、本実施の形態に係る画像処理方法は、レンダリング処理の途中段階においてぼかし処理である誤差拡散処理を行っているため、1回のピクセル描画により被写界深度処理を実現できる。このため、他の画像処理方法と比較して、演算コストを削減することができる。
【0092】
また、本実施の形態に係る画像処理方法は、表示装置コントローラ10から誤差拡散処理装置12へのフレーム切り替え情報SYNCのフィードバックにより、1フレームごとにカラー拡散値パターンを変更している。このため、より自然なぼかし効果を得ることができる。
【0093】
なお、本実施の形態の画像処理装置および画像処理方法の説明において、カラー拡散値パターンの一例を図6に示したが、これはあくまでも一例であり、カラー拡散値パターンはこれらに限定されない。
【0094】
また、本実施の形態の画像処理装置および画像処理方法は、焦点からのずれ(ΔZ値)を境界値Zth1、Zth2により分類し、色情報を変更するか否か、また、変更する場合は、2つのカラー拡散値パターンのうちのどちらのパターンを適用するかを決定しているが、このZth1、Zth2以外に更に境界値を設定し、3つ以上のカラー拡散値パターンから選択するようにしても構わない。また、境界値を1つだけ設定し、その境界値とΔZ値との比較により、色情報を変更するか否かのみを決定しても構わない。すなわち、ΔZ値の大小に対応した誤差拡散処理が行われさえすれば良い。
【0095】
更に、本実施の形態に係る画像処理装置および画像処理方法は、誤差拡散処理において、カラー拡散値Dを誤差として色情報(R,G,B)に足し合わせた後、色情報の下位ビットを切り捨てているが、この下位ビットの切捨ては、必ずしも必要ではない。下位ビットを切捨てなくとも、カラー拡散値Dの色情報(R,G,B)への足し合わせのみでオブジェクトのぼかし処理を実現できる。
【0096】
更にまた、本実施の形態に係る画像処理装置および画像処理方法は、色情報をR,G,Bの三色で構成した場合を示したが、第1の実施の形態同様、これに限られず、ピクセルの色情報が単色で構成されている場合でも構わない。
【0097】
更に、本実施の形態に係る画像処理装置においては、グラフィックスメモリ9および表示装置コントローラ10がレンダリング装置3内に設けられているが、第1の実施の形態同様、これらのグラフィックスメモリ9および表示装置コントローラ10は、レンダリング装置3とは独立に構成されていても構わない。これと同様に、本実施の形態に係る画像処理装置においては、CPU1が独立に構成されているが、これに限られず、CPU1がレンダリング装置3内に設けられていても構わない。
(第3の実施の形態)
以下に、本発明に係る画像処理装置および画像処理方法についての第3の実施の形態を図9乃至11を参照しながら説明する。
【0098】
本実施の形態に係る画像処理装置の構造を図9に示す。なお、本実施の形態に係る画像処理装置は、第1および第2の実施の形態において説明した、位置拡散処理装置6、位置拡散値パターンテーブル7、誤差拡散処理装置12、および、カラー拡散値パターンテーブル13のすべてを備えたものであり、他の構成要素については、第1および第2の実施の形態において説明したものと同一である。よって、ここでは、共通する部分については、説明を省略する。
【0099】
位置拡散処理装置6は、相対位置演算装置5から入力された各ピクセルのΔZ値とピクセル描画処理前段装置4から入力された各ピクセルの位置情報(X値,Y値)をもとに、位置拡散処理を行う回路である。この位置拡散処理は、第1の実施の形態において説明したものと同一である。
【0100】
位置拡散値パターンテーブル7は、位置拡散値(ΔX値,ΔY値)のパターンテーブルであり、例えば、RAMなどに記憶されている。また、この位置拡散値パターンテーブル7へは、レンダリング装置3の外部からデータDATAを入力できるようになっており、画像処理の実施者が、所望のピクセルの位置拡散が得られるように、位置拡散値パターンを変更することが可能となっている。
【0101】
誤差拡散処理装置12は、相対位置演算装置5から入力された各ピクセルのΔZ値とピクセル描画処理前段装置4から入力された位置情報(X値,Y値)をもとに、誤差拡散処理を行う回路である。この誤差拡散処理は、第2の実施の形態において説明したものと同一である。
【0102】
カラー拡散値パターンテーブル13は、カラー拡散値Dのパターンテーブルであり、例えば、RAMなどに記憶されている。また、このカラー拡散値パターンテーブル13へは、レンダリング装置3の外部からデータDATA´を入力できるようになっており、画像処理の実施者が、所望のピクセルの誤差拡散が得られるように、カラー拡散値パターンを変更することが可能となっている。
【0103】
ピクセル描画処理後段装置8は、位置拡散処理装置6から位置拡散処理が施されたピクセルの位置情報が入力され、誤差拡散処理装置12から誤差拡散処理が施されたピクセルの色情報が入力され、更に、ピクセル描画処理前段装置4から残りの画素情報(奥行き情報(Z値)および属性)が入力される。そして、このピクセルの画素情報をもとに陰面消去などのフラグメント処理を行う。
【0104】
本実施の形態に係る画像処理装置は、オブジェクトの焦点からのずれ(ΔZ値)に対応して画像データ上でのピクセル位置を拡散し、更に、ΔZ値に対応した誤差により誤差拡散処理を行っている。そのため、より自然な被写界深度処理を施すことができる。
【0105】
また、本実施の形態に係る画像処理装置は、第1および第2の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0106】
次に、図10および図11を用いて、本実施の形態に係る画像処理方法について説明する。なお、本実施の形態に係る画像処理方法は、レンダリング処理において位置拡散処理と誤差拡散処理とを行うものであり、他のステップは第1および第2の実施の形態と同一である。よって、ここでは、その説明を省略する。
【0107】
図10は、本実施の形態に係る画像処理方法をステップ順に示すフローチャートである。ステップS32におけるレンダリング処理は、位置拡散処理と誤差拡散処理によるオブジェクトのぼかし処理を含んでいる。また、これらの処理に用いられる位置拡散値パターンおよびカラー拡散値パターンは、ステップS35において、1フレーム分のピクセル描画が完成する度に、表示装置コントローラ10からのフレーム切り替え情報SYNCなどをもとに変更される。
【0108】
次に、図10のステップS32で行うレンダリング処理について、レンダリング処理をステップ順に示すフローチャートである図11を用いて説明する。
【0109】
本実施の形態のレンダリング処理においては、ステップS32bで求めたΔZ値をもとに、位置拡散処理を行っている(S32c)。この誤差拡散処理は、第1の実施の形態において説明したものと同一である。更に、ΔZ値をもとに、誤差拡散処理を行う(S32d)。この誤差拡散処理は、第2の実施の形態において説明したものと同一である。そして、この処理が施されたピクセルの画素情報をもとに、陰面消去などのフラグメント処理を行われる(S32e)。
【0110】
以上において説明した本実施の形態に係る画像処理方法は、オブジェクトの焦点からのずれ(ΔZ値)に対応してピクセル位置を拡散し、更に、誤差拡散処理を行っている。これにより、より自然な被写界深度処理を施すことができる。
【0111】
また、本実施の形態に係る画像処理方法は、第1および第2の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0112】
なお、本実施の形態に係る画像処理方法においては、位置拡散処理(S32c)を行った後、誤差拡散処理(S32d)を行っているが、この順序は逆でもよい。すなわち、これらの2つの処理が行われた後に、陰面処理など(S32e)が行われればよく、その順序は問わない。
【0113】
本発明は、実施段階ではその要旨を変更しない範囲で種々に変形することが可能である。
【0114】
例えば、本発明の実施の形態においては、ピクセルの画素情報のうち、位置情報、色情報、または、それらの両方を変更することで、被写界深度効果を実現しているが、画素情報のうちの他の情報(例えば、属性など)を変更しても構わない。すなわち、各ピクセルの焦点位置からのずれ(ΔZ)の大小に対応した変更幅で、各ピクセルの画素情報が変更されればよい。なお、この画素情報の変更に際しては、第1乃至3の実施の形態の説明で示したように、位置情報の変更には位置拡散値パターンを用い、色情報の変更にはカラー拡散値パターンを用いる。このように、変更する画素情報に対応した画素情報拡散値パターンを用いて画素情報を変更するものとする。
【0115】
以上、詳述したように、本発明に係る画像処理装置および画像処理方法の特徴をまとめると以下の通りになる。
【0116】
本発明に係る画像処理装置は、ポリゴンの頂点情報が入力され、この頂点情報からポリゴン内のピクセルごとに画素情報を算出するピクセル描画処理前段装置と、前記ピクセル描画処理前段装置から各ピクセルの奥行き情報が入力され、この奥行き情報と焦点位置との差をピクセルごとに算出する相対位置演算装置と、前記相対位置演算装置により算出した各ピクセルの奥行き情報と焦点位置との差をもとに、ピクセルの画素情報を変更するか否かをピクセルごとに決定し、変更する場合、変更する画素情報に対応した画素情報拡散値パターンをもとにピクセルの画素情報を変更して出力し、変更しない場合、ピクセルの画素情報を変更せずに出力する画素情報拡散処理装置と、前記画素情報拡散処理装置から入力された各ピクセルの画素情報を用いてピクセルごとに陰面消去を行うピクセル描画処理後段装置とを具備することを特徴としている。
【0117】
また、本発明に係る画像処理装置は、ポリゴンの頂点情報を算出するCPUと、前記CPUからポリゴンの頂点情報が入力され、この頂点情報からポリゴン内のピクセルごとに画素情報を算出するピクセル描画処理前段装置と、前記ピクセル描画処理前段装置から各ピクセルの奥行き情報が入力され、この奥行き情報と焦点位置との差をピクセルごとに算出する相対位置演算装置と、前記相対位置演算装置により算出した各ピクセルの奥行き情報と焦点位置との差をもとに、ピクセルの画素情報を変更するか否かをピクセルごとに決定し、変更する場合、変更する画素情報に対応した画素情報拡散値パターンをもとにピクセルの画素情報を変更して出力し、変更しない場合、ピクセルの画素情報を変更せずに出力する画素情報拡散処理装置と、前記画素情報拡散処理装置から入力された各ピクセルの画素情報を用いてピクセルごとに陰面消去を行うピクセル描画処理後段装置と、前記ピクセル描画処理後段装置から各ピクセルの画素情報が入力され、この画素情報を記憶保持するグラフィックスメモリと、前記グラフィックスメモリから各ピクセルの画素情報が入力され、この画素情報を画像表示用信号へ変換する表示装置コントローラとを具備することを特徴としている。
【0118】
更に、本発明に係る画像処理方法は、入力されたポリゴンの頂点情報からポリゴン内のピクセルごとに画素情報を算出するピクセル描画前段ステップと、前記ピクセル描画前段ステップにより得られた各ピクセルの奥行き情報と焦点位置との差をピクセルごとに算出する相対位置演算ステップと、前記相対位置演算ステップにより得られた各ピクセルの奥行き情報と焦点位置との差をもとに、ピクセルの画素情報を変更するか否かをピクセルごとに決定し、変更する場合、変更する画素情報に対応した画素情報拡散値パターンをもとにピクセルの画素情報を変更し、変更しない場合、ピクセルの画素情報を維持する画素情報拡散ステップと、前記画素情報拡散ステップにより処理された各ピクセルの画素情報を用いてピクセルごとに陰面消去を行うピクセル描画後段ステップとを具備することを特徴としている。
【0119】
更に、本発明に係る画像処理装置は、前記画素情報拡散処理装置が、前記相対位置演算装置により算出した各ピクセルの奥行き情報と焦点位置との差をもとに、ピクセルの画素情報のうちの位置情報を変更するか否かをピクセルごとに決定し、変更する場合、位置拡散値パターンをもとにピクセルの位置情報を変更することを特徴としている。
【0120】
更に、本発明に係る画像処理装置は、前記画素情報拡散処理装置が、前記相対位置演算装置により算出した各ピクセルの奥行き情報と焦点位置との差をもとに、ピクセルの画素情報のうちの色情報を変更するか否かをピクセルごとに決定し、変更する場合、カラー拡散値パターンをもとにピクセルの色情報を変更することを特徴としている。
【0121】
更に、本発明に係る画像処理装置は、前記画素情報拡散処理装置が、前記相対位置演算装置により算出した各ピクセルの奥行き情報と焦点位置との差をもとに、ピクセルの画素情報のうちの位置情報および色情報を変更するか否かをピクセルごとに決定し、変更する場合、位置拡散値パターンをもとにピクセルの位置情報を変更し、更に、カラー拡散値パターンをもとにピクセルの色情報を変更することを特徴としている。
【0122】
更に、本発明に係る画像処理方法は、前記画素情報拡散ステップが、前記相対位置演算ステップにより得られた各ピクセルの奥行き情報と焦点位置との差をもとに、ピクセルの画素情報のうちの位置情報を変更するか否かをピクセルごとに決定し、変更する場合、位置拡散値パターンをもとにピクセルの位置情報を変更することを特徴としている。
【0123】
更に、本発明に係る画像処理方法は、前記画素情報拡散ステップが、前記相対位置演算ステップにより得られた各ピクセルの奥行き情報と焦点位置との差をもとに、ピクセルの画素情報のうちの色情報を変更するか否かをピクセルごとに決定し、変更する場合、カラー拡散値パターンをもとにピクセルの色情報を変更することを特徴としている。
【0124】
更に、本発明に係る画像処理方法は、前記画素情報拡散ステップが、前記相対位置演算ステップにより得られた各ピクセルの奥行き情報と焦点位置との差をもとに、ピクセルの画素情報のうちの位置情報および色情報を変更するか否かをピクセルごとに決定し、変更する場合、位置拡散値パターンをもとにピクセルの位置情報を変更し、更に、カラー拡散値パターンをもとにピクセルの色情報を変更することを特徴としている。
【0125】
更に、本発明に係る画像処理装置は、前記画素情報拡散処理装置が、ピクセルの位置情報の変更に用いる前記位置拡散値パターンを、各ピクセルの奥行き情報と焦点位置との差をもとに複数の位置拡散値パターンから選択することを特徴としている。
【0126】
更に、本発明に係る画像処理装置は、前記画素情報拡散処理装置が、ピクセルの色情報の変更に用いる前記カラー拡散値パターンを、各ピクセルの奥行き情報と焦点位置との差をもとに複数のカラー拡散値パターンから選択することを特徴としている。
【0127】
更に、本発明に係る画像処理方法は、前記画素情報拡散ステップにおいて、ピクセルの位置情報の変更に用いる前記位置拡散値パターンを、各ピクセルの奥行き情報と焦点位置との差をもとに複数の位置拡散値パターンから選択することを特徴としている。
【0128】
更に、本発明に係る画像処理方法は、前記画素情報拡散ステップにおいて、ピクセルの色情報の変更に用いる前記カラー拡散値パターンを、各ピクセルの奥行き情報と焦点位置との差をもとに複数のカラー拡散値パターンから選択することを特徴としている。
【0129】
更に、本発明に係る画像処理装置は、前記画素情報拡散処理装置が、ピクセルの位置情報の変更に用いる前記位置拡散値パターンをフレーム単位で変更することを特徴としている。
【0130】
更に、本発明に係る画像処理装置は、前記画素情報拡散処理装置が、ピクセルの色情報の変更に用いる前記カラー拡散値パターンをフレーム単位で変更することを特徴としている。
【0131】
更に、本発明に係る画像処理方法は、前記画素情報拡散ステップにおいて用いられる前記位置拡散値パターンをフレーム単位で変更することを特徴としている。
【0132】
更に、本発明に係る画像処理方法は、前記画素情報拡散ステップにおいて用いられる前記カラー拡散値パターンをフレーム単位で変更することを特徴としている。
【0133】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、得られる画像の画質を維持しつつ、低い演算コストで被写界深度処理を実現する画像処理装置および画像処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像処理装置の構成図。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る画像処理装置および画像処理方法において、ピクセルの位置拡散処理に用いる位置拡散値パターン。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る画像処理方法の手順を示すフローチャート。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係るレンダリング処理の手順を示すフローチャート。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る画像処理装置の構成図。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る画像処理装置および画像処理方法において、誤差拡散処理に用いるカラー拡散値パターン。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る画像処理方法の手順を示すフローチャート。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る画像処理方法における、レンダリング処理の手順を示すフローチャート。
【図9】本発明の第3の実施の形態に係る画像処理装置の構成図。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係る画像処理方法の手順を示すフローチャート。
【図11】本発明の第3の実施の形態に係る画像処理方法における、レンダリング処理の手順を示すフローチャート。
【図12】従来の画像処理方法における、被写界深度処理方法の手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…CPU
2…システムバス
3…レンダリング装置
4…ピクセル描画処理前段装置
5…相対位置演算装置
6…位置拡散処理装置
7…位置拡散値パターンテーブル
8…ピクセル描画処理後段装置
9…グラフィックスメモリ
10…表示装置コントローラ
11…表示装置
12…誤差拡散処理装置
13…カラー拡散値パターンテーブル
【発明の属する技術分野】
本発明は、3Dグラフィックスの画像処理に関し、特に、被写界深度処理を含む画像処理を行う画像処理装置および画像処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
3Dグラフィックス処理において被写界深度処理という特殊処理がある。この技法は、カメラの焦点からずれたオブジェクトをぼかして描画することにより、遠近感を増大させるという効果を与える技法であり、この技法を用いて遠近感を増大させることで、3Dグラフィックスの立体感を強調することができる。
【0003】
この被写界深度処理方法の一つとして、焦点を特定の位置に固定した状態でカメラの視点を変えて複数の描画面を生成し、その複数の描画面を一枚のフレームバッファに描画することにより、目的の画像を得る方法がある。
【0004】
この方法においては、視点をずらして得る描画面数N(Nは自然数)を増やすことにより、適宜、被写界深度効果を増大させることが可能である。しかし、被写界深度処理を施した一画面を完成させるために、視点をN回ずらしてN画面分描画しなくてはならず、N倍の演算コストを必要としてしまう。
【0005】
このような背景から、より簡便な処理により被写界深度効果を得る方法が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。この従来の被写界深度処理方法のフローチャートを図12に示す。
【0006】
まず、3次元演算処理によりポリゴンの頂点情報を求める(S101)。そして、この頂点情報をもとにレンダリング処理を行い、コンピュータ・グラフィックス(CG)画像を構成するピクセルの描画を行う(S102)。このレンダリング処理では、ポリゴンの頂点情報からピクセルへのラスタ化処理が行われた後、テクスチャマッピング、Zバッファ処理などの処理が、各ピクセルごとにパイプラインで実行される。
【0007】
レンダリング処理(S102)は、ステップS101において頂点情報が算出されたポリゴン内のすべてのピクセルが描画されるまで繰り返し行う(S103)。そして、ポリゴン内のピクセル描画が終了した際、同一フレームの他のポリゴンのピクセル描画が終了していない場合は、ステップS101に戻り、他のポリゴンについてステップS101からS103までの処理を繰り返す(S104)。これにより、1フレーム分のピクセル描画が完成する。
【0008】
次に、ステップS104で得られた画像データの各ピクセルの奥行き情報と焦点位置との差などをもとにフィルタリング処理を行う(S105)。例えば、注目ピクセルの奥行き情報と焦点位置との差からぼかし範囲を求め、注目ピクセルの色情報とその注目ピクセルのぼかし範囲に含まれる周辺ピクセルの色情報との加重平均により注目ピクセルの色情報を算出する。このとき、焦点位置との差が大きいときは、ぼかし範囲を大きくとることで、注目ピクセルの色情報が周辺ピクセルの色情報の影響を大きく受けるようにし、一方、焦点位置との差が小さいときは、ぼかし半径を小さくとることで、注目ピクセルに対する周辺ピクセルの色情報の影響が比較的小さくなるようにする。
【0009】
このフィルタリング処理はピクセルごとに繰り返し行われ(S106)、これを繰り返すことにより、新規な画像データが構成される。そして、フレームが複数の場合は、以上のステップS101からステップS106までの処理を各フレームごとに繰り返す(S107)。
【特許文献1】
特開昭63−259778号公報(第3〜5頁、図2および3)
【特許文献2】
特開2000−322594号公報(第2〜4頁、図5および6)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、CRTなどの表示装置にCG画像を表示させる場合、毎秒20〜30フレームのCG画像が連続して表示される。このため、画像処理装置には、表示装置の表示スピードに合わせて、CG画像を作成することが求められる。つまり、画像処理装置には、1フレーム当たりの画像処理をある限られた時間内で行わなければならないという時間的制約が課せられる。
【0011】
画像処理装置が行える1フレーム当たりの画像処理の処理量が多い程、より多くのピクセル数のピクセル描画を行うことができ、画像の画質を向上させることができる。しかし、上記の時間的制約から、画像処理装置が行える1フレーム当たりの処理量は、一定量に限られる。
【0012】
従来の被写界深度処理方法は、テクスチャ処理や陰面消去などのレンダリング処理が行われ、1画面分のピクセル描画が完成した後でなければ、注目ピクセルに対する周辺ピクセルの画素情報が確定せず、フィルタリング処理を行うことができなかった。
【0013】
そのために、従来のフィルタリングによる被写界深度処理方法は、まず、1画面分の画像データを構成し、その後、その画像データを再び読み出して演算処理を行い、新規な画像データを構成していた。つまり、1画面分の画像データを得るのに2回のピクセル描画(ステップS101〜S104からなる1回目のピクセル描画と、ステップS105およびS106からなる2回目のピクセル描画)を必要としていた。そして、このことが、被写界深度処理にかかる画像処理の処理量を高いものとしていた。
【0014】
このため、従来の被写界深度処理方法では、被写界深度処理を導入すると、画像処理全体の演算コスト(単位フレーム当たりの画像処理を行うために必要な処理時間)が上昇してしまい、その上昇分の演算コストを削除するために、描画するピクセル数を減らし画質を犠牲にせざるを得なかった。また、画質を犠牲にすることで演算コストを削減したとしても、最低限の画質を維持する必要があるため、描画ピクセル数の低減による演算コストの削減には限界があり、テクスチャマッピングなどの他の処理を行う場合に対応することができなかった。
【0015】
このようなことから、より高画質なCG画像を得るために、被写界深度処理にかかる画像処理の処理量を低減し、画像処理の演算コストを下げることが求められている。
【0016】
本発明は、以上の背景からなされたもので、得られる画像の画質を維持しつつ、低い演算コストで被写界深度処理を実現する画像処理装置および画像処理方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成させるために、本発明に係る画像処理装置は、ポリゴンの頂点情報が入力され、この頂点情報からポリゴン内のピクセルごとに画素情報を算出するピクセル描画処理前段装置と、前記ピクセル描画処理前段装置から各ピクセルの奥行き情報が入力され、この奥行き情報と焦点位置との差をピクセルごとに算出する相対位置演算装置と、前記相対位置演算装置により算出した各ピクセルの奥行き情報と焦点位置との差をもとに、ピクセルの画素情報を変更するか否かをピクセルごとに決定し、変更する場合、変更する画素情報に対応した画素情報拡散値パターンをもとにピクセルの画素情報を変更して出力し、変更しない場合、ピクセルの画素情報を変更せずに出力する画素情報拡散処理装置と、前記画素情報拡散処理装置から入力された各ピクセルの画素情報を用いてピクセルごとに陰面消去を行うピクセル描画処理後段装置とを具備することを特徴としている。
【0018】
また、本発明に係る画像処理装置は、ポリゴンの頂点情報を算出するCPUと、前記CPUからポリゴンの頂点情報が入力され、この頂点情報からポリゴン内のピクセルごとに画素情報を算出するピクセル描画処理前段装置と、前記ピクセル描画処理前段装置から各ピクセルの奥行き情報が入力され、この奥行き情報と焦点位置との差をピクセルごとに算出する相対位置演算装置と、前記相対位置演算装置により算出した各ピクセルの奥行き情報と焦点位置との差をもとに、ピクセルの画素情報を変更するか否かをピクセルごとに決定し、変更する場合、変更する画素情報に対応した画素情報拡散値パターンをもとにピクセルの画素情報を変更して出力し、変更しない場合、ピクセルの画素情報を変更せずに出力する画素情報拡散処理装置と、前記画素情報拡散処理装置から入力された各ピクセルの画素情報を用いてピクセルごとに陰面消去を行うピクセル描画処理後段装置と、前記ピクセル描画処理後段装置から各ピクセルの画素情報が入力され、この画素情報を記憶保持するグラフィックスメモリと、前記グラフィックスメモリから各ピクセルの画素情報が入力され、この画素情報を画像表示用信号へ変換する表示装置コントローラとを具備することを特徴としている。
【0019】
更に、本発明に係る画像処理方法は、入力されたポリゴンの頂点情報からポリゴン内のピクセルごとに画素情報を算出するピクセル描画前段ステップと、前記ピクセル描画前段ステップにより得られた各ピクセルの奥行き情報と焦点位置との差をピクセルごとに算出する相対位置演算ステップと、前記相対位置演算ステップにより得られた各ピクセルの奥行き情報と焦点位置との差をもとに、ピクセルの画素情報を変更するか否かをピクセルごとに決定し、変更する場合、変更する画素情報に対応した画素情報拡散値パターンをもとにピクセルの画素情報を変更し、変更しない場合、ピクセルの画素情報を維持する画素情報拡散ステップと、前記画素情報拡散ステップにより処理された各ピクセルの画素情報を用いてピクセルごとに陰面消去を行うピクセル描画後段ステップとを具備することを特徴としている。
【0020】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下に、本発明に係る画像処理装置および画像処理方法についての第1の実施の形態を図1乃至4を参照しながら説明する。
【0021】
本実施の形態に係る画像処理装置の構成を図1に示す。
【0022】
一般的に、3次元画像処理は、3次元の座標データを持ったオブジェクトを2次元空間へと投影することにより行われる。この際、オブジェクトの3次元形状はポリゴンと呼ばれる多角形の集合として表現され、このポリゴンごとにCPU1が光源処理などのジオメトリ処理を行い、2次元空間に投影されたポリゴンの頂点情報を算出する。ここでいう頂点情報とは、色情報(R,G,B)、位置情報(X値,Y値)、奥行き情報(Z値)および属性(反射・透過属性)などである。この位置情報(X値,Y値)はポリゴンを2次元空間へと投影することにより得られる画像データ上での座標を示し、奥行き情報(Z値)は視点から奥行き方向への距離を示している。
【0023】
CPU1は、システムバス2を介して、レンダリング装置3内に設けられたピクセル描画処理前段装置4と接続されており、CPU1が算出したポリゴンの頂点情報がピクセル描画処理前段装置4へと出力されるようになっている。
【0024】
ピクセル描画処理前段装置4は、入力されたポリゴンの頂点情報をもとにポリゴン内のピクセルの描画を行う。具体的には、例えば、頂点情報から求めたポリゴンの辺方向の傾きをもとに辺上のピクセルの画素情報(色情報(R,G,B)、位置情報(X値,Y値)、奥行き情報(Z値)および属性)を求め、続いて、その辺上のピクセルの画素情報からラスタ方向(X方向)の傾きを算出し、その傾きを用いてポリゴン内部のピクセルの画素情報を求めていく。以下、便宜上、この処理をラスタ化処理と称す。
【0025】
また、ピクセル画像処理前段装置4はテクスチャ処理を行う機能も備えている。テクスチャ処理とは、以上のピクセル描画で求まったテクスチャアドレスから、その画像に対応したテクスチャ画像を読みこむ処理のことであり、これにより、テクスチャ画像をポリゴンに対応させて貼り付けることができる。
【0026】
相対位置演算装置5は、ピクセル描画処理前段装置4から各ピクセルのZ値が入力されるように接続されている。この相対位置演算装置5は、各ピクセルに対して、奥行き方向(Z方向)にあらかじめ設定された焦点位置Z0とZ値との差(ΔZ値(=Z値−Z0))を求め、後段の位置拡散処理装置6にΔZ値を出力する。
【0027】
位置拡散処理装置6は、相対位置演算装置5から入力された各ピクセルのΔZ値とピクセル描画処理前段装置4から入力された各ピクセルの位置情報(X値,Y値)をもとに、位置拡散処理を行う回路である。位置拡散処理とは、ピクセルの位置情報(X値,Y値)を変更する処理であり、具体的には、位置拡散値パターンテーブル7に格納されている位置拡散値パターンから各ピクセルの位置拡散値(ΔX値,ΔY値)を求め、その位置拡散値(ΔX値,ΔY値)をピクセルの位置情報(X値,Y値)に足し込むことによりピクセルの位置情報を新たな位置情報(X+ΔX,Y+ΔY)に変更する処理である。ここで、位置拡散値(ΔX値,ΔY値)とは、ピクセルの位置情報を変更する際の変更前のピクセル位置(X,Y)から変更後のピクセル位置(X+ΔX,Y+ΔY)までの相対位置のことを指す。この位置拡散処理は、ピクセルのΔZ値をもとに行われるが、これについては後に詳述する。
【0028】
位置拡散値パターンテーブル7は、位置拡散値(ΔX値,ΔY値)のパターンテーブルであり、例えば、RAMなどに記憶されている。また、この位置拡散値パターンテーブル7へは、レンダリング装置3の外部からデータDATAを入力でき、画像処理の実施者が、所望のピクセルの位置拡散が得られるように、位置拡散値パターンを変更することが可能となっている。
【0029】
ピクセル描画処理後段装置8はピクセル描画の残りの処理を行う装置であり、位置拡散処理装置6から位置拡散処理が施されたピクセルの位置情報が入力され、ピクセル描画処理前段装置4から残りの画素情報(色情報(R,G,B)、奥行き情報(Z値)および属性)が入力される。そして、このピクセルの画素情報をもとに陰面消去などのフラグメント処理を行う。陰面消去とは、Z方向において手前にあるオブジェクトが奥にあるオブジェクトを隠すようにオブジェクト間の前後関係を確定する処理である。具体的には、例えば、Zバッファメモリに格納された同じ位置情報を持つピクセルのZ値と比較し、新たに入力されたピクセルのZ値が小さい場合には、その画素情報を有効としてグラフィックスメモリ9への当該ピクセルの画素情報の書き換えを行い、逆に、新たに入力されたピクセルのZ値が大きい場合には、その画素情報を無効としてグラフィックスメモリ9への当該ピクセルの画素情報の書き換えを行わないようにする。
【0030】
グラフィックスメモリ9は、以上の処理により求められたピクセルの画素情報が書き込まれるメモリである。このグラフィックスメモリ9に格納されたピクセルの画素情報は、後段の表示装置コントローラ10により読み込まれる。また、グラフィックスメモリ9は、ピクセル描画処理後段装置8が陰面消去処理において用いるZバッファメモリを含んでいる。
【0031】
表示装置コントローラ10は、グラフィックスメモリ9から読み込んだピクセルの画素情報を表示装置11などの外部装置に適応する信号GRに変換し出力する。また、表示装置コントローラ10は、表示装置11へ1フレーム分の画像データを出力した際、フレームを切り替えたことを示すフレーム切り替え情報SYNCを位置拡散処理装置6へとフィードバックさせる。位置拡散処理装置6は、このフレーム切り替え情報SYNCを受け、フレームごとに位置拡散処理に用いる位置拡散値パターンを変更する。
【0032】
なお、フレームごとに位置拡散値パターンを変更するには、ピクセル描画処理のフレームの切り替えと位置拡散値パターンの変更とを同期させる必要があるが、これは、例えば、ピクセル描画処理中に位置拡散処理装置6へのフレーム切り替え情報SYNCの割り込みがあった場合、その割り込みがあったことを記憶しておき、次のフレームのピクセル描画開始時に位置拡散値パターンを変更することで達成される。
【0033】
表示装置11は表示装置コントローラ10より入力された信号をもとに画像を表示する装置である。この表示装置11には、例えば、CRT、テレビ、液晶ディスプレイなどが該当する。
【0034】
続いて、位置拡散処理装置6が行う位置拡散処理について説明を加え、この位置拡散処理によって、どのように被写界深度効果が得られるかを説明する。以下、位置拡散処理装置6が行う位置拡散処理を手順に沿って説明する。
【0035】
まず、位置拡散処理装置6は、あらかじめ設定された2つの境界値Zth1、Zth2と入力されたピクセルのΔZ値(=Z値−Z0)との大小を比較する。この比較により、ピクセルのΔZ値が3つの領域(|ΔZ|<Zth1,Zth1<|ΔZ|<Zth2,Zth2<|ΔZ|)のどの領域に属するかが判断され、ΔZ値の大小により各ピクセルが3種類に分類される。
【0036】
この分類の結果、ΔZ値が|ΔZ|<Zth1であるとき、すなわち、焦点位置からのずれが非常に小さいときには、位置拡散処理装置6は、ピクセルの位置情報(X値,Y値)を変更せず、入力された位置情報(X値,Y値)を、そのまま、後段のピクセル描画処理後段装置8へと出力する。
【0037】
一方、ΔZ値が、Zth1<|ΔZ|<Zth2、または、Zth2<|ΔZ|のときには、それぞれ、位置拡散値パターンテーブル7内の2つの位置拡散値パターンから別々の位置拡散値パターンを選択し、その位置拡散値パターンを用いて位置拡散値(ΔX,ΔY)を求め、ピクセルの位置情報(X値,Y値)を新たな位置情報(X+ΔX,Y+ΔY)へと変更する。
【0038】
具体的には、ΔZ値がZth1<|ΔZ|<Zth2であるとき、すなわち、焦点位置からのずれが比較的小さいときには、2次元画面全体を縦2ピクセル×横2ピクセルのマトリクス単位で区切り、このマトリクスに図2(a)に示す位置拡散値パターンを適用することで位置拡散値(ΔX,ΔY)を求め、位置情報の変更を行う。
【0039】
また、ΔZ値がZth2<|ΔZ|であるとき、すなわち、焦点位置からのずれが比較的大きいときには、2次元画面全体を縦4ピクセル×横4ピクセルのマトリクス単位で区切り、このマトリクスに図2(b)に示す位置拡散値パターンを適用することで位置拡散値(ΔX,ΔY)を求め、位置情報の変更を行う。
【0040】
図2(a)および(b)に示す位置拡散値パターン中の矢印は、矢印の始端が変更前のピクセル位置を、終端が変更後のピクセル位置を示している。そして、これらの位置拡散値パターンには、矢印で示したピクセルの位置拡散が行われるように、パターン内の座標(以下、下位値(X´,Y´))ごとに位置拡散値(ΔX,ΔY)が設定されている。例えば、図2(a)に示す位置拡散値パターンでは、下位値が(X´,Y´)=(00,00)のピクセルは、下位値(01,01)のピクセルへと位置情報が変更されるように、位置拡散値が(ΔX,ΔY)=(01,01)と設定されている。これにより、ピクセルの位置情報(X値,Y値)から、当該ピクセルの位置拡散値パターンでの対応箇所(下位値)を求めることで、位置拡散値(ΔX値,ΔY値)を一意に求めることができる。
【0041】
そして、以上のように求まった位置拡散値(ΔX値,ΔY値)を位置情報(X値,Y値)へと足し込むことで、位置情報を新しい位置情報(X+ΔX,Y+ΔY)へと変更する。ここまでが、位置拡散処理装置6が行う位置拡散処理である。
【0042】
ここで、図2(a)の位置拡散値パターンと図2(b)に示す位置拡散値パターンとを比較すると、図2(a)の位置拡散値パターンでは縦2ピクセル×横2ピクセルのマトリクス内でピクセル位置が拡散されるのに対し、図2(b)の位置拡散値パターンでは縦4ピクセル×横4ピクセルのマトリクス内でピクセル位置が拡散される。つまり、図2(b)に示す位置拡散値パターンを用いた方が広い範囲でピクセル位置が拡散される。このように、焦点からのずれ(ΔZ値)が大きいピクセルには、広い範囲でピクセルの位置拡散が行われるパターン(例えば、図2(b))を用い、逆に、焦点からのずれ(ΔZ値)が小さいピクセルには、比較的狭い範囲でピクセルの位置拡散が行われるパターン(例えば、図2(a))を用いることで、ピクセルの位置拡散が行われる範囲の広狭を焦点からのずれ(ΔZ値)の大小に対応させることができる。つまり、ピクセルの位置拡散による被写界深度処理が可能となる。
【0043】
以上において説明した本実施の形態に係る画像処理装置は、オブジェクトの焦点からのずれ(ΔZ値)に対応してピクセル位置を拡散することで被写界深度処理を施している。このため、被写界深度処理により遠近感を強調することで3Dグラフィックスの立体感を強調することができる。
【0044】
また、本実施の形態に係る画像処理装置は、レンダリング処理の途中段階においてぼかし処理であるピクセルの位置拡散を行っており、1回のピクセル描画により被写界深度処理を実現できる。このため、他の被写界深度処理方法による画像処理装置と比較して、演算コストを削減することができ、より多くのピクセル数のピクセル描画処理を行い、高画質なCG画像を得ることができる。
【0045】
更に、従来の被写界深度処理装置は、1画面分の画像データを得るのに、2回の描画コマンドセットを使用して画像処理装置を制御する必要があった。しかし、本実施の形態に係る画像処理装置は、1回のピクセル描画により被写界深度処理を実現しているため、1回の描画コマンドセットにより当該画像処理装置の動作を制御することが可能である。このため、被写界深度処理を導入することで画像処理装置の動作制御が複雑にならない。
【0046】
更にまた、従来の被写界深度処理装置は、フィルタリング処理において注目ピクセルの色情報を算出するのに周辺ピクセルの色情報を必要とするため、注目ピクセルの演算が終了した後も、周辺ピクセルの演算に用いられることを考慮して、その注目ピクセルの演算処理前の色情報を記憶しておく必要があった。このため、従来の被写界深度処理装置は、被写界深度処理を施した1画面分の画像データを得るのに、少なくとも1画面分以上の画像データを記憶保持しておくメモリ容量が必要であった。しかし、本実施の形態に係る画像処理装置は、フレーム1枚分のピクセル描画が完成した時点で被写界深度処理を施したCG画像が得られるため、フィルタリング処理による従来の被写界深度処理装置とは異なり、演算結果を記憶保持しておくメモリを必要としない。よって、より少ないメモリ容量のハードウェアにおいて被写界深度処理を実現できる。
【0047】
更に、複数のフレームに渡って、同一の位置拡散値パターンを用いてピクセルの位置拡散処理を行うと、その処理により得られたCG画像は、ピクセルの位置拡散の規則性が反映された不自然なものとなる可能性がある。しかし、本実施の形態に係る画像処理装置は、表示装置コントローラ10から位置拡散処理装置6へのフレーム切り替え情報SYNCのフィードバックにより、1フレームごとにピクセルの位置拡散のパターンを変更している。一般的に、表示装置11に表示される画像は20〜30フレーム/秒であり、肉眼では1フレームごとではなく複数のフレームが重なったものとして認識される。このため、ピクセルの位置拡散のパターンが1フレームごとに変化することにより、表示装置11に表示された際にピクセルの位置拡散の規則性が観測者に認識されにくく、より自然な被写界深度効果を得ることができる。
【0048】
次に、図3および図4を用いて、本実施の形態に係る画像処理方法について説明する。図3は、本実施の形態に係る画像処理方法をステップ順に示すフローチャートである。
【0049】
まず、3次元オブジェクトをポリゴンによりモデリングし、そのポリゴンの頂点情報を光源処理などのジオメトリ処理により求める(S11)。
【0050】
次に、このポリゴンの頂点情報をもとにレンダリング処理を行い、コンピュータ・グラフィックス(CG)画像を構成するピクセルの描画を行う(S12)。このレンダリング処理は、ピクセルの位置拡散によるオブジェクトのぼかし処理を含んでいる。これについては、後のレンダリング処理の説明において詳述する。
【0051】
レンダリング処理(S12)は、ステップS12において頂点情報が算出されたポリゴン内のすべてのピクセルが描画されるまで、ピクセルごとに繰り返し行う(S13)。そして、このポリゴン内のピクセル描画が終了した後、同一フレーム内の他のポリゴンのピクセル描画が終了していない場合は、ステップS11に戻り、他のポリゴンについてステップS11からS13までの処理を繰り返す(S14)。これにより、1フレーム分のピクセル描画が完成する。
【0052】
1フレーム分のピクセル描画が完成した場合は、表示装置コントローラ10からのフレーム切り替え情報SYNCなどをもとに、レンダリング処理(S12)において用いる位置拡散値パターンを変更する(S15)。そして、以上のステップS11からS15までの処理を、すべてのフレームに対するピクセル描画が完成するまで、繰り返し行う(S16)。
【0053】
そして、以上のステップによりグラフィックスメモリ9に書き込まれた画像データを、表示装置コントローラ10により読み出し、表示装置11での表示に対応するように画像データを信号処理して表示装置11へと出力することで、3次元のオブジェクトが、被写界深度処理が施されたCG画像として表示装置11に表示される。
【0054】
次に、図3のステップS12で行うレンダリング処理について、更に説明を加える。図4は、本実施の形態に係るレンダリング処理をステップ順に示すフローチャートである。
【0055】
まず、ジオメトリ処理(図3中のステップS11)により得られたポリゴンの頂点情報から、ポリゴン内部のピクセルの画素情報(色情報(R,G,B)、位置情報(X値,Y値)、奥行き情報(ΔZ値)、位置拡散値(ΔX値,ΔY値)および属性)をラスタ処理により算出する。そして、ピクセルの画素情報にテクスチャ処理を行い、ピクセルにテクスチャ画像の貼り付けを行う(S12a)。
【0056】
次に、先のステップS12aにおいて得られたピクセルの奥行き情報Z値から、Z値と焦点位置との差(ΔZ値)をピクセルごとに求める(S12b)。
【0057】
次に、このΔZ値をもとに、ピクセルの位置情報(X値,Y値)を変更するか否かを決定する。位置情報を変更する場合は、更に、ΔZ値に基づいて、あらかじめ用意された複数の位置拡散値パターンの中から一つの位置拡散値パターンを選択し、この位置拡散値パターンを用いて位置拡散値(ΔX,ΔY)を求める。このとき、ΔZ値が大きい場合には、広い範囲でピクセルの位置拡散が行われる位置拡散値パターン(例えば、図2(b))を用い、逆に、ΔZ値が小さいピクセルには、広い範囲でピクセルの位置拡散が行われる位置拡散値パターン(例えば、図2(a))を用いる。そして、得られた位置拡散値(ΔX,ΔY)をもとに各ピクセルの位置情報(X,Y)を新しい位置情報(X+ΔX、Y+ΔY)へと変更する(S12c)。
【0058】
次に、この位置情報が変更されたピクセルの画素情報をもとに、陰面消去などのフラグメント処理を行い(S12d)、これらの処理が施された画素情報をグラフィックスメモリ9へと書き込み保持していく(S12e)。上記の一連のステップを通して、レンダリング処理が行われる。
【0059】
以上において説明した本実施の形態に係る画像処理方法は、オブジェクトの焦点からのずれ(ΔZ値)に対応してピクセル位置を拡散することで被写界深度処理を施している。このため、被写界深度処理により遠近感を強調することで3Dグラフィックスの立体感を強調することができる。
【0060】
本実施の形態に係る画像処理方法は、レンダリング処理の途中段階においてぼかし処理である描画ピクセル位置の拡散を行っているため、1回のピクセル描画により被写界深度処理を実現できる。このため、他の被写界深度処理を行う画像処理方法と比較して、演算コストを削減することができる。
【0061】
また、本実施の形態に係る画像処理方法は、表示装置コントローラ10から位置拡散値パターンテーブル5へのフレーム切り替え情報SYNCのフィードバックにより、1フレームごとにピクセルの位置拡散のパターンを変更することで、より自然な被写界深度効果を得ることができる。
【0062】
なお、本実施の形態の画像処理装置および画像処理方法の説明において、位置拡散値パターンの一例を図2に示したが、これはあくまでも一例であり、位置拡散値パターンはこれらに限定されない。
【0063】
また、本実施の形態の画像処理装置および画像処理方法は、焦点からのずれ(ΔZ値)を境界値Zth1、Zth2により分類し、位置情報を変更するか否か、また、変更する場合は、2つの位置拡散値パターンのうちのどちらのパターンを適用するかを決定しているが、このZth1、Zth2以外に更に境界値を設定し、3つ以上の位置拡散値パターンから選択するようにしても構わない。また、境界値を1つだけ設定し、その境界値とΔZ値との比較により、位置情報を変更するか否かのみを決定しても構わない。すなわち、ΔZ値の大小に対応した範囲の広狭でピクセルの位置が拡散するように、レンダリング処理中において、ピクセルの位置情報が変更されれば良い。
【0064】
更に、本実施の形態に係る画像処理装置および画像処理方法は、色情報をR,G,Bの三色で構成した場合を示したが、これに限られず、ピクセルの色情報が単色で構成されている場合でも構わない。
【0065】
更にまた、本実施の形態に係る画像処理装置においては、グラフィックスメモリ9および表示装置コントローラ10がレンダリング装置3内に設けられているが、これらのグラフィックスメモリ9および表示装置コントローラ10は、レンダリング装置3とは独立に構成されていても構わない。これと同様に、本実施の形態に係る画像処理装置においては、CPU1が独立のチップにより構成されているが、これに限られず、CPU1がレンダリング装置3内に設けられていても構わない。
(第2の実施の形態)
以下に、本発明に係る画像処理装置および画像処理方法についての第2の実施の形態を図5乃至9を参照しながら説明する。
【0066】
本実施の形態に係る画像処理装置の構造を図5に示す。なお、本実施の形態に係る画像処理装置は、第1の実施の形態における位置拡散処理装置6を誤差拡散処理装置12に置き換え、位置拡散値パターンテーブル7をカラー拡散値パターンテーブル13に置き換えたものであり、その他の構成要素については、第1の実施の形態において図1を参照しながら説明したものと同一であるので、ここでは、その説明を省略する。
【0067】
誤差拡散処理装置12は、相対位置演算装置5から入力された各ピクセルのΔZ値とピクセル描画処理前段装置4から入力された位置情報(X値,Y値)をもとに誤差拡散処理を行う回路である。誤差拡散処理とは、ピクセルの色情報(R,G,B)を変更する処理であり、具体的には、カラー拡散値パターンテーブル13に格納されているカラー拡散値パターンから各ピクセルのカラー拡散値Dを求め、そのカラー拡散値Dをピクセルの色情報(R,G,B)に足し込むことによりピクセルの位置情報を新たな色情報に変更する。ここで、カラー拡散値Dとは、誤差拡散処理の際に各ピクセルの色情報に足しあわされる誤差値のことを指す。この誤差拡散処理は、ピクセルのΔZ値をもとに行われるが、これについては後に詳述する。
【0068】
カラー拡散値パターンテーブル13は、カラー拡散値Dのパターンテーブルであり、例えば、RAMなどに記憶されている。また、このカラー拡散値パターンテーブル13へは、レンダリング装置3の外部からデータDATA´を入力できるようになっており、画像処理の実施者が、所望の誤差拡散が得られるように、カラー拡散値パターンを変更することが可能となっている。
【0069】
ピクセル描画処理後段装置8は、誤差拡散処理装置12から誤差拡散処理が施されたピクセルの色情報が入力され、ピクセル描画処理前段装置4から残りの画素情報(位置情報(X,Y)、奥行き情報(Z値)および属性)が入力される。そして、このピクセルの画素情報をもとに陰面消去などのフラグメント処理を行う。
【0070】
表示装置コントローラ10は、表示装置11へ1フレーム分の画像データを出力した際、フレームを切り替えたことを示すフレーム切り替え情報SYNCを誤差拡散処理装置12へとフィードバックさせる。誤差拡散処理装置12は、このフレーム切り替え情報SYNCを受け、フレームごとに誤差拡散処理に用いるカラー拡散値パターンを変更する。
【0071】
続いて、誤差拡散処理装置12が行う誤差拡散処理について説明を加え、この誤差拡散処理によって、どのように被写界深度効果が得られるかを説明する。以下、誤差拡散処理装置12が行う誤差拡散処理を手順に沿って説明する。
【0072】
まず、誤差拡散処理装置12は、あらかじめ設定された2つの境界値Zth1、Zth2と入力されたピクセルのΔZ値との大小を比較する。これにより、ピクセルのΔZ値が3つの領域(|ΔZ|<Zth1,Zth1<|ΔZ|<Zth2,Zth2<|ΔZ|)のどの領域に属するかが判断され、焦点位置からのずれ(ΔZ値)をもとに各ピクセルが3種類に分類される。
【0073】
この分類の結果、ΔZ値が|ΔZ|<Zth1であるとき、すなわち、焦点位置からのずれが非常に小さいときには、ピクセルの色情報(R,G,B)を変更せず、誤差拡散処理装置12は、入力された色情報(R,G,B)を、そのまま、後段のピクセル描画処理後段装置8へと出力する。
【0074】
一方、ΔZ値が、Zth1<|ΔZ|<Zth2、または、Zth2<|ΔZ|のときには、それぞれ、カラー拡散値パターンテーブル13内の複数のカラー拡散値パターンから別々のカラー拡散値パターンを選択し、そのカラー拡散値パターンを用いてカラー拡散値Dを求め、ピクセルの色情報を新たな色情報へと変更する。
【0075】
具体的には、ΔZ値がZth1<|ΔZ|<Zth2であるとき、すなわち、焦点位置からのずれが比較的小さいときには、2次元画面全体を縦2ピクセル×横2ピクセルのマトリクス単位で区切り、このマトリクスに図6(a)に示す位置拡散値パターンを適用することでカラー拡散値Dを求め、色情報の変更を行う。
【0076】
また、ΔZ値がZth2<|ΔZ|であるとき、すなわち、焦点位置からのずれが比較的大きいときには、2次元画面全体を縦4ピクセル×横4ピクセルのマトリクス単位で区切り、このマトリクスに図6(b)に示す位置拡散値パターンを適用することでカラー拡散値Dを求め、色情報の変更を行う。
【0077】
カラー拡散値パターンテーブル13には、パターンテーブル内の下位値ごとにカラー拡散値Dが設定されている。例えば、図6(a)に示すカラー拡散値パターンでは、下位値が(X´,Y´)=(00,00)のピクセルは、カラー拡散値がD=1と設定されている。これにより、ピクセルの位置情報(X値,Y値)から、当該ピクセルのカラー拡散値パターンでの対応箇所(下位値)を求めることで、カラー拡散値Dを一意に求めることができる。
【0078】
次に、このように求めたカラー拡散値Dを誤差として色情報(R,G,B)に足し合わせ、その後、色情報の下位ビットを切り捨てる。例えば、誤差拡散処理の対象とするピクセルが、8ビット表示でR=11101101(2進数)という色情報を持っており、図6(b)のカラー拡散値パターンにおける下位値が(X´,Y´)=(00,01)である場合は、カラー拡散値D=4(10進数)=100(2進数)を色情報に足し合わせ(11101101+100=11110001)、更に、その下位3ビットを切り捨てる。これにより、このピクセルの色情報(R)は11110と変更される。
【0079】
カラー拡散値Dは、カラー拡散値パターンの中で下位値ごとに異なる値をとるので、この誤差拡散処理により、パターンの範囲内でピクセルの色情報への誤差(カラー拡散値D)の拡散が行われ、パターン内で色情報が均一化される。これにより、色のトーン差によるオブジェクトの輪郭をぼやけさせて表現することができる。
【0080】
ここで、図6(a)のカラー拡散値パターンと図6(b)に示すカラー拡散値パターンとを比較すると、図6(a)のカラー拡散値パターンでは、縦2ピクセル×横2ピクセルのマトリクス内で色情報が均一化されるのに対し、図6(b)のカラー拡散値パターンでは、縦4ピクセル×横4ピクセルのマトリクス内で色情報が均一化される。つまり、図6(b)に示すカラー拡散値パターンを用いた方が広い範囲で色情報が均一化される。このように、焦点からのずれ(ΔZ)が大きいピクセルには、広い範囲で色情報が均一化されるパターン(例えば、図6(b))を用い、逆に、焦点からのずれ(ΔZ)が小さいピクセルには、比較的狭い範囲で色情報が均一化されるパターン(例えば、図6(a))を用いることで、誤差拡散の範囲をΔZの大小に対応させ、焦点からのずれに対応したぼかし処理を行うことができる。
【0081】
以上において説明した本実施の形態に係る画像処理装置は、オブジェクトの焦点からのずれ(ΔZ値)に対応した誤差により誤差拡散処理を行うことにより被写界深度処理を施している。このため、被写界深度処理により遠近感を強調することで3Dグラフィックスの立体感を強調することができる。
【0082】
本実施の形態に係る画像処理装置は、レンダリング処理の途中段階においてぼかし処理であるピクセルの誤差拡散を行っており、1回のピクセル描画により被写界深度処理を実現できる。このため、他の被写界深度処理方法による画像処理装置と比較して、演算コストを削減することができ、より多くのピクセル数のピクセル描画処理を行い、高画質なCG画像を得ることができる。
【0083】
更に、本実施の形態に係る画像処理装置は、1回のピクセル描画により被写界深度処理を実現しているため、1回の描画コマンドセットにより当該画像処理装置の動作を制御することが可能であり、被写界深度処理を導入することで画像処理装置の動作制御が複雑にならない。
【0084】
更にまた、本実施の形態に係る画像処理装置は、フレーム1枚分のピクセル描画が完成した時点で被写界深度処理を施したCG画像が得られるため、フィルタリング処理による被写界深度処理とは異なり、フィルタリング処理の演算結果を記憶保持しておくメモリを必要としない。よって、より少ないメモリ容量のハードウェアにおいて被写界深度処理を実現できる。
【0085】
更に、複数のフレームに渡って、同一のカラー拡散値パターンのセットを用いてピクセルの位置拡散処理を行うと、その処理により得られたCG画像は、誤差拡散の規則性が反映された不自然なものとなる可能性がある。しかし、本実施の形態に係る画像処理装置は、表示装置コントローラ10から誤差拡散処理装置12へのフレーム切り替え情報SYNCのフィードバックにより、1フレームごとにカラー拡散値パターンを変更している。一般的に、表示装置11に表示される画像は20〜30フレーム/秒であり、肉眼では1フレームごとではなく複数のフレームが重なったものとして認識される。このため、カラー拡散値パターンが1フレームごとに変化することにより、表示装置11に表示された際に観測者にピクセルの位置拡散の規則性が認識されにくく、自然な被写界深度効果を得ることができる。
【0086】
次に、図7および図8を用いて、本実施の形態に係る画像処理方法について説明する。なお、本実施の形態に係る画像処理方法は、図3のステップS15をステップS25で置き換え、更に、第1の実施の形態の説明において図4を参照して説明したピクセルの位置拡散処理(図4のステップS12c)を誤差拡散処理(ステップS22c)に置き換えたものであり、他のステップは同一である。よって、ここでは、第1の実施の形態に係る画像処理方法と共通するステップについては、その説明を省略する。
【0087】
図7は、本実施の形態に係る画像処理方法をステップ順に示すフローチャートである。ステップS22におけるレンダリング処理は、誤差拡散処理によるオブジェクトのぼかし処理を含んでいる。また、この誤差拡散処理において用いられるカラー拡散値パターンは、ステップS25において、1フレーム分のピクセル描画が完成する度に、表示装置コントローラ10からのフレーム切り替え情報SYNCなどをもとに変更される。
【0088】
次に、図7のステップS22で行うレンダリング処理について、レンダリング処理をステップ順に示すフローチャートである図8を参照して説明する。
【0089】
本実施の形態のレンダリング処理においては、ステップS22bで求めたΔZ値をもとに、誤差拡散処理を行う(S22c)。この誤差拡散処理は、まず、ΔZ値をもとに、ピクセルの色情報(R,G,B)を変更するか否かを決定する。次に、色情報を変更する場合は、更に、ΔZ値に基づいて、あらかじめ用意された複数のカラー拡散値パターンの中から一つのカラー拡散値パターンを選択し、このカラー拡散値パターンを用いてカラー拡散値Dを求める。このとき、ΔZ値が大きい場合には、広い範囲で色情報が均一化されるカラー拡散値パターン(例えば、図6(b))を用い、逆に、ΔZ値が小さいピクセルには、比較的狭い範囲で色情報が均一化されるカラー拡散値パターン(例えば、図6(a))を用いる。そして、得られたカラー拡散値Dをもとに各ピクセルの色情報(R,G,B)を新しい色情報へと変更する。そして、この色情報が変更されたピクセルの画素情報をもとに、陰面消去などのフラグメント処理を行われる(S22d)。
【0090】
以上において説明した本実施の形態に係る画像処理方法は、オブジェクトの焦点からのずれ(ΔZ値)に対応した誤差により誤差拡散処理を行うことで被写界深度処理を施している。このため、被写界深度処理により遠近感を強調することで3Dグラフィックスの立体感を強調することができる。
【0091】
また、本実施の形態に係る画像処理方法は、レンダリング処理の途中段階においてぼかし処理である誤差拡散処理を行っているため、1回のピクセル描画により被写界深度処理を実現できる。このため、他の画像処理方法と比較して、演算コストを削減することができる。
【0092】
また、本実施の形態に係る画像処理方法は、表示装置コントローラ10から誤差拡散処理装置12へのフレーム切り替え情報SYNCのフィードバックにより、1フレームごとにカラー拡散値パターンを変更している。このため、より自然なぼかし効果を得ることができる。
【0093】
なお、本実施の形態の画像処理装置および画像処理方法の説明において、カラー拡散値パターンの一例を図6に示したが、これはあくまでも一例であり、カラー拡散値パターンはこれらに限定されない。
【0094】
また、本実施の形態の画像処理装置および画像処理方法は、焦点からのずれ(ΔZ値)を境界値Zth1、Zth2により分類し、色情報を変更するか否か、また、変更する場合は、2つのカラー拡散値パターンのうちのどちらのパターンを適用するかを決定しているが、このZth1、Zth2以外に更に境界値を設定し、3つ以上のカラー拡散値パターンから選択するようにしても構わない。また、境界値を1つだけ設定し、その境界値とΔZ値との比較により、色情報を変更するか否かのみを決定しても構わない。すなわち、ΔZ値の大小に対応した誤差拡散処理が行われさえすれば良い。
【0095】
更に、本実施の形態に係る画像処理装置および画像処理方法は、誤差拡散処理において、カラー拡散値Dを誤差として色情報(R,G,B)に足し合わせた後、色情報の下位ビットを切り捨てているが、この下位ビットの切捨ては、必ずしも必要ではない。下位ビットを切捨てなくとも、カラー拡散値Dの色情報(R,G,B)への足し合わせのみでオブジェクトのぼかし処理を実現できる。
【0096】
更にまた、本実施の形態に係る画像処理装置および画像処理方法は、色情報をR,G,Bの三色で構成した場合を示したが、第1の実施の形態同様、これに限られず、ピクセルの色情報が単色で構成されている場合でも構わない。
【0097】
更に、本実施の形態に係る画像処理装置においては、グラフィックスメモリ9および表示装置コントローラ10がレンダリング装置3内に設けられているが、第1の実施の形態同様、これらのグラフィックスメモリ9および表示装置コントローラ10は、レンダリング装置3とは独立に構成されていても構わない。これと同様に、本実施の形態に係る画像処理装置においては、CPU1が独立に構成されているが、これに限られず、CPU1がレンダリング装置3内に設けられていても構わない。
(第3の実施の形態)
以下に、本発明に係る画像処理装置および画像処理方法についての第3の実施の形態を図9乃至11を参照しながら説明する。
【0098】
本実施の形態に係る画像処理装置の構造を図9に示す。なお、本実施の形態に係る画像処理装置は、第1および第2の実施の形態において説明した、位置拡散処理装置6、位置拡散値パターンテーブル7、誤差拡散処理装置12、および、カラー拡散値パターンテーブル13のすべてを備えたものであり、他の構成要素については、第1および第2の実施の形態において説明したものと同一である。よって、ここでは、共通する部分については、説明を省略する。
【0099】
位置拡散処理装置6は、相対位置演算装置5から入力された各ピクセルのΔZ値とピクセル描画処理前段装置4から入力された各ピクセルの位置情報(X値,Y値)をもとに、位置拡散処理を行う回路である。この位置拡散処理は、第1の実施の形態において説明したものと同一である。
【0100】
位置拡散値パターンテーブル7は、位置拡散値(ΔX値,ΔY値)のパターンテーブルであり、例えば、RAMなどに記憶されている。また、この位置拡散値パターンテーブル7へは、レンダリング装置3の外部からデータDATAを入力できるようになっており、画像処理の実施者が、所望のピクセルの位置拡散が得られるように、位置拡散値パターンを変更することが可能となっている。
【0101】
誤差拡散処理装置12は、相対位置演算装置5から入力された各ピクセルのΔZ値とピクセル描画処理前段装置4から入力された位置情報(X値,Y値)をもとに、誤差拡散処理を行う回路である。この誤差拡散処理は、第2の実施の形態において説明したものと同一である。
【0102】
カラー拡散値パターンテーブル13は、カラー拡散値Dのパターンテーブルであり、例えば、RAMなどに記憶されている。また、このカラー拡散値パターンテーブル13へは、レンダリング装置3の外部からデータDATA´を入力できるようになっており、画像処理の実施者が、所望のピクセルの誤差拡散が得られるように、カラー拡散値パターンを変更することが可能となっている。
【0103】
ピクセル描画処理後段装置8は、位置拡散処理装置6から位置拡散処理が施されたピクセルの位置情報が入力され、誤差拡散処理装置12から誤差拡散処理が施されたピクセルの色情報が入力され、更に、ピクセル描画処理前段装置4から残りの画素情報(奥行き情報(Z値)および属性)が入力される。そして、このピクセルの画素情報をもとに陰面消去などのフラグメント処理を行う。
【0104】
本実施の形態に係る画像処理装置は、オブジェクトの焦点からのずれ(ΔZ値)に対応して画像データ上でのピクセル位置を拡散し、更に、ΔZ値に対応した誤差により誤差拡散処理を行っている。そのため、より自然な被写界深度処理を施すことができる。
【0105】
また、本実施の形態に係る画像処理装置は、第1および第2の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0106】
次に、図10および図11を用いて、本実施の形態に係る画像処理方法について説明する。なお、本実施の形態に係る画像処理方法は、レンダリング処理において位置拡散処理と誤差拡散処理とを行うものであり、他のステップは第1および第2の実施の形態と同一である。よって、ここでは、その説明を省略する。
【0107】
図10は、本実施の形態に係る画像処理方法をステップ順に示すフローチャートである。ステップS32におけるレンダリング処理は、位置拡散処理と誤差拡散処理によるオブジェクトのぼかし処理を含んでいる。また、これらの処理に用いられる位置拡散値パターンおよびカラー拡散値パターンは、ステップS35において、1フレーム分のピクセル描画が完成する度に、表示装置コントローラ10からのフレーム切り替え情報SYNCなどをもとに変更される。
【0108】
次に、図10のステップS32で行うレンダリング処理について、レンダリング処理をステップ順に示すフローチャートである図11を用いて説明する。
【0109】
本実施の形態のレンダリング処理においては、ステップS32bで求めたΔZ値をもとに、位置拡散処理を行っている(S32c)。この誤差拡散処理は、第1の実施の形態において説明したものと同一である。更に、ΔZ値をもとに、誤差拡散処理を行う(S32d)。この誤差拡散処理は、第2の実施の形態において説明したものと同一である。そして、この処理が施されたピクセルの画素情報をもとに、陰面消去などのフラグメント処理を行われる(S32e)。
【0110】
以上において説明した本実施の形態に係る画像処理方法は、オブジェクトの焦点からのずれ(ΔZ値)に対応してピクセル位置を拡散し、更に、誤差拡散処理を行っている。これにより、より自然な被写界深度処理を施すことができる。
【0111】
また、本実施の形態に係る画像処理方法は、第1および第2の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0112】
なお、本実施の形態に係る画像処理方法においては、位置拡散処理(S32c)を行った後、誤差拡散処理(S32d)を行っているが、この順序は逆でもよい。すなわち、これらの2つの処理が行われた後に、陰面処理など(S32e)が行われればよく、その順序は問わない。
【0113】
本発明は、実施段階ではその要旨を変更しない範囲で種々に変形することが可能である。
【0114】
例えば、本発明の実施の形態においては、ピクセルの画素情報のうち、位置情報、色情報、または、それらの両方を変更することで、被写界深度効果を実現しているが、画素情報のうちの他の情報(例えば、属性など)を変更しても構わない。すなわち、各ピクセルの焦点位置からのずれ(ΔZ)の大小に対応した変更幅で、各ピクセルの画素情報が変更されればよい。なお、この画素情報の変更に際しては、第1乃至3の実施の形態の説明で示したように、位置情報の変更には位置拡散値パターンを用い、色情報の変更にはカラー拡散値パターンを用いる。このように、変更する画素情報に対応した画素情報拡散値パターンを用いて画素情報を変更するものとする。
【0115】
以上、詳述したように、本発明に係る画像処理装置および画像処理方法の特徴をまとめると以下の通りになる。
【0116】
本発明に係る画像処理装置は、ポリゴンの頂点情報が入力され、この頂点情報からポリゴン内のピクセルごとに画素情報を算出するピクセル描画処理前段装置と、前記ピクセル描画処理前段装置から各ピクセルの奥行き情報が入力され、この奥行き情報と焦点位置との差をピクセルごとに算出する相対位置演算装置と、前記相対位置演算装置により算出した各ピクセルの奥行き情報と焦点位置との差をもとに、ピクセルの画素情報を変更するか否かをピクセルごとに決定し、変更する場合、変更する画素情報に対応した画素情報拡散値パターンをもとにピクセルの画素情報を変更して出力し、変更しない場合、ピクセルの画素情報を変更せずに出力する画素情報拡散処理装置と、前記画素情報拡散処理装置から入力された各ピクセルの画素情報を用いてピクセルごとに陰面消去を行うピクセル描画処理後段装置とを具備することを特徴としている。
【0117】
また、本発明に係る画像処理装置は、ポリゴンの頂点情報を算出するCPUと、前記CPUからポリゴンの頂点情報が入力され、この頂点情報からポリゴン内のピクセルごとに画素情報を算出するピクセル描画処理前段装置と、前記ピクセル描画処理前段装置から各ピクセルの奥行き情報が入力され、この奥行き情報と焦点位置との差をピクセルごとに算出する相対位置演算装置と、前記相対位置演算装置により算出した各ピクセルの奥行き情報と焦点位置との差をもとに、ピクセルの画素情報を変更するか否かをピクセルごとに決定し、変更する場合、変更する画素情報に対応した画素情報拡散値パターンをもとにピクセルの画素情報を変更して出力し、変更しない場合、ピクセルの画素情報を変更せずに出力する画素情報拡散処理装置と、前記画素情報拡散処理装置から入力された各ピクセルの画素情報を用いてピクセルごとに陰面消去を行うピクセル描画処理後段装置と、前記ピクセル描画処理後段装置から各ピクセルの画素情報が入力され、この画素情報を記憶保持するグラフィックスメモリと、前記グラフィックスメモリから各ピクセルの画素情報が入力され、この画素情報を画像表示用信号へ変換する表示装置コントローラとを具備することを特徴としている。
【0118】
更に、本発明に係る画像処理方法は、入力されたポリゴンの頂点情報からポリゴン内のピクセルごとに画素情報を算出するピクセル描画前段ステップと、前記ピクセル描画前段ステップにより得られた各ピクセルの奥行き情報と焦点位置との差をピクセルごとに算出する相対位置演算ステップと、前記相対位置演算ステップにより得られた各ピクセルの奥行き情報と焦点位置との差をもとに、ピクセルの画素情報を変更するか否かをピクセルごとに決定し、変更する場合、変更する画素情報に対応した画素情報拡散値パターンをもとにピクセルの画素情報を変更し、変更しない場合、ピクセルの画素情報を維持する画素情報拡散ステップと、前記画素情報拡散ステップにより処理された各ピクセルの画素情報を用いてピクセルごとに陰面消去を行うピクセル描画後段ステップとを具備することを特徴としている。
【0119】
更に、本発明に係る画像処理装置は、前記画素情報拡散処理装置が、前記相対位置演算装置により算出した各ピクセルの奥行き情報と焦点位置との差をもとに、ピクセルの画素情報のうちの位置情報を変更するか否かをピクセルごとに決定し、変更する場合、位置拡散値パターンをもとにピクセルの位置情報を変更することを特徴としている。
【0120】
更に、本発明に係る画像処理装置は、前記画素情報拡散処理装置が、前記相対位置演算装置により算出した各ピクセルの奥行き情報と焦点位置との差をもとに、ピクセルの画素情報のうちの色情報を変更するか否かをピクセルごとに決定し、変更する場合、カラー拡散値パターンをもとにピクセルの色情報を変更することを特徴としている。
【0121】
更に、本発明に係る画像処理装置は、前記画素情報拡散処理装置が、前記相対位置演算装置により算出した各ピクセルの奥行き情報と焦点位置との差をもとに、ピクセルの画素情報のうちの位置情報および色情報を変更するか否かをピクセルごとに決定し、変更する場合、位置拡散値パターンをもとにピクセルの位置情報を変更し、更に、カラー拡散値パターンをもとにピクセルの色情報を変更することを特徴としている。
【0122】
更に、本発明に係る画像処理方法は、前記画素情報拡散ステップが、前記相対位置演算ステップにより得られた各ピクセルの奥行き情報と焦点位置との差をもとに、ピクセルの画素情報のうちの位置情報を変更するか否かをピクセルごとに決定し、変更する場合、位置拡散値パターンをもとにピクセルの位置情報を変更することを特徴としている。
【0123】
更に、本発明に係る画像処理方法は、前記画素情報拡散ステップが、前記相対位置演算ステップにより得られた各ピクセルの奥行き情報と焦点位置との差をもとに、ピクセルの画素情報のうちの色情報を変更するか否かをピクセルごとに決定し、変更する場合、カラー拡散値パターンをもとにピクセルの色情報を変更することを特徴としている。
【0124】
更に、本発明に係る画像処理方法は、前記画素情報拡散ステップが、前記相対位置演算ステップにより得られた各ピクセルの奥行き情報と焦点位置との差をもとに、ピクセルの画素情報のうちの位置情報および色情報を変更するか否かをピクセルごとに決定し、変更する場合、位置拡散値パターンをもとにピクセルの位置情報を変更し、更に、カラー拡散値パターンをもとにピクセルの色情報を変更することを特徴としている。
【0125】
更に、本発明に係る画像処理装置は、前記画素情報拡散処理装置が、ピクセルの位置情報の変更に用いる前記位置拡散値パターンを、各ピクセルの奥行き情報と焦点位置との差をもとに複数の位置拡散値パターンから選択することを特徴としている。
【0126】
更に、本発明に係る画像処理装置は、前記画素情報拡散処理装置が、ピクセルの色情報の変更に用いる前記カラー拡散値パターンを、各ピクセルの奥行き情報と焦点位置との差をもとに複数のカラー拡散値パターンから選択することを特徴としている。
【0127】
更に、本発明に係る画像処理方法は、前記画素情報拡散ステップにおいて、ピクセルの位置情報の変更に用いる前記位置拡散値パターンを、各ピクセルの奥行き情報と焦点位置との差をもとに複数の位置拡散値パターンから選択することを特徴としている。
【0128】
更に、本発明に係る画像処理方法は、前記画素情報拡散ステップにおいて、ピクセルの色情報の変更に用いる前記カラー拡散値パターンを、各ピクセルの奥行き情報と焦点位置との差をもとに複数のカラー拡散値パターンから選択することを特徴としている。
【0129】
更に、本発明に係る画像処理装置は、前記画素情報拡散処理装置が、ピクセルの位置情報の変更に用いる前記位置拡散値パターンをフレーム単位で変更することを特徴としている。
【0130】
更に、本発明に係る画像処理装置は、前記画素情報拡散処理装置が、ピクセルの色情報の変更に用いる前記カラー拡散値パターンをフレーム単位で変更することを特徴としている。
【0131】
更に、本発明に係る画像処理方法は、前記画素情報拡散ステップにおいて用いられる前記位置拡散値パターンをフレーム単位で変更することを特徴としている。
【0132】
更に、本発明に係る画像処理方法は、前記画素情報拡散ステップにおいて用いられる前記カラー拡散値パターンをフレーム単位で変更することを特徴としている。
【0133】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、得られる画像の画質を維持しつつ、低い演算コストで被写界深度処理を実現する画像処理装置および画像処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像処理装置の構成図。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る画像処理装置および画像処理方法において、ピクセルの位置拡散処理に用いる位置拡散値パターン。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る画像処理方法の手順を示すフローチャート。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係るレンダリング処理の手順を示すフローチャート。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る画像処理装置の構成図。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る画像処理装置および画像処理方法において、誤差拡散処理に用いるカラー拡散値パターン。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る画像処理方法の手順を示すフローチャート。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る画像処理方法における、レンダリング処理の手順を示すフローチャート。
【図9】本発明の第3の実施の形態に係る画像処理装置の構成図。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係る画像処理方法の手順を示すフローチャート。
【図11】本発明の第3の実施の形態に係る画像処理方法における、レンダリング処理の手順を示すフローチャート。
【図12】従来の画像処理方法における、被写界深度処理方法の手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…CPU
2…システムバス
3…レンダリング装置
4…ピクセル描画処理前段装置
5…相対位置演算装置
6…位置拡散処理装置
7…位置拡散値パターンテーブル
8…ピクセル描画処理後段装置
9…グラフィックスメモリ
10…表示装置コントローラ
11…表示装置
12…誤差拡散処理装置
13…カラー拡散値パターンテーブル
Claims (17)
- ポリゴンの頂点情報が入力され、この頂点情報からポリゴン内のピクセルごとに画素情報を算出するピクセル描画処理前段装置と、
前記ピクセル描画処理前段装置から各ピクセルの奥行き情報が入力され、この奥行き情報と焦点位置との差をピクセルごとに算出する相対位置演算装置と、
前記相対位置演算装置により算出した各ピクセルの奥行き情報と焦点位置との差をもとに、ピクセルの画素情報を変更するか否かをピクセルごとに決定し、変更する場合、変更する画素情報に対応した画素情報拡散値パターンをもとにピクセルの画素情報を変更して出力し、変更しない場合、ピクセルの画素情報を変更せずに出力する画素情報拡散処理装置と、
前記画素情報拡散処理装置から入力された各ピクセルの画素情報を用いてピクセルごとに陰面消去を行うピクセル描画処理後段装置とを具備することを特徴とする画像処理装置。 - ポリゴンの頂点情報を算出するCPUと、
前記CPUからポリゴンの頂点情報が入力され、この頂点情報からポリゴン内のピクセルごとに画素情報を算出するピクセル描画処理前段装置と、
前記ピクセル描画処理前段装置から各ピクセルの奥行き情報が入力され、この奥行き情報と焦点位置との差をピクセルごとに算出する相対位置演算装置と、
前記相対位置演算装置により算出した各ピクセルの奥行き情報と焦点位置との差をもとに、ピクセルの画素情報を変更するか否かをピクセルごとに決定し、変更する場合、変更する画素情報に対応した画素情報拡散値パターンをもとにピクセルの画素情報を変更して出力し、変更しない場合、ピクセルの画素情報を変更せずに出力する画素情報拡散処理装置と、
前記画素情報拡散処理装置から入力された各ピクセルの画素情報を用いてピクセルごとに陰面消去を行うピクセル描画処理後段装置と、
前記ピクセル描画処理後段装置から各ピクセルの画素情報が入力され、この画素情報を記憶保持するグラフィックスメモリと、
前記グラフィックスメモリから各ピクセルの画素情報が入力され、この画素情報を画像表示用信号へ変換する表示装置コントローラとを具備することを特徴とする画像処理装置。 - 入力されたポリゴンの頂点情報からポリゴン内のピクセルごとに画素情報を算出するピクセル描画前段ステップと、
前記ピクセル描画前段ステップにより得られた各ピクセルの奥行き情報と焦点位置との差をピクセルごとに算出する相対位置演算ステップと、
前記相対位置演算ステップにより得られた各ピクセルの奥行き情報と焦点位置との差をもとに、ピクセルの画素情報を変更するか否かをピクセルごとに決定し、変更する場合、変更する画素情報に対応した画素情報拡散値パターンをもとにピクセルの画素情報を変更し、変更しない場合、ピクセルの画素情報を維持する画素情報拡散ステップと、
前記画素情報拡散ステップにより処理された各ピクセルの画素情報を用いてピクセルごとに陰面消去を行うピクセル描画後段ステップとを具備することを特徴とする画像処理方法。 - 前記画素情報拡散処理装置が、前記相対位置演算装置により算出した各ピクセルの奥行き情報と焦点位置との差をもとに、ピクセルの画素情報のうちの位置情報を変更するか否かをピクセルごとに決定し、変更する場合、位置拡散値パターンをもとにピクセルの位置情報を変更することを特徴とする請求項1または2のいずれか1項記載の画像処理装置。
- 前記画素情報拡散処理装置が、前記相対位置演算装置により算出した各ピクセルの奥行き情報と焦点位置との差をもとに、ピクセルの画素情報のうちの色情報を変更するか否かをピクセルごとに決定し、変更する場合、カラー拡散値パターンをもとにピクセルの色情報を変更することを特徴とする請求項1または2のいずれか1項記載の画像処理装置。
- 前記画素情報拡散処理装置が、前記相対位置演算装置により算出した各ピクセルの奥行き情報と焦点位置との差をもとに、ピクセルの画素情報のうちの位置情報および色情報を変更するか否かをピクセルごとに決定し、変更する場合、位置拡散値パターンをもとにピクセルの位置情報を変更し、更に、カラー拡散値パターンをもとにピクセルの色情報を変更することを特徴とする請求項1または2のいずれか1項記載の画像処理装置。
- 前記画素情報拡散ステップが、前記相対位置演算ステップにより得られた各ピクセルの奥行き情報と焦点位置との差をもとに、ピクセルの画素情報のうちの位置情報を変更するか否かをピクセルごとに決定し、変更する場合、位置拡散値パターンをもとにピクセルの位置情報を変更することを特徴とする請求項3記載の画像処理方法。
- 前記画素情報拡散ステップが、前記相対位置演算ステップにより得られた各ピクセルの奥行き情報と焦点位置との差をもとに、ピクセルの画素情報のうちの色情報を変更するか否かをピクセルごとに決定し、変更する場合、カラー拡散値パターンをもとにピクセルの色情報を変更することを特徴とする請求項3記載の画像処理方法。
- 前記画素情報拡散ステップが、前記相対位置演算ステップにより得られた各ピクセルの奥行き情報と焦点位置との差をもとに、ピクセルの画素情報のうちの位置情報および色情報を変更するか否かをピクセルごとに決定し、変更する場合、位置拡散値パターンをもとにピクセルの位置情報を変更し、更に、カラー拡散値パターンをもとにピクセルの色情報を変更することを特徴とする請求項3記載の画像処理方法。
- 前記画素情報拡散処理装置が、ピクセルの位置情報の変更に用いる前記位置拡散値パターンを、各ピクセルの奥行き情報と焦点位置との差をもとに複数の位置拡散値パターンから選択することを特徴とする請求項4または6のいずれか1項記載の画像処理装置。
- 前記画素情報拡散処理装置が、ピクセルの色情報の変更に用いる前記カラー拡散値パターンを、各ピクセルの奥行き情報と焦点位置との差をもとに複数のカラー拡散値パターンから選択することを特徴とする請求項5または6のいずれか1項記載の画像処理装置。
- 前記画素情報拡散ステップにおいて、ピクセルの位置情報の変更に用いる前記位置拡散値パターンを、各ピクセルの奥行き情報と焦点位置との差をもとに複数の位置拡散値パターンから選択することを特徴とする請求項7または9のいずれか1項記載の画像処理方法。
- 前記画素情報拡散ステップにおいて、ピクセルの色情報の変更に用いる前記カラー拡散値パターンを、各ピクセルの奥行き情報と焦点位置との差をもとに複数のカラー拡散値パターンから選択することを特徴とする請求項8または9のいずれか1項記載の画像処理方法。
- 前記画素情報拡散処理装置が、ピクセルの位置情報の変更に用いる前記位置拡散値パターンをフレーム単位で変更することを特徴とする請求項4または6のいずれか1項記載の画像処理装置。
- 前記画素情報拡散処理装置が、ピクセルの色情報の変更に用いる前記カラー拡散値パターンをフレーム単位で変更することを特徴とする請求項5または6のいずれか1項記載の画像処理装置。
- 前記画素情報拡散ステップにおいて用いられる前記位置拡散値パターンをフレーム単位で変更することを特徴とする請求項7または9のいずれか1項記載の画像処理方法。
- 前記画素情報拡散ステップにおいて用いられる前記カラー拡散値パターンをフレーム単位で変更することを特徴とする請求項8または9のいずれか1項記載の画像処理方法。
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KR20130084232A (ko) * | 2010-05-11 | 2013-07-24 | 톰슨 라이센싱 | 3차원 비디오를 위한 컴포트 노이즈 및 필름 그레인 처리 |
JP2014515856A (ja) * | 2011-04-13 | 2014-07-03 | クゥアルコム・インコーポレイテッド | グラフィック処理のためのピクセル値圧縮 |
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2003
- 2003-02-10 JP JP2003031969A patent/JP2004240910A/ja active Pending
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