JPH08330232A - カルコパイライト構造半導体薄膜の製造装置及びその製造方法 - Google Patents

カルコパイライト構造半導体薄膜の製造装置及びその製造方法

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JPH08330232A
JPH08330232A JP8058108A JP5810896A JPH08330232A JP H08330232 A JPH08330232 A JP H08330232A JP 8058108 A JP8058108 A JP 8058108A JP 5810896 A JP5810896 A JP 5810896A JP H08330232 A JPH08330232 A JP H08330232A
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卓之 根上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】3層構造からなり、膜全体の組成が化学量論比
組成またはIII族元素が過剰組成のI−III−VI2型カルコ
パイライト構造半導体薄膜を形成することにより、組成
制御が容易かつ成膜の再現性に優れたものとする。 【解決手段】真空容器1内に、基板ホルダー2とヒータ
3を設け、ガラス基板4上にCu(In,Ga)Se2
薄膜5を堆積する。熱電対6を用いて基板温度を計測す
る。真空容器内部にCu蒸着源10、In蒸着源11、
Ga蒸着源12、Se蒸着源13を設け、第一層と第三
層はIn、Ga、Seの各元素を蒸発させ、第二層はC
u、Seの各蒸着源を蒸発させてCu(In,Ga)S
2薄膜を形成する。第二層を蒸着する際、膜組成がC
u過剰組成となるまで蒸着し、第三層を蒸着する際最終
的な原子数比がCu/(In+Ga)=0.8〜1.0
になるまで再度をIn、Ga、Seの各元素を蒸着す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜太陽電池など
に利用されるカルコパイライト構造半導体薄膜のの製造
方法及びその製造装置に関する。
【従来の技術】太陽電池の吸収層として用いられるI
族、III族、VI族からなるカルコパイライト構造半導体
薄膜は光吸収係数が大きく、太陽電池を構成するのに有
利な材料である。このカルコパイライト薄膜を作製する
場合において、例えばCu(In,Ga)Se2におい
て、I族であるCuの過剰組成のカルコパイライト構造
半導体薄膜を形成した後、III族である(In,Ga)
の過剰組成のカルコパイライト層を前記薄膜上に形成す
ることによって結晶粒径が大きく、さらにCu2-XSe
等の異相化合物を析出させない二重層カルコパイライト
薄膜形成方法(Bi-layer法)が行われている。しかし、
この方法により形成されたCu(In,Ga)Se2
膜は下部電極との密着性が弱く剥離が生じるため、この
問題が大面積かつ安定した太陽電池を供給するための弊
害となっていた。上記問題を解決する手段として、19
94年12月の第1回ファースト・ワールド・カンファ
レンス・オン・フォトヴォルテイイック・エナジー・コ
ンヴァージョン(1st World Conference on Photovolta
ic Energy Conversion)においてナショナル・リニュー
アブル・エナジー・ラボラトリー(National Renewable
Energy Laboratory,NREL)のコントレラス(Contreras)
等は、3ステージ(3-Stage)法によるCu(In,G
a)Se2薄膜形成法を提案している。この3ステージ
法によれば第1層の(In,Ga)2Se3プレカーサ膜
の上にCu過剰組成になるまでCu2Seを蒸着し、第
三層の(In,Ga)2Se3を蒸着して再び(In,G
a)過剰組成としている。この成膜法によれば、膜形成
時における構成元素数が少なく、任意の組成を有する膜
形成の再現性が高くなったとしている。
【発明が解決しようとする課題】NRELの提案する3ステ
ージ法によれば、3ステージ膜と同じ組成比を示す2ス
テージCu(In,Ga)Se2 膜の形成において、2
ステージCu(In,Ga)Se2 膜では結晶粒径が小
さく、太陽電池にしたときの変換効率も低いことから、
前記3ステージ法で第二層のCu2Seを蒸着すると
き、膜全体の組成が一度Cu過剰組成になるまでCuと
Seを蒸着する必要があることを示している。この時、
膜形成を行いながら膜の組成がどの程度Cu過剰組成に
なっていることがわからなければ第三層の(In,G
a)2Se3を蒸着した際に最終的な膜の組成を予測する
ことが難しくなり、最終的な膜の組成がCu過剰組成膜
となった状態では太陽電池特性を劣化させるCu2-X
e等の異相化合物を析出する結果となってしまう。さら
に、実験的に適度なCu過剰組成となるようにそれぞれ
の蒸着源からのフラックスの条件を一度確立しても、真
空度や残留ガスの種類の微妙な違いによって同一の組成
を示す膜の形成を再現することが困難となる。従ってC
u(In,Ga)Se2薄膜形成時において、第二層C
2Se堆積時にCu(In,Ga)Se2薄膜をいかに
再現性よく適度なCu過剰組成膜に制御することと、第
三層(In,Ga)2Se3の堆積時においていかに再現
性よく適度な(In,Ga)過剰組成膜に制御すること
が課題となる。また、Cu(In,Ga)Se2 膜にお
いて膜形成中にSeが不足すると、膜はメタリックな性
質となり、太陽電池デバイスとしての機能を果たさな
い。本発明は、前記従来の問題を解決するため、組成制
御が容易で成膜の再現性に優れたカルコパイライト構造
半導体薄膜の製造方法およぞ製造装置を提供することを
目的とする。
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明のI−III−VI2 型カルコパイライト構造半導
体薄膜の製造方法は、一定の熱量を放出し基板を加熱す
る発熱体と、加熱された基板温度を計測する機構とを備
えた装置を用いたカルコパイライト構造半導体薄膜の製
造方法であって、加熱された基板上に下記(A)〜
(E)から選ばれる少なくとも一つの化合物からなる第
一層薄膜を堆積し、 (A)III族及びVI族元素 (B)III−VI元素化合物 (C)化学量論(stoichiometry)比組成のI族、III族元
素及びVI族元素 (D)化学量論(stoichiometry)比組成のI−III−VI2
元素化合物 (E)III族元素が過剰なI族、III族及びVI族元素 (F)III族元素が過剰なI−III−VI2型元素化合物 次に前記第一層上に下記(a)〜(f)から選ばれる少
なくとも一つの化合物からなる第二層薄膜を堆積し、膜
全体の組成がI族元素が過剰組成のI−III−VI2型カルコ
パイライト構造半導体薄膜を形成し、 (a)I族及びVI族元素 (b)I−VI元素化合物 (c)化学量論(stoichiometry)比組成のI族、III族元
素及びVI族元素 (d)化学量論(stoichiometry)比組成のI−III−VI2
元素化合物 (e)I族元素が過剰なI族、III族及びVI族元素 (f)I族元素が過剰なI−III−VI2型元素化合物 その後、再度前記(A)〜(E)から選ばれる少なくと
も一つの化合物からなる第三層薄膜を堆積し、膜全体の
組成が化学量論比組成あるいはIII族元素が過剰組成のI
−III−VI2型カルコパイライト構造半導体薄膜を形成す
ることを特徴とする。前記構成においては、第二層の堆
積中に基板温度の飽和特性を示した後に低下を示したと
ころで前記第二層の堆積を停止することが好ましい。ま
た前記構成においては、第三層の堆積中に低下した基板
温度が再び上昇し、飽和特性を示すところで前記第三層
の堆積を停止することが好ましい。また前記構成におい
ては、第二層を堆積する工程において基板温度をI−VI
族元素の化合物の溶解する温度以上に保持することが好
ましい。また前記構成においては、前記第一層あるいは
第二層、第三層を堆積する工程において前記第二層の基
板温度の低下が認められる箇所以外において基板温度の
低下が観測された場合に薄膜製造工程を停止することが
好ましい。また前記薄膜形成停止後、VI族元素蒸着源の
補充を行うことが好ましい。また前記構成においては、
I族元素としてCuまたはAgのうち少なくとも一つを
用いることが好ましい。また前記構成においては、III
族元素としてInあるいはGa、Alのうち少なくとも
一つを用いることが好ましい。また前記構成において
は、VI族元素としてSあるいはSe、Teのうち少なく
とも一つを用いることが好ましい。前記方法において
は、基板を加熱する発熱体と、加熱された基板温度を計
測する機構と、一定の基板温度を保持するための発熱体
の電力源と、発熱体への供給電力の変化を計測する機構
を備えた製造装置を用いてもよい。前記構成において
は、第二層の堆積中に発熱体に供給する電力値が飽和特
性を示した後に供給電力の増加を示したところで前記第
二層の堆積を停止することが好ましい。また前記構成に
おいては、第三層の堆積中に増加を示した発熱体への供
給電力が再び減少し、飽和特性を示すところで前記第三
層の堆積を停止することが好ましい。また前記構成にお
いては、第二層を堆積する工程において基板温度をI−V
I族元素の化合物の溶解する温度以上に保持することが
好ましい。また前記構成においては、前記第一層あるい
は第二層、第三層を堆積する工程において前記第二層の
発熱体への供給電力の増加が認められる箇所以外におい
て供給電力の増加が観測された場合に薄膜製造工程を停
止することが好ましい。また前記薄膜形成停止後VI族元
素蒸着源の補充を行うことが好ましい。また前記構成に
おいては、I族元素としてCuまたはAgのうち少なく
とも一つを用いることが好ましい。また前記構成におい
ては、III族元素としてInあるいはGa、Alのうち
少なくとも一つを用いることが好ましい。また前記構成
においては、VI族元素としてSあるいはSe、Teのう
ち少なくとも一つを用いることが好ましい。また前記構
成においては、第1層の厚さが0.1〜2.5μm、第
2層の厚さが0.1〜1.5μm、第3層の厚さが0.
1〜2.0μm、合計の厚さが0.3〜6.0μm範囲
であることが好ましい。次に本発明のI−III−VI2型カ
ルコパイライト構造半導体薄膜の製造装置は一定の熱量
を放出し基板を加熱する発熱体と、加熱された基板温度
を計測する機構と、各蒸着源からのフラックスを制御す
る機構とを具備することを特徴とする。前記構成におい
ては、加熱された基板温度を計測する機構が熱電対また
は赤外線放射強度測定装置であることが好ましい。前記
装置においては、基板を加熱する発熱体と、加熱された
基板温度を計測する機構と、一定の基板温度を保持する
ための発熱体の電力源と、発熱体への供給電力の変化を
計測する機構を備えた製造装置を用いてもよい。前記構
成においては、加熱された基板温度を計測する機構が熱
電対または赤外線放射強度測定装置であることが好まし
い。前記した本発明方法によれば、加熱された基板上に
前記(A)〜(E)から選ばれる少なくとも一つの化合
物からなる第一層薄膜を堆積し、この第一層上に前記
(a)〜(f)から選ばれる少なくとも一つの化合物か
らなる第二層薄膜を堆積し、膜全体の組成がI族元素が
過剰組成のI−III−VI2型カルコパイライト構造半導体
薄膜を形成し、その後、再度前記(A)〜(E)から選
ばれる少なくとも一つの化合物からなる第三層薄膜を堆
積し、膜全体の組成が化学量論比組成またはIII族元素
が過剰組成のI−III−VI2型カルコパイライト構造半導
体薄膜を形成することにより、組成制御が容易かつ成膜
の再現性に優れたカルコパイライト構造半導体薄膜を製
造できる。第二層の堆積中に基板温度の飽和特性を示し
た後に低下を示したところで前記第二層の堆積を停止す
る、あるいは第二層の堆積中に発熱体に供給する電力値
が飽和特性を示した後に供給電力の増加を示したところ
で前記第二層の堆積を停止するという本発明の好ましい
例によれば、III族元素過剰組成からI族元素過剰組成へ
の変化点を膜形成を行いながら計測できるので成膜の再
現性よく製造できる。また第三層の堆積中に低下した基
板温度が再び上昇し、飽和特性を示すところで前記第三
層の堆積を停止する、あるいは第三層の堆積中に増加を
示した発熱体への供給電力が再び減少し、飽和特性を示
すところで前記第三層の堆積を停止するという本発明の
好ましい例によれば、同様にI族元素過剰組成からIII族
元素過剰組成への変化点を膜形成を行いながら計測でき
るので成膜の再現性よく製造できる。また第二層を堆積
する工程において基板温度をI−VI族元素の化合物の溶
解する温度以上に保持するという本発明の好ましい例に
よれば、結晶成長時において溶液のフラックスを利用し
ながら膜形成が行われるので、結晶粒径が大きく内部に
欠陥の少ない良質な結晶が得られ、かつ基板温度の変化
を感度良く計測ができるので効率的にモニタリングする
ことができる。前記第一層あるいは第二層、第三層を堆
積する工程において前記第二層の基板温度の低下が認め
られる箇所以外において基板温度の低下が観測された場
合、あるいは発熱体への供給電力の増加が認められる箇
所以外において供給電力の増加が観測された場合に薄膜
製造工程を停止するという本発明の好ましい例によれ
ば、VI族元素が不足することにより低下した基板温度を
検知することにより薄膜製造工程を停止し、製品不良率
を下げることができる。また前記薄膜形成停止後、VI族
元素蒸着源の補充を行うという本発明の好ましい例によ
れば、VI族元素が不足することにより低下した基板温度
をいち早く検知することにより製品不良率を下げ、歩留
まりを上げることができる。またI族元素としてCuま
たはAgのうち少なくとも一つを、III族元素としてI
nあるいはGa、Alのうち少なくとも一つをVI族元素
としてSあるいはSe、Teのうち少なくとも一つを用
いるという本発明の好ましい例によれば、各元素組成を
有する薄膜太陽電池の吸収層材料の製造に適用すること
ができる。次に本発明のI−III−VI2型カルコパイライ
ト構造半導体薄膜の製造装置によれば、一定の熱量を放
出し基板の加熱する発熱体と、加熱された基板温度を計
測する機構と、基板温度の変化量に応じて各蒸着源から
のフラックスを制御する機構とを具備する、あるいは基
板を加熱する発熱体と、加熱された基板温度を計測する
機構と、一定の基板温度を保持するための発熱体の電力
源と、発熱体への供給電力の変化を計測する機構と、供
給電力の変化量に応じて各蒸着源からのフラックスを制
御する機構とを具備することにより、膜形成を行いなが
ら自動的に組成制御が可能となるのでカルコパイライト
構造半導体薄膜を効率的に製造することができる。前記
において、加熱された基板温度を計測する機構が熱電対
または赤外線放射強度測定装置であるという本発明の好
ましい例によれば、高価な装置を用いることなく低コス
トで、かつ基板温度の変動を高感度に計測できる。また
熱電対を用いると加熱された基板の表または裏側から計
測することができるので装置構成に自由度がでる。また
赤外線放射強度測定装置を用いると、真空装置に赤外線
の透過窓を取り付けることにより真空装置の外部から基
板温度をモニタ−することが可能であり有用である。
【実施例】以下、本発明を実施例を用いて図面を参照し
てさらに詳しく説明する。本発明の製造方法および製造
装置はI−III−VI2型カルコパイライト構造半導体薄膜
を形成する場合において、例えばCu(In,Ga)S
2薄膜を形成する際に一定の熱量を放出することが可
能な基板加熱機構を用いて基板の加熱を行い、成膜中の
基板温度を計測し、基板温度の変化量に応じて各蒸着源
からのフラックスを制御すること、あるいは一定の基板
温度を保つような電力源を備えた基板加熱機構を用いて
加熱を行い、成膜中の基板温度と基板加熱機構への供給
電力量の変化を計測し、それらの変化量に応じて各蒸着
源からのフラックスを制御することにより(In,G
a)過剰組成からCu過剰組成への組成の変化、または
Cu過剰組成から(In,Ga)過剰組成への組成の変
化を膜形成を行いながら自動制御することが可能なカル
コパイライト構造半導体薄膜の製造方法および製造装置
であり、それぞれの蒸着源からの供給量の調節を薄膜作
製プロセスの途中で行う必要がなくなり製造プロセスの
スル−プットや膜品質の再現性を向上させることができ
る。すなわち、高品質な膜を再現性よく大量に製造する
ことにより製品不良率を下げ、生産効率を向上させるこ
とができる。具体的にはカルコパイライト構造半導体薄
膜形成装置において、基板を加熱する機構と基板温度を
計測する温度モニター、そして一定の熱量を放出するこ
とが可能な基板加熱機構を用いて基板の加熱を行いなが
ら成膜中の基板温度を計測し、基板温度の変化量に応じ
て各蒸着源からのフラックスを制御する機構、あるいは
温度モニターで計測した基板温度を一定の値を保つよう
に発熱体への供給電力を制御するフィードバック回路
と、供給電力量の変化を計測する電力モニターと、供給
電力の変化量に応じて各蒸着源からのフラックスを制御
する回路を用いる。それぞれ各蒸着源からのフラックス
の変化は蒸着源の入ったKセル上方に設置されたシャッ
ターの開閉により行う。また、基板温度のモニターには
熱電対あるいは赤外線の放射強度を計測する温度モニタ
ーを用いる。
【実施例1】本実施例におけるカルコパイライト構造半
導体薄膜の作製装置の概略を図1に示す。その製造装置
及び製造方法を以下に述べる。図1の排気口7を備えた
真空容器1の内部に、基板ホルダー2と基板を加熱する
タンタルヒータ3を設け、1μm厚のMoをコートした
厚さ1mmのソ−ダライムガラス基板4上にCu(I
n,Ga)Se2薄膜5を厚さ2μmに堆積した。基板
を加熱する際、タンタルヒーターに対しある一定値の電
力を加えることにより目的とする基板温度が得られるよ
う基板加熱を制御した。基板温度は基板ホルダー内に取
り付けられた熱電対6を用いて基板裏側より計測した。
真空容器内部にCu(In,Ga)Se2の主成分であ
るCuの蒸着源10とInの蒸着源11、Gaの蒸着源
12とSeの蒸着源13を用意し、真空度約10-7Torr
のもとで、Cu、In、Ga、Seの蒸着源ルツボの温
度をそれぞれ1220℃、850℃、900℃、180
℃に熱し、第一層と第三層はIn、Ga、Seの各元素
を蒸発させ、第二層にCu、Seの各蒸着源を蒸発させ
Cu(In,Ga)Se2薄膜の形成を行った。このと
き第一層の基板温度は300℃一定とし、第二、三層の
基板温度は550℃一定とした。第二層のCuとSeを
蒸着する際、膜の組成がCu過剰となるまで蒸着し、そ
の後最終的な組成比(原子数比)が約Cu/(In+G
a)=0.8〜1.0になるまで再度In、Ga、Se
を蒸着した。各層の厚さは第一層は1.0μm、第二層
が0.8μm、第三層が0.2μmであった。なお、図
1の装置のサイズは縦100cm、横幅50cmであ
り、Kセルと基板間の距離は約30cmであった。図2
にCu(In,Ga)Se2薄膜形成時の基板温度の変
化を示す。実線19は成膜プロセス中の基板温度の変化
を表している。実線19のA〜G点におけるCu(I
n,Ga)Se2薄膜の組成を表1に示す。
【表1】 図2のA点、B点ではそれぞれ(In,Ga)過剰組
成、C点では化学量論組成、D点、E点、F点ではそれ
ぞれCu過剰組成となっていることがわかる。すなわち
実線19の基板温度が下がり始めた時点から膜の組成は
(In,Ga)過剰組成からCu過剰組成へと変化して
いることがわかる。また、Cu過剰組成になった後、基
板温度の変化をコンピュータ14により読みとり、C点
の飽和点より一定の基板温度だけ減少したE点でKセル
上方に設置されたシャッター15の開閉により蒸着する
フラックスを自動的にIn、Ga、Seに切り換えると
再度基板温度が上昇に伴い基板温度が上昇し、飽和特性
を示したG点でIn、Ga、Seの蒸着を終了した。G
点での膜の組成は太陽電池に最適な組成を有することが
わかった。本実施例の装置を用いれば、VI族元素が膜形
成中に不足すると、膜の性質が金属的になることから、
図2の組成がIII族リッチからI族リッチに切り替わった
ときと同じ現象が現れる。すなわち、基板温度が下がる
現象が現れる。従って、通常変化の現れるポイント以外
で変化があることは異常を示すわけで、デバイスクオリ
ティにならない膜を早期発見できる。たとえばこのよう
な異常が現れたときに、装置にインターロック機構を設
けて、膜形成を停止すれば製品不良の低下につながる。
以上のように、上記に示したモニター方法を有する本発
明の製造装置を用いれば、Cu(In,Ga)Se2
膜太陽電池に重要な組成を再現性よく精密に制御するこ
とが可能であった。
【実施例2】本実施例におけるカルコパイライト構造半
導体薄膜の製造方法を以下に述べる。本実施例では実施
例1と同様の装置及び方法でCu(In,Ga)Se2
薄膜形成を行った。図3にCu(In,Ga)Se2
膜形成時の基板温度の変化を示す。実線20は成膜プロ
セス中の基板温度の変化を表している。このとき図2で
は膜の組成が第二層目でIn過剰組成からCu過剰組に
切り替わったとき基板温度の低下を示したが、図3では
組成の切り替わりとは関係ない第一層目のH点において
基板温度の低下を示した。この時できたCu(In,G
a)Se2薄膜の組成を表2に示す。
【表2】 得られた膜の組成はSe不足となっている。すなわち、
膜組成がSe不足になると基板温度が低下することがわ
かる。Se不足なCu(In,Ga)Se2薄膜は金属
的な導電特性を示し、このような膜を太陽電池の光吸収
層に適用すると太陽電池デバイスとしての機能を果たさ
ない。以上のように上記に示したモニター方法を有する
本発明の製造装置を用いれば、Se不足になる状態をい
ち早く検知することができ、製品不良率を下げ歩留まり
を向上させることが可能となった。
【実施例3】本実施例のカルコパイライト構造半導体薄
膜の作製装置の概略を図4に示す。本実施例では基板温
度測定用の熱電対6を基板表面側に取り付けている。そ
の際基板全体を遮らないよう、基板の一部分にのみ接触
するように取り付けている。実施例1と同様の方法でC
u(In,Ga)Se2薄膜形成を行ったところ、実施
例1と同様の結果が得られた。すなわち、基板温度の測
定は基板裏面に限られるものではないことがわかった。
以上のように、上記に示したモニター方法を有する本発
明の製造装置を用いれば、Cu(In,Ga)Se2
膜太陽電池に重要な組成を再現性よく精密に制御するこ
とが可能である。
【実施例4】本実施例のカルコパイライト構造半導体薄
膜の作製装置の概略を図5に示す。本実施例では赤外線
放射温度計8を用いて基板表面温度の計測を行ってい
る。この時赤外線を透過する窓9を真空容器1に取り付
け、真空容器外部から基板表面温度が計測できるよう工
夫されている。実施例1と同様の方法でCu(In,G
a)Se2薄膜形成を行ったところ、実施例1と同様の
結果が得られた。すなわち、基板温度の測定手段は真空
容器外部にあってもよいことがわかった。以上のよう
に、上記に示したモニター方法を有する本発明の製造装
置を用いれば、Cu(In,Ga)Se2薄膜太陽電池
に重要な組成を再現性よく精密に制御することが可能で
ある。
【実施例5】本実施例におけるカルコパイライト構造半
導体薄膜の作製装置の概略を図6に示す。本実施例にお
ける基板加熱機構において、基板を加熱する際ある一定
温度を保持するようタンタルヒータ3に対し電力源16
より電力を供給し、設定した基板温度からずれが生じた
ときにはヒータへの供給電力量を変化させるようなフィ
ードバックシステムを設置することにより目的とする基
板温度が得られるよう基板加熱を制御した。このとき基
板温度を一定に保つために表れた供給電力量の変化を電
圧計17あるいは電流計18を用いて計測を行った。ま
た、供給電力量に変化が生じたとき、その変化量に応じ
て自動的に蒸着源からのフラックスを制御できるような
制御回路14を設け、蒸着源の入ったKセル上方に設置
されたシャッター15の開閉により制御を行った。基板
温度は基板ホルダー内に取り付けられた熱電対6を用い
て基板裏側より計測した。真空容器内部にCu(In,
Ga)Se2の主成分であるCuの蒸着源10とInの
蒸着源11、Gaの蒸着源12とSeの蒸着源13を用
意し、真空度約10-7Torrのもとで、Cu、In、G
a、Seの蒸着源ルツボの温度をそれぞれ1220℃、
850℃、900℃、180℃に熱し、第一層と第三層
はIn、Ga、Seの各元素を蒸発させ、第二層にC
u、Seの各蒸着源を蒸発させCu(In,Ga)Se
2薄膜の形成を行った。このとき第一層の基板温度は3
00℃一定とし、第二、三層の基板温度は550℃一定
とした。第二層のCuとSeを蒸着する際、膜の組成が
Cu過剰となるまで蒸着し、その後最終的な組成比(原
子数比)が約Cu/(In+Ga)=0.8〜1.0に
なるまで再度In、Ga、Seを蒸着した。図7にCu
(In,Ga)Se2薄膜形成時の形成時間に対する基
板を加熱するヒータへの供給電力量の変化を示す。実線
21は成膜プロセス中のヒータへの供給電力量の変化を
表している。実線21のA〜G点におけるCu(In,
Ga)Se2薄膜の組成を表3に示す。
【表3】 図7のA点、B点ではそれぞれ(In,Ga)過剰組
成、C点では化学量論組成、D点、E点、F点ではそれ
ぞれCu過剰組成となっていることがわかる。すなわち
実線21のC点以降で下がり始めた基板温度を一定温度
に保持するよう基板加熱ヒータへの供給電力量が増加し
始めた時点から膜の組成はしていることがわかる。ま
た、Cu過剰組成になった後、供給電力の変化をコンピ
ュータ14により読みとり、C点の飽和点より一定の電
力値だけ増加したE点でKセル上方に設置されたシャッ
ター15の開閉により蒸着するフラックスを自動的にI
n、Ga、Seに切り換えると再度基板温度が上昇に伴
い基板加熱ヒータへの供給電力量が減少し、飽和特性を
示したG点でIn、Ga、Seの蒸着を終了した。G点
での膜の組成は太陽電池に最適な組成を有することがわ
かった。以上のように、上記に示したモニター方法を有
する本発明の製造装置を用いれば、Cu(In,Ga)
Se2薄膜太陽電池に重要な組成を再現性よく精密に制
御することが可能となった。
【実施例6】本実施例におけるカルコパイライト構造半
導体薄膜の製造方法を以下に述べる。本実施例では実施
例5と同様の装置及び方法でCu(In,Ga)Se2
薄膜形成を行った。図8にCu(In,Ga)Se2
膜形成時の基板加熱機構への供給電力量の変化を示す。
実線22は成膜プロセス中の基板温度の変化を表してい
る。このとき図7では膜の組成が第二層目でIn過剰組
成からCu過剰組に切り替わったとき基板加熱機構への
供給電力の増加を示したが、図8では組成の切り替わり
とは関係ない第一層目のH点において供給電力の増加を
示した。この時できたCu(In,Ga)Se2薄膜の
組成を表4に示す。
【表4】 得られた膜の組成はSe不足となっている。すなわち、
膜組成がSe不足になると基板加熱機構への供給電力が
増加することがわかる。Se不足なCu(In,Ga)
Se2薄膜は金属的な導電特性を示し、このような膜を
太陽電池の光吸収層に適用すると太陽電池デバイスとし
ての機能を果たさない。以上のように上記に示したモニ
ター方法を有する本発明の製造装置を用いれば、Se不
足になる状態をいち早く検知することができ、製品不良
率を下げ歩留まりを向上させることができた。
【実施例7】本実施例のカルコパイライト構造半導体薄
膜の作製装置の概略を図9に示す。本実施例では基板温
度測定用の熱電対6を基板表面側に取り付けている。そ
の際基板全体を遮らないよう、基板の一部分にのみ接触
するように取り付けている。実施例5と同様の方法でC
u(In,Ga)Se2薄膜形成を行ったところ、実施
例5と同様の結果が得られた。すなわち、基板温度の測
定は基板裏面に限られるものではないことがわかった。
以上のように、上記に示したモニター方法を有する本発
明の製造装置を用いれば、Cu(In,Ga)Se2
膜太陽電池に重要な組成を再現性よく精密に制御するこ
とが可能である。
【実施例8】本実施例のカルコパイライト構造半導体薄
膜の作製装置の概略を図10に示す。本実施例では赤外
線放射温度計8を用いて基板表面温度の計測を行ってい
る。この時赤外線を透過する窓9を真空容器1に取り付
け、真空容器外部から基板表面温度が計測できるよう工
夫されている。実施例5と同様の方法でCu(In,G
a)Se2薄膜形成を行ったところ、実施例5と同様の
結果が得られた。すなわち、基板温度の測定手段は真空
容器内部に限られるものではないことがわかった。以上
のように、上記に示したモニター方法を有する本発明の
製造装置を用いれば、Cu(In,Ga)Se2薄膜太
陽電池に重要な組成を再現性よく精密に制御することが
可能である。
【発明の効果】以上説明した通り、本発明のI−III−VI
2型カルコパイライト構造半導体薄膜の製造方法によれ
ば、一定の熱量を放出し基板の加熱する発熱体と、加熱
された基板温度を計測する機構とを備えた製造装置を用
い、加熱された基板上に前記(A)〜(E)から選ばれ
る少なくとも一つの化合物からなる第一層薄膜を堆積
し、この第一層上に前記(a)〜(f)から選ばれる少
なくとも一つの化合物からなる第二層薄膜を堆積し、膜
全体の組成がI族元素が過剰組成のI−III−VI2型カルコ
パイライト構造半導体薄膜を形成し、その後、再度前記
(A)〜(E)から選ばれる少なくとも一つの化合物か
らなる第三層薄膜を堆積し、膜全体の組成が化学量論比
組成またはIII族元素が過剰組成のI−III−VI2型カルコ
パイライト構造半導体薄膜を形成することにより、組成
制御が容易かつ成膜の再現性に優れたカルコパイライト
構造半導体薄膜を製造できる。次に本発明のI−III−VI
2型カルコパイライト構造半導体薄膜の製造装置によれ
ば、一定の熱量を放出し基板の加熱する発熱体と、加熱
された基板温度を計測する機構と、基板温度の変化量に
応じて各蒸着源からのフラックスを制御する機構とを具
備するか、または基板を加熱する発熱体と、加熱された
基板温度を計測する機構と、一定の基板温度を保持する
ための発熱体の電力源と、発熱体への供給電力の変化を
計測する機構と、供給電力の変化量に応じて各蒸着源か
らのフラックスを制御する機構とを具備することによ
り、膜形成を行いながら自動的に組成制御が可能となる
のでカルコパイライト構造半導体薄膜を効率的に製造す
ることができる。従って本発明によれば、薄膜太陽電池
などの光電変換素子に応用可能な高品質で、組成の制御
性に優れたカルコパイライト薄膜を再現性よく作製する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1のカルコパイライト薄膜形
成装置の構成を示す断面図。
【図2】 図1の製造装置を用いて作製したカルコパイ
ライト薄膜形成時における基板温度の変化を示すグラフ
図。
【図3】 図1の製造装置を用いて作製した本発明の実
施例2におけるカルコパイライト薄膜形成時における基
板温度の変化を示すグラフ図。
【図4】 本発明の実施例3におけるカルコパイライト
薄膜形成装置を示す断面図。
【図5】 本発明の実施例4におけるカルコパイライト
薄膜形成装置を示す断面図。
【図6】 本発明の実施例5のカルコパイライト薄膜形
成装置の構成を示す断面図。
【図7】 図6の製造装置を用いて作製したカルコパイ
ライト薄膜形成時における基板加熱機構への供給電力量
の変化を示すグラフ図。
【図8】 図6の製造装置を用いて作製した本発明の実
施例6におけるカルコパイライト薄膜形成時における基
板加熱機構への供給電力量の変化を示すグラフ図。
【図9】 本発明の実施例7におけるカルコパイライト
薄膜形成装置を示す断面図。
【図10】 本発明の実施例8におけるカルコパイライ
ト薄膜形成装置を示す断面図。
【符号の説明】
1 真空容器 2 基板ホルダー 3 タンタルヒータ 4 基板 5 Cu(In,Ga)Se2薄膜 6 熱電対 7 排気口 8 赤外線放射温度計 9 赤外線透過窓 10 Cu源 11 In源 12 Ga源 13 Se源 14 制御回路コンピュータ 15 シャッタ 16 電力源 17 電圧計 18 電流計 19 成膜プロセス中の基板温度の変化 20 成膜プロセス中の基板温度の変化 21 成膜プロセス中の基板加熱機構への供給電力量の
変化 22 成膜プロセス中の基板加熱機構への供給電力量の
変化
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和田 隆博 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一定の熱量を放出し基板を加熱する発熱
    体と、加熱された基板温度を計測する手段を備えた装置
    を用いたI−III−VI2 型カルコパイライト構造半導体薄
    膜の製造方法であって、加熱された基板上に下記(A)
    〜(E)から選ばれる少なくとも一つの化合物からなる
    第一層薄膜を堆積し、 (A)III族及びVI族元素 (B)III−VI元素化合物 (C)化学量論(stoichiometry)比組成のI族、III族元
    素及びVI族元素 (D)化学量論(stoichiometry)比組成のI−III−VI2
    元素化合物 (E)III族元素が過剰なI族、III族及びVI族の組成元
    素 (F)III族元素が過剰なI−III−VI2型元素化合物 前記第一層上に下記(a)〜(f)から選ばれる少なく
    とも一つの化合物からなる第二層薄膜を堆積し、膜全体
    の組成がI族元素が過剰組成のI−III−VI2型カルコパイ
    ライト構造半導体薄膜を形成し、 (a)I族及びVI族元素 (b)I−VI元素化合物 (c)化学量論(stoichiometry)比組成のI族、III族元
    素及びVI族元素 (d)化学量論(stoichiometry)比組成のI−III−VI2
    元素化合物 (e)I族元素が過剰なI族、III族及びVI族の組成元素 (f)I族元素が過剰なI−III−VI2型元素化合物 その後、再度前記(A)〜(E)から選ばれる少なくと
    も一つの化合物からなる第三層薄膜を堆積し、膜全体の
    組成が化学量論比組成またはIII族元素が過剰組成のI−
    III−VI2型カルコパイライト構造半導体薄膜を形成する
    ことを特徴とするI−III−VI2型カルコパイライト構造
    半導体薄膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 第二層の堆積中に基板温度の飽和特性を
    示した後に低下を示したところで前記第二層の堆積を停
    止する請求項1に記載のカルコパイライト構造半導体薄
    膜の製造方法。
  3. 【請求項3】 第三層の堆積中に低下した基板温度が再
    び上昇し、飽和特性を示すところで前記第三層の堆積を
    停止する請求項2に記載のカルコパイライト構造半導体
    薄膜の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記第二層を堆積する工程において基板
    温度をI−VI族元素の化合物の溶解する温度以上に保持
    できるように加熱する請求項1に記載のカルコパイライ
    ト構造半導体薄膜の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第一層、第二層及び第三層を堆積す
    る工程において、前記第二層の基板温度の低下が認めら
    れる箇所以外において基板温度の低下が観測された場合
    に薄膜製造工程を停止する請求項1に記載のカルコパイ
    ライト構造半導体薄膜の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記薄膜形成停止後、VI族元素蒸着源の
    補充を行う請求項5に記載のカルコパイライト構造半導
    体薄膜の製造方法。
  7. 【請求項7】 I族元素が、Cu及びAgから選ばれる
    少なくとも一つの元素である請求項1に記載のカルコパ
    イライト構造半導体薄膜の製造方法。
  8. 【請求項8】 III族元素が、In、Ga及びAlから
    選ばれる少なくとも一つの元素である請求項1に記載の
    カルコパイライト構造半導体薄膜の製造方法。
  9. 【請求項9】 VI族元素がS、Se及びTeから選ばれ
    る少なくとも一つの元素である請求項1に記載のカルコ
    パイライト構造半導体薄膜の製造方法。
  10. 【請求項10】 基板を加熱する発熱体と、加熱された
    基板温度を計測する機構と、一定の基板温度を保持する
    ための発熱体の電力源と、発熱体への供給電力の変化を
    計測する機構を備えた製造装置を用いたI−III−VI2
    カルコパイライト構造半導体薄膜の製造方法であって、
    加熱された基板上に下記(A)〜(E)から選ばれる少
    なくとも一つの化合物からなる第一層薄膜を堆積し、 (A)III族及びVI族元素 (B)III−VI元素化合物 (C)化学量論(stoichiometry)比組成のI族、III族元
    素及びVI族元素 (D)化学量論(stoichiometry)比組成のI−III−VI2
    型元素化合物 (E)III族元素が過剰組成なI族、III族及びVI族元素 (F)III族元素が過剰組成なI−III−VI2 型元素化合
    物 前記第一層上に下記(a)〜(f)から選ばれる少なく
    とも一つの化合物からなる第二層薄膜を堆積し、膜全体
    の組成がI族元素が過剰組成のI−III−VI2型カルコパイ
    ライト構造半導体薄膜を形成し、 (a)I族及びVI族元素 (b)I−VI元素化合物 (c)化学量論(stoichiometry)比組成のI族、III族元
    素及びVI族元素 (d)化学量論(stoichiometry)比組成のI−III−VI2
    元素化合物 (e)I族元素が過剰組成なI族、III族及びVI族元素 (f)I族元素が過剰組成なI−III−VI2型元素化合物 その後、再度前記(A)〜(E)から選ばれる少なくと
    も一つの化合物からなる第三層薄膜を堆積し、膜全体の
    組成が化学量論比組成あるいはIII族元素が過剰組成のI
    −III−VI2型カルコパイライト構造半導体薄膜を形成す
    ることを特徴とするI−III−VI2型カルコパイライト構
    造半導体薄膜の製造方法。
  11. 【請求項11】 第二層の堆積中に発熱体に供給する電
    力値が飽和特性を示した後に供給電力の増加を示したと
    ころで前記第二層の堆積を停止する請求項10に記載の
    カルコパイライト構造半導体薄膜の製造方法。
  12. 【請求項12】 第三層の堆積中に増加を示した発熱体
    への供給電力が再び減少し、飽和特性を示すところで前
    記第三層の堆積を停止する請求項11に記載のカルコパ
    イライト構造半導体薄膜の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記第二層を堆積する工程において基
    板温度をI−VI族元素の化合物の溶解する温度以上に保
    持する請求項10に記載のカルコパイライト構造半導体
    薄膜の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記第一層、第二層及び第三層を堆積
    する工程において前記第二層の発熱体への供給電力の増
    加が認められる箇所以外において供給電力の増加が観測
    された場合に薄膜製造工程を停止する請求項10に記載
    のカルコパイライト構造半導体薄膜の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記薄膜形成停止後、VI族元素蒸着源
    の補充を行う請求項14に記載のカルコパイライト構造
    半導体薄膜の製造方法。
  16. 【請求項16】 I族元素が、Cu及びAgから選ばれ
    る少なくとも一つである請求項10に記載のカルコパイ
    ライト構造半導体薄膜の製造方法。
  17. 【請求項17】 III族元素が、In、Ga及びAlか
    ら選ばれる少なくとも一つである請求項10に記載のカ
    ルコパイライト構造半導体薄膜の製造方法。
  18. 【請求項18】 VI族元素が、S、Se及びTeから選
    ばれる少なくとも一つである請求項10に記載のカルコ
    パイライト構造半導体薄膜の製造方法。
  19. 【請求項19】 第1層の厚さが0.1〜2.5μm、
    第2層の厚さが0.1〜1.5μm、第3層の厚さが
    0.1〜2.0μm、合計の厚さが0.3〜6.0μm
    範囲である請求項1に記載のカルコパイライト構造半導
    体薄膜の製造方法。
  20. 【請求項20】 I−III−VI2型カルコパイライト構造
    半導体薄膜の製造装置において、一定の熱量を放出し基
    板を加熱する発熱体と、加熱された基板温度を計測する
    機構と、基板温度の変化に応じて各蒸着源からのフラッ
    クスを制御する機構とを具備することを特徴とするカル
    コパイライト構造半導体薄膜の製造装置。
  21. 【請求項21】 加熱された基板温度を計測する機構が
    熱電対である請求項20に記載のカルコパイライト構造
    半導体薄膜の製造装置。
  22. 【請求項22】 加熱された基板温度を計測する機構が
    赤外線放射強度測定装置である請求項20に記載のカル
    コパイライト構造半導体薄膜の製造装置。
  23. 【請求項23】 I−III−VI2 型カルコパイライト構造
    半導体薄膜の製造装置において、基板を加熱する発熱体
    と、加熱された基板温度を計測する機構と、一定の基板
    温度を保持するための発熱体の電力源と、発熱体への供
    給電力の変化を計測する機構と、供給電力の変化量に応
    じて各蒸着源からのフラックスを制御する機構とを具備
    することを特徴とするカルコパイライト構造半導体薄膜
    の製造装置。
  24. 【請求項24】 加熱された基板温度を計測する機構が
    熱電対である請求項23記載のカルコパイライト構造半
    導体薄膜の製造装置。
  25. 【請求項25】 加熱された基板温度を計測する機構が
    赤外線放射強度測定装置である請求項23記載のカルコ
    パイライト構造半導体薄膜の製造装置。
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