JPH0833015B2 - コンクリート製組立型地下室の躯体構造 - Google Patents

コンクリート製組立型地下室の躯体構造

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JPH0833015B2
JPH0833015B2 JP2133161A JP13316190A JPH0833015B2 JP H0833015 B2 JPH0833015 B2 JP H0833015B2 JP 2133161 A JP2133161 A JP 2133161A JP 13316190 A JP13316190 A JP 13316190A JP H0833015 B2 JPH0833015 B2 JP H0833015B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は住宅に地下室として好適なコンクリート製組
立型地下室にかかわり、特に複数のプレキャストコンク
リート製ブロックを箱型に一体化してなる地下ユニット
によって形成した地下室の躯体構造に関するものであ
る。
「従来の技術」 近年における住宅事情の悪化などから、一般の住宅に
おいても地下室を設置することが行なわれるようになっ
てきた。
従来、住宅の地下室は、地下収蔵庫として構成された
ものが多いため、その構造も例えば容器状のカプセル
を、地面に掘った穴の中にアンカーボルトを介して据え
付け、穴を埋め戻してなる構成のものなどであった(例
えば特公平1−15663号「地下庫およびその製造方法」
参照)。
しかし、このような構成の地下室は、地下収蔵庫とし
て機能された構成であるため、全体的に内部の大きさが
小さく、住宅の居室として要求される機能を十分満足さ
せるものではなかった。したがって、近年では、地下室
をコンクリート造りとして部屋全体を大型化する傾向に
ある。
このような鉄筋コンクリート製の地下室は、例えば現
場打ちコンクリートにより築造されたものが一般的であ
る。これは、まず、パワーショベル等を用いて地下室の
敷地よりやや広めに掘削工事を行ない、次に、その底部
に砂利等を敷いて、該砂利等を敷いた上にコンクリート
を打設して、いわゆる基礎コンクリートの施工を行な
う。
そして、床鉄筋を格子状に配設して、この床鉄筋にコ
ンクリートを打設し、このとき、側壁が立設される位置
に側壁の鉄筋に連設される突出筋をコンクリートの表面
から突出するように配設しておく。
次に、床部のコンクリートが固まった後に、その所定
の位置に突出した突出筋に側壁を連結し、これら側壁の
縦筋に、横筋を連結して、側壁の鉄筋を施工する。
次いで、施工した側壁の鉄筋の両側に型枠を組立て
て、その中にコンクリートを打設して側壁を施工する。
そして、側壁のコンクリートが固まった後に、型枠を
解体し、側壁の外側の空間を埋めて完成させるものであ
る。
「発明が解決しようとする課題」 しかしながら、従来の地下室の技術においては、その
施工作業が現場打ちコンクリートの施工作業となるた
め、現場での作業能率が悪く、工期が長くなるなどの難
点があった。
しかも、現場打ちコンクリートによる施工作業では、
側壁を構築する場合に、側壁鉄筋の両側に型枠を組立て
るための空間を設けなければならず、施工面積よりも広
めに地盤を掘り下げなければならず、コスト高になるな
どの問題があった。
そこで、本発明者等はこれらの問題点を解決すべく鋭
意研究した結果、地下室全体をプレキャストコンクリー
ト製ブロックの接合により築造すれば、現場での作業能
率が向上し、またブロックの据え付けだけで地下室が形
成されるので、掘削面積も少なくてすむとの考えに至っ
た。
しかしながら、単に地下室の内部を区画し、それぞれ
をブロックに分離してもブロック自身の大きさが大型化
し、またその種類も多くなるなどの解決すべき課題が残
されている。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、その目
的とするところは、少ない種類のプレキャストコンクリ
ート製ブロックにより、地下室を形成し得て、現場での
作業能率を向上させることができ、また施工コストの低
減を図ることのできるコンクリート製組立型地下室の躯
体構造を提供することにある。
「課題を解決するための手段」 かかる目的を達成するために本発明は、底板部および
この底板部の周囲を囲む側板部により形成され、上部建
築物の1階床パネルを設置する上面が開口した矩形箱型
の地下ユニットを、その幅方向に少なくとも2つ隣接し
た状態で並べ、隣接する地下ユニットどうしを相互に接
合して、これら地下ユニットを一体に連結してなるコン
クリート製組立型地下室であって、前記地下ユニット
を、この地下ユニットの長手方向に直交する面で分割さ
れた複数のプレキャストコンクリート製ブロックにより
構成するとともに、これらブロックを金属製締結部材に
より一体化し、しかも前記ブロックの側板部の内互いに
接合される側板部を他の側板部よりも薄く形成してなる
ものである。
「作用」 前記構成のコンクリート製組立型地下室の躯体構造に
よれば、地下室を上面が開口した箱型の地下ユニットを
主体として構成し、当該地下ユニットを、その長手方向
に直交する面で分割する形態の複数のプレキャストコン
クリート製ブロックにより築造する構成としたので、ブ
ロックを長手方向に連結する単純作業により地下ユニッ
トを形成し得て、現場での組立てを容易に実施すること
ができる。
また、このようにして構築された地下ユニットをその
幅方向に連結して部屋数を増加させることができ、しか
も地下ユニットを構成する前記ブロックはその接合され
る側板部が他の側板部よりも薄く形成されているため、
側板部どうしを接合させて重ね合わせても仕切りとなる
側壁が厚みを増すことがない。
「実施例」 以下、本発明の一実施例を図面を参照して説明する。
第1ないし第3図はこの発明にかかる組立型コンクリ
ート製地下室の躯体構造の一実施例を示すもので、実施
例は、上面が開口した矩形箱型の2種類の地下ユニット
1、2を、その幅方向に隣接した状態(図示例では地下
ユニット2を間に挾んでその左右に地下ユニット1を隣
接した状態)で並べ、隣接する地下ユニット1、2どう
しを側板部を貫通する連結ボルトおよび連結金物を介し
て相互に接合して、これら地下ユニット1、2を一体化
してなる基本構造となっている。そして、実施例では、
前記地下ユニット1、2が基礎としても作用し、この上
に家屋などの建物Hが載置される。
この地下室の左右を構成する地下ユニット1は、地下
ユニットの長手方向に直交する面で分割された複数のプ
レキャストコンクリート製ブロック10、11を止水用の目
地材を介在させて互いに連結し、金属製締結部材(実施
例ではPC鋼材)13で一体化して組立てられてなり、ま
た、前記ブロック10、11の上端には各ブロックを連結す
る長短2種類の臥梁14、15が架け渡されているものであ
る。
前記ブロック10、11はそれぞれ予め工場において所定
の形状、寸法に製作されるもので、ブロック10は地下ユ
ニット1の中央部を構成するようになっており、またブ
ロック11は地下ユニット1の両端部の妻壁部を構成する
ようになっている。
そして、これらの全てのブロック10、11は、端面どう
しが突き合わされ、これらブロックを貫通するPC鋼材13
を緊張することによってプレストレスが導入され、これ
により各ブロックは強固に連結されて地下ユニットを形
成しているものである。
なお、ブロックの端面には目地材が施工されて地下ユ
ニットに十分な水密性が確保されている。
前記ブロック10は、外板部10aおよび相対向する側板
部10b、10cによって縦断面U字型に形成されており、底
板部10aの左右両側にはそれぞれPC鋼材13を通すための
シース管が設けられるとともに、側板部10b、10cの上端
には臥梁14、15を止める長ボルト16をねじ込むためのイ
ンサート17が埋設されている(第5図参照)。
なお、図示例では、前記長ボルト16は、おねじの形成
された軸体16aと、この軸体16aの上部に定着板16bを介
して螺合されるナット16cとを主体として構成されてい
る。
また前記側板部10b、10cには、第6図および第7図に
示すように、必要に応じてボルト・ナット18a、18bによ
り止められる構造の継手金物18が取付けられる。
そして、本発明においては、前記ブロック10を構成す
る側板部10b、10cのうち地下ユニット2に接合される側
の側板部10cの厚さWは他の側板部10bの厚さTよりも薄
く形成されたことを特徴としており、これにより、側板
部どうしを重ね合わせたときにこの部分の壁の厚さが厚
くならないように配置されている。なお、実施例では、
厚さWは厚さTの約2/3の大きさに設定されている。
また実施例では、この側板部10cに地下ユニット連結
用の連結ボルト29を通す挿通孔10eが設けられ(第4図
参照)、さらにこの側板部10cに臨む底板部10aに、底板
部上面とブロックの外面とを連通する凹部10dが形成さ
れるとともに、この凹部10d内にはインサート31が埋設
され、地下ユニット連結用の連結金物30を凹部10dに固
定できるようになっている(第8図および第9図参
照)。
一方、地下ユニット1の両端を構成するブロック11
は、第10図に示すように、矩形に形成された底板部11a
とこの底板部11aの周囲3面を囲む側板部11b、11c、11d
によって形成されており、実施例では側板部11cが地下
ユニット1の妻壁を構成するようになっている。
そして、このブロック11においても、地下ユニット2
に接合される側の側板部11dの厚さWが他の側板部11bの
厚さTよりも薄く形成され、隣接する地下ユニットの側
板部どうしを重ね合わせたときのこの部分の壁の厚さが
厚くならないように配慮されている。
なお、前記底板部11aの左右両側にはそれぞれPC鋼材1
3を通すためのシース管が妻壁に開口して設けられてお
り、またこのシース管の開口部がPC鋼材13の定着部とな
っている。
一方、前記ブロック11の各側板部11b、11c、11dの上
端にも、第5図に示すように、臥梁14、15を止める長ボ
ルト16をねじ込むためのインサート17が埋設されてい
る。
次に、地下ユニット1の間に挾まれる地下ユニット2
の構成について説明する。
この地下ユニット2も、基本的には、前述した地下ユ
ニット1と同様に、地下ユニットの長手方向に直交する
面で分割された複数のプレキャストコンクリート製ブロ
ック20、21を止水用の目地材を介在させて互いに連結
し、PC鋼材13で一体化して組立てられてなるもので、前
記ブロック20、21の上端にはこれらブロックを連結する
ようにして長短2種類の臥梁14、15が架け渡されてい
る。
また、地下ユニット2を構成する2種類のブロック2
0、21も、基本的に地下ユニット1のブロックと同様
に、ブロック20、21の端面どうしが突き合わされ、これ
らブロックを貫通するPC鋼材13を緊張することによって
プレストレスが導入されるようになっている。
なお、前記ブロック20は底板部20aおよび相対向する
側板部20b、20cによって縦断面U字型に形成され、また
地下ユニット2の両端のブロック21は矩形に形成された
底板部21aとこの底板部21aの周囲3面を囲む側板部21
b、21c、21dによって形成されている点は、先のブロッ
ク10、11と同様である。
しかしながら、この地下ユニット2においては地下ユ
ニット1の間に挾まれて設置される構造上、地下ユニッ
ト2の中央部を構成するブロック20および地下ユニット
の妻壁部を構成するブロック21の対向する左右の側板部
20b、20c、21b、21dがそれぞれ、ブロック10の外壁を構
成する側板部10bの厚さTよりも薄く形成されているこ
とに特徴を有している。
なお、これらのブロック20、21においても、PC鋼材13
のシース管を設ける点、側板部20b、20c、21b、21c、21
dの上端に、それぞれ臥梁14、15を止める長ボルト16を
ねじ込むためのインサート17を埋設する点、必要に応じ
て側板部20b、20cなどに、継手金物18を取付ける点、地
下ユニット連結用の連結金物30を固定する凹部20d、連
結ボルト29を通す挿通孔20eを設ける点などについては
前述したブロック10、11と同様である。
前記ブロック10、11の上端に架け渡される長短2種類
の臥梁14、15について説明すると、各臥梁14、15はそれ
ぞれプレキャストコンクリートによって四角柱状に形成
されていて長手方向に連結されたブロック10、11、20、
21の上端を固定すると共に、上部建築物(図示例では家
屋)の1階床パネルを支持するもので、長尺の臥梁14は
地下ユニット1の長手方向に沿う側板部上に臥梁14の上
下に貫通する長ボルト16により固定されるようになって
いる。
また、この臥梁14の側部には、第11図に示すように、
短尺の臥梁15を載せる載置部14aが突出形成されてお
り、短尺の臥梁15の上下を貫通する長ボルト16をインサ
ート17にねじこむことによって載置部14aに強固に固定
できるようになっている。なお、実施例において、前記
臥梁15はプレキャストコンクリート製のものが用いられ
ているが、H型鋼により構成したものであっても良い。
次に、このように構成された躯体構造を有する組立型
地下室の構築方法および作用を説明する。
まず、地下ユニット1、2を構成する各プレキャスト
コンクリート製ブロックは、工場において、予め一定の
寸法、形状にコンクリート等によって一体に打設して形
成される。
そして、これらブロックは、トラックによって作業現
場に運搬されるが、この際、ブロックは地下ユニットの
長手方向に直交する面で分割された断面U字型に形成さ
れているため、ブロックの種類は地下ユニットの中央部
を形成するU字型のものと、妻壁を形成するものとの2
種類で済み、特に大型地下室を構成する場合には、U字
型のブロックの数を増すことにより対応できるので、ブ
ロック自身を大型化する必要がなく、現場への運搬性を
きわめて良好にすることができる。
次に、現場において、地下室を組立てるには、地下室
を構築すべき地面の根切り作業を行ない、所定の大きさ
の穴を掘った後、割栗地業工程、捨てコンクリートの打
設工程を経て、基礎部の施工を行ない、また、この際に
ブロックの据え付けレベルの基準となる鋼管40を埋め込
む(第3図(イ)参照)。
次いで、ブロックをトラックからクレーン等を使って
吊り下ろし、次々にこれらを組合わせて接合していくわ
けであるが、その組立て順序は第3図(ロ)ないし
(ホ)による工程により行なう。
すなわち、一番最初の据え付けは第3図(ロ)に示す
ように、配置の中心部(実施例では地下ユニット2の中
心部)から始め、第3図(ハ)に示すように、このブロ
ック20の左右に地下ユニット1のブロック10を接合す
る。
この際(左右に地下ユニット1のブロック10を接合す
る際)、ブロック10、20の間に連結金物30を差し渡すと
ともに、これらブロックを貫通する連結ボルトを使って
各ブロックを一体化する。
その後、地下ユニット2のブロック20をその軸方向に
接合しながら、その都度、ブロック20の左右に、地下ユ
ニット1のブロック10を据え付け接合していき、最終的
に妻壁を形成するブロック11、21を取付け、各ブロック
のシース穴にPC鋼材13を挿入し、これをジャッキにより
緊張して両端を定着することによりプレストレスを導入
する(第3図(ホ)参照)。なお、PC鋼材13の緊張後、
シース管内にグラウトの充填を行なう。
PC鋼材13の緊張後、第3図(ヘ)に示すように、地下
ユニットの側板部の上に長尺の臥梁14を取付け、さらに
第3図(ト)に示すように、短尺の臥梁15を組つけて地
下室の躯体を完成させる。
以上のようにして、PC鋼材13の緊張と臥梁14、15の取
付けとを終えたならば、ブロックの底板部と基礎コンク
リートとの間にグラウトを注入し、底板部と基礎コンク
リートとの間の隙間をグラウトで充填し、各ブロックの
底板部を基礎に密着させる。
そして、最終的に内部の仕上げ工事等を完了させる
と、第3図(リ)に示すような地下室が完成する。
以上の手順によれば、配置の中心からブロックを据え
付けて、ブロックの左右前後にブロックを組立てていく
ようにしたことから、根切り穴の内部において、各ブロ
ックの据え付け、接合作業を精度良く実施していくこと
ができる。すなわち、本実施例においては、地下室の中
心に位置する本体ブロックを基準に他のブロックを接合
していくため、どのブロックも前記基準とする本体ブロ
ックから大きく離れてしまうことがなくなるので、基準
のブロックに対してずれを小さくすることができるの
で、接合作業を精度良く実施していくことができるもの
である。
実施例の躯体構造では、地下ユニットを構成する前記
ブロック10、11、20、21は、その接合される側板部が他
の側板部よりも薄く(2/3の大きさ)形成されているた
め、側板部どうしを接合させて重ね合わせても仕切りと
なる側壁が厚みを増すことがないので、複数の地下ユニ
ットをその幅方向に繋げる構成の地下室であっても、部
材の有効利用が図れ、内部の仕切り壁の厚さが増すこと
がないといった利点を有する。
また実施例では、地下室を構成する地下ユニットを、
その長手方向に直交する面で分割する形態の複数のプレ
キャストコンクリート製ブロックにより築造する構成と
したので、ブロックを長手方向に連結する単純作業によ
り地下ユニットを形成し得て、現場での組立てを容易に
実施することができる。
第12図は本発明の他の実施例を示すもので、この実施
例では、2つの地下ユニット3、4を幅方向に繋げて躯
体を構成し、各地下ユニット3、4をそれぞれその長手
方向に直交する面で分割した複数のプレキャストコンク
リートブロック50、51により形成してなる基本構造とな
っている。そして、この実施例においても、ブロック5
0、51はそれぞれ底板部50a、51aとこの底板部50a、51a
の周囲に立設された側板部50b、50c、51b、51c、51dに
より構成され、かつ、隣接する地下ユニットに接合され
る側板部50b、51dの厚さが他の側板部の厚さよりも薄く
形成されている。
しかし、この実施例では、側板部50b、50c、51b、51
c、51dの上部に臥梁となる梁部51eが一体に型枠成型さ
れている点に特徴がある。
そして、これにより、実施例では臥梁の組立て工程を
省略でき、現場での施工性を向上できるといった利点を
有する。
なお、本発明は前述した実施例に限定されるものでは
なく、その設計要求などに応じて、ブロックの大きさ、
形状等を変更できることは言うまでもない。また、部屋
の入り口などを形成する部分の各ブロックには、必要に
応じて、入り口を構成する開口部などが形成されること
は勿論であり、このような場合には底板部どうしが連結
されて地下ユニットが一体化される。
「発明の効果」 以上説明したように本発明は、底板部およびこの底板
部の周囲を囲む側板部により形成され、上部建築物の1
階床パネルを設置する上面が開口した矩形箱型の地下ユ
ニットを、その幅方向に少なくとも2つ隣接した状態で
並べ、隣接する地下ユニットどうしを相互に接合して、
これら地下ユニットを一体に連結してなるコンクリート
製組立型地下室であって、前記地下ユニットを、この地
下ユニットの長手方向に直交する面で分割された複数の
プレキャストコンクリート製ブロックにより構成すると
ともに、これらブロックを金属製締結部材により一体化
し、しかも前記ブロックの側板部の内互いに接合される
側板部を他の側板部よりも薄く形成してなることを特徴
とするものであるから、次のような優れた効果を奏する
ことができる。
(a)地下室の躯体の主要部となる地下ユニットを、そ
の長手方向に直交する面で分割する形態の複数のプレキ
ャストコンクリート製ブロックにより築造する構成とし
たので、ブロックを長手方向に連結する単純作業により
地下ユニットを形成し得て、現場での組立てを容易に実
施することができる。
(b)このようにして構築された地下ユニットをその幅
方向に連結することにより、部屋数を増加させることが
できるので、ブロック自身を大型化することなく地下室
の大型化を図ることができ、ブロックの現場への運搬性
をきわめて良好にすることができる。
(c)地下ユニットの接合される側板部が他の側板部よ
りも薄く形成されているため、側板部どうしを接合させ
て重ね合わせても仕切りとなる側壁が厚みを増すことが
なく、複数の地下ユニットをその幅方向に繋げる構成の
地下室であっても、部材の有効利用が図れ、内部の仕切
り壁の厚さが増すことがないといった利点を有する。
(d)前記により、少ない種類のプレキャストコンクリ
ート製ブロックにより、地下室を形成することができる
ので、現場での作業能率を向上させることができ、また
施工コストの低減を図ることのできる。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明にかかるコンクリート製組立型地下室の躯
体構造の一実施例を示すもので、第1図は躯体を組立て
た地下室の上に家屋を載置した状態を示す断面図、第2
図はその側断面図、第3図(イ)ないし(リ)はこの地
下室の施工工程を示すもので、それぞれ斜視図、第4図
は隣接する地下ユニットの側板部の連結構造を示す断面
図、第5図は臥梁と側板部との連結構造を示す断面図、
第6図はブロックどうしを連結する継手金具の平面図、
第7図はその断面図、第8図は隣接する地下ユニットを
繋ぐ連結金物を示す平面図、第9図はその断面図、第10
図は妻壁部を構成するブロックの斜視図、第11図は臥梁
の接合部の構造を示す断面図、第12図は本発明の他の実
施例を示す斜視図である。 1、2、3、4……地下ユニット、10、11、20、21、5
0、51……プレキャストコンクリート製ブロック、13…
…PC鋼材、14、15……臥梁、16……長ボルト、17……イ
ンサート、18……継手金物、30……連結金物。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】底板部およびこの底板部の周囲を囲む側板
    部により形成され、上部建築物の1階床パネルを設置す
    る上面が開口した矩形箱型の地下ユニットを、その幅方
    向に少なくとも2つ隣接した状態で並べ、隣接する地下
    ユニットどうしを相互に接合して、これら地下ユニット
    を一体に連結してなるコンクリート製組立型地下室の躯
    体構造であって、 前記地下ユニットはこの地下ユニットの長手方向に直交
    する面で分割された複数のプレキャストコンクリート製
    ブロックにより構成されるとともに、これらブロックは
    金属製締結部材により一体化されてなり、しかも前記ブ
    ロックの側板部の内互いに接合される側板部は他の側板
    部よりも薄く形成されていることを特徴とするコンクリ
    ート製組立型地下室の躯体構造。
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