JPH08329609A - デジタル信号再生装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な回路構成にて最適な等化特性を得るこ
とのできる装置を提供する。 【構成】 デジタル信号再生装置は、互いに再生波形特
性の異なる複数種類の記録媒体からデジタル信号を再生
する装置であって、前記記録媒体から信号を再生する再
生手段と、前記再生手段により再生された信号を積分す
る積分手段と、前記記録媒体の種類を判別する判別手段
と、前記判別手段の出力に応じて前記再生手段からの信
号と前記積分手段の出力とを加算する加算手段と、前記
加算手段の出力信号を用いて前記デジタル信号を検出す
る検出手段とを備えて構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は再生装置に関し、特に
は、互いに異なる種類の記録媒体からデジタル信号を再
生する装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、この種の装置として、デジタ
ルビデオ信号の情報量を圧縮して磁気テープに記録する
デジタルＶＴＲが知られている。

【０００３】このようなデジタルＶＴＲにおいては、記
録情報量が多いことから高密度記録化が要求され、ヘッ
ド，テープ共に高密度記録化に適した設計が行われてい
る。

【０００４】これまで、デジタルＶＴＲにおいては、メ
タル塗布テープ（以下ＭＰテープ）などの面内方向に磁
気異方性をもつ媒体が多く使用されてきた。しかし、Ｍ
Ｐテープでは記録時の減磁作用により高密度化には限界
がある。

【０００５】これに対して、メタル蒸着テープ（以下Ｍ
Ｅテープ）のような斜め蒸着媒体は、垂直方向に一定角
度の磁気異方性を有するため記録減磁作用が少なく、高
密度記録に優れている。しかし、信頼性やコストなどの
点においてはＭＰテープの方が優れている。

【０００６】このように２種類のテープにはそれぞれ長
所，短所があり、使用目的に応じて使いわけることが考
えられている。

【０００７】

【発明が解決しようとしている課題】ＭＰ，ＭＥテープ
は前述のような特徴の他に、磁気異方性の違いにより記
録再生時の応答波形が異なるという特徴も持っている。
それぞれのテープの再生波形の例を図７に示す。

【０００８】図７より明らかなように、ＭＰにおいては
前後対称な単峰波形であり、ＭＥは後方にアンダーシュ
ートのあるダイパルス波形となる。

【０００９】前述のようなデジタルＶＴＲにおいては、
再生信号に対して波形等化処理を施して再生データの検
出を行っている。この等化処理における等化特性は再生
波形を元に設計している。

【００１０】ＭＰ，ＭＥの再生波形は前述のように大き
く特性が異なっているので、単一の等化特性を有する等
化回路では、両方のテープからの再生信号を適正に等化
することが不可能になる。

【００１１】従って、従来のデジタルＶＴＲにおいて
は、使用可能なテープの種類がおのずと決まってしま
い、前述のように使用目的に応じてテープを使い分ける
ことができず、柔軟性に欠けるものであった。

【００１２】前記課題を考慮して、本発明は、簡単な回
路構成にて最適な等化特性を得ることのできる装置を提
供することを目的とする。

【００１３】

【課題を解決するための手段】従来抱えている課題を解
決し、前記目的を達成するため、本発明は、互いに再生
波形特性の異なる複数種類の記録媒体からデジタル信号
を再生する装置であって、前記記録媒体から信号を再生
する再生手段と、前記再生手段により再生された信号を
積分する積分手段と、前記記録媒体の種類を判別する判
別手段と、前記判別手段の出力に応じて前記再生手段か
らの信号と前記積分手段の出力とを加算する加算手段
と、前記加算手段の出力信号を用いて前記デジタル信号
を検出する検出手段とを備えて構成されている。

【００１４】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて詳細に
説明する。

【００１５】図１は本発明の実施例であるデジタルＶＴ
Ｒの要部構成を示すブロック図である。

【００１６】図１において、入力されたデジタルビデオ
信号は記録信号処理回路１においてＤＣＴ，量子化等の
技術を用いて情報量を圧縮され、変調回路２に出力され
る。変調回路２は圧縮されたデジタルビデオ信号に対し
てデジタル変調処理を施して記録に適した形式の信号に
変換し、アンプ３に出力する。アンプ３は変調されたビ
デオ信号を増幅して、スイッチ４を介してヘッド５に出
力する。ヘッド５はスイッチ４を介して供給されたビデ
オ信号をテープ６に記録する。

【００１７】次に、再生時には、テープ６からヘッド５
により再生されたビデオ信号がアンプ７により増幅され
て第１の等化回路８に出力される。第１の等化回路８は
テープの種類による前述の如き再生波形の違いを補償
し、第２の等化回路９に出力する。

【００１８】第２の等化回路９は電磁変換系における再
生信号の振幅及び群遅延特性を補償して復調回路１０に
出力する。復調回路１０は等化処理の施された再生信号
を復調すると共に、もとのデジタルデータを検出し、
１，０の信号に変換して再生信号処理回路１１に出力す
る。再生信号処理回路１１は再生信号に対して記録時と
ほぼ逆の処理を施して元のデジタルビデオ信号に変換し
て出力する。

【００１９】このような構成において、第１等化回路８
の動作について以下に説明する。

【００２０】図２は第１等化回路８の構成を示す図であ
る。

【００２１】第１等化回路８はテープ判別回路１０１，
積分器１０２，スイッチ１０３及び加算器１０４から構
成され、テープの種類に応じて再生信号と再生信号を積
分した信号とを加算するものである。

【００２２】いま、ヘッドとテープとの相対速度を１
０．２ｍ／ｓ，記録波長を０．４９μｍとした場合、Ｍ
Ｅテープ，ＭＰテープの応答波形は図７に示すようにな
る。

【００２３】本実施例において、第１の等化回路８には
このような再生波形の異なる信号が入力される。

【００２４】図２において、テープ判別器１０１はカセ
ットにＣに設けられた端子の抵抗値を検出することによ
りテープの種類を判別し、その結果に応じてスイッチ１
０３を切り換える。

【００２５】すなわち、ＭＰテープの再生信号が供給さ
れた場合にはスイッチ１０３をＭＰ側に切り換えて、加
算器１０４のｂには何も供給しない。従って、ＭＰテー
プの再生時には再生信号をそのまま出力する。

【００２６】次に、ＭＥテープの再生信号が供給された
場合にはスイッチ１０３をＭＥ側に切り換えて、抵抗Ｒ
ａとコンデンサＣａにより積分され、抵抗ＲｂとＲｃに
より分圧された信号を加算器１０４に供給する。

【００２７】このとき、加算器１０４の入力ａには図３
に示した３ａの波形が入力され、入力ｂには３ｂの波形
が入力される。従って、加算器１０４の出力としては３
ｃの波形が得られる。

【００２８】この結果、第１等化回路８の出力信号とし
て、ＭＥテープを使用した場合も、ＭＰテープと同様に
アンダーシュートのない左右対称な波形を得ることがで
きる。従って、後段の第２等化回路９の特性としてＭＰ
テープの再生に適した単一の等化特性を持たせることよ
り最適な再生波形を得ることができる。

【００２９】図４に第２等化回路９における振幅補正回
路の構成を示し、また、図５に第２等化回路９における
群遅延補正回路の構成を示す。本実施例では、群遅延補
正回路を２次のオールパスフィルタで構成した。

【００３０】なお、本実施例では、記録時に変調回路２
にてインターリーブドＮＲＺＩの処理を施している。従
って、再生時に復調回路１０ではこの逆の処理、すなわ
ち逆Ｉ−ＮＲＺＩの処理を再生信号に施す。このような
処理は、パーシャルレスポンス（本実施例では、ＰＲ
（１，０，−１））を用いた記録再生技術として特に近
年用いられている技術であり、記録時に符号間干渉を与
えて記録し、再生時にこの符号間干渉をとり除くことに
より、高密度記録に伴う符号間干渉の影響を抑制するこ
とが可能になる。

【００３１】さらに、本実施例では、ビタビ復号を用い
て、逆Ｉ−ＮＲＺＩ処理の施されたデータから１，０の
デジタルデータを検出している。このような復調回路１
０の構成を図６に示す。

【００３２】図６において、前述のように等化された再
生信号が１ビットづつシリアルにＡ／Ｄ変換器２０１に
入力され、ここで例えば６ビットのデジタル信号に変換
される。Ａ／Ｄ変換器２０１から出力された信号は、そ
れぞれ１ビットクロック分の遅延時間を有する遅延回路
２０２，２０３にて遅延されて減算器２０４に出力され
ると共に、減算器２０４及び位相検出回路２０６にも出
力される。

【００３３】このような遅延回路２０２，２０３及び減
算器２０４により、１−Ｄ² で示される逆Ｉ−ＮＲＺＩ
処理を施していることになる。

【００３４】ビタビ復号回路２０４は周知のビタビ復号
法を用いて再生データから１，０の信号を判別し、再生
信号処理回路１１に出力する。

【００３５】また、位相検出回路２０６はＡ／Ｄ変換器
２０１からの出力信号の位相を検出することにより再生
信号とＶＣＯ２０８からのクロックとの位相差を検出
し、ループフィルタ２０７を介してＶＣＯ２０７に出力
する。ＶＣＯ２０７はループフィルタからの出力信号の
電圧に応じた周波数の信号を動作クロックとしてビタビ
復号回路２０５お飛びＡ／Ｄ変換器２０１に供給する。
すなわち、これら位相検出回路２０６，ループフィルタ
２０７及びＶＣＯ２０８によりＰＬＬ回路を構成してお
り、再生信号に位相同期したクロックを得ることができ
る。

【００３６】以上説明したように、本実施例では、テー
プの種類に応じて再生信号を積分した信号を再生信号に
加算しているので、ＭＥとＭＰの再生波形の違いを補償
することができ、単一の等化特性を有する等化回路であ
っても良好に等化処理を行うことができる。

【００３７】なお、前述の実施例では、ＭＥテープとＭ
Ｐテープとを用いるデジタルＶＴＲに本発明を適用した
場合について説明したが、これに限らず、再生波形が異
なるもの、特に再生波形の立ち上がり，立ち下がりにお
いてアンダーシュート，オーバーシュートを有するよう
な記録媒体に対して再生等化を行うものであれば本発明
を適用可能であり、同様の効果を有する。

【００３８】また、前述の実施例では、記録媒体間の波
形の違いを補償する第１のイコライザの後段に磁気記録
系による再生信号の波形の変化を補償する第２のイコラ
イザを設けたが、これらのイコライザを逆に設けてもよ
い。

【００３９】また、前述の実施例では、等化された信号
からビタビ復号を用いてデジタル信号を検出したが、こ
れに限らず、従来より用いられている積分検出法を用い
てもよい。

【００４０】

【発明の効果】本発明によれば、記録媒体の種類に応じ
て、再生信号と再生信号を積分した信号とを加算してい
るので、再生波形が異なるもの、特に再生波形の立ち上
がり，立ち下がりにおいてアンダーシュート，オーバー
シュートを有するような記録媒体からの再生信号の違い
を補償可能であり、単一の等化特性しか持たないような
等化回路であっても各再生信号に対して最適な等化処理
を施すことができる。

【００４１】従って、再生信号から正しくデータを検出
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例としてのデジタルＶＴＲの構
成を示すブロック図である。

【図２】図１における第１の等化回路の構成を示すブロ
ック図である。

【図３】図２の回路の動作を説明するための図である。

【図４】図１における第２の等化回路の構成を示す図で
ある。

【図５】図１における第２の等化回路の構成を示す図で
ある。

【図６】図１における復調回路の構成を示す図である。

【図７】ＭＥテープとＭＰテープの再生波形を示す図で
ある。

【符号の説明】

８ 第１等化回路 ９ 第２等化回路 １０ 復調回路 １０１ テープ判別器 １０２ 積分回路

Claims (13)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 互いに再生波形特性の異なる複数種類の
   記録媒体からデジタル信号を再生する装置であって、 前記記録媒体から信号を再生する再生手段と、 前記再生手段により再生された信号を積分する積分手段
   と、 前記記録媒体の種類を判別する判別手段と、 前記判別手段の出力に応じて前記再生手段からの信号と
   前記積分手段の出力とを加算する加算手段と、 前記加算手段の出力信号を用いて前記デジタル信号を検
   出する検出手段とを備えるデジタル信号再生装置。
2. 【請求項２】 前記加算手段からの出力信号に対して等
   化処理を施す等化手段を備え、 前記検出手段は前記等化手段の出力を用いて前記デジタ
   ル信号を検出することを特徴とする請求項１に記載のデ
   ジタル信号再生装置。
3. 【請求項３】 前記等化手段は、前記加算手段の出力信
   号の振幅特性を補正する振幅補正回路と、前記加算手段
   の出力の群遅延特性を補正する郡遅延特性補正回路とを
   有することを特徴とする請求項２に記載のデジタル信号
   再生装置。
4. 【請求項４】 前記群遅延補正回路は２次のオールパス
   フィルタを含むことを特徴とする請求項３に記載のデジ
   タル信号再生装置。
5. 【請求項５】 前記等化手段は前記複数の記録媒体のう
   ち、所定の記録媒体に対応した単一の等化特性を有する
   ことを特徴とする請求項２に記載のデジタル信号再生装
   置。
6. 【請求項６】 前記検出手段は、前記加算手段から出力
   された信号をデジタル信号に変換する変換手段と、 前記変換手段からの再生デジタル信号に位相同期したク
   ロックを発生するクロック発生手段と、 前記クロック発生手段により発生されたクロックを用い
   て、前記再生デジタル信号に対して復調処理を施す復調
   手段とを含むことを特徴とする請求項１に記載のデジタ
   ル信号再生装置。
7. 【請求項７】 前記復調手段は、前記再生デジタル信号
   に対してＰＲ（１，０，−１）の処理を施す処理回路
   と、前記処理回路からの出力信号に対してビタビ復号を
   施すビタビ復号回路とを含むことを特徴とする請求項６
   に記載のデジタル信号再生装置。
8. 【請求項８】 クロック発生回路は、前記再生デジタル
   信号の位相を検出する位相検出回路と、前記位相検出回
   路の出力が入力されるループフィルタと、前記ループフ
   ィルタの出力に応じた周波数の信号を前記クロックとし
   て出力する発信回路とを含むことを特徴とする請求項６
   に記載のデジタル信号再生装置。
9. 【請求項９】 前記記録媒体は、メタル塗布型テープと
   メタル蒸着型テープとを含むことを特徴とする請求項１
   に記載のデジタル信号再生装置。
10. 【請求項１０】 前記判別手段は、前記テープを内蔵す
    るカセットに設けられた端子の抵抗値を検出する手段を
    含み、前記抵抗値に基づいて前記テープの種類を検出す
    ることを特徴とする請求項９に記載のデジタル信号再生
    装置。
11. 【請求項１１】 メタル塗布型テープとメタル蒸着型テ
    ープとからデジタル信号を再生する装置であって、 前記テープから信号を再生する再生手段と、 前記再生手段により再生された信号について、前記複数
    種類の記録媒体の間の波形の違いを補償するための第１
    のイコライザと、 前記再生手段により再生された信号について、記録再生
    系における再生波形の特性の変化を補償する第２のイコ
    ライザと、 前記第１のイコライザと第２のイコライザとを介した信
    号に対してＰＲ（１，０，−１）処理を施す処理回路
    と、 前記処理回路の出力信号を用いて前記デジタル信号を検
    出する検出手段とを備えるデジタル信号再生装置。
12. 【請求項１２】 前記テープの種類を判別する判別手段
    と、前記判別手段の出力に応じて前記第１のイコライザ
    の動作を制御する制御手段とを有する請求項１１に記載
    のデジタル信号再生装置。
13. 【請求項１３】 前記第１のイコライザは前記再生手段
    からの再生信号を積分する積分回路と、前記再生信号と
    前記積分回路からの出力とを加算する加算手段とを含
    み、 前記制御手段は前記判別手段の出力に応じて前記加算手
    段の加算動作を制御することを特徴とする請求項１２に
    記載のデジタル信号再生装置。