JPH083293A - 脂肪族ポリエステル共重合体及びその製造方法 - Google Patents
脂肪族ポリエステル共重合体及びその製造方法Info
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Abstract
カプロラクトンから誘導される単位1〜30モル%とか
ら主としてなり数平均分子量が1万〜10万である脂肪
族ポリエステル共重合体。 【効果】 機械的物性が良好であり、特に降伏強度と破
断伸びの大きい柔軟性に富む材料である。
Description
位とカプロラクトンから誘導される単位とから主として
なる高分子量の脂肪族ポリエステル共重合体及びその製
造方法に関し、詳しくは生分解性があり、機械的強度に
優れた高分子量の脂肪族ポリエステル共重合体及びその
製造方法に関する。
れらの共重合体に代表される、脂肪族オキシ酸から製造
される脂肪族ポリエステルは、生分解性の高分子として
注目され、例えば、縫合糸等の医用材料、医薬、農薬、
肥料等の徐放性材料等多方面に利用されている。更には
生分解性汎用プラスチックとして容器やフィルム等の包
装材料としても期待されている。こうした用途のために
は、一般的に機械的物性が高いことが好ましく、高分子
量のポリマーを得るために、従来は乳酸、グリコール酸
からラクチド、グリコリドを製造し、これらを開環重合
して高分子量のポリラクチド、ポリグリコールを製造し
ていた。この方法では高分子量のポリマーが得られる
が、2段反応であり、ラクチド、グリコリドを得るため
に多大の労力がかかり、経済的とはいえなかった。一
方、乳酸、グリコール酸を直接重縮合反応させる方法
は、経済的であるが、その反面、高分子量化できないと
いう問題点があり、工業化されていない。例えば、高分
子量化の試みとして重縮合触媒としてスズ化合物を用
い、重縮合時に流動パラフィンを添加させる方法(特開
昭62−64823号公報)等も提案されているが、必
らずしも充分な分子量とはいえなかった。また、GeO
2 等の無機ゲルマニウム化合物を触媒とすることも提案
されているが(特開平5−43665号公報)、充分満
足できる分子量のポリマーは得られていない。また、ポ
リ乳酸は、強度は大きいが、伸びが非常に小さいため、
通常のエンジニアリングプラスチック等と比較すると硬
くて脆い材料であり、靱性が不充分であるという問題が
あった。
よる共重合体については、例えばpolymer,3
1,2006,1990において報告されているが、得
られているポリマーの分子量は3700以下と低いた
め、機械的物性が充分ではなかった。
レベルの機械的物性を有し、特に降伏強度と破断伸びの
大きい高分子量の脂肪族ポリエステル共重合体及び該脂
肪族ポリエステル共重合体を直接重縮合反応により容易
に得ることのできる製造方法を提供することにある。
決するためになされたものであり、その要旨は、乳酸か
ら誘導される単位99〜70モル%とカプロラクトンか
ら誘導される単位1〜30モル%とから主としてなり数
平均分子量が1万〜10万であることを特徴とする脂肪
族ポリエステル共重合体に存する。
明の脂肪族ポリエステル共重合体は、乳酸から誘導され
る単位99〜70モル%とカプロラクトンから誘導され
る単位1〜30モル%とから主としてなるものであり、
更に詳しくは、乳酸から誘導される単位99〜70モル
%、カプロラクトンから誘導される単位1〜30モル%
並びに乳酸及びカプロラクトンと共重合しうる共重合成
分から誘導される単位0〜20モル%、好ましくは0〜
10モル%からなるランダム型脂肪族ポリエステル共重
合体である。
重合成分から誘導される単位としては、例えばグリコー
ル酸、マンデル酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキ
シ酪酸、酒石酸、クエン酸等のオキシ酸から誘導される
単位あるいはテレフタル酸、イソフタル酸、ヒドロキシ
安息香酸等の芳香族化合物から誘導される単位あるいは
ジオール化合物から誘導される単位等を挙げることがで
きる。
平均分子量は10,000〜100,000である。数
平均分子量は充分な機械的強度を有する脂肪族ポリエス
テル共重合体を得るためには通常1万以上好ましくは2
万以上であり、また、製造方法の問題および成形性の低
下の点から通常10万以下好ましくは7万以下である。
少なくとも乳酸とカプロラクトンを触媒の存在下重縮合
させることによって製造することができる。又、本発明
の効果をそこなわない限りにおいて乳酸及びカプロラク
トンと共重合しうる成分を更に加えることもできる。本
発明における乳酸として特に限定されるものでなく、D
体、L体、ラセミ体のいずれでもよく、形状としては固
体、液体、あるいは水溶液であってもよい。
使用可能である。重縮合反応は溶液状態で行うことが好
ましく、そのため、乳酸濃度が高い水溶液がより好まし
い。本発明におけるカプロラクトンとしてはカプロラク
トンそのものあるいは加水分解により開環したオキシ酸
の形態のものが使用可能である。好ましくは反応前に加
水分解したものが好ましい。この場合乳酸水溶液と混合
することで加水分解を起こすため、85〜92%の乳酸
水溶液と併用することが特に好ましい。
添加することにより、副生物の留出が減少する傾向が見
られる。乳酸とカプロラクトンの組成比は乳酸が99〜
70モル%程度及びカプロラクトンが1〜30モル%程
度の範囲である。好ましくは乳酸が95〜75モル%で
カプロラクトンが5〜25モル%、より好ましくは乳酸
が91〜79モル%でカプロラクトンが9〜21モル%
である。これよりも乳酸が多い場合には伸びがでず、硬
く、脆い物性となり、少なければゴム状となるため好ま
しくない。原料の仕込み時には混合して加熱することが
好ましい。乳酸及びカプロラクトンと共重合しうる他の
共重合成分としてはグリコール酸、マンデル酸、3−ヒ
ドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、酒石酸、クエン酸
等のオキシ酸あるいはテレフタル酸、イソフタル酸、ヒ
ドロキシ安息香酸等の芳香族化合物あるいはエチレング
リコール、1,4−ブタンジオール等のジオール化合物
等を挙げることができる。
ルマニウム系、チタン系、アンチモン系、スズ系触媒等
のポリエステルの重合触媒が使用可能であるが、ゲルマ
ニウム系触媒、チタン系触媒が反応性が高く、好まし
い。具体的には、酸化ゲルマニウムあるいはテトラエト
キシゲルマニウム、テトラブトキシゲルマニウム等のゲ
ルマニウムアルコキシド、テトラアルコキシチタン、ア
セチルアセトンチタン等が挙げられる。重合速度、ポリ
マーの着色の観点から特に好ましくは、ゲルマニウム系
触媒である。
あれば、特に限定されるものではないが、好ましくは原
料仕込み時に原料中に分散させた状態で、あるいは減圧
開始時に分散処理した状態で添加する方法である。触媒
の使用量は使用するモノマー量に対して金属原子換算で
0.01〜3重量%、より好ましくは0.05〜1.5
重量%である。
重縮合条件に準じて選択可能である。重縮合温度は15
0℃以上、好ましくは160℃以上更に好ましくは18
0℃以上である。重縮合温度の上限は脂肪族ポリエステ
ルの分解温度以下、具体的には250℃以下、好ましく
は230℃以下、更に好ましくは210℃以下である。
上記温度範囲以下では副生物が少ないが、反応速度が非
常に遅くなり、高分子量のポリマーが得られない。ま
た、逆に上記温度範囲以上ではポリマーの分解、あるい
は副生物であるラクチドの留出が多くなる。反応時の圧
力については50mmHg以下、好ましくは40mmH
g以下、より好ましくは30mmHg以下である。圧力
の下限としては1mmHg以上で行うことが好ましい。
50mmHg以上であれば、重縮合時に発生する水を効
率よく除去できず、また、1mmHg以下では、副生物
の留出の問題、あるいは工業的コストの増大を招き好ま
しくない。
スの減圧雰囲気下で行う。また、反応時間としては2時
間以上、好ましくは4時間以上、更には重合度を上げる
ためにはより長時間例えば8時間以上が好ましい。ただ
し、あまり長時間で行うとポリマーの着色の問題が生じ
るため、4〜15時間が好ましい。更に、高分子量の脂
肪族ポリエステル共重合体を得るために固相重合反応等
を行うことも可能である。
分解性の材料としての具体的な用途としては、繊維では
釣り糸、漁網、不織布等また容器としては使い捨てのカ
ップやトレイ、トイレタリー製品、化粧品、飲料等のボ
トル、農業用の植木鉢や育苗庄、さらにフィルムとして
包装用フィルム、農業用マルチフィルム、ショッピング
バック、肥料袋、テープ類等の利用が考えられる。他に
も医療用途として、縫合糸、人工骨、人工皮フ、創傷被
覆材、マイクロカプセル等のDDS分野が考えられる。
さらに情電分野では、トナーや熱転写用インキのバイン
ダー等の利用が考えられるが、これらに限定されるもの
ではない。
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。また実施例における特
性値は以下の方法により測定した。 ポリマー組成;NMR法により5.2ppmの乳酸部位
のメチンプロトンと2.4ppmのカプロラクトン部位
のメチレンプロトンとの比により求めた。
5gをフェノール/テトラクロロエタン(1/1wt
%)混合溶媒25mlに溶解し、30℃で測定した。 数平均分子量;5mgのサンプルを5gのTHFに溶解
し、東ソー製GPCHLC−8020を用いてポリスチ
レン換算により測定した。カラムにはPLgel 5μ
MIX−Cを使用した。
スフィルムから試験片を打ち抜いた。測定には100k
gテンシロンUTM−III Lを使用した。サンプルの支
点間距離は25mm、引っ張り速度は500mm/mi
nで測定した。
に、L−乳酸(87%水溶液)90g、ε−カプロラク
トン11g、およびテトラn−ブトキシゲルマニウム1
50μl(0.15重量%)を仕込み、窒素置換を行っ
た後、窒素気流下、180℃、3時間、常圧で撹拌し、
その後1時間かけて20mmHgまで減圧し、2時間撹
拌反応させた。続いて1時間かけて昇温、減圧を行い、
200℃、2mmHgの条件で8時間重縮合反応させ
た。得られたポリマーはやや黄色に着色しており、還元
粘度は0.63、数平均分子量は27,700であっ
た。
は、組成をポリ乳酸単独とした以外は実施例1と同様の
操作を行った。さらに比較例1においては得られたポリ
マーを粉砕し、135〜155℃(徐々に昇温)、0.
15torr以下にて60時間固相重合をおこなった。
テル共重合体は、良好な機械的物性を有し、特に降伏強
度と破断伸びの大きい柔軟性に富む材料であるという利
点を有する。又、本発明方法によれば、機械的物性に優
れた高分子量の脂肪族ポリエステル共重合体を直接重縮
合反応により容易に得ることができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 乳酸から誘導される単位99〜70モル
%とカプロラクトンから誘導される単位1〜30モル%
とから主としてなり数平均分子量が1万〜10万である
ことを特徴とする脂肪族ポリエステル共重合体。 - 【請求項2】 少なくとも乳酸とカプロラクトンとを触
媒の存在下重縮合させることを特徴とする請求項1に記
載の脂肪族ポリエステル共重合体の製造方法。 - 【請求項3】 触媒がゲルマニウム化合物又はチタン化
合物であることを特徴とする請求項2に記載の脂肪族ポ
リエステル共重合体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14024294A JP3374530B2 (ja) | 1994-06-22 | 1994-06-22 | 脂肪族ポリエステル共重合体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP14024294A JP3374530B2 (ja) | 1994-06-22 | 1994-06-22 | 脂肪族ポリエステル共重合体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH083293A true JPH083293A (ja) | 1996-01-09 |
JP3374530B2 JP3374530B2 (ja) | 2003-02-04 |
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ID=15264223
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP14024294A Expired - Fee Related JP3374530B2 (ja) | 1994-06-22 | 1994-06-22 | 脂肪族ポリエステル共重合体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3374530B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0892518A (ja) * | 1994-09-21 | 1996-04-09 | Toyobo Co Ltd | 生分解性インキ |
JP2002097359A (ja) * | 2001-09-14 | 2002-04-02 | Toyobo Co Ltd | 生分解性ポリエステル溶解物 |
JP2018020967A (ja) * | 2016-08-02 | 2018-02-08 | 東洋紡株式会社 | 爪被覆剤 |
JP2018020966A (ja) * | 2016-08-02 | 2018-02-08 | 東洋紡株式会社 | ネイルケア剤 |
-
1994
- 1994-06-22 JP JP14024294A patent/JP3374530B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH0892518A (ja) * | 1994-09-21 | 1996-04-09 | Toyobo Co Ltd | 生分解性インキ |
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