JPH0832782B2 - 芳香族ポリアミド及びその樹脂組成物 - Google Patents

芳香族ポリアミド及びその樹脂組成物

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JPH0832782B2
JPH0832782B2 JP63066972A JP6697288A JPH0832782B2 JP H0832782 B2 JPH0832782 B2 JP H0832782B2 JP 63066972 A JP63066972 A JP 63066972A JP 6697288 A JP6697288 A JP 6697288A JP H0832782 B2 JPH0832782 B2 JP H0832782B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、新規な芳香族ポリアミド及びそのポリアミ
ドを必須成分とする樹脂組成物に関する。
[従来の技術とその課題] 全芳香族ポリアミドは、優れた耐熱性と機械的特性を
有するものの、成形が困難である。これは、一般に300
℃以上のガラス転位点を有しているため容易に融解せ
ず、かつ溶媒に対する溶解性においても劣っているため
である。
このため、ポリアミドを素材として利用するために
は、良好な耐熱性を保持するとともに、成形加工性が改
善されることが望まれていた。
一方、耐熱性と共に耐溶剤性が要求されるワニスとし
て、従来、エポキシ樹脂やポリイミド樹脂等の熱硬化性
のワニスが用いられているが、製膜するに際して、高温
下で加熱したり、長時間加熱して硬化しなければならな
い。このため、基材を高温に加熱できない分野、例えば
電子部品回路の絶縁保護膜、プラスチックフィルムを基
盤とする液晶表示素子用配向膜等には適用できず、自ず
とその用途が限定されていた。
本発明者らは、特定の構造を有する文献未記載の芳香
族ポリアミドが、高い熱分解温度を保持するとともに、
有機溶剤に可溶であるため所期の目的を充分満足し得る
ものであること、更に、当該ポリアミドを樹脂成分とす
るワニスは、低温短時間で成形加工できることを見い出
し、斯かる知見に基づいて本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、新規で有用な芳香族ポリアミド並び
に当該ポリアミドを必須の樹脂成分とし、成形加工性に
優れた樹脂ワニス等として有用なポリアミド樹脂組成物
を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明に係るポリアミドは、下記の一般式(I)で表
わされる反復単位を有し、かつその固有粘度が0.3〜5.0
dl/g程度であることを特徴とする。
[式中、Arは を表わす。ここで、Xは単結合又は−O−、−SO−、−
SO2−、−CO−、 から選ばれる二価の基を表わす。Yは−O−、−S−、
−SO−又は−SO2−を表わす。Rはハロゲン原子又はハ
ロゲン原子で置換していてもよい炭素数1〜5のアルキ
ル基を表わし、夫々同一であっても異なっていてもよ
い。] 上記の芳香族ポリアミドは、4、4′−スルホニルジ
安息香酸又はそのジクロライドと、一般式(II)で表わ
される芳香族ジアミンの1種又は2種以上とを有機溶剤
中で反応することにより製造される。
H2N−Ar−NH2 (II) [式中、Arは一般式Iの場合と同様である。] 本発明に係るジカルボン酸成分は、4、4′−スルホ
ニルジ安息香酸又はそのジクロライドを必須成分とする
が、必要に応じて3,4′−スルホニルジ安息香酸、テレ
フタル酸、イソフタル酸、ジフェニルエーテルジカルボ
ン酸、ジフェニルジカルボン酸、ナフタリンジカルボン
酸又はそれらのジクロライドから選ばれる1種以上を併
用することができる。但し、この場合、カルボン酸成分
中の4,4′−スルホニルジ安息香酸又はそのジクロライ
ドの比率は、20モル%程度以上、好ましくは50モル%以
上であることが適当である。20モル%程度未満では得ら
れるポリアミドが有機溶剤に溶けにくくなって加工性が
悪化したり、熱分解温度やガラス転位点が低下して耐熱
性が低下する等の好ましくない事態が生ずる。
一般式(II)で表わされる芳香族ジアミンとしては、
以下の(A)及び(B)のタイプの各種化合物が例示で
きる。
(A) 4,4′‐(p-フェニレンジイソプロピリデン)ジアニ
リン、 3,4′‐(p-フェニレンジイソプロピリデン)ジアニ
リン、 3,3′‐(p-フェニレンジイソプロピリデン)ジアニ
リン、 1,4′‐ビス(p-アミノフェノキシ)ベンゼン、 1,3′‐ビス(p-アミノフェノキシ)ベンゼン、 1,4′‐ビス(p-アミノフェニル)ベンゼン、 1,3′‐ビス(p-アミノフェニル)ベンゼン、 並びに上記各ジアミンのメター体が例示される。
(B) 4,4′‐ビス(p-アミノフェノキシ)ジフェニルスル
ホン、 3,3′‐ビス(p-アミノフェノキシ)ジフェニルスル
ホン、 3,4′‐ビス(p-アミノフェノキシ)ジフェニルスル
ホン、 4,4′‐ビス(p-アミノフェノキシ)ジフェニルエー
テル、 3,3′‐ビス(p-アミノフェノキシ)ジフェニルエー
テル、 3,4′‐ビス(p-アミノフェノキシ)ジフェニルエー
テル、 4,4′‐ビス(p-アミノフェノキシ)ジフェニルスル
フィド、 3,3′‐ビス(p-アミノフェノキシ)ジフェニルスル
フィド、 3,4′‐ビス(p-アミノフェノキシ)ジフェニルスル
フィド、 4,4′‐ビス(p-アミノフェノキシ)ベンゾフェノ
ン、 3,3′‐ビス(p-アミノフェノキシ)ベンゾフェノ
ン、 3,4′‐ビス(p-アミノフェノキシ)ベンゾフェノ
ン、 並びに上記各ジアミンのメター体が例示される。
これらのジアミンは、単独で又は2種以上を組み合わ
せて用いることができる。又、本発明の所定の効果が得
られる限りにおいて、他の芳香族ジアミンの併用を妨げ
るものではない。
芳香族ジアミンに対するジカルボン酸成分の配合比と
しては、好ましくは芳香族ジアミン1当量当りジカルボ
ン酸成分0.9〜1.2当量程度が適当である。
反応媒体として適用される有機溶剤としては、N,N−
ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、
N,N−ジメチルアセトアミド(以下「DMAc」と略称す
る。)、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチル−2
−ピロリドン(以下「NMP」と略称する。)、ジメチル
スルホキシド(以下「DMSO」と略称する。)、テトラメ
チル尿素、1,3-ジメチル‐2-イミダゾリジノン、ヘキサ
メチルホスホルアミド、ニトロベンゼン、ジグライム、
テトラヒドロフラン(以下「THF」と略称する。)等の
非プロトン系極性有機溶剤、フェノール、クレゾール、
ジメチルフェノール、クロルフェノール、ブロムフェノ
ール等のフェノール系溶剤が例示できる。
又、所定の目的が達成される範囲において他の溶剤を
併用することもできる。併用され得る溶剤としては、グ
リコールカーボネート、エチレングリコールジメチルエ
ーテル、メチルセロソルブ、ジクロルメタン、1,2-ジク
ロルエタン、1,1-ジクロルブタン、トリクロルエタン、
クロルベンゼン、ジクロルベンゼン等が例示される。
更に、上記の有機溶剤にピリジンやトリメチルアミン
等の酸受容体を共存させたり、水と互いに混合しない溶
媒系において、アルカリ水溶液との二相系を用いること
は、重合反応性を向上せしめる上で効果的である。
当該反応における温度は−20〜200℃程度、反応時間
は5分〜50時間程度である。
又、4,4′‐スルホニルジ安息香酸と一般式(II)で
表わされる芳香族ジアミンとを前記の有機溶媒中におい
て芳香族亜リン酸エステルとピリジン誘導体とを併用し
て20〜200℃で数分〜数日間反応させることによっても
目的とする芳香族ポリアミドを製造することができる。
この方法に適用される芳香族亜リン酸エステルとして
は、亜リン酸トリフェニル、亜リン酸ジフェニル、亜リ
ン酸トリ‐o-トリル、亜リン酸トリ‐m-トリル、亜リン
酸トリ‐p-トリル等が例示される。又、ピリジン誘導体
としては、ピリジン並びにそのアルキル置換体が例示で
きる。
本発明に係る芳香族ポリアミドは、有機溶媒に対して
大きな溶解度を保持したまま充分に大きな固有粘度[η
inh](ポリマー濃度:0.5g/100ml、溶媒:NMP、測定温
度:30℃)(即ち、充分大きな分子量)を有しており、
通常、0.3〜5.0dl/g程度が提示できる。更に、ポリアミ
ドの加工性を勘案した場合には、0.4〜2.0dl/g程度の固
有粘度を有することが好ましい。
斯かるポリアミドは、前記の反応溶媒として適用され
る各種の有機溶媒の単独又は2種以上の混合溶媒に溶解
し、その溶解性は、適用される芳香族ジアミンやジカル
ボン酸の種類を選択することにより適宜調整することが
できる。
しかしながら、当該ポリアミドは、ガソリン、灯油、
ベンゼン、トルエン、脂肪族アルコール、アセトン、メ
チルエチルケトン、各種エステル類等の通常の有機溶剤
には溶解せず、耐溶剤性に優れたものである。
本発明は、特定の構造を有するポリアミドを上記の如
く適当な有機溶媒に溶解してなるポリアミド樹脂組成物
を提供することをその目的の一つとする。
本発明において適当な有機溶媒としては、当該ポリア
ミドの反応溶媒として適用された各種の溶剤が掲げられ
る。
上記樹脂組成物中のポリアミドの濃度は、その用途に
よって適宜選択することができるが、通常1〜40重量%
程度で用いられる。1重量%未満では経済上不利であ
り、40重量%を越えると組成物がゲル化したり、その粘
度が高くなりすぎて成形時の作業性が低下するため好ま
しくない。
本発明は、シランカップリング剤を配合することによ
り、ポリアミドの耐熱性や機械的特性を損うことなく基
材との密着性を改善した上記ポリアミド樹脂組成物を提
供することをも、その目的の一つとする。
当該組成物中のシランカップリング剤は、基材の表面
に移行し、その表面を改質して基材とポリアミドとの親
和性を向上するものと推測される。
適用されるシランカップリング剤としては、 γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、 γ−(2-アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシ
シラン、 γ−(2-アミノエチル)アミノプロピルメチルジメト
キシシラン、 γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、 γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、 メチルメトキシシラン メチルトリエトキシシラン、 ビニルトリアセトキシシラン、 N−p-(N′−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−
アミノプロピルトリメトキシシラン、 γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチ
ルジシラザン、 β−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメト
キシシラン、 N−フェニル‐3-アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、 γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、 ビニルトリメトキシシラン、 γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、 γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、 メチルトリクロロシラン、 ジメチルジクロロシラン、 トリメチルクロロシラン、 γ−アミノプロピルエトキシシラン、 ビニルトリエトキシシラン、 ビニルトリクロロシラン、 ビニルトリ(β−メトキシエトキシ)シラン、 等を例示することができる。
シランカップリング剤の添加量は、ポリアミドに対し
通常、0.1〜20重量%程度、好ましくは1〜10重量%と
するのが適当である。0.1重量%程度未満では所定の効
果が得られにくく、20重量%程度を越える量を配合して
も効果上顕著な有意差は認められず、経済上不利であ
る。
シランカップリング剤は、ポリアミド樹脂溶液に直接
添加してもよいが、適当な溶剤、例えば前記の非プロト
ン系極性有機溶剤又はノール系溶剤に予め溶解して調製
された溶液として添加してもよい。
本発明に係るポリアミドを溶解してなる組成物は、常
温で流動性のある比較的低粘度の溶液であるため、取扱
いや成形加工が極めて容易である。その上、溶液状態で
の安定性も高く、粘度変化や、不溶物が析出する等の変
質を起すことなく常温で長期間保存することができる。
斯かるポリアミド樹脂溶液は、ガラス板、金属板等の
基材の滑らかな表面上にキャスティング又はスピンコー
ティングした後、加熱等の方法によって有機溶剤等を除
去することにより、容易に黄褐色の透明なポリアミドフ
ィルムが得られる。
このフィルムは機械強度が高く、可撓性にも富んでお
り、例えば30μmの厚さのフィルムでは繰返し折曲げ試
験にも充分耐えるものである。又、熱分解温度も高く、
良好な耐熱性を示し、耐薬品性も良好である。更に、溶
融温度以上では、熱可塑性を示し、フィルムの加熱圧着
や圧縮成型ができる。
特に、シランカップリング剤を配合したポリアミド樹
脂組成物は、単に溶剤を揮散させることによって比較的
低温下、短時間で塗膜を形成できることに加えて、基
材、例えばガラス、アルミ、シリコン、銅、シッケル、
鉄等の金属類及びこれらの酸化物、ポリプロピレン、ポ
リエチレンテレフタレート、エポキシ等のプラスチック
類との密着性に優れている。このことは、基材を高温で
加熱しにくい分野、例えば半導体の表面保護膜、電子部
品回路の絶縁保護膜、プラスチックを基材とする液晶表
示素子用の配向フィルム等の用途に好適である。
以上の如く、本発明により得られるポリアミド樹脂組
成物は、耐熱性フィルムの外に、耐熱性ワニス、積層
板、接着剤、各種の電機・電子材料等への利用が可能で
あり、具体的にはフレキシブル配線基盤、プリント配線
基盤、テープキャリヤー、半導体集積回路素子の表面保
護膜又は層間絶縁膜、エナメル電線用被覆材、各種積層
板ガスケット等に用いられる。
[実施例] 以下、実施例を掲げて本発明を詳しく説明する。
尚、各実施例におけるポリアミドの固有粘度、溶液粘
度、熱分解温度、軟化点、引張り強度、弾性率及び有機
溶剤に対する溶解性は以下の方法で測定、評価したもの
である。
(1)ポリアミドの固有粘度[ηinh(dl/g) ポリアミド0.5gを100mlのNMPに溶解し、オストワルド
型粘度計を用いて温度30℃で試料溶液の落下時間(t)
(秒)及び溶媒の落下時間(t0)(秒)を測定し、次式
により算出した。
ηinh=ln(t/t0)/0.5 (2)ポリアミド溶液粘度(PS) ポリアミド濃度20重量%、温度25℃で、E型粘度計を
用いて測定した。
(3)ポリアミドの熱分解温度(℃)(以下「TG」と略
称する。) 示差熱天秤分析装置(「THERMAL ANALYZER DT-30」、
(株)島津製作所製)を用い、空気中10℃/分の速度で
昇温し、昇温開始時の重量より10重量%の重量が減少し
たときの温度を求めた。
(4)ポリアミドの軟化点(℃)(以下「TMA」)と略
称する。) 示差熱天秤分析装置(「THERMAL ANALYZER DT-30」、
(株)島津製作所製)を用い、空気中10℃/分の速度で
昇温し、針入モードで軟化点を測定した。
(5)引張り強度(kg/mm2)、弾性率(kg/mm2) 引張り試験機(「INSTRON MODEL-1122」、Instron Ja
pan Company Ltd.製)を用いた。幅1cm、長さ8cmのフィ
ルム試験片の上下各1cmを固定し、荷重5kg、引張り速度
10mm/分の条件で測定した。
(6)有機溶剤に対する溶解性 3重量%に相当するポリアミドを種々の有機溶剤に添
加し、以下の3段階で評価した。
++:室温で溶解、+:熱時溶解、−:不溶 実施例1 4,4′−(p-フェニレンジイソプロピリデン)ジアニ
リン1.72g(5ミリモル)を10mlのNMPに溶解し、ドライ
アイス−アセトン浴上で完全に凍結した。生成した固体
にジフェニルスルホン‐4,4′‐ジカルボン酸ジクロラ
イド1.71g(5ミリモル)を加え、0℃、窒素雰囲気下
で3時間攪拌しながら反応した。反応終了後、重合溶液
を水に投入し、ポリアミドを得た。このものの赤外吸収
スペクトルを第1図に示すと共に諸物性を第1表及び第
2表に掲げた。尚、m-クレゾール溶液の粘度は33PSであ
った。
実施例2 4,4′−ビス(p−アミノフェノキシ)ジフェニルス
ルホン2.16g(5ミリモル)とジフェニルスルホン‐4,
4′‐ジカルボン酸1.53g(5ミリモル)、亜リン酸トリ
フェニル3.10g(10ミリモル)、ピリジン2.5ml、塩化リ
チウム0.50g及びNMP10mlを窒素雰囲気下、100℃で3時
間攪拌しながら反応した。反応終了後、得られた溶液を
メタノール中に投入し、ポリアミドを得た。このものの
赤外吸収スペクトルを第2図に示すと共に諸物性を第1
表及び第2表に掲げた。尚、DMAc溶液の粘度は40PSであ
った。
実施例3〜10 各種のジアミンを選択し、実施例1に準じてポリアミ
ドを合成した。得られたポリアミドの固有粘度、熱的特
性及び有機溶剤に対する溶解性を第3表に示した。
実施例11 実施例1で得られたポリアミド10g及びγ−メルカプ
トプロピルトリメトキシシラン0.2gをDMAc40gを溶解し
てポリアミドワニスを調製し、ガラス板上にキャストし
た。これを減圧下で、80℃、次いで150℃及び200℃で各
1時間加熱し、これを密着性テストの試験片として供し
た。
密着性テストは、塗膜にJIS D−0202に準じて1mm角の
マス目を100個つけ、これを2気圧、121℃のプレッシャ
ークッカーに10時間入れた後、セロファンテープを張り
付けて急激にはがし、はがした数で評価した(セロテー
プピールテスト)。その結果、はがれたマス目の数は0
であった。一方、シランカップリング剤を共存させない
場合、はがれたマス目の数は77であった。
又、上記試験片を更に250〜300℃で1時間加熱して熱
分解温度を測定したところ461℃であった。
実施例12 実施例2で得られたポリアミド10g及びγ−(2-アミ
ノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン1gをm-ク
レゾール90gに溶解してポリアミドワニスを調製した。
このものの密着性及び熱分解温度を実施例11に準じて測
定した。その結果、はがれたマス目の数は0であった。
一方、シランカップリング剤を共存させない場合、はが
れたマス目の数は89であった。又、熱分解温度は486℃
であった。
実施例13〜16 実施例4、6、7及び9で得られた夫々のポリアミド
5gとγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.3g
をNMP45gに溶解してポリアミドワニスを調製した。この
ものの密着性及び熱分解温度を実施例11に準じて測定し
た。得られた結果を第4表に一覧する。
[発明の効果] 本発明に係る芳香族ポリアミドは、高い耐熱性を有す
ると共に特定の有機溶媒に可溶であるため、溶液状態で
成形ができる。しかも、炭化水素、脂肪族アルコール、
ケトン類、エステル類等の通常の有機溶剤には溶解しな
いため得られた成形物は耐溶剤性にも優れる。
又、当該ポリアミドを有機溶剤に溶解してなる芳香族
ポリアミド樹脂組成物は、特別な製膜のための処理を必
要とせず、単に溶媒を揮散するのみでフィルムあるいは
塗膜を低温短時間で形成し得る。
更に、シランカップリング剤を配合してなる当該ポリ
アミド樹脂組成物は、各種基材に対し優れた密着性を有
している。
【図面の簡単な説明】 第1図は、実施例1で得られたポリアミドの赤外吸収ス
ペクトルを示す。 第2図は、実施例2で得られたポリアミドの赤外吸収ス
ペクトルを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−226528(JP,A) 特開 昭60−226527(JP,A) 特開 平1−219718(JP,A) 特開 昭52−23198(JP,A) 特公 昭35−13247(JP,B1)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I)で表される反復単位を有し、
    かつその固有粘度が0.3〜5.0dl/gであることを特徴とす
    る芳香族ポリアミド。 [式中、Arは を表す。ここで、Xは単結合又は−O−、−SO−、−SO
    2−、−CO−、 から選ばれる二価の基を表す。Yは−O−、−S−、−
    SO−又は−SO2−を表す。Rはハロゲン原又はハロゲン
    原子で置換していてもよい炭素数1〜5のアルキル基を
    表し、夫々同一であっても異なっていてもよい。]
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項に記載のポリアミド
    の少なくとも1種を有機溶剤に溶解してなるポリアミド
    樹脂組成物。
  3. 【請求項3】ポリアミドに対し、シランカップリング剤
    を0.1〜20重量%程度含有してなる特許請求の範囲第2
    項に記載のポリアミド樹脂組成物。
  4. 【請求項4】一般式(II)で表される芳香族ジアミンの
    1種又は2種以上と、4,4′−スルホニルジ安息香酸又
    は4,4′−スルホニルジ安息香酸ジクロライドとを非プ
    ロトン性極性有機溶媒及び/又はフェノール系溶剤中で
    反応することを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
    ポリアミド又は同第2項記載のポリアミド樹脂組成物の
    製造方法。 H2N−Ar−NH2 (II) [式中、Arは一般式(I)で記載したとおりである。]
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JPS60226527A (ja) * 1984-04-25 1985-11-11 Mitsubishi Petrochem Co Ltd 芳香族ポリチオエ−テルアミド重合体
JPS60226528A (ja) * 1984-04-25 1985-11-11 Mitsubishi Petrochem Co Ltd 芳香族ポリチオエーテルアミド重合体
JPH01219718A (ja) * 1988-02-26 1989-09-01 Hitachi Chem Co Ltd 液晶表示素子

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JPH01240525A (ja) 1989-09-26

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