JPH08326857A - 無段変速機の変速制御装置 - Google Patents

無段変速機の変速制御装置

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JPH08326857A
JPH08326857A JP13808795A JP13808795A JPH08326857A JP H08326857 A JPH08326857 A JP H08326857A JP 13808795 A JP13808795 A JP 13808795A JP 13808795 A JP13808795 A JP 13808795A JP H08326857 A JPH08326857 A JP H08326857A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 目標値に対する追従性の良好な無段変速機の
変速制御装置を得る。 【構成】 CVT(8)の入力軸および出力軸の回転を
検出する検出器(19,23)と、その各出力の比より
実変速比を演算する手段(30)と、負荷量を検出する
スロットル開度検出器(21)と、要求負荷量と負荷の
回転速度から目標変速比を逐次決定する手段(31,3
5,32)と、実変速比が目標変速比に一致するように
1次側油圧制御弁(12)を制御する手段(40,3
6)と、CVTの伝達トルクを検出する手段(34)
と、その伝達トルクに応じて2次側油圧制御弁(11)
を制御し、1次側プーリおよび2次側プーリに必要な挟
持力を発生させる手段(37,38)とを備え、目標変
速比と実変速比との偏差に所定のゲインを掛け、CVT
の2次側圧に対応した変数で除した値を積分し、この積
分値に上記変数を掛けた値を出力する手段(47)を含
む構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、無段変速機(以下、
CVTと称する)の変速制御装置に関し、特に、油圧制
御弁を使用した変速比フィードバック制御を行う例えば
車両等に用いて好適な無段変速機の変速制御装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、例えば車両用ベルト式CVT
は、固定プーリ部片、可動プーリ部片およびこの可動プ
ーリ部片に設けられた油圧サーボを有する実効径が連続
可変の1次側プーリ及び2次側プーリと、これらプーリ
間に張設された駆動ベルトとを備えている。そして、油
圧源が発生する油圧を伝達トルクに応じたCVTの2次
側の油圧(以下、単に2次側圧と称する)に2次側油圧
制御弁で調圧し、2次側プーリの油圧サーボに供給す
る。一方、駆動ベルトの巻き付け半径を変化させ変速比
を変えるために、1次側油圧制御弁で2次側圧を調圧
し、1次側プーリの油圧サーボにCVTの1次側の油圧
(以下、単に1次側圧と称する)を供給する。こうし
て、CVTはエンジンの回転を無段階に変速して車輪に
伝達する。
【0003】ここで、1次側油圧制御弁や、2次側油圧
制御弁は、電子制御ユニットで制御される。電子制御ユ
ニットは、車速やスロットル開度等を入力して車両の運
転条件に応じて、適切な目標変速比を定め、CVTの変
速比をフィードバック制御する。なお、このようにCV
Tを電子制御するものは、例えば特開昭63−3032
58号公報に記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般に、CVTの変速
制御を行うアクチュエータとして、流量制御弁と、圧力
制御弁があるが、圧力制御弁を使用した場合その操作量
は1次側圧である。定常状態では、変速比Rと、油圧比
R=1次側圧P1/2次側圧P2とトルク比TR=入力ト
ルクT1/最大伝達トルクTMAXの関係は次式で表され
る。
【0005】 PR=f(R,TR) (1)
【0006】また、変速比変化速度dR/dtは、次式
で表される定常状態での各油圧からの差ΔP1に比例す
る。
【0007】 ΔP1=P1−P2・PR (2)
【0008】目標変速比RSに実変速比Rをフィードバ
ック制御する場合、その偏差をなくすため、偏差に比例
ゲインをかける、いわゆる比例演算や、偏差に積分ゲイ
ンを掛けて積分する、いわゆる積分演算等が含まれる。
また、目標値に対する追従性を良くするため上記フィー
ドバック要素と並列に、フィードフォワード要素を組み
合わせることがある。
【0009】上述の積分演算による積分値は、過去の偏
差を反映しているため、制御対象であるCVTの変速動
作条件に急変があった場合目標変速比への追従遅れとな
る。例えば、ある積分値で偏差0の状態、すなわち上記
式(2)の ΔP1=0の状態が実現されていて、運転
者が、アクセルを踏み込み、エンジントルクが増加し、
CVT入力トルクが増加する。このとき、目標変速比が
不変だとして、制御は、まず、入力トルクに見合った2
次側圧P2の増大を行う。 このため、上記式(2)のΔ
1≠0となり実変速比が変化する。
【0010】一方、変速制御のアクチュエータとして、
流量制御弁を使用している場合は、上記のような条件で
は、実変速比はほとんど変化しない。偏差0の状態で
は、流量制御弁は閉め切った状態にあるため、2次側圧
や、伝達トルクが変化しても、反作用として1次側圧が
変化して上記式(1)が自動的に成立するためである。
【0011】以上のように、圧力制御弁を使用する場合
は、流量制御弁を使用しているときのような、一般的な
積分演算処理をしていたのでは、目標値に対する追従性
が著しく悪くなるという問題点があった。
【0012】この発明は、上記のような問題点を解決す
るためになされたもので、変速制御のアクチュエータと
して圧力制御弁を使用したフィードバック制御システム
において、目標値に対する追従性の良好な制御が可能な
無段変速機の変速制御装置を提供することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る無
段変速機の変速制御装置は、無段変速機の1次側プーリ
および2次側プーリのそれぞれの回転を検出する回転速
度検出手段と、この回転速度検出手段からの各回転速度
の比より実変速比を演算する実変速比演算手段と、エン
ジンに要求される負荷量を検出する要求負荷量検出手段
と、少なくともこの要求負荷量検出手段の出力と負荷の
回転速度とに基づいて目標変速比を逐次決定する目標変
速比決定手段と、実変速比が記目標変速比に一致するよ
うに1次側油圧制御弁を制御する変速比制御手段と、無
段変速機の伝達トルクを検出する伝達トルク検出手段
と、この伝達トルク検出手段の出力に応じて2次側油圧
制御弁を制御し、1次側プーリおよび2次側プーリに必
要な挟持力を発生させる2次側圧制御手段とを備え、変
速比制御手段は、目標変速比と実変速比との偏差に所定
のゲインを掛け、無段変速機の2次側圧に対応した変数
で除した値を積分し、この積分値に上記変数を掛けた値
を出力する積分制御演算手段を含むものである。
【0014】請求項2の発明に係る無段変速機の変速制
御装置は、請求項1の発明において、変速制御手段が、
フィードフォワード制御演算部を有し、そのフィードフ
ォワード制御量を、少なくとも所定の油圧比から決定す
るものである。
【0015】請求項3の発明に係る無段変速機の変速制
御装置は、請求項2の発明において、所定の油圧比の値
を、対象とする無段変速機のトルク比と目標変速比に基
づく油圧比の平均値より小さな値とするものである。
【0016】請求項4の発明に係る無段変速機の変速制
御装置は、請求項1〜3の発明において、積分制御演算
手段が、前回の最大変速比からの変速開始後の所定時期
の積分値に対応した記憶値を、次回の最大変速比からの
変速開始時の上記積分値の初期値とするものである。
【0017】
【作用】請求項1の発明においては、積分制御演算手段
において、偏差に所定の積分ゲインを掛け、2次側圧で
除した値を積分し、その積分値に2次側圧を掛けた値を
出力する。これにより、運転者のアクセル操作→入力ト
ルク増加→2次側圧増大の条件においても、直ちに上記
式(2)の P1が0となるような1次側圧P1=P1
Rを出力するので、変速比はほとんど変化しない。と
いうのは、CVT入力トルクが変化した場合、2次側圧
は、安全率一定ということで、ほぼトルク比が一定とな
るよう制御されるので、上記式(1)の油圧比は上記変
化の前後で一定である。
【0018】請求項2の発明においては、変速制御手段
のフィードフォワード制御演算部におけるフィードフォ
ワード制御量を、少なくとも所定の油圧比(1次側圧の
2次側圧に対する比)から決定する。これにより、積分
値は油圧比であり、運転者のアクセル操作→入力トルク
増加→2次側圧増大の変化前に偏差が0となる値になっ
ているので、積分以外の比例演算等の他の制御演算分は
0で、操作量である1次側圧は、積分値と2次側圧の積
で決定されている。従って、上記変化後も同じ状態を維
持できることになる。
【0019】請求項3の発明においては、所定の油圧比
の値を、対象とする無段変速機のトルク比と目標変速比
に基づく油圧比の平均値より小さな値とするので、例え
ば無段変速機の回転速度検出手段の故障で変速比のフィ
ードバック制御ができなくなった場合でも、負荷の駆動
力を確保できる最低速側に変速ができ、システムの信頼
性を向上できる。
【0020】請求項4の発明においては、前回の最大変
速比からの変速開始後の所定時期の積分値に対応した記
憶値を、次回の最大変速比からの変速開始時の積分値の
初期値とするので、変速制御開始時の変速遅れを改善で
きる。
【0021】
【実施例】
実施例1.以下、この発明の一実施例を、車両用ベルト
式無段変速機に適用した場合を例に取り、図面に基づい
て詳細に説明する。図1はこの発明の一実施例を示す構
成図である。同図において、1はエンジン(機関)であ
って、その回転は、エンジン出力軸2、クラッチ3を介
してCVT8に伝達され、このCVT8ににおいて無段
階に変速された後、図示しない差動装置を介して駆動輪
(図示せず)に伝達されるようになされている。CVT
8は、互いに平行な一対の入力軸4および出力軸9と、
これら入力軸4および出力軸9にそれぞれ設けられた有
効径が可変の一対の1次側プーリ5および2次側プーリ
7と、これらプーリ5および7間に巻き掛けられた駆動
ベルト6と、入力軸4および出力軸9にそれぞれ設けら
れて、可変プーリプーリ5および7にそのV溝幅を小さ
くする方向の推力を付与する1次側油圧シリンダ5cお
よび2次側油圧シリンダ7cとを備えている。
【0022】プーリ5および7は、入力軸4および出力
軸9にそれぞれ固定された固定回転体5aおよび7a
と、入力軸4および出力軸9にそれぞれ相対回転不能か
つ軸方向の移動可能に設けられて可動回転体5bおよび
7bとから成る。1次側油圧シリンダ5cの受圧面積は
2次側油圧シリンダ7cの受圧面積より大きく設定さ
れ、可動回転体5bおよび7bを移動する油圧アクチュ
エータとして機能し、駆動ベルト6が、1次側プーリ5
と2次側プーリ7とに巻き付く半径の比率を変えること
で無段変速する。
【0023】10は油圧ポンプであって、この油圧ポン
プ10はエンジン1で駆動され、オイルタンク15に戻
された作動油を油路13を介して、2次側油圧制御弁1
1と、1次側油圧制御弁12および2次側油圧シリンダ
7cに圧送する。2次側油圧制御弁11は、通常、マイ
クロコンピュータによって構成されるコントローラ20
からの信号S2に従って油路13の作動油を戻り油路1
6に流出させることで油路13の油圧である2次側圧P
2を調圧する。1次側油圧制御弁12は、油路14の油
圧がコントローラ20からの信号S1に対応する油圧よ
り高ければ、油路14の作動油を戻し油路16に流出さ
せて降圧し、信号S1に対応する油圧より低ければ、油
路13の作動油を油路14に流入させ昇圧させること
で、信号S1に従って油路14の油圧である1次側圧P1
を調圧する。
【0024】クラッチ3は、例えば、電磁式クラッチ
で、コントローラ20からの信号SCに従って、その伝
達トルクをゼロから最大値まで変えることにより、クラ
ッチの遮断状態、半クラッチ(スリップ)状態そして直
結状態で機能する。コントローラ20は、バスライン2
0eで互いに接続されている入力ポート20c、出力ポ
ート20d、MPU20a、メモリ20bを含んでい
る。エンジン1の吸気管17にあるスロットル弁22の
スロットル開度θを検出する要求負荷量検出手段として
のスロットル開度検出器21、エンジン回転速度Neを
検出するエンジン回転速度検出器18、CVT8の入力
軸4の回転速度N1を検出するCVT入力軸回転速度検
出器19、CVT8の出力軸9の回転速度N2を検出す
るCVT出力軸回転速度検出器23の各検出出力等が入
力ポート20cに供給され、コントローラ20は、メモ
リ20bに予め記憶されたプログラムに従って、これら
の入力信号を処理し、クラッチ3、1次側油圧制御弁1
2、2次側油圧制御弁11へ、それぞれの信号SC
1、S2を駆動信号として出力ポート20dより出力す
る。
【0025】図2は、図1のコントローラ20の具体的
回路構成の一例を示す機能ブロック図である。実変速比
演算手段30では、CVT出力軸回転速度検出器23か
らの出力回転速度N2に対するCVT入力軸回転速度検
出器19からの入力回転速度N1の比、すなわち、CV
T8の変速比R(=N1/N2)を計算する。第1目標変
速比演算手段31では、予め記憶された図3に示すよう
なスロットル開度検出器21からのスロットル開度θ
と、車速に対応する出力回転速度N2との関係より目標
1次側回転速度を求め、その時の出力回転速度N2で除
した値であるところの定常状態の変速比目標値Rbを決
定する。この図3の関係は、複数用意されていて、図示
しない例えばシフトレバー等のシフト位置検出器24で
検出されるシフト位置SR(例えばR,N,D,L等)によ
って選択される。
【0026】運転モード決定手段32では、車速に対応
する出力回転速度N2やその微分値の車両加速度ACと、
ブレーキ信号や車両加速度ACより車両の制動状態を検
出する制動状態検出器25の出力と、スルットル開度θ
やその微分値と、シフト位置SRと、これらの情報に対
応した予め決められた各判定値との関係より、車両の動
作状態や運転者の意志を推定して、過渡状態も含めた目
標変速比(第2目標変速比)RSや2次側圧目標値を決
定するための運転状態(運転モードMo)が、例えば、
停車モード、発進モード、通常走行モード、急加速モー
ド、急減速モード、降坂モード、滑り易い路面モードと
かの、どの領域(モード)にあるかを決定する。
【0027】第2目標変速比演算手段35では、第1目
標変速比Rbが変化したとき、実変速比Rと運転モード
Moとから予め決められた最大変速比変化速度以下で、
第1目標変速比Rbに追従して変化する第2目標変速比
S(以下、単に目標変速比と称す)を計算する。伝達
トルク検出手段としての入力トルク演算手段34では、
図3に示すようなスロットル開度θと、エンジン回転速
度Neとの関係からエンジン出力トルクTEを求め次式
に従ってCVTの入力トルクT1を算出する。
【0028】 T1=TEーJ・dNe/dt (3)
【0029】なお、この(3)式において、Jは、エン
ジンおよび1次側プーリ間の慣性モーメントの合計であ
る。目標2次側圧演算手段37では、目標変速比R
Sと、CVT入力トルクT1と、運転モードMoとより、
CVT8がベルトスリップすることなく目標変速比RS
に変速制御するのに必要な目標2次側圧P2Sを決定す
る。2次側電流演算手段38では、図5に示すような電
流ー油圧特性から、2次側油圧制御弁11の駆動電流I
2を演算して出力する。
【0030】目標1次側圧演算手段40では、実変速比
Rが目標変速比RSに一致するように、CVT8を変速
させるに必要な1次側圧、すなわち目標1次側圧P1S
算出する。この目標1次側圧演算手段40の一例を図6
に示す。図において、プーリ位置演算部44および45
は、目標変速比RSと実変速比Rをそれぞれ目標プーリ
位置XSと実プーリ位置Xに変換する。なお、以下の説
明では、変速比が小さいほどプーリ位置を示す値が大き
くなるように定義している。
【0031】積分制御演算手段としてのフィードバック
制御演算部47は、加算器46の出力プーリ位置偏差X
Eに対して、制御則演算、例えばPID(比例、積分、
微分)制御演算を行いフィードバック制御分P1FBを出
力する。トルク比演算部41では、目標2次側圧P2S
ベルトスリップなしで伝達できるトルクTMAX(目標変
速比RSの関数)に対する入力トルクT1の比として定義
されるトルク比TRと求める。油圧比演算部42では、
先に求めたトルク比TRと目標変速比RSから油圧比PR
(1次側圧/2次側圧)を予め決められた図4の関係か
ら求める。次にフィードフォワード制御演算部43で
は、油圧比PR,目標2次側圧P2Sおよび目標プーリ位置
Sの微分値=目標プーリ移動速度VPSからフィードフ
ォワード制御分P1FFを次式で求める。
【0032】 P1FF=P2S× PR+KV× VPS (4)
【0033】なお、この(4)式において、KVは予め
決められた値である。加算器48でフィードバック制御
分P1FBとフィードフォワード制御分P1FFを加算した結
果に対して、目標1次側圧制限部49では、目標2次側
圧をその上限値とし、入力トルクT1と実変速比Rから
1次側プーリでベルトスリップしない最低の油圧をその
下限値として、下限値と上限値の間にある値に制限処理
したあとの値を目標1次側圧P1Sとして出力する。
【0034】さて、図2に戻り、1次側電流制御手段3
6では、2次側電流制御手段38と同様に、予め決めら
れた図5に示すような油圧と電流の関係から駆動電流I
1を決定して1次側油圧制御弁12に出力する。なお、
第1目標変速比演算手段31,第2目標変速比演算手段
35および運転モード決定手段32は目標変速比決定手
段を構成し、目標1次側圧演算手段40および1次側電
流制御手段36は変速比制御手段を構成し、目標2次側
圧演算手段37および2次側電流制御手段38は2次側
圧制御手段を構成する。
【0035】図7はフィードバック制御演算部47の具
体的回路構成の一例を示すブロック図である。図におい
て、KP,KD,KIはそれぞれ比例ゲイン,微分ゲイ
ン,積分ゲイン、Z-1はZ変換で使用される演算子であ
って、このフィードバック制御演算部47のPID制御
演算が、通常のPID制御演算と異なる点は、偏差XE
を目標2次側圧P2Sで除算し、積分ゲインKIを掛けて
積分し、その積分値PINTに目標2次側圧P2Sを掛けて
出力している点である。
【0036】また、油圧比演算部42において、油圧比
決定のために図4に示すようなマップを設けることにな
るが、油圧比PRの値の製品ばらつきや経時変化に対応
するための手段の1つとして、予想される油圧比特性変
化があってもフィードバック制御なしに最低速側に変速
できるマップ値とする方法がある。すなわち、油圧比決
定のマップ値は、各点(トルク比、変速比)に対応する
実油圧比データの領域のなかの小さい値とすることによ
り、例えばCVT入力軸回転速度検出器の故障で変速比
のフィードバック制御ができなくなった場合でも、車両
の駆動力を確保できる最低速側に変速ができ、システム
の信頼性を向上できる。
【0037】しかし、油圧比マップ値を実機特性(実際
の製品で異なるトルク比、変速比、油圧比等の特性)の
平均値より小さく設定することは、フィードフォワード
量のずれの大きい状態で制御することになり、特に変速
制御開始時や急激な目標変速比変化時において制御遅れ
を大きくする不利益がある。図8は、車両が停止状態か
ら発進し、惰行して、急制動で停車するまでの主要な状
態変数を時間軸で示したものである。上述の変速制御開
始時の変速遅れ改善のため、図8の学習範囲で示す領域
すなわち目標変速比が最低速(この例ではR=2.5)か
ら最高速(この例ではR=0.5)側に変速開始してか
ら、目標変速比が最低速より小さい所定値(例えばR=
2.1)までの領域で、以下の制御を実施する。
【0038】1) 上述の学習開始時に所定の場所に収
納されている学習値をフィードバック制御演算部47の
積分値PINTに代入する(積分値の初期化)。 2) 上述の学習終了時に積分値PINTを学習値として
所定の場所に収納する。 3) 上述の学習値は車両のキーOFF時でも記憶され
ている、いわゆるバックアップメモリ領域に置く。 ここで、この学習制御に上記積分値を使用できるのは、
この積分値が油圧比に対応した値のためであることは明
らかである。
【0039】実施例2.なお、上記実施例では、エンジ
ンの要求負荷を検出するためにスロットル開度θが用い
る場合について説明したが、これに限定されることな
く、例えば、アクセルペダルの操作量や、エンジンの吸
気管負圧等の量であってもよい。
【0040】実施例3.また、油圧比は、最終的なプー
リ押し付け力比でもよい。従って、変速機の変速特性が
1次側と2次側の押し付け力の比として表せる変速機で
あるなら、この発明は、ベルト式無段変速機に限らず、
その他の無段変速機、例えばトロイダル式無段変速機で
もよい。
【0041】実施例4.また、上述の学習制御は、スロ
ットル開度等で複数のエンジン負荷量別に分け学習、記
憶を実施してもよい。
【0042】実施例5.さらに、上記実施例では、この
発明を車両用の無段変速機に適用した場合について説明
したが、これに限定されることなく、その他の装置、例
えば航空機や船舶用の無段変速機等にも同様に適用で
き、同様の効果を奏する。
【0043】
【発明の効果】以上のように、 請求項1の発明によれ
ば、無段変速機の1次側プーリおよび2次側プーリのそ
れぞれの回転を検出する回転速度検出手段と、この回転
速度検出手段からの各回転速度の比より実変速比を演算
する実変速比演算手段と、エンジンに要求される負荷量
を検出する要求負荷量検出手段と、少なくともこの要求
負荷量検出手段の出力と負荷の回転速度とに基づいて目
標変速比を逐次決定する目標変速比決定手段と、実変速
比が目標変速比に一致するように1次側油圧制御弁を制
御する変速比制御手段と、無段変速機の伝達トルクを検
出する伝達トルク検出手段と、この伝達トルク検出手段
の出力に応じて2次側油圧制御弁を制御し、1次側プー
リおよび2次側プーリに必要な挟持力を発生させる2次
側圧制御手段とを備え、変速比制御手段は、目標変速比
と実変速比との偏差に所定のゲインを掛け、無段変速機
の2次側圧に対応した変数で除した値を積分し、この積
分値に上記変数を掛けた値を出力する積分制御演算手段
を含むので、目標変速比に対する良好な追従性がえられ
るという効果がある。
【0044】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
において、変速制御手段が、フィードフォワード制御演
算部を有し、そのフィードフォワード制御量を、少なく
とも所定の油圧比から決定するので、そのフィードフォ
ワード制御量が油圧比の関数となり、この積分値を利用
することでフィードフォワード制御量を修正していくこ
とが容易になり、無段変速機の変速特性のばらつきを改
善できるという効果がある。
【0045】請求項3の発明によれば、請求項2の発明
において、所定の油圧比の値を、対象とする無段変速機
のトルク比と目標変速比に基づく油圧比の平均値より小
さな値とするので、例えば無段変速機の回転速度検出手
段の故障で変速比のフィードバック制御ができなくなっ
た場合でも、負荷のの駆動力を確保できる最低速側に変
速ができ、システムの信頼性を向上できるという効果が
ある。
【0046】請求項4の発明によれば、請求項1〜3の
発明において、積分制御演算手段が、前回の最大変速比
からの変速開始後の所定時期の積分値に対応した記憶値
を、次回の最大変速比からの変速開始時の上記積分値の
初期値とするので、変速制御開始時の変速遅れを改善で
きるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る無段変速機の変速制御装置の
一実施例を示す構成図である。
【図2】 この発明に係る無段変速機の変速制御装置の
一実施例の要部を示すブロック図である。
【図3】 この発明に係る無段変速機の変速制御装置の
一実施例の目標変速比決定のためのマップを示す図であ
る。
【図4】 この発明に係る無段変速機の変速制御装置の
一実施例の油圧比決定のためのマップを示す図である。
【図5】 この発明に係る無段変速機の変速制御装置の
一実施例における油圧制御弁の制御電流と出力油圧の関
係を示す図である。
【図6】 この発明に係る無段変速機の変速制御装置の
一実施例の要部を示すブロック図である。
【図7】 この発明に係る無段変速機の変速制御装置の
一実施例の要部を示すブロック図である。
【図8】 この発明に係る無段変速機の変速制御装置の
一実施例の動作説明に供するための図である。
【符号の説明】
2 エンジン出力軸、4 CVT入力軸、5 1次側プ
ーリ、7 2次側プーリ、8 CVT、9 CVT出力
軸、10 油圧ポンプ、11 2次側油圧制御弁、12
1次側油圧制御弁、18 エンジン回転速度検出器、
19 CVT入力軸回転速度検出器、20 コントロー
ラ、21 スロットル開度検出器、22スロットル弁、
23 CVT出力軸回転速度検出器、24 シフト位
置検出器、25 制動状態検出器、30 実変速比演算
手段、31 第1目標変速比演算手段、32 運転モー
ド決定手段、34 入力トルク演算手段、35 第2目
標変速比演算手段、36 1次側電流制御手段、37
目標2次側圧演算手段、38 2次側電流制御手段、4
0 目標1次側圧演算手段、43 フィードフォワード
制御演算部、47 フィードバック制御演算部。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定プーリ部片、可動プーリ部片及び該
    可動プーリ部片に設けられた油圧サーボを有する実効径
    が連続可変の1次側プーリ及び2次側プーリと、これら
    プーリ間に張設された駆動ベルトと、油圧源が発生する
    油圧を調圧し上記2次側プーリの油圧サーボに供給する
    2次側油圧制御弁と、2次側圧を調圧し上記1次側プー
    リの油圧サーボに供給する1次側油圧圧制御弁とを有
    し、エンジンの回転を無段階に変速して負荷に伝達する
    無段変速機において、 上記1次側プーリおよび上記2次側プーリのそれぞれの
    回転を検出する回転速度検出手段と、 該回転速度検出手段からの各回転速度の比より実変速比
    を演算する実変速比演算手段と、 上記エンジンに要求される負荷量を検出する要求負荷量
    検出手段と、 少なくとも該要求負荷量検出手段の出力と上記負荷の回
    転速度とに基づいて目標変速比を逐次決定する目標変速
    比決定手段と、 上記実変速比が上記目標変速比に一致するように上記1
    次側油圧制御弁を制御する変速比制御手段と、 上記無段変速機の伝達トルクを検出する伝達トルク検出
    手段と、該伝達トルク検出手段の出力に応じて上記2次
    側油圧制御弁を制御し、上記1次側プーリおよび上記2
    次側プーリに必要な挟持力を発生させる2次側圧制御手
    段とを備え、 上記変速比制御手段は、上記目標変速比と上記記実変速
    比との偏差に所定のゲインを掛け、上記無段変速機の2
    次側圧に対応した変数で除した値を積分し、該積分値に
    上記変数を掛けた値を出力する積分制御演算手段を含む
    ことを特徴とする無段変速機の変速制御装置。
  2. 【請求項2】 上記変速制御手段は、フィードフォワー
    ド制御演算部を有し、そのフィードフォワード制御量
    を、少なくとも所定の油圧比から決定する請求項1記載
    の無段変速機の変速制御装置。
  3. 【請求項3】 上記所定の油圧比の値は、対象とする無
    段変速機のトルク比と目標変速比に基づく油圧比の平均
    値より小さな値とする請求項2記載の無段変速機の変速
    制御装置。
  4. 【請求項4】 上記積分制御演算手段は、前回の最大変
    速比からの変速開始後の所定時期の積分値に対応した記
    憶値を、次回の最大変速比からの変速開始時の上記積分
    値の初期値とする請求項1〜3のいずれかに記載の無段
    変速機の変速制御装置。
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