JPH08326855A - 自動変速機の故障診断装置 - Google Patents

自動変速機の故障診断装置

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JPH08326855A
JPH08326855A JP13146695A JP13146695A JPH08326855A JP H08326855 A JPH08326855 A JP H08326855A JP 13146695 A JP13146695 A JP 13146695A JP 13146695 A JP13146695 A JP 13146695A JP H08326855 A JPH08326855 A JP H08326855A
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line pressure
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Abstract

(57)【要約】 【目的】自動変速機の故障診断を高精度に行えるように
すること。 【構成】ライン圧(或いは変速圧)が略一定に維持され
る条件下を検出し(S1〜S3)、ライン圧(或いは変
速圧)と、変速比と、の間の強い相関関係、即ち前者が
変動した際には後者も同様に変動し、前者が変動しない
場合には後者も同様に変動しないという関係を利用し
て、ライン圧センサ12(或いは変速圧センサ11)や
無段変速機1の故障診断を行うようにした(S4〜S
8)。かかる方法によれば、変速比が変動しない状態で
も故障診断できることになるので、従来の故障診断装置
に比べて、診断機会を増大でき、早期に故障診断を行え
ると共に、無段変速機1の損傷の可能性を大幅に低減す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば動力源(エンジ
ン等)と駆動軸との間の変速を行う自動変速機の故障診
断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両用変速機(無段変速機、多段
式自動変速機等)の制御装置に関し、油圧センサを用
い、実際の油圧をモニタすることで変速位置(変速比,
変速段)やライン圧を良好に制御する方法が、特開平5
−141515号公報に開示されている。
【0003】このものは、目標ライン圧と、油圧センサ
で検出された実際のライン圧と、の差を検出し、その差
に応じてライン圧をフィードバック制御することで、実
際のライン圧を目標ライン圧に最適に制御できるように
するものである。また、特開平1−269620号公報
には、油圧センサを用いて、油圧制御系統の故障を検出
するようにしたものが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記各従来
例では、油圧センサが故障した場合には、変速機を良好
に制御することができなくなると同時に、故障検出も行
えなくなるため、ベルトスリップ等による変速機の故障
や急変速等の問題が発生する恐れがあった。そこで、特
開平6−213316号公報では、油圧センサの故障診
断装置を提案している。かかる従来の故障診断の概要
は、目標ライン圧が変化したにも拘わらず、実ライン圧
が変化しないこと、及びベルトのスリップ状態を監視す
ることで、油圧センサの故障を判定するものである。
【0005】しかし、上記特開平6−213316号公
報に開示の故障診断装置では、目標ライン圧の変化があ
ったときで、かつ、ベルトが滑ったときにのみ油圧セン
サが故障していると判断するものであるので、以下のよ
うな問題が生じる可能性がある。 運転条件(目標ライン圧)の変化しない定常時には故
障検出できない。
【0006】実際の変速機の作動状態(例えば、プー
リ式無段変速機ではベルトのスリップの発生。多段式変
速機では、要求と異なる変速段にシフトされ要求変速比
が得られないような状態)を把握しないと故障検出でき
ないので、故障検出が遅れ、変速機本体に損傷を与えた
り、車両走行性に悪影響を及ぼす恐れがあった。 本発明は、このような従来の問題に鑑みなされたもの
で、簡単かつ安価な構成で、定常時であっても、また変
速機の作動状態等(ベルトの滑り等)を検出しなくて
も、高精度に油圧センサの故障、自動変速機の故障を検
出することができる自動変速機の故障診断装置を提供す
ることを目的とする。また、上記制御装置の高精度化を
図ることも本発明の目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1に記
載の発明は、図1に示すように、制御装置からの制御信
号に応じて油圧の供給を制御することで変速制御を行う
自動変速機の故障診断装置において、前記制御信号が略
一定である状態を検出する制御信号一定状態検出手段
と、前記制御された油圧を検出する油圧検出手段と、前
記制御信号一定状態検出手段により制御信号が略一定で
ある状態が検出されているときに、前記油圧検出手段に
より検出された油圧が所定以上変化した場合に、前記自
動変速機若しくは前記油圧検出手段に異常があると診断
する第1故障診断手段と、を含んで構成した。
【0008】請求項2に記載の発明では、前記自動変速
機の実際の変速比を検出する変速比検出手段と、前記制
御信号一定状態検出手段により制御信号が略一定である
状態が検出されているときに、前記油圧検出手段により
検出される油圧が所定以上変化した場合で、かつ、前記
変速比検出手段により検出される変速比が略一定である
ときに、前記油圧検出手段に異常があると診断する第2
故障診断手段と、を含んで構成した。
【0009】請求項3に記載の発明では、前記制御信号
一定状態検出手段により制御信号が略一定である状態が
検出されているときに、前記油圧検出手段により検出さ
れる油圧が略一定である場合で、かつ、前記変速比検出
手段により検出される変速比が所定以上変化したとき
に、前記自動変速機に異常があると診断する第3故障診
断手段を備えるようにした。
【0010】請求項4に記載の発明では、前記自動変速
機が、油圧により有効径を変更可能な一対のプーリと、
これに巻き掛けられるベルトと、を含んで構成される無
段変速機であり、前記油圧検出手段が、前記一対のプー
リの有効径を変化させる油圧に関連する油圧を検出する
手段であるように構成した。
【0011】
【作用】上記構成の請求項1に記載の発明では、制御装
置により制御油圧(ライン圧或いは変速圧)が略一定に
維持される条件下において、制御油圧が所定以上変化し
た場合には、自動変速機や油圧検出手段に何らかの異常
があるとして、故障判定するようにした。これにより、
例えば、従来のように、変速比の変化やベルトスリップ
等が生じない状態でも故障診断を行うことができるの
で、従来の故障診断装置に比べて、診断機会を増加で
き、以って早期に故障診断を行えると共に、自動変速機
の損傷の可能性を低減することができる。
【0012】また、請求項2に記載の発明の第2故障診
断段では、制御油圧と、変速比と、の間の強い相関関
係、即ち、正常であれば、前者が変動した際には後者も
同様に変動し、前者が変動しない場合には後者も同様に
変動しないという関係を利用し、制御信号が略一定であ
る状態が検出されているときに、油圧検出手段により検
出される制御油圧が所定以上変化した場合で、かつ、変
速比が略一定であるときには、前記油圧検出手段に何ら
かの異常がある可能性が高いと診断するようにした。こ
れにより、ある程度故障形態をも把握できるようにな
る。
【0013】一方、請求項3に記載の発明の第3故障診
断手段では、同様に、制御信号が略一定である状態が検
出されているときに、油圧検出手段により検出される制
御油圧が略一定であるにも拘わらず、変速比が所定以上
変化したときには、自動変速機に何らかの異常がある可
能性が高いと診断するようにした。これにより、ある程
度故障形態をも把握できるようになる。
【0014】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。図2は本
発明の一実施例のシステム図である。本実施例におい
て、自動変速機を代表して説明する無段変速機(CV
T)1は、エンジン側のプライマリプーリ2と、駆動軸
(デフ)側のセカンダリプーリ3と、これらの間に巻掛
けられるゴム或いは金属、若しくはこれらの組合せ等か
らなるベルト4とを備え、プライマリプーリ側アクチュ
エータ2aへの変速圧、及びセカンダリプーリ側アクチ
ュエータ3aへのライン圧の調整により、プーリ比(セ
カンダリプーリ側ベルト巻き掛け有効径/プライマリプ
ーリ側ベルト巻き掛け有効径)を変化させて、変速比を
無段階に変化させることができるものである。なお、公
知のトロイダル式等の他のCVTを用いることもでき
る。
【0015】変速圧及びライン圧は、オイルポンプ5に
つながる油圧回路6内部に配設された各油圧経路(例え
ば、破線部)内の油圧を、リリーフ機能を有する電磁弁
7,8等の開閉等を介して調節されるが、この電磁弁
7,8の駆動制御はコントローラ50により制御され
る。つまり、走行条件等に応じて要求される変速比が達
成できるように、コントローラ50では、電磁弁7,8
を介して、変速圧及びライン圧を制御して、変速比を目
標値に制御するようになっている。なお、電磁弁7,8
は、それぞれ複数の電磁弁から構成され、その複数の電
磁弁の開閉組合せによって、目標の変速圧及びライン圧
を達成することもできる。
【0016】本実施例では、コントローラ50は、後述
する図4〜図11に示すフローチャートを実行すること
で、変速比制御を最適化するための変速圧やライン圧の
目標設定を行なうようになっている。また、前記無段変
速機(CVT)1とエンジンとの間に介装されるトルク
コンバータ10を、所定条件下で燃費低減等の観点から
直結駆動させるためのロックアップ圧も、コントローラ
50からの信号に基づく電磁弁9の開閉駆動により制御
するようになっている。
【0017】なお、変速比の制御等のため、コントロー
ラ50には、スロットル開度信号や、プライマリプーリ
回転速度信号、セカンダリプーリ回転速度信号、更には
車速信号、エンジン回転速度信号等が入力される。とこ
ろで、変速圧を検出するための変速油圧センサ11、ラ
イン圧を検出するためのライン圧センサ12が、各油圧
通路に設けられている。なお、これらの各油圧センサ1
1,12の検出値を用いて各油圧のフィードバック制御
を行うようにしてもよいことは勿論である。
【0018】本発明の制御信号一定状態検出手段、第1
故障診断手段、第2故障診断手段、第3故障診断手段等
として機能するコントローラ50は、この変速油圧セン
サ11、或いはライン圧センサ12の検出値を用いて、
図3のフローチャートを実行し、無段変速機1の故障、
若しくは油圧センサの故障の診断を行うようになってい
る。
【0019】ここでは、ライン圧センサ12を用いて故
障診断を行う場合を代表して説明するが、ここで説明す
るのと同様の方法で、変速圧センサ11を用いて故障診
断を行うこともできる。即ち、ステップ(図では、Sと
記してある。以下、同様)1では、後述する図4〜図1
1のフローチャートを実行するなどして、目標油圧(ラ
イン圧或いは目標変速圧)を演算する。
【0020】ステップ2では、ライン圧(或いは変速
圧)を制御する電磁弁8(或いは電磁弁7)の駆動量
(例えば、DUTY)を、ステップ1で求めた目標圧が
得られるように予めコントローラ50内に設定記憶され
ている値に設定する。ステップ3では、前記設定した駆
動量(DUTY)が、所定時間〔T(sec)〕一定で
あるか否かを判断する。YESであれば、ステップ4へ
進み、NOであれば、本実施例による故障診断は行えな
いとして本フローを終了する。
【0021】ステップ4では、駆動量(DUTY)が一
定である期間内においてモニタしておいたライン圧セン
サ12(或いは変速圧センサ11)で検出されるライン
圧(或いは変速圧)を、A/D変換等してPL として求
める。ステップ5では、今回の検出値PL と、前回の検
出値PL-OLD と、を比較する。
【0022】PL とPL-OLD とが所定以上異なっている
場合には、ステップ6へ進む。一方、PL とPL-OLD
が略等しければ、ステップ8へ進む。ステップ6では、
プライマリプーリ回転速度やセカンダリプーリ回転速
度、或いは変速機入力回転速度や出力回転速度等に基づ
いて算出される今回の変速比Ratioと、前回の変速比R
a -OLDと、を比較する。
【0023】RatioとRa -OLDとが略等しければ、無段
変速機1の変速比の制御状態はコントローラ50の指示
に略合致しており、正常ならステップ5でPL とP
L-OLD が略等しいと判断されるはずであるのに等しくな
いと判断されたので、何らかの異常(特に、ライン圧セ
ンサ12の故障の可能性が高い)が発生していると判断
し、ステップ7へ進んで故障判定する。かかる場合に
は、警告灯等を点灯等して、運転者に認知させ、処置を
促すようにするのが好ましい。また、かかる場合には、
変速制御のフィードバック制御等を禁止するのが、無段
変速機1の破損防止、変速比の異常制御を防止するとい
う観点から好ましい。なお、この場合には、ライン圧セ
ンサ12が故障している可能性が高いことを認知させる
ようにしもよい。当該ルートが、本発明の第2故障診断
手段に相当する。
【0024】一方、RatioとRa -OLDとが所定以上異な
るのであれば、ステップ5で、PLとPL-OLD が所定以
上異なると判断されたことは故障ではないとして、本フ
ローを終了する。なお、ステップ5で、PL とPL-OLD
とが略等しいと判断された場合には、ステップ8へ進む
が、ステップ8では、今回の変速比Ratioと、前回の変
速比Ra -OLDと、を比較する。
【0025】そして、ステップ8で、RatioとRa -OLD
とが所定以上異なると判断されたのであれば、コントロ
ーラ50の指示に略合致して、ステップ5で、PL とP
L-OL D が略等しいと判断されたことに反し、変速比を制
御する機械系の装置に何らかの異常がある可能性が高い
と判断して、ステップ7へ進んで、故障判定する。な
お、この場合には、無段変速機1自体が故障している可
能性が高いことを認知させるようにしもよい。当該ルー
トが、本発明の第3故障診断手段に相当する。
【0026】ステップ8で、RatioとRa -OLDとが略等
しいのであれば、ステップ5で、P L とPL-OLD が略等
しいと判断されたことに合致し正常であると判断して、
本フローを終了する。このように、本実施例によれば、
ライン圧(或いは変速圧)が略一定に維持される条件下
において、ライン圧(或いは変速圧)と、変速比と、の
間の強い相関関係、即ち前者が変動した際には後者も同
様に変動し、前者が変動しない場合には後者も同様に変
動しないという関係を利用して、ライン圧センサ12
(或いは変速圧センサ11)の故障診断、若しくは無段
変速機1の故障診断を行うようにしたので、変速比が変
動しない状態でも故障診断できるので(ステップ6,7
参照)、従来の故障診断装置に比べて、診断機会を増加
でき、以って早期に故障診断を行えると共に、無段変速
機1の損傷の可能性を低減することができる。
【0027】更に、本実施例では、故障診断の確実性、
或いは故障形態の把握を優先するために、変速比を求め
故障の検出に利用するようにしているが、変速比が奇怪
しくなってから故障判定するのでは、無段変速機1の損
傷を招く可能性がやや高くなるので、無段変速機1の損
傷を確実により優先的に防止したい場合には、ステップ
6,ステップ8を省略するようにしてもよい。かかる構
成が、本発明の第1故障診断手段に相当する。
【0028】即ち、コントローラ50が、一定のライン
圧に制御しようとしているにも拘わらず(ステップ3で
判断)、ステップ5で、ライン圧が所定以上変化した場
合には、何らかの異常があるとして、故障判定するよう
にしても構わない。なお、診断精度を高めるべく、所定
回数、上記状態が繰り返し検出された場合に、故障判定
するように構成することも可能である。
【0029】ところで、本実施例では、無段変速機1を
代表して説明してきたが、変速圧やライン圧を制御して
同様の変速制御を行う多段式の自動変速機にも、本実施
例を適用できることは勿論である。ここで、コントロー
ラ50が行う目標変速圧及び目標ライン圧の演算につい
て、図4〜図11のフローチャートを例にして説明して
おく。なお、当該演算方法は、一例であり、他の方法に
より求めるようにしても構わない。
【0030】ブロック(1)では、プライマリプーリ側
アクチュエータ2a(変速比制御用油圧室)へ供給する
変速圧の最小圧(Ppmin )を演算する。即ち、ベルト4
が滑らず、目標変速比を達成できる変速圧の必要最小圧
(Ppmin )を演算する。具体的には、図5のフローチャ
ートを実行することで達成される。即ち、ステップ11
(図では、S11と記してある。以下同様)で、実際の
変速比(コントローラ50からの指示変速比等)、エン
ジントルクに見合った変速圧の必要最小圧(Ppmin )を
求めるために、まず、変速比=1に対する各変速比の必
要最小プライマリ圧(変速圧)の倍率(θ1 /θ)を、
エンジントルク(或いは無段変速機1への入力トルクで
あってよい)と必要最小プライマリ圧との関係に基づい
て設定してあるマップ等を参照して求める。なお、コン
トローラ50において、変速比は、車速VSPとスロッ
トル開度TVOとに基づいて変速比を定めたマップを参
照し、実際のVSPとTVOとから、変速比を設定する
ようになっている。また、所望のエンジン運転状態を維
持しつつ、運転者の意図する車速が得られるように、変
速比を設定するようにすることもできる。かかる場合
は、燃費・排気性能の良好なエンジン運転状態に維持き
るので、燃費・排気性能等において有利なものとするこ
とができる。
【0031】そして、ステップ12で、プライマリ最小
圧(Ppmin )を、下式に従って求める。 プライマリ最小圧(Ppmin )=エンジントルク×θ×倍
率+オフセット量 なお、オフセット量は、余裕代である。ブロック(2)
では、セカンダリプーリ側アクチュエータ3a(張力制
御用油圧室)へ供給するライン圧の最小圧(Plmin ,本
発明の第1油圧に相当する)を演算する。即ち、セカン
ダリプーリ3側でベルト4が滑らないための必要最小圧
(Plmin )を演算する。
【0032】具体的には、図6のフローチャートを実行
することで達成される。即ち、ステップ21で、実際の
変速比、エンジントルクに見合ったライン圧の必要最小
圧(Plmin )を求めるために、変速比=1に対する各変
速比の必要最小ライン圧の倍率(θ1 /θ)を、エンジ
ントルク(或いは無段変速機1への入力トルクであって
よい)と必要最小ライン圧との関係に基づいて設定して
あるマップ等を参照して求める。
【0033】ステップ22で、ライン最小圧(Plmin )
を、下式に従って求める。 ライン最小圧(Plmin )=エンジントルク×θ×倍率+
オフセット量 なお、オフセット量は、余裕代である。ブロック(3)
では、セカンダリプーリ側アクチュエータ3aの可動壁
3Aの要求推力(FS)の計算を行なう。
【0034】つまり、プライマリプーリ側でベルト4の
滑りを発生させずに所望の変速比(セカンダリプーリ側
有効径/プライマリプーリ有効径=プライマリプーリ回
転速度/セカンダリプーリ回転速度、トルク比とも言
う)を達成するために、セカンダリプーリ側アクチュエ
ータ3aの可動壁3Aに要求される推力(押圧力)を求
める。なお、プライマリプーリ側アクチュエータ2a、
或いはセカンダリプーリ側アクチュエータ3aの何れか
一方の推力(換言すれば、油圧)を決めると、ベルト張
力とエンジントルクとトルク比との関係等から、他方の
推力を理論的に決定することができる。従って、ここで
は、所望の変速比を得るために電磁弁7等により設定さ
れるプライマリ最小圧(Ppmin )とプライマリプーリ側
可動壁2Aの面積等からプライマリプーリ側2aの推力
FPを定めることができるので、これに基づいて、ブロ
ック(3)で要求セカンダリ推力(FS)を求める。そ
して、その後、ブロック(4)で当該要求セカンダリ推
力(FS)に基づいて、プライマリプーリ側でベルト4
の滑りを発生させず所望の変速比を達成できるために必
要なセカンダリプーリ側の必要圧を演算するようになっ
ている。
【0035】具体的には、ブロック(3)の当該要求セ
カンダリ推力(FS)は、図7のフローチャートを実行
することで求められる。ステップ31で、以下の式に基
づき、要求セカンダリ推力(FS)を演算する。 要求セカンダリ推力(FS)=プライマリ最小圧(Ppmi
n )×プライマリプーリ側可動壁2Aの面積×係数0−
エンジントルク×係数1 なお、係数0,係数1は、変速比で定まる係数。ブロッ
ク(4)では、ブロック(3)で求めた要求セカンダリ
推力(FS)に基づいて、変速比要求ライン圧(Plrati
o )の計算を行なう。
【0036】具体的には、変速比要求ライン圧(Plrati
o )は、図8のフローチャートを実行することで求めら
れる。即ち、ステップ41で、以下の式に基づき、変速
比要求ライン圧(Plratio )を演算する。
【0037】変速比要求ライン圧(Plratio )=〔要求
セカンダリ推力(FS)−セカンダリプーリバネ定数×
縮み長さ〕/可動壁3Aの面積 なお、セカンダリプーリバネ定数とは、セカンダリプー
リ側アクチュエータ3aが内装する可動壁3Aを、ライ
ン圧に抗して押し返すためのバネ(図示せず)の定数で
あり、バネ定数×縮み長さを一定値として扱うことも可
能である。ブロック(5)では、基本ライン圧(Pl bas
e )の計算を行なう。
【0038】つまり、最終的にセカンダリプーリ側アク
チュエータ3aに作用させるライン圧(Plprs ;これに
ついては後述する)は、供給ライン圧(基本ライン圧)
と、セカンダリプーリ側アクチュエータ3a内に閉じ込
められた油が遠心力により可動壁3Aを移動方向に押す
セカンダリ遠心油圧(Pscen ;これについては後述す
る)と、セカンダリプーリバネ力等に基づいて定められ
るものであるので、最終的なライン圧を求める基礎とし
て、まず、基本ライン圧(Pl base )を演算する。
【0039】具体的には、図9のフローチャートが実行
される。ステップ51では、ベルト4が滑らないための
ライン最小圧(Plmin )と、所望の変速比を達成するた
めの変速比要求ライン圧(Plratio )と、を比較する。
ライン最小圧(Plmin )≧変速比要求ライン圧(Plrati
o )の場合には、ステップ52へ進む。一方、ライン最
小圧(Plmin )<変速比要求ライン圧(Plratio)の場
合には、ステップ53へ進む。
【0040】ステップ52では、ベルト4の滑り防止を
優先すべく、基本ライン圧(Pl base )=ライン最小圧
(Plmin )として本フローを終了する。ステップ53で
は、ベルト4の滑りに対して余裕があるので、基本ライ
ン圧(Pl base )=変速比要求ライン最小圧(Plratio
)として、本フローを終了する。ブロック(6)で
は、セカンダリ遠心油圧(Pscen )の計算を行う。
【0041】具体的には、図10のフローチャートが実
行される。ステップ61では、下式に従って、セカンダ
リ遠心油圧(Pscen )を求める。 セカンダリ遠心油圧(Pscen )=(セカンダリプーリ回
転速度)2 ×係数 ブロック(7)では、最終的な出力ライン圧(Plprs )
の計算を行なう。即ち、(5)で求めた基本ライン圧
(Pl base )と、(6)で求めたセカンダリ遠心油圧
(Pscen )と、セカンダリプーリバネ力等に基づいて求
める。
【0042】具体的には、図11のフローチャートを実
行する。ステップ71では、下式に従って、出力ライン
圧(Plprs )を求める。 出力ライン圧(Plprs )=〔基本ライン圧(Pl base )
−セカンダリ遠心油圧(Pscen )〕×マージン なお、上記マージンには、安全率の他、前記セカンダリ
プーリバネ力等も考慮されている。
【0043】ステップ72では、出力ライン圧(Plprs
)とリミッタ(LOW〔下限〕側)とを比較する。な
お、リミッタ(LOW〔下限〕側)は、運転条件毎に設
定するようにしてもよい。出力ライン圧(Plprs )<リ
ミッタ(LOW側)であれば、ステップ73へ進む。
【0044】出力ライン圧(Plprs )≧リミッタ(LO
W側)であれば、ステップ73を飛ばして、ステップ7
4へ進む。ステップ73では、出力ライン圧(Plprs )
=リミッタ(LOW側)に設定する。つまり、ライン圧
として、油圧回路6が供給できる最小圧(下限油圧)に
設定する。これにより、ライン圧を良好に所定値に維持
できるようにして、例えば設定油圧が低すぎるためにラ
イン圧を良好に維持できず(例えば、ハンチング等の発
生等により)、ライン圧制御機能を良好に発揮させるこ
とができなくなる等の問題を排除することができる。ま
た、演算誤差等に伴う変速制御不良の発生等も防止する
ことが可能となる。更に、定常時にはベルト滑りが発生
しないライン圧でも、過渡時にはベルトが滑る場合があ
るが、かかる場合に、演算されたライン圧(過渡時にベ
ルトが滑るライン圧)より高めに設定できるので、過渡
時のベルト滑り等も確実に防止することができる。
【0045】ステップ74では、出力ライン圧(Plprs
)とリミッタ(HI〔上限〕側)とを比較する。な
お、リミッタ(HI側)は、運転条件毎に設定するよう
にしてもよい。出力ライン圧(Plprs )<リミッタ(H
I側)であれば、ステップ75を飛ばして、本フローを
終了する。即ち、この場合には、最終的な出力ライン圧
(Plprs )として、上記ステップ71での演算結果が設
定されることになる。
【0046】一方、出力ライン圧(Plprs )≧リミッタ
(HI側)であれば、ステップ75へ進む。ステップ7
5では、出力ライン圧(Plprs )=リミッタ(HI側)
として、本フローを終了する。つまり、ライン圧とし
て、油圧回路6が供給できる最大圧(上限油圧)に設定
する。これにより、例えば、ベルト張力の過剰増加によ
るフリクションの異常増加(回転困難となる場合)や、
セカンダリプーリ側アクチュエータ3aやライン圧供給
経路の破損、オイルポンプの過剰駆動等を確実に防止す
ることができる。また、演算誤差等に伴う変速制御不良
の発生等も防止することが可能となる。
【0047】このようにして求められた出力ライン圧
(Plprs )が、図3のフローチャートに利用されること
になる。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
発明によれば、制御装置により制御油圧(ライン圧或い
は変速圧)が略一定に維持される条件下において、制御
油圧が所定以上変化した場合には、何らかの異常がある
として故障判定するようにしたので、従来のように、変
速比の変化やベルトスリップ等が生じない状態でも故障
診断を行うことができるので、従来の故障診断装置に比
べて、診断機会を増加でき、以って早期に故障診断を行
えると共に、自動変速機の損傷の可能性を低減すること
ができる。
【0049】請求項2に記載の発明によれば、制御信号
が略一定である状態が検出されているときに、油圧検出
手段により検出される制御油圧が所定以上変化した場合
で、かつ、変速比が略一定であるときに、前記油圧検出
手段に何らかの異常があると診断することができ、より
診断精度を向上させることができる。請求項3に記載の
発明によれば、制御信号が略一定である状態が検出され
ているときに、油圧検出手段により検出される制御油圧
が略一定であるにも拘わらず、変速比が所定以上変化し
たときには、自動変速機に何らかの異常がある可能性が
高いと診断することができ、より診断精度を向上させる
ことができる。
【0050】請求項4に記載の発明によれば、多段式自
動変速機に比較して、故障等の発生が比較的高い可動プ
ーリ式の無段変速機を採用することで、本発明の効果を
より大きなものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の構成を示す構成図。
【図2】 本発明の一実施例を示すシステム図。
【図3】 同上実施例の故障診断制御を説明するフロー
チャート。
【図4】 同上実施例のライン圧設定制御を示すフロー
チャート。
【図5】 ブロック(1)を説明するフローチャート。
【図6】 ブロック(2)を説明するフローチャート
【図7】 ブロック(3)を説明するフローチャート。
【図8】 ブロック(4)を説明するフローチャート。
【図9】 ブロック(5)を説明するフローチャート。
【図10】 ブロック(6)を説明するフローチャート。
【図11】 ブロック(7)を説明するフローチャート。
【符号の説明】
1 無段変速機 2 プライマリプーリ 2a プライマリプーリ側アクチュエータ 3 セカンダリプーリ 3a セカンダリプーリ側アクチュエータ 7 電磁弁 8 電磁弁 11 変速圧センサ 12 ライン圧センサ 50 コントローラ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】制御装置からの制御信号に応じて油圧の供
    給を制御することで変速制御を行う自動変速機の故障診
    断装置において、 前記制御信号が略一定である状態を検出する制御信号一
    定状態検出手段と、 前記制御された油圧を検出する油圧検出手段と、 前記制御信号一定状態検出手段により制御信号が略一定
    である状態が検出されているときに、前記油圧検出手段
    により検出された油圧が所定以上変化した場合に、前記
    自動変速機若しくは前記油圧検出手段に異常があると診
    断する第1故障診断手段と、 を含んで構成したことを特徴とする自動変速機の故障診
    断装置。
  2. 【請求項2】前記自動変速機の実際の変速比を検出する
    変速比検出手段と、 前記制御信号一定状態検出手段により制御信号が略一定
    である状態が検出されているときに、前記油圧検出手段
    により検出される油圧が所定以上変化した場合で、か
    つ、前記変速比検出手段により検出される変速比が略一
    定であるときに、前記油圧検出手段に異常があると診断
    する第2故障診断手段と、 を含んで構成したことを特徴とする請求項1に記載の自
    動変速機の故障診断装置。
  3. 【請求項3】前記自動変速機の実際の変速比を検出する
    変速比検出手段と、 前記制御信号一定状態検出手段により制御信号が略一定
    である状態が検出されているときに、前記油圧検出手段
    により検出される油圧が略一定である場合で、かつ、前
    記変速比検出手段により検出される変速比が所定以上変
    化したときに、前記自動変速機に異常があると診断する
    第3故障診断手段と、 を含んで構成したことを特徴とする請求項1または請求
    項2に記載の自動変速機の故障診断装置。
  4. 【請求項4】前記自動変速機が、油圧により有効径を変
    更可能な一対のプーリと、これに巻き掛けられるベルト
    と、を含んで構成される無段変速機であり、 前記油圧検出手段が、前記一対のプーリの有効径を変化
    させる油圧に関連する油圧を検出する手段であることを
    特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1つに記載の自
    動変速機の故障診断装置。
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