JPH08326272A - フローリング貼り床パネルおよびその敷込み構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 床を施工するに際して現場施工の簡略化を図
ることができ、しかも、フローリングの縁部に欠けや損
傷が生じることがないフローリング貼り床パネルおよび
その敷込み構造を提供すること。 【構成】 フローリング3を枠体2の上面に、その外周部
に所定幅の外周縁面4を残して貼設した構成とする。し
たがって、フローリング3の外周縁部は、枠体2の外周縁
部より内側に位置するのでフローリング3の縁部に欠け
や損傷が生じ難い。また、フローリング貼り床パネル1
を敷き込んだ際には、前記外周縁面4によって、上面側
に所定幅の隙間5が形成されるが、この隙間5にフローリ
ングピース6を嵌め込むことにより、フローリング面を
平らにすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、フローリングが予め直
貼りされたフローリング貼り床パネルおよびその敷込み
構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、住宅の構築についてはその工業化
が進み、例えば壁や床、屋根といった構成要素を予め工
場にてパネル化しておき、施工現場でこれらのパネルを
組み立てることにより、住宅を構築するといったパネル
工法が一部に採用されている。このようなパネル工法に
用いられるパネルとして、例えば、床パネルは、縦芯材
と横芯材を矩形枠状に組み立てるとともに、この矩形枠
の内部に補強芯材を縦横に組んで枠体とし、この枠体の
上面に合板等の面材を貼設したものが一般的である。そ
して、前記床パネルを用いて床を施工するには、該床パ
ネルを基礎上に順次敷き込み、洋室の場合は、これら床
パネル上にフローリングを敷き込むことにより、床面を
仕上げている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような床の施工方法では、フローリングの敷き込みが
現場施工となってしまうことから、これが工業化を損な
う要因の一つとなっていた。一方、前記床パネルでは、
面材も構造材として機能しているが、洋室の場合、この
面材上にさらにフローリングを敷き込むために、このフ
ローリングも構造材として機能することになり、床全体
としては十分過ぎる構造強度を有するものとなってしま
う。したがって、フローリングを敷き込む場合、面材は
強度的には不要のものとなってしまう。

【０００４】そこで、工場等において、前記床パネルを
構成する枠体の上面に、面材の代わりに、予めフローリ
ングを貼設しておくことが考えらるが、この場合、フロ
ーリングを枠体上面全体に貼設すると、平面視におい
て、フローリングの縁部と枠体の縁部とがほぼ一致する
ので、床パネルの搬送中や敷込みの際に、フローリング
の縁部に欠けや損傷が生じ易いという問題がある。フロ
ーリングは床面の仕上げ材であるので、若干でも欠けや
損傷が生じた場合、それを補修するのに手間がかかって
しまう。

【０００５】また、フローリングを枠体上面全体に、平
面視においてフローリングの縁部が枠体の縁部と正確に
一致するように貼設するのは困難であり、フローリング
が枠体から若干でも突出していると、床パネルを敷き込
む際に、隣接する床パネルのフローリングどうしが干渉
してしまって、フローリングに欠けや損傷が生じ易く、
逆にフローリングの縁部が若干でも枠体の内側に位置し
ていると、床パネルを敷き込む際に、隣接する床パネル
のフローリングどうし間に隙間が生じてしまうという問
題がある。

【０００６】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、床を施工するに際しての現場施工部分を少なくして
現場施工の簡略化を図ることができ、しかも、フローリ
ングの縁部に欠けや損傷が生じることがないフローリン
グ貼り床パネルおよびその敷込み構造を提供することを
目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項１のフローリング貼り床パネルは、
矩形枠状に組まれてなる枠体と、この枠体に貼設された
フローリングとからなり、前記フローリングを、前記枠
体上面に、その外周部に所定幅の外周縁面を残して貼設
したものである。

【０００８】請求項２のフローリング貼り床パネルの敷
込み構造は、敷き込まれて隣接するフローリング貼り床
パネルの枠体どうしが突き当てられ、その突き当てられ
た枠体の上面側に前記外周縁面によって形成された隙間
に、フローリングピースが、隣接するフローリングと面
一に嵌め込まれているものである。

【０００９】請求項３のフローリング貼り床パネルの敷
込み構造は、敷き込まれて隣接するフローリング貼り床
パネルの枠体どうしが突き当てられ、その突き当てられ
た枠体の上面側に前記外周縁面によって形成された隙間
に、壁部の下端部が嵌め込まれているものである。

【００１０】請求項４のフローリング貼り床パネルの敷
込み構造は、敷き込まれたフローリング貼り床パネルの
外周縁面に、敷居が設けられているものである。

【００１１】

【作用】請求項１のフローリング貼り床パネルにあって
は、フローリングを、枠体上面に、その外周部に所定幅
の外周縁面を残して貼設したので、平面視において、フ
ローリングの外周縁部は、枠体の外周縁部より内側に位
置する。したがって、このフローリング貼り床パネルの
搬送中や敷込みの際に、フローリングの外周縁部に欠け
や損傷が生じ難い。また、フローリング貼り床パネルを
敷き込んだ際には、前記外周縁面によって、上面側に所
定幅の隙間が形成されるが、この隙間にフローリングピ
ースを嵌め込むことにより、フローリング面を平らにす
る。さらに、前記隙間は壁部の下端部や敷居を嵌め込む
のにも利用できる。

【００１２】請求項２のフローリング貼り床パネルの敷
込み構造にあっては、隣接するフローリング貼り床パネ
ルの枠体どうしが突き当てられた枠体の上面側に前記外
周縁面によって形成された隙間に、フローリングピース
が、隣接するフローリングと面一に嵌め込まれているの
で、床全体のフローリング面が平らになり、また、隣接
するフローリング貼り床パネルどうしに若干の不陸があ
っても、前記フローリングピースによって、この不陸を
吸収することができる。

【００１３】請求項３のフローリング貼り床パネルの敷
込み構造にあっては、隣接するフローリング貼り床パネ
ルの枠体どうしが突き当てられた枠体の上面側に前記外
周縁面によって形成された隙間に、壁部の下端部が嵌め
込まれているので、壁部を床面上に立設する際に、前記
隙間が当該壁部の位置決め用の溝となるとともに、壁部
下端部の水平方向への移動を防止する。

【００１４】請求項４のフローリング貼り床パネルの敷
込み構造にあっては、敷き込まれたフローリング貼り床
パネルの外周縁面に、敷居が設けられているので、敷居
をフローリング上面に設ける場合に比べ、フローリング
上面と敷居上面との間の段差を少なくすることができ
る。

【００１５】

【実施例】以下、図面を参照して本発明のフローリング
貼り床パネルおよびその敷込み構造の実施例を説明す
る。図１〜図３は本発明のフローリング貼り床パネルの
一実施例を示すもので、図１は平面図、図２は図１おけ
るＡ−Ａ線矢視図、図３は図１におけるＢ−Ｂ線矢視図
である。これらの図に示すように、フローリング貼り床
パネル１は、縦芯材２ａと横芯材２ｂを矩形枠状に組み
立てるとともに、この矩形枠の内部に補強芯材２ｃを縦
横に組んで枠体２とし、この枠体の上面にフローリング
３を貼設した構成とされている。

【００１６】前記フローリング３は平面視において、前
記枠体２より小さい長方形状をなす合板であり、その表
面には、長手方向に沿って延びる多数の目地部３ａ…が
互いに平行に形成されている。また、前記フローリング
３は、前記枠体２の上面に、その外周部に所定幅の外周
縁面４を残して貼設されている。この外周縁面４は、前
記枠体２の上面の一部を構成する面であり、枠体２を構
成する縦芯材２ａの上面側の外周縁面４の幅は、前記隣
接する目地部３ａ，３ａ間の距離の半分と等しく設定さ
れている。前記構成のフローリング貼り床パネル１で
は、フローリング３の外周縁部が、枠体２から突出して
いないので、該フローリング貼り床パネル１の搬送中や
敷込みの際に、フローリング３の外周縁部に欠けや損傷
が生じ難い。

【００１７】図４は本発明のフローリング貼り床パネル
の敷込み構造の第１実施例を示すもので、前記構成のフ
ローリング貼り床パネル１…を敷き込んだ際の要部の斜
視図である。図４においては、フローリング貼り床パネ
ル１…の長辺側を接合しているが、隣接するフローリン
グ貼り床パネル１，１どうしは、それらの枠体２，２を
構成する縦芯材２ａ，２ａどうしが突き当てられて接合
されている。この場合、枠体２の上面外周部には外周縁
面４が形成されているので、縦芯材２ａ，２ａどうしを
突き当てることによって、隣接するフローリング３，３
の間には隙間５が形成される。

【００１８】ここで、前記外周縁面４の幅が、フローリ
ング３の目地部３ａ，３ａ間の距離の半分であるので、
前記隙間５の幅は、前記目地部３ａ，３ａ間の距離と等
しくなり、この隙間５に前記フローリングピース６が嵌
め込まれている。このフローリングピース６は、フロー
リング３と同質の材料で形成されたもので、その長さと
厚さはフローリング３と等しく設定され、その幅は前記
隙間５の幅と等しく設定されている。したがって、隙間
５にフローリングピース６を嵌め込んだ状態では、この
フローリングピース６と両側のフローリング３，３とが
面一になり、よって、床全体のフローリング面が平らに
なる。

【００１９】また、フローリングピース６の幅と前記目
地部３ａ，３ａ間の距離が等しく、フローリングピース
６を隙間に嵌め込んだ状態では、フローリングピース６
とフローリング３，３との継ぎ目に、前記目地部３ａと
同様の目地部が形成されるので、フローリング貼り床パ
ネル１，１どうしを接合した際おいても、フローリング
３，３とフローリングピース６との継ぎ目は判り難く、
フローリング面として一様に連続する均一の柄になるの
で、デザイン的にも優れたものとなる。さらに、隣接す
るフローリング貼り床パネル１，１どうしに若干の不陸
があっても、前記フローリングピース６，６によって、
この不陸を吸収することができる。なお、図４では、フ
ローリング貼り床パネル１…の長辺側を接合している場
合を図示しているが、短辺側を接合する場合も同様に、
前記外周縁面４によって隙間５が形成されるので、この
隙間５にフローリングピースを嵌め込めばよい。

【００２０】また、敷き込まれたフローリング貼り床パ
ネル１…上に、仕切り壁等の壁部７を立設する場合、つ
まり第２実施例のフローリング貼り床パネルの敷込み構
造は、図４および図６に示すように、隣接するフローリ
ング貼り床パネル１，１のフローリング３，３間に形成
される前記隙間５に、壁部７の下端部が嵌め込まれてい
る。この壁部７は枠体の両面に合板等の面材７ａ，７ａ
を貼設したものであり、この壁部７の厚さは前記隙間５
の幅と等しく設定されている。したがって、壁部７を床
面上に立設する際に、前記隙間５が当該壁部７の位置決
め用の溝となるとともに、壁部５の下端部の水平方向へ
の移動を防止することができる。

【００２１】図５および図７は、フローリング貼り床パ
ネルの敷込み構造の第３実施例を示すもので、敷き込ま
れたフローリング貼り床パネル１…上に立設された仕切
り壁等の壁部７に開口部８が形成されている場合を示
す。この場合、開口部８の下面が、前記隙間５によって
形成されるので、この隙間５にフローリングピース１０
を嵌め込むことにより、壁部７によって仕切られた部屋
のフローリング３，３どうしを段差なく接続することが
できる。なお、開口部８の内側面および上面には木枠１
１が前記壁部７の側端面に固定されている。

【００２２】図８は、フローリング貼り床パネルの敷込
み構造の第４実施例を示すもので、壁部７によって仕切
られた一方の部屋が洋室１２、他方の部屋が和室１３で
あり、壁部７に開口部８が形成されている場合を示す。
この場合、開口部８の下面には以下のようにして敷居１
４が設けられている。すなわち、洋室１２側に敷き込ま
れたフローリング貼り床パネル１と、和室１３側に敷き
込まれた床パネル１５とは、前記壁部７の厚さ方向中央
部の直下で突き当てられている。

【００２３】フローリング貼り床パネル１は、その外周
縁面４が前記開口部８内に位置しており、該開口部８の
下面の一部を構成している。また、前記床パネル１５は
前記フローリング貼り床パネル１のほぼ半分の厚さを有
するパネルであり、その端部上面には調整材１６が設け
られている。この調整材１６は、その上面が前記開口部
８内に位置して該開口部８の下面の一部を構成している
もので、前記外周縁面４と面一にされ、かつフローリン
グ貼り床パネル１の縦芯材２ａに突き当てられている。
また、前記床パネル１５の上面には、畳１７が前記フロ
ーリング３とほぼ面一にして敷き込まれ、この畳１７は
前記調整材１６に突き当てられている。

【００２４】したがって、前記開口部８の下面は、前記
外周縁面４と調整材１６の上面とで構成され、かつ、フ
ローリング３および畳１７の上面より窪んでおり、この
窪みに敷居１４が嵌め込まれている。よって、敷居１４
をフローリング３の上面に直接設ける場合に比べ、フロ
ーリング３の上面と敷居１４の上面との間の段差を少な
くすることができるので、洋室１２側のフローリング面
から敷居１４を通して和室１３側の畳面までをほぼフラ
ットな床面とすることができる。

【００２５】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項１
のフローリング貼り床パネルによれば、フローリングを
枠体上面に、その外周部に所定幅の外周縁面を残して貼
設したので、フローリングの外周縁部は、枠体の外周縁
部より内側に位置し、よって、このフローリング貼り床
パネルの搬送中や敷込みの際に、フローリングの縁部に
欠けや損傷が生じ難くなる。また、複数のフローリング
貼り床パネルを敷き込んだ際には、前記外周縁面によっ
て、上面側に所定幅の隙間が形成されるが、この隙間に
フローリングピースを嵌め込むことにより、フローリン
グ面を簡単に平らにすることができる。

【００２６】さらに、前記隙間は壁部の下端部や敷居を
嵌め込むのにも利用できるので、現場での施工性に優れ
ている。また、本発明のフローリング貼り床パネルは、
枠体にフローリングを直接貼設したものであるので、現
場でフローリングを貼る必要がなく、床を施工するに際
しての現場施工部分を少なくして現場施工の簡略化を図
ることができるのは勿論のことである。

【００２７】請求項２のフローリング貼り床パネルの敷
込み構造によれば、隣接するフローリング貼り床パネル
の枠体どうしが突き当てられ、前記外周縁面によって形
成された隙間に、フローリングピースを、隣接するフロ
ーリングと面一に嵌め込んだので、床全体のフローリン
グ面が容易に平らにすることができる。また、隣接する
フローリング貼り床パネルどうしに若干の不陸があって
も、前記フローリングピースによって、この不陸を吸収
することができる。

【００２８】請求項３のフローリング貼り床パネルの敷
込み構造によれば、隣接するフローリング貼り床パネル
の枠体どうしが突き当てられ、前記外周縁面によって形
成された隙間に、壁部の下端部を嵌め込んだので、壁部
を床面上に立設する際に、前記隙間が当該壁部の位置決
め用の溝とすることができ、施工性に優れるとともに、
壁部下端部の水平方向への移動を防止することができる
ので、壁部の安定性を向上させることができる。

【００２９】請求項４のフローリング貼り床パネルの敷
込み構造によれば、敷き込まれたフローリング貼り床パ
ネルの外周縁面に敷居を設けたので、敷居をフローリン
グ上面に設ける場合に比べ、フローリング上面と敷居上
面との間の段差を少なくすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のフローリング貼り床パネルの一実施例
を示す平面図である。

【図２】図１におけるＡ−Ａ線矢視図である。

【図３】図１におけるＢ−Ｂ線矢視図である。

【図４】本発明のフローリング貼り床パネルの敷込み構
造の第１および第２実施例を示すもので、要部の斜視図
である。

【図５】本発明のフローリング貼り床パネルの敷込み構
造の第３実施例を示すもので、要部の斜視図である。

【図６】本発明のフローリング貼り床パネルの敷込み構
造の第２実施例を示す要部の側断面図である。

【図７】本発明のフローリング貼り床パネルの敷込み構
造の第３実施例を示す要部の側断面図である。

【図８】本発明のフローリング貼り床パネルの敷込み構
造の第４実施例を示す要部の側断面図である。

【符号の説明】

１ フローリング貼り床パネル ２ 枠体 ３ フローリング ４ 外周縁面 ５ 隙間 ６，１０ フローリングピース １４ 敷居

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 矩形枠状に組まれてなる枠体と、この枠
   体に貼設されたフローリングとからなるフローリング貼
   り床パネルであって、 前記フローリングは、前記枠体上面に、その外周部に所
   定幅の外周縁面を残して貼設されていることを特徴とす
   るフローリング貼り床パネル。
2. 【請求項２】 請求項１記載のフローリング貼り床パネ
   ルの敷込み構造であって、 敷き込まれて隣接するフローリング貼り床パネルの枠体
   どうしが突き当てられ、その突き当てられた枠体の上面
   側に前記外周縁面によって形成された隙間に、フローリ
   ングピースが、隣接するフローリングと面一に嵌め込ま
   れていることを特徴とするフローリング貼り床パネルの
   敷込み構造。
3. 【請求項３】 請求項１記載のフローリング貼り床パネ
   ルの敷込み構造であって、 敷き込まれて隣接するフローリング貼り床パネルの枠体
   どうしが突き当てられ、その突き当てられた枠体の上面
   側に前記外周縁面によって形成された隙間に、壁部の下
   端部が嵌め込まれていることを特徴とするフローリング
   貼り床パネルの敷込み構造。
4. 【請求項４】 請求項１記載のフローリング貼り床パネ
   ルの敷込み構造であって、 敷き込まれたフローリング貼り床パネルの外周縁面に、
   敷居が設けられていることを特徴とするフローリング貼
   り床パネルの敷込み構造。