JPH08325831A - 改質再生セルロース繊維 - Google Patents

改質再生セルロース繊維

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JPH08325831A
JPH08325831A JP16001495A JP16001495A JPH08325831A JP H08325831 A JPH08325831 A JP H08325831A JP 16001495 A JP16001495 A JP 16001495A JP 16001495 A JP16001495 A JP 16001495A JP H08325831 A JPH08325831 A JP H08325831A
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extract
fiber
antibacterial
regenerated cellulose
plant
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JP16001495A
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Akira Okamoto
彬 岡本
Susumu Nakano
将 中野
Haruo Uno
晴夫 宇野
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DAIWABO LES YON KK
Daiwabo Les-Yon Kk
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DAIWABO LES YON KK
Daiwabo Les-Yon Kk
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐久性に優れ、かつ人体に対する安全性の高
い抗菌作用、スキンケア作用等を示す改質再生セルロー
ス繊維に関するものである。 【構成】 テルペノイド、フラボノイド、アントロンの
配糖体を一種又は二種以上含む植物からの抽出物を少な
くとも一種、紡糸原液に混合し、通常の方法に従って紡
糸することにより改質再生セルロース繊維を得た。ま
た、任意の植物からの抽出物と、水に実質的に不要でか
つ昇華性のないアルコールとを紡糸原液に混合し、通常
の方法に従って紡糸することにより改質再生セルロース
繊維を得た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐久性に優れ、かつ人
体に対する安全性の高い抗菌作用、スキンケア作用等を
示す改質再生セルロース繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、人々を取り巻く環境、あるいは生
活習慣の変化に伴って、繊維製品に対し様々な機能が要
求されており、その要求に答えるべく種々の機能性繊維
および繊維製品が開発されている。例えば、清潔志向の
高まりに応えるべく抗菌性をうたった繊維製品や、皮膚
のカサつき、肌荒れを緩和するためのスキンケア性衣料
品が数多く提案されている。
【0003】また、最近では地球環境保護の観点から、
資源の再生産が可能で生分解性のある再生セルロース繊
維が注目されており、抗菌性、スキンケア性を付与した
再生セルロース繊維も種々提案されている。
【0004】例えば、特開昭59−179807号公報
や、特開平4−257309号公報では抗菌成分として
四級アンモニウム塩を含有する再生セルロース繊維が提
案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】四級アンモニウム塩等
の化学的に合成された抗菌剤は、特定の細菌に対しては
は優れた抗菌性を示すものの、使用するにつれ別の抵抗
性菌が出現しやすいという指摘があり、抗菌作用の実効
性が疑問視されている。また、所謂「化成品」の抗菌剤
に対しては、人体への安全性を懸念する意見もある。
【0006】そこで、最近では、人体に対する安全性を
考慮して天然物由来の抗菌性物質を利用したセルロース
繊維が提案されている。例えば、特開平5ー32101
7号公報においてはヨモギの抽出成分を内包させた多孔
性球状無機質微粒子を含有させた再生セルロース繊維が
示されている。しかし、この抗菌性再生セルロース繊維
は、ヨモギの抽出成分を内包させる粒子を繊維性能や繊
維製造工程に影響を及ぼさない程度にまで微粒子化する
必要があるため、技術的にも困難を伴い、経済的にも有
利ではない。
【0007】また、特公平3−13354号公報や特開
平3−38014号公報では、抗菌成分を含む水溶液や
溶剤溶液中に繊維を浸漬し、脱液・乾燥して繊維表面に
抗菌成分を付着せしめる、いわゆる後加工により抗菌性
を付与した繊維が示されている。しかし後加工により抗
菌性を付与した繊維は、洗濯等に対する耐久性が弱いと
いう問題がある。そこで耐久性を向上させるべく、例え
ば樹脂を併用する方法も試みられているが、樹脂の付着
によって風合いが損なわれたり、セルロース繊維特有の
優れた吸水性が低下してしまうという問題がある。
【0008】本発明は、これらの実情に鑑み、耐久性に
優れ、かつ人体に対する安全性の高い抗菌作用、スキン
ケア作用等を奏する改質再生セルロース繊維を、複雑な
工程を経ることなく経済的に提供することを目的として
なされたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の一つは、テルペ
ノイド、フラボノイド、アントロンの配糖体を一種又は
二種以上含む植物からの抽出物を少なくとも一種含有す
ることを特徴とする改質再生セルロース繊維である。
【0010】ここでテルペノイドとは、(C58)n
組成の炭化水素およびそれから導かれるとみられる含酸
素化合物並びに不飽和度を異にするものを基本とし、こ
れに水酸基、カルボニル基、カルボキシル基等が結合し
たものである。また、フラボノイドとは、2−フェニル
クロマンの基本骨格を有し、中央のピラン環の相違や開
裂の状態を異にするフラボン、フラボノール、フラバノ
ン、ジヒドロフラボノール等をいう。本発明では、これ
らにグルコースやグルクロン酸、ラムノース等が結合し
た配糖体を抗菌活性成分等として使用する。
【0011】勿論、テルペノイド、フラボノイド、アン
トロン自身にも抗菌性はあり、またこれら以外にも、植
物由来の抗菌活性成分として、タンニン、アントラセン
等がよく知られている。これらは桂皮、チョウジ、サル
ビア、ローズマリー、ヨモギ等に含まれている。しか
し、これらの抗菌活性成分を主成分とする植物からの抽
出物をそのまま紡糸原液に混合し紡糸しても、得られる
繊維は期待する程の抗菌性を示さない。これは、これら
の抗菌活性成分が水へ溶解する等して、繊維製造中に紡
糸浴や延伸浴、精練浴へ脱落し、その結果、繊維中への
歩留りが小さくなるためであると考えられる。
【0012】一方、テルペノイド、フラボノイド、アン
トロンの配糖体を含む抽出物は繊維中への歩留りが良
く、これらを含む繊維は優れた抗菌性を示す。その理由
については次のように考えられる。即ち、配糖体として
結合している糖が繊維を構成しているセルロースと構造
的に似ておりセルロースとの親和性が強いこと、及び配
糖体はpHが高い場合でも水に対して安定であり溶解し
にくいことから、繊維製造工程における脱落が抑制され
るためであると考えられる。そしてこのことは耐洗濯性
の向上に繋がるとも考えられる。
【0013】テルペノイド、フラボノイド、アントロン
の配糖体は、ドクダミ、甘草、アロエ、キキョウ、シャ
ゼン草等からの抽出物に含まれる。中でも、ドクダミ、
甘草、アロエからの抽出物は、抗菌活性が強くスキンケ
ア効果も期待されることから、本発明の目的に合致する
ものとして好適に使用しうる。
【0014】テルペノイド等の配糖体を含む再生セルロ
ース繊維は、公知の方法に従って作成した紡糸原液に、
テルペノイド等の配糖体を含む植物からの抽出物を混合
し、通常の方法に従って紡糸することにより得られる。
例えば、ビスコースレーヨンの場合、ビスコースに植物
からの抽出物を混合し、硫酸等の凝固浴に押し出せば良
いし、銅アンモニア法レーヨンの場合、紡糸液に抽出物
を混合し、流下緊張紡糸法にて紡糸すればよい。いずれ
の場合も、製造工程において格別な手法、装置等を必要
としない。また、抽出物は、単独で、あるいは二種以上
混合して紡糸原液に混合することができる。
【0015】テルペノイド等の配糖体は、繊維中のセル
ロース重量に対して0.01%以上含まれていることが
望ましい。一般に、テルペノイド、フラボノイド、アン
トロンの配糖体は抽出物中に数%程度含まれているの
で、繊維製造の際には、抽出物の割合が繊維中のセルロ
ース重量に対して約0.8%以上となるよう、紡糸原液
に混合するとよい。但し、抽出物の割合が多いと繊維物
性への影響が無視できなくなるので注意を要する。より
好ましい抽出物の混合割合は、繊維中のセルロース重量
に対して1〜10%である。
【0016】このように、本発明者らは、特定の成分を
含む植物からの抽出物をそのまま紡糸原液に混合し、通
常の紡糸方法に従って紡糸することにより改質再生セル
ロース繊維を得ることができることを見い出した。しか
し前述した通り、植物由来の抗菌活性成分は数多くあ
り、これらの繊維中への歩留りを向上させれば、種々多
様の改質再生セルロース繊維を得ることができるはずで
ある。
【0017】また、テルペノイド等の配糖体がその抗菌
作用等を発揮するには、テルペノイド部等の抗菌活性成
分と菌とが特定の位置関係で接触することが必要である
が、配糖体の場合、結合している糖の分子が大きいため
に、抗菌活性成分と菌との接触が妨げられ、抗菌活性が
阻害される恐れもある。つまり、配糖体の使用は、繊維
製造工程中における抗菌活性成分の脱落防止という優れ
た効果を発揮する反面、その抗菌活性を低下させるとい
う不都合を招くこともありうるのである。
【0018】そこで本発明者らは、本質的に優れた抗菌
性を有するにもかかわらず繊維に含有させることが難し
い抽出物、即ち維製造工程中で脱落しやすいものについ
てその歩留りを向上させるべく検討した結果、第二の発
明を案出するに至った。
【0019】植物からの抽出物の繊維中への歩留りを向
上させるには、抽出物中に含まれる抗菌活性成分等の改
質成分と親和性があり、水に対して実質的に不溶で、抽
出物と混合しても抗菌活性等を損なわない成分を紡糸原
液に混合すればよい。この条件を満たす成分として、水
に実質的に不溶でかつ昇華性のないアルコール(以下、
単にアルコールと略す場合がある)を挙げることができ
る。このようなアルコールであれば、天然物由来のも
の、化学的に合成されたもの、いずれも使用することが
できる。
【0020】また、紡糸原液におけるアルコールの分散
性を改善するために、界面活性剤を添加してもよい。界
面活性剤は、人体に対する安全性を考慮して、最終的に
繊維中に残らないもの、即ち繊維製造工程において紡糸
浴や精練浴等へ溶出しやすいものを用いるとよい。例え
ば、アルキルアミン系の活性剤がこれに該当する。
【0021】本発明においては人体に対する安全性の点
から、天然物由来のアルコールを使用することが望まし
い。特に、植物精油はアルコールだけでなく界面活性効
果を有する成分をも含む場合が多いので好適である。こ
のような植物精油として、パイン油、パームローズ油、
シトロネラ油、ブルセラ油等を挙げることができる。中
でもパイン油は、それ自身抗菌性を有し、資源的にも豊
富であることから最も好ましく適用される。
【0022】アルコールと植物からの抽出物を含む再生
セルロース繊維も、紡糸原液にアルコール及び植物から
の抽出物を混合し、これを通常の方法に従って紡糸する
ことにより得られる。アルコールは上記条件を満たす限
り、単独であるいは二種以上混合して使用することがで
きる。そして改質は、ビスコースレーヨン、銅アンモニ
ア法レーヨンいずれの繊維についても可能である。
【0023】アルコールは、抽出物の歩留り向上効果を
発揮し、かつ繊維物性に影響を及ぼさない範囲で紡糸原
液に混合するとよい。具体的には、繊維中に添加する抽
出物の重量に対して50〜100%となるように混合す
ることが望ましい。また、一般に植物精油中に含まれる
アルコールの割合は20〜60重量%なので、植物精油
を使用するときはアルコールの含有率を考慮して混合量
を決定する必要がある。
【0024】この水に実質的に不溶でかつ昇華性のない
アルコールの使用により、種々の植物からの抽出物を繊
維に混合することができる。従って、前述したような繊
維中への歩留りが悪い抽出物、例えばヨモギ、桂皮、ヒ
ノキからの抽出物を使用して再生セルロース繊維を改質
することが可能となる。勿論、先に述べたテルペノイド
等の配糖体を含む植物からの抽出物と、このアルコール
を混合することもできる。その場合、より一層、抽出物
の歩留りが向上することとなる。
【0025】以上説明した二つの改質再生セルロース繊
維は、紡績糸、フィラメント、ステープル繊維等とし、
さらに編物、織物、不織布等にすることができる。そし
て、シーツ、布団カバー、肌着やスポーツシャツ等の衣
料品、手術着やドレッシング等の医療用品等、種々の用
途に適用することができる。他の繊維と併用することも
可能である。
【0026】
【作用】テルペノイド等の配糖体を含む植物からの抽出
物は、そのまま紡糸原液に混合し紡糸しても紡出浴等へ
の脱落が少ないため、繊維中に留まってその抗菌性等を
いかんなく発揮することができる。また、特定のアルコ
ールを併用することにより、植物からの抽出物の歩留り
を種類を問わず向上させることができるので、種々多様
の機能を繊維に付与することが可能となる。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。実施
例中、各試料の抗菌性能はすべて、繊維製品衛生加工協
議会の抗菌防臭加工製品の加工効果評価試験マニアルに
従って、Staphyllococcus aureusu (DC−25)を使
用した細菌成育抑制試験法により増減値差で評価した。
同協議会の認定マークであるSEKマークの取得基準
は、増減値差>1.6とされている。
【0028】[実施例1:試料No. 1〜5]甘草根を希
苛性ソーダ水溶液で抽出し、硫酸を用いて酸析させた
後、乾燥して鱗片状の粉末を得た。この粉末状の甘草抽
出物を、濃度が20%になるように水に溶解し、甘草抽
出物水溶液とした。次に、この水溶液を、公知の方法に
従って作成したセルロース8.5%、アルカリ5.5%
のビスコースに添加混合した。水溶液は、セルロース重
量に対して各々2.5%、5%、15%、25%添加
し、甘草抽出物がセルロース重量に対して各々0.5
%、1%、3%、5%含まれるようにした。
【0029】このビスコースを、熟成、脱泡させた後、
硫酸110g/l、硫酸ナトリウム330g/l、硫酸
亜鉛14g/l、温度50℃の紡糸浴中へ紡出し、延
伸、精練、仕上、乾燥の工程を経て、2デニールの改質
レーヨンを得た。この改質レーヨンを45mmにカットし
てステープル繊維とし、これを用いてカードウェブを作
成し、高圧水流処理を施して目付40g/m2 の不織布
を作成した。各不織布の抗菌性を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】表1より抽出物の添加量が1%以上であれ
ば増減値差>1.6となり、優れた抗菌性を示すことが
分かる。
【0032】[実施例2:試料No. 6〜7]ドクダミ、
アロエからの抽出物をそれぞれ、セルロース重量に対し
て3%含まれるようにする以外は実施例1と同様にし
て、改質レーヨン、およびこれを用いた不織布を製造し
た。その抗菌性能を表2に示す。
【0033】
【表2】
【0034】[比較例1:試料No. 8〜9]ヒノキ、ヨ
モギからの抽出物をそれぞれ、セルロース重量に対して
3%含まれるようにする以外は実施例1と同様にして、
改質レーヨン、およびこれを用いた不織布を製造した。
その抗菌性能を表3に示す。
【0035】
【表3】
【0036】ヒノキやヨモギからの抽出物もそれ自身優
れた抗菌性を有するものではあるが、表2および表3よ
り、フラボノール配糖体を含むドクダミ抽出物やアント
ロン配糖体を含むアロエ抽出物の方が、繊維中へ混合さ
せた場合には優れた抗菌作用を示すことが分かる。
【0037】[実施例3:試料No. 10〜13]ヨモギ
からの抽出物と、表3に示したアルコールもしくは植物
精油を1:1(重量比)の割合で混合し、これを濃度が
20%となるように水に溶解もしくは分散させた(以
下、この水溶液もしくは水分散液を混合液と略す)。ア
ルコールの分散が悪いものについてはアルキルアミン系
の活性剤(商品名visco−32:ベロール社製)を
混合液の重量に対し、0.5%添加した。
【0038】上述の混合液を、公知の方法に従って作成
したセルロース5%、アルカリ3%のビスコースに添加
混合した。混合液はセルロース重量に対して20%添加
し、抽出物と、アルコールもしくは植物精油がセルロー
ス重量に対して各々2%ずつ含まれるようにした。
【0039】続いて、このビスコースを熟成、脱泡させ
た後、硫酸20g/l、硫酸亜鉛0.2g/l、硫酸ナ
トリウム50g/l、温度28℃の紡糸浴へ紡出し、延
伸、精練、仕上、乾燥の工程を経て、1.5デニールの
改質レーヨンを得た。得られた改質レーヨンを45mmに
カットしてステープル繊維とし、これを用いてカードウ
ェブを作成し、高圧水流処理を施して目付40g/m2
の不織布を作成した。この不織布の抗菌性能を表4に示
す。
【0040】
【表4】
【0041】[比較例2:試料No. 14〜16]実施例
3で使用したアルコールに替えて、表5に示したアルコ
ールもしくは植物精油を使用することのほかは実施例3
と同様にして改質レーヨンおよびこれを用いた不織布を
製造した。この不織布の抗菌性能を表5に示す。
【0042】
【表5】
【0043】表4および表5より、水に実質的に不溶な
アルコールの添加・混合により、抽出物の繊維中への歩
留りの向上が認められる。また、水に実質的に不溶であ
っても、マルトールのように昇華性のあるアルコールで
は効果のないことが分かる。さらに、同じ添加量でも植
物精油を添加したものの方が増減値差が大きくなってい
るのは、精油中に抗菌性を有する成分が種々含まれてい
るためであると考えられる。
【0044】[実施例4,比較例3:試料No. 17〜1
9]ヒノキ、チョウジ、桂皮からの各抽出物とパイン精
油を1:1(重量比)の割合で混合し、これを濃度が2
0%となるように水に溶解もしくは分散させた3種類の
混合液を用意した。この混合液を、実施例3と同じビス
コースに、セルロース重量に対して20%添加し、抽出
物とパイン精油がセルロース重量に対して各々2%ずつ
含まれるようにした。そして、実施例3と同様の方法で
改質レーヨン、および不織布を製造した。
【0045】また比較として、それぞれの抽出物のみを
濃度が20%になるように水に溶解させた水溶液を、実
施例3で使用したのと同じビスコースに、セルロース重
量に対して10%添加し、抽出物がセルロース重量に対
して2%含まれるようにした改質レーヨン、およびこれ
からなる不織布を製造した。
【0046】得られた各不織布の抗菌性能を表6に示
す。
【0047】
【表6】
【0048】表6より、特定のアルコールを添加するこ
とによって抽出物の繊維中への歩留りが向上し、その結
果、抗菌性が向上することが分かる。
【0049】
【発明の効果】このように本発明は、「地球環境にやさ
しい」繊維である再生セルロース繊維に、植物に由来す
る抗菌活性成分等の機能成分を含有させたものであるか
ら、機能の面での優位性もさることながら、人体に対す
る安全性が高いといった利点をも有する。そして、この
改質繊維は、いわゆる「人にやさしい繊維」として乳幼
児から高齢者まで広く受け入れられうるものであり、様
々な分野へ展開することが可能である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テルペノイド、フラボノイド、アントロ
    ンの配糖体を一種又は二種以上含む植物からの抽出物を
    少なくとも一種含有することを特徴とする改質再生セル
    ロース繊維。
  2. 【請求項2】 テルペノイド、フラボノイド、アントロ
    ンの配糖体を一種又は二種以上含む植物からの抽出物
    が、ドクダミ、甘草、アロエから抽出したものである請
    求項1記載の改質再生セルロース繊維。
  3. 【請求項3】 水に実質的に不溶でかつ昇華性のないア
    ルコールと、植物からの抽出物を含有することを特徴と
    する改質再生セルロース繊維。
  4. 【請求項4】 水に実質的不溶でかつ昇華性のないアル
    コールを含む植物精油と、植物からの抽出物を含有する
    ことを特徴とする改質再生セルロース繊維。
  5. 【請求項5】 植物精油がパイン油である請求項4記載
    の改質再生セルロース繊維。
JP16001495A 1995-06-02 1995-06-02 改質再生セルロース繊維 Withdrawn JPH08325831A (ja)

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