JPH08324559A - チューブ付き注出入口を有する合成樹脂製成型容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】自立性の合成樹脂製成型容器の注出入口の密封
を、キャップや栓を使用することなく、簡単且つ安価に
行える合成樹脂製成型容器を提供する。 【構成】自立性のある合成樹脂製成型容器１の注出入口
２に、柔軟な合成樹脂製チューブ４を装着してなる合成
樹脂製成型容器である。このチューブの適当な箇所を輪
ゴムや紐で縛ったり、締め具で締付けたり、或いは扁平
にして熱融着したり、更にはチューブ自体で結び目を造
ったりすることによって、注出入口を密封する。柔軟な
合成樹脂製チューブは、厚さ３０〜３００μｍのポリエ
チレンインフレーションチューブなどが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、固体或いは液体を収納
するための自立性のある合成樹脂製成型容器に関する。

【０００２】

【従来の技術と問題点】従来、固体や液体を収納する合
成樹脂製容器には、合成樹脂フィルムや合成樹脂シート
を２枚重ね合わせその所要辺を接着してなる袋状容器、
或いは真空成形、ブロー成形又は圧空成形等で成形した
自立性のある立体容器（合成樹脂製成型容器）が使用さ
れている。袋状容器に収納物を充填するには、該容器は
自立性がないため、該容器を自立した状態に枠等の機器
で一時的にセットし充填作業を行っている。したがっ
て、袋状容器の場合は、充填作業が工場内等の充填設備
の整った場所での使用は不都合ないが、屋外での充填作
業には不向きである。そのため、充填作業が屋外にて行
なわれる、例えば野菜、山菜、もずく等の収納容器に
は、袋状容器よりも合成樹脂製成型容器の方が作業性に
優れ、また積載性にも優れ、便利であって、広く利用さ
れている。

【０００３】そして、野菜、山菜、もずく等の収納、輸
送に用いられる自立性合成樹脂製成型容器は、これら収
納物の充填作業或いは排出作業が能率良く行えることが
要望されている。この要望を満たすには自立性合成樹脂
製成型容器の注出入口を大きくすることであり、直径が
５０〜１５０ｍｍの円形状の大きな注出入口が設けられ
ことがある。この注出入口は、クロージャースパウト
（合成樹脂製成型容器の開口部周辺にヒートシールする
ためのツバ部及びキャップ等を装着可能なねじ山部や凹
凸部とを有する部品、前記ツバ部を合成樹脂製成型容器
の開口部に融着させてキャップ装着可能な注出入口を形
成する）とキャップを組み合わせた蓋部材が取り付けら
れ、これによって密封されているが、キャップが大口径
になると手でキャップを閉める嵌合操作がしにくくな
り、また蓋部材の製造コストが高いなどの問題点が有
り、更に滅菌が必要な場合８５℃以上のボイル殺菌を行
うとクロージャー部が熱変形を起こし、漏れの原因とな
るなどの問題も有している。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来、自立性の合成樹
脂製成型容器においては、その注出入口の密封は、キャ
ップや栓を用いて行っているが、本発明は、上記の事情
に鑑み、自立性の合成樹脂製成型容器の注出入口を、キ
ャップや栓を使用することなく、柔軟な合成樹脂製チュ
ーブを利用し、簡単且つ安価に密封することができ、ま
たその開封が簡単である合成樹脂製成型容器を提供する
ことを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、自立性のある
合成樹脂製成型容器の注出入口に、柔軟な合成樹脂製チ
ューブを装着してなるチューブ付き注出入口を有する合
成樹脂製成型容器である。本発明は自立性のある合成樹
脂製成型容器の注出入口の密封や開封を、該注出入口に
装着した柔軟な合成樹脂製チューブを利用して行うよう
にしたものである。すなわち、本発明の合成樹脂製成型
容器は、前記柔軟な合成樹脂製チューブの適宜な箇所
を、輪ゴムや紐で縛ったり、締め具で締付けたり、或い
は扁平にして熱融着したり、更にはチューブ自体で結び
目を造ったりすることによって、注出入口を密封するも
のである。またこれを開封する場合は、輪ゴムや紐でを
ほどいたり切断したり、締め具を解いたり、或いはチュ
ーブを切断することによって行うものである。

【０００６】本発明について更に詳しく説明する。本発
明における自立性のある合成樹脂製成型容器は、真空成
形、ブロー成形、圧空成形等の成形法により成形された
合成樹脂製成型容器であって、自立性のものである。す
なわち収納物を充填する際に、自立でき、充填作業性が
容易な合成樹脂製成型容器である。この容器の形状は特
に限定されなく、従来使用されている容器が用いられ
る。この容器は折り畳み可能なものでもよいし、またバ
ックインボックスのように外箱に収納されている合成樹
脂製成型容器でもよい。

【０００７】この合成樹脂製成型容器には、収納物を充
填したり、排出するための開口部（注出入口）が設けら
れている。そして充填作業及び排出作業を能率よく行う
には、この注出入口を大きく、例えば直径５０〜１５０
ｍｍ程度と大きくするとよく、例えば、きゅうりなどの
塩蔵野菜、わらび、ゼンマイなどの塩蔵山菜、もずくな
どの海草等の充填、排出には容器内部へ直接手を入れる
場合があるので、直径を１００〜１５０ｍｍ、或いはそ
れ以上の大きさにする必要がある。

【０００８】合成樹脂製成型容器は、ポリエチレン、ポ
リプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、エチレン−
酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重
合体などのオレフィン系共重合体樹脂、ナイロン６、ナ
イロン６６又はこれらの共重合体などのポリアミド系樹
脂等を成型したもので、成型に当たっては、上記の樹脂
を単層で、或いは必要性能を勘案しながら適宜複数層を
積層した積層体で用いる。この積層に当たっては一般的
には共押出によって行う。合成樹脂製成型容器の壁の厚
さは、一般には０．２〜０．６ｍｍであるが、特に限定
されるものではない。

【０００９】本発明においては上記の自立性のある合成
樹脂製成型容器の開口部（注出入口）に、柔軟な合成樹
脂製チューブを装着するものである。ここに柔軟な合成
樹脂製チューブとは、該チューブの中間を輪ゴムや紐で
縛ったり、締め具で締付けたり、或いは扁平にして熱融
着したり、更にはチューブ自体で結び目を造ったりなど
することができ、これらによって該チューブ内を流体不
通過性にすることができる性質を有するチューブを言
う。合成樹脂製チューブは、自立性のある合成樹脂製成
型容器の開口部（注出入口）と同じか、或いはそれより
大きい直径のチューブが用いられる。このチューブは、
融着或いは接着剤によって合成樹脂製成型容器の開口部
に装着する。この際、開口部がチューブの内側にあるよ
うにする。

【００１０】チューブの材質はポリエチレン、ポリプロ
ピレンなどのポリオレフィン、ポリエチレン−ナイロン
共押出物、ポリプロピレン−ナイロン共押出物などのポ
リオレフィン−ナイロン共押出物、ポリエチレンとエチ
レン−ビニルアルコール共重合体との共押出物などであ
り、特に限定されないが、合成樹脂製成型容器との接着
性を良くするため、チューブの接着面の樹脂は該容器と
同質材料のものが望ましい。また、先に述べた柔軟性の
観点から、特にポリエチレンのインフレーションチュー
ブやポリエチレンとナイロンとの共押出しチューブで、
厚さ３０〜３００μｍの範囲のものが好ましい。チュー
ブの長さ（合成樹脂製成型容器の開口部からの長さ）
は、輪ゴムや紐で縛ったり、締め具で締付けたり、或い
は扁平にして熱融着したり、更にはチューブ自体で結び
目を造ったりして密封できる余裕の長さがあればよく、
好ましくは１０〜１００ｃｍである。このチューブは円
筒状であるが、蛇腹状でもよい。

【００１１】本発明の合成樹脂製成型容器に収納物を充
填する場合は、袋状容器に収納物を充填する場合の様に
容器自体を自立させるための器具を必要としないので、
屋外、工場内を問わず、いかなる場所においても充填作
業が可能であり、また本発明の容器は積載性がよい利点
もある。従来、合成樹脂製成型容器の密封は、注出入口
の開口部をキャップや栓によって塞いで行っているが、
本発明ではこの開口部に装着させた柔軟な合成樹脂製チ
ューブを利用して密封する、すなわちチューブの適宜な
箇所を、輪ゴムや紐で縛ったり、締め具で締付けたり、
或いは扁平にして熱融着したり、更にはチューブ自体で
結び目を造ったりすることによって密封するので、極め
て簡単に密封できる。そして、本発明の容器を用いる
と、チューブを輪ゴムや紐で縛ったり、締め具で締付け
たり、或いはチューブ自体で結び目を造ったりして手動
で密封を行うことができるので、電気が通じていない場
所においても充填作業、密封作業を実施できる。また熱
融着による密封の場合は簡単に完全密封が保証できる。

【００１２】更に、密封にクロージャースパウトとキャ
ップを使用した従来の自立性合成樹脂製成型容器では、
その注出入口の口径の変更を行う場合、それに応じてク
ロージャースパウトとキャップをその都度変更する必要
があり、この変更にはクロージャースパウトとキャップ
を製造するための金型を作成する必要があったが、本発
明では注出入口の口径を変更してもチューブの径を変更
するだけで済むので、安価に対応できる。また、注出入
口の口径が大きくなると、キャップが嵌めにくくなった
り、更に必要に応じて行う滅菌時の加熱によってキャッ
プが変形することがあるが、本発明の合成樹脂製成型容
器ではチューブを利用して密封するのでこのような支障
はない。

【００１３】

【実施例】図は本発明の一実施例を示したものである。
図１は本発明の合成樹脂製成型容器の斜視図であり、図
２はその縦断面の一部を示した図である。図１、２にお
いて、１は合成樹脂製成型容器で、本例の場合は厚さ
０．４ｍｍのポリエチレン製の立方体容器である。ａは
容器の継ぎ目である。２は該容器の円形の開口部（注出
入口）で、その直径は１２０ｍｍである。３はこの開口
部周囲に形成させた凹部である。また、４は柔軟性の合
成樹脂製チューブで、この例では厚さ５０μｍのポリエ
チレンインフレーションチューブであって、その直径は
１２０ｍｍある。５はポリエチレンチューブ４の端部
で、合成樹脂製成型容器１との接着部分である。６はポ
リエチレンチューブ４の端部５と合成樹脂製成型容器１
との接着部である。この接着は、ポリエチレンチューブ
４の端部５を外方にまくって合成樹脂製成型容器１の開
口部２に当てがい、端部５を該開口部２の周囲部に接し
させ、この接した部分を熱融着することにより行う。

【００１４】図１、２では、ポリエチレンチューブは直
立した状態になっているが、実際にはこのポリエチレン
チューブは自立性がなく垂れた状態にある。そして、こ
の垂れた状態のチューブを合成樹脂製成型容器の凹部３
に納めることによって、容器を保存したり、運搬したり
するときチューブが邪魔にならなくすることができる。
この様にこの例では、開口部周囲に凹部３を形成させた
が、凹部３はあってもなくても良い。

【００１５】この合成樹脂製成型容器１に物質を充填す
るには、ポリエチレンチューブ４を長さ方向に縮め、且
つ合成樹脂製成型容器１の開口部２に沿って拡げ、この
状態で例えば塩蔵野菜、塩蔵山菜、もずく等を充填す
る。充填が終了したら、ポリエチレンチューブ４を長さ
方向に伸ばし、適当な箇所を紐７で結ぶ。図３はこの状
態を示した斜視図である。斯くて、合成樹脂製成型容器
１の注出入口を簡単に密封することができる。そして、
紐７を切断してチューブを元の状態に戻すか、或いはチ
ューブの紐で結んだ箇所の下の部分を切断することによ
って簡単に開封することができる。

【００１６】

【発明の効果】本発明の合成樹脂製成型容器は、その注
出入口の密封が、そこに装着した柔軟な合成樹脂製チュ
ーブを輪ゴムや紐で縛ったり、締め具で締付けたり、或
いは扁平にして熱融着したり、更にはチューブ自体で結
び目を造ったりすることによって行えるので、極めて簡
単である。またその開封も、輪ゴムや紐を切断したり、
ほどいたり、締め具を解いたり、或いはチューブ自体を
切断することによって行えるので極めて簡単である。ま
た本発明では、注出入口の密封にキャップや栓を使用し
ないから、注出入口の構造が簡単であり、更に注出入口
の口径の変更に際し、その都度キャップや栓を変更する
必要がないので、容易に且つ安価に対処できる。また、
本発明は、注出入口の口径が如何に大きな合成樹脂製成
型容器にも適用でき、これを容易に密封することができ
る利点があり、そのため注出入口の口径を大きくし、収
納物の充填作業、排出作業の能率を高めることができ
る。また、必要に応じて行う滅菌時の加熱によってキャ
ップが変形することがあるが、本発明の合成樹脂製成型
容器ではチューブを利用して密封するのでこのような支
障はない。また、本発明に容器は自立性であるので、屋
外、工場内を問わず、いかなる場所においても充填作業
が可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の合成樹脂製成型容器の斜視図

【図２】本発明の合成樹脂製成型容器の注出入部の縦断
面図

【図３】本発明の合成樹脂製成型容器を密封したときの
斜視図

【符号の説明】

１ 自立性合成樹脂製成型容器、２ 開口部、３ 凹
部、４ 合成樹脂製チューブ、 ５ チューブ端部、６
融着部、７ 紐

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】自立性のある合成樹脂製成型容器の注出入
   口に、柔軟な合成樹脂製チューブを装着してなるチュー
   ブ付き注出入口を有する合成樹脂製成型容器。
2. 【請求項２】柔軟な合成樹脂製チューブが、厚さ３０〜
   ３００μｍのポリエチレンインフレーションチューブで
   ある請求項１記載のチューブ付き注出入口を有する合成
   樹脂製成型容器。
3. 【請求項３】柔軟な合成樹脂製チューブが、厚さ３０〜
   ３００μｍのポリオレフィン−ナイロン複合ラミネート
   チューブである請求項１記載のチューブ付き注出入口を
   有する合成樹脂製成型容器。
4. 【請求項４】自立性のある合成樹脂製容器の注出入口
   が、直径５０〜１５０ｍｍの円形である請求項１、２又
   は３記載のチューブ付き注出入口を有する合成樹脂製成
   型容器。