JPH08324121A - 光情報記録媒体 - Google Patents

光情報記録媒体

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JPH08324121A
JPH08324121A JP7160099A JP16009995A JPH08324121A JP H08324121 A JPH08324121 A JP H08324121A JP 7160099 A JP7160099 A JP 7160099A JP 16009995 A JP16009995 A JP 16009995A JP H08324121 A JPH08324121 A JP H08324121A
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JP
Japan
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light
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information recording
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Application number
JP7160099A
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English (en)
Inventor
Yoshikazu Takagishi
吉和 高岸
Emiko Hamada
恵美子 浜田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiyo Yuden Co Ltd
Original Assignee
Taiyo Yuden Co Ltd
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Publication date
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  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明は、反射率が70%以上で、保存安
定性(光安定性及び熱安定性)に優れた、フタロシアニ
ン系色素膜を用いた光情報記録媒体を供給することを目
的とする。 【構成】 透光性を有する基板と、該基板の上に直接又
は他の層を介して設けられた光吸収層と、該光吸収層の
上に直接又は他の層を介して設けられた反射層と、該反
射層の上に直接又は他の層を介して設けられた保護層と
を備えた光情報記録媒体において、前記光吸収層が近赤
外吸収剤を含有した有機色素からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、有機色素を含有した
光吸収層を有し、該光吸収層に記録用レーザ光を照射し
たときに光学的な位相差を有するピットが形成されるよ
うにした光情報記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図6は光情報記録媒体の一例の一部切欠
斜視図、図7は図6のA部拡大図である。光情報記録媒
体10は、これらの図に示すように、透光性を有する基
板12と、基板12の上に設けられた光吸収層14と、
光吸収層14の上に設けられた光反射層16と、光反射
層16の上に設けられた保護層18とからなる。
【0003】ここで、光吸収層14は有機色素の薄膜か
ら形成されている。この有機色素としては種々のものが
使用されているが、最近はフタロシアニン系色素の使用
が検討されている。これはフタロシアニン系色素が熱安
定性及び光安定性に優れているという理由と、有機溶剤
によって可溶化させた有機色素の溶液をスピンコート法
という設備費のかからない安価な方法によって被覆して
有機色素の薄膜を得ることができるという理由からであ
る。
【0004】ところで、光情報記録媒体10の読み出し
反射率はCD規格によれば70%以上と規定されてい
る。光情報記録媒体10をCD規格に適合させるために
は、フタロシアニン系色素の再生用レーザ光の波長付近
における吸収を小さくさせる必要がある。そこで、光吸
収層14を形成するためのフタロシアニン系色素溶液
は、分子設計(錯体の中心金属の種類を変えたり、色素
骨格側鎖の官能基を置換すること)等によって吸収係数
や屈折率を、読み出し反射率70%以上がとれかつ記録
できる条件にして用いている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このフタロシ
アニン系色素溶液をスピンコート法により塗布する場
合、フタロシアニン系色素自体の構造及び塗布時の残留
溶剤等の影響により、その会合状態が溶液の時の会合状
態より変化し、それに伴って吸収スペクトルが変化す
る。
【0006】吸収スペクトルの変化は、それまで吸収の
少なかった吸収スペクトルピークの裾の部分に現われる
場合が多い。すなわち、スペクトルピークの裾の部分に
新たな吸収がコブ状あるいはテーリング状(メインピー
ク自体が太くなり、裾も幅広くて高くなる状態)に発生
する。
【0007】そして、この吸収が、ディスクの読み出し
レーザ波長と合致する場合、色素溶液の段階では、吸収
係数や屈折率を、読み出し反射率70%以上がとれかつ
記録できる条件にしたにもかかわらず、成膜した時点で
はCD規格に規定された70%以上の読み出し反射率が
得られないことがあるという問題があった。
【0008】この発明は、読み出し反射率が70%以上
で、保存安定性(熱安定性、光安定性)に優れた光情報
記録媒体を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記課題を
解決するために、透光性を有する基板と、該基板の上に
直接又は他の層を介して設けられた光吸収層と、該光吸
収層の上に直接又は他の層を介して設けられた光反射層
と、該光反射層の上に直接又は他の層を介して設けられ
た保護層とを備えた光情報記録媒体において、近赤外吸
収剤を含有した有機色素により前記光吸収層を形成し
た。
【0010】ここで、透光性を有する基板の材料として
は、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリオレフィ
ン、ガラス等を挙げることができるが、これら以外の材
料であっても、レーザ光に対する屈折率が1.4〜1.
6で、耐衝撃性に優れたものであれば使用することがで
きる。
【0011】基板は、例えば射出成形等の手段により成
形させることができる。また、基板にはあらかじめプリ
グルーブをスパイラル状に形成しておいてもよい。プリ
グルーブは、通常考えられるものであればどのような条
件のものでもよいが、深さは50〜250nmの範囲が
好ましい。プリグルーブは、基板を射出成形して製造す
る際にスタンパを押し当てることにより形成されるのが
一般的であるが、必ずしもこの方法に限られるものでは
ない。
【0012】近赤外吸収剤としては、アミニウム系近赤
外吸収剤、イモニウム系近赤外吸収剤を使用することが
できる。
【0013】アミニウム系近赤外吸収剤としては、例え
ば〔N,N−ビス−(p−ジブチルアミノフェノール)
−p−アミニウムヘキサフルオロアンチモネート、
〔N,N−ビス−(p−ジブチルアミノフェノール)−
p−アミニウムパークロレイト、〔N,N−ビス−(p
−ジブチルアミノフェノール)−p−アミニウムアイオ
ダイド等を使用することができる。
【0014】イモニウム系近赤外吸収剤としては、例え
ば〔N,N−ビス−(p−ジブチルアミノフェノン)−
p−アミノフェニル)−p−アミノフェニル〕イモニウ
ムパークロレイト、〔N,N−ビス−(p−ジブチルア
ミノフェノン)−p−アミノフェニル)−p−アミノフ
ェニル〕イモニウムヘキサフルオロアンチモネート、
〔N,N−ビス−(p−ジブチルアミノフェノン)−p
−アミノフェニル)−p−アミノフェニル〕イモニウム
アイオダイド等を使用することができる。
【0015】有機色素としては、フタロシアニン系色素
を挙げることができる。フタロシアニン系色素としては
フタロ環への官能基の導入により十分な溶剤溶解性が得
られれば上記近赤外吸収色素の効果が得られる。フタロ
シアニン可溶化のために挙げられる官能基としては、エ
ステル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アセチル
基、スルホン基、スルホン酸アミド基、アルコキシル
基、ハロゲン基、メルカプト基、アルキル基、アリル
基、アミノ基、フェニル基及びアリール基等を含むもの
を導入することができる。
【0016】フタロシアニンは、化1の様な化合物とし
て表わされる。化1の中心部Mは金属もしくは金属化合
物を表わし、具体的には、M=Cu,Co,Ni,Li
2 ,Fe,Pb,Ag,Sn,Zn,Pd,AlCl,
SiCl2 ,SnCl2 ,TiCl2 ,VO,GeCl
2 等を用いることができる。また、化1中の2〜5位,
2′〜5′位,2″〜5″位,2′″〜5′″位のフタ
ロ環各位置は溶剤可溶化のために前記の任意の官能基を
用いて置換することができる。置換の位置は4つのフタ
ロ環の同一位置、たとえば、4,4′,4″,4′″位
をそれぞれ置換していてもよいし、4つのフタロ環でそ
の位置が異なっていてもかまわない。また、任意の官能
基はその4つのフタロ環で同一のものでもよいし、異な
っていてもかまわない。また、それぞれ4つのフタロ環
を2つ以上の官能基で置換していてもかまわないし、そ
の2つ以上の官能基の種類が異なっていてもかまわな
い。また、それぞれの位置に置換される官能基はフタロ
環に直接置換したものでもよいし、すでに置換されてい
る他の官能基を介して置換される複合官能基であっても
かまわない。また、アミノ基、フェニル基、アリール基
等、さらに複数の官能基で置換可能となる。官能基で置
換したものに同一もしくは異なった官能基で、複数置換
したものであってもかまわない。具体的な化合物として
は、4,4′,4″,4′″−テトラ−エチルプロポキ
シスルホニルアミドフタロシアニンCu錯体、4,
4′,5″,5′″−テトラ−2,5ジエチルフェノキ
シフタロシアニンZn錯体、2,5,2′,5′,
2″,5″,2′″,5′″−オクタブロモ−4,
4′,4″,4′″−tert−ペントキシフタロシア
ニンZn錯体、4,4′,4″−トリ−ブトキシ−
3′″−ジエチルアミドフタロシアニンCo錯体、2,
3,5,2′,3′,5′,2″,3″,5″,
2′″,3′″,5′″−ドデカフルオロ−4,4′,
4″,4′″,テトラフェノキシフタロシアニンCu錯
体、4,4′,4″,4′″−テトラ−tert−ブチ
ルフタロシアニンPb錯体、4,4′,4″,4′″−
テトラ−ジアセチルアミド−2,2′,2″,2′″−
テトラクロロ−5,5′,5″,5′″−テトラ−チオ
フェニルフタロシアニンTiCl2 錯体等があげられ
る。
【0017】
【化1】
【0018】光吸収層中における近赤外吸収剤の割合
は、有機色素100重量部に対して1〜100重量部と
することができる。近赤外吸収剤が1重量部未満ではス
ペクトル形状が十分に変化しないので読み出し反射率7
0%以上が得られず、100重量部を越えると近赤外吸
収剤自体の吸収により読み出し反射率70%以上が得ら
れなくなるからである。なお、変調度、ジッタ特性等の
諸特性を踏まえたより好ましい範囲は、有機色素100
重量部に対し近赤外吸収剤5〜80重量部である。
【0019】光吸収層には、フタロシアニン系色素以外
の色素、近赤外吸収剤以外の成分、樹脂(例えばニトロ
セルロース等の熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマ
ー)、液ゴム等を含んでいてもよい。光吸収層は、上記
の色素及び任意の添加剤を有機溶剤(例えばアルコー
ル、アセチルアセトン、メチルセロソルブ、トルエン
等)で溶解したものを基板のプリグルーブが形成された
面、または、基板の上にコーティングした他の層の上に
被覆して形成することができる。
【0020】光吸収層の形成方法としては、スピンコー
ト法やディップコート法(この明細書ではこれらの方法
を溶液乾燥法という。)を採用することができるが、光
吸収層を形成する色素溶液の濃度、粘度、溶剤の乾燥速
度を調節することにより層厚を容易に制御できるため
に、スピンコート法が特に好ましい。
【0021】光反射層は、例えば、金、銀、アルミニウ
ムあるいはこれらを含む合金等の金属膜が好ましい。金
属膜は、蒸着法、スパッタリング等の手段により形成す
ることができる。なお、光反射層にはその酸化を防止す
るために耐酸化層を被覆させてもよい。
【0022】なお、光情報記録媒体の反射率を更に高め
るために、基板と光吸収層との間又は光吸収層と光反射
層との間に再生用レーザ光の波長に対して透明なエンハ
ンス層を形成してもよい。再生用レーザ光の波長に対し
て透明ということは、その材料の複素屈折率の虚数部K
ehs ≒0(0〜0.02)ということである。
【0023】そして、エンハンス層の膜厚dehs と光吸
収層dabs は、光吸収層の複素屈折率の実数部nabs
光吸収層の膜厚dabs 、エンハンス層の複素屈折率の実
数部nehs 、エンハンス層の膜厚dehs 及び再生用レー
ザ光の波長λによって与えられる値ρ=(nabs ・d
abs +nehs ・dehs )÷λが、0.05≦ρ≦1.6
になるように設定する。また、光吸収層の複素屈折率の
虚数kabs は0.04以下でなければならない。
【0024】また、光反射層を保護するために、光反射
層の上に直接又は他の層を介して保護層を形成するのが
好ましい。保護層は耐衝撃性の優れた合成樹脂によって
形成されることが望ましい。例えば紫外線硬化樹脂をス
ピンコート法により塗布し、紫外線を照射して硬化させ
ることにより形成する。
【0025】
【作用】近赤外吸収剤を含有させたフタロシアニン系色
素で光吸収層を形成させると、フタロシアニン系色素の
会合状態が変化し、再生用レーザ光の波長付近における
光吸収が減少する。
【0026】また、近赤外吸収剤の作用により、フタロ
シアニン系色素の会合状態が変化しても、フタロシアニ
ン系色素単体の場合より優れた熱安定性、光安定性が確
保される。
【0027】
【実施例】
実施例1 まず、スパイラル状のプリグルーブが一方の面に形成さ
れた円板状の基板を射出成形法により形成した。ここ
で、基板の材料としては透明なポリカーボネート板を使
用した。基板のサイズは、厚さ1.2mm、外径120
mmφ、内径15mmφとした。プリグルーブは、幅
0.62μm、深さ125nm、ピッチ1.6μmと
し、基板の直径46〜117mmφの範囲に形成した。
【0028】また、ドデカフルオロ−テトラフェノキシ
銅フタロシアニン錯体を8重量部、〔N,N−ビス−
(p−ジブチルアミノフェノール)−p−アミニウムヘ
キサフルオロアンチモネートを2重量部、各々秤量し、
これらを40g/リットルの濃度となるように2,2,
3,3−テトラフルオロプロパノールに溶解して色素溶
液とした。
【0029】この色素溶液の吸収スペクトルは図3に示
す通りであった。読み取り波長である780nm付近に
おける光吸収は図4の場合(塗布乾燥後の場合)と比較
して非常に小さいことが分かる。
【0030】次に、この色素溶液を基板のプリグルーブ
面にスピンコート法により塗布し、回転乾燥させて、膜
厚110nmの光吸収層を形成した。
【0031】そして、分光光度計(株式会社日立製作所
製 U−4000)を用い、この光吸収層付き基板の吸
収スペクトルを500〜900nmの範囲で測定したと
ころ、図1に示すようになった。図1によれば、このと
きの吸収ピーク波長及びその吸光度、783nmの吸光
度は表1のNo.1に示す通りであった。
【0032】次に、この光吸収層の上にオルガノポリシ
ロキサン液をスピンコート法により塗布し、80℃で3
0分間キュアリングしてエンハンス層を形成した。
【0033】次に、エンハンス層の上にAuをスパッタ
リングし、厚さ0.12μmの光反射層を形成した。
【0034】そして、光反射層の上に紫外線硬化性樹脂
(大日本インキ株式会社製 SD−17)をスピンコー
ト法により塗布し、これに紫外線を照射して硬化させ、
膜厚5μmの保護層を形成した。
【0035】次に、コンパクトディスクプレイヤー(株
式会社ケンウッド製 DP8010)を用い、このよう
にして形成された光情報記録媒体に再生用レーザ光を照
射して、783nmにおけるグルーブ反射率を調べた。
結果は表1のNo.1に示す通りとなった。
【0036】また、ソーラーシミュレータ(ウシオ電機
株式会社製:SSS−501S−ER)を用い、AM−
1の条件でこの光情報記録媒体に光を照射して耐光性試
験を行なった。結果は図2の線aに示す通りとなった。
【0037】比較例1 近赤外吸収剤である〔N,N−ビス−(p−ジブチルア
ミノフェノール)−p−アミニウムヘキサフルオロアン
チモネートを使用しなかった他は実施例1と全く同様に
して光吸収層付き基板を作成した。
【0038】そして、この光吸収層付き基板の吸収スペ
クトルを500〜900nmの範囲で求めたところ、図
4に示す通りとなった。この図4によれば、吸収ピーク
波長及びその吸光度、783nmの吸光度は、表1のN
o.2に示す通りであった。
【0039】また、この光吸収層付き基板について実施
例1と同様の条件で耐光性試験を行なったところ、図2
の線bに示す通りとなった。
【0040】次に、この光吸収層付き基板に光反射層及
び保護層を実施例1と同様にして形成し、783nmに
おけるグルーブ反射率を調べたところ、表1のNo.2
に示す通りとなった。
【0041】実施例2 シアニン系色素として、4,4′,4″,4′″−テト
ラ−tert−ブチルフタロシアニンPb錯体を使用
し、近赤外吸収剤として、〔N,N−ビス−(p−ジブ
チルアミノフェノン)−p−アミノフェニル)−p−ア
ミノフェニル〕イモニウムパークロレートを使用した他
は実施例1と全く同様にして光吸収層付き基板を作成し
た。
【0042】そして、この光吸収層付き基板の吸収スペ
クトルの吸収ピーク波長及びその吸光度、783nmの
吸光度を求めたところ、表1のNo.3に示す通りであ
った。
【0043】また、この光吸収層付き基板について実施
例1と同様の条件で耐光性試験を行なったところ、図5
の線cに示す通りとなった。
【0044】次に、この光吸収層付き基板に光反射層及
び保護層を実施例1と同様にして形成し、783nmに
おけるグルーブ反射率を調べたところ、表1のNo.3
に示す通りとなった。
【0045】比較例2 近赤外吸収剤として〔N,N−ビス−(p−ジブチルア
ミノフェノン)−p−アミノフェニル)−p−アミノフ
ェニル〕イモニウムパークロレートを使用しなかった他
は実施例2と全く同様にして光吸収層付き基板を作成し
た。
【0046】そして、この光吸収層付き基板の吸収スペ
クトルの吸収ピーク波長及びその吸光度、783nmの
吸光度を求めたところ、表1のNo.4に示す通りであ
った。
【0047】また、この光吸収層付き基板について実施
例1と同様の条件で耐光性試験を行なったところ、図5
の線dに示す通りとなった。
【0048】次に、この光吸収層付き基板に光反射層及
び保護層を実施例1と同様にして形成し、783nmに
おけるグルーブ反射率を調べたところ、表1のNo.4
に示す通りとなった。
【0049】実施例3 実施例1に用いたスパイラルグルーブ付きポリカーボネ
ート基板上に4,4’,4”,4’”−n−ペントキシ
フタロシアニンCo錯体を8重量部、〔N,N−ビス−
(p−ジブチルアミノフェノール)−p−アミニウムパ
ークロレートを2重量部を各々秤量し、これらを30g
/リットルの濃度となる様、メチルセロソルブに溶解し
て色素溶液としたものを、スピンコート法により塗布
し、回転乾燥させて、膜厚125nmの光吸収層を形成
した。
【0050】これを実施例1と同様に吸収スペクトルを
測定したところ、吸収ピーク波長及びその吸光度、78
3nmの吸光度は、表1のNo.5に示す通りであっ
た。
【0051】次に、この光吸収層付き基板を80℃で3
0分間キュアリングした後、光吸収層上にAuをスパッ
タリングし、厚さ0.12μmの光反射層を形成した。
【0052】そして、光反射層上に、実施例1と同様
に、紫外線硬化性樹脂により、保護膜を形成した。
【0053】次に実施例1と同様の装置を用いて783
nmにおけるグルーブ反射率を測定したところ、結果は
表1のNo.5に示す通りであった。
【0054】また、実施例1と同様の装置を用いて、A
M−1の条件で耐光性試験を行なった。結果は図8のe
に示す通りとなった。
【0055】比較例3 近赤外吸収剤である〔N,N−ビス−(p−ジブチルア
ミノフェノール)−p−アミニウムパークロレートを使
用しなかった他は、実施例3と全く同様にして光吸収層
付き基板を作成した。
【0056】そして、これを実施例1と同様に吸収スペ
クトルを測定したところ、表1のNo.6に示す通りで
あった。
【0057】次に、実施例3と同様にしてAu反射膜及
び保護層を設けて783nmにおけるグルーブ反射率を
測定したところ、結果は表1のNo.6に示す通りであ
った。
【0058】また、実施例1と同様の装置を用いて耐光
性試験を行なった。結果は図8のfに示す通りとなっ
た。
【0059】
【表1】
【0060】実施例1〜3の結果と比較例1〜3の結果
との比較から明らかな様に、光吸収層に近赤外吸収剤を
加えると、吸収ピークがよりシャープになり、780n
m付近のテーリング状の吸収も減少している。そのた
め、最大吸収波長及びその吸光度がほゞ同様であるにも
かかわらず、783nmの吸光度は実施例1〜3の方が
比較例1〜3よりも少なくなっている。そのため、反射
率も実施例1〜3が比較例1〜3より高くなっているこ
とがわかる。
【0061】また、実施例1と比較例1との比較(図2
参照)、実施例2と比較例2との比較(図5参照)及び
実施例3と比較例3との比較(図8参照)から明らかな
様に、光吸収層に近赤外吸収剤を加えると、吸収ピーク
劣化率(%)も非常に良好になることが分かる。
【0062】なお、上記各実施例では光情報記録媒体の
読み取り波長を780nmとしたが、この発明において
読み取り波長は780nmの場合に限定されるものでは
なく、他の波長(例えば830nm、670nm)の場
合にももちろん適用できるものである。
【0063】
【発明の効果】この発明によれば、再生用レーザ光の波
長付近における光吸収を大きくしている有機色素の会合
が近赤外吸収剤の作用により変化し、再生用レーザ光の
波長付近における光吸収が減少し、読み出し反射率が7
0%以上の光情報記録媒体を得ることができるという効
果がある。
【0064】また、この発明によれば、読み出し反射率
が70%以上で、熱安定性、光安定性の良い、保存安定
性に優れた光情報記録媒体を得ることができるという効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例1に係る光吸収層付き基板の吸収
スペクトル図である。
【図2】図2は露光時間と吸収ピーク劣化率との関係を
実施例1及び比較例1に係る光吸収層付き基板について
示すグラフである。
【図3】図3はドデカフルオロ−テトラフェノキシ銅フ
タロシアニン錯体DMF溶液の吸収スペクトル図であ
る。
【図4】図4は比較例1に係る光吸収層付き基板の吸収
スペクトル図である。
【図5】図5は露光時間と吸収ピーク劣化率との関係を
実施例2及び比較例2に係る光吸収層付き基板について
示すグラフである。
【図6】図6は光情報記録媒体の一例の一部切欠斜視図
である。
【図7】図7は図6のA部拡大図である。
【図8】図8は露光時間と吸収ピーク劣化率との関係を
実施例3及び比較例3に係る光吸収層付き基板について
示すグラフである。
【符号の説明】
10 光情報記録媒体 12 基板 14 光吸収層 16 光反射層 18 保護層

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透光性を有する基板と、該基板の上に直
    接又は他の層を介して設けられた光吸収層と、該光吸収
    層の上に直接又は他の層を介して設けられた光反射層
    と、該光反射層の上に直接又は他の層を介して設けられ
    た保護層とを備えた光情報記録媒体において、前記光吸
    収層が近赤外吸収剤を含有した有機色素からなることを
    特徴とする光情報記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記近赤外吸収剤がアミニウム系近赤外
    吸収剤であることを特徴とする請求項1記載の光情報記
    録媒体。
  3. 【請求項3】 前記アミニウム系近赤外吸収剤が〔N,
    N−ビス−(p−ジブチルアミノフェノール)−p−ア
    ミニウムヘキサフルオロアンチモネート、〔N,N−ビ
    ス−(p−ジブチルアミノフェノール)−p−アミニウ
    ムパークロレイト又は〔N,N−ビス−(p−ジブチル
    アミノフェノール)−p−アミニウムアイオダイドであ
    ることを特徴とする請求項2記載の光情報記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記近赤外吸収剤がイモニウム系近赤外
    吸収剤であることを特徴とする請求項1記載の光情報記
    録媒体。
  5. 【請求項5】 前記イモニウム系近赤外吸収剤が〔N,
    N−ビス−(p−ジブチルアミノフェノン)−p−アミ
    ノフェニル)−p−アミノフェニル〕イモニウムパーク
    ロレート、〔N,N−ビス−(p−ジブチルアミノフェ
    ノン)−p−アミノフェニル)−p−アミノフェニル〕
    イモニウムヘキサフルオロアンチモネート又は〔N,N
    −ビス−(p−ジブチルアミノフェノン)−p−アミノ
    フェニル)−p−アミノフェニル〕イモニウムアイオダ
    イドであることを特徴とする請求項4記載の光情報記録
    媒体。
  6. 【請求項6】 前記有機色素がフタロシアニン系色素で
    あることを特徴とする請求項1記載の光情報記録媒体。
  7. 【請求項7】 前記フタロシアニン系色素が、フタロ環
    への官能基の導入により、溶剤に可溶でかつ、前記請求
    項1の近赤外吸収剤も前記溶剤に可溶でかつ、これらの
    混合溶液が溶液乾燥法により、成膜可能であることによ
    り、前記請求項1の近赤外吸収剤を含有した光吸収層が
    得られることを特徴とする請求項6記載の光情報記録媒
    体。
  8. 【請求項8】 前記フタロシアニン系色素が、フタロ環
    側鎖を、エステル基、カルボキシル基、ヒドロキシル
    基、アセチル基、スルホン基、スルホン酸アミド基、ヒ
    ドロキシル基、アルコキシル基、ハロゲン基、メルカプ
    ト基、アルキル基、シクロアルキル基、アリル基、アミ
    ノ基、フェニル基及び飽和もしくは不飽和の複素環化合
    物で置換した化合物であることを特徴とした請求項6も
    しくは7記載の光情報記録媒体。
  9. 【請求項9】 前記光吸収層における前記近赤外吸収剤
    の割合が有機色素100重量部に対して5〜80重量部
    であることを特徴とする請求項1〜8記載の光情報記録
    媒体。
  10. 【請求項10】 前記基板と前記光吸収層との間または
    前記光吸収層と前記光反射層との間に、再生用レーザ光
    の波長に対して透明なエンハンス層を有することを特徴
    とする請求項1〜9記載の光情報記録媒体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998016588A1 (fr) * 1996-10-14 1998-04-23 Nippon Shokubai Co., Ltd. Composes de phtalocyanine, procede de preparation desdits composes et support d'enregistrement optique les comprenant
US5998609A (en) * 1996-10-14 1999-12-07 Nippon Shokubai Co., Ltd. Phthalocyanine compounds, process for preparing the same, and optical recording medium made using the same

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WO1998016588A1 (fr) * 1996-10-14 1998-04-23 Nippon Shokubai Co., Ltd. Composes de phtalocyanine, procede de preparation desdits composes et support d'enregistrement optique les comprenant
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