JPH08323917A - 銅張樹脂複合材料 - Google Patents

銅張樹脂複合材料

Info

Publication number
JPH08323917A
JPH08323917A JP15522195A JP15522195A JPH08323917A JP H08323917 A JPH08323917 A JP H08323917A JP 15522195 A JP15522195 A JP 15522195A JP 15522195 A JP15522195 A JP 15522195A JP H08323917 A JPH08323917 A JP H08323917A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
epoxy resin
copper
composite material
curing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP15522195A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Toshima
宏 戸島
Akihiro Atsumi
昭洋 渥美
Masaharu Yamamoto
雅晴 山本
Kanji Miyao
巻治 宮尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tonen General Sekiyu KK
Original Assignee
Tonen Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tonen Corp filed Critical Tonen Corp
Priority to JP15522195A priority Critical patent/JPH08323917A/ja
Publication of JPH08323917A publication Critical patent/JPH08323917A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Insulated Metal Substrates For Printed Circuits (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 3〜50重量部の多官能エポキシ樹脂、臭素
含有量が全エポキシ樹脂量に対して25重量%以下にな
るような量の臭素化エポキシ樹脂、及びビスフェノール
A型の2官能エポキシ樹脂からなる100重量部のエポ
キシ樹脂に、ジシアンジアミド1.0〜4.0重量部と
該ジシアンジアミドに対して10〜95モル%の常温で
潜在性をもつ硬化促進剤を添加した樹脂組成物を、銅箔
上に20〜200μmの厚みで直接ホットメルトコーテ
ィングしてなることを特徴とする銅張樹脂複合材料及び
上記銅張樹脂複合材料を加熱し、含浸及び半硬化してな
ることを特徴とする銅張樹脂複合材料。 【効果】 上記ホットメルト系樹脂組成物により、ボイ
ドの殆ど存在しない平滑で、速硬化可能な銅張樹脂複合
材料を製造することができる。これにより、金属ベース
基板の低温での成型や成型効率のアップ、難燃性や接着
強度を維持しつつ高いTgやハンダ耐熱性を保持した信
頼性の高い基板を製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は金属ベースプリント基板
等の製造に有用なエポキシ樹脂組成物を銅箔上に任意の
厚みでコーティングして得られる銅張樹脂複合材料に関
する。詳しくは、実質的に溶媒を含まないホットメルト
法により保存安定性が良好で、かつ成型時に速硬化を発
揮し、これによりボイドレスかつ平滑性に優れた樹脂膜
(銅張樹脂)の製造を可能とし、金属ベースプリント基
板としての従来性能(電気絶縁性や耐電圧、難燃性等)
を維持・向上しつつ、平滑でボイドが殆ど存在しない信
頼性の高い、また耐熱性の向上したプリント基板を得る
ことができる銅張樹脂複合材料に関する。
【0002】
【従来の技術】プリント基板にはその用途の点から分類
して、ガラス強化繊維と熱硬化性樹脂とからなるプレプ
リグ(PP)を積層・硬化成形してなる厚み0.1〜
1.6mmのガラスエポキシ絶縁層基板と、ガラス強化
繊維と熱硬化性樹脂、若しくは熱硬化性樹脂のみ、さら
には各種の無機微粒子を含む熱硬化性樹脂からなる厚み
20〜200μmで、片面に用途に応じた金属基板を付
帯した金属ベースプリント基板の2種が存在する。前者
は、積層・硬化成型時に片面若しくは両面に電気回路用
の電解銅箔を付着したものであり、現在、多種多様の電
子回路の絶縁層基板として大量に使用されている。
【0003】一方、後者の金属ベース基板は、亜鉛メッ
キ鋼鈑、ケイ素鋼鈑、鉄並びにアルミ板をベース基材と
し、鋼鈑の片面にガラス強化繊維と熱硬化性樹脂、若し
くは熱硬化性樹脂のみ、さらには各種の無機微粒子を含
む熱硬化性樹脂からなる厚み20〜200μmの絶縁層
を、さらにその上部に電気回路用の電解銅箔を積層・硬
化成型したものである。最近のエレクトロニクスの高性
能化、高集積化、小型化のニーズに伴い、金属固有の特
性である放熱性、機械強度、塑性変形に伴う加工性、磁
気特性等を保有した絶縁基板、すなわち金属ベース基板
が開発され、各種モーター類のインバーターやコンバー
ター等に使用されている。ただ、最近の電子機器分野で
は、さらなる機材の小型化、高集積化、さらには基板の
信頼性の向上や用途拡大に向けて、速硬化可能で成型効
率が向上し、かつ平滑でボイドレスの耐熱性及び信頼性
の高い金属ベース基板の製造が強く望まれている。これ
について、以下に詳しく説明する。
【0004】従来の金属ベース基板の絶縁層としては、
一般にソルベント方式で製造されたPP(ガラス強化繊
維プレプリグ、略してガラエボ)若しくは銅箔片面に樹
脂のみを塗工した銅張樹脂複合材料が用いられてきた。
ソルベントPPの場合、エポキシ樹脂を予めメチルセロ
ソルブ、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、
ジメチルアセトアミド、アセトン等の溶剤に溶解して、
ガラスクロスを該エポキシ樹脂ワニス槽に通してクロス
に樹脂を含浸・付着させる。その後、スクイズローラー
により、クロスに付着した樹脂を規定量に絞り、乾燥・
半硬化炉に導くことにより溶剤の乾燥並びに樹脂の半硬
化を実施して製造される。また、銅箔の片面に樹脂を塗
工した銅張樹脂の場合には、銅箔基材上にソルベントを
含む樹脂ワニスをコーティングして、上記乾燥・半硬化
工程により銅張樹脂が製造される。このようにソルベン
ト方式では、固形樹脂を溶媒に溶かした樹脂ワニスを各
基材に塗布する方式がとられるが、該製造法において
は、樹脂並びに硬化剤、さらには硬化促進剤を溶媒を用
いてエポキシ樹脂中に溶解するため、樹脂の安定性が悪
いために塗工工程において樹脂溶解槽中の樹脂が経時的
に変化し、長時間での製品の安定製造が難しいのが現状
である。
【0005】また、硬化剤や硬化促進剤の量を最小限に
低下させ、樹脂の安定性並びに製造安定性を確保するこ
とも可能ではあるが、製品の安定製造の点から硬化剤や
硬化促進剤の量が制限されることから、製品のプリプレ
グ若しくは銅張樹脂の積層・硬化成型時にかなり高い温
度と長時間を要し、エネルギー的にも、また時間的にも
成型効率が悪いという欠点を持つ。さらに、硬化条件が
シビアな事に起因して製造後の基板に応力集中やソリが
発生し、基板の性能や信頼性を低下させるという事態に
も陥りやすい。
【0006】さらに、ソルベント法においては、乾燥・
半硬化炉により溶媒の除去と樹脂の半硬化が実施される
が、該工程においてはソルベントの蒸発に伴い樹脂の粘
度が著しく増大するため、ソルベントを完全に蒸発・除
去して均一かつ平滑な製品を製造することは、溶媒の種
類や混合量、乾燥炉内の温度勾配やライン速度等かなり
多くの制御因子があり、高速安定製造に困難を伴う。一
般的には、溶媒を完全に除去することは困難であり、製
品の樹脂中にはかなりのボイドが残存すると共に(例え
ば、PPの場合、数百個〜5,000/inch2程度
存在)、表面にはソルベントの蒸発に起因する厚みむら
やソルベントが抜けた跡が微少な凹凸として残存する。
これにより、成型後に樹脂中やベース金属基板あるいは
銅箔との界面でボイドが残存すると共に、絶縁層厚みが
不均一となり、各種性能、特に耐電圧や絶縁破壊電圧等
の電気性能、さらにはハンダ耐熱特性や耐熱耐久性等の
耐熱特性の信頼性が著しく低下する。従って、ソルベン
トを全く使用せず、硬化成型時に速硬化可能で成型効率
が向上でき、ボイドを含まない均一かつ平滑な金属ベー
ス基板用の銅張樹脂複合材料のニーズが非常に高い。
【0007】一方、溶媒を全く含まないホットメルトタ
イプの熱硬化性樹脂を用いる場合、従来のソルベント法
に使用されている一般的な硬化剤や硬化促進剤、例え
ば、2−エチル−4−メチルイミダゾール(2E4M
Z)等の液状イミダゾール類を用いた場合は、エポキシ
樹脂中にこれらが溶解されるために熱安定性が悪く、安
定製造は困難であるのが実状であった。従って、ホット
メルト樹脂を用いる場合には、熱安定性が良好で製品の
安定製造が可能な樹脂組成、特に硬化剤並びに硬化促進
剤組成を作り上げることが最重要課題であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上のことから明らか
なように、従来の金属ベース基板においては、ソルベン
ト方式のPP若しくは銅張樹脂複合材料が使用されてお
り、これらを用いた場合には、上記に詳述したようにソ
ルベント使用に起因する安定製造の困難さ、低成型効
率、成型時のシビアな熱履歴に起因する基板のソリの発
生、樹脂中若しくは表面のボイドや凹凸の発生、等の由
々しき問題点があり、また、ホットメルトタイプを用い
た場合には、プリント基板として必要な難燃特性や電気
特性を維持しつつ、銅張樹脂複合材料の製造安定性確保
のための主剤、硬化剤若しくは硬化促進剤組成に関して
解明並びに最適化がなされていなかった。
【0009】従って、本発明の目的は、電子機器の小型
化、高集積化に伴う基板の信頼性の向上並びに成型効率
の向上等の要求に従い、ソルベント方式の銅張複合材料
使用に伴う欠点を解決し、速硬化による成型効率の向上
並びに平滑でボイドレスの耐熱性及び信頼性の高い金属
ベース基板の製造を可能とする、実質的に溶媒を含まな
いホットメルトタイプのエポキシ樹脂組成物からなる銅
張樹脂複合材料を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、3〜5
0重量部の多官能エポキシ樹脂、臭素含有量が全エポキ
シ樹脂量に対して25重量%以下になるような量の臭素
化エポキシ樹脂、及びビスフェノールA型の2官能エポ
キシ樹脂からなる100重量部のエポキシ樹脂に、ジシ
アンジアミド1.0〜4.0重量部と該ジシアンジアミ
ドに対して10〜95%モルの常温で潜在性をもつ硬化
促進剤を添加した樹脂組成物を、銅箔上に20〜200
μmの厚みで直接ホットメルトコーティングしてなるこ
とを特徴とする銅張樹脂複合材料が提供される。また、
請求項1記載の銅張樹脂複合材料を加熱し、含浸及び半
硬化してなることを特徴とする銅張樹脂複合材料が提供
される。
【0011】以下、本発明を詳しく説明する。本発明の
エポキシ樹脂組成物に用いるエポキシ樹脂主剤は、3〜
50重量部の多官能エポキシ樹脂、臭素含有量が全エポ
キシ樹脂量に対して0〜25重量%になるような量の臭
素化エポキシ樹脂及びビスフェノールA型の2官能エポ
キシ樹脂、併せて100重量部からなる。多官能エポキ
シ樹脂には、油化シェル(株)、住友化学(株)、旭化
成(株)、大日本インキ(株)等上市されているオルソ
クレゾールノボラックタイプ,フェノールノボラックタ
イプ,グリシジルアミン系等の2官能より以上の樹脂が
あり、ノボラックタイプではエポキシ当量170〜25
0,グリシジルアミン系ではエポキシ当量90〜150
である。なお、耐熱性の点では、窒素を含まないノボラ
ックタイプの方が好ましい。
【0012】また、樹脂の塩素濃度も重要であり、加水
分解性塩素で800ppm、好ましくは500ppm以
下がよい。この加水分解性塩素含有量が高い場合には、
硬化剤若しくは硬化促進剤であるアミンの窒素原子を塩
素イオンがマスキングし、これによりアミンの求核性が
急激に低下するために、反応速度が急激に低下すると共
に、一部に未反応箇所が残存して成型基板の性能を低下
させる。また、塩素は分極性が高く、ラジカル熱分解を
促進するために、これが多い場合には基板の耐熱性も著
しく低下する。主剤樹脂100重量部当たり3〜50重
量部、好ましくは5〜30重量部の多官能エポキシ樹脂
を配合することにより、硬化後のエポキシ樹脂の網目密
度が強化され、耐熱性及びTgの向上をもたらす。鋭意
検討した結果、多官能エポキシ樹脂が50重量部よりも
多い場合には、系内のエポキシ基が多くなり過ぎ、エポ
キシ基の立体障害により若干の硬化不良を招く。また、
系の粘度が高すぎて樹脂の塗工やPP化が困難となる。
3重量部より少ない場合には、Tgやハンダ耐熱性がや
や低下する傾向にある。
【0013】上記の多官能エポキシ樹脂の具体例として
は、以下のものが挙げられる。 フェノールノボラックタイプ: 油化シェル(株):エピコート152(2.2官能)、
エピコート154(3.5官能+)、 大日本インキ(株):エピクロンN730(2.5官
能)、エピクロンN740(3.6官能)、エピクロン
N738〜740(3.5〜4.5官能)、 日本化薬(株):EPPN201、RE300等。 クレゾールノボラックタイプ: 油化シェル(株):エピコート180シリーズ、 旭化成(株):A.R.E273、280、299、 住友化学(株):ESCN−195X、220、 大日本インキ(株):エピクロンN−665、670、
673、680、690、695、 日本化薬(株):ECON−100、102S、103
S、104S等。 グリシジルアミン系: 油化シェル(株):エピコート604〔テトラグリシジ
ルジアミノジフェニルメタン(TGDDM)〕、 住友化学(株):ELM−100(3官能)、ELM−
120(3官能)、ELM−434(4官能)、 大日本インキ(株):エピクロン421L(3官能)、
430(4官能)。 その他のグリシジルアミン系: トリグリシジル−p−アミノフェノール(3官能)〔チ
パガイギー(株)、東都化成(株)〕 テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン(4官能)
〔三菱ガス化学(株)〕 トリグリシジル−メタアミノフェノール(3官能)〔住
友化学(株)〕。
【0014】また、本発明においては、主剤エポキシ樹
脂100重量部当たり、臭素含有量が0〜25重量%
(好ましくは5〜20重量%)になるような量の臭素化
エポキシ樹脂が配合される。臭素化エポキシ樹脂では、
ビスフェノールA型のエポキシ樹脂の芳香環水素の一部
が臭素に置換しているタイプが一般的であり、高臭素化
タイプ(臭素含有量45〜55重量%)と低臭素化タイ
プ(臭素含有量10〜30重量%)がある。樹脂100
重量部に対して、臭素含有量が25重量%を越えると、
UL(Underwriter Laboratori
es)規格に則った燃焼試験において、難燃性に関する
UL94安全規格のV−0規格は達成できるが、粘度上
昇が甚だしく樹脂の混合が困難になると共に、硬化不良
や高温下での臭素の分解頻度が増大し、製品のTgや耐
熱性が著しく低下する。
【0015】上記臭素化エポキシ樹脂の具体例として
は、以下のものが挙げられる。 高臭素化タイプ: 油化シェル(株):エピコート5050T60、505
0、5051、 チバガイギー(株):アラルダイトXAC8100、8
049SP、XAC8101、 住友化学(株):ESB340、ESB400、 大日本インキ(株):エピクロン152、 東都化成(株):エポメートYDB340、YDB40
0、 三井石油化学(株):EPOMIK R210、R21
1等。 低臭素化タイプ: 油化シェル(株):エピコート5045B80、504
6B80、5048B70、5049B70、 チバガイギー(株):アラルダイトXAC5010、8
011LA、8024LA、 住友化学(株):ESB500、ESB700、 大日本インキ(株):エピクロン1120、 東都化成(株):エポメートYDB500、YDB70
0等。
【0016】さらに、本発明においては、主剤樹脂の残
部[100−(多官能エポキシ樹脂+臭素化エポキシ樹
脂)]については、ビスフェノールA型の2官能エポキ
シ樹脂を用いる。ビスフェノールA型の2官能エポキシ
樹脂には、油化シェル(株)、住友化学(株)、旭化成
(株)、大日本インキ(株)等で上市されているジグリ
シジルエーテル,ジグリシジルエステルタイプの樹脂が
ある。これらのビスフェノールA型の2官能エポキシ樹
脂の具体例としては、以下のものが挙げられる。 油化シェル(株):エピコート828、834、100
1、1002、1003、1004等、 大日本インキ(株):エピクロン840、850、85
5、860、900、830等、 住友化学(株):ELA115、127、128、13
4等、 旭化成(株):A.E.R330、331、354、33
7、661、662等、 日本化薬(株):RE−403S、−404S、−41
0S、−310S、−304S等。
【0017】ここでビスフェノールA型のエポキシ樹脂
は、n−ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシ
ルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、
ジグリシジルエーテル、ブタンジオールグリシジルエー
テル等の脂肪族側鎖、場合によっては芳香環を1個含む
液状グリシジル化合物(モノマー化合物)を実質的には
含まない。これらの液状グリシジルモノマーは、反応性
希釈剤として反応性を有する溶媒と同様に使用される
が、鋭意検討した結果、これが存在すると、基板中のボ
イドの原因となるばかりでなく、硬化後の樹脂の構造中
に、脂肪族成分が多くなり、リジッド性の高い芳香環が
減少するため、Tgや耐熱性が著しく損われる。
【0018】本発明の樹脂組成物〔B〕においては、主
剤樹脂100重量部に対し、硬化剤としてジシアンジア
ミド(Dicy)1.0〜4.0重量部(好ましくは
1.5〜3.0重量部)が配合される。ホットメルト樹
脂の製造時の熱安定性並びに製造後の基板性能について
鋭意検討した結果、常温で結晶性の固体であり液状エポ
キシ樹脂に混合後も樹脂中に溶解されずに分散状態で存
在するジシアンジアミド(Dicy)を用いることによ
り、混合後の樹脂が潜在性をもち、保存安定性が良好と
なり、安定的にコーティングできることが明らかになっ
た。また、Dicyの添加量と銅張樹脂の製造条件及び
生成基板の特性について詳細に検討した結果、Dicy
配合量が1.0重量部未満である場合、硬化剤不足に伴
い硬化が不充分となり、また4.0重量部を越えると、
半硬化後の製品の保存安定性が顕著に低下すると共に、
基板の耐熱特性並びに耐久性が低減する。
【0019】本発明においては、常温で潜在性の硬化促
進剤が配合される。その配合量はDicyに対して10
〜95モル%(モル比)であり、好ましくは、Dicy
に対して20〜70モル%である。硬化促進剤がDic
yに対して10モル%未満である場合には、促進剤不足
となり、促進剤がDicyとエポキシ樹脂との反応を充
分に触媒できないため、速硬化が発現できず、逆に95
モル%を越えた場合には、反応活性な促進剤が多すぎる
ために銅張樹脂の製造安定性、並びに製造後の樹脂の保
存安定性が悪くなり、耐熱性も低下する。
【0020】常温で潜在性の硬化促進剤としては、硬化
速度と耐熱性の向上の点からイミダゾール化合物が好ま
しい。ただ、この場合、一般的に使用される2−メチル
イミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール
は、エポキシ樹脂中に常温混合下でも溶解され、反応が
開始するため、保存安定性並びに製造安定性が悪く好ま
しくない。
【0021】これに対して、例えば2位に長鎖脂肪族側
鎖やフェニル基のついたイミダゾール化合物であれば、
常温では結晶性の固体でありエポキシ樹脂中に殆ど溶解
せず、高温下で溶解・反応開始があるため、(即ち、常
温で潜在性の硬化促進剤であるため)樹脂の保存安定性
並びに銅張樹脂の製造安定性が得られる。このように、
常温ではエポキシ樹脂中に溶解しないイミダゾール化合
物を硬化促進剤として添加することに特徴があり、例え
ば、2−ウンデシルイミダゾール[四国化成(株)製C
11Z]、2−ヘプタデシルイミダゾール[四国化成
(株)製C17Z]、2−フェニルイミダゾール[四国
化成(株)製2PZ]や、1−シアノエチル−2−エチ
ル−4−メチルイミダソール[四国化成(株)製 2E
4MZ−CN]、さらには特開昭64−70523号公
報に記載されるマイクロカプセル型のイミダゾール低温
型硬化剤等が挙げられる。
【0022】前述の様に、2MZや2E4MZの様に、
1位に水素が、2位にC1、C2の短い脂肪族側鎖が付
帯したイミダゾール類の場合、常温でもエポキシ樹脂に
溶解され反応が開始するために保存安定性、これに伴う
製造安定性が確保できないが、2位にC11以上の脂肪
族側鎖や芳香環が、1位に水素のみならずこれに代わっ
てシアノエチル基等の側鎖を付帯した場合には、常温で
結晶性の固体であり、エポキシ樹脂には殆ど溶解されな
いために、これを用いることにより樹脂に潜在性が付与
される。潜在性を付与する手法としては、上記のように
高分子量イミダゾールを用いて樹脂への溶解を防ぐ手法
や、イミダゾール化合物の表面をマイクロカプセルで被
覆して樹脂と硬化促進剤との接触を断つ手法がある。鋭
意検討した結果、何れの手法においても規定の添加量の
範囲内であれば保存性並びに製造安定性が良好であり、
速硬化を実現しつつ生成基板の各種特性についても向上
することが明らかになった。
【0023】また、硬化促進剤として他の3級アミン化
合物も使用することができる。3級アミン化合物として
は、上記イミダゾール類以外に、3−(3,4−ジクロ
ロフェニル)−1,1−ジメチルウレア(DCMU)や
2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノー
ル(DMP−30)、さらには1級や2級アミンとエポ
キシ樹脂とを予め反応させて製造した3級アミン類(エ
ポキシアダクト類)等が挙げられる。
【0024】本発明においては、増粘剤による樹脂のタ
ック制御として、エポキシ樹脂〔A〕に対して芳香族ア
ミン化合物1.0〜10.0モル%添加するもできる。
この場合、芳香族アミン類としては、メタフェニレンジ
アミン(MPDA)、オルトフェニレンジアミン(OP
DA)、パラフェニレンジアミン(PPDA)、ジアミ
ノジフェニルメタン(DDM)等の単独あるいは共融混
合物、さらには、これらとエポキシ樹脂とを反応させて
製造する芳香族アミンアダクト類、等が挙げられる(特
開平5−262903号公報)。芳香族アミンでは、脂
肪族アミンに比較してアミン窒素が芳香環に隣接するた
めに窒素原子の電子局在化度合いが小さく、求核性がか
なり低いため、エポキシ樹脂〔A〕に対して1.0〜1
0.0モル%添加した場合、常温下で緩慢な反応に伴う
増粘と反応停止(製造後1週間程度)に伴う粘度の安定
化をもたらし、樹脂の半硬化を実施しない場合は、樹脂
若しくはPPのタック(樹脂のベタツキ)をなくし取り
扱い性を大きく改善できる。加熱炉を用いて樹脂を半硬
化しない場合、上記手法は製品取り扱い性改善の上でか
なり有効である。添加量が1.0モル%より少なけれ
ば、増粘硬化が小さく、10.0モル%超過である場合
には、増粘が速すぎて樹脂の塗工・安定製造に支障をき
たす。
【0025】このようにしてられたエポキシ樹脂組成物
の粘度は、50℃において1,000〜1,000,0
00cpsであることが好ましい。この場合、樹脂の混
合や銅箔基材へのコーティングを考慮すれば、50,0
00〜500,000cpsであることがより好まし
い。若し、1,000cps未満である場合には、樹脂
の混合は容易であるが、樹脂を銅箔上面へコーティング
した際に樹脂が低粘度過ぎて一部流動し、コーティング
面が不均一となり易い。また、含浸や半硬化処理を行っ
た場合に、樹脂の粘度が低すぎて樹脂がより広範囲に移
動して、均一厚みの銅張樹脂を得ることが困難となる。
また、樹脂粘度が1,000,000cpsを越えた場
合には、樹脂の混合並びに均一かつ平滑なコーティング
が困難となる。
【0026】また、マトリクス樹脂のコーティングによ
り得られた銅張樹脂複合材料は、熱処理され、樹脂が含
浸・半硬化した銅張樹脂複合材料を製造することもでき
る。この場合、規定時間熱処理することにより、銅箔マ
ット面への樹脂の充分な含浸並びに半硬化処理が施さ
れ、基板の積層・成型時の硬化速度や樹脂フロー量を制
御することができる。この場合、樹脂の反応速度を鑑み
たうえで熱処理の温度と滞留時間が制御され、基板成型
時の樹脂フロー、速硬化性、成型後の基板厚みの均一性
等の出来栄えを考慮すれば、150℃におけるゲル化時
間が90秒以下であることが好ましい。90秒超過の場
合には、成型時の樹脂フローが多すぎ、成型後の絶縁層
厚みがかなり薄くなることにより、所定の電気特性、特
に耐電圧や絶縁破壊電圧を維持することが困難となる。
【0027】ここで用いられるシート状銅箔基材として
は、厚み9〜105μmで、片面に電解処理を施し、微
妙な凹凸、すなわちマット面を持つ電解銅箔であること
が好ましい。マトリクス樹脂はシート状マット面にコー
ティングされることにより銅張樹脂材料が製造され、こ
れを積層・硬化すれば樹脂が微細な凹凸を持つマット面
に充分に密着・含浸した、高い接着強度を持つ金属ベー
ス基板が得られる。
【0028】前述したように、従来金属ベース基板用に
使用されているソルベント系のプリプレグや銅張樹脂の
場合、ソルベントを用いることにより樹脂の安定性を確
保して、プリプレグ若しくは銅張樹脂複合材料を安定的
に製造するためには、硬化剤及び硬化促進剤の量を最小
限に低減しなければならず、従って、コーティング後の
樹脂ワニスの反応性が低いために、製造時のライン速度
を遅くするか、あるいは非常に長い乾燥・半硬化炉が必
要となるだけでなく、得られた銅張樹脂若しくはプリプ
レグの反応性が低く、成型に高温長時間を必要とする。
さらに、該材料はソルベントを用いるために、ソルベン
トの蒸発に伴う気泡が樹脂表面及び内部に残存して成型
後の基板の平滑性や気密性を損ない、電気性能や難燃性
能のみならず、耐熱性能や信頼性を著しく損なう原因と
なる。例えば、ソルベント系の銅張複合材料の場合、数
十個〜数百個/inch2程度、さらに場合によっては
数千個/inch2程度のボイドを含むのが一般的であ
る。
【0029】しかしながら、前述したホットメルト系銅
張樹脂複合材料では、樹脂組成物の主剤や硬化剤、硬化
促進剤の種類と量、さらには混合後の樹脂組成物の溶融
挙動を制御することにより、実質的に溶媒を用いないホ
ットメルト樹脂を用いて安定的に混合、樹脂の基材への
コーティングを実現し、ボイドを激減させ、平滑な銅張
樹脂複合材料を安定的、かつ迅速に製造するに至った。
本発明ではボイドが激減し、数個〜50個/inch2
程度、製造条件の最適化等により、20個/inch2
程度以下に低減できる。これにより、ソルベント系で欠
点となっていた硬化速度を高め、銅張樹脂材料の安定か
つ迅速な製造を実現するのみならず、基板の積層成型時
の効率の向上、より容易に平滑なボイドレスで耐熱性及
び信頼性の高い基板の製造を実現することが可能となっ
た。
【0030】さらにまた、本発明の銅張樹脂用エポキシ
樹脂組成物においては、諸特性を失わない程度の範囲で
充填剤、着色剤、希釈剤等の各種添加剤を配合してもよ
い。
【0031】
【実施例】次に、本発明を実施例により更に詳細に説明
する。なお、以下において示す部は、特に指定がない限
りいずれも重量基準である。
【0032】実施例1 (樹脂の配合)以下の樹脂を用いてエポキシ樹脂組成物
を調製した。 主剤 エピコート828 30部 〔油化シェル(株)製:グリシジルエーテルタイプ、 エポキシ当量180〕 エピコート1001 20部 〔油化シェル(株)製:グリシジルエーテルタイプ、 エポキシ当量450〕 エピコート5050 40部 〔油化シェル(株)製:グリシジルエーテルタイプ、 エポキシ当量400、臭素含有量50重量%〕 エピコート180S70 10部 〔油化シェル(株)製:クレゾールノボラックタイプ、 エポキシ当量213〕 硬化剤及び硬化促進剤 Dicy(ジシアンジアミド) 1.5部 〔油化シェル(株)製:Dicy、平均粒径7μm〕 C17Z〔2−ヘプタデシルイミダソール、四国化成(株)製〕 1.0部 (Dicyに対して18モル%)
【0033】〈樹脂組成物の粘度〉樹脂組成物の50℃
における粘度を、樹脂組成物製造直後、並びに樹脂コー
ティング温度である60℃に1時間放置した後について
測定した。その結果、製造直後が274,000cps
であるのに対して、60℃−1時間放置後は283,0
00cpsであり、コーティング温度で樹脂が安定であ
ることが確認された。
【0034】〈銅張樹脂複合材料の製造〉上記にエポキ
シ樹脂組成物をロールコーターを用いて電解銅箔〔ジャ
パンエナジー(株)製JTC−35標準品〕上に厚み6
5μmになるように60℃にてダイレクトにコーティン
グを実施し、銅張樹脂を得た。その後、これを150℃
−1.5分の条件にて含浸並びにBステージ化(半硬
化)して銅張樹脂複合材料を得た。
【0035】〈銅張樹脂複合材料のボイドの観察〉得ら
れた銅張樹脂複合材料の樹脂面を光学顕微鏡で観察する
ことにより、樹脂中並びに表面に存在するボイドについ
て調査したところ、ボイドは非常に少なく、3個/in
ch2程度の存在密度であった。
【0036】〈銅張樹脂複合材料のゲル化時間の測定及
び保存安定性の調査〉Bステージ化した銅張樹脂複合材
料の樹脂の硬化速度を測定するため、ゲル化テスターを
用いて150℃におけるゲル化時間を測定した。また、
製造した銅張樹脂複合材料の保存安定性を確認するため
に、製造直後の樹脂のゲル化のみならず、20℃にて1
週間放置した後の樹脂のゲル化時間についても測定し
た。その結果、製造直後が68秒であるのに対して、1
週間保存後が65秒であり保存安定性は良好であった。
【0037】〈金属ベース基板の製造並びに評価〉得ら
れた銅張樹脂複合材料の樹脂面にアルミ板(厚さ1.0
mm、アルマイト処理品)を積層し、熱プレス機を用い
て150℃−20分−面圧30kg/cm2で硬化成型
し、アルミベース基板を得た。成型後の基板の銅箔面は
表面性良好であり、銅箔面を除去して樹脂面を観察した
ところ、ボイドは全く存在しなかった。同基板について
は、銅箔に対する接着強度、耐燃試験、樹脂のTg測定
並びにハンダ耐熱評価を実施した。樹脂組成物の配合を
表1に、得られた基板の特性を表2に示す。尚、各種特
性の測定条件は以下のとおりである。 ・接着強度:JIS C6481に準拠 ・耐燃性:UL94安全規格に準拠 ・Tg:DSCを用いて測定、測定条件:30℃→250℃
(昇温速度20℃/分) ・ハンダ耐熱性:JIS C6481に準拠し、銅箔面
に膨れを生じるまでの時間を計測。
【0038】実施例2〜7 DicyとC17Zの配合比を表1の様に変更した以外
は、実施例1と同様にして銅張樹脂複合材料を製造し、
特性評価を実施した。結果を表2に示す。
【0039】実施例8〜10 Dicy=C17Z=1.5部に固定し、主剤の配合を
表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にし
て銅張樹脂複合材料を製造し、特性評価を実施した。結
果を表2に示す。
【0040】実施例11〜14 硬化促進剤をC17Zからマイクロカプセル型イミダゾ
ール硬化剤HX3722〔旭化成(株)製〕に変更し、
また、主剤の配合を表1に示すように変更した以外は、
実施例1と同様にして銅張樹脂複合材料を製造し、特性
評価を実施した。結果を表2に示す。
【0041】比較例1 臭素化エポキシ樹脂5050を30重量部、多官能エポ
キシ樹脂180S70の添加量を70重量部に変更した
以外は、実施例2と同様にして樹脂の製造を試みたが、
樹脂の粘度が高すぎて混合が充分にできず、樹脂製造が
困難であった。
【0042】比較例2 臭素化エポキシ樹脂5050を70重量%に変更した以
外は、表3に示すような樹脂配合により銅張樹脂複合材
料を製造し、特性評価を実施した。結果を表4に示す。
これから分かるように、臭素含有量35重量%になるこ
とにより、ハンダ耐熱性が著しく悪化している。
【0043】比較例3、4 表3に示すように、主剤100重量部に対するDicy
の添加量を各々、0.5、6.0重量部に、C17Zを
各々0.5、2.5重量部にしたこと以外は、実施例1
と同様にして銅張樹脂複合材料を製造し、特性評価を実
施した。結果を表4に示す。これからわかるように、D
icyが0.5重量部の場合、ゲル化時間が著しく長く
なり、すなわち硬化に長時間必要となり、150℃−2
0分の低温・速硬化が実現できない。また、Dicyが
6.0重量部の場合には、製造した銅張樹脂複合材料の
保存安定性が著しく悪くなり、ハンダ耐熱性についても
著しく悪化している。
【0044】比較例5、6 表3に示すように、イミダゾールC17ZをDicyに
対して各々5.5、110モル%添加した以外は、実施
例1と同様にして銅張樹脂複合材料を製造し、特性評価
を実施した。結果を表4に示す。これから分かるよう
に、Dicyに対するイミダゾール添加量が5.5モル
%である場合には、速硬化が実現できず、150℃−2
0分の硬化条件では充分に硬化しない。また、イミダゾ
ール添加量が110モル%の場合には、得られた銅張樹
脂複合材料の保存安定性並びにハンダ耐熱性が著しく低
下する。
【0045】比較例7、8 実施例2及び12と同組成のエポキシ樹脂組成物100
重量部に対して、メチルエチルケトン溶媒を50重量部
添加してエポキシ樹脂ワニスを調製した。これらのエポ
キシ樹脂ワニスを用いて銅張樹脂複合材料の製造を試み
たところ、60℃にて銅箔マット面に樹脂をコーティン
グしたときに樹脂の硬化反応が始まり、急激な粘度上昇
が発生したため、安定的に均一厚みの銅張樹脂複合材料
を製造することができなかった。製造できた少量の銅張
樹脂を用いて実施例1と同様に基板の積層成型を行い、
評価を実施した。その結果、表4に示すように、銅張樹
脂複合材料中には非常に多くのボイドが存在し、また溶
媒が蒸発した微少な凹凸により基板の成型後も銅箔面に
かなりの膨れが生じており、成型状態も好ましくなかっ
た。これに起因して、接着強度やハンダ耐熱性は著しく
悪化した。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】
【表4】
【0050】
【発明の効果】請求項1の銅張樹脂複合材料は、3〜5
0重量部の多官能エポキシ樹脂、臭素含有量が全エポキ
シ樹脂に対して25重量%以下になるような量の臭素化
エポキシ樹脂、及びビスフェノールA型の2官能エポキ
シ樹脂からなる100重量部のエポキシ樹脂に、ジシア
ンアミド1.0〜4.0重量部と該ジシアンジアミドに
対して10〜95モル%の常温で潜在性をもつ硬化促進
剤を添加した樹脂組成物を、銅箔上に20〜200μm
の厚みで直接ホットメルトコーティングしてなるものと
したことから、また請求項2の銅張樹脂複合材料は、上
記銅張樹脂複合材料を加熱し、含浸及び半硬化してなる
ものとしたことから、次のような卓越した効果を奏す
る。 (1)銅張樹脂製造時の熱安定性が良好であり、銅張樹
脂複合材料のみならず、最終製品である金属ベース基板
の成型性並びに性能が著しく安定となる。 (2)ソルベントを乾燥する工程が不要であり、環境的
にクリーンであると同時に、防爆型の装置が不要になる
ことから、設備コストが低減でき、かつ得られた銅張樹
脂複合材料にもボイドがかなり少ないので、平滑で均一
厚みを持つ高性能・高信頼性の金属ベース基板が製造で
きる。 (3)硬化速度が従来のソルベント系材料に比べてかな
り速く、成型温度の低下、並びに成型サイクルアップが
可能となる。 (4)上記のごとく、ソルベントを用いずに速硬化可能
なボイドレスの銅張樹脂複合材料が製造できるため、難
燃性や接着強度を維持しつつ、高いTgやハンダ耐熱特
性が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮尾 巻治 埼玉県入間郡大井町西鶴ケ岡1丁目3番1 号 東燃株式会社総合研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3〜50重量部の多官能エポキシ樹脂、
    臭素含有量が全エポキシ樹脂量に対して25重量%以下
    になるような量の臭素化エポキシ樹脂、及びビスフェノ
    ールA型の2官能エポキシ樹脂からなる100重量部の
    エポキシ樹脂に、ジシアンジアミド1.0〜4.0重量
    部と該ジシアンジアミドに対して10〜95モル%の常
    温で潜在性をもつ硬化促進剤を添加した樹脂組成物を、
    銅箔上に20〜200μmの厚みで直接ホットメルトコ
    ーティングしてなることを特徴とする銅張樹脂複合材
    料。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の銅張樹脂複合材料を加熱
    し、含浸及び半硬化してなることを特徴とする銅張樹脂
    複合材料。
JP15522195A 1995-05-30 1995-05-30 銅張樹脂複合材料 Pending JPH08323917A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15522195A JPH08323917A (ja) 1995-05-30 1995-05-30 銅張樹脂複合材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15522195A JPH08323917A (ja) 1995-05-30 1995-05-30 銅張樹脂複合材料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08323917A true JPH08323917A (ja) 1996-12-10

Family

ID=15601178

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15522195A Pending JPH08323917A (ja) 1995-05-30 1995-05-30 銅張樹脂複合材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08323917A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012131899A (ja) * 2010-12-21 2012-07-12 Sumitomo Bakelite Co Ltd 樹脂組成物、樹脂シート、金属ベース回路基板、インバータ装置、及びパワー半導体装置
JP2013079409A (ja) * 2011-10-01 2013-05-02 Furukawa-Sky Aluminum Corp 高絶縁性プレコートアルミニウム材

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012131899A (ja) * 2010-12-21 2012-07-12 Sumitomo Bakelite Co Ltd 樹脂組成物、樹脂シート、金属ベース回路基板、インバータ装置、及びパワー半導体装置
JP2013079409A (ja) * 2011-10-01 2013-05-02 Furukawa-Sky Aluminum Corp 高絶縁性プレコートアルミニウム材

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2008163330A (ja) ポリアミド樹脂含有ワニス
US6447915B1 (en) Interlaminar insulating adhesive for multilayer printed circuit board
JP2007308640A (ja) 積層板用樹脂組成物、有機基材プリプレグ、金属張積層板およびプリント配線板
JP2004182850A (ja) 特性バランスに優れるプリプレグ及び積層板
WO2014122911A1 (ja) 熱硬化性樹脂組成物の硬化方法、熱硬化性樹脂組成物、これを用いたプリプレグ、金属張積層板、樹脂シート、プリント配線板及び封止材
JP2008163329A (ja) 積層板またはプリプレグ用ワニス、このワニスから得られる積層板またはプリプレグ、およびこの積層板またはプリプレグを用いたプリント配線板
JP2004175925A (ja) プリプレグ及び積層板
JP2003231762A (ja) プリプレグ及び積層板
CN111849122B (zh) 一种树脂组合物及其应用
JPS58122927A (ja) プリプレグの製造方法
JP3809273B2 (ja) エポキシ樹脂組成物
JP2001081282A (ja) エポキシ樹脂組成物及びそれを用いたフレキシブル印刷配線板材料
JPH08323916A (ja) 銅張樹脂複合材料
JP4797248B2 (ja) プリント配線板用プリプレグおよびそれを用いた積層板
JP5460322B2 (ja) 熱硬化性樹脂組成物及びその硬化物
JP2002012739A (ja) 難燃性エポキシ樹脂組成物及びその用途
JP2002012740A (ja) 難燃性エポキシ樹脂組成物及びその用途
JPH08323917A (ja) 銅張樹脂複合材料
JPH1060138A (ja) 配線基板材料
JPH08104737A (ja) エポキシ樹脂組成物及びそれを用いたプリプレグ
JP2004059777A (ja) 難燃性接着剤組成物及びフレキシブル銅張積層板とその関連製品
KR20010101310A (ko) 시아네이트-에폭시 수지 조성물, 및 이를 이용한프리프레그, 금속 호일 적층판 및 인쇄 배선판
JP4042886B2 (ja) エポキシ樹脂組成物及びそれを用いたフレキシブル印刷配線板材料
CN111849123B (zh) 一种环氧树脂组合物及其应用
JP4038831B2 (ja) ワニス、樹脂付き銅箔および積層板