JPH0832222B2 - パン用油脂組成物 - Google Patents
パン用油脂組成物Info
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- JPH0832222B2 JPH0832222B2 JP1193203A JP19320389A JPH0832222B2 JP H0832222 B2 JPH0832222 B2 JP H0832222B2 JP 1193203 A JP1193203 A JP 1193203A JP 19320389 A JP19320389 A JP 19320389A JP H0832222 B2 JPH0832222 B2 JP H0832222B2
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- oils
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- Bakery Products And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
Description
に食卓パンと云われるホワイトブレッド、バラェティー
ブレッド、テーブルロール等に供される可塑性油脂に関
するものである。
−112942等に見られる様に、デンプンの老化防止効果の
あるグリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリン
脂肪酸エステル等の乳化剤を単独又は組み合わせて、油
中水型のマーガリン、水中油型のエマルジョンに溶解・
分散させた形でパン生地に練り込み、パンをソフトに
し、日持ちさせる工夫がなされている。
トさ、老化防止効果は十分であるが、パンの弾力性がな
く、口でベチャベチャとしたねちゃつきのある食感とな
るという問題を包含している。また、乳化剤のシブ味、
ニガ味、酸味等の問題点を指摘する声も多い。
克服すべく鋭意研究の結果、老化防止剤としての乳化剤
の添加効果を従来の1.5〜2倍にすることに成功し、そ
の結果、比較的少量の乳化剤の添加量で老化防止が充分
に達成され、且つ乳化剤の異味、異臭の少ないパン練り
込み用油脂組成物を提供するに到った。
査熱量計による吸熱分析において、MP−20℃〜MP+15℃
の範囲にある油脂の溶解帯の中に転移ピークを有しない
唯1個の油脂の融解ピークを示すことを特徴とするパン
練り込み用油脂組成物を内容とするものである。なお、
ここでいうMPとは、油脂の融点を示す。
究している中で、油脂はパン生地中のグルテンネットワ
ーク形成に多大な影響を与え、生地の進展性を増し、ガ
ス保持力を増大させ、パンのボリューム、キメ、ソフト
さにおいて有効に機能していることを確認した(平成1
・5・26食品工業学会にて発表)。更に、パンに練り込
む可塑性油脂によっても、製パン性における油脂の効果
が異なることを見出し、比較的少量の乳化剤で充分な老
化防止効果を発揮するパン練り込み用油脂組成物を発明
するに至った。
解帯、転移ピーク、融解ピークについては特願昭63−80
576(特開平1−252246)に詳記した通りであり、即
ち、融解帯とは融解熱のピークを指し、転移ピークとは
吸熱パターン中にテンパリング温度での発熱ピークを指
す。
昭63−80576に詳記されている通りである。
テアレート、ジアセチル酒石酸モノステアレート等の老
化防止効果のある乳化剤を1〜5%(重量)単独又は混
合して油脂に添加し、加熱溶解後、得られた油脂組成物
を油脂又は油中水型エマルジョンの形(以下、油脂類と
記す)で、ボテーター、コンビネーター等の掻取り式チ
ューブラー冷却機(A1ユニツト)において、入口温度を
油脂類の融点−10℃〜−15℃で且つ曇点以上の温度にコ
ントロールして、平均15℃/分以上に冷却し、次いで同
じく掻き取り式チューブラー冷却機(A2ユニツト)にお
いて、その出口温度をA1ユニツトの出口温度±5℃にコ
ントロールして捏和することによって得ることが出来
る。
ーガリン、ショートニングに用いられる動物油、植物
油、分別油、硬化油、ウムエス油等が好適に用いられ。
て乳化剤以外のもの、例えば水溶性シュガアーエステ
ル、レシチン等の使用は何ら妨げられない。
〜MP+15℃の範囲に現れる。MP−20℃未満では油脂は常
温では結晶として挙動せず、一方、MP+15℃を越えると
油脂以外の物質のピークが現れ、油脂の融解ピークの判
定が困難となる。
老化防止効果を発揮する機能についての詳細は不明であ
るが、結晶が融解するときの融解ピークが唯1個である
ということから、油脂が均一且つ微細な結晶であると考
えられ、この故にパン生地中に分散しやすく、老化防止
効果を効率的に発揮するものと推定される。これに対し
て、融解ピークの中に転移ピークを有する場合は多数の
結晶の集合体であると考えられ、この結果、パン生地中
に分散しにくく、老化の防止効果が十分に発揮されない
ものと考えられる(後記第1表参照)。
ン練り込み用可塑油脂に比較し、歯切れの良い食感で、
乳化剤のいや味が少なく、且つ充分な老化防止効果を持
つパンを作るに適した油脂組成物を提供する。
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
6.8℃の硬化魚油20部、ナタネ油10部にグリセリンモノ
ステアレート3.0%(重量%、以下同じ)、レシチン0.1
%を添加溶解した混合油(MP=32.3℃)84%と、水相1
6.0%を混合して油中水型エマルジョンを得、下記の条
件にてパン用油脂組成物を得た。
に20mg秤量し、−50℃より60℃まで4℃/分の速度で昇
温させ、吸熱測定を行った。測定感度は5mcal/秒とし
た。得られたチャートを第1図に示す。
ークの開始温度は25℃、また35℃で完全に溶解し、溶解
するまでに1つの融解帯しか示さなかった。即ち、MP
(32.3℃)−20℃(=12.3℃)〜MP(32.3℃)+15℃
(=47.3℃)の範囲にある油脂の融解帯の中に転移ピー
クを有しない唯1個の油脂の融解ピークを示した。
その後、該油脂のMPよりも5℃低い温度にて48時間熱処
理(テンパリング)し、パン用油脂組成物を得た。
し、4℃/分の速度で昇温させ、吸熱測定を行った。測
定感度は5mcal/秒とし、得られたチャートを第2図に示
す。
テンパリング温度(約27℃)における転移ピークを示し
ている。また該油脂組成物は38℃で完全に溶解してい
る。即ち、MP(32.3℃)−20℃(=12.3℃)〜MP(32.3
℃)+15℃(=47.3℃)の範囲にある油脂の融解帯の中
に転移ピークを有している。
を6%とした以外は同一の配合にて、比較例1と同様の
製法でパン用油脂組成物を得た。得られた組成物をDSC
を用いて同条件で吸熱測定を行い、その結果を第3図に
示す。
℃)における転移ピークを示している。即ち、MP(32.3
℃)−20℃(=12.3℃)〜MP(32.3℃)+15℃(=47.3
℃)の範囲にある油脂の融解帯の中に転移ピークを有し
ている。
を1.0%とし、更にジアセチル酒石酸モノグリセライド
を3%付加させた以外は同様の配合とし、下記の条件に
てパン用油脂組成物を得た。
し、−50℃より60℃まで4℃/分の速度で昇温させ、吸
熱測定を行った。得られたチャートを第4図に示す。
溶解するまでに1つの融解帯しか示していない。
その後、該油脂のMPよりも5℃低い温度にて48時間熱処
理(テンパリング)し、パン用油脂組成物を得た。
し、同様にして吸熱測定を行った。得られたチャートを
第5図に示す。
ンパリング温度(約27℃)における転移ピークが認めら
れる。
ライドを6%とした以外は同一の配合にて、比較例3と
同様の製法でパン用油脂組成物を得た。得られた組成物
をDSCを用いて同条件で吸熱測定を行い、その結果を第
6図に示す。
移ピークが認められる。
油脂組成物を用いて第1表に示す配合の中種法により山
型及び角型食パンを調製し、その容積(山型食パンに
て)内相、老化(角型食パンにて)を評価した。尚、老
化はパン調製1日後及び3日後のパンクラムの硬さをレ
オメーターにて測定して評価した。
分、更に該油脂組成物を加え、低速2分、中速2分、高
速3分ミキシングする。
ン用油脂組成物のDSCの転移ピークを示す図であり、第
2図、第3図、第5図及び第6図は、比較例として製造
したパン用油脂組成物のDSCの転移ピークを示す図であ
る。
Claims (1)
- 【請求項1】パン老化防止剤を含み、且つ示差走査熱量
計による吸熱分析において、MP−20℃〜MP+15℃の範囲
にある油脂の融解帯の中に転移ピークを有しない唯1個
の油脂の融解ピークを示すことを特徴とするパン練り込
み用油脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1193203A JPH0832222B2 (ja) | 1989-07-26 | 1989-07-26 | パン用油脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1193203A JPH0832222B2 (ja) | 1989-07-26 | 1989-07-26 | パン用油脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0358731A JPH0358731A (ja) | 1991-03-13 |
JPH0832222B2 true JPH0832222B2 (ja) | 1996-03-29 |
Family
ID=16304018
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1193203A Expired - Lifetime JPH0832222B2 (ja) | 1989-07-26 | 1989-07-26 | パン用油脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0832222B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4161517B2 (ja) * | 2000-06-09 | 2008-10-08 | 株式会社カネカ | 製菓用油中水型乳化油脂組成物とその製造方法 |
JP4588007B2 (ja) * | 2006-10-10 | 2010-11-24 | 株式会社Adeka | 可塑性油脂組成物の製造法 |
-
1989
- 1989-07-26 JP JP1193203A patent/JPH0832222B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0358731A (ja) | 1991-03-13 |
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