JPH08320667A - プラズマパネルの駆動方法、駆動装置及び画像表示装置 - Google Patents

プラズマパネルの駆動方法、駆動装置及び画像表示装置

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JPH08320667A
JPH08320667A JP12537395A JP12537395A JPH08320667A JP H08320667 A JPH08320667 A JP H08320667A JP 12537395 A JP12537395 A JP 12537395A JP 12537395 A JP12537395 A JP 12537395A JP H08320667 A JPH08320667 A JP H08320667A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 誤動作がなく、配線面積が少なく、且つ、動
作電圧のマージンの広いプラズマパネル駆動技術を提供
する。 【構成】 本発明は、選択期間には所定の壁電荷を蓄積
し、維持期間には所定の維持パルス信号による維持放電
をX電極とY電極との間で行うことにより画像表示を行
うプラズマパネルの駆動装置である。維持期間において
Y電極を接地するY側駆動手段2と、正極性を有する電
源電圧+Vsと負極性を有する電源電圧−Vsとに基づ
いて、維持期間においてX電極側に正極性の振幅を有す
る正側維持パルス信号と負極性の振幅を有する負側維持
パルス信号とを交互に供給するX側駆動手段1aと、を
備える。上記構成により、Y電極に関する配線パターン
を省略できるので、誤動作がなく、配線面積が少なく、
且つ、動作電圧のマージンの広いプラズマパネル駆動が
行える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、メモリ機能を有する表
示素子により構成された表示パネルを駆動する高圧回路
技術に係わり、特に、AC(交流)型プラズマパネル
(Plasma Panel)を備えた表示装置における駆動回路間
の電流経路を簡略化する技術に関する。
【0002】現在、AC型プラズマパネルとしては、2
本の電極で選択放電(アドレス放電)及び維持放電を行
う2電極型と、第3の電極を利用してアドレス放電を行
う3電極型とが存在する。
【0003】2電極型であって階調表示を行うカラープ
ラズマパネルでは、放電により発生した紫外線により、
放電セル内に形成した蛍光体を励起する。蛍光体には放
電により紫外線と同時に発生した正電荷のイオンが衝突
するので、この衝撃により蛍光体は大きく損傷を受け
る。2電極型は、放電により生じたイオンが蛍光体に直
接衝突するような構成になっているため、蛍光体の寿命
の低下を招く。これを回避するために、カラープラズマ
パネルとして、面放電を利用した3電極構造が一般に用
いられている。
【0004】3電極型のプラズマパネルには、維持放電
を行う第1及び第2の電極とセルの選択を行う第3の電
極とが配置される。3電極型のプラズマパネルのなかで
も、維持放電が行われる第1及び第2の電極と同一基板
に第3の電極を形成する型と、対向する基板に配置する
型が存在する。また、同一基板に前記第3の電極を形成
する場合でも、維持放電を行う第1及び第2の2本の電
極上に第3の電極を配置する型と、その下に第3の電極
を配置する型が存在する。
【0005】一方、3電極型のプラズマパネルを表示方
法から区分けすると、蛍光体から発せられ透過した可視
光を見る透過型と、蛍光体から反射した光を見る反射型
とが存在する。障壁(リブ、バリア)の用い方により区
分けすると、放電するセル(以下、「放電セル」とい
う。)を取り囲むように障壁を四方に設け完全密封する
型と、障壁を一方の基板のみに設け、他方の基板に対し
電極間のギャップ(距離)の適正化によって空間的結合
を切る型等がある。なお、障壁は、放電を行う単位であ
るセルと隣接するセルとの空間的な結合を断ち切るため
に用いる。
【0006】上記のように多数の型が開発されているプ
ラズマパネルは、製造上の利点から大型のパネルに適す
る。しかし、パネルが大型になるとより大きな電流(電
力)を扱う為配線の規模も増加する。
【0007】そのため、プラズマパネルの大型化に対応
して、パネル自体の性能を維持しつつ大型化に伴って発
生する消費電流の増大等の弊害を防止する工夫がなされ
ている。
【0008】本発明は、3電極型で面放電を行うAC型
プラズマパネルを表示デバイスとした表示装置を例に採
り、各電極毎の駆動回路ブロック間の電源配線を簡略化
し、装置の大型化及び集積を行うものである。
【0009】
【従来の技術】従来の3電極型・面放電型・AC型プラ
ズマパネルを図面に基づいて説明する。図13は従来の
プラズマパネルの平面図であり、図14はこのプラズマ
パネルの断面図である。(A)はアドレス電極に水平な
方向における断面図、(B)はアドレス電極に垂直な方
向における断面図である。
【0010】図13に示すように、3電極型のAC型プ
ラズマパネルは、2本の維持電極(X電極とYn電極
(1<n<N))に交互に維持パルス(サスティンパル
ス)を印加し、アドレス電極An(1<n<M)でセル
を選択する。
【0011】パネルPの断面構造としては、図14に示
すように、パネルPは2枚のガラス基板40、49によ
って構成されている。第1の基板(前面ガラス基板)4
9には、平行する維持電極である第1(X電極)50及
び第2の電極(Y電極)51を備えており、これらの電
極はバス電極47と透明電極48とによって構成されて
いる。透明電極48は蛍光体42からの反射光を透過さ
せる役割があるため、ITO(酸化インジュームを主成
分とする透明の導体膜)等によって形成される。また、
バス電極47は電極抵抗による電圧ドロップを防ぐた
め、低い抵抗値の材料で形成する必要があるため、クロ
ム(Cr)や銅(Cu)により形成される。これらを誘
電体層(ガラス)46で被覆し、放電面には保護膜45
としてMgO(酸化マグネシューム)膜を形成する。ま
た、前記第1の基板49と向かい合う第2の基板40に
は、第3の電極(アドレス電極)54を維持電極50、
51と直交する方向に設ける。アドレス電極54間には
障壁53を形成し、障壁53の間にはアドレス電極54
を覆うように赤、緑、青の発光特性を持つ蛍光体42を
形成する。障壁53の尾根とMgO膜45が密着する形
で2枚のガラス基板49、40が組み立てられいる。
【0012】上記プラズマパネルPは、維持電極に維持
電圧を印加することにより放電を持続し、蛍光体の発光
を行う。初めに高い電圧(書込電圧)のパルス(書込パ
ルス)で放電させ壁電荷を生成する。放電によって発生
した正電荷であるイオンは、負の電圧が印加されている
電極上の絶縁層の表面に蓄積される。同様に負電荷であ
る電子は、正の電圧が印加されている電極上の絶縁層の
表面に蓄積される。次いで、アドレス電極An(1<n
<M)に極性の異なる前回よりも低い電圧(維持電圧)
のパルス(維持パルス)を印加すると、前に蓄積された
壁電荷による電圧が加算される。その結果、放電空間に
対する電圧は大きなものとなり、放電電圧のしきい値を
越えて放電を開始する。一回の放電は、パルス印加直後
の1μsから数μsの期間に終了する。つまり、一度書
込放電を行い壁電荷を生成したセルは、その後、維持パ
ルスを交互に逆極性で印加することで放電を持続すると
いう特徴がある。この現象をメモリ効果又はメモリ機能
と呼んでいる。一般に、AC型プラズマパネルはこのメ
モリ効果を利用して表示を行うものである。
【0013】図15に、図13及び図14に示したプラ
ズマパネルを駆動するための周辺回路を示す。アドレス
電極A1〜AMは1本毎にアドレスドライバ66に接続
され、アドレスドライバ66によってアドレス放電時の
アドレスパルスが印加される。また、Y電極Y1〜Yn
は個別にスキャンドライバ68に接続される。スキャン
ドライバ68はY側共通ドライバ63に接続されてお
り、アドレス放電時のパルスはスキャンドライバ63を
経由して、Y電極Y1〜Ynに印加される。X側共通ド
ライバ61は、書込パルス、維持パルス等を発生する。
【0014】これらのドライバ回路は、制御回路64に
よって制御される。制御回路64は、外部から同期信号
や表示データ信号に基づいて動作する。図16は、図1
3及び図14に示すプラズマパネルを図15に示す回路
により駆動する場合の従来の駆動方法による駆動波形を
示す。図16は、いわゆる従来の「アドレス/維持放電
期間分離型・書込アドレス方式」における1サブフィー
ルド期間の動作の概略を示している。
【0015】図16から判るように、1サブフィールド
はリセット期間とアドレス期間、さらに、維持放電期間
に分離される。リセット期間においては、前のサブフィ
ールドで点灯していたセルを消去させるため、細幅消去
パルスを印加し消去放電を行っている。この細幅消去パ
ルスに伴う消去放電によって、パネル内の全セルの状態
が壁電荷のない均一な状態となる。
【0016】次に、アドレス期間において、表示データ
に応じたセルのON/OFFを行うために、線順次でア
ドレス放電が行われる。まずY電極に−VYレベル(約
マイナス150V)のスキャンパルスを印加する。同時
に、アドレス電極中、維持放電を起すセル、すなわち、
点灯させるべきセルに対応するアドレス電極に電圧Va
(約50V)のアドレスパルスを選択的に印加する。点
灯させるセルのアドレス電極とY電極との間で放電が起
こる。これをプライミング(種火)としてX電極(電圧
VX=50V)とY電極間の放電に即移行する。これに
より、選択されたラインの選択されたセルにおいて、X
電極とY電極上のMgO面とに維持放電が可能な量の壁
電荷が蓄積する。
【0017】以下、順次、他の表示ラインについても同
様の動作が行われ、全表示ラインにおいて、新たな表示
データの書き込みが行われる。その後、維持放電期間に
なると、Y電極とX電極に交互に電圧がVs(約180
V)である維持パルスが印加されて維持放電が行われ、
1サブフィールドの画像表示が行われる。なお、かかる
「アドレス/維持放電期間分離型・書込アドレス方式」
においては、維持放電期間の長短、つまり維持パルスの
回数によって輝度が決定される。
【0018】具体的には、図16に示すように、多階調
表示(256階調表示)が行われる。例えば、この例で
は、1フレームは8個のサブフィールド:SF1、SF
2、SF3、SF4、SF5、SF6、SF7、SF8
に区分される。これらのサブフィールドSF1〜SF8
においては、リセット期間とアドレス期間はそれぞれ同
一の長さとなる。また、維持放電期間の長さは、1:
2:4:8:16:32:64:128の比率となる。
したがって、点灯させるサブフィールドを選択すること
で、0から255までの256階調の輝度の違いを表示
できる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のプラズマパネルの駆動方法を用いてパネルを大型化
しようとすると、ロジックの誤動作を引き起こすおそれ
が高いという第1の問題、配線パターンの増加によりパ
ネルの駆動に必要な回路を設けることが困難になるとい
う第2の問題、さらに、動作電圧のマージンを狭くする
といった第3の問題が生じていた。
【0020】かかる従来例における課題を図17に基づ
いて説明する。図17(A)は、維持パルスをX電極及
びY電極に印加するための駆動手段及び駆動手段間の電
源及びGNDの配線パターンを概略的に示した図であ
る。また、(B)は駆動手段の回路機能と維持放電時の
電流回路を概略的に示した図であり、(C)は維持パル
スを印加した場合に電流が流れるタイミングを示した図
である。
【0021】AC型のプラズマパネルは、2本の維持電
極間に交互に維持電圧を印加して維持放電を行い、蛍光
体を発光させる。この場合の電流を考えると(図17
(B)参照)、まずX電極に電圧Vsからなる維持パル
スが印加されると、電源→X側駆動手段71(アップサ
イドSW78)→パネルPのX電極→各セルにおける放
電電流→パネルPのY電極→Y側駆動手段72(ダウン
サイドSW77)→GNDへと電流が流れる。また、パ
ルスを取り去る場合に流れる電流の方向はこの逆であ
る。
【0022】一方、Y電極に電圧Vsからなる維持パル
スが印加されると、電源→Y側駆動手段72(アップサ
イドSW76)→パネルPのY電極→各セルの放電電流
→パネルPのX電極→X側駆動手段71(ダウンサイド
SW79)→GNDへと電流が流れる。同様に、パルス
除去する場合は逆の方向で電流が流れる。
【0023】上記動作における電流波形を図17(C)
に示す。X電極に維持パルスが印加された場合には、電
極間の容量を充電する容量に対する充電電流(T1)、
ガス放電による放電電流(T2)、維持パルスを取り除
く場合に流れる容量に対する放電電流(T3)が流れ
る。さらに、Y電極に維持パルスが印加されると、電極
間の容量を充電する容量に対する充電電流(T4)、ガ
ス放電による放電電流(T5)、維持パルスを取り除く
場合に流れる容量に対する放電電流(T6)が流れる。
【0024】ここで着目しなければならない点は、X側
とY側の駆動手段間に大電流経路が電源ラインとGND
ラインの2系統からなることである。特に、プラズマパ
ネルの大型化に伴って、X側の駆動手段71はX電極の
引き出し端子寄りに、Y側の駆動手段72がY電極の引
き出し端子寄りにそれぞれ配置するため、その間を結ぶ
経路はより長いものとなる。さらに、パネルが大型化す
ると、駆動手段が取り扱う電流量が多くなる。
【0025】このため、経路のインピーダンスが十分低
くない限りは、ロジック系の基準電位となるGND電位
が場所によって異なるため、ロジックの誤動作を引き起
こす可能性が生ずるのである(第1の問題)。
【0026】また、パネルの裏面には、コントロール回
路(ロジック回路)、インターフェース回路(ビデオ信
号をデジタル信号に変換するもの)及びAC電源からパ
ネルの駆動に必要なDC電源を作り出す回路等を搭載す
る必要がある。よって、この部分に大面積を必要とする
2系統の電源パターンを配線することは、各種回路の実
装面積を確保する上で大きな問題となる(第2の問
題)。
【0027】さらに、アドレス放電を行うアドレス電極
とY電極間の壁電荷の蓄積状態は、アドレス期間に入る
直前のタイミングでは、いずれのセルにおいても均一な
状態になっている必要がある。しかし、維持放電を行う
と、アドレス電極側には何らかの壁電荷が蓄積される。
この壁電荷は、リセット期間において用いる細幅パルス
によっても完全に消去することができない。細幅消去パ
ルスは、X電極とY電極間の電荷を消去するものだから
である。したがって、アドレス電極側に蓄積された壁電
荷を完全に消去することが困難なので、動作電圧マージ
ンが狭くなるのである(第3の問題)。
【0028】上記問題点に鑑み、本発明は、誤動作がな
く、配線面積が少なく、且つ、動作電圧のマージンの広
いプラズマパネル駆動方法、駆動装置及び画像表示装置
を提供することを課題とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のプラズ
マパネルの駆動方法は第1の原理に係るものであり、選
択期間には所定の壁電荷を蓄積し、維持期間には所定の
維持パルス信号による維持放電をX電極とY電極との間
で行うことにより画像表示を行うプラズマパネルの駆動
方法であって、維持期間においてY電極を所定の電圧
(例えば0〔V〕)に維持し、正極性を有する電源電圧
と負極性を有する電源電圧とに基づいて、維持期間にお
いてX電極側に正極性の振幅を有する正側維持パルス信
号と負極性の振幅を有する負側維持パルス信号とを交互
に供給する。
【0030】請求項2に記載のプラズマパネルの駆動方
法は第2の原理に係るものであり、選択期間には所定の
壁電荷を蓄積し、維持期間には所定の維持パルス信号に
よる維持放電をX電極とY電極との間で行うことにより
画像表示を行うプラズマパネルの駆動方法であって、維
持期間においてY電極を所定の電圧(例えば0〔V〕)
に維持し、維持期間において正極性の振幅を有する正側
維持パルス信号を供給する際には、電源の負極側が接続
される負側電源入力端子を接地し、電源の正極側が接続
される正側電源入力端子から電源電圧を入力し、電源電
圧に基づいて正側維持パルス信号をX電極に供給し、維
持期間において負極性の振幅を有する負側維持パルス信
号を供給する際には、正側電源入力端子を接地し、負側
電源入力端子から電源電圧を入力し、電源電圧に基づい
て負側維持パルス信号をX電極に供給する。
【0031】請求項3に記載のプラズマパネルの駆動方
法は第3の原理に係るものであり、選択期間には所定の
壁電荷を蓄積し、維持期間には所定の維持パルス信号に
よる維持放電をX電極とY電極との間で行うことにより
画像表示を行うプラズマパネルの駆動方法であって、維
持期間においてY電極を所定の電圧(例えば0〔V〕)
に維持し、電源の正極側が接続される正側電源入力端子
から電荷を蓄積し、維持期間において正極性の振幅を有
する正側維持パルス信号を供給する際には、供給に先立
って電源の負極側が接続される負側電源入力端子を接地
し、蓄積した電荷を用いて正側維持パルス信号をX電極
に供給し、負側電源入力端子から電荷を蓄積し、維持期
間において負極性の振幅を有する負側維持パルス信号を
供給する際には、供給に先立って正側電源入力端子を接
地し、蓄積した電荷を用いて負側維持パルス信号をX電
極に供給する。
【0032】図1に、第1の原理に係る請求項4に記載
した発明の構成を示す。請求項4に記載のプラズマパネ
ルの駆動装置100は、選択期間には所定の壁電荷を蓄
積し、維持期間には所定の維持パルス信号による維持放
電をX電極とY電極との間で行うことにより画像表示を
行うプラズマパネルの駆動装置であって、維持期間にお
いてY電極を所定の電圧(例えば0〔V〕)に維持する
Y側駆動手段2と、正極性を有する電源電圧+Vsと負
極性−Vsを有する電源電圧とに基づいて、維持期間に
おいてX電極側に正極性の振幅を有する正側維持パルス
信号と負極性の振幅を有する負側維持パルス信号とを交
互に供給するX側駆動手段1aと、を備えて構成され
る。
【0033】図2に、第2の原理に係る請求項5に記載
した発明の構成を示す。請求項5に記載のプラズマパネ
ルの駆動装置101は、選択期間には所定の壁電荷を蓄
積し、維持期間には所定の維持パルス信号による維持放
電をX電極とY電極との間で行うことにより画像表示を
行うプラズマパネルの駆動装置であって、維持期間にお
いてY電極を所定の電圧(例えば0〔V〕)に維持する
Y側駆動手段2と、維持期間において正極性の振幅を有
する正側維持パルス信号を供給する際には、電源VO の
負極側が接続される負側電源入力端子を接地し、維持期
間において負極性の振幅を有する負側維持パルス信号を
供給する際には、電源VOの正極側が接続される正側電
源入力端子を接地する電源電位固定手段5aと、正側電
源入力端子及び負側電源入力端子から電源電圧を入力
し、電源電圧に基づいて各維持パルス信号をX電極に供
給するX側駆動手段1bと、を備えて構成される。
【0034】図3に、第3の原理に係る請求項6に記載
した発明の構成を示す。請求項6に記載のプラズマパネ
ルの駆動装置102は、選択期間には所定の壁電荷を蓄
積し、維持期間には所定の維持パルス信号による維持放
電をX電極とY電極との間で行うことにより画像表示を
行うプラズマパネルの駆動装置であって、維持期間にお
いてY電極を所定の電圧(例えば0〔V〕)に維持する
Y側駆動手段2と、電源の正極側が接続される正側電源
入力端子から電荷を蓄積し、維持期間において正極性の
振幅を有する正側維持パルス信号を供給する際には、供
給に先立って電源の負極側が接続される負側電源入力端
子を接地し、負側電源入力端子から電荷を蓄積し、維持
期間において負極性の振幅を有する負側維持パルス信号
を供給する際には、供給に先立って正側電源入力端子を
接地する電源電位固定手段5bと、電源電位固定手段に
蓄積された電荷を用いて維持パルス信号をX電極に供給
するX側駆動手段1cと、を備えて構成される。
【0035】請求項7に記載のプラズマパネルの駆動装
置は、請求項4に記載のプラズマパネルの駆動装置にお
いて、X側駆動手段は、第1制御信号に基づいて正極性
を有する電源電圧が供給される正側電源入力端子をX電
極に接続する第1スイッチ手段と、第2制御信号に基づ
いて負極性を有する電源電圧が供給される負側電源入力
端子をX電極に接続する第2スイッチ手段と、第3制御
信号に基づいてX電極を接地する第3スイッチ手段と、
維持期間において第1制御信号と第2制御信号とを交互
に出力し、かつ、これら二つの制御信号を切り換える間
の所定期間に第3制御信号を出力する制御手段と、を備
えて構成される。
【0036】請求項8に記載のプラズマパネルの駆動装
置は、請求項5に記載のプラズマパネルの駆動装置にお
いて、X側駆動手段は、第1制御信号に基づいて正側電
源入力端子をX電極に接続する第1スイッチ手段と、第
2制御信号に基づいて負側電源入力端子をX電極に接続
する第2スイッチ手段と、維持期間において第1制御信
号と第2制御信号とを交互に出力するX電極制御手段
と、を備え、電源電位固定手段は、正側短絡信号に基づ
いて正側電源入力端子を接地する正側短絡手段と、負側
短絡信号に基づいて負側電源入力端子を接地する負側短
絡手段と、正側維持パルス信号を出力する際に負側短絡
信号を出力し、負側維持パルス信号を出力する際に正側
短絡信号を出力する短絡制御手段と、を備えて構成され
る。
【0037】請求項9に記載のプラズマパネルの駆動装
置は、請求項6に記載のプラズマパネルの駆動装置にお
いて、電源固定手段は、X側駆動手段への正側出力端子
と接地端子との間に介装される第1電荷蓄積手段と、X
側駆動手段への負側出力端子と接地端子との間に介装さ
れる第2電荷蓄積手段と、正側電源入力端子から正側出
力端子へ電流を流し、その逆電流を阻止する第1電流阻
止手段と、負側出力端子から負側電源入力端子へ電流を
流し、その逆電流を阻止する第2電流阻止手段と、を備
えて構成される。
【0038】請求項10に記載のプラズマパネルは、共
通電位を有するX電極及び走査ラインを走査するための
Y電極を互いに平行に配置した第1基板と、第1基板に
対向して設置され放電セルを選択するための選択電極を
X電極及びY電極と直交させて配置した第2基板と、を
備えるプラズマパネルであって、X電極の第2基板への
投射影が選択電極と交差する部分に対応するX電極分の
絶縁層の厚みを、Y電極を被覆する絶縁層の厚みより厚
く形成する。
【0039】請求項11に記載のプラズマパネルは、共
通電位を有するX電極及び走査ラインを走査するための
Y電極を互いに平行に配置した第1基板と、第1基板に
対抗して設置され放電セルを選択するための選択電極を
X電極及びY電極と直交させて配置した第2基板と、を
備えるプラズマパネルであって、Y電極の第2基板への
投射影が選択電極と交差する部分であって、第2基板面
を含み選択電極の延在方向と直交する方向における選択
電極の幅を、X電極の第2基板への投射影が選択電極と
交差する部分における選択電極の幅より広く形成する。
【0040】請求項12に記載の画像表示装置は、請求
項4乃至請求項9に記載のプラズマパネルの駆動装置を
備えた画像表示装置において、プラズマパネルの駆動装
置に電源を入力させる電源と、プラズマパネルの駆動装
置により駆動されるプラズマパネルと、を備えて構成さ
れる。
【0041】請求項13に記載の画像表示装置は、請求
項12に記載の画像表示装置において、プラズマパネル
の駆動装置は、請求項10又は請求項11に記載のプラ
ズマパネルを駆動する。
【0042】
【作用】請求項1乃至請求項9に記載の発明によれば、
維持期間においてY電極を接地するので、X電極に印加
される電圧は、X電極とY電極の間に印加される電圧に
なる。このとき、X電極とY電極とは、従来のようにX
電極とY電極の各々に所定の振幅を有する維持パルス信
号を供給した場合と等価な電位差を有する。
【0043】したがって、維持放電はX電極とY電極と
の間に生ずる電位差と壁電荷とにより点火するので、従
来と同様の維持放電が行われる。この構成によれば、従
来のようにY電極に維持パルス信号を供給するための信
号ラインが不要となる。
【0044】特に、請求項1に記載の発明によれば、電
源電圧は正極性及び負極性を有する。維持期間におい
て、この電源電圧よりX電極側に正側維持パルス信号と
負側維持パルス信号とが交互に供給される。
【0045】請求項2に記載の発明によれば、正側維持
パルス信号を供給する際には、電源の負極側が接続され
る負側電源入力端子を接地する。同時に、電源の正極側
が接続される正側電源入力端子から電源電圧を入力し、
電源電圧に基づいて正側維持パルス信号をX電極に供給
する。
【0046】同様に、負側維持パルス信号を供給する際
には、正側電源入力端子を接地し、同時に、負側電源入
力端子から電源電圧を入力し、電源電圧に基づいて負側
維持パルス信号をX電極に供給する。
【0047】請求項3に記載の発明によれば、正側電源
入力端子から電荷を蓄積し、負側電源入力端子から電荷
を蓄積する。そして、正の電荷に基づき正側維持パルス
信号をX電極に供給し、負の電荷に基づいて負側維持パ
ルス信号を供給する。
【0048】請求項4に記載の発明によれば、Y側駆動
手段は、維持期間においてY電極を接地する。X側駆動
手段は、正極性を有する電源電圧と負極性を有する電源
電圧とに基づいて、維持期間において正側維持パルス信
号と負側維持パルス信号とを交互に供給する。
【0049】請求項5に記載の発明によれば、Y側駆動
手段は維持期間においてY電極を接地する。電源電位固
定手段は、正側維持パルス信号を供給する際には、負側
電源入力端子を接地し、負側維持パルス信号を供給する
際には、正側電源入力端子を接地する。そして、X側駆
動手段は、正側電源入力端子及び負側電源入力端子から
電源電圧を入力し、電源電圧に基づいて各維持パルス信
号をX電極に供給する。
【0050】請求項6に記載の発明によれば、Y側駆動
手段は、維持期間においてY電極を接地する。X側駆動
手段は、正側電源入力端子から電荷を蓄積し、正側維持
パルス信号を供給する際には、供給に先立って負側電源
入力端子を接地する。また、負側電源入力端子から電荷
を蓄積し、負側維持パルス信号を供給する際には、供給
に先立って正側電源入力端子を接地する。X側駆動手段
は、電源電位固定手段に蓄積された電荷を用いて維持パ
ルス信号をX電極に供給する。
【0051】請求項7に記載の発明によれば、第1スイ
ッチ手段(例えば、FET)は、第1制御信号に基づい
て正側電源入力端子をX電極に接続する。第2スイッチ
手段(例えば、EFT)は、第2制御信号に基づいて負
側電源入力端子をX電極に接続する。第3スイッチ手段
(例えば、EFT)は、第3制御信号に基づいてX電極
を接地する。制御手段(タイミングコントローラ等)
は、維持期間において第1制御信号と第2制御信号とを
交互に出力する。このとき、これら二つの制御信号を切
り換える間の所定期間に第3制御信号を出力する。
【0052】したがって、第1及び第2スイッチ手段に
より駆動パルス信号本体が生成され、第3スイッチ手段
によりX電極を一度接地電圧に戻してから次の駆動パル
ス信号を印加する。
【0053】請求項8に記載の発明によれば、第1スイ
ッチ手段(例えば、EFT)し、第1制御信号に基づい
て正側電源入力端子をX電極に接続し、第2スイッチ手
段(例えば、EFT)は第2制御信号に基づいて負側電
源入力端子をX電極に接続する。X電極制御手段(タイ
ミングコントローラ等)は維持期間において第1制御信
号と第2制御信号とを交互に出力する。
【0054】また、正側短絡手段(例えば、EFT)は
正側短絡信号に基づいて正側電源入力端子を接地し、負
側短絡手段(例えば、EFT)は負側短絡信号に基づい
て負側電源入力端子を接地する。短絡制御手段(タイミ
ングコントローラ等)は、正側維持パルス信号を出力す
る際に負側短絡信号を出力し、負側維持パルス信号を出
力する際に正側短絡信号を出力するので、電源入力端子
が交互に接地され、X電極には正側及び負側の維持パル
ス信号が交互に供給される。
【0055】請求項9に記載のプラズマパネルの駆動装
置によれば、第1電荷蓄積手段(例えば、コンデンサ)
はX側駆動手段への正側出力端子と接地端子との間に介
装され、第2電荷蓄積手段(例えば、コンデンサ)はX
側駆動手段への負側出力端子と接地端子との間に介装さ
れる。第1電流阻止手段(例えば、ダイオード)は正側
電源入力端子から正側出力端子へ電流を流し、その逆電
流を阻止し、第2電流阻止手段(例えば、ダイオード)
は負側出力端子から負側電源入力端子へ電流を流し、そ
の逆電流を阻止する。
【0056】したがって、維持パルス信号の出力タイミ
ングの有無に関わらず、電源入力端子から各電荷蓄積手
段への充電が行われる。請求項10に記載の発明によれ
ば、絶縁体の表面と選択電極と距離が、X電極の部分に
おいて最も近づいている。また、請求項11に記載の発
明によれば、Y電極が選択電極に対向する部分の電極面
積が、X電極が選択電極に対向する部分の電極面積より
広い。
【0057】したがって、選択電極とX電極との間にお
ける放電開始電圧が、当該選択電極とY電極との間の放
電開始電圧より高い。このため、所定電圧の維持パルス
信号を印加し、選択電極が接地された状態であっても、
放電が開始されることがなく、壁電荷を蓄積したセルの
みが放電を開始する。
【0058】請求項12に記載の発明によれば、請求項
4乃至請求項9の発明の特徴を備えたプラズマパネルの
駆動が行われる。請求項13に記載の発明によれば、さ
らに請求項10又は請求項11に記載の発明の特徴を備
えたプラズマパネルが駆動される。
【0059】
【実施例】本発明の装置に係る好適な実施例を図面を参
照して説明する。(I)第1実施例 本発明の第1実施例は、請求項1、4、7及び12に記
載した発明(第1の原理に関する図1参照)を適用した
ものである。
【0060】図4に第1実施例のプラズマパネル駆動装
置を示す。(A)は表示装置全体における駆動回路の配
置図であり、(B)はそのブロック図である。図4
(A)に示すように、本実施例の駆動回路200は大き
くアドレス側駆動回路9、X側駆動回路7a及びY側駆
動回路8に分割される。各駆動回路の駆動タイミングは
制御回路10により制御される。本実施例では、強固な
グランドパターンが設けられる。維持期間では、この強
固なグランドパターンを通して、電源、駆動系及び両電
極間に大電流を流すことができる。
【0061】図4(B)に示すように、アドレス側駆動
回路9は、アドレスの選択のための電位Vaを供給する
アドレス電源17と、プラズマパネルPのアドレス電極
にアドレス信号を供給するアドレスドライバ16と、ア
ドレス期間におけるX電極の電位VaXを生成するVa
X回路18とを備える。
【0062】X側駆動回路7aは、所定の電圧を出力す
る電源VO と、当該電源VO からの電源電圧に基づいて
プラズマパネルPのX電極を駆動するX側維持パルス
(サスティンパルス)信号を生成して出力するX側サス
テナ11とを備える。
【0063】Y側駆動回路8は、アドレス期間の非選択
時に印加する非選択電源(−VSC)を供給する非選択電
位電源13と、選択時に印加する選択電位(−VY)を
供給する選択電位電源14と、維持期間にY電極を接地
するためのスイッチ15と、アドレス期間に選択信号
(スキャンパルス信号)をパネルPに供給するスキャン
ドライバ12とを備える。図5に、第1実施例における
X側駆動回路7aの詳細な構成を示す。当該回路は本発
明の第1原理図(図1参照)のX側駆動手段1aに対応
するものである。
【0064】本実施例のX側駆動回路7aは、スイッチ
ング素子として動作するトランジスタ(MOS−FET
等)により構成される。トランジスタT12は図4のV
aX回路18に相当し、アドレス期間にX電極に印加す
る電位Vaを供給する。トランジスタT10及びT11
は維持期間にX電極に供給する維持パルス信号を一時的
に接地電位に戻す。ダイオードD1〜D3は電流の逆流
を防止する。トランジスタT8は図1の上側スイッチ3
に相当し、維持期間に正電位(+Vs)をX電極に供給
する期間導通する。トランジスタT9は図1の下側スイ
ッチ4に相当し、維持期間に負電位(−Vs)をX電極
に供給する期間導通する。各トランジスタのゲートは、
制御回路10(図4(A)参照)から供給される。電源
回路VOは接地電位を中心に正電位として+Vsを、負
電位として−VsをそれぞれX側サステナ11に供給す
る。
【0065】図6(A)に、Y側駆動回路8の詳細な構
成を示す。当該回路は本発明の第1原理図(図1)のY
側駆動手段2に対応するものである。スキャンドライバ
12はトランジスタT1及びT2によりプシュプル回路
を構成される。プラズマパネルPの走査ラインの数(N
とする。)だけ1ライン毎に設けられる。トランジスタ
T3は非選択電位電源13(図4(B))に相当する。
トランジスタT4は選択電位電源14(図4(B))に
相当する。トランジスタT5はスイッチ15に相当す
る。ダイオードD5は、接地電位に対して逆バイアスと
なるよう設けられ、Y電極が0Vに接地された際、非選
択電位電源へ電流が流れ込むのを防いでいる。この構成
により、アドレス期間では、スキャンドライバ20の高
電位側入力端子に非選択電位(−VSC)が、低電位側入
力端子に選択電位(−VY)が与えられる。所定の走査
ラインのY電極を選択するときはトランジスタT2が、
非選択とするときはトランジスタT1が各々オン状態と
なる。維持期間には、トランジスタT5が開くことによ
り、スキャンドライバ20内のトランジスタT2に並列
接続されたダイオードを介して、接地電位からY電極に
電流を流し込む。また、トランジスタT1に並列接続さ
れたダイオードを介して接地電位に電流を流し込むこと
もできる。すなわち、Y電極に流れる電流は全て接地電
位に流れ、また、接地電位から流れ込むので、ダイオー
ドの順方向電圧降下を無視すれば、Y電極は維持期間に
接地状態となっているといえる。
【0066】図6(B)にアドレス駆動回路9の詳細な
構成を示す。このアドレス駆動回路9にて必要とされる
電源は、接地電位に対して+Vaの電位を供給する電源
である。
【0067】アドレスドライバ16は、トランジスタT
6及びT7のプッシュプル回路で構成される。アドレス
ドライバ16はアドレス電極の数だけ(M個)設ける。
アドレス期間にトランジスタT6がオンされ、アドレス
電位がパネルPのアドレス電極に印加される。アドレス
期間以外に期間にはトランジスタT7がオンされ、アド
レス電極は接地される。
【0068】次に、第1実施例の動作を図7の駆動波形
図を参照しながら説明する。本実施例におけるサブフィ
ールド内のリセット期間は、細幅消去パルスを使用して
いる。リセット期間において、前回のサブフィールドで
点灯(放電)していたセルは、細幅消去パルスによって
消去放電が行われる(時刻t0 )。アドレス期間(時刻
1 〜t2 )では、従来例と同様に、選択的にY電極に
−VYのスキャンパルス信号が印加され、アドレス放電
が実行される。この時、X電極の電位はVaであるた
め、即、X電極とY電極間の放電に移行し、維持放電を
行なうために必要な壁電荷を蓄積して放電を終了する。
このように順次、アドレス選択が実行される。
【0069】次の維持期間(時刻t3 〜t4 )では、段
階でパネルの全X電極に交互に極性の異なる維持パルス
が印加され維持放電が実行される。この時、Y電極の電
位は0Vに固定される。
【0070】ここで、パルスの電圧特性と印加電圧の関
係を述べる。維持放電時に印加する維持パルス信号の絶
対値であるVsは、X電極とY電極間のn個のセルの最
小維持電圧のなかでの最大値(Vsmn:nはn個のセ
ルを対象とした場合を示している)以上であり、且つ、
最小放電開始電圧(Vf1)未満である。さらに、Vs
はアドレス電極とX電極間の最小放電開始電圧(Vf AX
1:1はY電極の番号)を越えない値となっている。ア
ドレス放電とX電極間で放電を開始しないような電圧値
に制限するのである。
【0071】また、アドレスパルスの電圧(Va)とス
キャンパルス(−VY)の電位差(Va+VY)は、ア
ドレス電極とY電極の最大放電開始電圧(VfAYn:n
はn個のセルを対象としていることを示している)を越
える値である。さらに、スキャンパルスのみ、またはア
ドレスパルスのみの印加(半選択)状態で放電を開始す
ることのないように、Va+Vsc及びVYがアドレス
電極とY電極間の最小放電開始電圧(VfAY1)を越え
ないことが必要である。
【0072】具体的な印加電圧の一例を述べると、Vs
=170V、Va=50V、−VY=−150V、−V
sc=−50Vという電圧値が挙げられる。また、パネ
ルの特性を示す電圧としては、Vsmn=150V、V
f1=220V、VfAY1=VfAY1=180V、Vf
AYn=190Vである。
【0073】上記の如く、本第1実施例によれば、MO
Sトランジスタとダイオードを組み合わせただけで本発
明の駆動回路が構成されるので、集積回路により本回路
を構成する場合に好ましい。(II)第2実施例 本発明の第2実施例は、請求項2、5及び8に記載した
駆動方法(第2の原理に関する図2参照)を適用したも
のである。
【0074】本第2実施例の構成は、X側駆動回路の構
成を除き、第1実施例(図4及び図6)と同様なので、
その説明は省略する。図8に、第2実施例のX側駆動回
路7bの構成を示す。
【0075】電源VO ’は、第1実施例と異なり、一つ
の電位Vsを供給する。コンデンサCはノイズを防止す
るために挿入する。トランジスタT10’及びT11’
は、電源の接地電位に対する絶対電位を定める構成であ
り、図2に示す第2原理図における電源電位固定手段5
aに相当する。トランジスタT8及びT9は、パネルP
のX電極に維持電圧を供給する構成であり、図2に示す
第2原理図におけるX側駆動手段1bに相当する。トラ
ンジスタT12はアドレス期間にX電極の電位を与える
VaX回路18である。
【0076】上記構成において、維持期間において正電
位の維持パルス信号を印加する時に、トランジスタT1
1’は、ゲートに制御回路10より制御信号が加えられ
てオンし、電源VO ’の低電位側端子(マイナス端子)
を接地する。次いでトランジスタT8がオンし、接地電
位に対して+Vsの振幅を有する正電位の維持パルス信
号をパネルPのX電極に印加する。
【0077】また、負電位の維持パルス信号を印加する
時に、トランジスタT10’は、制御信号によりオン
し、電源VO ’の高電位側端子(プラス端子)を接地す
る。次いでトランジスタQ9がオンし、接地電位に対し
て−Vsの振幅を有する負電位の維持パルス信号をX電
極に印加する。
【0078】維持期間が続く限り、維持パルス信号を印
加する毎に、トランジスタT10’とT11’とを交互
にオンオフし、電源VO ’の正電位側端子又は負電位側
端子のいずれか一方を接地する動作を繰り返す。したが
って、X電極に対しては実質的に+Vsの電源と−Vs
の電源から電圧が供給されたのと等価な状態になる。
【0079】以上の動作でパネルPに供給される信号
は、第1実施例において図7に基づいて説明した駆動波
形と同じになる。以上の如く、本第2実施例によれば、
単一の電源から正負の維持パルス信号が生成でき、経済
的である。また、本実施例の回路は集積回路で構成する
のにも適する。(III)第3実施例 本発明の第3実施例は、請求項3、6及び9に記載した
駆動方法(第3の原理に関する図3参照)を適用したも
のである。
【0080】本第3実施例の構成は、X側駆動回路の構
成を除き、第1実施例(図4及び図6)と同様なので、
その説明は省略する。図9に、第3実施例のX側駆動回
路7cの構成を示す。
【0081】本第2実施例の特徴は、第2実施例のよう
に±Vsの電源を維持パルス信号を供給する度に接地す
るのではなく、コンデンサC1とC2とに電荷を蓄積
し、見かけ上+Vsの電源と−Vsの電源が存在するよ
うに構成している点にある。トランジスタT10とT1
1は、極性の異なる維持パルス信号を交互に供給する
際、その極性の変化点で一旦X電位を接地する。
【0082】さて、上記構成において、アドレス期間
に、トランジスタT13及びT14はある程度長い周期
でオンし、コンデンサC1及びC2に電荷を蓄積させ
る。例えば、アドレス期間の前半は、トランジスタT1
3がオンしてコンデンサC2にVsの電圧を充電する。
このとき、ダイオードD11はコンデンサC2からの電
流のリークを防止する。よって、ダイオードD11のカ
ソードは+Vsの電位を維持する。
【0083】一方、アドレス期間の後半は、トランジス
タT14がオンしてコンデンサC1にVsの電圧を充電
する。このとき、ダイオードD12はコンデンサC2か
らの電流のリークを防止する。よって、ダイオードD1
2のアノードは−Vsの電位を維持する。
【0084】トランジスタT13及びT14は、上記の
ように、アドレス期間を前半と後半とに分けて充電する
か、又は、維持期間は維持パルス信号の周期の1倍から
数倍の周期でこの動作を行ってもよい。また、コンデン
サC1及びC2の容量は、1回の維持パルス信号で消費
される電荷量に対して十分な電荷蓄積能力を備えること
が望ましい。電荷蓄積能力が高い程、維持期間における
トランジスタ13及び14オンオフによるコンデンサC
1及びC2への充電時間は少なくてもよい。
【0085】上記の如く本第3実施例によれば、コンデ
ンサが維持期間に必要な電荷を蓄積するので、電源の端
子を維持パルスの極性が反転する毎に切り換える必要が
ない。また、コンデンサに充電するためのトランジスタ
の切換タイミングも厳格な時間管理が必要なく簡単であ
る。(IV)第4実施例 本発明の第4実施例は請求項10に係り、上記各実施例
において使用するに適するプラズマパネルの構造に関す
る。
【0086】本第4実施例のプラズマパネル300は、
図10に示すように、X電極30に近いアドレス電極2
1の上に、Y電極側よりも厚く誘電体層(IF層)23
を設ける。この構造により、X電極とアドレス電極間の
放電開始電圧が従来よりも高くなる。
【0087】例えば、X電極30の上の厚い誘電体層2
3をY電極の上部よりも10ミクロン程厚くすると、ア
ドレス電極21とY電極31間の最小放電開始電圧(V
fAX1)は200〔V 〕程度になる。これは従来より2
0〔V 〕程度も高い電圧である。
【0088】したがって、維持電圧Vsは200〔V 〕
近くまで印加することができる。(V)第5実施例 本発明の第5実施例は請求項11に係り、第4実施例と
同様に、第1から第3実施例に使用するのに適するプラ
ズマパネルの構造に関する。
【0089】本第5実施例のプラズマパネル301は、
図11に示すように、X電極33に近いアドレス電極3
5の幅をY電極34側より細くする。このため、X電極
33とアドレス電極35間の放電開始電圧は従来より高
くなる。
【0090】例えば、X電極の部分のアドレス電極35
をY電極34の部分より30ミクロン程度細くすると、
アドレス電極35とX電極33間の最小放電開始電圧
(Vf AX1)は190〔V 〕と、従来より10〔V 〕程
度高くすることができる。したがって、維持電圧Vs
は、190〔V 〕近くまで印加することができる。
【0091】
【発明の効果】請求項1乃至請求項9に記載の発明によ
れば、Y電極に関する信号供給用の配線パターンを省略
できるので、長距離の配線に伴って生ずる誤動作が生じ
にくい。また、配線パターンの省略により、配線面積が
少なくなる。
【0092】特に、請求項2、請求項5又は請求項8に
記載の発明によれば、単一の電源で正負の両極性の維持
パルス信号を生成できるので、電源構成を単純化でき
る。さらに、請求項3、請求項6又は請求項9に記載の
発明によれば、上記効果に加え、電源入力端子を接地す
る動作と維持パルス信号を供給する動作とを連動させる
必要がなく、維持パルス信号の供給動作にのみ時間管理
を行えばよいので、処理を単純化できる。
【0093】請求項10又は請求項11に記載の発明に
よれば、放電開始までのマージンが広いので、請求項1
乃至請求項9、請求項12又は請求項13に記載の発明
に適するプラズマパネルを提供できる。
【0094】請求項12又は請求項13に記載の発明に
よれば、誤動作がなく、配線面積が少なく、且つ、動作
電圧のマージンの広い画像表示装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の原理を示す説明図である。
【図2】本発明の第2の原理を示す説明図である。
【図3】本発明の第3の原理を示す説明図である。
【図4】第1実施例のプラズマパネル駆動装置の構成図
である。
【図5】第1実施例のX側駆動回路の構成図である。
【図6】Y側駆動回路及びアドレス駆動回路の構成図で
ある。
【図7】実施例の駆動波形図である。
【図8】第2実施例のX側駆動回路の構成図である。
【図9】第3実施例のX側駆動回路の構成図である。
【図10】第4実施例のプラズマパネルの断面図であ
る。
【図11】第5実施例のプラズマパネルの平面図であ
る。
【図12】3電極・面放電・AC型プラズマパネルの平
面図である。
【図13】3電極・面放電・AC型プラズマパネルの断
面図である。
【図14】プラズマ回路の周辺回路の構成図である。
【図15】従来の駆動波形図である。
【図16】アドレス/維持放電型のタイムチャートであ
る。
【図17】従来例における問題点の説明図である。
【符号の説明】
1a、1b、1c、7a、7b、7c…X側駆動回路
(手段) 2…Y側駆動回路(手段) 3…上側スイッチ 4…下側スイッチ 5a、5b…電源電位固定手段 8…Y側駆動回路 9…アドレス駆動回路 10…制御回路 11…X側サステナ 12…スキャンドライバ 13…非選択電位電源 14…選択電位電源 15…スイッチ 16…アドレスドライバ 17…アドレス電源 18…VaX回路

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 選択期間には所定の壁電荷を蓄積し、維
    持期間には所定の維持パルス信号による維持放電をX電
    極とY電極との間で行うことにより画像表示を行うプラ
    ズマパネルの駆動方法であって、 前記維持期間において前記Y電極を所定の電圧に維持
    し、 正極性を有する電源電圧と負極性を有する電源電圧とに
    基づいて、当該維持期間において前記X電極側に正極性
    の振幅を有する正側維持パルス信号と負極性の振幅を有
    する負側維持パルス信号とを交互に供給することを特徴
    とするプラズマパネルの駆動方法。
  2. 【請求項2】 選択期間には所定の壁電荷を蓄積し、維
    持期間には所定の維持パルス信号による維持放電をX電
    極とY電極との間で行うことにより画像表示を行うプラ
    ズマパネルの駆動方法であって、 前記維持期間において前記Y電極を所定の電圧に維持
    し、 当該維持期間において正極性の振幅を有する正側維持パ
    ルス信号を供給する際には、電源の負極側が接続される
    負側電源入力端子を接地し、当該電源の正極側が接続さ
    れる正側電源入力端子から電源電圧を入力し、当該電源
    電圧に基づいて前記正側維持パルス信号を前記X電極に
    供給し、 当該維持期間において負極性の振幅を有する負側維持パ
    ルス信号を供給する際には、前記正側電源入力端子を接
    地し、前記負側電源入力端子から電源電圧を入力し、当
    該電源電圧に基づいて前記負側維持パルス信号を前記X
    電極に供給することを特徴とするプラズマパネルの駆動
    方法。
  3. 【請求項3】 選択期間には所定の壁電荷を蓄積し、維
    持期間には所定の維持パルス信号による維持放電をX電
    極とY電極との間で行うことにより画像表示を行うプラ
    ズマパネルの駆動方法であって、 前記維持期間において前記Y電極を所定の電圧に維持
    し、 電源の正極側が接続される正側電源入力端子から電荷を
    蓄積し、当該維持期間において正極性の振幅を有する正
    側維持パルス信号を供給する際には、当該供給に先立っ
    て当該電源の負極側が接続される負側電源入力端子を接
    地し、当該蓄積した電荷を用いて前記正側維持パルス信
    号を前記X電極に供給し、 前記負側電源入力端子から電荷を蓄積し、当該維持期間
    において負極性の振幅を有する負側維持パルス信号を供
    給する際には、当該供給に先立って前記正側電源入力端
    子を接地し、当該蓄積した電荷を用いて前記負側維持パ
    ルス信号を前記X電極に供給することを特徴とするプラ
    ズマパネルの駆動方法。
  4. 【請求項4】 選択期間には所定の壁電荷を蓄積し、維
    持期間には所定の維持パルス信号による維持放電をX電
    極とY電極との間で行うことにより画像表示を行うプラ
    ズマパネルの駆動装置であって、 前記維持期間において前記Y電極を所定の電圧に維持す
    るY側駆動手段と、 正極性を有する電源電圧と負極性を有する電源電圧とに
    基づいて、当該維持期間において前記X電極側に正極性
    の振幅を有する正側維持パルス信号と負極性の振幅を有
    する負側維持パルス信号とを交互に供給するX側駆動手
    段と、を備えたことを特徴とするプラズマパネルの駆動
    装置。
  5. 【請求項5】 選択期間には所定の壁電荷を蓄積し、維
    持期間には所定の維持パルス信号による維持放電をX電
    極とY電極との間で行うことにより画像表示を行うプラ
    ズマパネルの駆動装置であって、 前記維持期間において前記Y電極を所定の電圧に維持す
    るY側駆動手段と、 当該維持期間において正極性の振幅を有する正側維持パ
    ルス信号を供給する際には、電源の負極側が接続される
    負側電源入力端子を接地し、当該維持期間において負極
    性の振幅を有する負側維持パルス信号を供給する際に
    は、電源の正極側が接続される正側電源入力端子を接地
    する電源電位固定手段と、 前記正側電源入力端子及び負側電源入力端子から電源電
    圧を入力し、当該電源電圧に基づいて各前記維持パルス
    信号を前記X電極に供給するX側駆動手段と、を備えた
    ことを特徴とするプラズマパネルの駆動装置。
  6. 【請求項6】 選択期間には所定の壁電荷を蓄積し、維
    持期間には所定の維持パルス信号による維持放電をX電
    極とY電極との間で行うことにより画像表示を行うプラ
    ズマパネルの駆動装置であって、 前記維持期間において前記Y電極を所定の電圧に維持す
    るY側駆動手段と、 当該電源の正極側が接続される正側電源入力端子から電
    荷を蓄積し、当該維持期間において正極性の振幅を有す
    る正側維持パルス信号を供給する際には、当該供給に先
    立って電源の負極側が接続される負側電源入力端子を接
    地し、前記負側電源入力端子から電荷を蓄積し、当該維
    持期間において負極性の振幅を有する負側維持パルス信
    号を供給する際には、当該供給に先立って前記正側電源
    入力端子を接地する電源電位固定手段と、 前記電源電位固定手段に蓄積された電荷を用いて前記維
    持パルス信号を前記X電極に供給するX側駆動手段と、
    を備えたことを特徴とするプラズマパネルの駆動装置。
  7. 【請求項7】 請求項4に記載のプラズマパネルの駆動
    装置において、 前記X側駆動手段は、第1制御信号に基づいて前記正極
    性を有する電源電圧が供給される正側電源入力端子を前
    記X電極に接続する第1スイッチ手段と、第2制御信号
    に基づいて前記負極性を有する電源電圧が供給される負
    側電源入力端子を前記X電極に接続する第2スイッチ手
    段と、第3制御信号に基づいて前記X電極を接地する第
    3スイッチ手段と、前記維持期間において前記第1制御
    信号と前記第2制御信号とを交互に出力し、かつ、これ
    ら二つの制御信号を切り換える間の所定期間に前記第3
    制御信号を出力する制御手段と、を備えたことを特徴と
    するプラズマパネルの駆動装置。
  8. 【請求項8】 請求項5に記載のプラズマパネルの駆動
    装置において、 前記X側駆動手段は、第1制御信号に基づいて前記正側
    電源入力端子を前記X電極に接続する第1スイッチ手段
    と、第2制御信号に基づいて前記負側電源入力端子を前
    記X電極に接続する第2スイッチ手段と、前記維持期間
    において前記第1制御信号と前記第2制御信号とを交互
    に出力するX電極制御手段と、を備え、 前記電源電位固定手段は、正側短絡信号に基づいて前記
    正側電源入力端子を接地する正側短絡手段と、負側短絡
    信号に基づいて前記負側電源入力端子を接地する負側短
    絡手段と、前記正側維持パルス信号を出力する際に前記
    負側短絡信号を出力し、前記負側維持パルス信号を出力
    する際に前記正側短絡信号を出力する短絡制御手段と、
    を備えたことを特徴とするプラズマパネルの駆動装置。
  9. 【請求項9】 請求項6に記載のプラズマパネルの駆動
    装置において、 前記電源固定手段は、前記X側駆動手段への正側出力端
    子と接地端子との間に介装される第1電荷蓄積手段と、
    前記X側駆動手段への負側出力端子と接地端子との間に
    介装される第2電荷蓄積手段と、前記正側電源入力端子
    から前記正側出力端子へ電流を流し、その逆電流を阻止
    する第1電流阻止手段と、前記負側出力端子から前記負
    側電源入力端子へ電流を流し、その逆電流を阻止する第
    2電流阻止手段と、を備えたことを特徴とするプラズマ
    パネルの駆動装置。
  10. 【請求項10】 共通電位を有するX電極及び走査ライ
    ンを走査するためのY電極を互いに平行に配置した第1
    基板と、当該第1基板に対向して設置され放電セルを選
    択するための選択電極を前記X電極及びY電極と直交さ
    せて配置した第2基板と、を備えるプラズマパネルであ
    って、 前記X電極の前記第2基板への投射影が前記選択電極と
    交差する部分に対応する当該X電極分の絶縁層の厚み
    を、前記Y電極を被覆する絶縁層の厚みより厚く形成す
    ることを特徴とするプラズマパネル。
  11. 【請求項11】 共通電位を有するX電極及び走査ライ
    ンを走査するためのY電極を互いに平行に配置した第1
    基板と、当該第1基板に対抗して設置され放電セルを選
    択するための選択電極を前記X電極及びY電極と直交さ
    せて配置した第2基板と、を備えるプラズマパネルであ
    って、 前記Y電極の当該第2基板への投射影が前記選択電極と
    交差する部分であって、前記第2基板面を含み前記選択
    電極の延在方向と直交する方向における当該選択電極の
    幅を、前記X電極の当該第2基板への投射影が当該選択
    電極と交差する部分における当該選択電極の幅より広く
    形成することを特徴とするプラズマパネル。
  12. 【請求項12】 請求項4乃至請求項9に記載のプラズ
    マパネルの駆動装置を備えた画像表示装置において、 前記プラズマパネルの駆動装置に電源を入力させる電源
    と、 前記プラズマパネルの駆動装置により駆動されるプラズ
    マパネルと、を備えたことを特徴とする画像表示装置。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の画像表示装置にお
    いて、 前記プラズマパネルの駆動装置は、請求項10又は請求
    項11に記載のプラズマパネルを駆動することを特徴と
    する画像表示装置。
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