JPH083203B2 - 長大スパンの大屋根架構 - Google Patents

長大スパンの大屋根架構

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JPH083203B2
JPH083203B2 JP62278281A JP27828187A JPH083203B2 JP H083203 B2 JPH083203 B2 JP H083203B2 JP 62278281 A JP62278281 A JP 62278281A JP 27828187 A JP27828187 A JP 27828187A JP H083203 B2 JPH083203 B2 JP H083203B2
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truss
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cane
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勝人 増田
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Takenaka Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、工場建屋の屋根又は音楽堂あるいは飛行
機格納庫などの大屋根として採用される長大スパンの大
屋根架構に係り、さらにいえば、梁間方向の柱間隔が10
0m〜200mでこの長大スパンを無柱で建設することができ
る大屋根架構(長大スパン架構又は無柱空間架構)に関
するものである。
従来の技術 従来一般の屋根架構は、梁間方向に20m〜30mの短スパ
ンで柱が多数林立した構成になっている。
最近になって、長大スパンを無柱で建設する長大スパ
ン架構(無柱空間架構)が紹介されている。例えば昭和
62年8月6日付日刊工業新聞の記事によれば、清水建設
(株)がスパン175mを無柱で建設した工場大屋根(以下
清水の大屋根という)を完成した旨紹介されている。同
記事に紹介された清水の大屋根架構の構造詳細は不明で
あるが、スパン175mの柱間にトラス梁を架設すると共に
同トラスの下弦材にピアノ線(PC鋼線、PC鋼棒など)を
組込み、これを強く引張ってトラス梁を圧縮するプレス
トレスを導入し、これによってトラス下部が屋根荷重で
下方へ押し拡がるのを元に戻して垂れ下がりを防いだ構
成の屋根になっているものと推定される。
本発明が解決しようとする問題点 (I)上記に述べた如く短スパンで柱が多数林立する
屋根架構の場合は、柱が占める分だけ建物内の有効床面
積が減少し、また、柱がじゃまになって室内空間の使用
に何かと不便が生じていた。
(II)上記に述べた清水の大屋根架構は、有効床面積
が約10%増加し、また、柱のじゃまが無いので室内空間
の使用に制約を受けないという特長を有するが、一方、
トラス梁は垂れ下がりを元に戻す大きさのプレストレス
による圧縮を常時受ける構成なので、同トラス梁の下弦
材は前記圧縮に耐え得る断面積を必要とし、構造が大型
化するという問題点が認められる。
問題点を解決するための手段 上記従来技術の問題点を解決するための手段として、
この発明に係る長大スパンの大屋根架構は、図面の第1
図〜第7図に好適な実施例を示したとおり、 (a)小梁取付け位置Hよりも上方に方杖材取付け高さ
hをもつ複数の柱材1…が、梁間方向に所要の間隔をあ
けて複数の列状に建てられ、 (b)柱材1,1の桁行方向に並ぶ間であって方杖材取付
け高さhの部位に大梁トラス2が架設されていること、 (c)梁間方向に並ぶ柱材1,1同士の小梁取付け位置H
の間、及び大梁トラス2,2同士の下端付近の間に小梁材
3…が架設されていること、 (d)柱材1及び大梁トラス2の天端と前記小梁材3と
の間に方杖材4が斜めに設置され、 (e)小梁材3の長手方向に沿って緊張材5が付設さ
れ、該緊張材5の両端は前記方杖材4に沿って斜め上向
きに配置され、柱材1または大梁トラス2の天端おいて
予引張力を導入して定着が行なわれ、長期屋根荷重は緊
張材5により吊り上げていることをそれぞれ特徴とす
る。
作用 各柱材1の直立状態は、これに架設した大梁トラス2
及び小梁材3により平面の2軸方向に補剛される。ま
た、大梁トラス2はその間へ組入れた小梁材3により補
剛されており、地震時などの横力はこれら大梁トラス
2、小梁材3と方杖材4とにより処理される。
風圧時に屋根に加わる浮揚力に対しては方杖材4を圧
縮材として働かせ、もって小梁材3の支点間距離を小さ
くした形で処理する。
小梁材3の長手方向に付設されたPC鋼棒等の緊張材5
は、その両端が方杖材4に沿って上方へ向い、柱材1又
は大梁トラス2の天端に適度な緊張状態で定着されてい
るので、小梁材3は緊張材5で引張り上げた形になって
おり、小梁材3に負荷された長期屋根荷重は緊張材5を
引張材として支持される。即ち、屋根荷重は小梁材3が
直接受けるが、同時に同小梁材3に付設した緊張材5が
引張力として支持し、大梁トラス2を経て、又は直接柱
材1が受けて地盤に伝達し処理される。
実施例 次に、図示した実施例を説明する。
第1図と第2図は、この発明に係る長大スパンの大屋
根架構の構造の概要を示したもので、図中1が柱材であ
り、これは梁間方向に100m及至200m位の長大な間隔をあ
けて垂直に建てられている。柱材1には角型の鋼管等が
その上端を閉じた形で使用されている。柱材1の桁行方
向の間隔は30m位とされている。柱材1は、小梁取付け
位置(床上高さH,Hは3〜15m位)よりも上方に方杖材取
付け高さh(このhは梁間スパンの大きさにより異な
る。)をもち、よって地上高さが(H+h)とされた背
丈の高い柱とされている。
桁行方向に並ぶ柱材1,1間には、梁せいが上記方杖材
取付け高さhに略等しい大きさで平板状の大梁トラス2
が架設され、もって柱材1が桁行方向に補剛されている
(第2図)。
また、梁間方向に並ぶ柱材1,1同士の前記方杖材取付
け高さhの下部位置の間、及び大梁トラス2,2の下端付
近の間に小梁材3…を架設し、もって柱材1が梁間方向
に補剛されている。さらに各小梁材3…は、桁行方向に
組入れたつなぎ梁(交叉梁)6…で補剛され、もって平
版状のトラス屋根が組立てられている。
上記の各柱材1…及び大梁トラス2の天端と、小梁材
3との間に、方杖材4が設置されている。方杖材4と小
梁材3との交点位置は、柱材1からの長さSを、小梁材
3の全長L(つまり、柱材1,1間のスパン)の約L/5程度
に構成されている。方丈材4の勾配は10°〜30°位とさ
れている。
ところで、小梁材3の構造は、第3図A,Bに一例を示
したように、プレートの溶接組立て加工によりせいが高
いI形に形成されたIビーム材又は同様なせいの高さを
有する市場I形鋼による構成とされている。
この小梁材3と柱材1及び方丈材4との関係構造は、
第4図に詳示したとおり、方丈材4としてはH形鋼を使
用し、小梁材3の方に溶接したH形鋼4a及び柱材1の方
に溶接したH形鋼4bとの間に長い方丈材4を高力ボルト
継手で接合した構成とされている。小梁材3において、
H形鋼4aの溶接箇所にはスティフナー10,10を入れて補
強が行なわれている。また、小梁材3のウェブ両側面に
は、方丈材4の延長線上に形鋼11が溶接されている。
そして、小梁材3のウェブの両側であって下フランジ
近傍の位置に緊張材としてのPC鋼棒5(又はPC鋼線)を
沿わせ(第3図B)、これが小梁材3の長手方向に付設
されている。このPC鋼棒5の両端部は、第4図に詳示し
たようにまず形鋼11の中に通し、さらに方杖材4たる
H形鋼のウェブ両側面に沿わせて上方へ導き、柱材1又
は大梁トラス2の天端部に定着機構を設け、適度な大き
さの予引張力を導入して定着し、もって小梁トラス材3
…に加えられる載荷重(長期荷重)を吊り上げる構成と
されている。つまり、小梁材3…が受ける屋根荷重の大
部分をPC鋼棒5の引張応力として負担せしめ、これを柱
材1…に伝達して処理されるのである。なお、方杖材4
は荷重の大きさ、向きにより引張材又は圧縮材として働
き、小梁材3の負荷を処理する。
例えば、風圧時の吹上げ、即ち屋根の浮揚力に対して
は、方杖材4を圧縮材又は引張材として働かせる。この
ときは小梁材3の支点間距離が小さくなるので、その分
小梁鋼材使用量の節減が図れるのである。
また、強風時あるいは地震時に生ずる横力は、梁間方
向には小梁材3と方杖材4に、そして桁行方向には大梁
トラス2とつなぎ梁6…とにそれぞれ応力伝達をさせて
抵抗させる。この時も方杖材4は圧縮材又は引張材とし
て働く。
小梁材3とつなぎ梁6とで構成したトラス屋根の上面
には、屋根仕上材7が敷設されている。但し、方杖材4
に沿う傾斜屋根部分にはワイヤーウェーブ等の透明仕上
げ材7′を敷設して建物内に自然採光が図られている。
また、斜め屋根部分の一部には、開閉自在な窓となる突
出し部分8を設けて自然換気を行なう構成とされてい
る。方杖材4と小梁材3とが形成する三角形状の屋根裏
空間9は、設備スペースとして利用しダクト、配線及び
配管類が敷設されている。
異なる実施態様 小梁材としては、上記Iビーム材のほかに、第5図A,
Bに示したように、上下弦材3a,3bとしてH形鋼を横向き
に使用し、その間の斜材3cとしてH形鋼又はアングルを
組入れたトラス(組立梁)で実施することもできる。こ
の場合にも下弦材3bたるH形鋼の両溝内に緊張材として
のPC鋼棒5を沿わせて付設した構成とされる。また、方
丈材4としてはパイプ材を使用することもできる 本発明が奏する効果 以上に実施例と併せて詳述したとおりであって、この
発明に係る長大スパンの大屋根架構によれば、100m〜20
0mの長大スパンを柱無し空間とした建物を構築できるの
で、工場とか音楽堂あるいは飛行機格納庫などの建屋と
して、有効床面積が広く、そして、じゃま物が無くて見
通しが良く広い大空間を種々便利に経済的に使用するこ
とを可能ならしめる。
しかも、この大屋根架構は、常時荷重を緊張材5で吊
り支える構造であるため、特に小梁材3の部材断面積を
小さくでき、その鋼材使用量を節減して軽量で安価な無
柱大空間建物の建設に寄与するのである。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明に係る大屋根架構の概要を示した正面
図、第2図は同前の斜視図、第3図A,Bは小梁材の構造
例を示した正面図と横断面図、第4図は小梁材と方丈材
及び柱材の架構部分を詳示した正面図、第5図AとBは
小梁材の異なる例を示した正面図と横断面図である。 1……柱材、2……大梁トラス、3……小梁材 4……方丈材、5……緊張材(PC鋼棒)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)小梁取付け位置よりも上方に方杖材
    取付け高さをもつ複数の柱材が、梁間方向に所要の間隔
    をあけて複数の列状に建てられ、 (b)柱材の桁行方向に並ぶ間であって方杖材取付け高
    さの部位に大梁トラスが架設されていること、 (c)梁間方向に並ぶ柱材同士の小梁取付け位置の間及
    び大梁トラス同士の下端付近の間に小梁材が架設されて
    いること、 (d)柱材及び大梁トラスの天端と前記小梁材との間に
    方杖材が斜めに設置され、 (e)小梁材の長手方向に沿って緊張材が付設され、該
    緊張材の両端は前記方杖材に沿って斜め上向きに配置さ
    れ、柱材または大梁トラスの天端において予引張力を導
    入して定着が行なわれ、長期屋根荷重は緊張材により吊
    り上げていること、をそれぞれ特徴とする長大スパンの
    大屋根架構。
JP62278281A 1987-11-05 1987-11-05 長大スパンの大屋根架構 Expired - Lifetime JPH083203B2 (ja)

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