JPH08319658A - 地下遊水池構造物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 安定した必要十分な強度を確保しながら、製
造、施工過程の手間を省き、施工時間の短縮とコストの
減少が可能である地下遊水池構造物を提供する。 【構成】 一対の底の広い台形板状の柱１，１と水平梁
２と基礎梁３とから成り、柱１，１の上端部４，４間に
水平梁２を連結し、柱１，１の下端部５，５間に基礎梁
３を連結して一体成形された本体ブロック６があり、水
平梁２の梁方向に一直線に整列させて多数個並設した本
体ブロック６群を、多数列等間隔に配置して本体ブロッ
ク６群の間に貯留空間７を形成し、貯留空間７の外周を
外壁板８で囲い閉塞し、底面部９をコンクリ−ト打設し
て本体ブロック６群を一体に連結し、隣り合う列の水平
梁２、２間上に蓋板１０を載せ並べて上面開放部１１を
閉塞する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、雨水を一時的に貯留す
る地下遊水池構造物に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、建物の増加や地表の舗装率の上昇
に伴い、大量の降雨時には雨水が地下に浸透できずに下
水道や河川に流れ込み、その許容量を越えてしまう結
果、しばしば洪水が発生する。その一方で、普段は河川
の流量が少なくて水質が悪化し、地下水も枯れるといっ
た問題が発生している。そのため、雨水をいったん貯留
槽に貯留して河川への流出量を調整する技術が開発され
ている。

【０００３】このような地下遊水池構造物としては、実
開昭５−９８６８５号公報に開示されたものがある。こ
の地下遊水池構造物は、Ｕ型コンクリ−トブロックより
なる構造体にシ−ス管を引き通すための孔を形成し、こ
の孔にＵ型コンクリ−トブロック構造体の両端からＰＣ
鋼棒を引き通し、ナットにより緊張連結する。

【０００４】しかしながら、この地下遊水池構造物は、
構造体に少なくとも一つの開口部とシ−ス管、鉄筋の埋
設加工が必要であり、更に施工時にＰＣ鋼棒とナット体
を使用するため、製造、施工過程の手間および労賃コス
トがかかっていた。

【０００５】更に、構造体の柱部分は同厚の板状である
ため、平面に垂直方向の揺れに対する耐力が小さい。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の目
的は、より安定し必要十分な強度を確保しながら、製
造、施工過程の手間を必要とすることなく、施工時間の
短縮とコストを減少させることができる地下遊水池構造
物を提供することである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】以下、添付図面中の参照
符号を用いて説明すると、本発明の地下遊水池構造物は
一対の底の広い台形板状の柱１，１と水平梁２と基礎梁
３とから成り、柱１，１の上端部４，４間に水平梁２を
連結し、柱１，１の下端部５，５間に基礎梁３を連結し
て一体成形された本体ブロック６を使用する。

【０００８】水平梁２，２を梁方向に一直線に整列させ
て多数個並設した本体ブロック６群を、多数列等間隔に
配置して本体ブロック６群の間に貯留空間７を形成し、
貯留空間７の外周を外壁板８で囲い閉塞し、底面部９を
コンクリ−ト打設して本体ブロック６群を一体に連結
し、隣り合う列の水平梁２，２間上に蓋板１０を載せ並
べて上面開放部１１を閉塞する。

【０００９】請求項２の地下遊水池構造物では、隣接す
る本体ブロック６，６の柱１，１の側面１２，１２同士
を当接させて並設する。

【００１０】請求項３の地下遊水池構造物は、隣接する
本体ブロック６，６の水平梁２，２の端部２ａ，２ａ同
士を当接させて並設する。

【００１１】

【作用】この地下遊水池構造物は、敷地面を所要の深さ
まで掘削し、底面に砕石１３を敷き均し、捨てコンクリ
−ト層１４を打設して基礎部を設けて、敷地面積に対応
する所要個数の本体ブロック６を、各水平梁２が一直線
になるように整列配置し、その本体ブロック６群を多数
列所定の間隔で配置する。そして、貯留空間７の外周を
外壁板８で閉塞し、底面部９をコンクリ−ト打設して、
本体ブロック６群を一体に連結し、上面開放部１１を蓋
板１０を水平梁２上に載せ並べ閉塞して、所定容積の地
下遊水池を形成する。

【００１２】この貯留空間７には地表の導水口に通じる
適所に設けた注入管路より雨水が流入して貯留される。
降雨後の適当な段階で雨水はポンプで汲み上げられ、適
所に設けた排水管路を経て順次河川に放水される。これ
によって河川の流量調節がなされ、大量の雨水が一時に
流入することによる河川の氾濫が防止される。

【００１３】

【実施例】図示の実施例では、本体ブロック６、外壁板
８、底面部９及び蓋板１０は鉄筋コンクリ−ト製であ
る。コンクリート底面部９は現場打設である。貯留空間
７の外周は、プレキャストコンクリートまたは現場打設
コンクリートの外壁版８で閉塞する。外壁板８にプレキ
ャストコンクリート部材を使用すると成型用型枠が不要
となるので、施工の手間、製作用設備コスト及び労賃コ
ストを節減できる。

【００１４】この実施例では、本体ブロック６の柱１が
底の広い台形板状であるので、設置上安定し、柱平面に
平行の揺れに対して強い耐力を持つ。また、本体ブロッ
ク６と外壁板８を設置した後で底面部９をコンクリ−ト
打設するので、一体構造となり、より強固なものとな
る。

【００１５】この実施例では、蓋板１０は本体ブロック
の水平梁の上に載せ並べてあるので設置作業、修繕作業
等が行いやすい。

【００１６】図１から図５に示した実施例では、本体ブ
ロック６は柱１の側面１２と梁端部２ａとが同一平面と
なっており、相側面１２が当接して並設される。

【００１７】図６と図７に示した実施例では、本体ブロ
ック６は柱１の側面１２より梁端部２ａが突出してお
り、水平梁２の端部２ａが相当接して並設される。

【００１８】

【発明の効果】以上のように本発明の地下遊水池構造物
では、本体ブロック６の柱１が底の広い台形板状である
ので、設置上安定し、柱平面に平向の揺れに対して強い
耐力を持つことができる。また、本体ブロック６と外壁
板８を設置した後で底面部９をコンクリ−ト打設するの
で一体構造となり、より強固な構造物にすることができ
る。

【００１９】更に、蓋板１０は本体ブロックの水平梁の
上に載せ並べてあるので、設置作業及び修繕作業等を行
いやすい。また、製造時での特別な部材加工や、施工時
に当たって特別な接合用部材を必要としないので、製
造、施工過程での手間、労賃コストおよび部品費を減少
することができる

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係る地下遊水池構造物の斜
視図である。

【図２】図１の地下遊水池構造物の一部切欠き平面図で
ある。

【図３】図２のＡ−Ａ’線断面図である。

【図４】図２のＢ−Ｂ’線断面図である。

【図５】本発明の別の実施例に係る地下遊水池構造物の
斜視図である。

【図６】図５の地下遊水池構造物の一部切欠き平面図で
ある。

【図７】図６のＣ−Ｃ’線断面図である。

【図８】図６のＤ−Ｄ’線断面図である。

【符号の説明】

１ 本体ブロック６の柱 ２ 本体ブロック６の水平梁 ２ａ 水平梁２の端部 ３ 本体ブロック６の基礎梁 ４ 柱の上端部 ５ 柱の下端部 ６ 本体ブロック ７ 貯留空間 ８ 外壁板 ９ 底面部 １０ 蓋板 １１ 上面解放部 １２ 柱１の側面 １３ 砕石 １４ 捨てコンクリ−ト層

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 一対の底の広い台形板状の柱１，１と水
   平梁２と基礎梁３とから成り、柱１，１の上端部４，４
   間に水平梁２を連結し、柱１，１の下端部５，５間に基
   礎梁３を連結して一体成形された本体ブロック６があ
   り、水平梁２の梁方向に一直線に整列させて多数個並設
   した本体ブロック６群を、多数列等間隔に配置して本体
   ブロック６群の間に貯留空間７を形成し、貯留空間７の
   外周を外壁板８で囲い閉塞し、底面部９をコンクリ−ト
   打設して本体ブロック６群を一体に連結し、隣り合う列
   の水平梁２、２間上に蓋板１０を載せ並べて上面開放部
   １１を閉塞することを特徴とする地下遊水池構造物。
2. 【請求項２】隣接する本体ブロック６，６の柱１，１の
   側面１２，１２同士を当接させたことを特徴とする請求
   項１の地下遊水池構造物。
3. 【請求項３】隣接する本体ブロック６，６の水平梁２，
   ２の端部２ａ、２ａ同士を当接させたことを特徴とする
   請求項１の地下遊水池構造物。