JP3050130U - 擁 壁 - Google Patents
擁 壁Info
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- JP3050130U JP3050130U JP1997011269U JP1126997U JP3050130U JP 3050130 U JP3050130 U JP 3050130U JP 1997011269 U JP1997011269 U JP 1997011269U JP 1126997 U JP1126997 U JP 1126997U JP 3050130 U JP3050130 U JP 3050130U
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- retaining wall
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 高い美観が得られ、しかも、利用可能な土地
面積の増大を低コストで実現できる擁壁が求められてい
た。 【解決手段】 地山1の傾斜された法面2に構築された
既設擁壁3の底縁部3cに沿って互いに離間する複数箇
所に支柱11を立設し、隣り合う支柱11の間に擁壁プ
レート13を支持して立設することにより前記既設擁壁
表面3bを覆う擁壁本体12を構築し、前記地山1ある
いは前記既設擁壁3と前記擁壁本体12との間に支持構
造物14を構築して、前記地山上面5とほぼ連続する延
長面14aを形成してなる擁壁10を提供する。
面積の増大を低コストで実現できる擁壁が求められてい
た。 【解決手段】 地山1の傾斜された法面2に構築された
既設擁壁3の底縁部3cに沿って互いに離間する複数箇
所に支柱11を立設し、隣り合う支柱11の間に擁壁プ
レート13を支持して立設することにより前記既設擁壁
表面3bを覆う擁壁本体12を構築し、前記地山1ある
いは前記既設擁壁3と前記擁壁本体12との間に支持構
造物14を構築して、前記地山上面5とほぼ連続する延
長面14aを形成してなる擁壁10を提供する。
Description
【0001】
本考案は、擁壁に関するものである。
【0002】
図5に示すように、地山1の傾斜された法面2にて、土留め等のために構築さ れる擁壁3は、例えば自然石やコンクリート等からなるブロック3aを前記法面 2に多数積んで構築されることが一般的である。また、この擁壁3は、土留め効 果や土圧に対する強度を確保するために、上から下に行く程地山1から外側への 突出量が大きくなるように傾斜させることが多い。
【0003】
ところで、前記のような擁壁3は表面3bが汚れやすく、美観を損なうといっ た問題があった。例えば、図6に示すように、擁壁3には随所に水抜き4を設置 することが普通であり、この水抜き4からは地山1からの浸透水が絶え間なく流 れ出るため、擁壁表面3bでは、局所的にカビや苔等が発生したり、地山1から 流出した土砂が付着したり変色を生じるケースが多い。 また、図5に示すように、前記のような擁壁3では、地山上面5の面積が地山 底部7に比べて小さくなり、土地面積を有効活用できないといった不満があった 。この問題に鑑みて、従来では、既設の擁壁3を取り壊して、図5中仮想線に示 すように、垂直の擁壁6を構築することが一般的であるが、この場合にはコスト が高く付き、利用可能な土地面積の増大分に見合わないケースが多いといった不 満があった。
【0004】 ところで、擁壁の美観が求められていることに鑑みて、コンクリート製ブロッ ク3aの表面を自然石に近い凹凸を有する形状に形成することが従来から行われ ている。従来、この石調のブロック3a表面は、発泡スチロール等の加工しやす い樹脂製型枠を利用して得ている。しかしながら、樹脂製型枠は強度が低く、コ ンクリート打設によって破損しやすいため、1回か2回程度しか使用することが できない。このため、多数のブロック3aを得るには樹脂製型枠を多数容易する 必要があり、コスト上昇の原因になっていた。
【0005】 本考案は、前述の課題に鑑みてなされたもので、高い美観が得られ、しかも、 利用可能な土地面積の増大を低コストで実現できる擁壁を提供することを目的と するものである。
【0006】
本考案は、前記課題を解決するため、地山の傾斜された法面に構築された既設 擁壁の底縁部に沿って互いに離間する複数箇所に支柱を立設し、隣り合う支柱の 間に1または複数の擁壁プレートを支持して立設することにより前記既設擁壁表 面を覆う擁壁本体を構築し、前記地山あるいは前記既設擁壁と前記擁壁本体との 間に支持構造物を構築して、前記地山上面とほぼ連続する延長面を形成してなる ことを特徴とする擁壁を前記課題の解決手段とした。 また、本考案では、請求項2記載のように、前記擁壁プレートがコンクリート 板であり、別途形成した型枠用コンクリート板を型枠としてコンクリートを打設 することにより、目的の表面形状を得ている構成を採用することがより好ましい 。
【0007】
以下本考案の実施の形態を、図1から図4を参照して説明する。 なお、図5と同一の構成部分には同一の符号を付し、その説明を簡略化する。 図中符号10は擁壁、11は支柱、12は擁壁本体、13は擁壁プレート(コ ンクリート板)、14は支持構造物である。
【0008】 図1および図2に示すように、擁壁10は、既設擁壁3の底縁部3cに沿って 互いに離間する複数箇所に立設した支柱11と、隣り合う前記支柱11、11の 間にそれぞれ擁壁プレート13を立設状態に支持して横並びに連続(図2参照) させるようにして構成した擁壁本体12と、該擁壁本体12と前記既設擁壁3と の間に土を投入して構築した支持構造物14(図1参照)とを備えている。
【0009】 図1中符号15は支柱支持材であり、支柱11と既設擁壁3との間の複数箇所 に架設している。この支柱支持材15は地山1内に打ち込んだ図示しないアンカ ー材により引き留められ、支柱11を引き留めて既設擁壁3から離間する方向に 傾斜することを防止する。また、支柱支持材15は、前記擁壁本体12と前記既 設擁壁3との間に投入した土内に埋設され、土とともに支持構造物14を構成す る。また、支持構造物14は地山上面5と連続する延長面14a(上面)を形成 するので、丁度、地山上面5が延長面14aによって延長された状態になり、実 質的に、利用可能な土地面積が増大する。
【0010】 支持構造物14の下側に配置した支柱支持材15は、既設擁壁3と擁壁プレー ト13との間に打設した現場打ちコンクリート14b内に埋設しているので、腐 食等の心配が無い。また、現場打ちコンクリート14bによって、擁壁10の強 度も向上する。この現場打ちコンクリート14bも支持構造物14を構成する。 上側の支柱支持材15は、ステンレス等の耐食性素材からなる梁や、鉄筋コンク リート梁や、鉄骨コンクリート梁であることが好ましく、これにより腐食が防止 されるため、耐用年数を延長することができる。 なお、図1および図2において、一対の支柱11、11の間に配置する擁壁プ レート13は一枚であるが、一対の支柱11、11の間に配置する擁壁プレート は複数枚であっても良い。
【0011】 前記擁壁本体12は、既設擁壁3の底縁部3cに沿って立設されているので、 既設擁壁表面3bを覆う。また、この擁壁本体12を構成する擁壁プレート13 の表面13aには、自然石と同様の凹凸を形成している。 図3および図4は、擁壁プレート13の製法を示す。 図3中符号16は型枠コンクリート板、17は枠体である。 この擁壁プレート13を製造するには、まず、水平に設置した型枠コンクリー ト板16の上側に枠体17を取り付けるとともに、鉄筋等の図示しない骨組みを 枠体17内に配置する。そして、図4に示すように、前記枠体17内にコンクリ ート13bを打設して前記骨組みと一体化する。型枠コンクリート板16には、 擁壁プレート外面13aの凹凸に対応する凸凹を形成しているため、完成した擁 壁プレート13を型枠コンクリート板16および枠体17から取り外すと、擁壁 プレート表面13aに目的の凸凹形状が得られる。 なお、型枠コンクリート板16は高い耐久性を有するため、多数回繰り返し使 用が可能である。このため、従来の樹脂製型枠を使用する場合に比べて擁壁プレ ート13の製造コストを大幅に低下させることができる。
【0012】 図1に戻り、擁壁10の説明を続ける。 支柱11としては、ステンレス等の耐食性の優れた素材から形成したり、鉄骨 の周囲にコンクリートを巻いた構成の柱などであることが好ましい。鉄筋コンク リート柱や鉄骨コンクリート柱の場合、高い強度が得られるとともに、高い防食 性も得られて耐用年数を半永久化することができる。
【0013】 図1中符号18は水抜きであり、既設擁壁3の水抜き4から流出した水を排水 溝7に流出させる。水抜き4から流出した水は、既設擁壁表面3cに設置した排 水パイプ19を通って水抜き18に到達する。前記排水パイプ19は、支持構造 物14の施工前に既設擁壁表面3cに取り付けておき、支持構造物14の施工後 には支持構造物14内に埋設される。なお、排水パイプ19は、支持構造物14 内を浸透して現場打ちコンクリート14b上に到達した水の排水機能も兼ねるた め、擁壁本体12には水抜きを設置する必要は無い。 この擁壁10では、既設擁壁3の水抜き4から流出した水、および支持構造物 14に浸透した水が、いずれも水抜き18から流出するようになっているので、 擁壁本体12に水抜きを設置する必要が無い。このため、擁壁プレート表面13 aに、水抜きから流出した水による土砂の付着や変色等が生じると不都合は生じ ないので、擁壁プレート表面13aの美観が長期にわたって維持される。
【0014】 次に、前記擁壁10を施工する手順の一例を説明する。 まず、図2に示すように、既設擁壁3の底縁部3cに沿って互いに離間する複 数箇所に支柱11を立設した後、図1に示すように、各支柱11と既設擁壁3と の間に支柱支持材15を架設する。 次いで、図2に示すように、隣り合う支柱11、11の間に擁壁プレート13 を配置して立設し、既設擁壁表面3cを覆う擁壁本体12を構築する。 次に、図1に示すように、排水パイプ19等を施工した後、既設擁壁3と擁壁 本体12との間の下部に現場打ちコンクリート14bを打設するとともに、その 上に土を投入して支持構造物14を構築して、地山上面5とほぼ連続する延長面 14aを形成し、擁壁10を完成する。
【0015】 この擁壁10によれば、既設擁壁3を取り壊すこと無く新たな擁壁10を施工 できるため、既設擁壁3を取り壊す従来工法に比べて施工コストを大幅に低減で きる。しかも、擁壁プレート13によって既設擁壁表面3b全体を覆うため、美 観が得られるとともに、擁壁本体10に水抜きを設置する必要が無いため、擁壁 プレート表面13aの美観を長期にわたって維持することができる。 また、支持構造物14によって、地山上面5とほぼ連続する延長面14aが得 られるため、利用可能な土地面積を低コストかつ短期間で増大することができる 。
【0016】 地山上面5、既設擁壁3上、支持構造物14上に、一定の土の被りを設けるよ うにすると、地山上面5から支持構造物14上まで一挙に地均しすることができ 、地山上面5から延長面14aまで連続した平坦の土地を簡便に得ることができ る。これにより、一層の低コスト化や、施工期間の短縮が可能になる。
【0017】 なお、本考案の擁壁は、前述の実施の形態に限定されるもので無く、使用する 擁壁プレートの枚数、形状、素材や、既設擁壁の構成等は適宜選択可能であるこ とは言うまでも無い。
【0018】
以上説明したように、本考案の擁壁によれば、既設擁壁を取り壊すことなく、 既設擁壁の表面側に施工できるので、施工コストが低減するとともに、前記既設 擁壁表面を覆った擁壁プレートによって美観が得られる。しかも、支持構造物に よって地山上面とほぼ連続する延長面が得られるので、利用可能な土地面積を増 大出来るといった優れた効果を奏する。
【0019】 また、請求項2記載のように、擁壁プレートがコンクリート板であり、別途形 成した型枠用コンクリート板を型枠としてコンクリートを打設することにより、 目的の表面形状を得ている構成を採用すると、型枠用コンクリート板の耐久性が 高いため、何度も繰り返し使用でき、複雑な表面形状を有する擁壁プレートであ っても低コストで量産することができるといった優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案の擁壁を示す側断面図である。
【図2】 図1の擁壁を示す正面図である。
【図3】 図1の擁壁にて使用される擁壁プレートの製
法を示す斜視図である。
法を示す斜視図である。
【図4】 図3の擁壁プレートの製法を示す図であっ
て、コンクリートの打設して擁壁プレートを形成する工
程を示す斜視図である。
て、コンクリートの打設して擁壁プレートを形成する工
程を示す斜視図である。
【図5】擁壁を示す側断面図である。
【図6】 図5の擁壁を示す正面図である。
1…地山、2…法面、3…既設擁壁、3b…既設擁壁表
面、3c…既設擁壁底縁部、5…地山上面、10…擁
壁、11…支柱、12…擁壁本体、13…擁壁プレート
(コンクリート板)、14…支持構造物、14a…延長
面、16…型枠コンクリート板。
面、3c…既設擁壁底縁部、5…地山上面、10…擁
壁、11…支柱、12…擁壁本体、13…擁壁プレート
(コンクリート板)、14…支持構造物、14a…延長
面、16…型枠コンクリート板。
Claims (2)
- 【請求項1】 地山(1)の傾斜された法面(2)に構
築された既設擁壁(3)の底縁部(3c)に沿って互い
に離間する複数箇所に支柱(11)を立設し、 隣り合う支柱の間に1または複数の擁壁プレート(1
3)を支持して立設することにより前記既設擁壁表面
(3b)を覆う擁壁本体(12)を構築し、 前記地山あるいは前記既設擁壁と前記擁壁本体との間に
支持構造物(14)を構築して、前記地山上面(5)と
ほぼ連続する延長面(14a)を形成してなることを特
徴とする擁壁(10)。 - 【請求項2】 前記擁壁プレートがコンクリート板であ
り、別途形成した型枠用コンクリート板(16)を型枠
としてコンクリートを打設することにより、目的の表面
形状を得ていることを特徴とする請求項1記載の擁壁。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1997011269U JP3050130U (ja) | 1997-12-24 | 1997-12-24 | 擁 壁 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1997011269U JP3050130U (ja) | 1997-12-24 | 1997-12-24 | 擁 壁 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3050130U true JP3050130U (ja) | 1998-06-30 |
Family
ID=43184351
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1997011269U Expired - Lifetime JP3050130U (ja) | 1997-12-24 | 1997-12-24 | 擁 壁 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3050130U (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011236722A (ja) * | 2010-05-12 | 2011-11-24 | Iritech Co Ltd | 二重擁壁及び二重擁壁の施工方法 |
JP2011236721A (ja) * | 2010-05-12 | 2011-11-24 | Iritech Co Ltd | 傾斜地を道路や宅地に造成するための擁壁パネル及びその施工方法 |
-
1997
- 1997-12-24 JP JP1997011269U patent/JP3050130U/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011236722A (ja) * | 2010-05-12 | 2011-11-24 | Iritech Co Ltd | 二重擁壁及び二重擁壁の施工方法 |
JP2011236721A (ja) * | 2010-05-12 | 2011-11-24 | Iritech Co Ltd | 傾斜地を道路や宅地に造成するための擁壁パネル及びその施工方法 |
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