JPH08318482A - 関節機構およびこれを用いたマイクロマニピュレータ - Google Patents

関節機構およびこれを用いたマイクロマニピュレータ

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JPH08318482A
JPH08318482A JP12136595A JP12136595A JPH08318482A JP H08318482 A JPH08318482 A JP H08318482A JP 12136595 A JP12136595 A JP 12136595A JP 12136595 A JP12136595 A JP 12136595A JP H08318482 A JPH08318482 A JP H08318482A
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金子  卓
Hitoshi Kanayama
斎 金山
Koji Idogaki
孝治 井戸垣
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Abstract

(57)【要約】 【目的】微小動が可能であるとともに、粗動動作も可能
になる関節機構およびこれを用いたマイクロマニピュレ
ータを提供する。 【構成】電圧や圧力などのような駆動力が与えられた場
合に屈曲変形するアクチュエータを有する屈曲動作部1
0の一端に、移動体21および支持体22からなる関節
部20を設けるとともに、他端に慣性体30を設け、屈
曲動作部10に緩やかな駆動力を与えて緩やかに屈曲運
動させた場合に慣性体30を微小動作させるとともに、
屈曲動作部10に急激な駆動力を与えて急激に屈曲運動
させた場合に前記関節部20の移動体21に衝撃力を与
えて上記移動体21を支持体22に対して移動させ、こ
れにより上記慣性体30を粗動動作させるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マイクロメータまたは
ナノメータオーダの微小な動きを行う関節機構およびこ
れを用いてマイクロハンド等に適用して有効なマイクロ
マニピュレータに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、半導体製造装置におけるウエハ
の精密位置決めや、バイオテクノロジーおよび医療にお
ける細胞切断や細胞注入あるいは精密手術、衛星通信の
アンテナの精密位置決め作業などは、微小対象物をマイ
クロメータまたはナノメータのオーダで操作する必要が
あり、このような精密位置決め作業を行おうとするとマ
イクロハンドとそのエンドエフェクタである関節機構が
必要となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この種の精密操作を行
うための関節機構として、従来、特開平6−17076
1号公報に提案されたものがある。この関節機構は、ピ
エゾ圧電素子の伸縮動作を利用した6本のリンクを用い
て6自由度パラレルリンク機構により関節機構の先端に
6自由度の移動機能を持たせたものである。
【0004】しかし、上記関節機構に用いられるピエゾ
圧電素子からなるアクチュエータは、ミクロンオーダー
の変位が容易に得られるが、変位ストロークが微小量し
か得られないという問題がある。
【0005】一方、関節機構の変位ストロークを大きく
する方法として、特開平2−180578号公報に提案
されているように、慣性体を急速に移動させることによ
って生じる衝撃力を用いて、関節に取付けられたアーム
を移動させるようにした関節機構が提案されている。
【0006】しかしながら、このものはアームを多方向
に駆動するため、単一のアームに多数の慣性駆動機構を
設置しなければならず、構造が複雑で、大型化するなど
の問題がある。
【0007】本発明は上記の問題点に鑑みなされたもの
で、微小なマニピュレーションが可能であるとともに、
傾斜や旋回などの動きにより粗動動作が可能になる関節
機構およびこれを用いたマイクロマニピュレータを提供
しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、電圧
や流体圧などのような駆動力が与えられた場合に屈曲変
形する屈曲型アクチュエータを有する屈曲動作部と;上
記屈曲動作部の一端に連結された移動体、およびこの移
動体を摩擦力により移動可能に支持する支持体を有する
関節部と;前記屈曲動作部の他端に設けられ、上記屈曲
動作部に急速な屈曲運動が生じた場合に慣性により前記
関節部の移動体に衝撃力を与える慣性体と;を具備し、
前記屈曲型アクチュエータに緩やかに変化する駆動力を
与えた場合に屈曲動作部が緩やかに屈曲運動して前記慣
性体が微小量移動されるとともに、前記屈曲型アクチュ
エータに急激に変化する駆動力を与えた場合に屈曲動作
部が急激に屈曲運動して前記関節部の移動体に衝撃力を
与え、この衝撃力で上記支持体の摩擦支持力に打ち勝っ
て移動体が支持体に対して移動され、これにより上記慣
性体が粗動動作されるようにしたことを特徴とする関節
機構である。
【0009】請求項2の発明は、上記屈曲型アクチュエ
ータは、駆動力を与えた場合に屈曲変形および伸縮変形
を選択的におこなうことを特徴とする請求項1に記載の
関節機構である。
【0010】請求項3の発明は、上記屈曲動作部が複数
の圧電素子を積層してなる1個の積層型アクチュエータ
からなり、上記圧電素子は、電極を分割することにより
素子が非軸対称に変形をする圧電バイモルフ素子または
圧電ユニモルフ素子により構成されていることを特徴と
する請求項1または請求項2に記載の関節機構である。
【0011】請求項4の発明は、上記屈曲動作部は、電
圧が印加された場合に伸縮変形する少なくとも1個の積
層圧電型アクチュエータと、この積層圧電型アクチュエ
ータの伸縮変形を屈曲動作に変換するテコ機構とを有
し、上記積層圧電型アクチュエータは中心軸から偏心し
た位置に設置されていることを特徴とする請求項1に記
載の関節機構である。
【0012】請求項5の発明は、上記関節部は、移動体
と支持体との間の摩擦力を調整するためのブレーキ機構
を備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項4
のいずれか一に記載の関節機構である。
【0013】請求項6の発明は、請求項1ないし請求項
5のいずれか一に記載の関節機構を中心線方向に沿って
複数段連結して構成されていることを特徴とする関節機
構である。
【0014】請求項7の発明は、請求項1ないし請求項
5のいずれか一に記載の関節機構からなる指部と;この
指部の先端に設けられた指先部と;を具備したことを特
徴とするマイクロマニピュレータである。
【0015】請求項8の発明は、請求項1ないし請求項
5のいずれか一に記載の関節機構からなる手首関節機構
と;この手首関節機構の先端に連結され、請求項1ない
し請求項5のいずれか一に記載の関節機構を有し、相互
に協調動作される複数の指部と;これら指部の先端に設
けられた指先部と;を具備したことを特徴とするマイク
ロマニピュレータである。
【0016】
【作用】請求項1の発明によれば、屈曲型アクチュエー
タに緩やかに変化する電圧や流体圧などのような駆動力
を与えると、屈曲動作部が緩やかに屈曲運動し、このた
め関節部の移動体に衝撃力が与えられず、移動体が支持
体に対して変位しないから慣性体が微小量移動する。ま
た、屈曲型アクチュエータに急激に変化する電圧や流体
圧のような駆動力を与えると、屈曲動作部が急激に屈曲
運動して関節部の移動体に衝撃力を与え、この衝撃力で
移動体が支持体の摩擦力に打ち勝って支持体に対して変
位し、これにより慣性体が粗動動作されるようになる。
【0017】請求項2の発明によれば、屈曲動作部は、
屈曲変形のほかに伸縮変形も可能であるから、慣性体の
移動の自由度が増す。請求項3の発明によれば、分割し
た電極に電圧を印加すると、圧電素子が非軸対称に変形
するから、積層型アクチュエータが屈曲変形する。この
場合、1個の積層型アクチュエータによって微動と粗動
の両方の動作が可能になり、屈曲動作部を小型軽量化す
ることができ、かつ積層圧電型アクチュエータを制御す
るための回路を大幅に減らすこともできる。
【0018】請求項4の発明によれば、中心線から偏心
した位置に設置された少なくとも1個の積層圧電型アク
チュエータを伸縮動作させると、この伸縮動作をテコ機
構が方向変換することにより屈曲動作部が屈曲変形す
る。この場合、伸縮変形という単純な動きをする積層圧
電型アクチュエータを用いるから、積層圧電型アクチュ
エータの構造が簡単になる。そして、中心線から偏心し
た位置に複数の積層圧電型アクチュエータを設置すれ
ば、これら積層圧電型アクチュエータの協調動作により
屈曲動作部の屈曲変形を円滑に行わせることができる。
【0019】請求項5の発明によれば、上記関節部が調
整可能なブレーキ機構を備えているから、衝撃力に対応
すべく移動体と支持体との間の摩擦力を調整することが
できる。
【0020】請求項6の発明によれば、関節機構を軸方
向に複数段連結したから、最先端の慣性体の移動範囲を
増幅させることができる。なお、この場合、後段の関節
機構の慣性体は先段の関節機構によって兼用し、後段の
関節機構の慣性体を省略してもよい。
【0021】請求項7の発明によれば、関節機構からな
る指部の先端に指先部を設けたので、指先部は微動およ
び粗動の両方の動作を行うことができ、ワークに対する
精密な位置決めが可能になる。
【0022】請求項8の発明によれば、手首関節機構が
請求項1ないし請求項5のいずれか一に記載の関節機構
により構成されているから、回動や旋回運動が可能であ
り、かつこれらの微動および粗動の両方の動作を行うこ
とができる。このような手首関節機構の先端に、請求項
1ないし請求項5のいずれか一に記載の関節機構からな
る指部を連結したから、これら指部の向きが手首関節機
構により変更可能であることに加え、指部自身の先端も
回動や旋回運動が可能であり、しかも微動および粗動の
両方の動作を行うことができるので、指部の先端に設け
た指先部の移動の自由度および移動範囲がきわめて拡大
される。
【0023】また、上記関節機構により指部が複数本構
成されているから、これら指部の先端に設けた指先部に
よってワークを把持するなどの作業が可能になり、ハン
ド作業の種類が拡大される。
【0024】
【実施例】
[第1の実施例]図1ないし図8は本発明の第1の実施
例を示すものであり、図1は本実施例の関節機構100
をマイクロマニピュレータに適用した場合の主要部の構
造を示す図、図2はマイクロマニピュレータの全体の構
造を示す図、図3ないし図5は積層型アクチュエータ1
10の構成および作動を説明する図、図6ないし図8は
マイクロマニピュレータの作動を説明する図である。
【0025】本実施例のマイクロマニピュレータは、図
2に示すように、指部1と、この指部1の先端に設けら
れた指先部2と、指部1の根元が支持された腕部3およ
びこの腕部3が支持軸4を介して回動可能に支持された
支柱5を備え、この支柱5は基台6に立設されている。
なお、基台6にはワーク7が載置されるようになってい
る。
【0026】指部1は本発明の関節機構100により構
成されており、この関節機構100について説明する。
関節機構100(=指部1)は、屈曲動作部10と、関
節部20と、慣性体30とを備えて構成されている。屈
曲動作部10の一方の端に上記慣性体30が連結されて
おり、この慣性体30に上記指先部2が設けられてい
る。この指先部2は図示しないが、微小針または微小刃
具あるいはマイクロキャピラリなどのような、前記ワー
ク7に作用する工具である。
【0027】関節部20は、球状の接触面を持つ移動体
21と、摩擦力によって移動体21を保持する支持体2
2とを備えている。移動体21は、球体21aと、剛性
を有する支持杆21bと、同じく剛性を有するフランジ
21cを結合した構成を有し、フランジ21cには、上
記指部1の積層型アクチュエータ110の他端が連結さ
れている。
【0028】支持体22は、上記移動体21の球体21
aを包容する摺接面22aと、上記球体21aを摺接面
22aに押し付けるブレーキ機構に該当する押圧体22
bと、この押圧体22bを押圧付勢する押圧バネ22c
を有し、上記球体21aは押圧バネ22cの押圧力を受
けて摺接面22aに押し付けられることにより摩擦力が
発生されている。支持体22には、調整ネジ22dがね
じ係合されており、この調整ネジ22dを前進または後
進させることにより、上記押圧バネ22cのセット荷重
を調整して移動体21に作用する押圧力、すなわち摩擦
保持力を調整することができる。
【0029】移動体21の球体21aは、支持体22の
摺接面22aに摺接することにより回動可能である。な
お、本実施例では関節部2にx方向およびy方向の2自
由度を与えるため球体21aを用いたが、xあるいはy
の一方向の1自由度であれば、球体のかわりに円筒を用
いた摩擦支持の構造であっても可能である。
【0030】屈曲動作部10はマニピュレーションを行
う主要部分であり、本実施例では1個の積層型アクチュ
エータ110により構成されている。上記積層型アクチ
ュエータ110(=屈曲動作部10)の構造および動作
を図3ないし図5にもとづき説明する。積層型アクチュ
エータ110は、多数の圧電素子組体11…を積層して
構成されている。これら各圧電素子組体11は、圧電ユ
ニモルフ素子または圧電バイモルフ素子からなり、本実
施例の場合は圧電ユニモルフ素子を用いており、図3に
示すように、2つの圧電ユニモルフ素子111を向かい
合わせて結合して構成されている。
【0031】圧電ユニモルフ素子111は、図4(A)
に示すように、圧電素子11aと、この圧電素子11a
の一方の面に張り合わされた金属板11bと、上記圧電
素子11aの上記金属板11bと反対の面に成膜された
電極11ca、11cb、11ccとで構成されてい
る。電極11ca、11cb、11ccは円周方向に、
例えば扇形状に三分割されており、電圧が印加される部
分が三か所に限定されている。
【0032】このような圧電ユニモルフ素子111は、
金属板11bと、少なくとも1つの電極11ca、11
cb、11ccとの間に電位差を与えると、圧電素子1
1aが半径方向に変位を生じる。したがって、金属板1
1bと例えば1つの電極11caとの間に電位差を与え
ると、圧電素子11aの電極11caに対向する部位が
半径方向に変位し、圧電ユニモルフ素子111全体は、
図4(B)に示すように非軸対称な形状に変形すること
になる。また、金属板11bと、3つの電極11ca、
11cbおよび11ccとの間に同等の電位差を同時に
与えられると、圧電ユニモルフ素子111全体は中心部
と周辺部とが軸方向に位置ずれして対称形に弯曲するよ
うになる。
【0033】このような圧電ユニモルフ素子111は2
枚一組となって上記圧電素子組体11を構成している。
この圧電素子組体11は上記2枚の圧電ユニモルフ素子
111を互いに向い合わせて結合してある。なお、これ
ら2枚の圧電ユニモルフ素子111、111は、絶縁体
からなる第1のスペーサ112…を介して連結されてい
る。
【0034】このような圧電素子組体11を多数個積層
することにより前記積層型アクチュエータ110が図5
(A)に示すように構成されている。この場合、各圧電
ユニモルフ素子111における非軸対称な変形部分が軸
方向に揃うようにして積層されている。なお、多数の圧
電素子組体11…間は絶縁性の第2のスペーサ113…
により連結されている。
【0035】このような構成の積層型アクチュエータ1
10は、各圧電ユニモルフ素子111…に電圧を印加し
ない場合はこれら圧電ユニモルフ素子111…が変形し
ないから、図5(A)に示すように収縮した状態にあ
る。また、各圧電ユニモルフ素子111…の金属板11
bとそれぞれいずれか1つの電極11ca、11cbま
たは11ccとの間に電位差を与えると、それぞれの圧
電ユニモルフ素子111…は上記電圧が加えられた電極
と対向する部位が半径方向に変位するため、積層圧電型
アクチュエータ110全体は、図5(B)に示すよう
に、x方向またはy方向に屈曲変形する。さらに、各圧
電ユニモルフ素子111…の金属板11bと全部の電極
11ca、11cbおよび11ccとの間に同等の電位
差を与えると、これら圧電ユニモルフ素子111…は対
称的に弯曲し、積層圧電型アクチュエータ110全体
は、図5(C)に示すように、z方向に伸長変形するよ
うになる。
【0036】このような積層型アクチュエータ110、
すなわち屈曲動作部10を有する関節機構100(指部
1)の作動を説明する。微小な動き、つまり微小なマニ
ピュレーションを行うときは、各圧電ユニモルフ素子1
11に緩やかに変化する電圧を加えると、積層型アクチ
ュエータ110はゆっくり屈曲運動する。例えば、積層
型アクチュエータ110を図5(B)のように、緩やか
に屈曲変形させると、この屈曲運動はゆっくり行われる
から積層型アクチュエータ110の先端に取付けた慣性
体30は積層型アクチュエータ110の先端の動きに追
従し、よって慣性体30は図6(A)に示すように、積
層型アクチュエータ110の軸方向(z方向)と交差す
る方向、つまりx方向またはy方向に移動する。よっ
て、慣性体30は積層型アクチュエータ110の屈曲許
容範囲内で微動される。
【0037】また、積層型アクチュエータ110を図5
(C)のように伸長させると、この伸長動作に伴って慣
性体30が積層型アクチュエータ110の軸方向(z方
向)へ移動する。なお、この伸長および収縮動作は、ゆ
っくり行っても、または素早く行ってもよい。
【0038】このような微小なマニピュレーションを行
うときは、関節部2における移動体21と支持体22の
相対的な位置変化は生じない。上記のようなゆっくりし
た動きによる慣性体30の最大移動距離は、積層型アク
チュエータ110の屈曲限度の範囲である。したがっ
て、慣性体30の先端はマイクロメータまたはナノメー
タのオーダで微動が可能になる。
【0039】一方、慣性体30をもっと大きく移動させ
たい、すなわち上記積層型アクチュエータ110の屈曲
による可動範囲を越える範囲まで粗動を行わせたい場合
は、以下のようにして行うことができる。各圧電ユニモ
ルフ素子111に、図7に示すように、一周期のなかで
立ち上がりと立ち下がりに時間差のある電圧を印加す
る。例えば、図8(A)の状態を初期状態とし、立ち上
がり時間の短い電圧を各圧電ユニモルフ素子111に印
加して積層型アクチュエータ110を急激に図5(B)
のように屈曲変形させる。すると、この屈曲運動は急激
に発生するから積層型アクチュエータ110の先端に取
付けた慣性体30はその慣性のために積層型アクチュエ
ータ110の先端の動きに追従できず、初期状態の位置
に止まろうとする。慣性体30が移動せず、またはその
移動が少ないと、関節部2における移動体21に衝撃が
加えられ、この衝撃力が支持体22に対する摩擦抵抗力
に打ち勝った場合、球体21aが摺接部22aに対して
滑り、よって移動体21が回動変位する。つまり、積層
型アクチュエータ110の根元の向きが変わることにな
る。
【0040】次に上記印加電圧を緩やかに解除すると、
積層型アクチュエータ110は屈曲状態からゆっくり元
の真っ直ぐな姿勢に戻ろうとする。このとき、慣性体3
0は積層型アクチュエータ110の先端の動きに追従す
るから、移動体21が支持体22に対して回動移動する
ことなく、慣性体30が積層型アクチュエータ110の
軸方向に沿う姿勢になる。またこの時には、すでに移動
体21の球体21aおよび支持杆21bの向きが元の向
きから変化しているので、真っ直ぐな姿勢に復帰した積
層型アクチュエータ110は元の向きから傾斜した向き
になる。このため慣性体30の先端は、図8(A)の初
期状態からx方向またはy方向に大きく移動することに
なる。
【0041】よって慣性体30の移動距離は、積層型ア
クチュエータ110の屈曲範囲を越えた粗動範囲とな
る。そして、このような粗動を複数回繰り返すことによ
り慣性体30を大きく移動させることができ、所望の位
置まで粗動させることが可能になる。
【0042】さらに、電圧を印加する順序を、圧電ユニ
モルフ素子111…の各電極11ca、11cbおよび
11ccの順にすれば、積層型アクチュエータ110が
首振り旋回運動するようになり、よって慣性体30を旋
回移動させることができる。
【0043】なお、一周期のなかで立ち上がりと立ち下
がりに時間差のある電圧を印加する場合、立ち上がりは
ゆっくり変化し、立ち下がりは急激に変化するパターン
であってもよい。また、1回の粗動で慣性体30の先端
が移動する距離は、慣性体30の先端と関節部20との
距離、慣性体30の振幅、慣性体30の重量、関節部2
0における移動体21と支持体22との間に生じる摩擦
の状態などに依存するから、これらの条件を適宜選択し
て粗動距離を設定することができる。
【0044】上記のような慣性体30の先端に指先部2
を取付けて構成されたマイクロマニピュレータにおいて
は、指先部2は慣性体30の動きと同じ動作をするか
ら、屈曲動作部10(積層型アクチュエータ110)を
ゆっくり屈曲させると、指先部2が微動されるようにな
り、また屈曲動作部10(積層型アクチュエータ11
0)を急激に屈曲させると、指先部2は屈曲動作部10
の屈曲範囲を越えた粗動範囲に動かされるようになる。
【0045】よって、このようなマイクロマニピュレー
タであれば、指先部2を構成する微小針または微小刃具
あるいはマイクロキャピラリなどを、ワーク7に対して
高精度に位置決めさせることができる。
【0046】このような第1実施例の場合、屈曲動作部
10が1個の屈曲作動式の積層型アクチュエータ110
により構成されているから、積層型アクチュエータ11
0の使用数が少なく、よって構成が簡単であり、小型
化、コンパクト化および軽量化が可能になる。また、積
層型アクチュエータ110を制御する回路の構造も簡素
化する。
【0047】[第2の実施例]図9ないし図11は、本
発明の第2の実施例のマイクロマニピュレータを示す。
本実施例では、伸縮動作のみしか行えない従来公知の積
層圧電型アクチュエータ120…を用いて屈曲動作部1
0を構成している、伸縮動作形の積層圧電型アクチュエ
ータ120…は図示しないが、板状の圧電材料の両面に
それぞれ電圧印加のための電極を設けて形成した素子を
複数枚積層して構成したものであり、前記電極に電圧を
印加すると前記圧電材料が板厚方向に伸縮するものであ
る。本実施例では、屈曲動作部10が3個の積層圧電型
アクチュエータ120により形成されている。
【0048】これら3個の積層圧電型アクチュエータ1
20は、一端がそれぞれ弾性ヒンジ41を介してテコ部
材42に回動自在に連結されており、よってこれら3個
の積層圧電型アクチュエータ120はテコ部材42に対
して傾斜可能となっている。また、これら3個の積層圧
電型アクチュエータ120は、他端がそれぞれ移動体2
1のフランジ21cに結合されている。3個の積層圧電
型アクチュエータ120は上記テコ部材42およびフラ
ンジ21cに対し、これらの中心線から偏心した位置で
テコ部材42およびフランジ21cに連結されており、
上記テコ部材42とフランジ21cとの間には、これら
の中心線に位置して引張りバネ43が掛け渡されてい
る。したがって、3個の積層圧電型アクチュエータ12
0は引張りバネ43の引張り力を受けてプリセット荷重
が加わるように付勢されている。
【0049】上記テコ部材42に慣性体30が連結され
ており、したがって上記屈曲動作部10と慣性体30お
よび関節部20とで関節機構100(=指部1)が構成
されている。
【0050】そして、この慣性体30に指先部3が取付
けられることによって、この指先部3と上記関節機構1
00(指部1)とでマイクロマニピュレータが構成され
ている。
【0051】上記のように構成された関節機構100
(指部1)は、3個のうちのいずれか1つまたは2つの
積層圧電型アクチュエータ120に電圧を印加すると、
この積層圧電型アクチュエータ120が伸長する。この
とき、残りの積層圧電型アクチュエータ120は伸長し
ないから、テコ部材42の偏心した一か所または2か所
が押されるようになり、このためテコ部材42が傾くこ
とになる。したがってテコ部材42に連結されている慣
性体30は、図10(A)の状態から図10(B)の状
態へ、x方向あるいはy方向へ微動する。
【0052】上記積層圧電型アクチュエータ120の伸
縮量は通常数10μmであるため、弾性ヒンジ41およ
びテコ部材42による拡大機構を用いたとしても、慣性
体30の移動幅はせいぜい数百μm程度である。よっ
て、上記1つまたは2つの積層圧電型アクチュエータ1
20に電圧をゆっくり印加すると、この積層圧電型アク
チュエータ120は緩やかに伸長し、上記テコ部材42
の作用により微小なマニピュレーションを行うことがで
きる。
【0053】また、3個のうちのいずれか1つまたは2
つの積層圧電型アクチュエータ120に図7に示すよう
な波形の電圧を印加すると、この積層圧電型アクチュエ
ータ120が急激に伸長する。このとき、慣性体30の
慣性によりテコ部材42の傾きが抑制されるため、関節
部2における移動体21に衝撃が加えられ、この衝撃力
が支持体22に対する摩擦抵抗力に打ち勝って球体21
aが回動する。よって、屈曲作動部10は図11(A)
の状態から図11(B)の状態へ傾くようになる。
【0054】そして、上記印加電圧を緩やかに解除する
と、伸長していた積層圧電型アクチュエータ120は収
縮し、このとき、慣性体30は屈曲作動部10の先端の
動きに追従するから、移動体21が支持体22に対して
回動移動することなく、図11(C)に示すように、慣
性体30が屈曲作動部10の軸方向に沿う姿勢になる。
このため慣性体30の先端は、初期状態からx方向また
はy方向へ大きく移動するようになる。
【0055】よって、慣性体30を屈曲作動部10の屈
曲範囲を越えて粗動させることができる。そして、この
ような粗動を複数回繰り返すことにより慣性体30を大
きく移動させることができ、所望の位置まで粗動させる
ことが可能になる。
【0056】なお、電圧を印加する順序を、それぞれ3
個の積層圧電型アクチュエータ120の並びの順にすれ
ば、屈曲作動部10は首振り旋回運動するようになり、
よって慣性体30を旋回移動させることができる。
【0057】また、3個の積層圧電型アクチュエータ1
20に同時に電圧を印加すれば、これら3個の積層圧電
型アクチュエータ120が同時に伸長し、慣性体30を
軸方向、つまりz方向へ移動させることができる。
【0058】このような構成の屈曲作動部10の先端
に、指先部2を設けて構成されたマイクロマニピュレー
タであれば、指先部2を選択的に微動および粗動させる
ことができる。
【0059】ここで、本実施例ではx方向、y方向の屈
曲動作と、z方向の伸縮動作を可能にするため、積層圧
電型アクチュエータ120を3個使用したが、x方向あ
るいはy方向の一方向の屈曲動作のみであれば積層圧電
型アクチュエータ120は1個であっても動作可能であ
り、また、x方向あるいはyの一方向の屈曲動作と、z
方向の伸縮動作を行うのであれば、積層圧電型アクチュ
エータ120は2個であっても動作が可能である。ただ
し、この場合も、伸縮作動のみを行う積層圧電型アクチ
ュエータ120を使用するから、この積層圧電型アクチ
ュエータ120は中心から偏心した位置に配置されてテ
コ部材42を傾斜させるように作用するものである。
【0060】また、本実施例のような関節機構100
は、屈曲作動部10を第1の実施例で用いたような積層
型アクチュエータにより構成することもできる。この場
合の積層型アクチュエータは図示しないが、多数の圧電
素子組体11…を積層して構成されており、これら各圧
電素子組体11は、圧電ユニモルフ素子または圧電バイ
モルフ素子を積層して構成されている。但し、この場合
の圧電素子組体11…は図5(C)に示すと同様に、軸
方向に沿って伸縮変形のみを行うようになっており、弯
曲変形しないようになっている。このため、本例の積層
型アクチュエータは図4に示す積層型アクチュエータ1
10のように電極11cを3つに分割する必要はなく、
積層型アクチュエータの構造が簡単になる。また、この
ような伸縮変形のみを行う積層型アクチュエータを用い
た場合は、プリセット荷重を加える必要がなく、引っ張
りばね43は必要でなくなる。なお、上記第2の実施例
の場合、テコ部材43と慣性体30とを兼用してもよ
い。
【0061】[第3の実施例]図12は本発明の第3の
実施例のマイクロマニピュレータを示す。この第3の実
施例のマイクロマニピュレータは、図1に示された関節
機構を2個直列に連結して構成されたものである。すな
わち、先端部に設けられる第1段目の関節機構200
は、図1の関節機構100と同様な構造を有し、積層型
アクチュエータ110からなる屈曲動作部10と関節部
20と慣性体30を備えている。後端部に設けられる第
2段目の関節機構300は、積層型アクチュエータ11
0からなる屈曲動作部10と、関節部20を備えてお
り、屈曲動作部10の先端は第1段目の関節機構200
の関節部20に連結されている。
【0062】このような構成の場合は、それぞれの関節
機構200および300が屈曲による微動と、回動およ
び旋回による粗動が可能であるから、先端部の慣性体2
0の移動範囲は、理論的には1個の関節機構を用いる場
合に比べてきわめて大きくなる。
【0063】したがって、先端部の慣性体20に指先部
2を取付ければ指先部2の移動範囲が大きくなり、精密
位置決めが可能になる。なお、この場合、2段目の関節
機構300にも慣性体を取付けてもよいが、2段目の関
節機構300は1段目の関節機構200の慣性を利用す
ることができるから、2段目の関節機構300の慣性体
を省略することができる。
【0064】また、それぞれの関節機構200および3
00は、回動運動および旋回運動が可能であるから、先
端部(1段目)の関節機構200を指部とし、後端部
(2段目)の関節機構300を手首関節機構とすること
もできる。
【0065】[第4の実施例]図13は本発明の第4の
実施例のマイクロマニピュレータを示す。第4の実施例
は、図12に示す先端部(1段目)の関節機構100を
複数個に並設し、これらにより複数本の指部1…を構成
したものである。すなわち、後端部(2段目)の関節機
構は図12の場合と同様に、積層型アクチュエータ11
0からなる屈曲動作部10と関節部20とを備え、マイ
クロマニピュレータの手首関節機構を構成している。こ
の手首関節機構300は上記関節部20が腕部3に連結
されている。この手首関節機構300の先端部には複数
の指部1…が連結されている。これら指部1…はそれぞ
れ、図1に示す構造と同様な関節機構100により構成
されている。つまり各指部を構成する関節機構100
は、それぞれ積層型アクチュエータ110からなる屈曲
動作部10と関節部20と慣性体30を備えている。各
指部1…の慣性体30にはそれぞれ指先部2…が設けら
れている。したがって、このような構成のマイクロマニ
ピュレータは、手首関節機構300と、複数の指部1…
と、それぞれの指部に設けた指先部2…とで構成されて
いる。
【0066】なお、複数の指を構成する各関節機構10
0…は、その関節部20の支持体22が共用されてい
る。前記手首関節機構300は、第1の実施例に示した
関節機構と同様に、積層型アクチュエータ110からな
る屈曲動作部10の作用により、微動および粗動が可能
であるばかりでなく回動および旋回が可能である。また
各指部1…も第1の実施例に示した関節機構と同様に、
積層型アクチュエータ110からなる屈曲動作部10の
作用により、微動および粗動が可能であり、かつ回動お
よび旋回が可能である。
【0067】したがって、このような構成のマイクロマ
ニピュレータは、手首関節機構300および複数の指部
1…を協調動作させることにより、各関節機構の微動動
作および粗動動作を活かして指先部2を動かし、微小な
ワークのハンドリングや移動が可能になる。よって、マ
イクロハンドとして用いることもできる。
【0068】[第5の実施例]図14および図15は本
発明の第5の実施例のマイクロマニピュレータを示す。
前記各実施例は、屈曲動作部10が駆動エネルギーとし
て電圧を加えることにより変形される積層型アクチュエ
ータ110または積層圧電型アクチュエータ120によ
り構成された例を示したが、第5実施例の場合は、屈曲
動作部10が、駆動エネルギーとしてガス圧または液体
圧を加えることにより変形されるフレキシブルアクチュ
エータ400により構成された例を示す。フレキシブル
アクチュエータ400は、図15に分解して示すよう
に、シリコンゴムなどからなる可撓性チューブ401を
備えている。この可撓性チューブ401は図示しないが
内部に埋設した螺旋状のワイヤにより、軸方向の変形が
可能であるが径方向の変形つまり膨らみが規制されるよ
うになっており、この可撓性チューブ401内は、周方
向に沿って複数、例えば3つのチャンバー402,40
3,404に区画されている。これらチャンバー40
2,403,404は可撓性チューブ401の端部に取
着された端部キャップ405…、406…により閉塞さ
れている。基端側の端部キャップ406…にはそれぞれ
導通孔407…が形成されており、これら導通孔407
…にはそれぞれフレキシブルホース408…が連結され
ている。これらフレキシブルホース408…は図示しな
い圧力制御バルブに接続されている。これら圧力制御バ
ルブを制御して前記フレキシブルホース408…を通じ
て各チャンバー402,403,404のいずれか1つ
または2つの圧力を高くすると、これらチャンバーが軸
方向に伸びるので、可撓性チューブ401は伸びない方
のチャンバー側に弯曲する。
【0069】したがって、このようなフレキシブルアク
チュエータ400の先端に、図15に示す通り、慣性体
30および指先部2を取り付けるとともに、基端を関節
部20に連結すれば、図1に示された第1の実施例の場
合と同様に、微小移動が可能になる。つまり、圧力を緩
やかに変化させるとフレキシブルアクチュエータ400
が緩やかに弯曲するから指先部2が微動し、また圧力を
急激に変化させると関節部20の作用により、フレキシ
ブルアクチュエータ400が粗動するから指先部2の移
動範囲を大きくすることができる。よって、指先部2の
微動および粗動が可能であり、かつ回動および旋回が可
能である。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の発明によ
れば、屈曲動作部が緩やかに屈曲運動する場合はマニピ
ュレータが微小量移動するとともに、屈曲動作部が急激
な屈曲運動する場合はマニピュレータが粗動動作するよ
うになり、マニピュレータの微動および粗動を選択する
ことができる。
【0071】請求項2の発明によれば、屈曲動作部は屈
曲変形および伸縮変形が可能であるから、マニピュレー
タを直線運動させることもでき、マニピュレータの移動
の自由度が増す。
【0072】請求項3の発明によれば、屈曲動作部は圧
電素子が非軸対称に変形する積層型アクチュエータにて
構成されているから、1個の積層型アクチュエータによ
り微動と粗動の両方の動作が可能となり、屈曲動作部を
小型軽量化することができ、またアクチュエータを制御
するための回路を大幅に減らすこともできる。
【0073】請求項4の発明によれば、伸縮変形する少
なくとも1個の積層圧電型アクチュエータによっても微
動と粗動の両方の動作が可能になる。請求項5の発明に
よれば、上記関節部が調整可能なブレーキ機構を備えて
いるから、摩擦力を調整することができる。
【0074】請求項6の発明によれば、関節機構を軸方
向に複数段連結したから、最先端の慣性体の移動範囲を
増幅させることができる。請求項7の発明によれば、関
節機構からなる指部の先端に指先部を設けたので、指先
部は微動および粗動の両方の動作を行うことができ、ワ
ークに対する精密な位置決めが可能になる。
【0075】請求項8の発明によれば、関節機構により
構成された手首関節機構に、同じく関節機構により構成
された指部を連結したから、指部の先端に設けた指先部
の移動の自由度および移動範囲がきわめて拡大される。
また、指部が複数個形成されるから、これら指部の先端
にそれぞれ設けた指先部によりワークを把持するなどの
作業が可能になり、ハンド作業の種類が広くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示し、マイクロマニピ
ュレータの主要部の構成である指部(関節機構)および
指先部を示す斜視図。
【図2】同実施例のマイクロマニピュレータの全体の構
造を示す図。
【図3】同実施例の圧電ユニモルフ素子を用いた圧電素
子組体の構成を示す側面図。
【図4】同実施例の圧電ユニモルフ素子の構造と動作を
説明する図。
【図5】同実施例の屈曲作動部(積層型アクチュエー
タ)の構造と動作を説明する図。
【図6】同実施例のマイクロマニピュレータの微動動作
を説明する図。
【図7】同実施例のマイクロマニピュレータハンドの粗
動動作のために印加する電圧波形の一例を示す図。
【図8】同実施例のマイクロマニピュレータの粗動動作
を説明する図。
【図9】本発明の第2の実施例のマイクロマニピュレー
タの主要部の構成である屈曲作動部および指先部を示す
斜視図。
【図10】同実施例のマイクロマニピュレータの微動動
作を説明する図。
【図11】同実施例のマイクロマニピュレータの粗動動
作を説明する図。
【図12】本発明の第3の実施例のマイクロマニピュレ
ータの主要部の構成を示す断面図。
【図13】本発明の第4の実施例のマイクロマニピュレ
ータの全体の構成を示す断面図。
【図14】本発明の第5の実施例のマイクロマニピュレ
ータの全体の構成を示す斜視図。
【図15】同実施例のフレキシブルアクチュエータの構
成を示す分解した斜視図。
【符号の説明】
1…指部 2…指先部 3…腕部 4…支持軸 5…支柱 6…基台 7…ワーク 10…屈曲作動部 11…圧電素子組体 111…圧電ユニモルフ素子 11a…圧電素子 11b…金属板 11ca,11cb,11cc…電極 20…関節部 21…移動体 21a…球体 21b…支持杆 21c…フランジ 22…支持体 22a…摺接面 22b…押圧体(ブレーキ機構) 22c…押圧バネ(ブレーキ機構) 22d…調整ネジ(ブレーキ機構) 30…慣性体 41…弾性ヒンジ 42…テコ部材 43…引張りバネ 100…関節機構 110…積層型アクチュエータ 120…積層圧電型アクチュエータ 200…1段目の関節機構(指部) 300…2段目の関節機構(手首関節機構) 400…フレキシブルアクチュエータ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動力が与えられた場合に屈曲変形する
    屈曲型アクチュエータを有する屈曲動作部と;上記屈曲
    動作部の一端に連結された移動体、およびこの移動体を
    摩擦力により移動可能に支持する支持体を有する関節部
    と;前記屈曲動作部の他端に設けられ、上記屈曲動作部
    に急速な屈曲運動が生じた場合に慣性により前記関節部
    の移動体に衝撃力を与える慣性体と;を具備し、 前記屈曲型アクチュエータに緩やかに変化する駆動力を
    与えた場合に屈曲動作部が緩やかに屈曲運動して前記慣
    性体が微小量移動されるとともに、前記屈曲型アクチュ
    エータに急激に変化する駆動力を与えた場合に屈曲動作
    部が急激に屈曲運動して前記関節部の移動体に衝撃力を
    与え、この衝撃力で上記支持体の摩擦支持力に打ち勝っ
    て移動体が支持体に対して移動され、これにより上記慣
    性体が粗動動作されるようにしたことを特徴とする関節
    機構。
  2. 【請求項2】 上記屈曲型アクチュエータは、駆動力を
    与えた場合に屈曲変形および伸縮変形を選択的におこな
    うことを特徴とする請求項1に記載の関節機構。
  3. 【請求項3】 上記屈曲動作部は、複数の圧電素子を積
    層してなる1個の積層型アクチュエータからなり、上記
    圧電素子は、電極を分割することにより素子が非軸対称
    に変形をする圧電バイモルフ素子または圧電ユニモルフ
    素子により構成されていることを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2に記載の関節機構。
  4. 【請求項4】 上記屈曲動作部は、電圧が印加された場
    合に伸縮変形する少なくとも1個の積層圧電型アクチュ
    エータと、この積層圧電型アクチュエータの伸縮変形を
    屈曲動作に変換するテコ機構とを有し、上記積層圧電型
    アクチュエータは中心軸から偏心した位置に設置されて
    いることを特徴とする請求項1に記載の関節機構。
  5. 【請求項5】 上記関節部は、移動体と支持体との間の
    摩擦力を調整するためのブレーキ機構を備えていること
    を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一に記
    載の関節機構。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5のいずれか一に
    記載の関節機構を中心線方向に沿って複数段連結して構
    成されていることを特徴とする関節機構。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項5のいずれか一に
    記載の関節機構からなる指部と;この指部の先端に設け
    られた指先部と;を具備したことを特徴とするマイクロ
    マニピュレータ。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし請求項5のいずれか一に
    記載の関節機構からなる手首関節機構と;この手首関節
    機構の先端に連結され、請求項1ないし請求項5のいず
    れか一に記載の関節機構を有し、相互に協調動作される
    複数の指部と;これら指部の先端に設けられた指先部
    と;を具備したことを特徴とするマイクロマニピュレー
    タ。
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