JPH08318142A - 水素分離装置、水素分離壁およびその製造方法 - Google Patents
水素分離装置、水素分離壁およびその製造方法Info
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- JPH08318142A JPH08318142A JP12657095A JP12657095A JPH08318142A JP H08318142 A JPH08318142 A JP H08318142A JP 12657095 A JP12657095 A JP 12657095A JP 12657095 A JP12657095 A JP 12657095A JP H08318142 A JPH08318142 A JP H08318142A
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- hydrogen separation
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 炭化水素系の燃料を改質したガスを原料と
し、効率よく水素を分離する水素分離装置を提供する。 【構成】 炭化水素系燃料を改質した少なくとも水素を
含む原料ガスを供給する高圧側、精製された水素ガスを
含むガスを得る低圧側、チューブ状多孔質セラミクス基
体の外面と内面の少なくとも一方に被覆されたパラジウ
ムを含む金属または合金皮膜からなり前記高圧側と低圧
側とを隔離する水素分離壁、前記高圧側の水素分離壁近
傍に設置された一酸化炭素変成触媒、および前記水素分
離壁と前記一酸化炭素変成触媒を100℃以上400℃
以下の温度に加熱するヒーターを具備する水素分離装
置。
し、効率よく水素を分離する水素分離装置を提供する。 【構成】 炭化水素系燃料を改質した少なくとも水素を
含む原料ガスを供給する高圧側、精製された水素ガスを
含むガスを得る低圧側、チューブ状多孔質セラミクス基
体の外面と内面の少なくとも一方に被覆されたパラジウ
ムを含む金属または合金皮膜からなり前記高圧側と低圧
側とを隔離する水素分離壁、前記高圧側の水素分離壁近
傍に設置された一酸化炭素変成触媒、および前記水素分
離壁と前記一酸化炭素変成触媒を100℃以上400℃
以下の温度に加熱するヒーターを具備する水素分離装
置。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水素精製用の水素分離
装置、水素分離壁およびその製造方法に関する。
装置、水素分離壁およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の水素分離装置は、水素を含む原料
ガスを供給する高圧側と、精製された水素ガスを含むガ
スが得られる低圧側とを、膜全体がパラジウムまたはパ
ラジウム合金からなるチュ−ブ状の水素分離膜などによ
って隔離した構成を有し、水素分離膜を通して水素を分
離精製する方法が採られていた。しかし、膜全体がパラ
ジウム合金等で構成されていると、膜の機械的強度を保
つためにある程度の膜厚が必要であり、パラジウムが高
価であることから水素分離装置全体のコストも高価であ
った。そこで、微細孔を有する多孔質セラミクスチュ−
ブや多孔質ガラスチュ−ブなどの表面にパラジウムをメ
ッキし、高価なパラジウムの膜厚を薄くすることも検討
されている。
ガスを供給する高圧側と、精製された水素ガスを含むガ
スが得られる低圧側とを、膜全体がパラジウムまたはパ
ラジウム合金からなるチュ−ブ状の水素分離膜などによ
って隔離した構成を有し、水素分離膜を通して水素を分
離精製する方法が採られていた。しかし、膜全体がパラ
ジウム合金等で構成されていると、膜の機械的強度を保
つためにある程度の膜厚が必要であり、パラジウムが高
価であることから水素分離装置全体のコストも高価であ
った。そこで、微細孔を有する多孔質セラミクスチュ−
ブや多孔質ガラスチュ−ブなどの表面にパラジウムをメ
ッキし、高価なパラジウムの膜厚を薄くすることも検討
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
パラジウムまたはパラジウム合金を用いた水素分離装置
は、比較的純度の高い水素ボンベなどの水素をより高純
度にするために用いられており、炭化水素系燃料を改質
したような水素以外にも多量の水蒸気や二酸化炭素や一
酸化炭素などを含むガスを原料ガスとしては用いられて
いなかった。また、一酸化炭素は、水蒸気の存在下で水
素に変成可能であり、水素の有効利用の立場から、改質
ガスから水素を精製する場合、一酸化炭素を水素に変成
してから水素を分離精製することが望ましい。さらに、
微細孔を有する多孔質セラミクスチュ−ブや多孔質ガラ
スチュ−ブなどの表面にパラジウムなどをメッキして製
造する水素分離装置の製造法において、通常の無電解メ
ッキのみでは微細孔を完全にパラジウムなどで充填する
ことは困難であった。また、パラジウム−金−銀系の合
金を水素分離壁として用いる場合、パラジウム、金、銀
を無電解メッキ後、均一に合金化するために熱処理を高
温で長時間行う必要があった。
パラジウムまたはパラジウム合金を用いた水素分離装置
は、比較的純度の高い水素ボンベなどの水素をより高純
度にするために用いられており、炭化水素系燃料を改質
したような水素以外にも多量の水蒸気や二酸化炭素や一
酸化炭素などを含むガスを原料ガスとしては用いられて
いなかった。また、一酸化炭素は、水蒸気の存在下で水
素に変成可能であり、水素の有効利用の立場から、改質
ガスから水素を精製する場合、一酸化炭素を水素に変成
してから水素を分離精製することが望ましい。さらに、
微細孔を有する多孔質セラミクスチュ−ブや多孔質ガラ
スチュ−ブなどの表面にパラジウムなどをメッキして製
造する水素分離装置の製造法において、通常の無電解メ
ッキのみでは微細孔を完全にパラジウムなどで充填する
ことは困難であった。また、パラジウム−金−銀系の合
金を水素分離壁として用いる場合、パラジウム、金、銀
を無電解メッキ後、均一に合金化するために熱処理を高
温で長時間行う必要があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の水素分離装置
は、炭化水素系燃料を改質した少なくとも水素を含む原
料ガスを供給する高圧側、精製された水素ガスを含むガ
スを得る低圧側、チューブ状多孔質セラミクス基体の外
面と内面の少なくとも一方に被覆されたパラジウムを含
む金属または合金皮膜からなり前記高圧側と低圧側とを
隔離する水素分離壁、前記高圧側の水素分離壁近傍に設
置された一酸化炭素変成触媒、および前記水素分離壁と
前記一酸化炭素変成触媒を100℃以上400℃以下の
温度に加熱するヒーターを具備する。また、前記チュ−
ブ状多孔質セラミクス基体の外側を高圧側、内側を低圧
側とするとともに、前記ヒーターには原料ガスに対して
上流側が高温、下流側が低温となるよう温度分布を設
け、さらに前記高圧側の一酸化炭素変成触媒より下流側
に空冷部と凝縮水蒸気のリザ−バ−部およびドレインを
設けた構成を有する。
は、炭化水素系燃料を改質した少なくとも水素を含む原
料ガスを供給する高圧側、精製された水素ガスを含むガ
スを得る低圧側、チューブ状多孔質セラミクス基体の外
面と内面の少なくとも一方に被覆されたパラジウムを含
む金属または合金皮膜からなり前記高圧側と低圧側とを
隔離する水素分離壁、前記高圧側の水素分離壁近傍に設
置された一酸化炭素変成触媒、および前記水素分離壁と
前記一酸化炭素変成触媒を100℃以上400℃以下の
温度に加熱するヒーターを具備する。また、前記チュ−
ブ状多孔質セラミクス基体の外側を高圧側、内側を低圧
側とするとともに、前記ヒーターには原料ガスに対して
上流側が高温、下流側が低温となるよう温度分布を設
け、さらに前記高圧側の一酸化炭素変成触媒より下流側
に空冷部と凝縮水蒸気のリザ−バ−部およびドレインを
設けた構成を有する。
【0005】本発明の水素分離壁は、チューブ状多孔質
セラミクス基体の外面と内面の少なくとも一方にパラジ
ウムを含む金属または合金皮膜を被覆したものである。
本発明の水素分離装置用水素分離壁の製造方法は、多孔
質セラミクス基体の外面と内面の少なくとも一方に、銀
と金とパラジウムを同一の金属メッキ層が連続しないよ
うに、かつ銀と金を少なくともそれぞれ1回ずつ、パラ
ジウムを少なくとも2回メッキする工程、および前記メ
ッキ層を700℃以上の温度で焼成して、銀と金とパラ
ジウムを合金化させる工程を有する。また、本発明の水
素分離装置用水素分離壁の製造方法は、多孔質セラミク
ス基体の外面と内面の少なくとも一方に、無電解メッキ
により少なくともパラジウムを含む金属または合金の皮
膜を形成する工程、および前記皮膜表面の微細な凹凸を
機械的にこすって平坦化する工程を有する。さらに、平
坦化された皮膜を700℃以上の温度で熱処理する工程
を有する。
セラミクス基体の外面と内面の少なくとも一方にパラジ
ウムを含む金属または合金皮膜を被覆したものである。
本発明の水素分離装置用水素分離壁の製造方法は、多孔
質セラミクス基体の外面と内面の少なくとも一方に、銀
と金とパラジウムを同一の金属メッキ層が連続しないよ
うに、かつ銀と金を少なくともそれぞれ1回ずつ、パラ
ジウムを少なくとも2回メッキする工程、および前記メ
ッキ層を700℃以上の温度で焼成して、銀と金とパラ
ジウムを合金化させる工程を有する。また、本発明の水
素分離装置用水素分離壁の製造方法は、多孔質セラミク
ス基体の外面と内面の少なくとも一方に、無電解メッキ
により少なくともパラジウムを含む金属または合金の皮
膜を形成する工程、および前記皮膜表面の微細な凹凸を
機械的にこすって平坦化する工程を有する。さらに、平
坦化された皮膜を700℃以上の温度で熱処理する工程
を有する。
【0006】
【作用】上記構成の水素分離装置は、炭化水素系燃料を
改質したガス中の一酸化炭素を水素に変成しながら、同
時に効率よく水素を分離精製することが可能である。ま
た、チュ−ブ状多孔質セラミクス基体の外側を高圧側、
内側を低圧側とし、ヒーターに温度分布を設け、さらに
高圧側の一酸化炭素変成触媒より下流側に空冷部と凝縮
水蒸気のリザ−バ−部およびドレインを設けることによ
って、チュ−ブ状多孔質セラミクス基体の耐圧を向上
し、かつ一酸化炭素の変成を効率よく行い、同時に水素
分離能力を向上することが可能である。
改質したガス中の一酸化炭素を水素に変成しながら、同
時に効率よく水素を分離精製することが可能である。ま
た、チュ−ブ状多孔質セラミクス基体の外側を高圧側、
内側を低圧側とし、ヒーターに温度分布を設け、さらに
高圧側の一酸化炭素変成触媒より下流側に空冷部と凝縮
水蒸気のリザ−バ−部およびドレインを設けることによ
って、チュ−ブ状多孔質セラミクス基体の耐圧を向上
し、かつ一酸化炭素の変成を効率よく行い、同時に水素
分離能力を向上することが可能である。
【0007】また、銀と金とパラジウムを同一の金属メ
ッキ層が連続しないように、かつ銀と金を少なくともそ
れぞれ1回ずつ、パラジウムを少なくとも2回メッキし
た後、700℃以上の温度で焼成して、水素分離壁を製
造する方法によると、銀と金とパラジウムを均一に合金
化させることが可能である。さらに、無電解メッキによ
り少なくともパラジウムを含む金属または合金の皮膜を
形成した後、メッキ皮膜表面の微細な凹凸を機械的にこ
すって平坦化する工程を付加することによって、多孔質
セラミクスチュ−ブの微細孔を水素分離壁を構成するメ
ッキ皮膜によって十分に充填し、不純物ガスの漏れのな
い信頼性の高い水素分離壁を製造することができる。
ッキ層が連続しないように、かつ銀と金を少なくともそ
れぞれ1回ずつ、パラジウムを少なくとも2回メッキし
た後、700℃以上の温度で焼成して、水素分離壁を製
造する方法によると、銀と金とパラジウムを均一に合金
化させることが可能である。さらに、無電解メッキによ
り少なくともパラジウムを含む金属または合金の皮膜を
形成した後、メッキ皮膜表面の微細な凹凸を機械的にこ
すって平坦化する工程を付加することによって、多孔質
セラミクスチュ−ブの微細孔を水素分離壁を構成するメ
ッキ皮膜によって十分に充填し、不純物ガスの漏れのな
い信頼性の高い水素分離壁を製造することができる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しながら
説明する。 [実施例1]図1は、本実施例の水素分離装置の縦断面
図を示したものであり、本発明に関係しない燃料改質部
は省略してある。図1において、1は多孔質セラミクス
基体からなるチューブを表している。このチューブ1
は、孔径約0.1μmの多数の細孔を有する外径10m
m、内径7mmの多孔質アルミナからできており、一方
の開口はアルミナ製マスク板4で閉じられている。チュ
−ブ1の外側表面の中央部には水素分離壁3が、またチ
ューブの外側表面の両端部にはガス不透過部2がそれぞ
れ設けられている。水素分離壁3は、チューブ表面にパ
ラジウムと銀を無電解メッキで被覆後、メッキ表面の微
細な凹凸を平坦化するため、平滑な表面を有するガラス
棒で機械的にこすり、メッキ表面を鏡面状に仕上げた
後、800℃で12時間熱処理することにより形成した
ものである。また、ガス不透過部2は、チュ−ブの外側
表面に銀を無電解メッキで被覆後、銀ペ−ストを塗布
し、更に熱処理することにより形成したものである。
説明する。 [実施例1]図1は、本実施例の水素分離装置の縦断面
図を示したものであり、本発明に関係しない燃料改質部
は省略してある。図1において、1は多孔質セラミクス
基体からなるチューブを表している。このチューブ1
は、孔径約0.1μmの多数の細孔を有する外径10m
m、内径7mmの多孔質アルミナからできており、一方
の開口はアルミナ製マスク板4で閉じられている。チュ
−ブ1の外側表面の中央部には水素分離壁3が、またチ
ューブの外側表面の両端部にはガス不透過部2がそれぞ
れ設けられている。水素分離壁3は、チューブ表面にパ
ラジウムと銀を無電解メッキで被覆後、メッキ表面の微
細な凹凸を平坦化するため、平滑な表面を有するガラス
棒で機械的にこすり、メッキ表面を鏡面状に仕上げた
後、800℃で12時間熱処理することにより形成した
ものである。また、ガス不透過部2は、チュ−ブの外側
表面に銀を無電解メッキで被覆後、銀ペ−ストを塗布
し、更に熱処理することにより形成したものである。
【0009】多孔質チュ−ブ1の外側には、チュ−ブ1
より径の大きいステンレス鋼製チュ−ブ5をかぶせ、チ
ュ−ブ1とステンレス鋼製チュ−ブ5の間の空間を高圧
部7とし、多孔質チュ−ブの内側の空間を低圧部8とし
ている。水素分離壁3とステンレス鋼製チューブ5との
間には、一酸化炭素変成触媒6が充填され、チューブ5
の外側には、水素分離壁3と一酸化炭素変成触媒6を加
熱するためのヒーター11が設けられている。
より径の大きいステンレス鋼製チュ−ブ5をかぶせ、チ
ュ−ブ1とステンレス鋼製チュ−ブ5の間の空間を高圧
部7とし、多孔質チュ−ブの内側の空間を低圧部8とし
ている。水素分離壁3とステンレス鋼製チューブ5との
間には、一酸化炭素変成触媒6が充填され、チューブ5
の外側には、水素分離壁3と一酸化炭素変成触媒6を加
熱するためのヒーター11が設けられている。
【0010】上記構成の装置を用い、炭化水素系燃料を
改質した原料ガスをステンレス鋼製チュ−ブ5の一方に
設けた原料ガス導入部9から高圧部に3kg/cm2の
圧力で供給し、一酸化炭素変成触媒6と水素分離壁3の
部分をヒ−タ−11によって、250℃に加熱した。そ
して、多孔質チュ−ブ1の解放された開口側の精製ガス
導出部10から精製された水素ガスを取り出した。こう
して取り出された精製水素ガスの流量は、100cc/
minであり、精製水素ガス中に含まれる不純物の濃度
はTCDのガスクロマトグラフィ−によって分析したと
ころ、約20ppmであった。
改質した原料ガスをステンレス鋼製チュ−ブ5の一方に
設けた原料ガス導入部9から高圧部に3kg/cm2の
圧力で供給し、一酸化炭素変成触媒6と水素分離壁3の
部分をヒ−タ−11によって、250℃に加熱した。そ
して、多孔質チュ−ブ1の解放された開口側の精製ガス
導出部10から精製された水素ガスを取り出した。こう
して取り出された精製水素ガスの流量は、100cc/
minであり、精製水素ガス中に含まれる不純物の濃度
はTCDのガスクロマトグラフィ−によって分析したと
ころ、約20ppmであった。
【0011】[実施例2]図2は、本実施例の水素分離
装置の縦断面図を示したものである。本実施例では、一
酸化炭素変成触媒6と水素分離壁3の部分を加熱するヒ
ーターを2つに分け、原料ガスの上流部を加熱するヒ−
タ−12と、原料ガスの下流部を加熱するヒ−タ−13
を設けた。また、高圧部7の一酸化炭素変成触媒6より
下流側に、空冷部15と凝縮水蒸気のリザ−バ−部16
およびドレイン14を設けた。さらに、水素分離壁3
は、以下のようにして形成した。まず、多孔質チュ−ブ
1の外側表面の中央部に、パラジウムと銀と金を、パラ
ジウム、銀、パラジウム、金の順で無電解メッキし、メ
ッキ表面の微細な凹凸を平坦化するため、平滑な表面を
有するガラス棒で機械的にこすり、メッキ表面を鏡面状
に仕上げた後、800℃で12時間熱処理した。次い
で、再度パラジウムの無電解メッキを行い、900℃で
12時間熱処理した。上記以外の構成は、実施例1と同
じである。
装置の縦断面図を示したものである。本実施例では、一
酸化炭素変成触媒6と水素分離壁3の部分を加熱するヒ
ーターを2つに分け、原料ガスの上流部を加熱するヒ−
タ−12と、原料ガスの下流部を加熱するヒ−タ−13
を設けた。また、高圧部7の一酸化炭素変成触媒6より
下流側に、空冷部15と凝縮水蒸気のリザ−バ−部16
およびドレイン14を設けた。さらに、水素分離壁3
は、以下のようにして形成した。まず、多孔質チュ−ブ
1の外側表面の中央部に、パラジウムと銀と金を、パラ
ジウム、銀、パラジウム、金の順で無電解メッキし、メ
ッキ表面の微細な凹凸を平坦化するため、平滑な表面を
有するガラス棒で機械的にこすり、メッキ表面を鏡面状
に仕上げた後、800℃で12時間熱処理した。次い
で、再度パラジウムの無電解メッキを行い、900℃で
12時間熱処理した。上記以外の構成は、実施例1と同
じである。
【0012】以上の装置を用い、一酸化炭素変成触媒6
と水素分離壁3の部分を、原料ガスに対して上流部はヒ
−タ−12によって300℃に、また原料ガスに対して
下流部はヒ−タ−13によって200℃にそれぞれ加熱
した。そして、炭化水素系燃料を改質した原料ガス原料
ガス導入部9から高圧部7に3kg/cm2の圧力で供
給し、多孔質チュ−ブ1の精製ガス導出部10から精製
された水素ガスを取り出した。こうして取り出された精
製水素ガスの流量は、150cc/minであり、精製
水素ガス中に含まれる不純物の濃度はTCDのガスクロ
マトグラフィ−によって分析したところ、検出限界以下
であった。
と水素分離壁3の部分を、原料ガスに対して上流部はヒ
−タ−12によって300℃に、また原料ガスに対して
下流部はヒ−タ−13によって200℃にそれぞれ加熱
した。そして、炭化水素系燃料を改質した原料ガス原料
ガス導入部9から高圧部7に3kg/cm2の圧力で供
給し、多孔質チュ−ブ1の精製ガス導出部10から精製
された水素ガスを取り出した。こうして取り出された精
製水素ガスの流量は、150cc/minであり、精製
水素ガス中に含まれる不純物の濃度はTCDのガスクロ
マトグラフィ−によって分析したところ、検出限界以下
であった。
【0013】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、炭化水素
系燃料を改質したガス中の一酸化炭素を水素に変成し、
しかも効率よく水素を分離精製することができる。ま
た、銀と金とパラジウムを均一に合金化させ、水素分離
能に優れた水素分離壁を得ることができる。さらに、メ
ッキ皮膜表面の微細な凹凸を機械的にこすって平坦化す
ることにより、多孔質セラミクス基体の微細孔をメッキ
皮膜によって十分に充填することができ、不純物ガスの
漏れのない信頼性の高い水素分離壁を得ることができ
る。
系燃料を改質したガス中の一酸化炭素を水素に変成し、
しかも効率よく水素を分離精製することができる。ま
た、銀と金とパラジウムを均一に合金化させ、水素分離
能に優れた水素分離壁を得ることができる。さらに、メ
ッキ皮膜表面の微細な凹凸を機械的にこすって平坦化す
ることにより、多孔質セラミクス基体の微細孔をメッキ
皮膜によって十分に充填することができ、不純物ガスの
漏れのない信頼性の高い水素分離壁を得ることができ
る。
【図1】本発明の一実施例における水素分離装置の縦断
面図である。
面図である。
【図2】本発明の他の実施例における水素分離装置の縦
断面図である。
断面図である。
1 チュ−ブ状多孔質セラミクス基体 2 銀の被覆部 3 パラジウムを含む金属または合金で被覆した水素分
離壁 4 マスク板 5 高圧部用ステンレス鋼チュ−ブ 6 一酸化炭素変成触媒 7 高圧部 8 低圧部 9 原料ガス導入部 10 精製ガス導出部 11 ヒ−タ− 12 高温用ヒ−タ− 13 低温用ヒ−タ− 14 ドレイン 15 空冷部 16 凝縮水蒸気のリザ−バ−
離壁 4 マスク板 5 高圧部用ステンレス鋼チュ−ブ 6 一酸化炭素変成触媒 7 高圧部 8 低圧部 9 原料ガス導入部 10 精製ガス導出部 11 ヒ−タ− 12 高温用ヒ−タ− 13 低温用ヒ−タ− 14 ドレイン 15 空冷部 16 凝縮水蒸気のリザ−バ−
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 蒲生 孝治 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内
Claims (6)
- 【請求項1】 炭化水素系燃料を改質した少なくとも水
素を含む原料ガスを供給する高圧側、精製された水素ガ
スを含むガスを得る低圧側、チューブ状多孔質セラミク
ス基体の外面と内面の少なくとも一方に被覆されたパラ
ジウムを含む金属または合金皮膜からなり前記高圧側と
低圧側とを隔離する水素分離壁、前記高圧側の水素分離
壁近傍に設置された一酸化炭素変成触媒、および前記水
素分離壁と前記一酸化炭素変成触媒を100℃以上40
0℃以下の温度に加熱するヒーターを具備することを特
徴とする水素分離装置。 - 【請求項2】 前記チュ−ブ状多孔質セラミクス基体の
外側を高圧側、内側を低圧側とするとともに、前記ヒー
ターには原料ガスに対して上流側が高温、下流側が低温
となるよう温度分布を設け、さらに前記高圧側の一酸化
炭素変成触媒より下流側に空冷部と凝縮水蒸気のリザ−
バ−部およびドレインを設けた請求項1に記載の水素分
離装置。 - 【請求項3】 チューブ状多孔質セラミクス基体の外面
と内面の少なくとも一方にパラジウムを含む金属または
合金皮膜を被覆したことを特徴とする水素分離壁。 - 【請求項4】 多孔質セラミクス基体の外面と内面の少
なくとも一方に、銀と金とパラジウムを同一の金属メッ
キ層が連続しないように、かつ銀と金を少なくともそれ
ぞれ1回ずつ、パラジウムを少なくとも2回メッキする
工程、および前記メッキ層を700℃以上の温度で焼成
して、銀と金とパラジウムを合金化させる工程を有する
ことを特徴とする水素分離壁の製造方法。 - 【請求項5】 多孔質セラミクス基体の外面と内面の少
なくとも一方に、無電解メッキにより少なくともパラジ
ウムを含む金属または合金の皮膜を形成する工程、およ
び前記皮膜表面の微細な凹凸を機械的にこすって平坦化
する工程を有することを特徴とする水素分離壁の製造方
法。 - 【請求項6】 平坦化された皮膜を700℃以上の温度
で熱処理する工程を有する請求項5に記載の水素分離壁
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12657095A JP3454604B2 (ja) | 1995-05-25 | 1995-05-25 | 水素分離装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12657095A JP3454604B2 (ja) | 1995-05-25 | 1995-05-25 | 水素分離装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08318142A true JPH08318142A (ja) | 1996-12-03 |
JP3454604B2 JP3454604B2 (ja) | 2003-10-06 |
Family
ID=14938441
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12657095A Expired - Fee Related JP3454604B2 (ja) | 1995-05-25 | 1995-05-25 | 水素分離装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3454604B2 (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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