JPH08318102A - 写真感光材料塗布液の調送液方法 - Google Patents

写真感光材料塗布液の調送液方法

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JPH08318102A
JPH08318102A JP12833795A JP12833795A JPH08318102A JP H08318102 A JPH08318102 A JP H08318102A JP 12833795 A JP12833795 A JP 12833795A JP 12833795 A JP12833795 A JP 12833795A JP H08318102 A JPH08318102 A JP H08318102A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 溶解していた気体が再び析出して気泡となる
ことがない確実な脱泡方法を提供する。 【構成】 調液タンク1より塗布ヘッド3までの送液系
の温度が、塗布ヘッドに向かって次第に下がるよう温度
勾配−1〜−10℃になるよう配管4を保温し、その条
件下で前記調液タンクにおいて気液界面5を有し、圧力
条件−50〜600mmHgの減圧下において減圧手段
7を制御し、超音波発振器8によって超音波照射を行
い、前記送液ポンプ2以降においては気液界面の全くな
い0.3〜6Kg/cm2 の加圧下において超音波発振
器9によって超音波照射脱泡を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は写真感光材料塗布液の調
・送液方法に関する、特に写真感光材料塗布液の脱泡・
脱気に関するものである。
【0002】
【従来の技術】塗布液を塗布ヘッドによってウエブに塗
布するとき、塗布液に含まれている微細な気泡や、塗布
液を塗布ヘッドに送り込む装置や塗布ヘッド内部に付着
した気泡によってしばしば塗膜にピンホール状の欠陥が
生じる。更に塗布液の発泡現象で塗布液から完全に除い
た気泡が再発し、欠陥を生じることがある。この対策の
ために下記の種々の方策が取られている。即ち,脱泡に
関しては次の技術が開示されている。 送液経路の途中に減圧チャンバーと加圧チャンバー
を連結して設け、各チャンバー内には気泡を浮上させる
ための気液界面を保ちながら、被脱泡液を供給し続け、
該液体に超音波を作用させて脱泡を行う方法(米国特許
3904392号明細書参照) 液体輸送のための管路の脱泡のための方法で、特に
写真感光材料関係物において、 (a) 液中に存在する空気又は他のガスを希薄にするため
の前記管路内を減圧にする。 (b) (a)による減圧より高く、大気圧より低い圧におけ
る飽和水蒸気を作り、該水蒸気の流れを(a)によって希
薄になった空気または他のガスを追い出すために前記管
路に流す。 (c) その後前記管路を通して、前記水蒸気を追い出す
ために、脱泡された液体を流す(米国特許第3,92
6,664号明細書参照) 流入気泡を含む被脱泡液に超音波振動を与えて脱泡
する超音波脱泡方法において、超音波発振器を備え内部
に超音波伝播用液体を満たした超音波液槽に液導管の一
部を設けておき、該液導管の管内を絶対圧1.3kg/
cm2 以上の加圧状態に保ち、かつ管内に気液界面が生
じないようにして、前記被脱泡液を連続的に送液しなが
ら、前記超音波発振器から発振された超音波振動を前記
被脱泡液に与え、該脱泡液中の気泡を液中に溶解、消滅
させるとともに大気圧下での気泡の析出を防止すること
を特徴とする超音波脱泡方法(特公昭55−6405号
公報参照)等がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記
の脱泡方法は加圧チャンバーにも気液界面が存在するた
め、加圧中に液面上の気体が液体中に新たに溶解して該
液の空気濃度が上り、それが塗布部などの大気圧下に供
給されると飽和溶解度に比べ過飽和となり、溶解してい
た気体が再び析出して気泡となる欠点があり、の写真
感光材料関係の液の脱泡については「減圧室に依るか、
超音波脱泡によるか又は双方の組合せにより脱泡する」
という記載なので、この発明においては管路内壁の脱泡
・脱気が主体であり、ピンホール故障の原因は管路内壁
に付着する気体にあるという記載である。被脱泡液の脱
泡・脱気が減圧又は超音波又はその双方の組合わせだけ
では、長時間の液の取扱いの間に気体の蓄積は逃れよう
もなく、この方法だけでは不完全である。の方法につ
いては加圧による気泡を液中に溶解するだけの方法であ
るので、やはり溶存したガスが条件により気泡となるこ
とがあり完全な方法とは言えない。
【0004】本発明の目的は上記問題点を解消し、溶解
していた気体が再び析出して気泡となることがない確実
な方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、写
真感光材料塗布液を調液タンク又は受液タンクより送液
ポンプによって取り出し、濾過,脱泡を経て塗布ヘッド
に調・送液する方法において、調液タンク又は受液タン
クより塗布ヘッド迄の送液系の温度が塗布ヘッドに向っ
て温度が次第に下がるように温度勾配を−1〜−10℃
になるように配管を保温し、その温度条件下で前記調液
タンク又は受液タンクにおいて気液界面を有し、圧力条
件−50mmHg〜−600mmHgの減圧下において
超音波照射を行い、前記送液ポンプ以後において気液界
面の全くない0.3kg/cm2 〜6kg/cm2 の加
圧下において超音波照射を行い脱泡することを特徴とす
る写真感光材料塗布液の調送液方法によって達成され
る。
【0006】本発明の脱泡方法の実施態様を図1を用い
て説明する。写真感光材料塗布液を調液タンク又は受液
タンク1より送液ポンプ2によって取出し、脱泡・濾過
を経て塗布ヘッド3に調送液する方法において、調液タ
ンク又は受液タンク1より塗布ヘッド3迄の送液系の温
度が、塗布ヘッドに向って温度が次第に下がるように温
度勾配を−1〜−10℃好ましくは−1〜−4℃になる
ように配管4を保温し、その温度条件下で前記調液タン
ク1において気液界面5を有し、圧力条件−50mmH
g〜−600mmHgにおいて、好ましくは−50mm
Hg〜−300mmHgの減圧下において、その条件を
圧力計6によって測定し、減圧手段7を制御し、超音波
発振器8によって超音波照射を行い、前記送液ポンプ2
以後においては、気液界面の全くない0.3kg/cm
2 〜6kg/cm2 ,好ましくは0.5kg/cm2
3kg/cm2 の加圧下において超音波発振器9によっ
て超音波照射を行い、脱泡することを特徴とする写真感
光材料塗布液の調液方法である。その加圧力は圧力計1
0で測定し、圧力コントロールバルブ11によって制御
する。送液ポンプ2以後超音波発振器9の間に必要に応
じ、圧力バッファ−12,濾過器13を取付ける。これ
によって塗布ヘッド3においては泡の危険のない塗布液
が得られる。
【0007】本発明において、送液系の温度を塗布ヘッ
ドに向かって温度が次第に下がるように温度勾配を持た
せることにより、塗布ヘッドの温度が調温タンクより低
くなる結果、塗布液は気体の溶存能力を増して発泡に対
して安全となり、配管中に捕捉されている微細泡があっ
てもこれを吸収可能となる。温度勾配は−1〜−10℃
で好ましくは−1〜−4℃である。温度勾配が−1℃な
いと前記の効果が無くなり、−10℃より大きな温度勾
配では塗布液の粘性が増加して、送液に支障が生じる。
又、本発明における減圧下の超音波照射により、予め塗
布液の脱泡・脱気が完全に行われる。減圧条件は−50
mmHg〜−600mmHg,好ましくは−50mmH
g〜−300mmHgである。減圧度が−50mmHg
未満では脱泡能力が不十分であり、減圧度が−600m
mHgを超えると発泡やキャビテーションによる不都合
が生じる。又、送液ポンプ以降で気密にし加圧下での超
音波照射は気体の溶解性を向上させるので、配管内の気
泡を溶存気体として吸収する効果がある。加圧の条件
は、0.3Kg/cm3 〜6Kg/cm3 ,好ましくは
0.5Kg/cm3 〜3Kg/cm3 である。加圧度が
0.3Kg/cm3 未満では溶解性が向上せず、6Kg
/cm3 を超えると超音波照射の効果が無くなる。超音
波照射はいずれの場合も周波数20KHz〜60KH
z、出力0.05w/cm3 〜0.8w/cm3 条件で
行われるのが一般である。
【0008】
【実施例】
(実施例−1)図1に示す脱泡設備を用い先ず.写真
感光材料の黒白一般用フイルムの塗布液である乳剤を減
圧出来、30kHzの超音波発振器8とジャケットを持
った50リットルの受液タンク1に25リットルのレベ
ルまでストックする。 受液タンク1と気液界面を全く持たない、かつ30
kHz超音波発振器9とジャケットを持った5リットル
容量の超音波脱泡装置との間に5リットル/minの能
力を持った送液ポンプ2によって送液をする。 送液ポンプ2の設備の先に保温ジャケットを持った
塗布ヘッド3で支持体に80m/minの速度で湿潤塗
布量50cc/m2 にて塗布をした。上記の受液タンク
1での減圧の有無,減圧下の超音波照射の有無,ジャケ
ットの温度差の有無、加圧の有無、加圧下の超音波照射
の有無、ジャケットによる温度差の有無等により、条件
変化に対し、面積当たりの発生気泡量を塗膜の検査によ
ってケ数で調査した結果を表1に示す。
【0009】
【表1】
【0010】(実施例−2)写真感光材料の黒白一般用
フィルムの塗布液で有機溶媒濃度が3重量%の塗布液A
と15重量%の塗布液Bを使ってテストを実施した。設
備は実施例−1と同様でタンクでの減圧度−300mm
Hg,タンクでの超音波は30kHzで100W,ポン
プ以降の加圧力2Kg/cm2 ,送液ポンプ以降の加
圧下での超音波を30kHz,200Wで脱泡を実施し
た。ジャケットによる受液タンクと塗布ヘッドとの温度
差の有無について気泡の発生を塗膜の検査によって調査
した結果、受液タンクと送液ポンプと塗布ヘッドの温度
差の有無によって表2に示すとおりである。
【0011】
【表2】
【0012】調液タンクと送液ポンプと塗布へッドに温
度差をつけた方が脱泡効果が安定的であることが判る。
【0013】
【発明の効果】実施例−1,−2に示すように写真感光
材料塗布液の脱泡方法は、減圧超音波脱泡,加圧超音波
脱泡そして調液タンクと送液ポンプと塗布ヘッドとの間
の温度を漸減するように調節することによって、初めて
脱泡が確実になることが証明された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の写真感光材料の調送液方法の一実施例
のフローシート図
【符号の説明】
1 調液タンク又は受液タンク 2 送液ポンプ 3 塗布ヘッド 4 配管 5 気液界面 6 圧力計 7 減圧手段 8 超音波発振器 9 超音波発振器 10 圧力計 11 圧力コントロールバルブ 12 圧力パッファー 13 濾過器バッファー 10 濾過器

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 写真感光材料塗布液を調液タンク又は受
    液タンクより送液ポンプによって取り出し、濾過,脱泡
    を経て塗布ヘッドに調・送液する方法において、調液タ
    ンク又は受液タンクより塗布ヘッド迄の送液系の温度が
    塗布ヘッドに向って温度が次第に下がるように温度勾配
    を−1〜−10℃になるように配管を保温し、その温度
    条件下で前記調液タンク又は受液タンクにおいて気液界
    面を有し、圧力条件−50mmHg〜−600mmHg
    の減圧下において超音波照射を行い、前記送液ポンプ以
    後において気液界面の全くない0.3kg/cm2 〜6
    kg/cm2 の加圧下において超音波照射を行い脱泡す
    ることを特徴とする写真感光材料塗布液の調送液方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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