JP2961665B2 - 液体の脱気・脱泡方法 - Google Patents

液体の脱気・脱泡方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 液体中に溶存している気体の除去(以下脱気とい
う)、及び液体中に混在する微細気泡を除去(以下脱泡
という)する方法に関する。特に写真感光材料等の塗布
液のように僅かな溶存気体や混在微細気泡が塗布品質に
影響を与える場合の塗布液を脱気・脱泡するのに有効な
方法に関する。
〔従来の技術〕
一般にある種の液体は、塗布に際しては該液体中に溶
存する気体及び混存する気泡を除去する必要がある。例
えば写真感光材料用の感光性塗布液は、溶存気体及び気
泡が含まれたまま塗布装置により基材に塗布されると、
該塗布液中の溶存気体の析出や、混存している気泡によ
って縦スジ、ピンホール等塗布面に気泡による故障を引
き起こし、基材に均一な感光膜を形成することが出来な
いため、基材に塗布される前に該塗布液中に溶存する気
体及び含有される気泡を除去することが必要である。
従来これに対処する方法として、まず液中に溶存する
気体の除去(脱気と称する)を行なうための方法として
は、多数知られているが代表的な例は該液体を減圧下に
置く方法であり、その例としては特公昭51−35259号、
特開昭56−147605号、特開昭56−76213号、特開昭49−9
7003号、特開昭50−159469号等の公報に開示されている
装置が知られている。
また、通気性高分子膜を用いる方法もあり、その例と
しては、特開昭51−28261号、特開昭51−123785号、特
開昭55−121806号、特開昭57−165007号、特開昭58−81
404号等の公報に開示されている方法あるいは装置が知
られている。他方、液体中に含有される気泡を除去する
(脱泡と称する)方法も多数知られている。このような
脱泡処理を行なうための装置としては感光性塗布液を用
いる場合は、従来特公昭47−6835号、特公昭57−6365
号、特開昭53−139247号、特開昭59−69108号、特開昭5
9−92003号、特開昭59−156405号、特開昭61−50608号
等の公報に開示されている超音波脱泡装置が知られてい
る。
また通気性高分子膜によって、脱気と脱泡を行なう方
法もあり、特開昭64−7915号、特開昭64−38105号等の
公報に開示されている処理方法が知られている。
その例としては第3図に示すように脱気・脱泡しよう
とする液体21を、ポンプ23により配管22及び通気性高分
子膜チューブ24を通し排出口25より処理装置外に出す方
法であり、その時該膜チューブ24の外側で減圧室26内を
真空ポンプ27により減圧する方法である。減圧室26内の
圧は圧力検出器28によって測定し真空ポンプ27によって
調節する。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、前者の脱気方法のうち、該液体を減圧
下に置いて脱気する方法は、該液体中に溶存する気体を
除去することは出来ても、微細気泡が該液体中に発生、
残存するという現象がおきる。また通気性高分子膜を用
いて脱気する方法においては、発泡現象は見られない
が、数100μmの混入気泡を除去することは困難であ
る。該膜に接する形で膜チューブ外へ徐々に拡散せしめ
られる効果を期待するにとどまる。これら、該液体中に
含有された気泡は、例えば感光性塗布液の場合には、塗
布装置により基材に塗布されると均一な感光膜を形成す
ることが出来ないという問題が起こる。
又、後者の超音波脱泡装置による脱泡方法は、該感光
性塗布液中に含まれる気泡は除去できても、該液中に溶
存する気体を除去することは困難である。良好な脱気を
達成するためには高い超音波強度を利用して超音波キャ
ビテーションによる気泡の生成を促さねばならず、この
気泡を除去するための付加が増加することになり望まし
くない。これらの脱泡処理をなされた該感光性塗布液は
その中に溶存する気泡が飽和あるいは、過飽和になって
おり、例えば該感光性塗布液の液温が上昇したり、剪断
力が加わると溶存していた気体が析出し、基材に塗布し
たときに均一な感光膜を形成することが出来ないという
問題が起こり得る。
このような事情から通気性高分子膜チューブの中を該
液体を通し、該チューブの外側を減圧にして該液体を処
理する際に該液体を加圧することで該液体中の微細気泡
を該液体中へ溶解消滅せしめ、脱気と脱泡を同時に行う
方法及び装置が前記の如く提案された。
しかしながらこれらの方法及び装置も数100μmの混
入気泡を該液体の加圧によって該液体中に溶解消滅せし
めて脱気するには非常に長い時間が必要である。このた
め、該通気性高分子膜チューブの容量を処理流量に対し
て十分に大きくすることで気泡の滞留時間を十分に大き
くすることが必要であり、それは設備の大型化、該チュ
ーブの耐圧性の面から望ましくない。特に気泡の滞留時
間を長くすることは、該液体自身の工程内滞留時間が長
くなることであり、特に写真用ハロゲン化銀乳剤の如く
写真性能の劣化や、液温の低下によるゲル化が引き起こ
される問題が生じる。
ゲル化を避けるため、該チューブの収納容器に保温ジ
ャケットをもうける方法もしられているが、該チューブ
の外側は減圧されており、熱媒体からの熱供給は効果的
でない。該チューブの内側を減圧し、外側に被処理液を
通す方法も知られているが、この際には該液体の単位処
理量に対する高分子膜チューブの面積低下による脱気効
率の低下が問題となる。
通常この種の脱気のために用いられる通気性高分子膜
は、撥水性の材質が多く用いられるが、これは高分子膜
からの溶媒の透過を防ぐ目的で選択がなされる。しかし
多くの材質は非多孔質性の気体透過膜であり、溶媒の透
過はほとんど無視できるレベルであるし、操作条件によ
って透過しない条件を選択することは容易である。この
ような場合、脱気に供される膜が撥水性であることは、
該液体と膜材質との接触を妨げることになり、実質的な
接触面積即ち脱気面積を制限してしまうことになる。
この結果、該チューブの表面積を有効に脱気に供する
ことが出来ないため、不必要に多大な表面積を有するよ
うな、言い換えれば長大なチューブを使用せざるを得な
いことになる。
前述の問題点に指摘されたように、脱気と脱泡を速や
かに達成するためには該チューブを用いた脱気装置と超
音波による脱泡装置を用いることになり、それぞれの装
置が大きいものになることは、該液体の装置内滞留時間
を必要以上に長いものとし、例えば写真用感光性塗布液
などでは写真特性の劣化等の問題を引き起こすことにな
る。
本発明は以上のごとき事情に基づいてなされたもので
あって、その目的は数100μmの混入気泡も単時間で脱
泡し、通気性高分子膜チューブの長さも短くてすみ、写
真性能の劣化や液温の低下によるゲル化を避けることが
出来、しかも溶存気体及び微細気泡を含む液体を単一の
装置によって脱気と脱泡の両者を効率よく達成する方法
を提供することにある。
〔課題を解決するための手段及び作用〕
かゝる本発明の上記目的は (1) 通気性高分子膜チューブを用いて液体の脱気・
脱泡を行う方法において、該通気性高分子膜チューブの
内側に該液体を圧送通液し、該チューブの外側に予め表
面張力を60dyne/cm以下に調整した後、通気性高分子膜
を通して脱気処理を施した水を通液することを特徴とす
る液体の脱気・脱泡方法。
(2) 通気性高分子膜チューブを用いて液体の脱気・
脱泡を行う方法において、該通気性高分子膜チューブの
内側に該液体を圧送通液し、該チューブの外側に予め表
面張力を60dyne/cm以下に調整した後、通気性高分子膜
を通して脱気処理を施した水を通液し、かつ該通気性高
分子膜チューブの外側から脱気処理を施した液体を通し
て通気性高分子膜に超音波振動を与えることを特徴とす
る液体の脱気・脱泡方法。
(3) 当該予め脱気処理を施した液体が表面張力を予
め60dyne/cm以下に調整した後、通気性高分子膜チュー
ブを用いて脱気を行った水であることを特徴とする請求
項(1)又は(2)記載の液体の脱気・脱泡方法。
によって達成される。
本発明において、該チューブの外側に通液する予め脱
気処理を施した液体としては、通常、水を用いることが
多い。写真感光材料の塗布液の脱気・脱泡の場合は純水
(蒸留水)を用いることが望ましい。更に望ましくは、
予め表面張力を60dyne/cm以下に調整した後、通気性高
分子膜チューブを用いて脱気を行った水であることであ
る。蒸留水の表面張力は通常77dyne/cmであるが、これ
を60dyne/cm以下に下げることによって通気性高分子膜
の該液体との接触が著しく良くなり、飛躍的な脱気効率
の向上を見出すことが出来る。
表面張力を調整するには、通常知られている界面活性
剤を適量使用すればよいが、特に写真用感光性塗布液の
場合では、アニオンスルホン酸系界面活性剤の如く写真
性能に悪影響を及ぼすことの少ない界面活性剤を選択す
る。またこの界面活性剤は、該液体を基板上に塗布せし
めるための塗れ剤として共用することも可能である。
上記による表面張力調整の処理を施すことで、通気性
高分子膜チューブによる脱気はその効率を格段に向上さ
せるため、該チューブの表面積は最少限度脱気を必要な
レベルに保つためのものであればよく、脱気・脱泡装置
そのものがコンパクトとなり、又、写真感光材料塗布液
の脱気・脱泡の場合該液体の装置内滞留時間を写真性に
変化を与えない程度の短時間に押さえることができる。
本発明は、脱気・脱泡しようとする液体を第一の通気
性高分子膜チューブの中を通液し、第一のチューブを内
蔵する第一の脱気室のチューブの外側に、予め脱気処理
を施した液体を通液する。
その予め脱気処理を施した液体は、第一の脱気室のチ
ューブの外側に通液可能に接続された第二の通気性高分
子膜チューブの中を通り、そのとき第二の脱気室のチュ
ーブの外側に通気可能に接続された減圧手段によって脱
気される。この脱気・脱法方法は、特開昭64−38105
号,特開昭64−38106号等に示された方法によって行
う。
本発明は予め脱気処理を施した液体が表面張力を予め
60dyne/cm以下に調整した後、通気性高分子膜チューブ
を用いて脱気を行うことにより、前記第一の脱気室のチ
ューブ及び第二の脱気室のチューブにおいて上記の作用
を果すものである。
本発明において予め脱気処理を施した液体は、第一の
通気性高分子膜チューブ内を通す脱気・脱泡しようとす
る液体の温度低下を防ぐため、第二の脱気室のチューブ
を通す前、もしくは通した後第一のチューブ外側を通液
せしめる前に必要な温度に調整されていることが望まし
いが、第一のチューブを収納する脱気室の外側容器に布
設された保温ジャケットからの熱を第一のチューブ内の
液体に伝える熱伝導媒体として用いても良い。予め脱気
処理を施した液体は第一のチューブ外側を通液せしめる
前に脱気処理を施されているために、第一のチューブの
内外両側には溶存気体の濃度差が生じることになり、膜
外側を減圧することなく膜内側を通液せしめる液体の脱
気を達成することが出来る。脱気度は膜外側を通液せし
める液体の脱気度を変化させることで必要なレベルに調
整することが出来る。
この結果、膜チューブ内を脱気・脱泡すべき液体を通
す際に、該液の温度低下の懸念が無くなりゲル化の心配
をなくなるので、それによる脱気効率を阻害する心配が
なくなり、必要な滞留時間を満足できる膜チューブ容量
を充分に活用することが出来る。
本発明によれば、膜チューブ内に脱気・脱泡すべき液
体を通せるので、保温のために脱気・脱泡すべき液体を
膜チューブ外を通す場合に比べ、単位体積の該液体当た
りの脱気に供される膜面積を十分にとることが出来る。
さらに、膜チューブ外を通す際に問題となる該液体の膜
チューブ収納容器内デッドスペースでの滞留を皆無とす
ることが出来る。
上記の様に表面張力が60dyne/cm以下で脱気された純
水を用い、その純水が又、脱気・脱泡すべき液体の保温
効果を持つことによって、通気性高分子膜チューブの表
面積を脱気・脱泡及び保温に十分に活用することが出来
るので、該液体に含まれる気泡を液体内に溶解するだけ
の時間も満足することが出来、単一の装置によって完全
な脱気・脱泡を行なうことが出来る。
しかしながら、特に写真用ハロゲン化銀乳剤の如く、
溶液状態で保存するとき経時によってその写真的特性が
変化する場合には、脱気・脱泡処理も出来るだけ速やか
に行なわれることが望ましい。通常、通気性高分子膜チ
ューブを用いた脱気・脱泡方法では、脱泡は通気性高分
子膜チューブを液体が通過する間に、該液体に混入して
いる気泡を該液体中に溶解せしめた後脱気することによ
って達成される。しかし、この気泡の溶解時間は加圧下
においても相当の時間を要することが知られている。
そこで本発明においては、第一の脱気室の外壁に超音
波振動子を布設した。超音波の作用を脱泡効果の促進に
用いることは、前記の如く良く知られているが、従来の
通気性高分子膜チューブ(膜チューブともいう)を用い
た脱気装置において超音波振動子を用いることは、該膜
チューブ外周が減圧状態であるので、振動子による超音
波を膜チューブ内の液体に有効に作用させることは困難
であった。
本発明においては、脱気室の膜チューブ外周が予め脱
気された液体で満たされており、超音波は減衰すること
なく有効に膜チューブ内の気泡へ伝えられる。さらに該
膜チューブ外周の液体は脱気されていることで外周の液
体中では超音波によるキャビテーションが起きにくく、
キャビテーションにより発生する微細気泡による超音波
エネルギーの減衰をも同時に防ぐことが出来る。これに
よって脱気・脱泡速度を更に一段と速めることが出来
る。
したがって本発明によれば、通気性高分子膜チューブ
による脱気処理と、超音波、及び加圧による該液中への
気泡の溶解による脱泡が格段に促進されるので、脱気の
促進により気泡の溶解による該液体の溶存気体の補充が
あっても溶存気体の過飽和状態を生み出すこともない。
この過飽和状態はしばしば塗布工程において脱泡処理さ
れた液体中からの気泡の析出による製品の欠陥を引き起
こすものである。
すなわち本発明は、溶存気体及び微細気泡を含む液体
を通気性高分子膜チューブによって脱気・脱泡を行なう
処理方法において、該チューブの外側に予め表面張力を
60dyne/cm以下に調整した後脱気処理を施した液体を通
液し、該液体によって脱気・脱泡すべき液体を保温する
ことで、また同時に該チューブを収納する脱気室の外壁
に布設された超音波振動子を働かすことによって、効率
的な脱気・脱泡を達成するとともに、該混入した気泡
や、過飽和状態の液体から析出した気泡による製品の欠
陥を未然に防ぐことが出来るものである。
本発明における通気性高分子膜チューブの材質は写真
用ハロゲン化銀乳剤に用いられる添加剤の溶媒を考慮す
ると、ポリ四フッ化エチレンの樹脂が最も好ましい。
次に、本発明の実施態様を図を用いて説明する。
第1図は本発明の液体の脱気・脱泡方法の一実施例を
示すフローシートである。第1図において、脱気・脱泡
しようとする液体1は配管2を通ってポンプ3によって
第1の通気性高分子膜チューブ4の内側に圧送通液さ
れ、排出口5より脱気・脱泡装置外に出る。第1の通気
性高分子膜チューブ4を内蔵する第1の脱気室6の膜チ
ューブ4の外側には、予め脱気・脱泡処理を施した液体
7が通液され排出口8より排出される。予め脱気・脱泡
処理を施した液体7はその原液9を第2の通気性高分子
膜チューブ10の中を通して供給ポンプ11で第1の脱気室
6の膜チューブ4の外側に給液されるが、該予め脱気・
脱泡処理を施した液体7は第2の通気性高分子膜チュー
ブ10を内蔵する第2の脱気室12の膜チューブ10の外側に
通気可能に接続された減圧手段である真空ポンプ13によ
って第2の脱気室12は減圧され、脱気・脱泡される。
脱気・脱泡しようとする液体1は第1の通気性高分子
膜チューブ4内を通っている間に液体中に溶解された気
体及び気泡を第1の脱気室6のチューブ4の外側を通さ
れた予め表面張力を60dyne/cm以下に調整され、かつ脱
気・脱泡された液体1の温度に近い温度に調整された液
体7と通気性高分子膜チューブ4を隔てゝ接することに
より、液体1内の溶解した気体及び気泡は液体7の方に
移り、液体1は先に説明したように脱気・脱泡されて排
出口5より系外に出る。
第2図は本発明の液体の脱気・脱泡装置で第1の脱気
室外壁に超音波振動子を布設した1実施例のフローシー
トを示す。超音波振動子14は第1の脱気室の外壁に布設
されている外は第1図と同様の符号で示す構成になって
いる。
超音波振動子を布設することにより第1図で示した第
1の通気性高分子膜チューブ4より短い長さのチューブ
を用いて、更に迅速に脱気・脱泡を行うことが出来る。
〔実 施 例〕
本発明の処理方法を感光材料用塗布液に適用した例に
ついて説明する。但し本発明は本実施例に限定されるも
のではない。
感光材料用塗布液において問題となる溶存気体は空気
であるが、溶存空気の評価については、市販の溶存酸素
計を用いて、脱気装置での処理前と処理後の溶存酸素の
変化量を調べることで脱気された程度を評価した。
脱気度=(溶存酸素変化量)/(脱気前の溶存酸素
量)上式によって脱気度を定義し、膜チューブの脱気性
能の目安とした。また、脱泡性能については、超音波を
利用した気泡検出器(実開昭62−197613号)により該装
置への流入前と流入後において、液体中に混入している
気泡の数を比較した。
以下、第2図の実験装置を用いて写真用塗布液の処理
を実施した結果を示す。
(実施例−1) 写真用塗布液は、第1表に示すような組成と物性を持
つものを用いたが、この実施例は本発明の範囲を限定す
るものではない。本発明は写真用ハロゲン化銀乳剤を含
む塗布液においても同等の効果を持つ。
脱気・脱泡装置として第2図に示すような装置を用い
た。
脱気・脱泡装置の使用及び条件 (a)第1の脱気室6, 通気性高分子膜チューブ4 材質;ポリ四フッ化エチレン樹脂製 内径1.4mm,肉厚0.2mm,長さ5m。
脱気・脱泡しようとする液体1(チューブ内液体) 第1表のゼラチン水溶液、 流量300cc/min〜600cc/min 予め脱気・脱泡処理を施した液体7(チューブ外液
体) 第2の脱気室によって処理された温い純水。
超音波振動子14 超音波周波数40kHz,2個対向配置 (b)第2の脱気室12, 通気性高分子膜チューブ10 材質;ポリ四フッ化エチレン樹脂製 内径0.4mm,肉厚0.2mm,長さ5m 膜チューブ内液体(原液)9 純水(40℃),流量600cc/min 膜チューブ外真空度:100Torr±5Torr 上記条件において、ゼラチン水溶液の脱気度、及び処
理前後の気泡個数を確認した。また、脱気温水側につい
てもあらかじめ脱気度を確認した。
第2表には、第2の脱気室の減圧度と得られた脱気温
水の脱気度の関係を示した。また、第3表には脱気・脱
泡システムを用いた結果を示した。水準は左側に示した
二つが比較例であり、通気性高分子膜チューブの外側を
減圧処理した従来のものである。それに対し右側の二つ
が本発明の実施例であり、膜チューブ外に第2の脱気室
によって脱気処理された脱気温水を通液したものであ
る。
第2表からは減圧度100Torrで調製された脱気温水は2
3%の脱気度となっている。
第3表を見ると、本発明の脱気温水を用いた実施例は
脱気度においては真空減圧法に比して若干低いが、明ら
かに飽和状態以下に脱気されており、しかもゼラチン溶
液600cc/minを脱気しうることにより明らかに脱気効率
が2倍以上に上ったことが判る。又、気泡個数が超音波
により速かに消滅していることが判る。
また、この装置を通過した高分子水溶液の液温度は、
通過せしめる前と何ら変化のないことも確認された。
(実施例−2) 次に純水の表面張力による脱気度の比較について、純
水への界面活性剤の量を変えて表面張力を調整し、それ
を第2の脱気室を通した結果の脱気度について比較した
(第4表)。
(c)第2の脱気室の使用条件, 通気性高分子膜チューブ10 材質;ポリ四フッ化エチレン樹脂製 内径0.4mm,肉厚0.2mm, 長さ5m,150本結束 膜チューブ内液体(原液9) 界面活性剤水溶液(液温20度) 流量200cc/min 膜チューブ外真空度 100Torr±5Torr,200TorrV±5Torr、 (なお表面張力の測定はリング法によった) 第4表に示されるように、界面活性剤を含まない純水で
は、膜外が100Torrまで減圧されていても20%程度の脱
気度でしかない。ところが、ごくわずかの界面活性剤を
添加することによって、30%以上の脱気度を得ることが
できる。特に減圧度がそれほど高くない領域における効
果は著しく、200Torrでの例を見れば、表面張力の効果
は倍ほどの脱気効果を生み出す。
60dyne/cm以下の表面張力では、それ以上に表面張力
を低下せしめても、例えば40dyne/cmの場合初期の脱気
効率向上効果に比して大きい効果はみられない。
〔発明の効果〕
以上述べたように、通気性高分子膜チューブの内側を
脱気・脱泡の対象の液体、該膜チューブの外側を脱気・
脱泡処理を施した液体を通液せしめることによって、該
脱気・脱泡対象液体内の数100μmの混入気泡も十分に
脱気・脱泡することが出来る。
尚、該膜チューブの外側を通す液体が表面張力を予め
60dyne/cm以下に調整した後、通気性高分子膜チューブ
を用いて脱気を行った水とすることによって、通気性高
分子膜チューブの長さも短くすることが可能である。
更にその水の温度を脱気・脱泡対象液体に適した温度
にすることによって、写真感光材料の場合は写真性能の
劣化や液温の低下によるゲル化を避けることができる。
又、更に該第一のチューブを内蔵する第1の脱気室の
外壁に超音波振動子を布設することによって、混入して
いる微細気泡をも速やかに溶解消滅せしめることができ
るので、通気性高分子膜チューブの長さを更に短くする
ことが出来、写真性能の劣化や液温の低下によるゲル化
を十分避けることが出来る。
また脱気と脱泡が同時に行なわれることにより、多数
の微細気泡を溶解消滅せしめても、該液体は溶存空気過
飽和状態にならず、圧力の変化や液温度の変化による気
泡の液中からの再析出の心配がない。とくに写真用ハロ
ゲン化銀感光材料に用いる塗布液のように基材上に塗布
された際に気泡の存在が重大な品質欠陥となる場合に、
本脱気・脱泡方法を用いることで、基材上に塗布された
感光膜を均一なものとすることができる。
以上の如く、本発明の液体の脱気・脱泡方法を用いる
ことによって、脱気・脱泡すべき液体の、効率的な脱気
・脱泡を達成し、該液体の必要滞留時間を短縮化するこ
とで脱気装置の大型化を防ぎ、本発明の効果をより高め
ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の概略説明図、第2図は本発
明の他の一実施例を示す概略図、第3図は従来の通気性
高分子膜チューブを用いた脱気装置である。 1……脱気・脱泡しようとする液体 2……配管 3……ポンプ 4……第1の通気性高分子膜チューブ 5……排出口 6……第1の脱気室 7……予め脱気・脱泡処理を施した液体 8……排出口 9……原液 10……第2の通気性高分子膜チューブ 11……供給ポンプ 12……第2の脱気室 13……真空ポンプ 14……超音波振動子 21……脱気・脱泡しようとする液体 22……配管 23……ポンプ 24……通気性高分子膜チューブ 25……排出口 26……減圧室 27……真空ポンプ 28……圧力検出器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−199607(JP,A) 実開 昭55−119102(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B01D 19/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】通気性高分子膜チューブを用いて液体の脱
    気・脱泡を行う方法において、該通気性高分子膜チュー
    ブの内側に該液体を圧送通液し、該チューブの外側に予
    め表面張力を60dyne/cm以下に調整した後、通気性高分
    子膜を通して脱気処理を施した水を通液することを特徴
    とする液体の脱気・脱泡方法。
  2. 【請求項2】通気性高分子膜チューブを用いて液体の脱
    気・脱泡を行う方法において、該通気性高分子膜チュー
    ブの内側に該液体を圧送通液し、該チューブの外側に予
    め表面張力を60dyne/cm以下に調整した後、通気性高分
    子膜を通して脱気処理を施した水を通液し、かつ該通気
    性高分子膜チューブの外側から脱気処理を施した液体を
    通して通気性高分子膜に超音波振動を与えることを特徴
    とする液体の脱気・脱泡方法。
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