JP4239216B2 - 塗布液の送液方法及び装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は塗布液の送液方法及び装置に係り、特に、フォト光沢インクジェット記録シート用の塗布液或いは感熱記録フィルム用の塗布液を、送液タンクから加圧式の超音波脱泡装置を経て塗布コータに至る配管内を、送液ポンプで送液する塗布液の送液方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
塗布液をウエブに塗布する場合、通常、塗布液を送液タンクから塗布コータに至る配管内を送液ポンプで送液する。この場合、送液される塗布液中に気泡が存在していたり、塗布液中の溶存空気量が多く気泡が発生し易い状態になっていると、塗布の際に気泡がウエブに乗ったり、塗布コータに滞留したりすることに起因して塗布膜表面に点状或いは筋状の泡故障が生じる。特に、フォト光沢インクジェット記録シート或いは感熱記録フィルム等のように塗布膜面の面状品質の厳しい製品では、塗布膜面の小さな泡故障であっても致命的な欠陥になる。
【0003】
このことから、例えば特許文献1の写真感光材料塗布液の調送液方法では、送液タンクから塗布コータに送液する配管途中に加圧式の超音波脱泡装置を設け、気泡を塗布液中に溶解することにより塗布膜面に泡故障が発生しないようにしている。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−318102号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1では、超音波脱泡装置の下流側の配管に圧力コントロールバルブを設け、このバルブの開度を絞ることによって超音波脱泡装置内の塗布液を加圧しているので、超音波脱泡装置で塗布液に一旦溶解した気泡がバルブ通過後の急激な減圧によって再発泡してしまうことがあり、塗布膜面に泡故障が発生するという欠点がある。
【0006】
また、フォト光沢インクジェット記録シート用の塗布液或いは感熱記録フィルム用の塗布液の場合には、バルブによる超音波脱泡装置の加圧方式では次のような問題もある。即ち、感熱記録フィルムの保護層塗布液に含まれる潤滑剤分散物等はバルブ部分で高い剪断力がかかると凝集を起こしてしまい、この凝集物によって塗布膜面の面状が悪化するという欠点がある。また、フォト光沢インクジェット記録用の塗布液のように配管内面に付着し易い付着性物質が含有される塗布液の場合には、付着性物質が配管内面に付着し易く、また剥離した付着物で塗布膜面の面状が悪化するという欠点がある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、加圧式の超音波脱泡装置で一旦溶解させた気泡を再発泡させることなく塗布コータに送液することができ、塗布液中に凝集性物質或いは付着性物質が含有されていても配管内で凝集したり配管内面に付着したりしないようにできるので、塗布膜面の泡故障や、凝集物や付着物による塗布膜面の面状悪化を防止できる塗布液の送液方法及び装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1は前記目的を達成するために、塗布液を、送液タンクから加圧式の超音波脱泡装置を経て塗布コータに至る配管内を送液ポンプで送液する塗布液の送液方法において、前記配管のうち前記超音波脱泡装置出口から前記塗布コータ入口までの下流側配管の配管径を細くして圧力損失を高めることで前記加圧式超音波装置を加圧すると共に、前記配管径を細くした下流側配管の圧力損失が0.03〜0.6MPaで、内圧の変化が0.05MPa/100mm以下であることを特徴とする。
【0009】
請求項1は、超音波脱泡装置出口から塗布コータ入口までの下流側配管の圧力損失が0.03〜0.6MPaであるようにすることで、下流側配管の圧力損失を利用して超音波脱泡装置内の塗布液を加圧し、且つ下流側配管の内圧の変化が0.05MPa/100mm以下になるようにして下流側配管内に急激な圧力差を生じさせないようにしたものである。これにより、バルブで加圧する従来の加圧式の超音波脱泡装置のように、バルブの下流側で加圧された塗布液が急激に減圧することがないので、加圧式の超音波脱泡装置で一旦溶解した気泡を再発泡させることなく塗布液を塗布コータへ送液することができる。従って、ウエブに塗布された塗布膜面に泡故障が発生しないようにできる。
【0010】
本発明の請求項2は請求項1において、前記配管内を流れる塗布液の流速を0.1m/秒以上とすることを特徴とする。このように、配管内を流れる塗布液の流速を0.1m/秒以上に流速を高くすることで、送液開始時、超音波脱泡装置を発振させる前に流れ込んだ泡を配管内に溜めずに速やかに下流側に排出することができる。更には、流速を高くすることにより、配管内面に付着しやすい物質の付着を防止することができる。
【0011】
本発明の請求項3は請求項1又は2において、前記送液タンクでの塗布液の液温と前記塗布コータでの液温との差が1°C〜10°Cの範囲になるように送液中の塗布液の液温を徐々に低下させることを特徴とする。このように、送液タンクから塗布コータに送液されるに従って塗布液の液温が徐々に低下する温度勾配をつけることにより、超音波脱泡装置で一旦溶解した気泡が再発泡しにくくなる。従って、超音波脱泡装置の下流側配管での圧力損失によって超音波脱泡装置内の内圧を高める構成と、送液タンクから塗布コータにいくに従って低下するように塗布液に温度勾配をつける構成とを組み合わせれば、加圧式の超音波脱泡装置で一旦溶解した気泡を一層再発泡させないようにできる。この場合の温度勾配は、送液タンクでの塗布液の液温と塗布コータでの液温との差が1°C〜10°Cの範囲が好ましい。
【0012】
本発明の請求項4は請求項1〜3の何れか1において、前記送液ポンプよりも上流側配管に大気開放式の超音波脱泡装置を設け、大気下で塗布液の脱泡を行うことを特徴とする。送液ポンプの上流側配管位置において大気下で超音波脱泡を行えば、塗布液中に溶存している気泡を発泡させて脱気することができるので、塗布液中の溶存空気の絶対量を減らした状態で、加圧下での超音波脱泡を行うことができる。
【0013】
従って、超音波脱泡装置の下流側配管での圧力損失によって超音波脱泡装置内の内圧を高める構成と、送液タンクから塗布コータにいくに従って低下するように塗布液に温度勾配をつける構成と、送液ポンプの上流側配管位置において大気下での超音波脱泡の構成とを組み合わせれば、加圧式の超音波脱泡装置で一旦溶解した気泡を更に再発泡させないようにできる。
【0014】
本発明の請求項5は請求項1〜4の何れか1において、前記塗布液はフォト光沢インクジェット記録シート用又は感熱記録フィルム用の塗布液であることを特徴とする。フォト光沢インクジェット記録シート用の塗布液又は感熱記録フィルム用の塗布液の場合には、塗布膜面の小さな泡故障が製品品質に致命的な欠陥を与えるだけでなく、剪断力によって凝集し易い凝集性物質や配管に付着し易い付着性物質を塗布液に含むため、本発明が特に有効だからである。
【0015】
本発明の請求項6は前記目的を達成するために、塗布液を、送液タンクから加圧式の超音波脱泡装置を経て塗布コータに至る配管内を送液ポンプで送液する塗布液の送液装置において、前記配管のうち前記超音波脱泡装置出口から前記塗布コータ入口までの下流側配管は、圧力損失を高めることで前記加圧式超音波装置を加圧するように配管径が細く形成されていると共に、該下流側配管の配管径は、圧力損失が0.03〜0.6MPaで、内圧の変化が0.05MPa/100mm以下になるように形成されていることを特徴とする。
【0016】
本発明の請求項6は、下流側配管が0.03〜0.6MPa及び0.05MPa/100mm以下の条件を得る為に、これらの条件を満足するように下流側配管の配管径を細くして形成したものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下添付図面に従って本発明に係る塗布液の送液方法及び装置の好ましい実施の形態について詳説する。
【0018】
図1は、本発明の塗布液の送液装置10の全体構成の概略を示す全体構成図である。
【0019】
送液装置10は、送液タンク12内の塗布液を配管24によって塗布コータ22に送液する装置であって、主として、図示しない調液タンクで調液された塗布液を一時的に貯留する送液タンク12、大気開放型の超音波脱泡装置14、送液ポンプ16、濾過器18、加圧式の超音波脱泡装置20で構成される。
【0020】
送液タンク12に貯留された塗布液は、攪拌機26の攪拌より均一化されると共に、塗布運転に応じて送液ポンプ16により先ず大気開放型の超音波脱泡装置14に送られる。送液ポンプ16としては、泡立ちが発生しないように圧送式の無脈動ポンプ、例えばダイアフラム式又はプランジャー式を好適に使用することができる。送液ポンプ16により配管24内を流れる塗布液の流速は0.1m/秒以上とすることが好ましい。このように、配管24内を流れる塗布液の流速を0.1m/秒以上に流速を高くすることで、送液開始時、超音波脱泡装置14、20を発振させる前に流れ込んだ泡を配管24内に溜めずに速やかに下流側に排出することができる。更には、流速を高くすることにより、配管24内面に付着しやすい物質の付着を防止することができる。
【0021】
大気開放型の超音波脱泡装置14は、超音波槽28の底部あるいは周囲部に超音波発振器30を配設した槽型の脱泡装置であり、超音波槽28は大気に開放されている。また、超音波槽28内の塗布液を脱気し易いように、攪拌機29により塗布液がゆっくりと攪拌される。この大気開放型の超音波脱泡装置14では、超音波槽28内の塗布液に超音波を照射して塗布液中の気泡を発泡させると共に発泡した気泡を成長・群集させて液面に浮上させることにより脱泡する。この場合、超音波発振器30の周波数は20KHz 〜100KHz の範囲内が好ましい。
【0022】
大気開放型の超音波脱泡装置14で脱泡された塗布液は、送液ポンプ16、濾過器18を介して加圧式の超音波脱泡装置20に送られる。
【0023】
加圧式の超音波脱泡装置20は、図2に示すように、主として、超音波液槽32内に配設されたパイプライン34と、超音波液槽32の底部あるいは周囲部に設けられた超音波振動器36とで構成される。パイプライン34は、内面が滑らかな薄肉の円管で構成されると共に、パイプライン34に接続される配管24のうち、超音波脱泡装置20の下流側配管24Bでの圧力損失によって超音波脱泡装置内の内圧を高めるように構成される。即ち、超音波脱泡装置20の出口から塗布コータ22の入口までの下流側配管24Bの圧力損失が0.03〜0.6MPaであると共に、下流側配管24Bの内圧の変化が0.05MPa/100mm以下になるように、下流側配管24Bの配管径Dが設定される。上流側配管24A及び下流側配管24Bの材質としてはステンレス製のものを使用することができるが、下流側配管24Bとして摩擦係数の低い材質の例えばテトラフルオロエチレンチューブ(以下、テフロンチューブという)を使用することが好ましい。
【0024】
また、超音波液槽32内には槽下部側面の給水口38から超音波伝搬液である温水が連続的に供給され、槽内部を満たして槽上部側面の排水口40から排出される。これにより、超音波発振器36から発射された超音波は、超音波伝搬液によりパイプライン34に伝搬され、パイプライン34内を流れる塗布液に照射される。パイプライン34内を流れる塗布液に照射する周波数としては、20KHz 〜100KHz の範囲が好ましい。
【0025】
加圧式の超音波脱泡装置20で脱泡された塗布液は、図1に示す流量計42及び気泡検出器44を経て塗布コータ22に送液される。塗布コータ22では塗布液が所望量塗り付けられる。図1には、塗布コータ22としてはスライドビード方式で図示したが、カーテン方式も好ましく使用できる。更には、バーコータ、ローラコータ、ディップコータ、ファウンテンコータ等の塗布コータも使用できる。
【0026】
また、気泡検出器44としては、配管24内を流れる分散液に超音波を照射し、これにより生ずる音場内の音響インピーダンス変化を超音波振動子の電気的インピーダンスに変換し、この変化が気泡検出器から電気信号として出力されることにより、塗布液中の気泡数を検出するものを好適に使用することができる。
【0027】
また、送液タンク12から塗布コータ22に送液される塗布液の液温が徐々に低下するように、送液タンク12、大気圧開放型の超音波脱泡装置14、濾過器18、加圧式の超音波脱泡装置20、塗布コータ22、及び配管24は、例えば図示しない保温ジャ ケット等により保温される。この場合、送液タンク12での塗布液の液温と塗布コータ22での液温との差が1°C〜10°Cの範囲になるように温度勾配をつけることが好ましい。
【0028】
次に、上記の如く構成された塗布液の送液装置10の作用を説明する。
【0029】
送液タンク12から送液ポンプ16で送り出された塗布液は、先ず大気開放型の超音波脱泡装置14によって塗布液中の気泡が脱泡される。大気開放型の超音波脱泡装置14では、超音波槽28内の塗布液に20KHz 〜100KHz の範囲の超音波を照射して塗布液中の気泡を意図的に発泡させると共に、成長・群集させて液面に浮上させて脱泡する。これにより、塗布液中の気泡の大部分が脱泡されると共に、塗布液中の溶存空気量を減少させる。
【0030】
次に、塗布液は濾過器18で濾過された後、加圧式の超音波脱泡装置20によって脱泡される。加圧式の超音波脱泡装置20では、塗布液をパイプライン34中に気液界面が生じないように連続送液すると共にパイプライン34を流れる塗布液に0.03〜0.6MPaの範囲の加圧下で20KHz 〜100KHz の範囲の周波数の超音波を照射する。これにより、大気開放型の超音波脱泡装置14で除去しきれなかった細かな気泡を塗布液中に溶解させて脱泡する。この場合、下流側配管24Bの圧力損失が0.03〜0.6MPaであるようにすることで、下流側配管24Bの圧力損失を利用して超音波脱泡装置20内の塗布液を0.03〜0.6MPa範囲で加圧することができるので、従来のように加圧のためのバルブを設ける必要がない。また、下流側配管24Bの内圧の変化が0.05MPa/100mm以下になるようにして下流側配管24B内に急激な圧力差を生じさせないようにしたので、加圧式の超音波脱泡装置20で脱泡された塗布液は、超音波脱泡装置20から塗布コータ22に送液される間で徐々に減圧される。これにより、塗布液中に溶解した気泡を再発泡させることなく塗布液を塗布コータ22へ送液することができる。従って、ウエブ46に塗布された塗布膜面に泡故障が発生しないようにできる。
【0031】
更に本発明では、送液タンク12から塗布コータ22へ送液されるに従って塗布液の温度が徐々に低くなるようにしたので、加圧式の超音波脱泡装置20での溶解作用を促進することができる。更には加圧式の超音波脱泡装置20で溶解した気泡が塗布コータ22に送液されるまでの間に再発泡することを一層抑制することができる。
【0032】
また、超音波脱泡装置20内を加圧するためのバルブを排除した本発明の送液装置10は、特に、配管24内面へ付着し易い付着性物質が含有されるフォト光沢インクジェット記録シート用の塗布液や、剪断力が付与されると凝集し易い凝集性物質を含む感熱記録フィルム用の塗布液に有効である。即ち、配管24B途中にバルブがあると、付着性物質が配管24B内面に付着したり、凝集性物質がバルブで剪断力が付与されることにより凝集し易くなるが、送液タンク12から塗布コータ22までの配管24途中にバルブを一切設けないようにすることで、付着性物質の付着や凝集性物質の凝集を抑制できる。また、下流側配管24Bの配管径を細くすることで、下流側配管24Bでの塗布液の流速がアップするので、下流側配管24B内面に汚れや付着物が付着しにくくなる。この場合、下流側配管24Bを付着性物質が付着しにくいテフロンチューブを使用することにより、前記した塗布液の流速アップによる付着抑制効果に加えてテフロン材質による付着抑制効果が発揮されるので、下流側配管24B内面の汚れや付着物に起因する塗布膜面の面状悪化を防止できる。
【0033】
【実施例】
以下に、本発明の送液装置10の実施例を説明するが、この実施例に限定されるものではなく、あらゆる塗布液の送液工程に適用することができる。尚、実施例中の「部」および「%」は、特に指定しない限り「質量部」および「質量%」を表す。
【0034】
(第1実施例)
フォト光沢インクジェット記録シート用の塗布液を送液タンク12から塗布コータ22に送液してウエブ46に塗布した場合である。
【0035】
[ウエブの作成]
LBKP100部からなる木材パルプをダブルディスクリファイナーによりカナディアンフリーネス300mlまで叩解し、エポキシ化ベヘン酸アミド0.5部、アニオンポリアクリルアミド1.0部、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン0.1部、カチオンポリアクリルアミド0.5部を、いずれもパルプに対する絶乾質量比で添加し、長網抄紙機により秤量して170g/m2 の原紙を抄造した。
【0036】
上記原紙の表面サイズを調整するため、ポリビニルアルコール4%水溶液に蛍光増白剤(住友化学工業(株)製の「Whitex BB」)を0.04%添加し、これを絶乾重量換算で0.5g/m2 となるように上記原紙に含浸させ、乾燥した後、更にキャレンダー処理を施して密度1.05に調整した基紙を得た。得られた基紙のワイヤー面(裏面)側にコロナ放電処理を行った後、溶融押出機を用いて高密度ポリエチレンを厚さ19μmとなるようにコーティングし、マット面からなる樹脂層を形成した(以下、この樹脂層面を「ウラ面」と称する。このウラ面側の樹脂層に更にコロナ放電処理を施した後、帯電防止剤として酸化アルミニウム(日産化学工業(株)製の「アルミナゾル100」)と二酸化ケイ素(日産化学工業(株)製の「スノーテックスO」)を質量比1:2で水に分散した分散液を、乾燥重量が0.2g/m2 になるように塗布した。
【0037】
更に、樹脂層の設けられていない側のフェルト面(表面)側にコロナ放電処理を施した後、アナターゼ型二酸化チタン10%、微量の群青、及び蛍光増白剤0.01%(対ポリエチレン)を含有する、MFR(メルトフローレート)3.8の低密度ポリエチレンを、溶融押出機を用いて、厚み29μmとなるように溶融押出し、高光沢の熱可塑性樹脂層を基紙の表面側に形成し(以下、この高光沢面を「オモテ面」と称する)、本実施例に用いるウエブとした。
【0038】
[色材受容層用塗布液の調製]
下記の<色材受容層用塗布液>組成に従って、イオン交換水にシリカ微粒子を混合した後、更にジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体を加え、平均粒子径0.65mmの酸化ジルコニウム(ZrO2 )ビーズを体積充填率で70%としたセラミック製サンドグラインダー(シンマルエンタープライゼス社製の「DYNO−MILL TYPE:KDL−PILOT」)で平均粒子径150nmまで微細分散した。この微細分散液に水溶性ポリマー、ホウ酸、DEGMBE、エマルゲン、F1405を加えて色材受容層を調整した。
【0039】
〔色材受容層用塗布液の組成〕
・気相法シリカ微粒子(トクヤマ製QS-30) 8.9部
・イオン交換水 66.2部
・ジアリルジメチルアンモニウムクロライド 0.9部
(カチオン性樹脂:第一工業製薬製シャロール DC902P)
・ポリビニルアルコール8%水溶液(クラレ 製 PVA124)23.1部
・ポリオキシエチレンラウリルエーテル 0.1部
(ノニオン 系界面活性剤: 花王製エマルゲン109P)
・パーフルオロアルキル基含有オリゴマー 0.1部
( 第日本インキ 化学工業製:メガファック F-1405)
・ジエチレングリコールモノブチルエーテル 0.3部
( 高沸点有機溶剤)
・ホウ酸(架橋剤) 0.4部
[インクジェット記録用シートの作製]
上記から得た色材受容層用塗布液を、ウエブ46の表面にエクストルージョンダイコーターを用いて200ml/m2 の塗布量で塗布し、熱風乾燥機にて80°C(風速3〜8m/sec)で塗布層の固形分濃度が20%になるまで乾燥させた。塗布層は、この期間恒率乾燥速度を示した。その直後、色材受容層の上にスライドビードコータにて下記の成分比率の架橋剤溶液を10g/m2 塗布した。更に80°C下で1分間乾燥させ、これより、インクジェット記録用シートを作製した。
【0040】
[架橋剤塗布液の組成]
・ホウ酸(架橋剤) 0.6部
・イオン交換水 82.1部
・ポリアリルアミン20%水溶液 15.0部
(日東紡製:PAA-03)
・パラトルエンスルホン酸 1.8部
・ポリオキシエチレンラウリルエーテル 0.2部
(ノニオン 系界面活性剤: 花王製エマルゲン109P)
・パーフルオロアルキル基含有オリゴマー 0.2部
( 第日本インキ 化学工業製:メガファック F-1405)
・塩化アンモニウム 0.1部
そして、本発明の送液装置の効果を確認するために以下の試験を行った。
(実施例1)加圧式の超音波脱泡装置20の上流側配管24A(送液タンク12から加圧式の超音波脱泡装置20まで)を内径16.1mmのステンレス配管を使用すると共に下流側配管24B(加圧式の超音波脱泡装置20から塗布コータ22まで)を内径が10mmのテフロンチューブとし、加圧式の超音波脱泡装置20内の塗布液に0.1MPaの圧力が加わるようにした。加圧式の超音波脱泡装置20の超音波周波数は50KHz とした。また、送液タンク12での塗布液の温度38°Cが塗布コータ22送液時に30°Cまで徐々に低下するようにした。
【0041】
その結果、送液タンク12から塗布コータ22に送液されてウエブ46に塗布される塗布液中には気泡が全く存在せず、塗布膜面にも泡故障が発生しなかった。気泡が全く存在しなかったことは、気泡検出器44でも確認した。また、実施例1の送液装置10を長期間使用しても、加圧式の超音波脱泡装置20の下流側配管24Bとして使用したテフロンチューブの内面には付着物が全く付着せず、付着物が剥離することによる塗布膜面の面状悪化もなかった。
【0042】
(比較例1)加圧式の超音波脱泡装置20の上流側配管24A及び下流側配管24Bともに内径16.1mmのステンレス配管を使用すると共に下流側配管24Bにバルブを設け、バルブの開度を絞ることにより加圧式の超音波脱泡装置20内の塗布液に0.1MPaの圧力がかかるようにした。それ以外は実施例1と同様である。
【0043】
その結果、加圧式の超音波脱泡装置20の出口の塗布液中、及びバルブの下流側の塗布液中のいずれにも気泡が気泡検出器44によって検出された。これにより、塗布コータ22に送液された塗布液をウエブ46に塗布した塗布膜面には泡故障が散見された。また、比較例1の送液装置を長期間使用すると、配管24内面に付着物が付着し、剥離した付着物による塗布膜面の面状悪化が認められた。
【0044】
(第2実施例)
感熱記録フィルムの保護層塗布液を送液タンク12から塗布コータ22に送液してウエブ46に塗布した場合である。ウエブ46の作成は実施例1と同様である。
【0045】
Figure 0004239216
そして、本発明の効果を確認するために以下の試験を行った。
【0046】
(実施例2)実施例1と同様に、加圧式の超音波脱泡装置20の上流側配管24Aを内径16.1mmのステンレス配管を使用すると共に下流側配管24Bを内径が10mmのテフロンチューブとし、加圧式の超音波脱泡装置20内の塗布液に0.1MPaの圧力がかかるようにした。加圧式の超音波脱泡装置20の超音波周波数を50KHz とした。また、送液タンク12での塗布液の温度30°Cが塗布コータ22送液時に24°Cに徐々に低下するようにした。
【0047】
その結果、実施例1の結果と同様に、送液タンク12から塗布コータ22に送液されてウエブ46に塗布される塗布液中には気泡が全く存在せず、塗布膜面にも泡故障が発生しなかった。また、感熱記録フィルム用の塗布液に含有される凝集性物質である潤滑剤分散物中のステアリン酸亜鉛、ステアリン酸の凝集も認められず、凝集物に起因する塗布膜面の面状悪化もなかった。
【0048】
(比較例2)比較例1と同様に、加圧式の超音波脱泡装置20の上流側配管24A及び下流側配管24Bともに内径16.1mmのステンレス配管を使用すると共に下流側配管24Bにバルブを設け、バルブの開度を絞ることにより加圧式の超音波脱泡装置20内の塗布液に0.1MPaの圧力がかかるようにした。それ以外は実施例2と同様である。
【0049】
その結果、比較例1と同様に、加圧式の超音波脱泡装置20の出口からサンプリングした塗布液中には気泡が存在しないものの、バルブの下流側で気泡が再び発生した。また、バルブの下流側で凝集性物質であるステアリン酸亜鉛とステアリン酸の凝集物が発生し、凝集物に起因する塗布膜面の面状悪化が認められた。凝集物がバルブの上流側にはなく下流側に発生していたことから、バルブ部分で塗布液に剪断力がかかり、分散されていたステアリン酸亜鉛やステアリン酸が凝集してしまったものと考察される。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、塗布液の送液方法及び装置によれば、加圧式の超音波脱泡装置で一旦溶解させた気泡を再発泡させることなく塗布コータに送液することができ、塗布液中に凝集性物質或いは付着性物質が含有されていても配管内で凝集したり配管内面に付着したりしないようにできる。これにより、塗布膜面の泡故障や、凝集物や付着物による塗布膜面の面状悪化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の塗布液の送液装置の全体構成を示した全体構成図
【図2】加圧式の超音波脱泡装置の装置構造を説明する説明する説明図
【符号の説明】
10…塗布液の送液装置、12…送液タンク、14…大気開放型の超音波脱泡装置、16…送液ポンプ、18…濾過器、20…加圧式の超音波脱泡装置、22…塗布コータ、26…攪拌機、28…超音波槽、30…超音波発振器、32…超音波液槽、34…パイプライン、36…超音波発振器、38…給水口、40…排水口、42…流量計、44…気泡検出器、46…ウエブ

Claims (6)

  1. 塗布液を、送液タンクから加圧式の超音波脱泡装置を経て塗布コータに至る配管内を送液ポンプで送液する塗布液の送液方法において、
    前記配管のうち前記超音波脱泡装置出口から前記塗布コータ入口までの下流側配管の配管径を細くして圧力損失を高めることで前記加圧式超音波脱泡装置を加圧すると共に、
    前記配管径を細くした下流側配管の圧力損失が0.03〜0.6MPaで、内圧の変化が0.05MPa/100mm以下であることを特徴とする塗布液の送液方法。
  2. 前記配管内を流れる塗布液の流速を0.1m/秒以上とすることを特徴とする請求項1の塗布液の送液方法。
  3. 前記送液タンクでの塗布液の液温と前記塗布コータでの液温との差が1°C〜10°Cの範囲になるように送液中の塗布液の液温を徐々に低下させることを特徴とする請求項1又は2の塗布液の送液方法。
  4. 前記送液ポンプよりも上流側配管に大気開放式の超音波脱泡装置を設け、大気下で塗布液の脱泡を行うことを特徴とする請求項1〜3の何れか1の塗布液の送液方法。
  5. 前記塗布液はフォト光沢インクジェット記録シート用又は感熱記録フィルム用の塗布液であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1の塗布液の送液方法。
  6. 塗布液を、送液タンクから加圧式の超音波脱泡装置を経て塗布コータに至る配管内を送液ポンプで送液する塗布液の送液装置において、
    前記配管のうち前記超音波脱泡装置出口から前記塗布コータ入口までの下流側配管は、 圧力損失を高めることで前記加圧式超音波脱泡装置を加圧するように配管径が細く形成されていると共に、
    該下流側配管の配管径は、圧力損失が0.03〜0.6MPaで、内圧の変化が0.05MPa/100mm以下になるように形成されていることを特徴とする塗布液の送液装置。
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