JPH08316463A - 電界効果トランジスタ - Google Patents

電界効果トランジスタ

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JPH08316463A
JPH08316463A JP14236895A JP14236895A JPH08316463A JP H08316463 A JPH08316463 A JP H08316463A JP 14236895 A JP14236895 A JP 14236895A JP 14236895 A JP14236895 A JP 14236895A JP H08316463 A JPH08316463 A JP H08316463A
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JP
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layer
thickness
operating
barrier
electron
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Application number
JP14236895A
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English (en)
Inventor
Hironobu Miyamoto
広信 宮本
Norihiko Samoto
典彦 佐本
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NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 動作層の電子に対する基板側の障壁高さを高
くして短チャネル化しても動作層の電子が基板側へ注入
されることのないようにする。 【構成】 高抵抗基板1上に、バッファ層2、動作層
4、電子供給層5、高濃度n型半導体層6、オーミック
電極7、ゲート電極8が形成されてなるFETにおい
て、動作層4より電子親和力の小さい半導体によりバッ
ファ層2を形成し、バッファ層2内の動作層4の近傍側
にこのバッファ層のエネルギーバンドのΓ谷より高いエ
ネルギーのΓ谷を有する半導体からなる厚さ20nm以
下のバリア半導体層3を挿入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電界効果トランジスタ
に関し、特に動作層と基板との間にヘテロバッファ層あ
るいは第2電子供給層を有する電界効果トランジスタの
結晶構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電界効果トランジスタは、素子の
高周波特性向上のためにゲート電極の微細化が図られて
きた。この微細化に伴ってソース・ドレイン間の電界強
度が高まり、ゲートによる制御機能が弱まるショートチ
ャネル効果が顕在化して素子特性が劣化する。従来、こ
れを防ぐ方法として、ゲート電極から動作層までの深さ
をゲート電極の長さに対し1/10以下にする方法がと
られてきた。
【0003】また、高電界によって加速された高いエネ
ルギーをもった動作層の電子を基板側へ流れ込ませない
ために、電子親和力が動作層より小さい半導体層を基板
との間に障壁層として挿入した構造が用いられてきた。
その構造は、図3(a)に示されるように、高抵抗基板
1上にバッファ層2、動作層4、電子供給層5を設け、
電子供給層5上にゲート電極8とコンタクト層となる高
濃度n型半導体層6を設け、高濃度n型半導体層6上に
オーミック電極7を設けたものである。そのエネルギー
バンド図を図3(b)に示す。
【0004】GaAs基板上に電界効果トランジスタを
形成する場合には、Inx Ga1-xAs(0≦x≦0.
4)/Alx Ga1-x As(x<0.4)構造が用いら
れる。例えば、1990年12月アイ・イー・イー・イ
ー・トランザクションズ エレクトロンデバイス レタ
ーズ 第11巻 第12号 585ページ IEEE ELECT
ON DEVICE LETTERS, VOL.11, DECEMBER 1990 12 p.585
に記載されたゲート長0.1μmの電界効果トランジス
タの結晶構造は、Al0.25Ga0.75As電子供給層/I
0.15Ga0.85As動作層/(AlGaAs/GaA
s)超格子バッファ層である。In0.15Ga0.85As動
作層/(AlGaAs/GaAs)超格子バッファ層の
障壁高さは約0.4eVと見積もられる。
【0005】また、InP基板上に構成される電界効果
トランジスタでは、InGaAs/InAlAs構造が
用いられる。例えば、1992年3月アイ・イー・イー
・イー・トランザクションズ エレクトロンデバイス
レターズ 第13巻 第3号143ページ IEEE ELECT
ON DEVICE LETTERS, VOL.13, MARCH 1992 p.143 に記載
されたゲート長65nmの電界効果トランジスタの結晶
構造は、In0.52Al0.48As電子供給層/In0.8
0.2 As(7.5nm)補助動作層/In0.53Ga
0.47As(12.5nm)動作層/In0.52Al0.48
s(250nm)バッファ層/InP基板である。この
場合、In0.53Ga0.47As動作層/In0.52Al0.48
Asバッファ層での障壁高さは0.52eVである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の電界効
果トランジスタ構造、すなわち電子親和力が動作層より
小さい半導体層を動作層と基板の間に挿入した構造で
は、障壁の高さは、InxGa1-x As(0≦x≦0.
4)動作層/GaAsバッファ層で約0.2eV、In
x Ga1-x As(0≦x≦0.4)動作層/Alx Ga
1-x As(0≦x≦0.4)バッファ層で約0.4e
V、In0.53Ga0.47As動作層/In0.52Al0.48
sバッファ層で約0.52eVと小さかった。
【0007】そのため、トランジスタをさらに微細化し
ゲート電極の長さが0.1μm以下になるとソース・ド
レイン間の電界強度が増し電界によって加速された電子
エネルギーは増加し、従来構造の障壁高さでは、図3
(a)、(b)に示されるように、動作層を流れる高エ
ネルギー化した電子e- の基板側への流入を防止するこ
とが困難になる。したがって、従来構造では、トランジ
スタのドレインコンダクタンスが増加し、ピンチオフ特
性が悪くなるという問題が起こる。
【0008】本発明はこの点に鑑みてなされたものであ
って、その目的は、動作層の基板側に動作層に対して十
分に高い障壁層として機能しうる半導体層を形成できる
ようにすることであり、このことによりゲート長が短縮
されても、電子の基板側への注入を抑制して、ドレイン
コンダクタンスの増加とピンチオフ特性の悪化を抑制し
得るようにしようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明によれば、動作層(4)と基板(1)の間に
前記動作層より電子親和力の小さい半導体層(2、9)
をバッファ層または電子供給層として有する電界効果ト
ランジスタにおいて、前記バッファ層または電子供給層
中の動作層近傍側にバッファ層または電子供給層のエネ
ルギーバンドのΓ谷より高いエネルギーのΓ谷を有する
厚さ20nm以下のバリア半導体層(3、3a)を1乃
至複数層挿入したことを特徴とする電界効果トランジス
タ、が提供される。
【0010】
【作用】以下、本発明による電界効果トランジスタの構
造断面図である図1(a)とエネルギーバンド図である
図1(b)を参照して本発明の原理と作用・効果につい
て説明する。図1に示すように、本発明による電界効果
トランジスタでは、高抵抗基板1上に動作層より電子親
和力の小さいバッファ層2、前記バッファ層2中の動作
層近傍側にバッファ層のエネルギーバンドのΓ谷より高
いエネルギーのΓ谷を有し厚さが20nm以下のバリア
半導体層3、動作層4、電子供給層5、高濃度n型半導
体層6とオーミック電極7およびゲート電極8が形成さ
れている。
【0011】本発明の電界効果トランジスタにおいて
は、動作層4の近傍に形成された、バッファ層2のエネ
ルギーバンドのΓ谷より高いΓ谷を有するバリア半導体
層の層厚が20nm以下と薄いため、動作層中の電子e
- に対してはバリア半導体層のΓ谷が基板側の障壁とな
る。この障壁は動作層に対するバッファ層2の障壁より
高いため、動作層4中の電子e- が高電界によって加速
され高エネルギー化しても、図1に示されるように、基
板側への注入は抑制される。したがって、ゲート電極に
電圧を加えることによってゲート電極直下の動作層4お
よびバッファ層2中を流れる電子の量を制御できるよう
になり、トランジスタのドレインコンダクタンスの増加
は抑制され、ピンチオフ特性は改善される。
【0012】動作層4に直接接するようにバリア半導体
層3を形成しても上記の効果を得ることができる。しか
し、例えばInGaP(バリア半導体層)上にInGa
As(動作層)を形成する場合のように、格子定数の違
いが大きくなり良好に動作層を成長させることが困難に
なる。バッファ層内にバリア半導体層を設けることによ
りこの問題が解消される。但し、動作層中の電子のバッ
ファ層への注入をできるだけ少なくするために、動作層
側のバッファ層の層厚は5nm以下に抑えることが望ま
しい。上述したようにバリア半導体層の層厚を20nm
以下と薄くすることにより動作層中の電子に対する障壁
高さを高くすることができるが、この層を薄くしたこと
のもう一つの効果は、格子定数に大きな違いがあっても
バリア半導体層への結晶欠陥の導入を抑制しうることで
ある。
【0013】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。 [第1の実施例]本発明の第1の実施例について図1を
参照して説明する。本実施例では、高抵抗基板1として
GaAs基板、バッファ層2としてGaAs層(400
nm)(この層の成長は2回に分けて行われるが簡単の
ために1回にまとめて記した。他の実施例についても同
様である)、バッファ層2のエネルギーバンドのΓ谷よ
り高いエネルギーのΓ谷を有し厚さ20nm以下のバリ
ア半導体層3としてAlxGa1-x As(0.4<x≦
1.0例えばx=1.0、厚さ10nm)、動作層4と
してInx Ga1-x As(例えばx=0.28、厚さ1
2nm)、電子供給層5として例えば動作層側からアン
ドープAl0.28Ga0.72As層(3nm)、Siプレー
ナドープ層(5×1012cm-2)(アンドープAl0.28
Ga0.72As層上にSiを5×1012cm-2ドープした
層)、アンドープAl0.25Ga0.75As層(30nm)
を形成し、電子供給層5の上層に高濃度n型半導体層6
として例えばGaAs層(Si濃度:6×1018
-3、厚さ40nm)を形成した。ここで、動作層寄り
のバッファ層2の厚さは5nmになされている。
【0014】高濃度n型半導体層6上にオーミック電極
7がAuGeとNiの蒸着とそれに続くアロイ処理によ
り形成されており、オーミック電極間の、高濃度n型半
導体層6をリセスエッチングして露出させた電子供給層
5上には、Ti/Alからなるゲート長50nmのショ
ットキー型のゲート電極8が形成されている。
【0015】バリア半導体層であるAlAs層が電子の
平均自由行程より十分厚いとき、AlAsとGaAsの
電子親和力の差すなわち電子に対する障壁高さはAlA
sの伝導帯の最低エネルギーバンドX谷とGaAsの伝
導帯の最低エネルギーバンドΓ谷の差0.2eVであ
り、この値はAl0.4 Ga0.6 As(この組成のときΓ
谷の高さとX谷の高さとが一致し、これよりAlの組成
比が高くなるとX谷の方がΓ谷より低くなる。したがっ
て、十分の層厚でAlGaAs/GaAsのヘテロ接合
が形成される場合、この組成のとき最も障壁が高くな
る)とGaAsの電子親和力の差0.3eVより小さ
い。
【0016】しかし、AlAs層の厚さが本実施例のよ
うに20nm以下になると電子障壁高さとして動作層の
最低エネルギーバンド谷Γ谷と同じΓ谷の影響を受け
る。Γ谷のエネルギー差はAlAs/GaAsで0.7
eVであり、Al0.4 Ga0.6As/GaAsの値:
0.3eVより大きいため、Al0.4 Ga0.6 As層よ
りAlAs層の方がドレインコンダクタンスの増加を抑
制し、ピンチオフ特性の劣化を防ぐ上で効果が大きい。
【0017】本実施例電界効果トランジスタにおいて、
バリア半導体層3として厚さ10nmのAlAsを用い
たが、厚さd(0<x≦20nm)のAlx Ga1-x
s(0.4<x≦1.0)を用いてもよい。また、本実
施例では、バリア半導体層3として厚さ10nmのAl
As層を1層用いたがGaAsバッファ層2中の動作層
付近に複数層挿入(例えば界面から5nm、30nmの
位置に1層ずつ)すれば、さらにドレインコンダクタン
スの増加抑制とピンチオフ特性の劣化防止に効果があ
る。
【0018】[第2の実施例]次に、再び図1を参照し
て本発明の第2の実施例について説明する。本実施例に
おいては、高抵抗基板1としてGaAs基板、バッファ
層2としてGaAs層(400nm)、バッファ層2の
エネルギーバンドのΓ谷より高いエネルギーのΓ谷を有
し厚さ20nm以下のバリア半導体層3としてInx
1-x P(例えばx=0.2、厚さ10nm)、動作層
4としてInx Ga1-x As(例えばx=0.28、厚
さ12nm)、電子供給層5として例えば動作層側から
アンドープAl0.28Ga0.72As層(3nm)、Siプ
レーナドープ層(ドーズ:5×1012cm-2)、アンド
ープAl0.25Ga0.75As層(30nm)を用い、電子
供給層5の上層に高濃度n型半導体層6としてGaAs
層(Si濃度:6×1018cm-3、厚さ40nm)を形
成した。
【0019】高濃度n型半導体層6上にAuGe/Ni
からなるオーミック電極7が形成され、オーミック電極
間のリセス部にTi/Alからなるゲート長50nmの
ゲート電極8が形成されている。
【0020】本実施例では、バリア半導体層となるIn
x Ga1-x PはGaAs基板と格子定数が異なるが、1
0nmと薄いため結晶欠陥は発生しない。Inx Ga
1-x Pバリア層は、Alx Ga1-x As(0≦x≦0.
4)層に比較して高いエネルギーのΓ谷を有し、動作層
のInx Ga1-x Asに対し、高い電子障壁として働
き、ドレインコンダクタンスの増加を抑制し、ピンチオ
フ特性の劣化を防止する。
【0021】本実施例では、バリア半導体層としてIn
x Ga1-x P(x=0.2、厚さ10nm)を用いた
が、20nm以下のInx Ga1-x P(0≦x<0.
5)、あるいはInx Al1-x P(0≦x<0.6)、
あるいはGax Al1-x P(0≦x≦1.0)、あるい
はGaAsx1-x (0≦x≦0.5)、あるいはAl
Asx1-x (0≦x≦1.0)を用いても同様の効果
が得られる。
【0022】また、本実施例では、バリア半導体層3と
して厚さ10nmのInx Ga1-xP層を1層用いたが
複数層挿入(例えば界面から5nm、30nmの位置に
1層ずつ)すれば、ドレインコンダクタンスの増加抑制
とピンチオフ特性の劣化防止にさらに効果がある。
【0023】[第3の実施例]続いて、図1を参照して
本発明の第3の実施例について説明する。本実施例で
は、高抵抗基板1としてInP基板、バッファ層2とし
てInx Al1-x As(0.50≦x≦0.55例えば
x=0.52、厚さ100nm)、バッファ層2のエネ
ルギーバンドのΓ谷より高いエネルギーのΓ谷を有し厚
さ20nm以下のバリア半導体層3としてInx Al
1-x As(0≦x<0.5例えばx=0.2、厚さ10
nm)、動作層4としてInx Ga1-x As(0.5≦
x≦1.0例えばx=0.7、厚さ20nm)、電子供
給層5として例えば動作層側からアンドープIn0.52
0.48As層(3nm)、Siプレーナドープ層(ドー
ズ:6×1012cm-2)、アンドープIn0.52Al0.48
As層(20nm)を用い、電子供給層5の上層に高濃
度n型半導体層6として例えばIn0.53Ga0.47As層
(Si濃度:6×1018cm-3、厚さ20nm)を形成
した。
【0024】高濃度n型半導体層6上にAuGe/Ni
からなるオーミック電極7が形成され、オーミック電極
間のリセス部にTi/Alからなるゲート長50nmの
ゲート電極8が形成されている。
【0025】本実施例では、バリア半導体層となるIn
x Al1-x As(0≦x<0.5)は基板となるInP
とは格子定数が異なっているが、10nmと薄いため結
晶欠陥の発生は抑制される。本実施例においては、バリ
ア半導体層であるInx Al1-x As(0≦x<0.
5)層は、Inx Al1-x Asバッファ層に比較して高
いエネルギーのΓ谷を有し、動作層のInx Ga1-x
sに対し、高い電子障壁として働くため、ドレインコン
ダクタンスの増加が抑制され、ピンチオフ特性の劣化が
防止される。
【0026】本実施例では、バリア半導体層3としてI
x Al1-x As層(x=0.2、厚さ10nm)を用
いたが、20nm以下のInx Al1-x As(0≦x<
0.5)、あるいはAlx Ga1-x As(0≦x≦1.
0)、あるいはInx Ga1-x P(0≦x<0.8)、
あるいはInx Al1-x P(0≦x<0.8)、あるい
はGax Al1-x P(0≦x≦1.0)、あるいはGa
Asx1-x (0≦x≦1.0)、あるいはAlAsx
1-x (0≦x≦1.0)を用いても同様の効果が得ら
れる。
【0027】本実施例では、バリア半導体層3として厚
さ10nmのInx Al1-x As層(x=0.2)を1
層用いたが複数層挿入(例えば界面から5nm、30n
mの位置に1層ずつ)すれば、さらにドレインコンダク
タンスの増加抑制とピンチオフ特性の劣化防止に効果が
ある。
【0028】[第4の実施例]次に、本発明のもう一つ
の構造を示す図2(a)を参照して本発明の第4の実施
例について説明する。なお、図2(b)は、図2(a)
に示す構造のエネルギーバンド図である。図2に示す電
界効果トランジスタでは、動作層の基板側にも電子供給
層(9)が配置される。
【0029】本実施例では、高抵抗基板1としてGaA
s基板、バッファ層2としてGaAs層(400n
m)、n型不純物を添加した電子供給層9として例えば
Al0.2Ga0.8 As(Si濃度:5×1018cm-3
厚さ5nm)およびアンドープAl0.2 Ga0.8 As
(3nm)、電子供給層9のエネルギーバンドのΓ谷よ
り高いエネルギーのΓ谷を有し厚さ20nm以下のバリ
ア半導体層3aとしてAlxGa1-x As(0.4<x
≦1.0例えばx=1.0、厚さ10nm)、動作層4
としてInx Ga1-x As(例えばx=0.28、厚さ
12nm)、電子供給層5として例えば動作層側からア
ンドープAl0.28Ga0.72As層(3nm)、Siプレ
ーナドープ層(ドーズ:2.5×1012cm-2)、アン
ドープAl0.25Ga0.75As層(30nm)を用い、電
子供給層5の上層に高濃度n型半導体層6として例えば
GaAs層(Si濃度:6×1018cm-3、厚さ40n
m)を形成した。
【0030】高濃度n型半導体層6上にオーミック電極
7がAuGeとNiの蒸着とそれに続くアロイ処理によ
り形成されており、オーミック電極間の、高濃度n型半
導体層6をリセスエッチングして露出させた電子供給層
5上には、Ti/Alからなるゲート長50nmのショ
ットキー型のゲート電極8が形成されている。
【0031】バリア半導体層を構成するAlAs層が電
子の平均自由行程より十分厚いとき、AlAsとGaA
sの電子親和力の差すなわち電子に対する障壁高さはA
lAsの伝導帯の最低エネルギーバンドX谷のGaAs
の伝導帯の最低エネルギーバンドΓ谷の差0.2eVで
あり、この値はAl0.4 Ga0.6 AsとGaAsの電子
親和力の差0.3eVより小さい。
【0032】しかしAlAs層の厚さが本実施例のよう
に20nm以下になると、動作層の電子は電子障壁高さ
として動作層の最低エネルギーバンド谷Γ谷と同じΓ谷
の影響を受ける。Γ谷のエネルギー差はAlAs/Ga
Asで0.7eVであり、Al0.4 Ga0.6 As/Ga
Asの値0.3eVより大きい。そのため、ゲート長が
短くなって動作層の電界が高くなり走行する電子のエネ
ルギーが高くなっても、図2に示されるように、基板側
への電子e- の注入は抑制され、ドレインコンダクタン
スの増加は抑制され、ピンチオフ特性の劣化が防止され
る。
【0033】本実施例の電界効果トランジスタにおいて
は、バリア半導体層3aとして厚さ10nmのAlAs
層を用いたが、厚さd(0<x≦20nm)のAlx
1-x As層(0.4<x≦1.0)を用いてもよい。
また、本実施例では、バリア半導体層3aとして厚さ1
0nmのAlAs層を1層用いたが、電子供給層9中の
動作層付近に複数層挿入(例えば界面から5nm、30
nmの位置に1層ずつ)すれば、さらにドレインコンダ
クタンスの増加抑制とピンチオフ特性の劣化防止に効果
がある。
【0034】[第5の実施例]次に、図2を参照して本
発明の第5の実施例について説明する。高抵抗基板1と
してGaAs基板、バッファ層2としてGaAs層(4
00nm)、n型不純物を添加した電子供給層9として
例えばAl0.2 Ga0.8 As(Si濃度:5×1018
-3、厚さ5nm)およびアンドープAl0.2 Ga0.8
As層(2nm)、電子供給層9のエネルギーバンドの
Γ谷より高いエネルギーのΓ谷を有し厚さ20nm以下
のバリア半導体層3aとしてInx Ga1-x P(例えば
x=0.2、厚さ10nm)、動作層4としてInx
1-x As(例えばx=0.28、厚さ12nm)、電
子供給層5として例えば動作層側からアンドープAl
0.28Ga0.72As層(3nm)、Siプレーナドープ層
(ドーズ:2.5×1012cm-2)、アンドープAl
0.25Ga0.75As層(30nm)を用い、電子供給層5
の上層に高濃度n型半導体層6として例えばGaAs層
(Si濃度:6×1018cm-3、厚さ40nm)を形成
した。
【0035】高濃度n型半導体層6上にAuGe/Ni
からなるオーミック電極7が形成され、オーミック電極
間のリセス部にTi/Alからなるゲート長50nmの
ゲート電極8が形成されている。
【0036】本実施例では、バリア半導体層3aとして
GaAs基板とは格子定数の異なるInx Ga1-x Pを
用いているが、その層厚が10nmと薄いため結晶欠陥
は発生しない。バリア半導体層であるInx Ga1-x
層は、Alx Ga1-x As(0≦x≦0.4)層に比較
して高いエネルギーのΓ谷を有しているため、動作層の
Inx Ga1-x Asに対し高い電子障壁として働き、ド
レインコンダクタンスの増加を抑制し、ピンチオフ特性
の劣化を防ぐ効果がある。
【0037】本実施例では、バリア半導体層3aとし
て、厚さ10nmのInx Ga1-x P層を1層用いたが
複数層挿入(例えば界面から5nm、30nmの位置に
1層ずつ)すれば、さらにドレインコンダクタンスの増
加抑制とピンチオフ特性の劣化防止に効果がある。
【0038】また、本実施例では、バリア半導体層3a
としてInx Ga1-x P(x=0.2、厚さ10nm)
を用いたが、20nm以下のInx Ga1-x P(0≦x
<0.5)、あるいはInx Al1-x P(0≦x<0.
6)、あるいはGax Al1-x P(0≦x≦1.0)、
あるいはGaAsx1-x (0≦x≦0.5)、あるい
はAlAsx1-x (0≦x≦1.0)を用いても同様
の効果が得られる。
【0039】[第6の実施例]再び、図2を参照して本
発明の第6の実施例について説明する。本実施例におい
ては、高抵抗基板1としてInP基板、バッファ層2と
してInx Al1-x As(0.50≦x≦0.55、例
えばx=0.52、厚さ:100nm)、電子供給層9
として例えばIn0.52Al0.48As層(Si濃度:5×
1018cm-3、厚さ5nm)およびアンドープIn0.52
Al0.48As層、電子供給層9のエネルギーバンドのΓ
谷より高いエネルギーのΓ谷を有し厚さ20nm以下の
バリア半導体層3aとしてInx Al1-x As(0≦x
<0.5、例えばx=0.2、厚さ10nm)、動作層
4としてInx Ga1-x As(0.5≦x≦1.0、例
えばx=0.7、厚さ20nm)、電子供給層5として
例えば動作層側からアンドープIn0.52Al0.48As層
(3nm)、Siプレーナドープ層(ドーズ:4×10
12cm-2)、アンドープIn0.52Al0.48As層(20
nm)を用い、電子供給層5の上層に高濃度n型半導体
層6として例えばIn0.53Ga0.47As層(Si濃度:
6×1018cm-3、厚さ20nm)を形成した。
【0040】高濃度n型半導体層6上にAuGe/Ni
からなるオーミック電極7が形成され、オーミック電極
間のリセス部にTi/Alからなるゲート長50nmの
ゲート電極8が形成されている。
【0041】本実施例では、バリア半導体層3aとして
基板のInPとは格子定数の異なるInx Al1-x As
(0≦x<0.5)を用いているが、その層厚が10n
mと薄いため結晶欠陥は発生しない。バリア半導体層で
あるInx Al1-x As(0≦x<0.5)層は、電子
供給層であるIn0.52Al0.48As層に比較して高いエ
ネルギーのΓ谷を有しているため、動作層であるInx
Ga1-x Asに対し高い電子障壁として働き、ドレイン
コンダクタンスの増加を抑制し、ピンチオフ特性の劣化
を防ぐ効果がある。
【0042】本実施例では、バリア半導体層3aとし
て、厚さ10nmのInx Al1-x As層(x=0.
2)を1層用いたが複数層挿入(例えば界面から5n
m、30nmの位置に1層ずつ)すれば、さらにドレイ
ンコンダクタンスの増加抑制とピンチオフ特性の劣化防
止に効果がある。
【0043】本実施例では、バリア半導体層3aとして
Inx Al1-x As層(x=0.2、厚さ10nm)を
用いたが、20nm以下のInx Al1-x As(0≦x
<0.5)、あるいはAlx Ga1-x As(0≦x≦
1.0)、あるいはInx Ga1-x P(0≦x<0.
8)、あるいはInx Al1-x P(0≦x<0.8)、
あるいはGax Al1-x P(0≦x≦1.0)、あるい
はGaAsx1-x (0≦x≦1.0)、あるいはAl
Asx1-x (0≦x≦1.0)を用いても同様の効果
が得られる。また、本実施例では、電子供給層9として
Inx Al1-x As層(0.50≦x≦0.55)を用
いたが、InPを用いたトランジスタでも同様の効果が
得られる。
【0044】以上好ましい実施例について説明したが、
本発明はこれら実施例に限定されるものではなく、特許
請求の範囲に記載された範囲内において適宜変更を加え
うるものである。例えば、実施例では、バリア半導体層
の上下のバッファ層や電子供給層の半導体の組成は同一
であるものとしていたが必ずしも一致させる必要はな
い。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による電界
効果トランジスタは、ヘテロバッファ層(あるいは第2
電子供給層)中の動作層近傍側にバッファ層のエネルギ
ーバンドのΓ谷より高いエネルギーのΓ谷を有する厚さ
20nm以下のバリア半導体層を1乃至複数層挿入した
ものであるので、動作層中の電子に対しバッファ層(あ
るいは第2電子供給層)中のバリア半導体層が高い障壁
を形成することができ、電子が高電界によって加速され
高エネルギーを得ても、バッファ層(あるいは第2電子
供給層)中への注入は抑制される。
【0046】したがって、本発明によれば、短チャネル
化が進行しても、ゲートへの印加電圧によってゲート電
極直下の動作層およびバッファ層中に流れる電子の量を
制御することが可能となり、トランジスタのドレインコ
ンダクタンスの増加を抑制し、ピンチオフ特性を良好に
維持することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1〜第3の実施例を説明するための
電界効果トランジスタの断面図とエネルギーバンド図。
【図2】本発明の第4〜第6の実施例を説明するための
電界効果トランジスタの断面図とエネルギーバンド図。
【図3】従来の電界効果トランジスタの断面図とエネル
ギーバンド図。
【符号の説明】
1 高抵抗基板 2 バッファ層 3 バッファ層のエネルギーバンドのΓ谷より高いΓ谷
を有するバリア半導体層 3a 電子供給層のエネルギーバンドのΓ谷より高いΓ
谷を有するバリア半導体層 4 動作層 5 電子供給層 6 高濃度n型半導体層 7 オーミック電極 8 ゲート電極 9 電子供給層
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 29/66

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 動作層と基板との間に前記動作層より電
    子親和力の小さい半導体層がバッファ層または電子供給
    層として形成されている電界効果トランジスタにおい
    て、前記バッファ層または電子供給層中の動作層近傍側
    に該バッファ層または電子供給層のエネルギーバンドの
    Γ谷より高いエネルギーのΓ谷を有する厚さ20nm以
    下のバリア半導体層が1乃至複数層挿入されていること
    を特徴とする電界効果トランジスタ。
  2. 【請求項2】 前記動作層がInx Ga1-x As(0≦
    x≦0.5)、前記基板がGaAs、前記動作層より電
    子親和力の小さい半導体層がAlx Ga1-xAs(0≦
    x≦0.4)、前記バリア半導体層がAlx Ga1-x
    s(0.4≦x≦1.0)、Inx Ga1-x P(0≦x
    <0.5)、Inx Al1-x P(0≦x<0.6)、G
    x Al1-x P(0≦x≦1.0)、GaAsx1-x
    (0≦x≦0.5)あるいはAlAsx1-x (0≦x
    ≦1.0)の中のいずれかであることを特徴とする請求
    項1記載の電界効果トランジスタ。
  3. 【請求項3】 前記動作層がInx Ga1-x As(0.
    5≦x≦1.0)、前記基板がInP、前記動作層より
    電子親和力の小さい半導体層がInx Al1-x As
    (0.50≦x≦0.55)あるいはInPであり、か
    つ、前記バリア半導体層がInx Al1-x As(0≦x
    <0.5)、Alx Ga1-x As(0≦x≦1.0)、
    Inx Ga1-x P(0≦x<0.8)、Inx Al1-x
    P(0≦x<0.8)、Gax Al1-x P(0≦x≦
    1.0)、GaAsx1-x (0≦x≦1.0)あるい
    はAlAsx1-x (0≦x≦1.0)のなかのいずれ
    かであることを特徴とする請求項1記載の電界効果トラ
    ンジスタ。
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CN114551579A (zh) * 2020-11-25 2022-05-27 苏州华太电子技术有限公司 Ldmos器件、抑制热载流子效应所导致ldmos器件退化的方法

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