JPH08316420A - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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JPH08316420A
JPH08316420A JP12338495A JP12338495A JPH08316420A JP H08316420 A JPH08316420 A JP H08316420A JP 12338495 A JP12338495 A JP 12338495A JP 12338495 A JP12338495 A JP 12338495A JP H08316420 A JPH08316420 A JP H08316420A
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享裕 尾内
Katsuyoshi Washio
勝由 鷲尾
Katsutada Horiuchi
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 高抵抗Si基板(1)を用い、配線(11)
の直流バイアスにより近傍の基板表面に反転層が生じて
基板の実質的な抵抗が低下することを防ぐため、配線近
傍の絶縁膜(12)/基板界面に電荷捕獲準位を有する
Si層(16)を挿入する。 【効果】 配線の直流バイアスにより絶縁膜/基板界面
に誘起された電荷はほとんど全て電荷捕獲準位に捕獲さ
れてしまい反転層すなわち可動電荷は生じない。その結
果、半絶縁性GaAs基板の場合とほぼ同等の伝送線路
の損失や平面インダクタのQ値を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は移動体通信端末および光
伝送システム等に用いられるシリコン(Si)のマイク
ロ波モノリシックICに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、高周波を取り扱うマイクロ波モノ
リシックICは、基板が低抵抗であることによって生じ
る高周波電力の損失を低減するため、図22に示すよう
に比抵抗が約10KΩ・cmの高抵抗のFZ(フローテ
イング・ゾーン)法で作成したSi基板を用いている。
図22では約10KΩ・cmの高抵抗シリコン基板22
1の上に酸素のイオン打ち込みなどを用いてシリコン酸
化膜222が形成され、さらにその上に単結晶シリコン
層213が形成される構造を有している。
【0003】なお、上述したシリコンモノリシックIC
については、アイ・イー・ディー・エム’91 テクニ
カル ダイジェストの第687頁〜第690頁(IED
M’91 Tech. Dig. pp 687−69
0 (1991))に記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】基板中の高周波電力の
損失は基板の抵抗値に反比例することが知られている。
【0005】上述したように10KΩ・cm程度の高抵
抗Si基板を用いた場合、バルクの抵抗は損失低減のた
めには十分高い値である。ところが、高抵抗シリコン基
板と絶縁膜との界面には容易に反転層が生じるため、そ
の部分の抵抗が低下し損失が増大してしまう問題があ
る。
【0006】具体例として、図23に示すように高抵抗
シリコン基板235上に形成された絶縁膜234上に配
線231、232を2本ならべた場合について説明す
る。
【0007】マイクロ波が伝送される配線231には、
通常+−数Vの直流バイアスが印加されさらにその上に
高周波電圧がかけられる。高抵抗Si基板235に2μ
m程度のSiO2膜234を介して+−数Vの直流バイ
アスを印加した場合、配線下部および周辺の基板表面に
およそ1E17cm−3の電荷が誘起され、シート抵抗
数100Ω/Squareの反転層236(もしくは電
荷蓄積層)が形成される。
【0008】図23のように2本の配線231、232
の直流バイアスの極性が同じで間隔が2μm程度の場
合、それぞれの配線による反転層は、蓄積電荷の移動に
より接続され、一つながりになる。
【0009】このような場合の配線対とSi基板の等価
回路を図24に示す。図24において、Cpは配線23
1、232間の寄生容量、Coxは配線231、232
と基板235との容量、Rbは基板のバルク抵抗、Rs
は反転層により生ずる表面抵抗を示す。配線長10μm
当たりにおける配線1本についてのバルク抵抗による基
板抵抗Rbは10MΩ程度であるのに対し、隣の配線と
反転層からなる反転層による表面抵抗Rs(約100K
Ω)と絶縁膜容量Coxを介して結合することになる。
すなわち基板抵抗は実質的には約2けた小さくなってし
まう。なお、Cpは配線間の寄生容量である。
【0010】従って高周波電力の損失は、反転層が生じ
ないとした場合よりも約2けた増大してしまうという問
題が生じる。
【0011】また、この損失の大きさは、配線抵抗によ
る伝導損失の約40倍に達する。基板中の電力の損失が
大きいと伝送信号の損失が大きくなり、また基板上に形
成した平面インダクタの性能(Q値)も低下し、結果と
して半導体装置の消費電力の増大につながる。この反転
層発生による基板抵抗の低下は、Si基板が半絶縁性G
aAs基板(反転層発生がない)と比較してマイクロ波
用ICの分野で不利とされる主要因となっている。本発
明は、上記の反転層発生に起因した高周波電力損失増大
の問題を解決することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的は、(1) 高
抵抗Si基板と表面絶縁膜の界面のうち配線の下部ある
いは周辺部分の少なくとも一部に電荷捕獲準位を有する
層が形成されてなる半導体装置、(2)高抵抗Si基板
と表面絶縁膜の界面のうち配線の下部あるいは周辺部分
の少なくとも一部分に1E16cm−3以上の密度の電
荷捕獲準位を有するSi層を挿入した半導体装置、
(3)上記1に記載の電荷捕獲準位を有するSi層が、
多結晶Si膜あるいは非晶質Si膜であることを特徴と
する半導体装置、(4)上記1に記載の電荷捕獲準位を
有するSi層が、Si基板にイオンを打ち込むことによ
り形成された不純物含有層であることを特徴とする半導
体装置、(5)高抵抗Si基板の表面絶縁膜との界面部
分のうち少なくとも配線の下部および周辺部分が、絶縁
体もしくは誘電体を埋め込んだ溝により小領域に分断さ
れていることを特徴とする半導体装置、(6)上記1〜
4に記載の電荷捕獲準位を有するSi層のうち、少なく
とも配線の下部および周辺部分が、絶縁体もしくは誘電
体を埋め込んだ溝により小領域に分断されていることを
特徴とする半導体装置、(7)上記1〜4に記載の半導
体装置において、Si基板がSOI(Silicon
On Insulator)型であり、少なくとも配線
の下部および周辺部分のSOI層がエッチング除去され
て1E16cm−3以上の密度の電荷捕獲準位を有する
Si層に置き換えられていることを特徴とする半導体装
置、(8)上記5、6に記載の半導体装置において、S
i基板がSOI型であり、少なくとも配線の下部および
周辺部分のSOI層が絶縁体もしくは誘電体を埋め込ん
だ溝により小領域に分断されていることを特徴とする半
導体装置、(9)上記8に記載の半導体装置において、
絶縁体もしくは誘電体を埋め込んだ溝により小領域に分
断されたSOI層のうち少なくとも配線の下部および周
辺部分が多結晶Si膜に置き換えられていることを特徴
とする半導体装置、(10)上記8に記載の半導体装置
において、絶縁体もしくは誘電体を埋め込んだ溝により
小領域に分断されたSOI層のうち少なくとも配線の下
部および周辺部分が絶縁体に置き換えられていることを
特徴とする半導体装置、を用いることにより達成でき
る。
【0013】
【作用】配線近傍の高抵抗Si基板/表面絶縁膜の界面
の十分な領域に、配線の直流バイアスによってSi層表
面に誘起された電荷濃度以上の密度の電荷捕獲準位を有
するSi層が挿入された場合、配線の直流バイアスによ
ってSi層表面に誘起された電荷は、殆ど全て電荷捕獲
準位に捕獲されてしまい動くことができなくなる。別の
言い方をすると、禁制帯中に存在する電荷捕獲準位によ
ってフェルミ準位がクランプされるため、反転層は生じ
ることなく可動電荷が発生しない。従って、反転層発生
により実質的な基板抵抗が低下してしまうという上記の
問題は起こらない。これは特に、配線の直流バイアスに
よってSi表面に誘起された電荷の濃度がSi表面で1
E16cm−3以上になると上記課題に述べた高周波電
力の損失が顕著になる。従って、電荷捕獲準位密度が1
E16cm−3からこの作用がより効果的に生じ始め
る。なお、1E16という表記は1掛ける10の16乗
を表すものであり、cm−3は1分のcm三乗の単位を
表すものである。
【0014】配線の直流バイアスによってSi層表面に
誘起される電荷濃度は配線と基板の間の絶縁膜の膜厚と
バイアス電圧に依存している。誘起される電荷濃度と基
板中の伝送損失の関係を図25に示す。従来技術によれ
ば、反転層中のキャリア濃度が増加すれば図25のaに
示すように伝送損失が増加する。また、配線中の伝送損
失を図25のbに示す、また、反転層中のキャリア濃度
以上の密度を有する電荷捕獲準位導入による損失低減の
結果を図25のcに示す(図中の矢印は損失低減の効果
を模式的に示すものである)。
【0015】誘起電荷濃度がおよそ1E16cm−3以
上になると、基板中の伝送損失が配線中の伝送損失より
も多くなる。従って、反転層中のキャリア濃度が1E1
6cm−3を越える分について反転層中キャリアを捕獲
しうる密度の電荷捕獲準位を導入することが特に有効と
なる。この場合には、挿入されるSi層中の電荷捕獲準
位が誘起電荷濃度以上の場合に誘起電荷をほぼ全部捕獲
できる。本発明は電荷捕獲準位の濃度に限らず有効であ
るが、上述したとおり、電荷捕獲準位がおよそ1E16
cm−3以上では伝送損失低減の効果がより実用的なも
のとなる。
【0016】なお、誘起電荷濃度がより高い場合では伝
送損失低減のためにはより高い電荷捕獲準位密度が効果
的である。
【0017】多結晶Si膜や非晶質Si膜は、電荷捕獲
準位密度が1E18cm−3以上であるので上記のSi
層として用いると効果的である。また、酸素イオンや窒
素イオン等を相当量打ち込んだSi基板も電荷捕獲準位
密度が1E16cm−3以上となるので上記のSi層と
して用いると効果的である。
【0018】配線近傍の高抵抗Si基板/表面絶縁膜の
界面を絶縁体もしくは誘電体を埋め込んだ溝により小領
域に分断した場合、高抵抗Si基板表面に形成された反
転層も少領域に分断される。従来技術の場合と比較し
て、配線間に容量成分が加わってインピーダンスが増大
するため実質的な基板抵抗をより高くすることができ
る。さらにこの場合には、配線下の基板の半導体部分の
比率が小さくなるため溝のない部分の同じ比抵抗の基板
を用いた場合と比較して基板バルク抵抗Rbが約2倍大
きくなる。その結果、同じだけ損失を提言するのに、溝
のない場合と比較して値段が安く強度の高いより低比抵
抗の基板を用いることができる利点も合わせ持つ。
【0019】また、配線近傍の高抵抗Si基板/表面絶
縁膜の界面に上記の電荷捕獲準位を有するSi層を挿入
し、かつそのSi層を絶縁体もしくは誘電体を埋め込ん
だ溝により小領域に分断した場合、上記と同様に誘起さ
れた電荷が電荷捕獲準位に捕獲されることにより実質的
な基板抵抗が2けた程度大きくなる。さらに、上記の場
合と同様に基板比抵抗が同じとすると溝のない場合と比
較して基板バルク抵抗Rbが約2倍大きくなるので、値
段が安く強度の高いより低比抵抗の基板を用いて同じだ
け電力損失を低減することができる利点も合わせ持つも
のである。
【0020】Si基板としてSOI基板を用いた場合に
も、SOI層に上記と同様な手段を用いると同様の理由
により同様な効果が生じる。ただし、基板のバルク部分
のインピーダンスとして絶縁膜の容量成分が加わるた
め、SOI型ではない場合で基板比抵抗が同じ場合と比
較して実質的な基板バルク抵抗Rbが約2場合となって
いる。その結果、同じだけ損失を低減するのに、SOI
型ではない場合と比較して値段が安く強度の高いより比
抵抗の基板を用いいることができる利点も合わせ持つ。
また、SOI層と絶縁膜が厚い場合には絶縁膜下基板の
表面に電荷捕獲準位を有するSi層を挿入する必要はな
い。なぜならば、配線と絶縁膜下基板表面との距離が十
分大きいためにそこには反転層が生じないからである。
また、溝により分断さらたSOI層を除去してそこに多
結晶Si膜もしくは絶縁体を埋め込んだ場合には、配線
と絶縁膜下基板表面との距離が十分大きくかつその間が
全て誘電率の小さい絶縁体及び誘電体となるため配線容
量が通常の基板の場合よりも小さくなる効果が生じる。
【0021】
【実施例】
実施例1 図1に本願発明の一実施例を示す。
【0022】図1(a)では、たとえば10kΩ・cm
程度の高抵抗シリコン基13上に絶縁膜12を介して配
線11が形成されている。さらに、配線41の下部を中
心に電荷捕獲順位を有するシリコン層16が形成されて
いる。
【0023】配線の直流バイアスによってシリコン層表
面に誘起された電荷は、殆ど全て電荷捕獲順位に捕獲さ
れてしまい動くことができなくなる。すなわち反転層発
生により実質的な基板抵抗が低下してしまうという上述
の問題を解決することができる。図中の14は電荷の捕
獲を矢印により模式的に示したものであり、15は電荷
蓄積層が消滅した範囲を模式的に示したものである。こ
れは、電荷捕獲順位を有する層46の電荷捕獲準位密度
が誘起された電荷より大きくなっている場合誘起された
電荷の濃度がSi表面で1E16cm−3以上になると
高周波電力の損失が顕著になるので電荷捕獲準位密度が
1E16cm−3以上でより効果が生じる。
【0024】図1(a)では、絶縁膜12に等間隔に電
荷捕獲順位を有するシリコン層16を配置しているが、
この形状はこれに限らず、特に配線11下部で電荷を捕
獲できるような形状であれば足りる。電荷捕獲順位を有
する層を形成する場所及び形状は、電荷配線下部で発生
することを考慮すれば絶縁膜を介した配線の下部に設け
る、あるいは電荷の移動を考慮すれば隣接する配線の下
部を分断するように設けると効果的である。
【0025】図1(b)では絶縁膜12の下部一面に電
荷捕獲順位を有する層16を配置している。この場合で
の同様な効果が得られるとともに、図1(a)に示すよ
うに電荷捕獲層を分割して設ける工程を省略することが
でき、簡略な製造プロセスにより電荷捕獲層の形成を行
うことができる。この場合にも、電荷捕獲順位を有する
シリコン層16は半導体基板全面に形成するのではな
く、配線11の下部、すなわち反転層が形成される可能
性のある領域に配置すれば本実施例の効果を奏すること
ができる。
【0026】図2には、図1に示した配線11とシリコ
ン基板13の等価回路を示す。図24に比べ、電荷捕獲
層を形成したことにより配線間の絶縁膜容量Coxを介
しての基板抵抗Rsを約10MΩと従来技術の場合と比
較して2けた程度大きくすることができる。なお、Rb
は図24と同様に基板のバルク抵抗を示し、Cpは配線
間の寄生容量を示すものである。
【0027】図3には、配線近傍の高抵抗Si基板/表
面絶縁膜の界面を絶縁体もしくは誘電体を埋め込んだ溝
により小領域に分断した場合の例を示す。31は配線、
32はシリコン酸化膜等の絶縁膜、33は高抵抗シリコ
ン基板、35は半導体基板に埋め込まれ溝である。図3
3では、高抵抗シリコン基板33の上に絶縁膜32を介
して配線31が配置されており、さらに、シリコン基板
の界面を絶縁体又は誘電体を埋め込んだ溝35により分
断されている。
【0028】この様にシリコン基板の海面を溝35によ
り分断すると、高抵抗シリコン基板33表面に形成され
た反転層34も反転層も小領域に分断される。これによ
り、反転層が実質的に溝の間に捕獲されることとなり、
上述した例と同様な効果を奏することができる。これ
は、溝35に絶縁膜を埋め込んだ場合には基板表面に蓄
積された電荷が絶縁膜により隣接する配線により蓄積さ
れた電荷と接続されることがなくなるためである。
【0029】この場合の等価回路を図4に示す。Cpは
配線31間の寄生容量、Coxは配線31と基板33間
の容量、Csは基板34を溝35により分断したことに
よる容量成分、Rsは基板表面に生ずる反転層による抵
抗、Rbは基板のバルク抵抗(約20MΩ)である。
【0030】この場合、従来と比較して、基板表面の抵
抗Rs自体が約10配線間に容量成分Csが加わってイ
ンピーダンスが増大するため実質的な基板抵抗をより高
くすることができる(約500kΩ)。さらにこの場合
には、配線下の基板の半導体部分の比率が小さくなるた
め溝のない場合の同じ比抵抗の基板を用いた場合と比較
して基板バルク抵抗Rbが約2倍大きくなる。その結
果、同じだけ損失を低減するのに、溝のない場合と比較
して値段が安く強度の高いより低比抵抗の基板を用いる
ことができる利点も合わせ持つ。
【0031】実施例2 本発明の第2の実施例を図5、6により説明する。
【0032】図5は高抵抗(10KΩ・cm)Si基板
上に形成されたマイクロ波モノリシックICのうち、M
OSトランジスタと信号を伝送するための配線対の部分
の断面図である。1は高抵抗Si基板、2は表面パシベ
ーションのためのSiO2膜などの絶縁膜、3はSiO
2膜などの絶縁膜、4は金属配線、5はノンドープ多結
晶Si膜、6の領域はMOSトランジスタである。特に
制限されないがMOSトランジスタ6は薄いゲート絶縁
膜上に形成されたゲート電極7とソース・ドレイン領域
8、9及びその引き出し電極10、11により形成され
ている。
【0033】配線対4に沿った領域のSiO2膜3には
パシベーション膜2の下面からSi基板1の表面に達す
る複数の穴が形成されており、その穴にはノンドープ多
結晶Si膜5が埋め込まれている。
【0034】図6は本実施例の平面図である。本図には
MOSトランジスタ6と配線対4に加えて平面インダク
タ13も示されている。MOSトランジスタ6のソース
電極10及びゲート電極7には金属配線4が接続され、
固定電位または適当な信号が印加されるよう構成されて
いる。また、MOSトランジスタ6のドレイン電極11
には、金属配線を螺旋状になして形成したインダクタ1
3が接続されている。
【0035】図5において説明したようにノンドープ多
結晶Si膜5が埋め込まれた複数の穴は、配線4及びイ
ンダクタ13に沿ってその近傍に配置されている。
【0036】本実施例によると、配線4の直流バイアス
によって基板表面に誘起された電荷は穴の中のノンドー
プ多結晶Si膜5によって捕獲されてしまうので可動電
荷が生じて基板の抵抗が低下することはない。すなわ
ち、電荷の捕獲層として働く多結晶シリコンを配線領域
の下部あるいは周辺に埋め込むことにより、可動電荷の
発生を抑制することができるものである。
【0037】なお、多結晶シリコンを埋め込んだ複数の
穴は、隣接する配線間の可動電荷による悪影響を低減す
ることを考慮すると、配線下部には必ずしも設ける必要
はなく、配線間にのみ設けることによっても電荷の移動
を抑制し同様の効果を奏することができる。
【0038】実施例3 本発明の第3の実施例を図7により説明する。
【0039】本図は高抵抗Si基板上に形成されたマイ
クロ波モノリシックICのうち、MOSトランジスタと
信号を伝送するための配線対の部分の断面図である。本
図における各部分の中で図5におけるものと同様のもの
は説明を省略する。
【0040】本実施例においては、SiO2膜3の下部
には全面にノンドープ多結晶Si膜5が挟み込まれてい
る。可動電荷の捕獲層として働く多結晶シリコン層を配
置することにより、可動電荷によるシリコン基板の抵抗
の低下を抑制することができる。本実施例のようにSO
I基板構造となっている場合は下記の張り合わせの方法
により多結晶シリコン層を基板表面全面に形成すること
ができる。すなわち、ノンドープ多結晶Si膜5の挟み
込みは下記の方法により行う。
【0041】まず高抵抗Si基板1にノンドープ多結晶
Si膜5を通常の気相成長法で堆積した後、表面にSi
O2膜3を形成したもう1枚のSi基板と表面を対向さ
せて通常の方法により貼合せる。その後SiO2膜3に
接している方のSi基板を研磨することにより約200
nmまで薄くする。本実施例のその他の部分の製造方法
は従来のSi集積回路製造技術により形成することがで
きる。
【0042】本実施例によると、配線4の直流バイアス
によってSiO2膜3/ノンドープ多結晶Si膜5の界
面に誘起された電荷はほとんど全てそこにある電荷捕獲
順位によって捕獲されてしまうので可動電荷が生じて基
板の抵抗が低下することはない。
【0043】実施例4 本発明の第4の実施例を図8により説明する。本図は高
抵抗Si基板上に形成されたマイクロ波モノリシックI
Cのうち、MOSトランジスタと信号を伝送するための
配線対の部分の断面図である。本図における各部分のう
ち図5に示したものと同一のものは説明を省略する。本
実施例において、図中の10はO(酸素)イオンが高密
度にイオン打ち込みされたSi層であり、13はMOS
トランジスタが形成されるp−well(p型半導体
層)である。
【0044】本実施例では、Oを含有したSi層10が
配線対4に沿った領域のSiO2膜3の下部に形成され
ている。このSi層10は通常のイオン打ち込み法によ
り加速電圧200KeVでOイオンを1E16cm−2
の密度でSi基板1に打ち込むことにより形成する。O
イオンが打ち込まれた領域には約1E20cm−3の電
荷捕獲準位が発生するので上述の実施例と同様に配線の
直流バイアスによって誘起された蓄積電荷はほとんど全
て捕獲されていまい動くことができなくなる。
【0045】図8では、酸素イオンを打ち込んだ領域1
0は配線4の下に形成されているが、配線間の領域に形
成することによっても電荷の移動を抑制できるため、同
様の効果を奏することができる。
【0046】本実施例によると、上記1から3の実施例
のように多結晶Si膜や絶縁膜を基板に埋め込むという
行程が不要でコストのかからないイオン打ち込みのみで
同様な効果を得ることができる。
【0047】実施例5 本発明の第5の実施例を図9により説明する。
【0048】本図は高抵抗Si基板上に形成されたマイ
クロ波モノリシックICのうち、MOSトランジスタと
信号を伝送するための配線対の部分の断面図である。本
図における各部分のうち既に説明したものについては説
明を省略する。図9で12は、基板1及び絶縁膜に形成
され、SiO2膜等の絶縁膜が埋め込まれた溝である。
【0049】本実施例では、複数のSiO2膜が埋め込
まれた溝12が配線対4に沿った領域のパシベーション
膜2の下部に形成されている。本実施例によれば、配線
対の下部に埋め込まれた絶縁膜により、配線下部に形成
される電荷は閉じこめられ電荷の移動を抑制することが
できる。図9においては、配線対4の下部に一様に絶縁
膜を埋め込む構成を示したが、隣接する配線間の電荷の
移動を抑制することを考慮すれば、隣接する配線の間を
分離するように溝を形成することによっても同様の効果
を奏することができる。
【0050】さらに、溝の存在によって配線下の基板の
半導体部分の比率がちいさくなるため溝のない場合の同
じ比抵抗の基板を用いた場合と比較して基板バルク抵抗
が約2倍大きくなる。その結果、同じだけ損失を低減す
るのに、溝のない場合と比較して値段が安く強度の高い
より低比抵抗の基板を用いることができる。
【0051】実施例6 本発明の第6の実施例を図10〜12により説明する。
【0052】図10は高抵抗Si基板1上に形成された
マイクロ波モノリシックICのうち、MOSトランジス
タ6と信号を伝送するための配線対4の部分の断面図で
ある。本図における各部分のうち図5及び図9と同様の
ものについては説明を省略する。本実施例では、複数の
SiO2膜等の絶縁膜が埋め込まれた溝12が配線対4
に沿った部分のパシベーション膜2の下部に形成されて
おり、さらにその溝の間にノンドープ多結晶Si膜5が
埋め込まれている。溝2はとくに制限されないが、配線
対の下部を中心に略等間隔に形成されている。ノンドー
プ多結晶Si膜5の代わりに非晶質Si膜を埋め込んで
もよい。
【0053】図11は本実施例の平面図である。本図に
はMOSトランジスタ6と配線対4に加えて平面インダ
クタ13も示されている。図11において、図6と同様
の部分については説明を省略する。本図では、配線対4
及び螺旋状に形成されたインダクタの下部及び周辺部に
は絶縁膜を埋めこんだ溝12とその間に埋めこまれたノ
ンドープ多結晶シリコン層5とが形成されている。特に
制限されないが、絶縁膜が埋めこまれた溝12は配線4
及びインダクタ13に沿って縦横に形成され、溝12に
囲まれた領域に多結晶シリコン層5が形成されている。
【0054】図10において説明したように、SiO2
膜が埋め込まれた溝12とそれらの間に埋め込まれたノ
ンドープ多結晶Si膜5は配線に沿ってその近傍に配置
されている。
【0055】複数のSiO2膜が埋め込まれた溝12の
間にノンドープ多結晶Si膜5を埋め込む方法を図12
(a)(b)(c)により説明する。まず、図12
(a)に示すように、高抵抗Si基板1の後に配線対4
が形成される領域にSiO2膜が埋め込まれた溝12を
複数本形成する。次に、図12(b)に示すように、通
常のドライエッチングの方法により溝12をマスクとし
て溝の間のSi基板1をほぼ溝12の深さまでエッチン
グ除去する。次に、図12(c)に示すように、Si基
板1が除去された部分にノンドープ多結晶Si膜5を通
常の方法により堆積して埋め込み、さらに通常の熱酸化
の方法によりノンドープ多結晶Si膜5の表面にSiO
2膜3を形成する。本実施例のその他の部分の製造方法
は従来のSi集積回路製造技術により達成することがで
きる。
【0056】本実施例によると、上記の実施例1、2と
同様な効果が得られ、さらに、溝の存在によって配線下
の基板の半導体部分の比率が小さくなるため溝のない場
合の同じ比抵抗の基板を用いた場合と比較して基板バル
ク抵抗が約2倍大きくなる。その結果、同じだけ損失を
低減するのに、溝のない場合と比較して値段が安く強度
の高いより低比抵抗の基板を用いることができる利点を
有する。
【0057】実施例7 本発明の第7の実施例を図13により説明する。
【0058】本図は高抵抗Si基板上に形成されたマイ
クロ波モノリシックICのうち、MOSトランジスタと
信号を伝送するための配線対の部分の断面図である。本
図における各部分のうち図8、9と同様の部分について
は説明を省略する。
【0059】本実施例では、複数のSiO2膜が埋め込
まれた溝12が配線対4に沿った領域のパシベーション
膜2の下部に形成されており、さらにその溝の間にO
(酸素)イオンが高密度にイオン打ち込みされたSi層
10が形成されている。このOを含有したSi層10の
形成方法は上記の実施例4の場合と同じである。本実施
例によると、実施例4の場合と同様にOイオンが打ち込
まれた領域には約1E20cm−3の電荷捕獲準位が発
生するので配線の直流バイアスによって誘起された蓄積
電荷はほとんど全て捕獲されてしまう。そのため可動電
荷が生じて基板の抵抗が低下することはなくなる。さら
に実施例5、6の場合と同様に配線対4の下部に溝が配
置され基板バルク抵抗が約2倍大きくなっているため溝
のない場合と比較して値段が安く強度の高いより低比抵
抗の基板を用いることができる利点を有する。
【0060】実施例8 本発明の第8の実施例を図14により説明する。
【0061】本図は高抵抗Si基板上に形成されたマイ
クロ波モノリシックICのうち、バイポーラトランジス
タと信号を伝送するための配線対の部分の断面図であ
る。本図において、バイポーラトランジスタ7は半導体
基板1上に絶縁膜9を介して形成されたSOI層に形成
されている。バイポーラトランジスタの各エミッタ、ベ
ース、コレクタ領域は引出層を介して電極14、13、
15に接続されている。また、16、17は酸化膜、1
9ばバイポーラトランジスタのベース領域、18はコレ
クタ埋込層である。
【0062】本実施例ではSi基板はSOI型でバイポ
ーラトランジスタはSOI層に形成されている。また、
パシベーション膜2の下面からSi基板1上のSiO2
膜9に達するSiO2膜が埋め込まれた溝12が配線対
4に沿った領域に複数本形成されている。
【0063】本実施例によると、上記の実施例5と同様
に、配線4下で蓄積された電荷の移動が酸化膜の埋めこ
まれた溝12で抑制されるため、基板の抵抗が低下しな
いといった効果を奏することができる。さらに、配線対
4の下に誘電率の小さなSiO2膜9があるためにSO
I基板でない場合と比較して配線容量が低減できる効果
もある。
【0064】実施例9 本発明の第9の実施例を図15により説明する。
【0065】本図は高抵抗Si基板上に形成されたマイ
クロ波モノリシックICのうち、バイポーラトランジス
タと信号を伝送するための配線対の部分の断面図であ
る。本図における各部分の名称は図5、14におけるも
のと略同じである。本実施例ではSi基板はSOI型で
バイポーラトランジスタはSOI層に形成されている。
また、配線対4に沿った領域のSiO2膜3の下部のS
OI層が除去されてそこにノンドープ多結晶Si膜5が
埋め込まれている。
【0066】本実施例によると、上記の実施例2、3、
4と同様な効果が得られ、さらに、配線対4の下に誘電
率の小さなSiO2膜9があるためにSOI基板でない
場合と比較して配線容量が低減できる効果もある。
【0067】さらに、配線対4の下に酸化膜9があるた
めに、基板のバルク部分のインピーダンスとして絶縁膜
の容量成分が加わりSOI型ではない場合で基板比抵抗
が同じ場合と比較して実質的な基板バルク抵抗が約2倍
となっている。その結果、同じだけ損失を低減するの
に、SOI型でない場合と比較して値段が安く強度の高
いより低比抵抗の基板を用いることがでいる。
【0068】実施例10 本発明の第10の実施例を図16により説明する。
【0069】本図は高抵抗Si基板上に形成されたマイ
クロ波モノリシックICのうち、バイポーラトランジス
タと信号を伝送するための配線対の部分の断面図であ
る。
【0070】本図における各部分の名称は図10、14
におけるものと略同じである。本実施例ではSi基板は
SOI型でバイポーラトランジスタはSOI層に形成さ
れている。また、パシベーション膜2の下面からSi基
板1上のSiO2膜9に達するSiO2膜が埋め込まれ
た溝12が配線対4に沿った領域に複数本形成されてい
る。さらに、その溝の間のSOI層が除去されて代わり
にノンドープ多結晶Si膜5が埋め込まれている。本実
施例の製造方法は、上記の実施例5の製造方法と従来の
Si集積回路製造技術の組み合わせによる。本実施例に
よると、上記の実施例6と同様な効果が得られ、さら
に、配線対4の下に酸化膜9があるために、基板のバル
ク部分のインピーダンスとして絶縁膜の容量成分が加わ
りSOI型ではない場合で基板比抵抗が同じ場合と比較
して実質的な基板バルク抵抗が約2倍となっている。そ
の結果、同じだけ損失を低減するのに、SOI型ではな
い場合と比較して値段が安く強度の高いより低比抵抗の
基板を用いることができる。
【0071】実施例11 本発明の第11の実施例を図17により説明する。
【0072】本図は高抵抗Si基板上に形成されたマイ
クロ波モノリシックICのうち、バイポーラトランジス
タと信号を伝送するための配線対の部分の断面図であ
る。本図における各部分の名称は図15におけるものと
略同じである。本実施例ではSi基板はSOI型でバイ
ポーラトランジスタはSOI層に形成されている。ま
た、パシベーション膜2の下面からSi基板1上のSi
O2膜9に達するSiO2膜が埋め込まれた溝12が配
線対4に沿った領域に複数本形成されている。さらに、
その溝の間のSOI層が除去されて代わりにパシベーシ
ョン膜2が埋め込まれている。本実施例の製造方法は、
上記の実施例5の製造方法と従来のSi集積回路製造技
術の組み合わせによる。本実施例によると、上記の実施
例9と同様な効果が得られる。さらに、本実施例による
と、溝の間に実施例9における多結晶シリコン膜の代わ
りに誘電率のより小さいパッシベーション膜が埋め込ま
れているため配線容量がより小さくなる利点を有する。
【0073】以上、次に上述の実施例による伝導損失の
低減について説明する。
【0074】図18には、シリコン基板1の上に酸化膜
等の絶縁膜3を介して形成された配線4、5を示してい
る。ここで、配線4には約3V程度の直流バイアスが印
加され、配線5には約1V程度の直流に加え2GHz程
度の高周波が印加されている。
【0075】図18に示した配置の伝送線路における基
板中の伝導による伝送損失について、基板に誘起電荷の
移動を抑制するための構造のない従来技術による場合と
本発明による場合の比較を図19に示した。
【0076】図19には、配線中の伝導損失4、従来技
術による伝導損失1、本発明の実施例のように溝状に電
荷を分断した場合の伝導損失2、本発明の実施例のよう
に電荷捕獲準位を設けた場合の伝導損失3、5、6を示
す。なお、伝導損失3は本発明の実施例のように電荷捕
獲準位を設けた場合を示し、伝導損失5は電荷捕獲準位
を設けるとともに溝を設けた場合を示し、伝導損失6は
さらにSOI基板を用いた場合を示している。
【0077】本発明の実施例のように電荷捕獲準位を設
けた場合の配線抵抗による伝導損失は0.013dB/
mmであるが、基板中損失をこの値と同等以下にするこ
とが目標となる。基板中損失は、基板比抵抗に反比例す
るため基板比抵抗を高くすると減少する。しかし、従来
技術による場合では、上記の反転層の発生により比抵抗
が100Ω・cm程度以上で損失の減少は飽和してしま
う。すなわち、図19に示すように基板中損失を目標値
の約40倍よりも小さくすることが不可能である。
【0078】一方、本発明のうち配線下部および周辺部
分を溝により小領域に分断した場合(実施例5)では、
反転層も分断されて実質的に抵抗が増大するするため、
基板高抵抗化による損失減少の飽和は、損失が従来技術
による場合の約1/5になるまで起こらない。
【0079】また、本発明のうち配線近傍のSi基板/
表面絶縁膜に電荷捕獲準位を有するSi層を挿入した場
合(実施例1〜4)では、反転層は発生しないため基板
高抵抗化による損失の減少が飽和することはない。従っ
て基板比抵抗を約4KΩ・cm以上にすることにより基
板中損失を目標値以下にすることができる。
【0080】配線下部および周辺部分を溝により小領域
に分断しかつ電荷捕獲準位を有するシリコン層を挿入し
た場合(実施例6、7)でも、上記の場合と同様に反転
層は発生せず基板高抵抗化による損失の減少が飽和する
ことはない。さらに、溝の損じによって配線下の基板の
半導体部分の比率が小さくなるため溝のない場合の同じ
比抵抗の基板を用いた場合と比較して基板バルク抵抗が
約2倍大きくなる。その結果、同じだけ損失を低減する
のに、溝のない場合と比較して1/2の比抵抗の基板を
用いればよい。従って基板比抵抗を約2kΩ・cm以上
にすることにより基板中損失を目標値以下にすることが
できる。
【0081】また、SOI基板を用いた場合(実施例
8、9、10等)にも、本発明を適用することによって
上記の通常の基板の場合と同様に基板高抵抗化による損
失の減少が飽和することはなくなる。さらにこの場合に
は、基板のバルク部分のインピーダンスとして絶縁膜の
容量成分が加わりSOIではない場合で基板比抵抗が同
じ場合と比較して実質的な基板バルク抵抗が約2倍とな
っている。その結果、同じだけ損失を低減するのに、S
OI型ではない場合と比較して1/2の比抵抗の基板を
用いることができる利点も合わせ持つ。
【0082】図20には、シリコン基板1上に酸化膜2
を介して図示した配線寸法で配線3を形成したものを示
している。
【0083】図20に示した配置の配線による平面イン
ダクタの性能(Q値)について、従来技術による場合
(図21の1)と本発明による場合の比較を図21に示
した。半絶縁性GaAs基板を用いた場合(図21の
4)にはQ値は23となる、この値がSi基板を用いる
場合にも目標となる。基板比抵抗を高くしていくとQ値
は増大傾向となる。しかし、従来技術による場合では、
上記の反転層の発生により、Q値の増大は比抵抗が10
0Ω・cm程度以上において約12で飽和してしまう。
【0084】一方、本発明のうち配線下部および周辺部
分を溝により小領域に分断した場合(図21の5、例え
ば実施例4)では、反転層も分断され実質的に抵抗が増
大するため、Q値が15になるまで飽和は起こらない。
さらに、本発明のうち配線近傍のSi基板/表面絶縁膜
に電荷捕獲準位を有するSi層を挿入した場合(図21
の3、実施例1、2、3等)では、反転層は発生せず基
板が高抵抗に保たれるため、基板比抵抗を約5kΩ・c
m以上にすれば、Q値を20以上と半絶縁性GaAs基
板の場合に近い値にすつことが可能である。配線下部及
び周辺部分を溝により小領域に分断しかつ電荷捕獲準位
を有するSi層を挿入した場合(図21の5、実施例
5、6等)では、基板比抵抗を溝のない場合と比較して
1/2の約2.5kΩ・cm以上にすれば、Q値を20
以上にすることが可能である。またSOI基板を用いた
場合(図21の6、実施例7、8、9等)では、本発明
を適用することによってSOI型ではない同様な基板の
場合の1/2の基板比抵抗において上記のSOI型では
ない同様な基板の場合と同等のQ値が得られる。
【0085】
【発明の効果】以上、本発明によれば、配線の直流バイ
アスにより絶縁膜/基板界面に誘起された電荷はほとん
ど全て電荷捕獲準位に捕獲されてしまい反転層すなわち
可動電荷は生じない。その結果、半絶縁性GaAs基板
の場合とほぼ同等の伝送線路の損失や平面インダクタの
Q値を得ることができ、高周波用などに好適な半導体装
置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を説明するための半導体
装置の断面図。
【図2】本発明の第1の実施例を説明するための等価回
路を示す回路図。
【図3】本発明の第1の実施例を説明するための半導体
装置の断面図。
【図4】本発明の第1の実施例を説明するための等価回
路を示す回路図。
【図5】本発明の第2の実施例を説明するための半導体
装置の断面図。
【図6】本発明の第2の実施例を説明するための半導体
装置の平面図。
【図7】本発明の第3の実施例を説明するための半導体
装置の断面図。
【図8】本発明の第4の実施例を説明するための半導体
装置の断面図。
【図9】本発明の第5の実施例を説明するための半導体
装置の断面図。
【図10】本発明の第6の実施例を説明するための半導
体装置の断面図。
【図11】本発明の第6の実施例を説明するための半導
体装置の平面図。
【図12】本発明の第6の実施例を説明するための半導
体装置の製造方法を示す工程図。
【図13】本発明の第7の実施例を説明するための半導
体装置の断面図。
【図14】本発明の第8の実施例を説明するための半導
体装置の断面図。
【図15】本発明の第9の実施例を説明するための半導
体装置の断面図。
【図16】本発明の第10の実施例を説明するための半
導体装置の断面図。
【図17】本発明の第11の実施例を説明するための半
導体装置の断面図。
【図18】本発明の効果を従来技術の場合と比較するた
めの、伝送線路の配置図。
【図19】本発明による、伝送損失と基板比抵抗の関係
を示す図。
【図20】本発明の効果を示すためのシリコン基板上に
形成された平面インダクタ配線の配置図。
【図21】本発明による基板比抵抗とQ値の関係を示す
図。
【図22】従来の半導体基板をあらわす図。
【図23】従来の半導体装置をあらわす断面図。
【図24】従来の半導体装置の等価回路をあらわす回路
【図25】誘起される電荷濃度と基板中の伝送損失の関
係を示す図。
【符号の説明】
1 高抵抗Si基板 2 表面パシベーションのためのSiO2膜 3 SiO2膜 4 金属配線 5 ノンドープ多結晶Si膜 6 MOSトランジスタ 7 バイポーラトランジスタ 8 SOI層 9 SiO2膜 10 Oイオン打ち込み 11 平面インダクタ 12 SiO2膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀内 勝忠 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリコン基板と、該シリコン基板上に形成
    された表面絶縁膜と、該表面絶縁膜上に形成された配線
    とを有し、少なくとも該配線の下部あるいは周辺部の該
    シリコン基板と該表面絶縁膜の界面に電荷捕獲準位を有
    する層が形成されてなることを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】上記電荷捕獲準位を有する層は、1E16
    cm−3以上の密度の電荷捕獲準位を有する層であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
  3. 【請求項3】上記電荷捕獲準位を有する層は、多結晶シ
    リコンを含んで構成される膜であることを特徴とする請
    求項1又は請求項2記載の半導体装置。
  4. 【請求項4】上記電荷捕獲準位を有する層は、非晶質シ
    リコンを含んで構成される膜であることを特徴とする請
    求項1又は請求項2記載の半導体装置。
  5. 【請求項5】上記電荷捕獲準位を有する層は、上記シリ
    コン基板にイオンを打ち込むことにより形成された不純
    物を含有する層であることを特徴とする請求項1又は請
    求項2記載の半導体装置。
  6. 【請求項6】シリコン基板と、該シリコン基板上に形成
    された表面絶縁膜と、該表面絶縁膜上に形成された配線
    とを有し、該配線の下部及び周辺部に少なくとも上記表
    面絶縁膜と連続した溝が形成されてなることを特徴とす
    る半導体装置。
  7. 【請求項7】上記表面絶縁膜と連続した溝には絶縁体が
    埋め込まれてなることを特徴とする請求項6記載の半導
    体装置。
  8. 【請求項8】上記表面絶縁膜と連続した溝には誘電体が
    埋め込まれてなることを特徴とする請求項6記載の半導
    体装置。
  9. 【請求項9】上記溝は、上記配線の下部及び周辺部の上
    記半導体基板を小領域に分断するよう複数配置されてな
    ることを特徴とする請求項6ないし請求項8のいずれか
    に記載の半導体装置。
  10. 【請求項10】上記電荷捕獲準位を有する層のうち少な
    くとも上記配線の下部及び周辺部に絶縁体を埋め込んだ
    溝が形成されてなることを特徴とする請求項1ないし請
    求項5のいずれかに記載の半導体装置。
  11. 【請求項11】上記電荷捕獲準位を有する層のうち少な
    くとも上記配線の下部及び周辺部に誘電体を埋め込んだ
    溝が形成されてなることを特徴とする請求項1ないし請
    求項5のいずれかに記載の半導体装置。
  12. 【請求項12】上記シリコン基板はSOI型であること
    を特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれかに記
    載の半導体装置。
  13. 【請求項13】上記シリコン基板がSOI型であり、少
    なくとも配線の下部および周辺部分のSOI層がエッチ
    ング除去されて1E16cm−3以上の密度の電荷捕獲
    準位を有するSi層に置き換えられてなることを特徴と
    する請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の半導体
    装置。
  14. 【請求項14】上記シリコン基板はSOI型であり、少
    なくとも上記配線の下部及び周辺部のSOI層が絶縁体
    又は誘電体を埋め込んだ溝により小領域に分断されてい
    ることを特徴とする請求項6ないし請求項9のいずれか
    に記載の半導体装置。
  15. 【請求項15】上記溝により分断された領域に多結晶シ
    リコンが形成されてなることを特徴とする請求項13記
    載の半導体装置。
  16. 【請求項16】上記溝により分断された領域に絶縁体が
    形成されてなることを特徴とする請求項13記載の半導
    体装置。
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