JPH08316092A - 積層セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents

積層セラミック電子部品の製造方法

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JPH08316092A
JPH08316092A JP12177495A JP12177495A JPH08316092A JP H08316092 A JPH08316092 A JP H08316092A JP 12177495 A JP12177495 A JP 12177495A JP 12177495 A JP12177495 A JP 12177495A JP H08316092 A JPH08316092 A JP H08316092A
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ceramic green
green sheet
ceramic
laminated
internal electrode
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Isao Kaizaki
勲 海崎
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 内部電極とセラミック層との間の剥離が生じ
難い、信頼性に優れた積層セラミック電子部品を安定に
製造する方法を提供する。 【構成】 一方面側が他方面側よりもバインダ含有量の
多いセラミックグリーンシート2を支持体上にて成形
し、セラミックグリーンシート2のバインダ含有量の少
ない側の面に内部電極3を形成し、内部電極が形成され
ている側のセラミックグリーンシート面上に、別のセラ
ミックグリーンシートのバインダ含有量の多い側の面を
重ねてセラミックグリーンシートを積層していく積層セ
ラミック電子部品の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば積層コンデンサ
のような積層セラミック電子部品の製造方法に関し、特
に、焼成前に複数枚のセラミックグリーンシートを積層
する工程が改良された積層セラミック電子部品の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】積層コンデンサを例にとり、積層セラミ
ック電子部品の製造方法を説明する。積層コンデンサの
製造に際しては、まず、複数枚のマザーのセラミックグ
リーンシートを成形する。しかる後、マザーのセラミッ
クグリーンシートの上面に、複数の内部電極を形成し、
内部電極が形成されたセラミックグリーンシートを複数
枚積層し、さらに上下に必要に応じて内部電極の形成さ
れていない無地のマザーのセラミックグリーンシートを
積層し、積層体を得る。得られた積層体を厚み方向に加
圧し、しかる後、個々の積層コンデンサ単位の積層体チ
ップとなるように積層体を厚み方向に切断する。さら
に、得られた積層コンデンサ単位の積層体チップを焼成
し、焼結体を得、焼結体の両端面に外部電極を形成す
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来、積層
コンデンサの製造方法では、マザーの積層体を個々の積
層コンデンサ単位の積層体チップに切断するあたり、切
断刃による剪断応力によって、内部電極とグリーンシー
トとの間の剥離が生じることがあった。すなわち、マザ
ーの積層体段階で厚み方向に加圧してセラミックグリー
ンシート同士を密着させていたとしても、内部電極とセ
ラミックグリーンシートとが異種の材料からなるため、
内部電極とセラミックグリーンシートとが対向している
部分では充分な密着力が得られないことがあった。その
ため、上記のように内部電極とセラミックグリーンシー
トとの間の界面における剥離が生じることがあった。
【0004】焼成前の積層体チップの段階で上記のよう
な剥離が存在すると、そのような積層体チップを焼成し
て得られた焼結体において、デラミネーションと称され
ている層間剥離現象が生じ、積層セラミック電子部品の
不良品率が高くなる。
【0005】本発明の目的は、積層セラミック電子部品
の製造に際し、マザーの積層体を厚み方向に切断し、個
々の積層セラミック電子部品単位の積層体チップを得る
にあたり、内部電極とセラミックグリーンシートとの間
の界面における剥離が生じ難い工程を備えた積層セラミ
ック電子部品の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達
成するためになされたものであり、下記の構成を備える
ことを特徴とする。
【0007】すなわち、本発明は、複数枚のセラミック
グリーンシートを内部電極を介して積層してなる積層体
を焼結して得られた焼結体を用いる積層セラミック電子
部品の製造方法であって、一方面が他方面側よりもバイ
ンダ含有量の多いセラミックグリーンシートを支持体上
にて成形する工程と、前記セラミックグリーンシートの
バインダの少ない側の面上に内部電極を形成する工程
と、前記内部電極が形成されているセラミックグリーン
シート上に、別のセラミックグリーンシートのバインダ
の多い側の面を重ねてセラミックグリーンシートを積層
する工程とを備える、積層セラミック電子部品の製造方
法である。
【0008】すなわち、本発明は、上記セラミックグリ
ーンシートの成形からセラミックグリーンシートを積層
するまでの工程が改良されていることに特徴を有し、そ
の他の工程については、従来より周知の積層セラミック
電子部品の製造方法に従って行ない得る。
【0009】本発明において、セラミックグリーンシー
トを支持体上にて成形する工程は、従来より公知のセラ
ミックグリーンシート成形方法、例えばドクターブレー
ド法、浸漬塗工法、リバースロールコータ法などを用い
て行うことができる。もっとも、何れの方法でセラミッ
クグリーンシートを成形するにしても、本発明において
は、成形されたセラミックグリーンシートにおいて、一
方面側が他方面側に比べてバインダ含有量が多くなるよ
うにセラミックグリーンシートが成形される。
【0010】なお、一方面側のバインダ含有量を他方面
側に比べて多くするのには、特別の工夫をする必要は必
ずしもない。すなわち、セラミックグリーンシートの成
形に際しては、支持体上にてセラミックグリーンシート
が形成されるため、通常は、重力によりバインダ粒子
が、下方に移動し、支持体に接触している面側に多く分
布することになる。もっとも、成形方法や成形速度、乾
燥温度により、バインダがより多く支持体側に存在する
ようにしてよい。
【0011】本発明では、上記セラミックグリーンシー
トのバインダの少ない側の面上に内部電極が形成され
る。この内部電極の形成は、導電ペーストの塗布や蒸
着、メッキもしくはスパッタリング等の薄膜形成法など
の適宜の方法で行うことができ、特に限定されるもので
はない。また、内部電極の形成工程では、個々の積層コ
ンデンサ単位の内部電極を形成するものに限られず、マ
ザーのセラミックグリーンシート上に形成する場合に
は、複数の内部電極が最終的に構成されるように電極材
料が付与される。
【0012】また、本発明では、上記内部電極が形成さ
れたセラミックグリーンシート上に、別のセラミックグ
リーンシートが積層されるが、この場合、別のセラミッ
クグリーンシートのバインダ含有量の多い側の面が内部
電極上に重ねられるように、別のセラミックグリーンシ
ートが最初のセラミックグリーンシート上に積層され
る。このような積層工程を繰り返すことにより、本発明
の製造方法により得られたセラミック積層体では、内部
電極に対し、バインダ含有量の多い側のセラミックグリ
ーンシート面が重ねられることになる。
【0013】本発明の特定的な局面によれば、セラミッ
クグリーンシートの成形時に用いた支持体上にセラミッ
クグリーンシートが支持された状態のまま、該セラミッ
クグリーンシートの上面に内部電極が形成される。前述
したように、通常、支持体、例えばポリエチレンテレフ
タレートフィルムなどの合成樹脂フィルム上において、
セラミックグリーンシートを成形した場合、バインダ含
有量は支持体と接している面に比べて、他方面側、すな
わち上面側が少なくなる。これは、バインダが、重力に
より、下面側、すなわち支持体に当接されている側に沈
み易いからである。よって、支持体上においてセラミッ
クグリーンシートを成形した場合、該セラミックグリー
ンシートの上面側がバインダ含有量の少ない側の面とな
るため、セラミックグリーンシートのバインダ含有量の
少ない側の面に内部電極を容易に形成することができ
る。
【0014】また、本発明のより特定的な局面では、上
記内部電極を支持体上に支持されたセラミックグリーン
シートの上面を形成した後に、内部電極が形成されたセ
ラミックグリーンシートが支持体から剥離されて積層工
程に用いられる。すなわち、内部電極一体化セラミック
グリーンシートを支持体から剥離し、積層していくこと
により、転写法を用いて複数枚の内部電極が形成された
セラミックグリーンシートを容易にかつ効率良く積層す
ることができる。
【0015】
【発明の作用】本発明の積層セラミック電子部品の製造
方法では、内部電極が形成されている面上に、他のセラ
ミックグリーンシートのバインダ含有量が多い側の面が
重なるようにして、セラミックグリーンシートが積層さ
れていく。従って、セラミックグリーンシートの内部電
極に重ねられる面のバインダ含有量が多いため、後工程
においてセラミック積層体を厚み方向に加圧することに
より、内部電極面と、内部電極に重ねられるセラミック
グリーンシートの内部電極側の面とが、強固に密着され
る。
【0016】よって、このような積層工程を経て得られ
たセラミック積層体を厚み方向に加圧し、個々の積層セ
ラミック電子部品を得るための積層体チップを得るべく
切断刃を用いて厚み方向に切断したとしても、内部電極
面と、内部電極が接している他のセラミックグリーンシ
ート面との間の界面における剥離が生じ難い。よって、
最終的に得られたセラミック焼結体におけるデラミネー
ションと称されている層間剥離現象を効果的に防止する
ことができる。
【0017】また、内部電極の形成を、セラミックグリ
ーンシート成形時に用いた支持体にセラミックグリーン
シートが支持されているまま該セラミックグリーンシー
トの上面に内部電極を形成することにより行う方法で
は、支持体に接しているセラミックグリーンシート面に
比べて、セラミックグリーンシートの上面側がバインダ
含有量が少なくなっている。従って、支持体上において
セラミックグリーンシートを成形し、ただちに該セラミ
ックグリーンシートの上面に内部電極を容易に形成する
ことができる。すなわち、本発明の製造方法を、支持体
上にセラミックグリーンシートを成形した状態のまま、
容易に適用することができる。
【0018】また、支持体上に支持されたセラミックグ
リーンシートの上面に内部電極を形成した後に、内部電
極が形成されたセラミックグリーンシートを支持体から
剥離して積層工程に用いる場合には、転写法により内部
電極が一体化されたセラミックグリーンシートを容易に
積層することができる。
【0019】
【実施例の説明】以下、具体的な実験例に基づき、本発
明の実施例を説明することにより、本発明を明らかにす
る。
【0020】チタン酸バリウムを主成分とする誘電体セ
ラミック粉末200gと、分散剤0.25gと、バイン
ダ水溶液12.5gと、湿潤剤0.25gと、水25g
とを混合し、セラミックスラリーを得た。
【0021】上記のようにして得たセラミックスラリー
を用いて、図1に示すように、樹脂フィルムからなる支
持体1上において、ドクターブレード法により厚み30
μmのセラミックグリーンシート2を成形した。この場
合、セラミックグリーンシート2の支持体1側の面のバ
インダ量が確実に多くなるように、成形に際し、ドクタ
ーブレードを移動する速度と、セラミックグリーンシー
トの乾燥のための支持体1の加熱温度を調整した。
【0022】次に、図2に示すように、支持体1上にお
いて成形されたセラミックグリーンシート2の上面、す
なわち、バインダ含有量の少ない面に、内部電極3を導
電ペーストをスクリーン印刷することにより形成した。
このようにして得られた内部電極2が一体化された内部
電極一体化セラミックグリーンシート4では、図3に略
図的部分切欠断面図矢印Yで示すように、セラミックグ
リーンシート2の上面から下面に比べてバインダ含有量
が徐々に多くなるように、バインダが分散している。
【0023】次に、支持体1上において、セラミックグ
リーンシートを所定の寸法に打ち抜き、内部電極3が形
成されたセラミックグリーンシート2を支持体1から剥
離した。
【0024】他方、別途上記と同様にして、支持体上に
セラミックグリーンシートを成形しておき、成形された
セラミックグリーンシートを支持体から剥離し、上記の
ようにして用意された内部電極一体化グリーンシート4
とともに、図4に示すように積層した。この場合、内部
電極一体化グリーンシート4の内部電極3が形成されて
いる面上に、上方から重ねられるセラミックグリーンシ
ート5のバインダ含有量の多い側の面5b(すなわち、
支持体に当接されていた面)が重なるように、上方のセ
ラミックグリーンシート5を積層した。さらに、セラミ
ックグリーンシート5の上面5aに、セラミックグリー
ンシート5と同様にして用意したセラミックグリーンシ
ート6のバインダ含有量が多い側の面が下面となるよう
にして、セラミックグリーンシート6を積層した。ま
た、内部電極一体化グリーンシート4の下面側には、セ
ラミックグリーンシート7,8を積層した。セラミック
グリーンシート7,8は、セラミックグリーンシート5
と同様にして用意し、かつバインダ含有量が少ない側の
面が上面となるようにして、積層した。
【0025】上記のようにして得られた積層体を、厚み
方向に加圧した。得られた積層体を、平面形状3mm×
3mmとなるように切断し、試料1を得た。
【0026】また、比較のために、内部電極一体化グリ
ーンシートの内部電極が形成されている面上に、上方の
セラミックグリーンシート5を上下逆転させて、すなわ
ち、図5に示すように、セラミックグリーンシート5の
成形に際して支持体と当接される側の面とは反対側の面
5aを下面としてセラミックグリーンシート5を積層
し、他は同様にして積層を得、3mm×3mmの平面形
状を有するように切断し、比較試料1を得た。
【0027】上記のようにして得た試料1及び比較試料
1の積層体について、内部電極3と、内部電極の上方に
位置するセラミックグリーンシート5との間の密着強度
を、図6に示すプッシュプルゲージを用いて測定した。
【0028】図6に示すプッシュプルゲージ11では、
固定台11上に、軸12が支持されており、該軸12の
中央に、固定部材13が配置されている。固定部材13
の上面には、上記試料1または比較試料1の積層体Aが
接着剤等を用いて固着される。
【0029】他方、固定台11の上方には、移動体14
が配置されており、移動体14には、軸15が支持され
ており、該軸15の中央に、移動部材16が連結されて
いる。移動部材16の下面には、上記積層体Aの上面が
接合されている。プッシュプルゲージでは、上記移動体
14を上方に引っ張ることにより、積層体における積層
構造のもっとも弱い積層界面Bにおいて剥離が生じる。
このときの引張り強度を密着強度とした。内部電極を介
在させた試料1及び比較試料1では、積層界面のうちも
っとも弱い部分(B)は、内部電極が形成されている面
と内部電極面に隣接するセラミックグリーンシート面と
の間の界面である。
【0030】上記のようにして内部電極面と、内部電極
に積層されているセラミックグリーンシート面との間の
密着強度を評価したところ、下記の表1に示す結果が得
られた。なお、下記の表1に示す結果は、試料1及び比
較試料1のそれぞれにつき、10個の測定結果の平均
値、最大値、最小値及び標準偏差である。
【0031】
【表1】
【0032】表1から明らかなように、試料1の積層体
では、比較試料1の積層体に比べ、密着強度、すなわ
ち、内部電極面と内部電極に重なり合っているセラミッ
クグリーンシート面との間の界面における密着強度が約
4割も高められていることがわかる。
【0033】実施例2 実施例1と同様にしてセラミックスラリーを用意した。
このセラミックスラリーを用い、浸漬塗工法により厚み
30μmのセラミックグリーンシートを樹脂フィルムか
らなる支持体上において成形した。なお、成形時に、支
持体側のセラミックグリーンシート面のバインダ量が多
くなるように、セラミックスラリーからの支持体の引上
げ速度と、セラミックグリーンシートの乾燥温度を調整
した。従って、成形されたセラミックグリーンシートで
は、支持体側の面のバインダ含有量が他の面のそれに比
べて高くされている。
【0034】次に、上記のようにして得たセラミックグ
リーンシートを支持体から剥離し、所定の寸法の矩形形
状となるように打ち抜いた。打ち抜かれた矩形形状のセ
ラミックグリーンシートのバインダ含有量の少ない面
に、複数の内部電極を所定の量及び列を構成するように
スクリーン印刷により形成した。このようにして、図7
に示す複数の内部電極21が整列形成されたセラミック
グリーンシート22を得た。
【0035】上記のセラミックグリーンシート22の上
面に、すなわち、内部電極21が形成されている面に重
なるように、上記と同様にして複数の内部電極が形成さ
れたマザーのセラミックグリーンシート23を積層する
とともに、下面側に同様にして形成されたマザーのセラ
ミックグリーンシート24,25を積層した。いずれ
も、内部電極21が、上方に位置するセラミックグリー
ンシートのバインダ含有量の多い側の面と重なるよう
に、上記セラミックグリーンシート22,23,24,
25が積層されている。セラミックグリーンシート23
では、バインダ含有量が少ない側の面23a上に内部電
極21が形成されており、内部電極21が形成されてい
ない側が、バインダ含有量の多い側の面23bとなる。
【0036】さらに、内部電極が形成されていない無地
のマザーのセラミックグリーンシート26を、バインダ
含有量が多い側の面がセラミックグリーンシート21の
上面に接するようにして積層した。さらに上下に、セラ
ミックグリーンシート27,28,29を積層した。
【0037】上記のようにして、複数枚のセラミックグ
リーンシートを積層してマザーのセラミック積層体を
得、厚み方向に加圧し、所定のチップサイズとなるよう
に厚み方向に切断し、個々の積層コンデンサ単位の積層
体チップを得、試料2とした。
【0038】比較のために、上記試料2を作製した工程
と同様にして、ただし、セラミックグリーンシート23
は上下逆転させて、すなわちセラミックグリーンシート
22上に形成されている内部電極21と接触される側の
面がバインダ含有量が少ない側の面23aとして、他は
同様として比較試料2を得た(図8参照)。
【0039】上記試料2及び比較試料2の積層体チップ
を焼成し、焼結体をそれぞれ得た。このようにして得た
試料2及び比較試料2の焼結体の切断面における剥離、
すなわちマザーのセラミック積層体から個々の積層体チ
ップに切断した際の切断面における、内部電極とセラミ
ックグリーンシートとの間の界面における剥離を焼成後
の状態で50倍の拡大鏡を用いて目視により評価した。
結果を下記の表2に示す。
【0040】なお、表2においては、不良数は、試料2
及び比較試料2の焼結体における両側の切断面のいずれ
かに不良が発生している場合に不良とし、該不良品の数
を示した。また、評価した全ての焼結体の切断面の合
計、すなわち、切断面数に対して、剥離不良が発生して
いる切断面の数を、不良が生じている切断面数として示
した。
【0041】
【表2】
【0042】表2から明らかなように、比較試料2で
は、内部電極21の形成されている面の両面にバインダ
含有量の少ないセラミックグリーンシートが積層されて
いるためか、かなりの割合で内部電極とセラミックグリ
ーンシートとの間の界面における剥離不良が生じてい
た。これに対して、試料2の焼結体では、上記のような
剥離不良は皆無であることがわかる。
【0043】
【発明の効果】本発明の積層セラミック電子部品の製造
方法によれば、内部電極に、セラミックグリーンシート
のバインダ含有量の多い面が重ねられて積層工程が実施
される。従って、内部電極面とセラミックグリーンシー
ト面との間の界面における密着強度を高めることがで
き、延いては、得られた焼結体における内部電極とセラ
ミック層との間の界面におけるデラミネーションを確実
に防止することができる。よって、信頼性に優れた積層
セラミック電子部品を高い良品率で生産することが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1において、セラミックグリーンシート
を支持体上にて成形した状態を示す断面図。
【図2】実施例1において、セラミックグリーンシート
上に内部電極を形成した状態を示す断面図。
【図3】実施例1において得られたセラミックグリーン
シートのバインダ含有量の分布を説明するための略図的
部分切欠断面図。
【図4】実施例1において、試料1を得るために積層さ
れる複数枚のセラミックグリーンシートを説明するため
の斜視図。
【図5】実施例1において比較試料1を得るのに用いら
れた複数枚のセラミックグリーンシートを説明するため
の斜視図。
【図6】実施例1の評価に用いたプッシュプルゲージを
説明するための正面図。
【図7】実施例2において、試料2を得るのに用いられ
た複数枚のセラミックグリーンシートを説明するための
斜視図。
【図8】比較試料2を得るために用いられた複数枚のセ
ラミックグリーンシートを説明するための斜視図。
【符号の説明】
1…支持体 2…セラミックグリーンシート 3…内部電極 4…内部電極一体化グリーンシート 5,6,7,8…セラミックグリーンシート 21…内部電極 22〜29…セラミックグリーンシート

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数枚のセラミックグリーンシートを内
    部電極を介して積層してなる積層体を焼結して得られた
    焼結体を用いる積層セラミック電子部品の製造方法であ
    って、 一方面が他方面側よりもバインダ含有量の多いセラミッ
    クグリーンシートを支持体上にて成形する工程と、 前記セラミックグリーンシートのバインダの少ない側の
    面上に内部電極を形成する工程と、 前記内部電極が形成されているセラミックグリーンシー
    ト上に、別のセラミックグリーンシートのバインダの多
    い側の面を重ねてセラミックグリーンシートを積層する
    工程とを備える、積層セラミック電子部品の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記内部電極を形成する工程が、前記セ
    ラミックグリーンシート成形時に用いた前記支持体上に
    支持されたセラミックグリーンシートの上面に内部電極
    を形成することにより行われる、請求項1に記載の積層
    セラミック電子部品の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記内部電極を形成した後に、内部電極
    が形成されたセラミックグリーンシートを支持体から剥
    離して積層工程に用いる、請求項2に記載の積層セラミ
    ック電子部品の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009212261A (ja) * 2008-03-04 2009-09-17 Tdk Corp 積層型電子部品の製造方法
US7828919B2 (en) * 2006-04-05 2010-11-09 Murata Manufacturing Co., Ltd. Method for manufacturing multilayer ceramic electronic component and multilayer ceramic electronic component

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