JPH08314561A - 起動回路 - Google Patents

起動回路

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JPH08314561A
JPH08314561A JP7145684A JP14568495A JPH08314561A JP H08314561 A JPH08314561 A JP H08314561A JP 7145684 A JP7145684 A JP 7145684A JP 14568495 A JP14568495 A JP 14568495A JP H08314561 A JPH08314561 A JP H08314561A
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Katsuharu Kimura
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Abstract

(57)【要約】 【目的】半導体集積回路上に、低電圧から動作し、被起
動回路への影響を無視でき得るほど小さくすることがで
きる起動回路の提供。 【構成】ミラー電流が、電源電圧の増加とともに零に近
づくか、あるいは電源電圧の増加にかかわらずほぼ一定
の微小電流となる電源から第一の抵抗を介して、電流が
供給されるカレントミラー回路を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、起動回路に関し、特に
低電圧から動作可能で高精度に設定することができ、且
つ被起動回路への影響の少ない起動回路に関する。
【0002】
【従来の技術】低電圧から動作する従来の起動回路(st
art-up circuit)として、図17に示すように、ダイオ
ード接続された第1のトランジスタと該トランジスタと
ベースを共通接続した第2のトランジスタからなる単純
カレントミラー回路を構成する一方のトランジスタ(出
力側のトランジスタ)Q70のエミッタに抵抗R70を挿入
したワイドラー・カレントミラー(Widlar current mir
ror)回路を用いた回路がある(例えば文献:「IEEE Jo
urnal of Solid-State Circuits、VOL.28、NO.6、pp.66
7-670, June 1993年」、又は「IEEE Journal of Solid-
State Circuits、VOL.26、pp.1817-1824、December、19
91年」参照)。
【0003】図17において、トランジスタQ80は抵抗
R81を介して電源VCCから電流(「基準電流」ともい
う)I1が供給され、トランジスタQ70の引き込み電流
(sinkcurrent)I2(「ミラー電流」ともいう)は、エ
ミッタ抵抗R70により電流I1の増加とともに単調に増
加する非線形カレントミラー回路である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図17の非線形カレン
トミラー回路においては、もともと電流I2は電流I1
比べると微小電流に設定することができるが、電源電圧
が増加すれば、上述したように電流I2の電流値も被起
動回路の回路電流に対して無視できなくなり、このため
被起動回路への起動回路の影響があらわれる。
【0005】特に、ワイドラー・カレントミラー回路で
は、電流I2は電流I1に対して正の温度特性を持ち、P
TAT(proportional to absolute temperature)回路
と呼ばれている。したがって、このワイドラー・カレン
トミラー回路を起動回路として用いた場合の被起動回路
への影響としては、温度特性が変えられてしまうという
ことが起こる。
【0006】このように、従来の起動回路では、低電圧
動作が可能であるが、被起動回路への影響を無視でき得
るほど小さくすることは難しいという問題があった。
【0007】従って、本発明は、半導体集積回路上に、
低電圧から動作し、被起動回路への影響を無視でき得る
ほど小さくすることができる起動回路を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
本発明は、電源から抵抗を介して電流が供給されるカレ
ントミラー回路を有し、該カレントミラー回路のミラー
電流により、少なくとも電源電圧零、回路電流零の第1
の動作点を含む複数の動作点を持つ被起動回路の動作点
について前記第1の動作点を取り得なくする起動回路に
おいて、前記カレントミラー回路のミラー電流が、前記
電源電圧の増加とともに零に近づくように構成されたこ
とを特徴とする起動回路を提供する。
【0009】また、本発明は、電源から抵抗を介して電
流が供給されるカレントミラー回路を有し、該カレント
ミラー回路のミラー電流により、少なくとも電源電圧
零、回路電流零の第1の動作点を含む複数の動作点を持
つ被起動回路の動作点について前記第1の動作点を取り
得なくする起動回路において、前記カレントミラー回路
のミラー電流が、前記電源電圧の増加にかかわらずほぼ
一定の微小電流となることを特徴とする起動回路を提供
する。
【0010】本発明は、好ましくは、前記カレントミラ
ー回路のミラー電流が、前記被起動回路の最大の回路電
流を越えた動作点に設定することを特徴とする。
【0011】さらに、本発明は、少なくとも電源電圧
零、回路電流零の第1の動作点を含む複数の動作点を持
つ被起動回路の動作点について前記第1の動作点を取り
得なくする起動回路において、入力端が電源側と抵抗を
介して接続されたカレントミラー回路を有し、前記カレ
ントミラー回路が、前記入力端と入力側トランジスタの
第1の信号端子との間に抵抗を備え、出力端から出力さ
れるミラー電流が前記被起動回路について回路電流のピ
ーク点を越えた動作点に対しても前記被起動回路を該動
作点に設定自在としたことを特徴とする起動回路を提供
する。
【0012】本発明は、好ましくは、前記カレントミラ
ー回路の出力段トランジスタの第2の信号端子が抵抗を
介して第2の電源に接続されることを特徴とする。
【0013】また、本発明は、好ましくは、前記カレン
トミラー回路の前記ミラー電流が、前記被起動回路を前
記動作点に設定した後に前記電源電圧の増加にかかわら
ずほぼ一定の微小電流となることを特徴とする。
【0014】さらに、本発明は、好ましくは、前記カレ
ントミラー回路の前記ミラー電流が、前記電源電圧の増
加とともに零に近づくように構成されたことを特徴とす
る。
【0015】そして、本発明は、好ましくは、前記カレ
ントミラー回路がバイポーラトランジスタで構成された
ことを特徴とする。
【0016】また、本発明は、好ましくは、前記カレン
トミラー回路がMOSトランジスタで構成されたことを
特徴とする。
【0017】
【作用】以下に本発明の原理・作用を説明する。電源電
圧零、回路電流零の動作点(例えば電源未投入時等には
回路は安定動作点にある)を含む複数の動作点を持つ被
起動回路は、例えば単に電源を投入しただけでは自律的
に所望の動作点(安定な動作点)に推移せず、所定の起
動回路によりいわばブートストラップされて該動作点に
到達する。本発明は、かかる起動回路を所定の回路構成
を有するカレントミラー回路(「永田カレントミラー回
路」ともいう)で構成することにより、被起動回路への
影響を最小に抑えると共に、被起動回路のピーク点を越
えた動作点にて安定に動作させるように構成することが
できるという本発明者の知見に基づき完成されたもので
あり、例えば略1V近傍の低電圧から動作すると共に被
起動回路への影響を無視できるほどに小さくすることが
できる。
【0018】
【実施例】図面を参照して、本発明の実施例を以下に説
明する。
【0019】
【実施例1】図1は本発明の一実施例の構成を説明する
ためのブロック図である。また、図2は本実施例に係る
カレントミラー回路(図1のカレントミラー回路103)
の構成を示す図である。
【0020】ここで、素子の整合性は良いものとし、ベ
ース幅変調を無視すると、トランジスタのベース・エミ
ッタ間電圧VBEとコレクタ電流の関係には指数則が成り
立ち、図2のトランジスタQ1のコレクタ電流は次式
(1)にて与えられる。
【0021】
【数1】
【0022】ここで、VTは熱電圧であり、VT=kT/
qと表される。ただし、kはボルツマン定数、Tは絶対
温度、qは単位電子電荷である。また、ISはトランジ
スタの飽和電流である。
【0023】同様に、トランジスタQ2のコレクタ電流
は次式(2)にて与えられる。
【0024】
【数2】
【0025】そして、図2を参照して、トランジスタQ
1のベース・エミッタ間電圧VBE1はトランジスタQ2
のベース・エミッタ間電圧VBE2に抵抗R2の電位降下
R2×I1を加えたものに等しく、従ってベース・エミ
ッタ間電圧差ΔVBEとして次式(3)が成り立つ。
【0026】
【数3】
【0027】ここでは、簡単のために、トランジスタの
電流増幅率αFは1としてある。
【0028】したがって、トランジスタQ1とQ2のコ
レクタ電流I1、I2の関係として、上式(3)より次式
(4)が導出される。
【0029】
【数4】
【0030】図2のカレントミラー回路におけるミラー
電流I2の微分温度係数TCFは次式(5)で求められ
る。
【0031】
【数5】
【0032】上式(5)において、dR2/dT=0の
場合には、明らかにミラー電流I2の微分温度係数TCF
(I2)>0となり、ミラー電流I2は絶対温度に比例す
る。
【0033】図3に、図2のトランジスタQ1とQ2の
コレクタ電流I1、I2の関係を示す。図3において、横
軸はI1、縦軸はI2を示している。抵抗R2の温度係数
は零としてある。図3を参照して、室温(25℃)時、
ミラー電流I2はコレクタ電流I1がVT/R2の際にピ
ーク点としてI1の1/e(=1/2.71828)の
値(=VT/(e×R2))をとる。
【0034】カレントミラー回路103の入力端に入力
される基準電流(すなわち図2のトランジスタQ1のコ
レクタ電流)I1は、図1から電源電圧VCCとして次式
(6)にて与えられる。
【0035】
【数6】
【0036】トランジスタQ1のベース・エミッタ間電
圧VBE1は、コレクタ電流I1の値に対して対数圧縮さ
れ、ほぼ0.7V程度の一定値に近い。すなわち、電源
電圧の増加とともに、ミラー電流I2はほぼ比例する。
【0037】図4に、図1及び図2において、R1=2
80Ω、R2=100Ω、抵抗R2の温度特性TC
F(R)=−300ppm/℃、コレクタ電圧VCE2
0.5Vのミラー電流I2の温度特性の実測値を示し、
図5に抵抗R1の抵抗値を変えた場合のミラー電流特性
の実測値を示す。図4及び図5において横軸は電源電圧
VCC、縦軸はミラー電流I2を示している。
【0038】ミラー電流I2のピーク値はトランジスタ
Q2のコレクタに接続された抵抗R2における電圧降下
が丁度熱電圧VTに等しくなるように決定され、ピーク
電流値は温度に比例して変化し、ピーク点での電源電圧
値は温度に反比例して変化している。
【0039】そして、図5を参照して、バイアス抵抗R
1を変えることにより、ミラー電流I2のピーク電流値
は一定のままでピーク点での電源電圧値VCCをほぼバイ
アス抵抗R1の抵抗値に比例して変えることができる。
すなわち、抵抗R2によりピーク電流値を設定すること
ができ、バイアス抵抗R1によりピーク点での電源電圧
値を設定することができる。また、ピーク点での電源電
圧値のおよそ5倍程度の電圧値ではミラー電流値はピー
ク電流値の1/10になり、被起動回路への影響はほぼ
無視できる。
【0040】さらに、被起動回路の回路電流がピーク特
性を持つ場合等の3箇所以上の動作点を持つ場合(電源
電圧VCC=0、ICC=0の動作点及びその他の動作点を
含む場合)であっても、図4及び図5に示すようなピー
ク特性を持つ起動回路(図2参照)を用いることによ
り、動作点を被起動回路のピーク点を越えた安定点で動
作させることができる。
【0041】具体例として、図6に示す基準電圧回路を
用いて説明する。図6に示す回路は、トランジスタQ
5、Q6からなる単純カレントミラー回路により、自己
バイアス化して、回路を簡単化した基準電圧回路であ
り、一般にバンドギャップ基準電圧回路(bandgap refe
rence circuit)と呼ばれているものである。なお、バ
ンドギャップ基準電圧回路の出力基準電圧Vrefはトラ
ンジスタQ3のベース・エミッタ間電圧VBE3に(R3
/R4)×ΔVBEを加えた電圧で与えられる。
【0042】図6を参照して、トランジスタQ5、Q6
からなる単純カレントミラー回路の電流比は1:1にな
るが、トランジスタQ3とトランジスタQ4の間でベー
ス・エミッタ間電圧の差ΔVBEを発生させる回路((R
3/R4)×ΔVBEを生成するため「ΔVBEマルチプラ
イヤ回路」という)においては、上述したように、トラ
ンジスタQ3とトランジスタQ4のエミッタ面積比を1
/e(=1/2.71828)にする必要がある(すな
わち、図3に示したようにミラー電流I2のピーク点に
おいてミラー電流I2は電流I1の1/eとなり、コレク
タ電流I3とI4の電流比を1:1にするにはトランジス
タQ4のトランジスタQ3に対するエミッタ面積比を上
記eとする)。
【0043】一方、トランジスタQ4のエミッタ面積比
をトランジスタQ3のエミッタ面積に対して整数倍とす
る場合に、エミッタ面積比K=3としても値が幾分大き
すぎる。
【0044】同様に、トランジスタQ4のエミッタ面積
比をK=4とすればかなり大きな値となり、図7に示す
ように、エミッタ面積比Kが4の時、トランジスタQ
3、Q4のコレクタ電流I3、I4(図6参照)につい
て、I3=I4が成り立つのは、ピーク点(電流I3がVT
/R4)を越えた点bになる(同様にエミッタ面積比K
が3の時は動作点はaとなる。)。
【0045】しかし、この動作点(図7のI3=I4と実
線との交点b)に到達するためには、ピーク点をこえな
ければならないが、本実施例においては、その際に起動
回路101の引き込み電流I2により、I3がピーク点を越
えられさえすれば、I3=I4の動作点に到達できる。
【0046】そして、I3=I4となる動作点での起動回
路101の引き込み電流I2がほぼ無視できるほどの微小電
流であるとすると、トランジスタQ3、Q4、Q5、Q
6からなる電流ループは、負帰還ループを構成し、動作
が安定化する。
【0047】
【実施例2】図8は本発明の第2の実施例に係るカレン
トミラー回路の構成を示す図である。
【0048】図8を参照して、本実施例は、図2に示し
た前記第1の実施例に係るカレントミラー回路にエミッ
タ抵抗R3を挿入してなるものである。
【0049】本実施例においては、挿入されたエミッタ
抵抗R3により前記第1の実施例よりもピーク特性がな
まる。すなわち、エミッタ抵抗R3により平坦化特性を
もたせることができる。
【0050】一般に、エミッタ抵抗を挿入すると回路解
析が困難になるが、図9に、R2=100Ω、R3=1
5KΩとした場合のトランジスタQ1とQ2のコレクタ
電流の温度特性の計算値を示す。
【0051】このカレントミラー回路を用いた起動回路
の引き込み電流も前記第1の実施例と同様に、絶対温度
に比例するが、I1とI2の比を1:数%に設定すること
ができ、従って被起動回路102(図1参照)への影響は
ほとんど無視できる程度にできる。そして、起動回路10
1の引き込み電流I2は電源電圧に関係なくほぼ一定値に
設定することができる。
【0052】図10に、R2=100Ω、R3=15K
Ω、TCF(R)=−300ppm/℃、コレクタ電圧
CE2=0.5Vとした場合のミラー電流I2の温度特性
の実測値を、図11に、R2=100Ω、TCF(R2)
=−300ppm/℃、VCE 2=0.5Vに固定し、エ
ミッタ抵抗R3を0Ω、100Ω、220Ω、470
Ω、1KΩ、2.2KΩ、15KΩと変えた場合のカレ
ントミラー回路の入出力電流特性の実測値を示す。
【0053】図12に、R2=100Ω、R3=1K
Ω、TCF(R)=−300ppm/℃、VCE2=0.5
Vに固定し、バイアス抵抗R1を280Ω、560Ω、
1KΩ、2KΩと変えた場合のカレントミラー電流特性
の実測値を示す。
【0054】図11を参照して、エミッタ抵抗R3を大
きくすることにより、起動回路の引き込み電流I2を微
小電流に設定することができ、しかもほぼ一定値に設定
することができる。
【0055】
【実施例3】なお、上記各実施例で説明した起動回路
は、バイポーラ素子に限定されるものでなくMOSデバ
イスで構成することもできる。前記第1の実施例をMO
Sトランジスタで構成した場合を以下に説明する。
【0056】素子の整合性は好いものとし、チャネル長
変調と基板効果を無視し、MOSトランジスタのドレイ
ン電流とゲート−ソース間電圧の関係は2乗則に従うも
のとすると、MOSトランジスタのドレイン電流は、次
式(7)で与えられる。
【0057】
【数7】
【0058】ここで、βはトランスコンダクタンス・パ
ラメータであり、β=μ(COX/2)(W/L)と表さ
れる。ただし、μはキャリアの実効モビリティ、COX
単位面積当たりのゲート酸化膜容量、W、Lはそれぞれ
ゲート幅、ゲート長を表わし、VGSはゲート・ソース間
電圧、VTHはゲートしきい値電圧をそれぞれ示す。
【0059】図13に、前記第1の実施例で説明した回
路をMOSトランジスタで構成したカレントミラー回路
を示す。MOSトランジスタM1、M2のドレイン電流
はI1、I2は次式(8)、(9)で与えられる。
【0060】
【数8】
【0061】
【数9】
【0062】また、MOSトランジスタM1のソース・
ドレイン間電圧VGS1はMOSトランジスタM2のソー
ス・ドレイン間電圧VGS2に抵抗R2の端子間電圧R2
×I1を加えたものに等しく(図13参照)、ソース・
ドレイン間電圧の差ΔVGSは次式(10)で与えられ
る。
【0063】
【数10】
【0064】上式(8)と上式(10)からミラー電流
2として次式(11)が導出される。
【0065】
【数11】
【0066】上式(11)の両辺を電流I1で微分し
て、dI2/dI1=0を与える電流I1は、次式(1
2)で与えられる。
【0067】
【数12】
【0068】上式(12)の電流I1のうち最初の値
(1/R2 2β)ではミラー電流I2=0となり、回路が起
動せず不適当である。
【0069】したがって、I1=1/(4R2 2β)の場
合にミラー電流I2は次式(13)で与えられるピーク
値をとる。
【0070】
【数13】
【0071】図14に、図13に示した本実施例に係る
MOS型カレントミラー回路の電流特性を示す。図14
を参照して、期待されるピーキング特性が現れている。
【0072】ただし、MOSの場合には、ピーク値を与
える電流I1(=1/(4R2 2β))の4倍以上の電流
ではミラー電流I2は零となる。
【0073】したがって、図13に示したMOS型カレ
ントミラー回路は、図2に示したバイポーラ・カレント
ミラー回路と同一特性を持つ起動回路として利用でき
る。
【0074】MOSデバイスにおいては、モビリティμ
が温度特性を持つから、トランスコンダクタンス・パラ
メータβの温度依存性は次式(14)で表される。
【0075】
【数14】
【0076】ただし、β0は常温(T=T0=300K)
でのβの値である。
【0077】したがって、上式(13)で示されるピー
ク電流は、上式(14)のβを用いて、抵抗R2の微分
温度係数TCF(R2)が零(=0)の時に、温度(絶対
温度T)の3/2乗に比例することがわかる。
【0078】図15に1/βの特性を示す。図15を参
照して、上式(9)に示されるMOSカレントミラー回
路は常温を中心温度とした通常の動作領域においては、
およそ温度に比例しているとみなすことができる。すな
わち、PTATとみなすことができる。
【0079】なお、MOSカレントミラー回路のミラー
電流の微分温度係数(TCF)はバイポーラカレントミ
ラー回路のミラー電流の微分温度係数(TCF)のおよ
そ1.5倍となる。すなわち、MOSでは1/(R
2β)がバイポーラでの熱電圧VTに相当することがわか
る。
【0080】
【実施例4】前記第2の実施例で説明した回路をMOS
トランジスタで構成した回路を図16に示す。図16を
参照して、MOSトランジスタM2にソース抵抗R3を
挿入したMOSカレントミラー回路では、バイポーラ素
子の場合と同様に、ミラー電流のピーク値をなまらせ、
平坦化されると同時に、微小電流に設定することができ
る。すなわち、起動回路としては被起動回路への影響を
無視できるほど小さくすることができる。
【0081】以上、本発明を上記各実施例に即して説明
したが、本発明は上記態様にのみ限定されるものでない
ことは勿論である。例えば本発明におけるカレントミラ
ー回路はnpn型バイポーラトランジスタに限定され
ず、ミラー電流を出力(sourcecurrent)するpnp型
トランジスタで構成してもよく、またMOS構成におい
てはn−チャネルMOSトランジスタにのみ限定され
ず、p−チャネルMOSトランジスタで構成した場合に
も同様にして適用される。
【0082】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の起動回路
によれば、低電圧から動作し、しかも被起動回路への影
響を無視できるほどに小さくすることができる。また、
本発明によれば、起動回路の引き込み電流を微小電流に
設定することができ、しかもピークを平坦化させてほぼ
一定値に設定することができるため、被起動回路への影
響を抑止低減し、被起動回路を安定動作させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る起動回路の構成を示すブ
ロック図である。
【図2】本発明の第1の実施例に係るカレントミラー回
路の構成を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施例に係るカレントミラー回
路の特性(基準電流I1とミラー電流I2の関係)を示す
図である。
【図4】本発明の第1の実施例に係る起動回路の温度特
性の実測値を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施例に係る起動回路バイアス
抵抗に対する特性の実測値を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施例に係るカレントミラー回
路を用いて構成された基準電圧回路を示す図である。
【図7】図6の基準電圧回路の特性を説明するための図
である。
【図8】本発明の第2の実施例に係るカレントミラー回
路の構成を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施例に係るカレントミラー回
路の特性(入力電流I1とミラー電流I2の関係)をを示
す図である。
【図10】本発明の第2の実施例に係るカレントミラー
回路の温度特性の実測値を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施例に係るカレントミラー
回路のエミッタ抵抗による平坦化特性の実測値を示す図
である。
【図12】本発明の第2の実施例に係る起動回路のバイ
アス抵抗による特性の実測値を示す図である。
【図13】本発明の第3の実施例に係るカレントミラー
回路の構成を示す図である。
【図14】本発明の第3の実施例に係るカカレントミラ
ー回路の特性を示す図図である。
【図15】本発明の第3の実施例に係る起動回路の温度
特性を説明するために示した特性図である。
【図16】本発明の第4の実施例に係るカレントミラー
回路の構成を示す図である。
【図17】従来回路の構成を示す図である。
【符号の説明】
101 起動回路 102 被起動回路 103 カレントミラー回路

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電源から抵抗を介して電流が供給されるカ
    レントミラー回路を有し、該カレントミラー回路のミラ
    ー電流により、少なくとも電源電圧零、回路電流零の第
    1の動作点を含む複数の動作点を持つ被起動回路の動作
    点について前記第1の動作点を取り得なくする起動回路
    において、 前記カレントミラー回路のミラー電流が、前記電源電圧
    の増加とともに零に近づくように構成されたことを特徴
    とする起動回路。
  2. 【請求項2】電源から抵抗を介して電流が供給されるカ
    レントミラー回路を有し、該カレントミラー回路のミラ
    ー電流により、少なくとも電源電圧零、回路電流零の第
    1の動作点を含む複数の動作点を持つ被起動回路の動作
    点について前記第1の動作点を取り得なくする起動回路
    において、 前記カレントミラー回路のミラー電流が、前記電源電圧
    の増加にかかわらずほぼ一定の微小電流となることを特
    徴とする起動回路。
  3. 【請求項3】前記カレントミラー回路のミラー電流が、
    前記被起動回路の最大の回路電流を越えた動作点に設定
    することを特徴とする請求項1記載の起動回路。
  4. 【請求項4】少なくとも電源電圧零、回路電流零の第1
    の動作点を含む複数の動作点を持つ被起動回路の動作点
    について前記第1の動作点を取り得なくする起動回路に
    おいて、 入力端が電源側と抵抗を介して接続されたカレントミラ
    ー回路を有し、 前記カレントミラー回路が、前記入力端と入力側トラン
    ジスタの第1の信号端子との間に抵抗を備え、出力端か
    ら出力されるミラー電流が前記被起動回路について回路
    電流のピーク点を越えた動作点に対しても前記被起動回
    路を該動作点に設定自在としたことを特徴とする起動回
    路。
  5. 【請求項5】前記カレントミラー回路の出力段トランジ
    スタの第2の信号端子が抵抗を介して第2の電源に接続
    されることを特徴とする請求項4記載の起動回路。
  6. 【請求項6】前記カレントミラー回路の前記ミラー電流
    が、前記被起動回路を前記動作点に設定した後に前記電
    源電圧の増加にかかわらずほぼ一定の微小電流となるこ
    とを特徴とする請求項4記載の起動回路。
  7. 【請求項7】前記カレントミラー回路の前記ミラー電流
    が、前記電源電圧の増加とともに零に近づくように構成
    されたことを特徴とする請求項4記載の起動回路。
  8. 【請求項8】前記カレントミラー回路がバイポーラトラ
    ンジスタで構成されたことを特徴とする請求項1乃至7
    のいずれか一に記載の起動回路。
  9. 【請求項9】前記カレントミラー回路がMOSトランジ
    スタで構成されたことを特徴とする請求項1乃至7のい
    ずれか一に記載の起動回路。
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