JPH0831381A - 反射鏡付きメタルハライドランプ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 排気管チップ部の影による照度むらおよび色
むらの発生を防止し、良好なスクリーン特性を有する反
射鏡付きメタルハライドランプを得る。 【構成】 反射鏡８と、この反射鏡８内に設けられた石
英ガラスからなる発光管１とからなる。発光管１は、内
部に一対の電極２ａ，２ｂを有する発光部１ａと、この
発光部１ａの両端に連設された封着部３ａ，３ｂとから
なる。発光管１の発光部１ａには排気管チップ部は形成
されていない。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、液晶プロジェクタやス
ライドプロジェクタ等の光源である反射鏡付きメタルハ
ライドランプに関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、アーク長を短縮し光効率を向上さ
せるとともに、発光管の小形化、均一な照度、および、
均一な光色を有する反射鏡付きメタルハライドランプの
研究が進められている。

【０００３】従来、反射鏡付きメタルハライドランプと
しては、図４に示すように、反射鏡８と、この反射鏡８
内に設けられた発光部１ａを有する発光管１とからな
り、発光管１の発光部１ａには排気管チップ部１８が形
成されていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】発光管製造工程のうち
排気工程では、発光管の排気作業後、発光管の発光部に
取り付けられた排気管を加熱溶融させて取り除くため、
発光部の排気管が取り付けられていた部分に排気管チッ
プ部が残ることとなる。

【０００５】特定の領域に投射光を集中させることので
きる反射鏡付きメタルハライドランプでは、アーク長の
長い大型の発光管になる程、発光部の面積が大きくな
り、光利用効率の点で不利となる。またアーク長を短縮
した小形の発光管の場合、排気管チップ部の大きさが発
光部面積に対して相対的に大きくなるため、スクリーン
に投射したとき、排気管チップ部による影が生じ、スク
リーン上に照度むらまたは色むらが生じるといった問題
がある。

【０００６】本発明は、アーク長を短縮しても、スクリ
ーン上に照度むらや色むらが生じることのない反射鏡付
きメタルハライドランプを提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明の反射鏡付きメタ
ルハライドランプは、反射鏡と、この反射鏡内に設けら
れた発光部を有する発光管とからなり、前記発光管の前
記発光部に排気管チップ部が形成されてない構成を有す
る。

【０００８】

【作用】かかる構成により、スクリーン上に投射したと
き、スクリーン上の照度分布、および色分布特性に排気
管チップ部の影響がなくなる。

【０００９】

【実施例】図１に本発明の一実施例である小形・低ワッ
トの反射鏡付きメタルハライドランプを示す。

【００１０】図１に示す本発明の実施例の定格電力３５
Ｗの反射鏡付きメタルハライドランプは、硬質ガラスか
らなる反射鏡８と、この反射鏡８内に設けられた石英ガ
ラスからなる発光管１とからなる。発光管１は、内部に
一対のタングステンからなる電極２ａ，２ｂを有する発
光部１ａと、この発光部１ａの両端に連設された封着部
３ａ，３ｂとからなる。電極２ａ，２ｂの電極間距離は
３ｍｍ、発光部１ａの外径は６ｍｍである。発光管１の
発光部１ａには排気管チップ部は形成されていない。発
光管の内部には、所定量の水銀、沃化ジスプロシウム、
沃化ネオジム、沃化セシウムとともに始動用ガスとして
キセノンガスが封入されている。発光管１の封着部３
ａ，３ｂには、電極２ａ，２ｂと接続されたモリブデン
からなる金属箔４ａ，４ｂが気密封着されている。また
発光管１の電極２ａ，２ｂ近傍の外面にはジルコニアか
らなる保温膜７ａ，７ｂが塗布形成されている。金属箔
４ａ，４ｂにはそれぞれ外部導線５ａ，５ｂが接続さ
れ、外部導線５ａ，５ｂは発光管１の外部に導出されて
いる。外部導線５ａ，５ｂにはリード線６ａ，６ｂがそ
れぞれ接続されており、リード線６ａ，６ｂは口金１１
の口金ピン１２ａ，１２ｂに導入され、口金ピン１２
ａ，１２ｂの先端においてそれぞれスポット溶接されて
いる。口金１１はセメント１３により反射鏡８に固着さ
れている。発光管１は、発光管１の軸と反射鏡８の軸と
が一致するようセメント９により反射鏡８に固着されて
いる。なお、反射鏡８は放物面もしくは楕円面形状であ
り、内面には赤外線および紫外線を透過する多層干渉膜
１０が蒸着されている。

【００１１】なお、上記発光管は次のようにして形成さ
れる。すなわち、通常の発光管製造工程のうち排気工程
において、発光管の排気を封着部予定部から行い、排気
作業後、封着部予定部から電極を挿入し、封着部予定部
を封着し封着部を形成している。これによって、発光管
の発光部に排気管チップ部のない発光管を得ることがで
きる。

【００１２】図２に評価用光学系の概略を示す。この評
価用光学系は、一般的な単板式液晶プロジェクターの光
学系から液晶パネルを取り除いた構造となっており、コ
ンデンサーレンズ１４、液晶パネルに相当するアパーチ
ャー１５（対角長０．７インチ）、投射レンズ１６、お
よび、スクリーン１７（対角長１４インチ）からなって
いる。

【００１３】次に、本実施例の反射鏡付きメタルハライ
ドランプ（以下、本発明品という）および図４に示した
発光管１の発光部１ａに排気管チップ部１８を有する従
来の反射鏡付きメタルハライドランプ（以下、従来品と
いう）を各１０本用意し、図２に示した評価用光学系に
て定格電力３５Ｗで点灯させ、その光をスクリーン１７
に投射させ、図３に示すようにスクリーン１７を９分割
した各測定点Ａ〜Ｉでそれぞれ照度の測定・評価を行っ
た。

【００１４】図４に示した排気管チップ部を発光管の上
方に位置させた従来品では測定ランプ１０本全てにおい
て測定点Ｆの周辺のエリアでチップの影が存在し、目視
においてもスクリーンに照度むらが生じているのが明ら
かに確認されたのに対し、本発明品は、スクリーン上お
よび目視においても照度むらは全く確認されなかった。
次に、図３に示したスクリーンの各測定点Ａ〜Ｉの照度
を測定し、測定点Ｅの照度いわゆるスクリーン中心照度
と測定点Ａ〜Ｄおよび測定点Ｆ〜Ｉの照度の比を求め、
本発明品と従来品とを比較した。

【００１５】その結果、測定点Ｆを除いた各点の照度比
に差は認められなかった。すなわち、測定点Ａ〜Ｅおよ
び測定点Ｇ〜Ｉは本発明品と従来品とも同じ照度比であ
ったが、測定点Ｆの照度比は、従来品で平均３８％であ
るのに対し、本発明品では平均５０％であった。このよ
うに本発明品では、スクリーン上の照度分布の均一性が
向上し、照度むらの発生を防止でき、また、スクリーン
上の照度むらの発生を防止するとともに排気管チップ部
の影による目視における色むらの発生を防止することが
できた。

【００１６】したがって、本発明にかかる反射鏡付きメ
タルハライドランプは、排気管チップ部の影によって局
所的に暗くなる照度むらの発生が防止でき、均一な照度
分布を得ることができるとともに色むらの発生を防止す
ることができ、良好なスクリーン特性を得ることができ
る。

【００１７】

【発明の効果】以上のように、本発明の反射鏡付きメタ
ルハライドランプは、反射鏡と、この反射鏡内に設けら
れた発光部を有する発光管とからなり、前記発光管の前
記発光部に排気管チップ部が形成されてない構成を有す
ることによって、光をスクリーン上に投射したとき、排
気管チップ部の影による投射光の色むらおよび照度むら
の発生を防止することができ、スクリーン上で均一な色
分布および照度分布を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例である反射鏡付きメタルハラ
イドランプの一部切欠正面図

【図２】評価用光学系の概略図

【図３】評価用１４インチスクリーンの９分割測定点を
示す図

【図４】従来の反射鏡付きメタルハライドランプの一部
切欠正面図

【符号の説明】

１ 発光管 ８ 反射鏡 １０ 多層干渉膜 １４ 排気管チップ部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 反射鏡と、この反射鏡内に設けられた発
   光部を有する発光管とからなり、前記発光管の前記発光
   部に排気管チップ部が形成されてないことを特徴とする
   反射鏡付きメタルハライドランプ。