JPH08312744A - ボールねじ - Google Patents

ボールねじ

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JPH08312744A
JPH08312744A JP7145694A JP14569495A JPH08312744A JP H08312744 A JPH08312744 A JP H08312744A JP 7145694 A JP7145694 A JP 7145694A JP 14569495 A JP14569495 A JP 14569495A JP H08312744 A JPH08312744 A JP H08312744A
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JP
Japan
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ball
ceramics
ball screw
test
nut
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JP7145694A
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English (en)
Inventor
Hiroaki Takebayashi
博明 竹林
Kazunori Hayashida
一徳 林田
Kazuhisa Kitamura
和久 北村
Takehisa Kida
健久 気田
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Koyo Seiko Co Ltd
Original Assignee
Koyo Seiko Co Ltd
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H25/00Gearings comprising primarily only cams, cam-followers and screw-and-nut mechanisms
    • F16H25/18Gearings comprising primarily only cams, cam-followers and screw-and-nut mechanisms for conveying or interconverting oscillating or reciprocating motions
    • F16H25/20Screw mechanisms
    • F16H25/24Elements essential to such mechanisms, e.g. screws, nuts
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H25/00Gearings comprising primarily only cams, cam-followers and screw-and-nut mechanisms
    • F16H25/18Gearings comprising primarily only cams, cam-followers and screw-and-nut mechanisms for conveying or interconverting oscillating or reciprocating motions
    • F16H25/20Screw mechanisms
    • F16H25/24Elements essential to such mechanisms, e.g. screws, nuts
    • F16H2025/249Special materials or coatings for screws or nuts

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Transmission Devices (AREA)
  • Ceramic Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】ボールねじにおいて、発塵を抑制できるような
構成としながら、価格低減を図ること。 【構成】螺旋溝11,21に潤滑膜5が付着されたねじ
軸1およびナット2と、複数のボール3とを備えたボー
ルねじAにおいて、ボール3は、少なくともY23,A
23などの焼結助剤が5〜20重量%添加された平均
粒径0.2〜1μmの窒化けい素の粉末を、1〜10気
圧の圧力下で焼結した焼結体とされている。これによ
り、従来の高品位セラミックスの場合に比べて製造コス
トが削減される他、密度や強度が若干低くなる程度で済
む。しかも、焼結体の表面に開口するポアが存在するか
ら、このポアに潤滑膜5の摩耗粉がトラップされて貯溜
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ボールねじに係り、特
に清浄環境等で用いるのに好適なボールねじに関する。
【0002】
【従来の技術】前述の環境として、例えば半導体製造装
置内部に配設される搬送系などが挙げられるが、このよ
うな環境では、ボールねじからの発塵が問題となる。
【0003】そのため、潤滑剤として、グリースに比べ
低発塵である固体潤滑剤(金、銀、鉛、銅などの軟質金
属、カーボンや二硫化モリブデンなど)が用いられる。
この固体潤滑剤は、ねじ軸およびナットの軌道面やボー
ルの表面などに、膜状にコーティングされる。
【0004】この他、ボールの転動、摺動に伴う摩耗粉
の発生を抑制するために、ボールをセラミックスで形成
することが考えられる。このセラミックスとして、本願
出願人は、高密度かつ高強度な高品位なものを製作する
ようにしている。このような高品位なセラミックスとす
るには、不純物濃度を低くするとともに気孔率を小さく
することが重要となる。
【0005】ここで、本願出願人が現在実施しているセ
ラミックス部品の製造方法を簡単に説明する。
【0006】まず、平均粒径0.2μmのα型の窒化け
い素の粉末(高グレード品例えば株式会社宇部興産の品
種番号E−10)に対してイットリア(Y23),アル
ミナ(Al23),窒化アルミ(AlN),チタニア
(TiO2)などの焼結助剤を10重量%以下添加す
る。これにバインダーを混入して金型に充填した状態で
単軸圧縮することにより成形する。この成形品を最終形
状に近い状態に加工するとともにバインダーなどの有機
物を除去してから、いわゆるHP(ホット・プレス)、
HIP(ホット・アイソスタティック・プレス)と称す
る手法により焼結する。この焼結体の転動面や摺動面に
対して超仕上げ加工を施す。HP、HIPでは、焼結時
に1000気圧もの高い圧力をかける。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うな従来のセラミックスでは、原料コストや製造コスト
が高くつくことが原因で、製品価格が非常に高くなる。
【0008】このように従来では、高品位のセラミック
スを形成しようとするあまり、価格が高価になってお
り、そのために、使用対象が制限されることになってい
た。
【0009】したがって、本発明の目的は、ボールねじ
において、発塵を抑制できるような構成としながら、価
格低減を図ることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のボールねじは、
金属製のねじ軸およびナットと、セラミックス製のボー
ルとを備え、少なくともねじ軸およびナットの軌道面に
潤滑膜が形成されているものであって、前記セラミック
ス製のボールが、平均粒径0.2〜1μmの窒化けい素
の粉末に対して少なくともY23,Al23などの焼結
助剤が5〜20重量%添加された材料を、1〜10気圧
の圧力下で焼結した焼結体からなる。
【0011】
【作用】ボールは、窒化けい素の粉末の焼結時に従来例
で引用したHP、HIPなどのように1000気圧もの
高い圧力をかけずに1〜10気圧の比較的低い圧力をか
けるだけと簡易に済ませることにより、形成されてい
る。その密度や強度については、従来の高品位セラミッ
クスに比べると若干低くなるものの、実用上十分な強度
を有する。なお、焼結助剤の量が5重量%未満の場合に
は、焼結不良となり、また20重量%を超えると母材の
窒化けい素の量が相対的に少なくなり、十分な強度が得
られない。さらには、9〜14重量%の範囲のものが、
焼結性と強度上から好適に用いられる。焼結圧としては
1〜10気圧程度であれば、比較的安価な圧力容器で達
成されるので、従来のように大掛かりで高価な装置が必
要でなくなる。
【0012】このように、本発明では、製造コストを削
減することにより、従来の高品位セラミックスよりも製
品価格を低く抑えるようにしている。
【0013】また、焼結体には、表面に開口するポアが
存在するから、それが潤滑膜の摩耗粉をトラップして貯
溜するようになる。これにより、発塵要素が低減するだ
けでなく、潤滑性の長期継続が期待できるようになる。
【0014】さらに、本発明では、従来の高品位セラミ
ックスのような高品質な原料(窒化けい素の粉末の平均
粒径の細かいもの)を用いたり、あるいは比較的低品質
な原料(窒化けい素の粉末の平均粒径の粗いもの)を用
いることができる。低品質な原料は、高品質な原料に比
べて安価(約半値)であるから、製品価格の一層の低減
に貢献できる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の詳細を図1ないし図13に示
す実施例に基づいて説明する。図1は、ボールねじの概
略構成を示す縦断面図、図2は、図1のB部拡大図であ
る。図中、Aはボールねじ、1はねじ軸、2はナット、
3はボール、4はサーキュレータチューブ、5は潤滑膜
である。
【0016】ねじ軸1は、その外周面に螺旋溝11が形
成されている。ナット2は、ねじ軸1に外嵌されてお
り、その内周面にねじ軸1の螺旋溝11に対応する螺旋
溝21が形成されている。複数のボール3は、ねじ軸1
の螺旋溝11と、ナット2の螺旋溝21との間に介装さ
れている。サーキュレータチューブ4は、ねじ軸1また
はナット2のいずれか一方の回転により両螺旋溝11,
21間に介装されるボール3を転動循環させるためのも
ので、ナット2に取り付けられている。
【0017】ねじ軸1の螺旋溝11およびナット2の螺
旋溝21の断面形状は、ゴチックアーチ状、すなわち二
つの曲率中心の異なる円弧の組み合わせによりほぼV字
形に形成されている。なお、両螺旋溝11,21の断面
形状は、図3に示すような円弧とすることもできる。
【0018】そして、ねじ軸1の外周面、ナット2の内
周面およびサーキュレータチューブ4の内面には、潤滑
膜5が被覆形成されている。この潤滑膜5としては、
金、銀、鉛、MoS2、ポリテトラフルオロエチレン
(PTFE)、グラファイトなどの固体潤滑剤が挙げら
れる。なお、パーフルオロポリエーテル(PFPF)な
どの潤滑油の薄膜とすることもできる。
【0019】ねじ軸1、ナット2およびサーキュレータ
チューブ4は、金属材により形成されており、ボール3
は、セラミックス材により形成されている。具体的に、
ねじ軸1およびナット2の素材としては、例えばJIS
規格SUS440Cなどのマルテンサイト系ステンレス
鋼に適当な硬化熱処理を施したものや、JIS規格SK
H4、AISI規格M−50材などの耐熱鋼とすること
ができる。サーキュレータチューブ4は、例えばSUS
304などのステンレス鋼で形成される。なお、ボール
3のセラミックス材としては、下記詳細に説明する。
【0020】このような材料でボールねじAの各構成要
素を形成すれば、例えば半導体製造装置などにおいて用
いられるハロゲン系腐食性ガスに対しても、腐食せずに
済むようになるとともに、使用環境での発塵をも低減で
きるようになる。
【0021】次に、上述したセラミックス製のボール3
に関する製造方法を具体的に説明する。
【0022】 原料としては比較的低品質なものを用
いる。原料である平均粒径0.5〜1μmのα型の窒化
けい素の粉末(例えば電気化学工業株式会社の品種番号
SN−9FW)に対してイットリア(Y23),アルミ
ナ(Al23),窒化アルミ(AlN),チタニア(T
iO2)などの焼結助剤を5〜20重量%添加し、これ
を適当な混合機(ボールミル)でもって有機溶剤または
水を用いて均一に混合する(調合工程)。
【0023】 混合されたスラリーにバインダーを混
入して、一定粒径の球状粒子を製造する(乾燥造粒工
程)。
【0024】 造粒粉末を単純形状の金型に充填した
状態で単軸圧縮する(成形工程)。なお、ここで成形品
を所望形状とする金型を用いれば、下記の一次加工工
程を省略することができる。
【0025】 この成形品をボール3に応じて最終形
状に近い状態に加工する(一次加工工程)。
【0026】 加工したものを脱脂炉内で徐々に加熱
し、脱脂対象品からバインダーなどの有機物を分解ある
いは揮発させて除去する(脱脂工程)。
【0027】 脱脂したものを1〜10気圧の圧力下
で焼結する(焼結工程)。焼結温度や焼結時間は、18
00℃、2〜4時間である。なお、焼結によって、成形
品が所定の割合で収縮するものの、この収縮量は、比重
を計れば容易に把握でき、ベースとする素材や助剤の混
合比によって適宜調整できる。
【0028】 この焼結体の転動面や摺動面に対して
超仕上げ加工を施し、最終製品の寸法、表面状態とする
(二次加工工程)。この超仕上げ加工では、表面粗さを
Zで約0.1〜0.8μmにまでできる。
【0029】 最終製品の表面のクラックやピンホー
ルなどの発生の有無を蛍光浸透探傷で検査する。
【0030】このような製造方法により得られるものを
低品位セラミックスと称する。この低品位セラミックス
と、従来例の製造方法により得られる高品位セラミック
スとの物性を調べたので、下記表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】密度は、アルキメデス方法により測定して
いる。硬度、破壊靭性値は、ビッカース硬度計を用いて
測定しており、硬度は図4に示すビッカース圧痕の対角
線の長さから算出し、破壊靭性値KICは、IF(Inde
ntion Fracture)法により下記する新原の式を用いて
算出する。曲げ強度は、直接材料の強度を測定するもの
で、JIS R 1601規格の3点曲げ強度試験方法
を用いている。
【0033】新原の式=0.0114E0.40.6-0.7
(C/a−1)-0.5 但し、Pは荷重(Kgf)、dは圧痕の対角線長(m
m)、Eはヤング率(Kgf/mm2 )、Cは圧痕の中
心点から亀裂の長さ(mm)、aは圧痕の対角線長の1
/2(mm)である。
【0034】ところで、上記製造方法のの工程におい
て、従来の高品質な原料を用いてもよい。この高品質な
原料とは、例えば平均粒径0.2μmのα型の窒化けい
素の粉末(高グレード品例えば株式会社宇部興産の品種
番号E−10)に対してイットリア(Y23),アルミ
ナ(Al23),窒化アルミ(AlN),チタニア(T
iO2)などの焼結助剤を10重量%以下添加したもの
である。この高品質な原料を用いて上記〜のような
処理を施したものを、中品位セラミックスと称する。
【0035】この中品位セラミックス製のボールについ
て下記試験により評価する。試験は、ボールのスラスト
試験、ラジアル試験を行った。
【0036】スラスト試験では、図5に示すようなスラ
スト軸受において、玉サイズを3/8インチ、1/4イ
ンチの2種類とし、油浴潤滑とし、軸の回転数を120
0rpmとし、面圧を3/8インチのものは291kg
f/mm2(2.85GPa)、1/4インチのものは
319kgf/mm2(3.13GPa)とした。いず
れのサイズのボールも、1000時間で打ち切ったが剥
離などの異常はなかった。
【0037】ラジアル試験では、図6に示すようなラジ
アル試験機を用いる。試験軸受は、呼び番号#6206
のラジアル玉軸受とし、油浴潤滑とし、回転数を600
0rpmとし、面圧を335kgf/mm2(3.28
GPa)とした。400時間で打ち切ったがボールに剥
離などの異常がなかった。
【0038】このような試験より、ボールねじのボール
を安価な中品位セラミックスとしても、優れた特性を発
揮することがわかった。但し、その場合、最大接触応力
を所要以下(安全を考慮して250kgf/mm2
下)に規制するのが好ましい。低品位セラミックスにつ
いても、前述の評価試験を行っていないが、前述の物性
評価によりほぼ同様になるものと考えられる。
【0039】そして、低品位、中品位セラミックスは、
従来例で説明した製造方法で製造される高品位セラミッ
クスに比べて密度が若干低下するため、その内部や表面
にポアが点在するようになる。低品位セラミックスの場
合、ポアの大きさが約20〜30μmに、また、中品位
セラミックスの場合、低品位セラミックスに比べてポア
の大きさが約1〜15μmと小さくなり、その点在量が
少なくなる。
【0040】しかし、このような低品位セラミックスや
中品位セラミックスでも、上述した評価により実用上あ
まり問題ないことがわかる。その上、低品位セラミック
スや中品位セラミックスの場合、高品位セラミックスに
比べて次のような点で優位であると言える。つまり、表
面に開口するポアが、潤滑膜5の摩耗粉をトラップして
貯溜するようになる。要するに、潤滑膜5の摩耗粉のボ
ール3に対する移着性が良好となる。これについて、上
記製造方法ののように超仕上げ加工を施していれば、
焼結体の表面により多くのポアが開口するようになるの
で、より潤滑膜5の摩耗粉のボール3に対する移着性が
良好となる。
【0041】この移着性について、下記試験により調査
しているので、説明する。この試験では、潤滑膜をコー
ティングした金属製(JIS規格SUS630)の平板
試料を水平に置き、この平板試料の上面(潤滑膜形成
面)に、超仕上げを施したセラミックス製の円柱試料の
外周面を垂直方向に押し付けた状態で、水平方向に滑ら
せることにより、円柱試料に対する固体潤滑剤の移着状
況を調べる。この垂直荷重は10Kgf、滑り距離を3
0mm、摺動回数を1回としている。
【0042】円柱試料は、低品位セラミックス(表面
粗さRZ約0.5μm)、中品位セラミックス(表面
粗さRZ約0.2μm)、高品位セラミックス(表面
粗さRZ約0.2μm)、高品位セラミックス(表面
粗さRZ約0.5μm)の4つを用意している。これら
の円柱試料は、いずれも直径φ40mm、長さ15mm
とし、平板試料に対する潤滑膜は、金、MoS2として
いる。金は、イオンプレーティングにて膜厚1μmと
し、MoS2は、樹脂バインダーを用いて、膜厚10μ
mとしている。
【0043】試験結果を、図7ないし図10に添付する
顕微鏡写真に示す。このうち、図7(a)〜(c)は、
前述のに関するもの、図8(a)〜(c)は前述の
に関するもの、図9(a)〜(c)は前述のに関する
もの、図10(a)〜(c)は前述のに関するもので
ある。また、図7ないし図10の各(a)は試験前の円
柱試料表面の状態を表し、図7ないし図10の各(b)
は潤滑膜を金とした場合での試験後の円柱試料表面の状
態を表し、図7ないし図10の各(c)は潤滑膜をMo
2とした場合での試験後の円柱試料表面の状態を表し
ている。
【0044】これらの写真結果から、低品位、中品位セ
ラミックスだと、表面に開口するポアに対して潤滑剤が
入り込むことがわかり、高品位セラミックスだと、表面
に開口するポアがほとんどないかもしくはかなり小さい
ので、潤滑剤が入り込まないことが分かる。結果的に
は、高品位セラミックスに比べて低品位、中品位セラミ
ックスは、移着性が良好となっている。
【0045】なお、前述と同様の試験を球体試料により
行ったが、図11および図12に添付する顕微鏡写真に
示すように、前述と同様の結果が得られた。図11
(a)、(b)は中品位セラミックスの球体試料に関す
るもの、図12(a)、(b)は高品位セラミックスの
球体試料に関するものであり、図11および図12の各
(a)は試験前の球体試料表面の状態を表し、図11お
よび図12の各(b)は試験後の球体試料表面の状態を
表している。球体試料は、直径3/8インチで、表面粗
さはいずれもRaで0.01μmである。平板試料に形
成する潤滑膜は樹脂バインダーを用いたMoS2とし、
膜厚10μmとしている。垂直荷重は5Kgf、滑り距
離を20mm、摺動回数を5回往復とする。
【0046】さらに、ボールねじの初期発塵試験を行っ
たので、説明する。この試験では、図13に示すような
発塵試験装置を用いる。試験に用いたボールねじは、呼
び番号1404、7TS3、5C7で、ねじ軸の軸径を
14mm、ボールの径を2mm(3.5巻、1列)、リ
ードを3/16″(4.763mm)としている。ねじ
軸、ナットをJIS規格SUS440C、サーキュレー
タチューブをJIS規格SUS304とし、ねじ軸とナ
ットの軌道溝に樹脂バインダーにPTFEを混合した固
体潤滑剤をコーティングしている。ボールは、実施例と
して中品位セラミックスに、比較例として高品位セラミ
ックスにしている。
【0047】試験条件は、下記のとおり。
【0048】・回転速度 :200rpm ・荷重 :アキシャル荷重(Fa)490N ・ストローク:50mm ・雰囲気 :10-3Pa以下、クリーンベンチ内(ク
ラス10) ・環境温度 :室温 ・計測条件 :粒子径0.38μm以上の発塵粒子数 ・面圧 :180kgf/mm2(1.76GP
a) 計測タイミングを10分間隔とし、試験時間を20時間
としている。
【0049】結果は、比率で言うと、比較例:実施例=
1:0.8になり、実施例のほうが優れている。そもそ
も、回転初期では、潤滑膜からの摩耗粉や剥離粉が発塵
成分となる。これらの発塵成分は、中品位セラミックス
の場合、表面に開口するポアにトラップされて貯溜され
るので、前述の結果が得られたものと考えられる。な
お、低品位セラミックスの場合だと、同等またはそれ以
上の結果が得られるものと考えられる。
【0050】なお、本発明は上記実施例のみに限定され
るものでなく、種々な応用や変形が考えられる。
【0051】(1) ナット2の軸方向一端または軸方
向両端には、必要に応じねじ軸1の螺旋溝11に対して
近接する非接触タイプのシールを設けてもよく、この場
合には低発塵性により貢献できる。このシールとして
は、合成ゴムなどの弾性体により円筒形に形成されてお
り、内周面の所要角度範囲にねじ軸1の螺旋溝11に近
似する断面形状の凸部を有するものが考えられる。
【0052】(2) 本発明のボールねじAは、真空環
境のみに限定されず、大気環境でも使用することができ
る。
【0053】
【発明の効果】本発明では、製造コストを削減するよう
に工夫しているから、従来の高品位セラミックスよりも
安価にでき、しかも、密度や強度については、従来の高
品位セラミックスに比べると若干低くなるものの、実用
上十分な強度を有している。しかも、原料についても低
品質のものを用いれば、原料コストをも低減できるか
ら、製品価格の一層の低減に貢献できる。このように、
本発明では、ボールねじを比較的安価に構成できるよう
になる。
【0054】また、焼結体には表面に開口するポアが存
在するので、これが潤滑膜からの摩耗粉をトラップして
貯溜するようになるなど、発塵の抑制と、潤滑作用の長
期継続とに効果を奏する。
【0055】したがって、例えば半導体製造過程のよう
に高精度な加工が要求されるところに本発明のボールね
じを用いると、清浄雰囲気を阻害しにくくなるので、半
導体製造品の歩留まり向上に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のボールねじの概略構成を示す縦断面図
【図2】図1のB部を拡大した断面図
【図3】ボール転動溝の他の例を示す部分断面図
【図4】本発明の実施例での硬度、破壊靭性値測定に関
する圧痕を示す模式図
【図5】ボールの寿命試験の様子を示す図
【図6】ボールの寿命試験に用いるラジアル試験機を示
す図
【図7】低品位セラミックスの円柱試料に関する潤滑剤
移着試験の前後の顕微鏡写真
【図8】中品位セラミックスの円柱試料に関する潤滑剤
移着試験の前後の顕微鏡写真
【図9】高品位セラミックスの円柱試料に関する潤滑剤
移着試験の前後の顕微鏡写真
【図10】他の高品位セラミックスの円柱試料に関する
潤滑剤移着試験の前後の顕微鏡写真
【図11】中品位セラミックスの球体試料に関する潤滑
剤移着試験の前後の顕微鏡写真
【図12】高品位セラミックスの球体試料に関する潤滑
剤移着試験の前後の顕微鏡写真
【図13】ボールねじの初期発塵寿命試験に用いる発塵
試験装置を示す図
【符号の説明】
A ボールねじ 1 ねじ軸 2 ナット 3 ボール 4 サーキュレータチューブ 5 潤滑薄膜 11 ねじ軸の螺旋溝 21 ナットの螺旋溝
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F16H 25/24 C04B 35/58 102K 102D (72)発明者 気田 健久 大阪市中央区南船場三丁目5番8号 光洋 精工株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属製のねじ軸およびナットと、セラミ
    ックス製のボールとを備え、少なくともねじ軸およびナ
    ットの軌道面に潤滑膜が形成されているボールねじであ
    って、 前記セラミックス製のボールが、平均粒径0.2〜1μ
    mの窒化けい素の粉末に対して少なくともY23,Al
    23などの焼結助剤が5〜20重量%添加された材料
    を、1〜10気圧の圧力下で焼結した焼結体からなる、
    ことを特徴とするボールねじ。
JP7145694A 1995-05-19 1995-05-19 ボールねじ Pending JPH08312744A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7145694A JPH08312744A (ja) 1995-05-19 1995-05-19 ボールねじ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7145694A JPH08312744A (ja) 1995-05-19 1995-05-19 ボールねじ

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Publication Number Publication Date
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH11270649A (ja) * 1998-03-25 1999-10-05 Nippon Seiko Kk ボールねじ装置

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JPH11270649A (ja) * 1998-03-25 1999-10-05 Nippon Seiko Kk ボールねじ装置

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