JPH08311511A - 低Si銑を製造する高炉操業方法 - Google Patents

低Si銑を製造する高炉操業方法

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JPH08311511A
JPH08311511A JP5038396A JP5038396A JPH08311511A JP H08311511 A JPH08311511 A JP H08311511A JP 5038396 A JP5038396 A JP 5038396A JP 5038396 A JP5038396 A JP 5038396A JP H08311511 A JPH08311511 A JP H08311511A
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Takeshi Uchiyama
武 内山
Kanji Takeda
幹治 武田
Nozomi Nishimura
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高炉1において低Si銑を製造するために高塩
基度原料2aを炉周辺部に、低塩基度原料2bを炉中心
部に装入する技術をさらに改善する。 【解決手段】高炉装入物の塩基度分布を、炉の無次元半
径0.7±1より大きい無炉周辺部で高く、中心部で低
くし、かつコークス中心装入を実施して炉芯の通液性を
高く保ち、安定的に低Si銑を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低Si銑を製造す
る高炉操業方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高炉において低Si銑を製造する方法の
1つとして、高炉装入物堆積層の塩基度分布を、炉中心
部よりも炉周辺部寄りの方がより高い塩基度となるよう
に調節して操業を行う方法(特開昭59−15003号
公報)がある。一般に高炉内でのSi移行は、羽口前の
高温領域において、 SiO2 +C → SiO+CO によりSiOガスが発生し、さらに SiO+Si+CO により、溶銑中にSiが入ることが知られている。
【0003】前記の装入物の塩基度分布を炉中心部より
も炉周辺部寄りの方がより高い塩基度を持つように調節
する方法においては、羽口前の高温領域を通過する溶融
物の塩基度を高めてSiO2 の活量を低下させ、SiO
ガスの発生を抑制することにより、Siの溶銑への移行
反応を抑制することがその主旨である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記の方法で
は図2に示すように、高炉1内にコークス層3の上に堆
積させる原料(鉱石層2)は炉壁側に高塩基度原料2a
を、炉心側に低塩基度原料2bを装入する。炉芯5の通
液性の悪い不活性状態においては、融着帯4の中心部で
生成した溶融物7は炉芯5の表層を羽口6に向かって流
れるため、羽口前の高温域においては結局装入原料の平
均的な塩基度となってしまい低Si化の効果が減少して
しまうという問題があった。
【0005】すなわち、高炉1の中心の通気、通液性が
低下する、いわゆる炉芯不活性化が起こると、図3に示
すようにSi低下効果がなくなる。本発明は、前記問題
点を解決した低Si銑の製造する技術を提供するのを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は前記問題点を解
決するために、高炉内に堆積させる原料の塩基度CaO
/SiO2 の半径方向分布を炉周辺部寄りの原料の塩基
度が炉中心部寄りの原料の塩基度より0.5以上高くな
るように装入原料および装入方法を調節し、かつ、高炉
中心部にコークスを装入し、中心部コークス層厚を大き
くすることを特徴とする低Si銑を製造する高炉操業方
法を提供するものである。この場合に前記炉周辺部寄り
と中心部寄りとの境界を、無次元半径0.7±0.1と
することが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明では、図1に模式的に示す
ように装入物の塩基度分布を、炉中心部よりも周辺寄り
の方が高くなるように調整しつつ、かつ通常のコークス
層3に加えてコークス8を中心部に集中的に装入するこ
とにより、炉芯5を活性化し、通液性を高く保つように
したので、中心部の低塩基度溶融物7は炉芯5を流れ、
周辺部の高塩基度溶融物は周辺部の羽口前高温領域を流
れる。また羽口前の高温領域において溶融物中のSiO
2 活量が低下し、SiOガス発生量が抑制され、溶銑中
へのSi移行量も減少する。以上の作用により結局出銑
Siが低下する。
【0008】無次元半径0.7±1としたのは、0.7
±0.1よりも炉周辺側はレースウェイの高温領域が存
在する領域であるため、0.7±0.1を境界として塩
基度レベルを分けると本発明の効果が大きくなるからで
ある。高炉のレースウェイ深度は、送風量、羽口径、コ
ークス粒度によって変化するが、これまでの測定例では
壁から1.0〜2.5m程度であった。図6に、塩基度
差0.8、中心装入コークス2t/chのときの[S
i]と境界位置との関係を示す。0.7±0.1をはず
れると[Si]が急激に高くなる。またCaO/SiO
2 塩基度差を0.5以上としたのは図5に示すように、
塩基度差が0.5以上で、SiO2 の活量asio2が約2
倍の差がつき、目的とするSi低下の効果が得られるか
らである。
【0009】半径方向の塩基度分布の調整は、具体的に
は、 (イ)高塩基度に調整した焼結鉱、ペレット (ロ)ドロマイト、転炉滓、連鋳スラグ等のCaO濃度
の高い副原料 等の高塩基度原料を周辺部に装入し、 (a)低塩基度に調整した焼結鉱、ペレット (b)生鉱石 (c)硅石等のSiO2 濃度の高い副原料 等の低塩基度原料を中心部に装入すればよい。また上記
塩基度の異なる原料を所望の位置に装入するには、ベル
レス装入装置を有する高炉又はベル・ムーバブルアーマ
の装入装置を有する高炉において、鉱石の装入バッチを
塩基度を変更した2バッチ以上に分割し、低塩基度の原
料がより中心に、高塩基度の原料がより周辺に堆積する
ようにベルレス装入シュートの角度又はムーバブルアー
マの位置等を調節して装入すればよい。ベルレス高炉に
おいて鉱石を多バッチにする時間的余裕又は炉頂バンカ
の数が不足しているか、又はシーケンス上多バッチ化が
できない場合は、貯鉱槽からの切出順序を高塩基度原料
から低塩基度原料へ順次切出すことによって、高塩基度
原料が先に炉内に装入されるように調節し、炉周辺部か
ら順次原料を装入してもよい。またはこの逆を行っても
よい。
【0010】コークスを中心部に装入するには、ベル高
炉においては専用の中心装入シュートを用いるのが一般
的である。ベルレス高炉においては装入シュートを垂直
又は垂直に近い状態でコークスを装入する方法を用いれ
ばよい。
【0011】
【実施例】次に本発明の実施例について説明する。表1
に本発明の実施例及び比較例の操業条件及び結果を一括
して示した。実施例1〜3、比較例1〜3で塩基度分布
を調整する方法は、鉱石を高/低塩基度原料に2分割し
て、ベルレスシュートの角度を調整することにより高塩
基度原料を周辺部に、低塩基度原料を中心部寄りに装入
した。また実施例1〜3においてコークス中心装入はベ
ルレス装入シュートを垂直に立てた状態でコークスを装
入することにより実施した。
【0012】比較例1〜3はコークス中心装入を実施し
ていない。実施例1は高塩基度のバッチに塩基度2.0
の焼結鉱を用い、低塩基度のバッチに生鉱石を用いた。
実施例2は低塩基度のバッチの生鉱石を実施例1よりも
増やし、高塩基度のバッチに転炉滓を装入して平均の塩
基度を実施例1とほぼ等しくなるように調整した例であ
る。実施例3は高/低塩基度を大略50:50に分割
し、焼結鉱と生鉱石の配合率と連鋳スラグを用いて塩基
度を調整した実施例である。
【0013】図4に実施例1〜3の炉頂装入原料の半径
方向の塩基度分布を実測した結果を示す。いずれの場合
も炉壁近傍で塩基度が高く、中心部で塩基度が低下して
いる。表1から明らかなように、実施例1〜3は、コー
クス中心装入を実施しなかった比較例1〜3と比較し、
出銑Siが0.05%低くなっており、本発明により安
定的に低Si銑を得ることができた。
【0014】表2にベルレスの装入パターンを変更する
ことにより、無次元半径0.7で分割した時の装入原料
の周辺側塩基度と中心側塩基度との差が実施例1〜3よ
りも低くなるようにした場合の操業試験結果を示す。比
較例4〜6は装入原料の塩基度差がそれぞれ0.2,
0.4,0.4の割合で、出銑Siは0.24〜0.2
5%と、いずれも実施例1〜3の0.18〜0.20%
よりも高く、効果が小さい。
【0015】表3に中心部寄りと周辺部寄りとの境界を
0.5〜0.9としたときの実施例4〜7を示した。な
お、実施例1も表3に再掲した。またこれらを図6にプ
ロットしてグラフで示した。図6にも示したように、無
次元半径が0.6〜0.8では[Si]が0.204〜
0.208と低いのに対し、無次元半径が0.5の実施
例6、0.9の実施例7ではそれぞれ[Si]が0.2
21、0.225といずれも無次元半径が0.7±0.
1の実施例よりもいくぶん高く、従って、中心部寄りと
周辺部寄りとの境界を0.7±0.1の範囲にすると、
より優れた効果が得られ好ましいことが知られる。
【0016】なお、ここではベルレス高炉における試験
結果のみを示したが、ベル・ムーバブルアーマ高炉にお
いても同様な結果が得られている。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】
【表3】
【0020】
【発明の効果】本発明は、高炉装入物の塩基度分布を炉
周辺部で高く、中心部で低くしかつコークス中心装入を
実施して炉芯の通液性を大きく保ったので、低Si銑を
安定的に製造することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】高炉内の炉芯活性時の炉内液流れを模式的に示
した図である。
【図2】高炉内の炉芯不活性時の炉内液流れを模式的に
示した図である。
【図3】出銑Siと炉芯コークス粉等の関係を示したグ
ラフである。
【図4】装入物塩基度分布を示すグラフである。
【図5】塩基度とSiO2 の活量asio2との関係を示す
グラフである。
【図6】出銑Siと無次元半径との関係を示すグラフで
ある。
【符号の説明】
1 高炉 2 鉱石層 2a 高塩基度原料 2b 低塩基度原
料 3 コークス層 4 融着帯 5 炉芯 6 羽口 7 溶融物 8 コークス

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高炉内に堆積させる原料の塩基度CaO
    /SiO2 の半径方向分布を炉周辺部寄りの原料の塩基
    度が炉中心部寄りの原料の塩基度より0.5以上高くな
    るように装入原料および装入方法を調節し、かつ、高炉
    中心部にコークスを装入し、中心部コークス層厚を大き
    くすることを特徴とする低Si銑を製造する高炉操業方
    法。
  2. 【請求項2】 前記炉周辺部寄りと前記中心部寄りとの
    境界を、無次元半径0.7±0.1としたことを特徴と
    する請求項1記載の低Si銑を製造する高炉操業方法。
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